シナリオ詳細
<シトリンクォーツ>機の幻影に躍れ
オープニング
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――シトリンクォーツを知っていますか?
そう口にしたのはギルド『ローレット』に所属する『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)。
偉大なる情報屋であった故エウレカ・ユリカの愛娘である彼女の情報はまだまだ不完全なものも多いが、今回の情報確度はSS級だ。
「シトリンクォーツって宝石の名前なのですけどこの時期に混沌世界に咲く黄色い花に由来しているのですよ。
その花が咲く頃に豊穣とこの一年の幸福を祈って勤労に感謝する一週間があるのです。
ローレットに来て皆さんはたっくさんお仕事をして下さってますから、その働きに感謝して旅行に行ってみてはいかがでしょうか?」
旅人の誰かは『ゴールデンウィーク』と『勤労感謝の日』が混ざったような期間だと口にした。
ユリーカは「そういうものがあるのですね?」とこてりと首を傾げて、楽しんできてくださいねと小さく笑った。
●
練達――都市国家として成り立つ探求都市にて『実践』の塔主の佐伯操は特異運命座標たちの休日を一日くれないかとローレットへと声をかけた。
練達と言えば様々なシステムが完成され、ローレットでの戦いをより優位にする可能性があるとも噂されている。
今回はといえば……
「ぶいあーる?」
ぱちりと瞬くユリーカに操は大きく頷いた。バーチャルリアリティー。仮想空間にて模擬戦闘プログラムを作成したのだという。
練達まで足を運んでもらう必要はあるそうだが、実践の塔『第4研究室』では折角のこのシステムを日々、冒険者として戦う特異運命座標達に使用して欲しいそうだ。
「折角の休日に私の研究に付き合わせてしまい済まないとは思うが、今回の実験は君たちにとっても重要なものになると思う。
このシステムが完成さえすれば模擬戦闘を通してスキルアップも可能となるのだが……いかがだろうか?」
整った貌に浮かべた笑みは美しい。操はテストプレイヤーとして特異運命座標達を招き、1度の戦闘を通してそのシステムの完成度を確かめたいのだという。
「勿論、システムは完成したばかりだ。危険性がないとは言い切れない。
申し訳ないが、一人一度のみ――長時間の戦闘は避けて貰う様にお願いしたく考えている」
ローレットに足を運んだのは特異運命座標を誘う為だけではないようで。
ユリーカに報告書を用意するように頼んでいた操は「ふむ」と小さく呟きその唇に笑みを浮かべる。
「この報告書を元にデータを構築しよう。友人同士での模擬戦闘でも構わないが、君達が今まで戦った相手を相手取る事も出来る様に」
十分な報告書があってよかったと操は満足げに頷いた。
仮想空間は今のところ荒野をセッテイングしているが他の舞台も十分に準備できると操は言った。
ただし――ただしだ、『余りに強大な敵』や『まだまだ解明されてない相手』ではシステムに組み込めないと付け足して。
「貴重な休日に申し訳ないが協力してはくれないか?
何、礼はこのシステムの完成だ。君たちが今後、より良い冒険が出来る様に、ね。是非、協力を頼むよ」
- <シトリンクォーツ>機の幻影に躍れ完了
- GM名夏あかね
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2018年05月19日 21時15分
- 参加人数68/∞人
- 相談10日
- 参加費50RC
参加者 : 68 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(68人)
サポートNPC一覧(3人)
リプレイ
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練達――探求都市国家アデプトの実践の塔『第4研究室』で深く椅子に腰かけた塔主、佐伯操は訪れた特異運命座標たちの顔ぶれを見遣り満足そうに頷く。
「諸君、よくぞ来てくれた」
大きく頷く操からのオーダーは第4研究所で作成された仮想空間での戦闘システムテスト――つまりはVRテストだ。
「VRテスト記念を兼ねて『第一回イレギュラーズバトルロイヤルin佐伯カップ』を開催したいと思う。佐伯博士、こう言うケースのデバックも必要ではないかな?」
「佐伯カップというネーミングが非常に気に入ったよ。それではよろしく頼もうかな?」
ラルフの申し出に大きく頷いた操はイレギュラーズ達の『バトルロイヤル』を心待ちにするかのように僅かに身を乗り出す。
実況・解説はラルフと操に掛かっているのだろう。
「宜しくお願いする」
さて、彼らの前で拳を打ち合わせたルウがぺろりと舌を見せる。怪我をせず仮想空間で戦えるのはいい。無駄な心配が必要ないからだ。
「折角だし、乱闘に飛び込むとするぜ!」
ぐん、と一気に輪の中へと肉薄するルウ。眼前に迫る一撃にハロルドはにぃと唇を釣り上げた。
「はははははっ! この時をどれほど待ち望んでいたか! さぁ派手に戦おうぜ!
難しいルールなんてねぇ! 最後まで立ってた奴の勝ちだ! いや! もはや勝ち負けすらどうだっていい!
