「ブリキット盗賊団とナイフ」

ブリキット盗賊団なる輩から、ナイフを盗んでついでに盗賊団を壊滅させてこいという依頼をローレットで受けた。
このナイフが曲者で、どこぞの有名な大盗賊の魂を取り込んで作られたものだとかなんだとかいう。持ち主に強力な力を与える……らしい。
問題はデメリットの方で、これを奪われると所有者は死んでしまうという。
いわゆる呪いのアイテムみたいなものだが、あまりにもリスクが大きすぎる。
同じく依頼に同行したアニエル君は、自分の生命をチップにしてでも力を欲する者はいるだろうと言っていたが、私にはどうしてそこまでするのかはよくわからない。私にも、そこまでして力を欲するような時が来るのだろうか……

ともかく、このナイフがあるせいでこの一件は相手の命を奪わないわけにはいかなかった。
どこぞの『匿名の貴族様』はコレクターでこのナイフを求めているらしく、奪い取らないわけにはいかなかったからだ。

私には盗み取る技量がないので、戦って奪い取るしかなかった。
戦い自体は同行者のシエラ君を始めとして、味方がうまく敵を引きつけてくれたため、私自身に大きな怪我はなかった。正直殴られたらそう長くは保たないことは自覚しているので、仲間に恵まれたと思う。

しかし、他人の命を奪ったという感覚はどうにも忘れがたい。
目の前で人が動かなくなったのだ……なんというか……
…………………書き記すのも辛いのでやめておこう。

ともあれ、依頼自体はうまくいった。
願わくば、世が少しでも平和にならんことを。

「巨大魚のいる入り江」

とある港町で打ち上げられたマンボウが飛び跳ねているのでなんとかしてほしいという仕事を受けた。
人であれ動物であれ、困っているのを見過ごすのはよくないだろう。
私が何かの助けになれるなら、と思って引き受けることにした。

仲間との相談でマンボウが飛び跳ねている原因は色々と考えられたが、ひとまず怪我の線を追ってみようということになった。
実際に現地に赴いて調査をしてみると、やはり怪我をしていたようだ。
大きな銛が刺さっていたのだ。
抜いてやろうにも、痛がってしまってなかなか抜くことができなかったが、ちょうどいい具合に適切なギフトを持っていた仲間がいたこともあり、どうにか抜くことが出来た。

私がしたことといえば、基本的にはマンボウが安心できるように声を掛け続けるなどの補助的な作業だった。
もし適切な技術や知識を持っている仲間がいなければと思うと……マンボウが無事に助かってよかったと思うよ。

最後はマンボウを海に返すために丸太を並べたり担架を作ったりと重労働だった。
流石に身体に堪えたが……まあマンボウの事を思えばどうということはない。

この銛自体はどうやらこの港町の水中でなにかがあったというわけではないようだ。
どこで被害を受けたのかはわからないが……今度は何事もなく生きていけることを願いたいものだね。

「＜グラオ・クローネ2018＞チョコレイトラプソディア」

グラオ・クローネにちなんでチョコの交換会を行うという催しがあったので参加してきた。
ユリーカ君は何やらヴァレンタインデーがどうのと言っていたが、どこかの世界の風習だろうか？

それはともかく、折角なので友達の一人でもできればいいなと思っていた。
なにせ深緑からは一人で出てきたものだから、こちらにはまだほとんど知り合いらしい知り合いがいない。
依頼で知り合った人はいくらかいるが、それも数えられる程度だ。

数が大事というわけではないが、やはり仲のいい友達がいると嬉しい……一人は寂しいしな。
というわけで、きっちりチョコを自分で仕上げて持っていくことにした。

いざ当日、交換会では桜咲 珠緒という子と交換することとなった。
どうやら、私以上に身体が弱そうだったが……自分のことを差し置いて心配になってしまうほどだった。
それでも、新しい人に会えたのは嬉しいし、仲良くなれると良いなとも思う。
そのためには、まずは行動しないと、だ。

