PandoraPartyProject

ギルドスレッド

泡沫日記

【RP】花のない廃墟

霧雨の降る日。傘はあってもなくてもいい。
草木たちには丁度いい天気だろう。

少年とも少女とも言い難い姿の獣は独り、
いつものようにぼんやり外を眺めていた。

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RPメイン。
発言は誰でもどうぞ。

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ハッハ、正直ここに行き着くなんて思ってもなかったんだが。 (カレンテの匂いを探ってさまよっていたらここに行き着いた、などとは「ヒト」の感性からすると常識外なので、それは口にせぬまま) ああ、のんびりさせてもらうよ。 ……このちょいとした火は、おれからお前らへの贈り物(ギフト)さ。 (輝かしく、雨に負けず立つ灯は、その実、男の血から立つものだった。 男はわずかな血を身体から流していた。ここに来るまでに、何かしらの仕事をしていたのだろう。彼に言わせれば、その証座とも言うべきものだ。)
ああ、ごめんね。じゃあ……ガル?(反対にそう言った男の声はどこか幼く、柔らかい声で)うーん、オレはそういう渾名とか、慣れないものだからね……(自分の「語り手」としての存在に疑問を抱くことはなかったのか、ただ、思い出の様に口にしながら、知識を求める二人の「子供」を見やり)
とりあえず、言葉に甘えてゆっくりさせてもらうよ。オレも何か気の利いた贈り物が出来るとよかったんだけど……(腰掛けた向こうに燃える光を見て、炎が出せるのって中々便利だよねと、呑気に付け加えた)
こんにちは。話し声が聞こえたから気になって来てみたの。
少しだけ雨宿りしてもいいかな?
(ぴこっと顔を覗かせる飛行種の子供)
おや、また新たな客が……(風邪を引いてしまったら大変だ、と中に招き入れようとする)
オレは一応ここに「招かれた」側だけれども、きっとここの主は快く場所を貸してくれると思うよ。止むかはわからないけど、休んで行くといいんじゃないかな!
(顔を覗かせた少女に気付き、反射的に返事をする)あ、こんにちは……です。そこ、濡れちゃう。いっぱい、休む……して?(ボロボロの廃墟だが、その中は獣一匹では広すぎる程。稀に落ちて来る雨漏りには注意)
ガルの、贈り物……ピカピカ、だね。……?におい、する……?(過去、戦いしか知らなかった獣。血の匂いなら知っている。ガルの方から漂うそれは本人のものか、違うものか、それは分からないけど)
贈り物、わたし、同じ、出来てない……けど、リト、お話、いっぱい、知ってる。それ、贈り物。リトも、ガルも、来た人も……みんな、贈り物。(何と言っていいのか分からないが、恐らくこれが『嬉しい』や『楽しい』という気持ちなのだろう)
おう。(リトの呼び声に満足げにうなずいた) 土産なんてお前が顔を見せたってことだけで十分じゃねえの。カレンテならそう言うと思うけど。 (な、とばかりに人なつこくカレンテに向けて笑って) 血の匂いしかしないかな。おれの血はね、燃えるんだ。赤い色のまんまね。 (正確にはちょっと魔力を通してやる必要があるのだが、似たようなものだろう。はしょって話すと、新しい来客に目を細めた) よう、お嬢さん。入るんなら、そこの灯にはちょっとばかり気をつけてくれよ、やけどするかもだから。 (気さくに笑うと、アルエットに案内するように、地面でちろちろと燃える、小さなたき火くらいの火を示した。家主の許可は出ているし、歓迎と言ったところ)
オレ自身が土産物、か。それはちょっと嬉しいな……まあ変わりと言ってはなんだが土産話は沢山あるんだ。オレの知識を求めるなら惜しまずに語ってあげるよ!(嬉しそうに、子供の様な屈託の無い仕草で)燃える血……か。流石に俺もそんな「お話」は知らなかったなぁ。