少しでも長く! 少しでも多くの戦いを! とことん楽しもうじゃねぇか!」
狂気すら孕んだその言葉にラルフは有望株なのだと操へと紹介した。耐久力に定評のあるハロルドとパワーに優れたルウのぶつかり合いは期待の対戦といえるだろう。
「仮想空間って概念があるのは凄いね」
『旅人の知識と技術の発達だろうな』
ティアにとって旅人達が研究を続ける練達の技術はめまぐるしいものだ。とん、と地面を蹴り宙を舞うティアは神様との対話を楽しみながら容赦なしのエーテルガトリングを放つ。
生命を刈り取るジャスティティアもがこの仮想空間には存在していた。
宙より降り注ぐ一撃に顔を上げた葵は「おっと!」と身を捻る。全員が敵の乱闘――それ故に多数に攻撃できるティアの攻撃は効果的だ。
(個人プレイでどこまでできるか試すっス……要はやられなきゃいいんだろ! やられなきゃ!)
集団に横やりを挟む様に曲芸射撃を放つ葵。機動力には自身があるという彼の一撃に佐那はくるりと振り返る。
「痛みも感じるのね? ふふっ……これだけの人と刃を交わし、切磋琢磨できるなんて。いい機会だわ――!」
「ここだ、脳天ぶちぬいてやるっス!」
その言葉が交差し合う。葵と佐那の視線が克ち合い――うっとりとしていたシフォリィはその衝撃にぐんと吹き飛ぶ。
「きゃーーー!?」
VRという機構は彼女にとっても見知らぬもので。感覚さえも感じられるそれにうっとりとしていたからか周囲の乱闘には彼女も耐えきれなかった。
「おや? 彼女はどうやら脱落のようだよ」
楽し気に笑った操の声にラルフは小さく肩を竦めた。乙女の興味は計算の外であったのだろう波乱のバトルロイヤルになりそうだ。
シフォリィが飛んできたことに気付き逃げの姿勢を見せる碧は少数に減るまでは逃げの一途をとるが吉と見ていた。
(ふふ、手数であれば負ける心算はありません)
耐え忍びつつ好機に仕掛ける。それが碧の闘い方なのだと彼女は小さく笑みを浮かべる。狙いが向けば至近へと積めて参加者の数を減らす。それこそがベストであるはずだ。
結は己を自己強化し、魔剣ズィーガーを振り翳す。
「魔力の残量には気をつけろよ」
「ええ、先手必勝――一気に攻めるわ!」
複数の相手に警戒し攻撃を仕掛けた結の一撃を碧はひらりと交わして見せる。
その様子にもダークネスは唇を釣り上げ、楽し気に両の手を広げて見せた。
「くくく……! ははははは! はーっはっはっはっはっ! この風! この肌触り! この匂いこそ戦場よ! VRであるがな!!
遠からぬ者は音に聞け! 近くば寄って目にも見よ! そして恐れよ、我が威光!
我こそは、悪の秘密結社『XXX』が総統っ! ダァークネスックイィーンッ! であるっ!!」
豪快な名乗り口上を聞きながらアルテミアは全力で倒せばいいのね、と姿勢を低くする。その瞬発力を生かし、一気にダークネスに肉薄したアルテミア。
「こっちよ」
「何っ!?」
振り仰ぐダークネス。肉薄したアルテミアの唇が釣りあがった。その瞬間、何処からか感じられる『ゴッド』のオーラ。
「ほう! ユーがこのシステムを作ったのかね、エンジェル!
なるほど、仮想、イマジネーション……人の心の向こう側!
サイエンスとは違う概念にサイエンスで挑む! なかなかに面白い!」
ゴッドたる豪斗は素晴らしいと両手を叩く。マインド世界のゴッドはここでも『ゴッドソウル』を忘れる事はない。
アルテミアの一撃に怯んだダークネスを瞬時に狙ったのだろうそれはダークネスを沈黙させる。堂々とした豪斗のハートはホープにシェイキングしているのだ。
「さぁ来い! 最初の一発はくれてやらぁ!」
そんなゴッドに対してやる気十分に右腕に盾を構えたゴリョウ。それは死亡フラグというのではないのか――そういうツッコミはこの際無しだ。
この大衆の面前でどれくらいやれるのかを試したいというゴリョウの横面へと飛び込んだのは――
「なるほど」
ガーグムドだ。
「引かぬ! 避けぬ! 顧みらず!」
斧を叩きこむガーグムドにゴリョウが「ぐえっ」と声を上げる。しかし、頑丈な彼はそれでは終わらぬと言うように手にしたメイスを振り上げた。
(本物じゃないなら、手加減とか、いらない、よね)
淡々と呟くコゼット。気配を遮断しガーグムドとゴリョウの様子を見詰めているが――回復を重視し、『一人で戦う事に慣れている』と言うようにコゼットは立ち回る。
佳月は戦闘力はないがこの場所でそのギフトは効果的だ――九つの幻を呼び出しコゼットやアルテミアを翻弄していた。
無論、佳月にとって本体が攻撃されない事こそが最良だ。ひとつ、ふたつと消える幻に頬には汗が伝う。
「あたし、戦う事しか、できない、けど、これで研究の役に、立った、かな?」
ぽそりと聞こえたコゼットの声に反応した刹那――
●
練達と言えば『元の世界に戻る為に旅人たちが研究を続けている』のだそうだ。