「空に揺蕩う雲に似て」

雲のような羊に乗ってしまった子供たちを連れて帰ってきて（ついでにその羊も追い払って）ほしいという依頼を受けた。
まあ私は飛べんわけで、どうやって空の上にいる羊のところまで行くのかと思ったら、高々度射出装置とかいう何に使うのかわからんもので飛ばされた……
ああ怖かった……あれはもう勘弁してほしいな……

子供たちとの話は基本的に正直に話した上で実情をわかってもらおう、という形になっていた。
下手に隠し事をするのもよくないと思ったし、理解力がないわけでもないだろうから説明すればわかってくれるだろうというのもあった。

だがまあ、これがよくなかった。
ありのままに説明しすぎた結果、子供たちに「自分たちがやったことは無駄」だと思わせてしまったのだな。
別に依頼の成功を急いでいたつもりもなかったが……配慮が足りなかったのは事実だ。

結局その場は他の仲間がなんとかとりなしてくれたおかげでどうにかなったが、彼女がいなければどうなっていたかと思うとぞっとするね。

これからもこうやって誰かを説得するような仕事というのは往々にしてあるだろうが、出来る限り相手のことには気を使いたいものだ……

＜グラオ・クローネ2018＞ドリームコラプサー

何かよくわからん夢を見させられるという杖の魔力をなくすために夢を見に行こうとかいう依頼だった。
まあそれはいいのだが肝心の夢の内容が……

…
……
………
いいや、私はいたって普通だ！
未だに女の子と目が合うとちょっとドキッとするような気がするが後遺症！病は気から！
そういうことで！

＜グラオ・クローネ2018＞君よ、愛する者のために死ねるか

グラオ・クローネのお話にちなんだお祭り的に参加してきた。
きたのだが……
私の知ってるお話と違ったようなきがするぞ……？

まあ楽しんだもん勝ちってことで流れに乗って遊んできたが
いやー、楽しかったけどチョコでベタベタになるのだけはどうにかならんかったのかなあれ
あとちょっとはしゃぎすぎて、終わった後体調がちょっとよろしくなかったね……
はあ……昔に比べれば多少マシになったと思いきやどうにかならないのかなこの身体は……20年経ってなんともなってないんだから無理か……

まあそれはそれとしてお祭りはとても楽しかった
来年もあれば参加しても良いかもね……はしゃぎすぎない程度に。

＜グラオ・クローネ2018＞ロイヤルロマンス

ロイヤルロマンスというバーでのパーティに行ってきた。
何でもそれなりに有名な場所らしい。
まあ私はこういう所に行くのは初めてのことだったので、右も左もよくわからない状態だったが……

とりあえずオリジナルのカクテルを作ってくれると言うのでそれを頼んでみることにした。
しかし、それ以外にも色々と美味しそうなものもあったりしてなかなか楽しい場所だったように思う。
次行くときはもうちょっとなんというか、ああいう雰囲気の場所に合うような格好とかで行けると良いな……

＜グラオ・クローネ2018＞溶けぬ想いの止まり木に

チョコレートの供養……というのかな、まあそんな感じのものだ。
渡せなかったチョコレートを受け取っては鉢植えの木に結んでいるという、ちょっと不思議な女の子がいたから、渡してきたんだ。

あんな話聞かせちゃった女の子には悪いけど、言ってちょっとすっきりはしたかもしれない。
ただまあ、早く会いたいなあ。どこにいるんだよもう

まあ今回のチョコは渡せないって半ばわかってたんだが……
それでももしかしたら会えるかもって思っちゃうから作っちゃうんだけど……
世の中そううまくいかないよね……

「生贄の洞窟」

友人が大事にしていたリュートが川に打ち上げられていた。原因を探って仇を取ってくれ、という依頼を受けてきた。
仇討ち……っていうのはあまり好きじゃないんだが、犠牲者が出てる件を見て見ぬふりをするのも気分は良くないので引き受けることにした。

