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樹上の村

アレクシアの日記

「ブリキット盗賊団とナイフ」

ブリキット盗賊団なる輩から、ナイフを盗んでついでに盗賊団を壊滅させてこいという依頼をローレットで受けた。
このナイフが曲者で、どこぞの有名な大盗賊の魂を取り込んで作られたものだとかなんだとかいう。持ち主に強力な力を与える……らしい。
問題はデメリットの方で、これを奪われると所有者は死んでしまうという。
いわゆる呪いのアイテムみたいなものだが、あまりにもリスクが大きすぎる。
同じく依頼に同行したアニエル君は、自分の生命をチップにしてでも力を欲する者はいるだろうと言っていたが、私にはどうしてそこまでするのかはよくわからない。私にも、そこまでして力を欲するような時が来るのだろうか……

ともかく、このナイフがあるせいでこの一件は相手の命を奪わないわけにはいかなかった。
どこぞの『匿名の貴族様』はコレクターでこのナイフを求めているらしく、奪い取らないわけにはいかなかったからだ。

私には盗み取る技量がないので、戦って奪い取るしかなかった。
戦い自体は同行者のシエラ君を始めとして、味方がうまく敵を引きつけてくれたため、私自身に大きな怪我はなかった。正直殴られたらそう長くは保たないことは自覚しているので、仲間に恵まれたと思う。

しかし、他人の命を奪ったという感覚はどうにも忘れがたい。
目の前で人が動かなくなったのだ……なんというか……
…………………書き記すのも辛いのでやめておこう。

ともあれ、依頼自体はうまくいった。
願わくば、世が少しでも平和にならんことを。

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「文字に記す」

新聞に載せる記事のために、イレギュラーズとして取材を受けてこいってちょっと変わったお仕事だったよ。
正直、私の話で記事になるのかなって思うところはあったけれど、せっかくの機会だし思うようにお話してくることにしたんだ。
自分がどうしてイレギュラーズとして活動してるのか、何を考えてきたのか、これからどうしたいのか……そういう事を振り返るのにちょうどよかったなって思う。
私は……一人でも多くの人の幸せを、笑顔を護りたい。改めて、そういう気持ちを確かめられたと思う。

そうそう、このお仕事、始まる前に他にも取材を受ける人達と待ってる時間があったけれど、そこでのお話も楽しかったな。
ちょっとしたカフェでの待機時間だったから、食事や飲み物を注文する機会も会ったけれど、それにしても注文するものでも結構人の個性ってでてくるものだなあって思ったりしたよ。

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