勿論、元の世界、もしくは他の迷いこんだものたちの無数にある他の世界――元の世界に戻る研究をしているのだと聞いたから。
エリザベートにとって元の世界に未練があるわけでもないけれど、行き来できるようになればそれは良い事だ。
「貴方達の研究はどこまで進んでいるのかしら?」
「それを聞かれると痛い所をつかれた気がするな。現状では『混沌で平和に過ごす』事は出来ても――戻る事は不可能だ」
淡々と告げた操。勿論、世界の法則を考えればエリザベートの思う通り『上位世界から下位世界へ行くことは侵略』に他ならない。
穴をこじ開けて戻れど下にある世界を壊す事になり得るのだと聞き彼女は緩く目を伏せる。
エリザベートの眼前ではVRに勤しむユーリエの姿があった。幻想種たるラーシアを相手とるユーリエは何処か緊張を滲ませる。
「VRってことだけど……バーチャル空間に閉じ込められたりはしないですよね!?」
「それも面白いんじゃないかしら?」
冗句めかすエリザベートにユーリエは「ひい」と小さく呟いた。たん、と地面を踏むラーシアの手元から木々の気配を感じる。
ぐん、と接敵するそれを鎖で受け止め弾いたユーリエが一気にラーシアへと肉薄した。
ラーシアは遠距離より敵を拘束し狙う事を得意としているのだろう。回復を重ねながら攻撃を集中させるユーリエは己との戦闘スタイルの違いを体感し続ける。
「ラーシアさん、今日は貴重な体験をありがとうございました!」
獣種の傭兵と聞いているけれど、とジョゼが相手にしたのはエディ。好きな相手と戦えるシステムというのは中々に素晴らしい。
同じ獣種。エディとの戦いがジョゼの戦略を広げることになるだろう。
「サシの戦略の幅がそんな広くねぇんだよなー。このままじゃ親父にまた『帰ってこい』って言われそーだ」
その言葉にエディは「なら頑張らないとな」と淡々と告げた。プログラミングされたVRは幻そのものが其処にあるかのようだ。
VRエディ自体もプログラムが会話を成立させているのだろうが本人との対話を思わせる。
「いくぞー!」
ぐん、と抹消面から飛び込むジョゼ。その動きを刃で受け止めたエディが軽いと小さく告げた。しかし、その距離を詰めた青年は靭やかに暗器を振るう。
「おっと!」
ジョゼは追い掛ける様に一刀両断で飛び込んだ。
「……模擬戦闘……システムのテストって……ことだよね……折角だし……普段挑戦できない人に…挑んでみようかな……?
……エディさん……勝負になるか……分からないけど……挑戦を受けて……くれますか……?」
緊張した様に告げるグレイルにエディは大きく頷いた。勿論だと言うように攻撃を重ねていく。距離をとるグレイルと距離を縮めんとするエディ。その戦闘スタイルは大きく違う。
ぐん、と距離をとれば詰められるを繰り返しながら、幾重も重ねる攻撃にグレイルの額にも汗が滲む。
(……強い……)
「おや」
ファンの声にラクリマが笑みを浮かべる。中距離を保つ彼に肉薄したファンは己が肉体を使用した攻撃が得意なのだろう。
彼の戦闘スタイルは熟知していると操が最初に胸を張っていたが、システムに組み込まれているファンにとっては己の戦闘を外から見る面白い機会なのだろう。
「あんな感じですか?」
「こんな感じだそうですよ」
VRファンと戦うラクリマは外で見ているファンに対してそう告げる。ああ、これもまた面白い。
「ふうん。シミュレーションだとしても、『ある程度はそのもの』なんだね」
成程、とレイは小さく呟き、知りたいのはローレットの長たるレオンだ。
「お手柔らかにね」と冗談めかして話すところも彼そのものだとレイは大きく頷いた。リアルすぎて酔ってしまいそうだとその空間を立ち回る。
レオンの握る剣が接敵するレイの刃をぶつかり合う。制限時間いっぱい『全力で受け止め少しでも攻撃』を加えることを狙う。
「模擬戦でも手加減しないタイプなのかな?」
「手加減するのも失礼だろう?」
バーチャルででも手合わせしてくれるならそれは最良だ。レイの口元に僅かに笑みが浮かんだ。
とん、と地面を踏み締めた公磨は何時しか此処でスポットライトを浴びて大歓声の元、ライヴがしたいのだと笑みを浮かべた。
「せっかくだ! 君とは一度じっくりオハナシしてみたかったのさ――カモン! 月原 亮君!」
呼びかけに亮の姿が現れる。勿論、システムで完成された彼と話せば現実の彼と同じ反応をする事を知っている。
まずは、心の模擬戦だ。
「僕程じゃあないが君も良く見れば中々整った顔立ち……亮君! 君はアイドルに……興味ないかい? ジャミーズに……興味ないかい?」
「……俺が――アイドル……?」
ああ、興味がありそうだ。彼も健全な男子高校生。公磨はそれを好機と「僕が君との模擬戦に飼ったらジャミーズという事で一つ」と踏み出した。
一方で―――シャイネン・ナハトで出会ったDr.マッドハッターを相手取りたいという大地。図書館を指定し、仮想空間が出来上がればVRの彼はにやりと笑っている。