……う。雨、何とかして防がないとだけど。…何処か、雨宿り出来る場所。…ぁ。(外套を羽織ながら、眼前の廃墟へ足を進める。湿気を帯びた髪や翼はいつもより重く感じ、億劫な気分を募らせるには十分で。)…?(近づくに連れ聞こえてきた談笑の声に、小さく首を傾げて。大きな穴の前に立ち、そっと口を開くと)今晩、は。ん…と、もし良ければ。ここで、雨宿りさせてもらいたくて。…誰か、います、か?
リト、お土産(ガルに言われ、こくこく頷き)。土産話、知ってる……貰って、『嬉しい』もの。わくわく、する、ね。(相変わらず表情は硬いがその発言に嘘はない。周りが笑っている姿を見て安心した様子)
血、燃える、すごい……。ガル、触る、熱い……?(身体も燃えるように熱いのだろうか、と首を傾け)
(来客からの問いに、くるり顔を向け返事をする)……あ、いる、よ。雨、濡れてる。こっち……来て、休む、して?(チックに近付き、雨の当たらない奥へと誘い)
仄暗い霧雨、薄く暗く、だが優しさを持った雨……人と人との縁を繋げる力もありそうだ。(雨宿り仲間と言ってしまえばそれまでだが、あくまで「縁」としておき)
そりゃいいな。おれにはすごい英雄譚(サーガ)を聞かせてくれよ。じいさんの書庫は全部読んだけど、それでもまだまだ読み足りなくて。 (リトに屈託なく笑い) バースト・ブラッド。おれのギフトだ。まあ燃料代わりにしたり、鉄瓶に入れて爆弾にしたり、後はまあ、あんまやらねえけど、籠手に溜めてぶん殴って発破したり。色々使い途のある力だよ。 (そろそろ乾いたであろう肩の傷口を触れ、いてえ、とぼやきつつ)
うはは、血がそのまま燃えたらおれも今頃ファイアー・マンだな。 流れでた血に「燃えろ」って命令してやるんだ。そうすっと、燃えるようになる。こんな風にね。 (ほっぺたから中指で血を拭い、親指と強く擦り合わせて指を鳴らす。ぼんっ、と音を立てて小さな炎が上がった。) おう。いるぜ、そこに火があるから気をつけて入って来いよ。 (チックに応じる声は、先ほどアルエットに返したときのものと同じ。ぶっきらぼうだが、壁を感じさせない、穏やかな声音だった。)
ん、ありがと。雨…少しだったけれど、吃驚しちゃって。雨宿り出来そうな場所とお話してる声、聞こえたから、安心した。(小さな招き人と、掛けられた言葉達に、少し嬉しそうな声色で答え)えっと…お邪魔、します。(軽くお辞儀をした後、カレンテに導かれるまま足を進め。)…火、明るくて。あったかい、ね。(途中、燃ゆる火を目に留め興味を抱いたのか。ぽつりと小さな声音で呟くと、再び奥の方へ向かおうと。)
(オレの元々考えてたギフトに「どんなに下手くそな字、絵でも正確に読み取ることができます」っての送ろうとしてたな……なんでやめたんだ……)英雄譚、か。オレに文献は「無いものは無い」と豪語しているからね。何でも聞くといいよ。
そうだね……英雄には強さだけで孤高の存在になった英雄、仲間の力を最大限に借りて、非力だからこそ誰よりも強くなった英雄と真逆の存在がいたりする。(暖かな灯の下で、「自分」を広げる。数多の文字が書かれた翼と本が、そこに顕となった)オレとしちゃ、みんなという未来の英雄譚を語っていきたいものだが。可能性は無限大ってね!
(濡れそぼる髪の水気を取りながら、話し声に惹かれ、偶然訪れた場所へと足を踏み入れる)…ええっと、失敬。雨宿りさせてもらいたくて。よろしいかしら。
絵本の中みたい。すごいの。
(皆の声と雨の音、炎の揺らめきに夢見心地に笑顔を浮かべながら、ぼんやりしている)
もうすぐ消えちまうけどな、あの量だと。 (チックに応える。果たして暖かい火は程なくして、徐々に小さくなって消え、微かな煙を残した。) 雨ン中、大変だったな。まあ服とか乾かして暖まれ。 (もうここが我が家です、ぐらいの勢いでくつろぎつつ、へらへらと言葉を投げた) 

