PandoraPartyProject

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胡乱なる夢檻

 大樹の森に竜が跋扈し。眠りに落ちる国の何たる儚き事か。
 深緑の巫女と謳われた者は指先すら動かず、胡乱なる夢の狭間に在る――
 しかし。外界より光は訪れた。
 イレギュラーズと、かつてマナセ・セレーナ・ムーンキーの残したタレイアの心臓によって。
 尤も。未だ事態は混迷しており閉ざされた瞼が開かれるかは知れぬが。

 ――……口惜しい。この身が動けば、少しでも力になれるものを……

 そして――深緑の巫女は揺蕩う。現とも虚ともしれぬ中にて。
 幸福の夢に包まれながら。
 淡く、泡沫の様な……しかし心地よきぬるま湯の夢に、心底から身を委ねればどれ程楽か――
 されど。それはきっと『夢の檻』なのだ。
 嵌りし者を外に出さぬ甘美にして身を滅ぼす毒。
 ――この夢の中に囚われてはいけない。

 ――……皆は無事でしょうか。

 同時。彼女が微かに思い浮かべるは同胞達。
 ファルカウに住まう幻想種達は如何しているか。
 迷宮森林警備隊隊長たるルドラが率いているだろうか。
 書庫『月英(ユグズ=オルム)』を管理するニュースは妙な事をしていないだろうか。
 心配事は山の様にあるけれど。
 けれど――信じている。

 ――……彼らが。イレギュラーズがいればこそ……

 きっと希望は齎されるのだと。
 閉ざされた深緑に光明はあるのか。
 あるとすれば。それは未来を切り拓く可能性を抱いた者達の先にのみ存在しうる。
 そう、信じている。
 かつて生き別れた妹の物語に……安息を齎してくれた様に。

 例え深き微睡みに森が塗れようと、いつか必ず夢は覚めるのだから。


 深緑を巡る攻防戦(決戦以外)は26日8時に出発します――! プレイングはお忘れなき様に!

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