「やあ、特異運命座標(アリス)。私をご所望とはずいぶんと物好きだね」
かつり、とステッキを音鳴らしたマッドハッターは大地の様子を伺っているかのような仕草を見せる。彼は『トリッキーな戦いを得意とするのだろう』。大地の得意な間合いを計ったかのようにマッドハッターは動き出した。
「遮蔽物のある状況で戦わなきゃいけないこともあるかもしれないしな。
……そういう時、なるだけ相手以外のものを傷つけずに戦う練習をしたい」
「心優しいアリス。君に一つ良い事を教えてあげよう――知っているかい? 『私以外を見ないでおくれ』」
その言葉がどこかで重なった気がする。にぃ、と唇を釣り上げた現実のDr.マッドハッターは大地と幻の己を楽し気に見詰めている。
「ミスタ、子供染みた嫉妬(やきもち)ではブリキのハートも手に入らないのですよ」
紅茶を傾けたヘイゼルは冗句めかしてマッドハッターを窘めた。アリスというよりはドロシーを思わせる彼女の言葉にマッドハッターは違いないと笑い出す。
ハロウィンの時に彼は己を構わないアリスに拗ねていたではないか。お守役に思えるファンを解放してあげたいというのは彼女の気づかいなのだろうが、マッドハッターはそれに気付く素振りもない。
「此処は時計が6時で止まってはいませんので無限では無く」
「ああ、構わないさ。狂ったお茶会に過ぎる時間は早くも遅くもどちらでもいい! 毎日がお誕生日なのだからね」
けらけらと笑った彼の姿を両眼に移しこみアマリリスがほうと息を吐く。マッドハッターさま、と呟きレンを肩をばしりと叩く。
(あの隙のない立ち方、風貌、あとこの世界のブレイン! 素敵………)
瞳をきらりと輝かせるアマリリス。その様子にレンは「そうか、マッドハッターが好きなのだな。だがその好きは尊敬のほうの好きのように見えるが」と首を傾いだ。
「ああ……」
「そんなに好きならば、話しかけてみればいいだろう?」
そんなの――そんなの恥ずかし過ぎる。照れに首を振るアマリリスに「マリー?」とレンは不思議そうに首を傾いだ。
仮想世界のシステムから解き放たれて現実世界で見つめるマッドハッターは何時もと変わらぬ雰囲気だ。遠くから見つめているだけでいいの、と頬を赤く染め上げた乙女にレンは「気づいてもらえないぞ?」と不思議そうにまたも首を傾いで見せた。
「模擬戦の対戦相手は自分……は面白くないから操嬢、よろしければ一局お相手願っても?」
「ああ、構わない。けれど、そうだな私が完璧にトレースした私と戦ってみないか?」
これが科学の進化だと言うように操が作成した機構。システム上の操は心なしか――現実より美しい。
「あら」
小さく笑いシーヴァは常の通りの攻撃を見せる。操の戦闘はマッドハッターと同じくトリッキーそのものだ。
シーヴァの一撃を受け止めて操は背負った『オリジナルの機構』をぐいんと大きく動かした。
「……驚いた。あれが武器なんだな」
ぱちりと瞬くトラオムにとって操の使用するものすべてが珍しい。今回はプログラム調整を行う操の手伝いを買って出たトラオムだが、彼女の使用する武器そのものも珍しい。
「これは君の世界で用いられてた技術なのか?」
「ああ、そうだ。私の――もしかすると同郷の者も居るかもしれない――故郷の技術や他の旅人たちの技術を掛け合わせたものだ」
大きく頷く操にトラオムは成程、と小さく呟いた。この世界の技術レベルは旅人たちにより格段と進化しているのだろう、だが、あくまで『混沌法則』の中での話だ。
ロケットを作成する原理が分かれど、それが世界に認められなくては『作れるだけ』になってしまう。理論は合っていても『使用』ができないのだという。
「痛覚の精度は少々落としても問題ない気はするよ。
その代わり状況を機械的にモニターして視覚化する等ができればトレーニングの目的は十分果たせるように思う。戦闘訓練の問題は、それが元で再起不能になる可能性があることだからね」
「ふむ、なるほど。参考にしようか」
飛行系のモンスターとの戦いを経たハイゼルの意見に操は大きく頷いた。この国の研究内容は操やマッドハッターなら閲覧可能だ。
見れるようにはどうすればいいのかと告げたハイゼルに操は「君達が私達に利益をもたらしてくれた時だな」と冗談のように告げて見せた。
「幻想ではゴーレムのような人工的に作られた生命体の関わる事件が複数起きてるの。
人工生命体の製造元ははっきりしないけれど、ある個体にはシオドマクって名前らしきものがあったそうよ。
人工生命の創造ってかなり高度な技術じゃないの? まるで神への挑戦よね……」
そう告げた暁蕾に操はふむ、と小さく呟いた。神への挑戦――それはまるで練達の在り方のようだ。
人工生命体に書き写す事が出来れば。ロボットに人の心が芽生えるのかという疑問にも似ている。その答えに迷う操は紅茶に口をつけ、遠巻きからその会話を聞いていたマッドハッターへと視線を送る。