自分が主役の英雄譚なんてゾクゾクしちまうな、いつかそんなん出版できるぐらい色々やらかしてみてえもんだけど。めっちゃ強い英雄とかになりてえ。 (うはは、と笑いながら稚気じみた夢を描き)
……お、美人。 (キリエの方を眺めて、幾度か瞬き) いらっしゃい。家主はこいつだけど、ダメとは言わねえはずさ。 (カレンテを示しつつ、へらへら笑い) そっちの兄ちゃんといいあんたといい、災難だったな、雨。ここで一息つくといいよ。

……絵本の中か。結構的を射てるかもね。 (カレンテが作った場所だ。どこか浮世離れしたブルーブラッドの描いた根城は、自然とそうした不思議な空間になるのだろう。ちら、とカレンテを見て、忍び笑い)
誰しもは、強い英雄にはなれるさ。大事なのは、「どういう強さ」を求めたか。
(自分の腕の中に、翼に開かれた文字に目をやって)
俺に書かれた男は、「守る強さ」を求めた。家族を見殺しにして、新たに居場所を見つけても、尚逃げ続けたとても弱い一人の獣の、たった一つの願い。「もう誰も、親しい人を死なせない」__と。
(語る言葉全てを懐かしむように、そしてこの場にいる「幼き者」とも照らし合わして)
……ガルは、どういう風に強くなりたいのかな?

おや、また雨宿りの客かい?……雨、なかなか弱まらないねぇ。(穴から空を見上げて憂鬱そうに、しかし決して霧雨を否定せずに)まあ止まないのなら、ここに留まるだけさ。
…あ。…綺麗だったから、少し。残念。(火が灯されていた場所に遺された煙を見、寂しげな表情を仄かに浮かべ、応えを返す様に。) …うん、そうする。これ、濡れちゃったから。着てると風邪引いちゃうかも、だからね。(言葉に従う様に外套を脱ぐと、小さく畳んで自身の近くに置き。濡れた薄灰色の髪を手櫛で申し訳程度に整えてから、そっと腰を下ろそうと。)

…ん。さっきの火や、この雨の音。お話している声も、一つの絵本…物語の中みたい、かも。(空間の中にいる面々を一瞥してから、空から伝う雨を見てぽつりと。謳う様に呟き瞳を伏せて。)
(チックを案内した後、キリエの声に振り向き)……雨、人、呼ぶ、たくさん。でも、濡れちゃう……。濡れない、こっち。ここ……休む、して?(皆のいる場所へ招こうと。きらきらしてる人だな、と見詰めながら)
……火、消えた。けど、大丈夫。みんな、いる、から……ちょっと、あったかい。
絵本……?少し、見たこと、ある。けど……大きい、お城、おうじ、おひめさま……いっぱい。ここ、違う、よ……?(ここには『格好良い』も『綺麗』もない、そんな気がする。……その定義が分からないから、そんな気がしてるだけだが。獣は首を傾げる)
(リトの話を聞き、獣は考える。英雄って何だろうと)どういう、強さ?守る、強さ?……わたし、いっぱい、戦う、してきた。だから、強い、違う……?(強さとは力があること。それ以外の意味を獣は知らない)

……そ、そう言えば、名前、忘れた……。わたし、カレンテ。来た、人、よろしく……。(あわあわ、だんだん声が小さくなっていき)
絵本の世界……か。
オレ達が普段見ている世界は広すぎて、自分より小さな存在にはなかなか目が留まらないかもしれない。(雨が跳ねて、壁に垂れた雫を指で掬って本をなぞって)
でも、霧雨で他の世界から切り離されたこの小さな空間でならば……その小さな存在が持つ可能性、夢に気付ける。
その感性が、絵本のような世界を形作るのに繋がっているのかもね……
(夢を集めて、一つにして__そこに出来上がった「幻想」は、どんな物よりも格好良く綺麗になるだろう、と呟いて。本の頁に出来た小さな皺に合わせて、翼の輪郭が淡く揺らめいた)
こう静かな雨も風情があって良いものだけれど、いきなり降られてしまったから驚いていたのよ。
…皆の感性によって作られる、絵本のような世界…きっと素敵でしょうね。
(空を見上げながら、ふと聞こえてきた声に視線を戻し。賛辞とともに送られる視線には満更でもない様子で)
美人だなんて光栄だわ。
休ませてもらえるのね。有難いわ。御言葉に甘えて。
(招かれるままに皆の側へと)
…そうだわ。名前、何て呼んだら良いかも聞かなければね。
私はキリエ、よろしくね。
どういう風に強くなりたいかかぁ。ンー……あんま大義名分はないんだよな。この広い世界をたくさん見て回って、気分よく誰かを助けてさ。そうやって誰かの心に残りたいだけなのかも。ホント、そんだけなんだ。悪いやつをぶっとばして、渡り鳥みたいに世界を回りたいだけ。 (その途中で目立てるんならこの上ないよなと、ざっくばらんに、リトに向けて笑う)