ちょっと嬉しい偶然として、以前も一緒に仕事をしたヨダカ君と、ちょうどこの依頼の直前に知り合った珠緒君も同じ仕事を受けていた。顔合わせではびっくりしたよね。

問題の川の上流には村があるらしいとのことで、そこを調べる人員とそれ以外で手分けをすることになった。
私は何かと人間以外から情報収集する手段が多かったので、外周りを担当することに。
正直歩き回るのはめちゃくちゃしんどいどころじゃなかったけど、なんとか迷惑をかけずには済んだだろうか……というかバレてないといいな。

調べた結果、怪しい洞窟が上流にあって、ギフト……あんまり使いたくないけど……も使ってみた所他とは比べ物にならない強力な生物がいた。
さらに待ち合わせの場所で待ちながらファミリアーで村の様子を伺ってると、村人が仲間に薬を盛るとかしていた。正直かなり頭にきたけど、しばらく様子を見ることにした。

そのまま待ってると村人は仲間を運んで件の洞窟へ。なるほど、生贄だったというわけで。
……ひとまず仲間を助けるためにも洞窟へ向かって、そのままそこにいた大蛇を退治。ギフトで感知したデカイ奴だったみたいね。

後は村に戻って……細かいところは仲間に任せたけど、なんでもっと早くローレットなりを頼ってくれなかったのかな……って思っちゃうよ。
私達が頑張れば、こんな事件も少しは減るのかなあ。

＜嘘吐きサーカス＞幻想大公演

いよいよやってきた、噂に聞いてたサーカスの公演！
あまり良くない話も色々と聞くみたいだけれど、ホントのところはどうなんだろう？
イレギュラーズの中には、自主的に警戒にあたってみる人もいたみたいだけれど……

この日は、こっちに来てから初めて出来た友達の珠緒君と一緒にお出かけした大事な日
噂の事は置いといて、サーカス自体はとてもすごかったし、初めて見ることだらけでとても楽しかった！
珠緒君も同じ感じで、2人してドキドキしながらお話ができてよかったな
また、こんな感じでお出かけができるといいな

吸血鬼へ至る物語

月夜に女性を狙って襲う何者かが出るらしい。
噂では吸血鬼だとかなんだとか……
そのまま放っておくわけにはいかないから、対処して欲しい、というお仕事
吸血鬼と言うとおとぎ話なんかでは時々見かけるけれど、実物は……あ、でも旅人さんの中には本物の吸血鬼さんもいてるのかもしれないね

ひとまず相手の事が何もわからないとどうしようもないので、みんなで手分けして情報を集めることから始めたよ。
それぞれ得意なことを活かして多方面から情報を集めたんだ。
私は動植物なんかとお話ができるから、人間以外からお話を聞いて回って、相手がどんなものなのかを調べたよ。

集まった情報によると、本当に「吸血鬼」なのかはともかく、実際にそんな感じの……それらしい弱点とか、コウモリを操ったりとか、そういう能力を持った相手みたいだった。
ただ、何も知らない人ならともかく、ちゃんと対処法がわかってれば大した相手ではなかったね
無事に街の治安を守れて良かったよ

インディゴ・ブルーのとんがり帽子

魔法で家具を動かそうとしたら、何故か動き出した家具に攻撃されちゃって、挙句の果てに家まで動き出しちゃった魔女さんを助けるお仕事だったよ
動く家具や家ってそれだけ聞くととても素敵というかメルヘンな光景だよね
あ、実物もほんとおとぎ話の中に入ったみたいで素敵だったけど！

肝心のお仕事はと言うと、事前に私達で考えてた以上に家具さんたちは強くなくて、思った以上にあっさり事は済んじゃったんだ。
不思議に思ったけど、あれは家具さんたちも別に不満があって暴れてたわけじゃなくて単純にちょっと動けるようになってはしゃぎすぎちゃっただけなのかもね？
私もその気持ちはちょっとわからなくもないな

ともあれ、止める過程で色々と壊さざるを得ない部分があったから、終わった後はお片付けもお手伝い
ついでにお仕事を受けたみんなと、魔女さんも一緒になって簡単なお茶会を開いたよ！
ああ、楽しかったなあ。こういうお仕事なら、いくらでもやりたいね！