「――だそうだが」
マッドハッターは楽し気に笑い、「心とは何なのだろうね、アリス?」と首傾いだ。
●
仮想には仮想の。リアルにはリアルの。特徴がある事を知って居ながらヴェノムは『操先輩』と戦いたいと小さく笑う。
「私より君向けの存在があるさ」
ローレットのイレギュラーズに限定するならばこれかな、と彼女が作り出した幻。それが誰かのかは口にはしないが――ヴェノムはぺろりと舌なめずりをした。
「狗は病んでゐるの? お母あさん。いいえ子供。狗は飢ゑてゐるのです」
初手に見せた攻撃一つ。躱せる攻撃は全て躱す。受けるべき攻撃は全て受け止める。仮想の世界で血潮が流れれどヴェノムは赤い瞳で楽しいと言わんばかりに世界を胡乱に見遣る。
丁寧に丁寧に解体(こわ)す事だけ目的に――
「ひああ」
何処からか幼い泣き声が聞こえる。メドが相手とったユリーカには生憎だが戦闘能力がほぼ存在していない。それは少女の幼さもあるのだろうが、情報屋というものに特化し、イレギュラーズではない事が災いしているのだろう。
メドの一撃に怯えた様に走り回るユリーカ。逃げる相手と戦うのは成程、中々に訓練には近づいていく。
「大丈夫です。全力で行きますので」
「ぼ、ボクも全力なのですよう」
ぽこり、と叩かれた衝撃は余りに弱く。メドは小さく笑みを溢すだけだった。
「他の方が大規模な戦闘を考えておられるようなので、まず私の戦闘で軽く機械の調整をしてみてはどうでしょう? レベル1が戦うであろう敵なので試運転にはちょうどいいはずですから」
そう告げた魔王の言葉に操は確かに、と大きく頷いた。まだこの世界での戦闘経験がない彼にとって絶好の機会だろうと魔王は笑う。
モンスターを先ずは一体。それは幻想でよくみられる存在だが――レベル1となった己を試すいい機会だ。
「興味があるのは、このVRの出来そのものだからねー。戦闘自体は適当でいーや」
コリーヌは多数のモンスターを相手とりながらVRテストを終え、ふむむと悩まし気に首を傾げる。この世界――混沌世界のシステムにしてはよくできている。いや、幻想などと比べれば『出来すぎている』感じさえもする。
「改めて思うけど。随分と尖がった発展の仕方をしているよね、この国って」
それが元世界への回帰の目的であれど強すぎる力は世界を崩壊させる可能性さえもある――
「ええ、『 』……その名を捧げる相手はご主人様のみ」
虚構を見詰め、虚構を愛するかの如くヘルモルトはそう告げた。人であれと、ご主人様のその願いをかなえるが為彼女は言う。殺しましょう、と。
殺しましょう、殺しましょう。再び最高傑作の栄養を戴く為――哀しみと喜びを味わうが為――神を殺すのは人たる証。
「この世の全ては虚構に過ぎぬ。人という一瞬の生が見せる幻」
なればこそ、運命管理機構は稼働する。アイオンの瞳は全てを見通すが如く。
ゲンリーは手を伸ばす。その世界の敵に。接敵する相手に。
「其は運命を縛り、操る法。欲望を、縁を、宿命を司る管理機構。
この虚構の戦いは、やがて訪れる我らアイオンの戦い、その未来形をトレスする。我らは、混沌の裂け目に打ち込まれた楔なれば」
「現は、意志持つ者の観測により成り立つもの。誰も認識せねば、それはあっても無きものと同様。 なれば、誰かが『在る』と認識すれば、虚構は虚構では無くなる……今、目の前に、確かにそれは『在る』」
虚構と現実を混在させる存在を目にしてローラントは深く息をつく。虚構はそこに存在し得る――だからこそ、彼は言う。
虚構に還るが良い、と。
「この後、勝利したらアニメショップに同伴って言いにくくない!?」
「俺は勝利したら恋人用のコスプレ衣装を買いに行ってほしかったんだけどな」
虚構と戦うアイオンの瞳総勢三人をちら、と見て晴明と春樹は顔を見合わせる。
「マッドハッター×シンロン……萌えるな!」
「萌えるか?」
問い掛ける晴明に隙アリと言わんばかりにペンタブを振るい上げる春樹。姉ヶ崎先生は歪みない。香りを身に纏いながら神秘を放つ晴明は「くそ」と小さく毒づいた。
「いっそ、アニメショップでコスプレ衣装買えば? 既製品」
「……ありかもしれないな」
可能だろうかと、操に問いかけていた汰磨羈はくるりと振り返り、笑みを浮かべる。
「折角だからな。やり合う機会が全く無い奴とやりたいだろう?」
噂に聞く覇竜領域に存在するという竜ー―その存在がどのようなものかを楽しみにする様にクロバは口元に笑みを讃える。
「竜だろうとなんだろうと、斬れば殺せるのなら――やる事は一緒だ 」
「おー……練達って本当にすごいんだなぁ……!」
ヨルムンガンドはぱちりと瞬く。仮想の敵であれど操が頑張って――今回は死ぬほど頑張ったのだよ、と彼女は胸を張っていた――プログラミングした竜種の如き存在。
「ぶいあーる? 好きな相手と戦えるなんて中々すごいじゃない!
前に街角でレオンが見た事あるって言ってたし……可能な限りで再現されたドラゴンがいいわ!」
「前に死体とは戦った事があるけどな……本物も見てみたいぞ……!」
ついでに焼き肉も奢ってくれるかもしれない。そんな声はクロバは無視した。ルーミニスとヨルムンガンドがやる気十分な事に 気付き、彼もしっかりと『プログラミングされた竜』へと向き直る。
「ロマンある、自分の為の戦いがしたいわね!」
「脳筋三兄妹ならば行けるはず。信じているぞ!」
さあ、強敵だ。操曰く『未知数過ぎて私の想像上のドラゴン』でしかないそうだが――倒すことは叶わぬだろう。それ程に相手は雲の上の存在なのだ。
「豊穣への感謝と勤労への労いを込めた週間……
正直な話、時間を持て余しそうだったが……練達からの申し入れ……これは非常に有意義だ」
ウォリアにとって素晴らしい機会だというそれ。マンティコアを用意しウォリアはやる気を滾らせる。
ジグザグに動き回り、フィールド上で喉を鳴らしたマンティコアがウォリアをその両眼に移しこむ。しかし、彼は巨体で動き回るマンティコアには負けることはしない。フレイムバスターで一気に凪払えばそこに残るのは血肉だけだ。
――灰冠のNoël=Réplique。色無き世界の少女。狂ったように魔性に笑う。
その存在を目にしてアルプスは『DPSチェックですね』と小さく呟いた。
「倒せなかった相手でもいいんですか?」
「――勿論、報告書にあるからね」
ローレットの報告書はユリーカに揃えて貰ったと操はひらりと一枚の報告書を手にしていた。倒すことのできなかった魔性を目の前にアルプスは博士、と操を振り返る。
「強すぎたり、未解明の敵はシステムに組み込めない……というのはまだ高い数字を元に再現する調整ができないからでしょうか?」
「『どういうものかわからないから』だよ。それこそ、私の知識を超えているとかね」
覇竜領域の竜種の如く。万能ではないのだと操は告げる。アルプスはそうですか、と小さく呟き、報告書から作成された仮想の存在を一気に殴りつけた。
――仮想の世界で死ぬことはあるのだろうか。ジークが興味を持ったのもまた、『Noël』であった。彼女はケタケタと笑っているだけだ。
ケタケタ――
ケタ。
「倒せるのかな」
さあ、それは解らない。何せ彼女は『仮想』の存在だ。
死なないならば、全力で。仮想と現実の狭間、狂気の顔がジークを見遣り『面白そうに』笑っていた。
「バーチャルリアリティー……ここまで来ると科学も魔法の領域ね。
こういうシステムを使わないと普段は本気で戦うことのできない相手……これまでの敵にローレットのメンバー、色々思いつくけれど、これも正しくそうかなって」
向き直ったのは自分自身だ。エスラはゆったりと笑みを浮かべる。
ステータスもスキルもすべて同じ。気持ちで勝った方が勝ちだなんて甘いことも言えない。なぜならば――相手は自分なのだから。負けず嫌いに違いない。
「それでも負けないわ……!」
「このぶぃあーる? と言う物はいろんなモノを再現できるのだとか。
それなら身体能力を弄った自分を相手にする事はできないかな?」
首を傾いだサブリナに操は少し数値を弄ってみようかとプログラムを書き換えている。勿論それはあり得るかもしれない未来だ。
防ぐことを中心に身体能力を向上させた己を相手にサブリナは戦うのだとやる気を見せる。
「宜しくお願いしますね、『私』」
己と戦う事はこれからにも繋がるのだとメルトはよく知っている。
「模擬戦……せっかくなら自分自身と戦ってみたいね。
普段分からない癖や弱点が分かりそうだ。そこから弱点を無くす形で鍛えて行けば……うん、強くなれるよね」
きょとりとした彼女はぐ、ぐ、と幾度も手の感覚を確かめて仮想の世界に居る己と相対した。
さて、ここからは可愛いAI、Q.U.U.A.ちゃんだ。
「……これ、モンスター出せるなら、きゅーあちゃんも出せるよね!( -`ω-)
じゃ、きゅーあちゃんのあいては、じぶんじしん、きゅーあちゃんで!(・∀・)」
きりっっとしたきゅーあちゃん。『つまりだい2のきゅーあちゃん!アナザーきゅーあちゃん!』を相手にしたきゅーあちゃんは楽し気に己に向き直る。
「たたかうのもいいけど、せっかくあえたんだし、いっぱいおはなしたいなっ!(´▽`)
そしてやくそくしよう! いつかきかいのそとで会おうねって!」
「……興味深い」
操の言葉にきゅーあちゃんは「てへっ」と笑みを溢した。
●
「……相変わらずな場所じゃなぁ。まぁ良いことか 」
リアナルにとっての故郷たるこの練達は相も変わらず不思議なシステムを作り続けている。
彼女が相手取りたいのは持参したクッション――イヌスラだ。操はその形に笑みを浮かべ「構わないさ」と大きく頷いている。
「目当ては時間内にどれだけ殲滅できるか、じゃな」
タイムアタックを熟した後にシトリンクォーツを通じて彼女は父の屋敷へ顔を出すことを決めていた。本音を言えばそれが目的なのだが――今はVRをこなす事が先決だ。