お菓子の家のヘンゼルとマルガレーテ

幻想のあちこちで起きている、いたって普通の人が突然狂気にとらわれて人を殺したりしはじめる事件の1つを解決するお仕事
ただ、この事件の場合はこの人……マルガレーテが元々正気だったのかどうかはわからないけれど……普通の人だったと思いたいな。
いずれにせよ、被害者は既に何人も出ていたから、放っておくわけにもいかなかったのだけど。

戦い自体は、おおよそは事前の相談のおかげで大分上手く行ったと思う。
ただ、想像以上にお菓子の匂いがキツくて、影響を受けてしまう人が多かったのは少し誤算だったかも。ある程度はごまかせるかなと思ったのだけど。
後は何より、相手が「魔女」という言葉に思った以上に執着したせいでチャロロ君1人に大きな怪我をさせてしまったのは申し訳なかったな……

結局、マルガレーテが正気に戻ることはなく、殺すしかなかったのだけど……
やむを得ないのは判っていても、人を手に掛けるのは……苦しいな……

山岳都市は血を欲す

また、幻想のあちこちで起きている狂気に絡んだお仕事
今度はおかしくなった人に、子どもたちが扇動されて戦いに向かわされそうなのを止めに行ってきたよ
少年兵の生死は問わない……っていう風に依頼を受けた時には説明されたけど、犠牲を出すつもりはなかったよ

作戦としては、何人かで堂々と出ていって少年兵たちを説得
そのついでに首謀者たちの目を引きつけて、その間に他の人達が忍び寄って首謀者たちの動きを封じる、って感じだったよ
作戦上、最初は注目さえ引ければ説得の成否は問われなかったけれど、折角チャンスがあるんだからきっちり説得したいなってことで、私なりに考えて説得はしてみたんだ
私や、他の説得に当たった人の想いがちゃんと通じたのか、少年兵達の説得はうまくいって、犠牲者も出さずに済んだんだ！
首謀者も殺さずに捕まえる事ができたし、全部うまく行って何よりなお仕事だったね！

＜幻想蜂起＞狂気の裏に潜む毒

ここまで散発的に起きていた事件とは全く違う、幻想全体の色んな所での武装蜂起
原因はやっぱりサーカスが絡んでるんじゃないか、そして魔種の仕業なんじゃないかっていう風に睨まれてるけれど……
本当にサーカスの仕業ならこのままにしておくわけにはいかないよね。
でも、まずは何よりも目の前で起きている事件を何とかしなくちゃいけないって事で、先に武装蜂起の解決に向かったよ。

私が行ったのはとある村での武装蜂起の収束。
ただ、この村での事件はちょっと他の「狂気による」ものとは違ってて『砂蠍』の残党が関わってたんだ。
人の狂気を煽るサーカスもそうだけれど、その騒動の裏側で無関係な人も巻き込んで自分たちのいいように使おうとする『砂蠍』の残党も酷いなって思ったよ。

残党の人数はともかく、村人に紛れ込んでるせいで判別がつかないから、その為にも村人を説得して、それに対する反応から炙り出そうって作戦でいったんだ。
上手く行けば、村人さん達は説得に応じてくれて、戦わずに済むかもしれなかったしね。
普通の人も、色々と不満があるのは確かなんだと思う。だけど、それを「武力」って形で噴出させてしまったら、もう後には引けない……だから、そうなる前に何とか収めさせたかったんだ。

結果としては、村人さんたちは話を聞いてくれて武器を下ろしてくれた。
『砂蠍』の残党も全員見破った上で戦いに持ち込むことはできたけれど、相手も流石に強くて、捕まえられたのはリーダー格の1人だけ……後は殺すしかなかった……
悪いことをしたのは事実だけれど、何とか生きていて欲しかった……なかなかうまくいかないね

ノーブル・レバレッジ

ついにサーカスを追い詰める時！
その為にイレギュラーズのみんなで貴族の人たちを説得したり、みんなに色んな事を知ってもらったりして、それから王様を説得する！っていう作戦を実行に移したよ。
これだけ大勢のイレギュラーズが同じ仕事にあたるだけでも凄いなって思っちゃった。私もその中の1人として何とか成功させなきゃ！って思ったよ。
私は王様の説得をすることにしたよ。といってもなにか難しいことが言えるわけじゃないから、私がこれまで見てきたことを伝えて、改めて今何が起こってるのかを王様に確認してもらったんだ。

みんなの努力の甲斐あって王様の説得は無事に成功！
サーカスの公演を王様が庇うことは取りやめになったんだ！
……そのサーカスは早くも危なそうだと思ったのか、逃げてしまったけれど。
それでも、幻想の人たちが一丸となって事件の解決を目指せるなら、なんとかなるよね！

ワンデスボローの昨夜

珠緒君と一緒に海を見に行ってきたよ！
海、といっても海洋のものではなくて幻想の港町から見る海だったけれど、初めてゆっくりと見る海はとってもきれいだなって思ったんだ。
珠緒君も満足してくれてたらいいな。

海を見てたら、ふと自分がイレギュラーズ……というより冒険者になりたかった事を思い出して。
色々な冒険譚を読んできたけれど、海を越えるのはその王道の1つだなって思う。
今の私には色んな意味でそこまでの力はないと思うけれど、やっぱりいつか挑戦してみたいなって思って、珠緒君にもそんな感じのことを話したんだ。
本当に、いつの日か一緒に冒険できるといいな。

「文字に記す」

新聞に載せる記事のために、イレギュラーズとして取材を受けてこいってちょっと変わったお仕事だったよ。
正直、私の話で記事になるのかなって思うところはあったけれど、せっかくの機会だし思うようにお話してくることにしたんだ。
自分がどうしてイレギュラーズとして活動してるのか、何を考えてきたのか、これからどうしたいのか……そういう事を振り返るのにちょうどよかったなって思う。
私は……一人でも多くの人の幸せを、笑顔を護りたい。改めて、そういう気持ちを確かめられたと思う。

そうそう、このお仕事、始まる前に他にも取材を受ける人達と待ってる時間があったけれど、そこでのお話も楽しかったな。
ちょっとしたカフェでの待機時間だったから、食事や飲み物を注文する機会も会ったけれど、それにしても注文するものでも結構人の個性ってでてくるものだなあって思ったりしたよ。

「愛の結末」

とある貴族さんの屋敷を燃やして欲しい、という依頼。
ただし、人死には出しちゃダメで、同時にその屋敷の少女を両親から引き離すこと、という条件付き。
……このお仕事をローレットで見かけた時、受けるかどうかはとても悩んだ。
だって、死人は出なくとも、このご両親である貴族さんには物理的にも精神的にも辛い目にあわせる事になってしまうから。
でも、私がやらなくてもきっと誰かが依頼を引き受けて成し遂げてしまうだろう。
だったら、耳に入れた以上は引き受けることにした。せめても何か、出来ることがあるんじゃないかとも思ったから。

お仕事自体は、事前の打ち合わせ通りに上手く行った。
強盗に見せかけた班が先に突入して、後から助けに来た人を装う班が屋敷の人たちを保護する。
そのドサクサに紛れて、最初に突入した班の1人と入れ替わった少女が逃げる。
私は少女と入れ替わり役になったから、少しだけ言葉を交わす時間が取れた。
と言っても、具体的に彼女が何かを言ったわけではないのだけれど。
それでも、私の問いかけを、彼女は否定しなかった。つまりそれは、そういう事なんだと思いたい。

無事に逃げおおせた後、彼女は私に向かって「帰る場所はもうない」と言っていた。
あの目は、そう簡単にその決意が覆らないだろう事も感じさせた。
それでも私は、彼女の心が癒えるよう、出来ることがあるならなんだってやるつもりだ。
だって、手を差し伸べておいて半端な所でやめるのは、おかしいでしょう？
だから、いつかまた再会出来ることを願っている。