「練達で過ごす事もぶいあーると言う物も初めての事であるから、楽しみであるのぅ」
ルクスは大量の死霊の中で踊る。孤立した時にどうするか、多数に対してどのように相手とるか――目下、それが重要だ。
やはり、多数を相手にすると前半は調子が良いが、後半は力尽きてしまう。
「万能とは言わぬものの、白兵技術も磨かねばならんかのぅ。その辺りが課題かのぅ……」
悩まし気な彼女の傍らでは霊体を相手に戦うスリーの姿がある。
遠距離攻撃を得意としないレイスを相手にスリーはじい、とその動向を見定める様に動いた。
(物理は通り難いと思うのですが……どうでしょうか)
その思惑の通り物理攻撃の効き目は薄い。神秘で攻めるがいいのだろうと、プログラムの霊魂相手に放ったの一矢はしっかりと相手を貫通した。
「……うぇ……!?」
『はっはっは、今のご時世こんなこともあるわなぁ』
さて、カウダは傍らのアーラの顔を見遣り不安げにVR空間を眺めている。暴徒は多数存在しており、現在はといえば危険だと言えるだろう。簡易的な戦闘ではなく、拠点へと逃げ果せる為の空間テストを買って出たアーラは暴徒の存在を感じながら進む。
「うぐ……ひっく……」
対するカウダは泣いているが――気にする素振りはない。
「辿り着ければ同胞もいますし安全なのでしょうけど」
『とはいえ、数の暴力は恐ろしいな』
迫りくる暴徒の魔の手から逃れるべく、とにかく今は逃げるのみだ。
「貴方とは一度殺し合……ではなく、殴り合ってみたいと思ってました 」
「今チラリと本音が出たわね。……ハァ、命のやり取りとか嫌よ面倒臭い」
柔らかに、常の通りに微笑んで見せたノインに竜胆は首を振る。その『本音』は面倒だという武芸者にノインは肩を竦めて小さく笑った。
「侍の貴方に敬意を表してサシの勝負です」
銀のナイフが光を帯びる。それを見遣り竜胆の瞳には確かな闘志が宿った。
「やり合う条件が揃ったんだったら此処で一度ハッキリ白黒付けて、アンタのいけ好かない顔を地に沈めてやるのも悪くはないもの」
――さて、これ以上の御託はいらないわ。いざ、尋常に!
「ばーちゃるりありてぃってなに?」
ノインや竜胆が夢と例えたそれを結乃は知らない言葉なのだとぱちりと瞬いた。
「ゆめ? ボクたち同じ夢見てるの?」
「うむ、そうじゃな。この夢は痛くても起きぬ故、戦闘訓練に使えるのじゃ」
柔らかに微笑んだ華鈴に結乃は不安げに己の体を見下ろす。感覚がする――それって『起きてる』のではないか、と。
「いや、長くは居れぬようじゃからな……安心するのじゃ」
不安を浮かべる結乃に大丈夫だと華鈴は笑いかけた。初心者にお勧めのスライムを相手に、一緒に頑張ろうという華鈴に結乃は大きく頷いた。
「VR……確か、元の世界で広がり始めていた技術でそんなものがあった気がする」
リジアは「ばーちゃる……ゆー………なんとか………」と小さく呟く。
「思い出せないが、それよりも高度のものか。見ておくのも悪くないだろう。それで……お前か……私の相手の生き物は。……壊されてくれるなよ」
ランダムで相手を選べば、その眼前に立っていたのは蒼銀の騎士。
コンラッドはリジアの姿を目にして緩やかに唇に笑みを浮かべる。耐え忍ぶことをメインとした騎士と攻勢に転じる少女――果たしてその結末は。
「お相手は……これはこれは、可愛らしいレディ
しかし私より世界に馴染まれているご様子。簡単に壊れるつもりもありませんが……さて――騎士コンラッド、お相手仕ります!」
凍れ凍れ、魂だけ残して、全て全て――
その言葉を口にして琴音が相まみえたのはグレイブルー。船の女だ。
「氷の船から女の上半身の生えたモンスターで船についてる大砲で攻撃してくるのよぉ。更に奴の魔法で常に寒くて地面が凍るから動きにくいのよねぇ」
それは彼女が召喚されて初めて相手にした存在だ。凄いわよねぇと微笑む琴音はその経験から倒して見せると足元に気を配りながら攻撃を重ねる。
「ぶいあーる……ルルの世界にはなかったすごい技術です。それを体験できる機会なんてもう来ないかもしれませんし、めいっぱい満喫しようと思います」
――だから、あなたにしたのだとルルリアは向き直った。
嘗て英雄と呼ばれた人。嘗て、英雄だった人。嘗て、堕ちたあの人。
その存在に興味を持ったのは何故だろう。ルルリアはゆっくりと向き直る。どこまで通じるのか――それこそが必要な『テスト』だ。
『拡散する愛の光の爆心地! 魔法少女インフィニティハート、ここに見参!』
その言葉を放った後、真顔になった愛。
彼女はVRテストを丁寧に断って操へと向き直る。
「模擬戦ですか。私が行う意味はありませんね。
仮想空間で愛を撃ちこんだとて、機械ごときでは愛は理解できないでしょう」
だから、己をプログラミングしてくれ、と。
その言葉に練達の技術者は大笑いした。嗚呼、機械に『愛』を与えるのか!
特異運命座標――その存在は彼らにとっても計り知れない。
故郷を求めし探求の徒は口にする。ああ、最高の休日だったよ、と。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様です、イレギュラーズ!
練達でのシトリンクォーツ。お楽しみいただけましたでしょうか?
皆様の冒険の思い出の一つに数えられますことをお祈りしております。
※白紙の方以外は描写させていただいております。
抜けがございましたらご報告ください。宜しくお願いします。
GMコメント
季節は廻れど、夏あかねです。よろしくお願いいたします。
※重要※
<シトリンクォーツ>の冠を有するイベントシナリオには1本しか参加することができません。
当シナリオに参加した場合、他<シトリンクォーツ>シナリオには参加することができませんのでご注意ください。
※ご同行者がいらっしゃる場合はお名前とIDではぐれないようにご指定ください。グループの場合は【タグ】でOKです。
●練達(探求都市国家アデプト)
混沌南部の小島を勢力圏とする国家であり、旅人が多いことが特色として挙げられる中立国家です。
首都セフィロトの主要研究施設は『賢者の三塔』。
セフィロトはドームに覆われた未来都市の様相で、『マザー』と呼ばれる中央制御システムにより快適と安全が保たれています。
●首都セフィロト
三塔を中心とした近未来都市です。タワーマンションやビルを想像させる高層ビルが立ち並び、現代社会よりもさらに機械的な雰囲気を感じさせます。
ドーム内はマザーにより気温が管理されており、過ごしやすさは混沌世界ピカイチです。
また、現代社会(※PL目線)から来た旅人にとっては馴染みのある文明が多いのもこの世界の特徴です。アニメーションやゲームなども存在していますがオリジナルの物にとどまっているようです。
●実践の塔 第4研究室
『実践』の塔主である佐伯操が率いる研究室です。
この研究室ではVRを生かした仮想戦闘プログラムが実装されています。そのテストプレイヤーに皆さんは選ばれました。
仮想空間での戦闘プログラムは今後の戦闘にも大いに生かされる模擬戦となることでしょう。
また、現実世界ではありませんがプログラムにより痛覚などの感覚は共有されています。長時間使用は危ないため一人一回のみです。
・他キャラクターと戦いたい場合:プレイングにて両者が指定している場合は可能
・モンスターと戦いたい場合:モンスターの名前を指定
・NPCと戦いたい場合:NPC名を指定(シナリオNPCであった場合はシナリオ名も指定)
相手を指定した上で、通常の戦闘プレイング等をお書きください。
●NPC
当シナリオにおいてはNPCはお名前を呼んでいただけましたら登場する可能性がございます。
ステータスシートのあるNPCに関しては『ざんげ以外』でしたら登場が可能となります。
ステータスシートが無く、声をかけることのできるNPCは佐伯操、Dr.マッドハッター、ファンの三名です。
・『想像』のマッドハッター
お馴染みの旅人Dr.マッドハッター。神出鬼没ですが操が特異運命座標を招いたと聞き、顔を出しに来ました。
・『実践』の佐伯操
本システムを作成した実践の塔の塔主。旅人です。プログラムの完成度を確かめたくて今か今かと楽しみにしています。
・ファン・シンロン
練達のフィールドワーカーです。マッドハッターの保護者のようにもなっていますが今回はお仕事で訪れました。
気になるでしょう。新しいシステムって。
●重要な備考
本シナリオは返却締切を『15日』で運営します。
予めご了承の程をお願いいたします。
それでは、楽しい休日をお過ごしください。
皆様の冒険をお待ちしております。
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