「ハッピーバースデー六月」

6月生まれの人にケーキを振る舞おう！もしくは食べよう！みたいなお祭り！
お菓子作りにはそれなりに自信があるから、折角なので作る側で参加してみよう！って思って行ってきたよ！

そしたらなんと！偶然にも会場にアリス君がいて、一緒にケーキを作ることになったんだ！
季節柄を考えてさっぱりしたタイプのケーキを作ったりしてみたけれど、友達と一緒に作ってるとついつい楽しくなっちゃって作りすぎちゃった！
折角だから自分達でも食べちゃう事に！
ふふ、お誕生日じゃないけれど、少しくらいはいいよね？

「遊楽伯爵の矢文」

ガブリエル伯爵のお屋敷でお食事！
王様の説得が上手く行ったから景気づけに、という感じらしい！
せっかくなのでお呼ばれして行ってきたよ！

と言っても、食事は普段からそんなにいっぱい食べるわけじゃないから程々にして、お屋敷の中を見て回ってたんだ。貴族さんのお屋敷に入れるのなんて、めったにないだろうしね！
お庭を見に行ったら、とってもキレイなバラが咲いていて、思わず見惚れちゃった。
最近、自分でもお花を育ててみたりしたいなあって思ったりしてたから、使用人さんにお花を育てる時のお話とかを聞いてみたりしたよ。
自分できっちり実践できるようになるまではなかなか時間がかかるだろうけれど、いつかこの家の回りもあんな風にお花でいっぱいにしてみたいな。

そうそう、このバラのところで、以前の取材のお仕事で一緒した焔君と会ったんだ。
あんなところでまた会うなんて思ってもみなかったからちょっとびっくりしたけど、ちょっと嬉しかったな！

「雨の誘い」

雨の日だけやってるという商店街に、アリス君とシラス君と一緒にお出かけしてきた！
どんなものがあるかなって行く前から楽しみだったけれど、実際に行ってみたら色々と欲しいものがあって目移りしちゃった！
まずは雨の日だし、ってことで傘を購入。
なんとなく紫陽花っぽい色合いが気に入って私は薄紫色のシンプルな傘を買ったんだ。ああ、でもアリス君が見つけたあの傘も素敵だったなあ、2本買っておくべきだったかもしれない！
でも、新しく買った傘を早速さして3人で商店街を見て回ってるだけでも、なんだかとっても楽しかった！

その後は折角だからってことで、ちょうど写真を撮れる場所があったから記念撮影！
この写真は大切に保管しておきたいな。今度、写真の保存の仕方を調べておかないと。

それから、何やら名物のソフトクリームがあるって聞いたからそれも探しにいったよ！
とっても美味しかったから、いつかまた雨の日にあそこに行けるといいなあ。
その時はまた、友達と一緒に、ね。

（そろそろ今の日記帳が終わりそうだったから新しい日記も買っておいたよ）

「アジサイ畑に集う」

雨の日にアジサイ畑を見に行ってきた！
この日はアニー君も一緒だったので、紫陽花について色々とお話も聞かせてもらったんだ！

アニー君曰く、紫陽花は色によっても花言葉が違うそうで、白は寛容、ピンクや赤は元気な女性、って感じらしい！
どちらも私に似合うって言われて嬉しかったけれど、「元気な女性」かと言われるとなんとなく騙してるようでちょっと悪い気がしちゃった……
でも、そうでありたいなとは思ってるから、それが嘘じゃなくなるようにできればいいな。

紫陽花畑を見ていたら自分でも育ててみたくなったので、アニー君に育て方とかを教えてもらうことにもなったんだ！
来年の今頃には、自分の家の周りで紫陽花が見られるようになると良いな。
楽しみだ！

「＜Liar Break＞Lair Black」

追い詰められたサーカスがあちこちで騒動を起こした。
それを何とかするためのお仕事の1つだったよ。
相手は魔種。話には聞いていたけれど、本格的に対峙するのはこれが初めて。
仲間はみんな頼もしい人たちばかりだったし、何よりこの魔種を止めないと大勢の人たちがまた犠牲になってしまう。だから、私も勇気を振り絞って戦ってきたよ。

魔種は理由はわからないけれど、青い眼に執着しているらしかったから、青い眼の人を囮にして注意をひきつけて、その間にできる限り攻撃を叩き込む、という感じの作戦だったよ。
たまたまメンバーの中で青い目をしてて一番タフなのが私だったから、私は囮役のトップバッターだった。
……正直に言って、本当に怖かったし、痛かった。
これを書いてる今でもまだ傷が痛むほどに。
でもそれ以上に、私が、みんなが倒れたら、次に誰が犠牲になるのかって考えたら、怖くとも立ち向かう気持ちが湧いてくるようだった。
最後は立ち上がるのがやっとだったけれど、どうにか魔種を倒すことができて本当に良かった。

この敵だった魔種がどうして青い眼に拘っていたのか、具体的な理由はわからなかった。
ただ、見たい景色があったらしいのはわかった。
……その景色は、果たして誰かの眼を奪わないと見られないようなものだったのかな。
或いは、会話を行う正気さえあれば、仲良くできたのかもしれない。そんな風にも、思ったんだ。

「＜Liar Break＞Endless Capriccio」

いよいよサーカスとの決戦！
私はみんなが万全に戦えるように、もしも何かしらの不測の事態が起こった時にすぐに知らせたり、原因を究明したりするための班を立ち上げて参加したよ。
実際に何が起こるかが不明どころか、そもそも何かあるのかすらわかってないのに、参加してくれた人には本当に感謝してる。

実際の戦場で起きた「不測の事態」は想像以上に直接的なものだった。
サーカスの団長だったジャコビニが、巨大な怪物としか言いようのないものに変化して暴れまわったんだ。
あれがどういう原理で引き起こされたのかはよくわからないけれど……人をあんな姿に変えてしまう力はとても恐ろしいなって思った。

サーカスとの戦いはとても激しいものだった。
かなりの人が大怪我したし、貴族の兵士さんの中には亡くなった人もいた。
サーカスを倒せたことは喜ばしい事で、私も良かったなって思う。
けれど同時に、もっと力をつけてみんなを守れるようにならないといけないなとも思うんだ……

途中、クラリーチェが話していたけれど、ジャコビニ団長は元々はとてもいい人だったらしい。
それが魔種になって反転して……さらにはああなってしまったわけだけれど……
魔種がみんなそういう成り立ちなのであれば、なんとか元に戻す……或いは話し合う余地はないのかな。
そもそもどういう理屈で反転なんて起きるんだろう？
わからないことだらけで、もっと魔種やこの世界について詳しく知らないといけないな、って改めて思ったよ。

「ラサの商人より真心を込めて」

ラサの商人さんが贈り物を届けてくれるらしいから、ちょっとお願いしちゃった。
こっちに出てきてから、一度も家に連絡してなかったし、流石にそろそろ手紙くらい出しておかないと……と思って。
ついでに贈り物も届けてくれるらしいから、商人さんと相談して、アンティークの家具を贈ることにしたよ。
商人さんはなんだか立派なものを贈ろうとしてたみたいだけど、流石に……ってことでそれなりのものを。
私からこういうものを贈れるのって初めてのことだから、喜んでくれると良いな。

「誰が為に摘む花か」

病弱なお兄さんが、学者のお姉さんの役に立ちたくて珍しいお花を取ってきて欲しいっていうお仕事を出してたんだ。
身体のせいでやりたいこともやれなくて……っていう悔しさとかは私もすごくよくわかるから、助けてあげたいなって思って引き受けたよ。

この採ってきてほしい花についてはちょっと悲しいお話も伝わってるみたいで。
曰く、好きな人の為に花を摘みに行った人が、そのまま足を踏み外して亡くなってしまったと──
私達はそうそう死ぬことはないけれど、怪我は当然するし、何より不幸な結末にはさせないようにしたいなってこの話を聞いて強く思ったよ。

そうそう、このお仕事引き受けた時、私はその花は、実は花じゃなくて別の何かなんじゃないかって思ったんだよね。
だからこそその辺りに獣が徘徊してて、登る人を狙ってくるんだろうって。
まあ、結論から言うと本当に花だったんだけど！考えすぎだったなあ。

現場では、事前に説明を受けた通り崖を登ってる最中に白い獣が襲ってきたんだ。
とはいえ、何が何でも登らせない、という感じじゃなくて、子供に狩りの練習をさせる感じだったね。
だからこそ、私達も必要以上に怪我させないように追い払って、どうにか無事に昇りきることができた！

登ったその先には、言葉では表現できないくらいキレイな光景が広がってた！
機会があれば、もう一度あそこに行きたいなっていうくらいだったね！

無事に花を見つけてお仕事は達成！
依頼主のお兄さんは、これでお花と一緒に学者のお姉さんに伝えたいことも伝えられるのかな。
うまくいくといいな。

（文末に、簡単な花畑の絵が書かれている）

「魔術書『ボンボンの書』」

とある図書館の地下にある書庫でちょっとした事件が起きたんだって。
なんでも、中に入った貴族さんが、その書庫にあった魔導書に取り憑かれちゃったとか。
でも詳しく話を聞いてみると、その貴族さんの本の扱いが良くなかったとかで……正直ちょっと本に同情しちゃうよね。
まあそれでも、そのままだと貴族さんが危ないらしいからなんとかしてみる事になったよ！

とはいえ、その魔導書であるボンボンの書もそんなに悪い魔導書ってわけでもなさそうだったんだよね。
だから私達はできる限り話し合いで何とかしよう！って感じの方針にしたんだ！

魔導書さんの事を詳しく聞いてみると、どうにも寂しかったんじゃないかって思うんだよね。
ずーっと地下深くの書庫に押し込められて誰にも読まれることなく……って自分に置き換えてみたら当然だよね。
それが久しぶりに会った人がアレならまあ……ね。

というわけで、できる限り友好的な感じで接しつつ、魔導書さんを持ち上げていい気分になってもらおう！って感じで依頼をこなしたよ。
思った以上にうまくいったみたいで、すっかり機嫌は直してくれたみたい！
まあ、私としては持ち上げると言うより本音しか言ってないんだけれど。
本当に凄い魔導書ならもっといろいろお話を聞いてみたいしね。
だから、また読みにいけそうな雰囲気でお仕事を終えられてよかったな！

「レッツゲテモノ食覧会～サメ肉編」

なんでかわからないけど、今年の夏はやたらとサメが出たからそれを有効活用しよう！って感じの催しものだったよ。
サメを利用したいろんなお店が出てて、どれもいろいろ考えられてて凄かったな。

私はサメでお菓子って作れるのかな？って気になっていろいろ見て回ったんだ。
そしたらクッキーが売っててね！意外と食べられたから、機会があったら私もちょっと考えてみようかなって思ったりしたよ。

あと偶然モルグス君と会ったのもちょっと嬉しかったな。

「ローレット・カーテンコール」

サーカスに勝った祝勝会！
ものすごく大勢の人がいて、改めてこんなにたくさんの人が関わってたんだなあってびっくりしちゃった！

みんなでわーっとお祝いするのも良かったんだけど、そこまでの元気もなかったし、アリス君とルミリア君と3人でゆったりとお話したよ！
サーカスにみんな無事で（私は大怪我しちゃってたけど！）勝てたのは嬉しかったけれど、それ以上にああやって３人で集まって話せたのが何より楽しかったな。
イレギュラーズになってから色々とが必死になってやってきたけれど、ああして一緒に喜べると友達もできたんだな……って思うと、あの瞬間がずっと続くと良いなって、心から思ったよ。

きっと、この先もイレギュラーズとして活動していく中で色々な事件があって、なかなかそうもいかないんだろうなっていう予感もある。
でも、だからこそ、またああいう時を迎えられるように、これからももっと頑張らないとなって改めて思ったんだ。