そりゃどうも。血の色の火だから、綺麗なんて言ってもらえるとは思わなかった。 (チックの言葉に目を細めて) 足しになりゃいいが。ほれ。 (ガントレットをがちんと合わせて、口の中で詠唱をころがし、すっと手を差し向けた。こおお、と音を立てて籠手から熱風が吹き出す。チックに向けてそよぐ温風)
美人さんのお名前はキリエね。覚えた。おれはガルバート・ハーキュリーズ。長いのでガルでいい。 (うはは、と笑う。) あんたも風に当たりなよ。大丈夫、暖かいからさ。 (チックに温風をぶおぶおと向けながら、こっちゃこいこっちゃこいと招く)
……(ガルの答えに虚を突かれたのか、暫しきょとんとして)……なるほどね。小さな「人助け」の積み重ね、か。

色々な場所で、沢山の風の噂を残して、やがては逸話となる……うん、正に英雄って感じだ。それも、「オレ」が一番好きなタイプのね!
いつになるかは分からないけれど、君の英雄譚は……語ってみたいかもしれないな。(この御話に、もしかしたら此処にいる誰かの名前も一緒にいたりしてね!と笑い返して)

……「守る為に強くなるんじゃなくて、強くなる為に守る」……やっぱり、間違ってなかったんだ。(様々な感情が織り交ぜられた声色で、俯きがちに呟く。憧憬の表情を浮かべて本を抱きしめるその姿は、まるで少年の様で__)
いっぱい戦って、誰にも負けない様な力を得た。それも確かな強さだ。
でも、それだけじゃ限界まで強くはなれないとオレは思う。(知識を求める獣。それに何故か何処か、「親近感」の様なものを感じて)

そうだなぁ……あの男も最初は力を以ってして強くなろうとしてたよ。そして勿論、途中で挫折した。「誰の為に強くなるか」というのもちゃんと理解していたのにだ。
(家族のない獣が、「力」以外の物を手に入れること__それがどんなに難しいかを知っていて、尚且つその答えは驚くほど近くにあるとも知っていて)
まあ、時間は沢山あるんだ。オレから色々言うのもあれだしじっくり考えてみるといいよ。
…ん。お姫様や王子様、綺麗なお城も。絵本の世界…、お話の一つ。だけど、絵本のお話もまた、いっぱいある。
「不思議」なもの、「優しい」もの。皆の感性で作られた、その世界は…どっちなんだろ、ね。(たどたどしくも、少し楽しそうな声音を織り交ぜながら。心に浮かぶ言葉達を紡ぐ。冷たく、微かに温かさを帯びた床をそっと撫ぜて)
血の色、ん…言われてみれば、そだった…かも。夕暮れ時の、太陽みたいな色だって思ったから。…うん、さっきのはやっぱり、綺麗だった。(薄闇に揺らめいていた火に思いを馳せながら、ぽつぽつと)
わ、わ。ありがとう。…とても温かくて、良い気持ち。(温風が当たり心地良いのか、そっと背の白翼を震わせる。表情も先程より緩んだ様子に変わっていく。)
今晩、は。君も雨宿り、一緒…だね。ここ、温かいから…もし良ければ近くに、どうぞ。(キリエの方を向き軽く会釈をすると、小さく手招きをし)

名前…おれは、チック・シュテル。名前の方…チックって、呼んでくれると…嬉しい。
カレンテ、キリエ、ガル…覚えた。えっと、よろしくね。(再度面々をゆっくりと見回してから、ぺこりと頭を下げる。)本のお兄さんの名前は、何て言うのかな。
あ、アルエットお名前言ってなかったかも。
アルエットよ。よろしくね。
ああ、オレかい?(チックの言葉に、そういえば自己紹介してなかったね、と返して)
オレの名前は空下・莉兎、好きな様に呼んでくれて構わないよ。

オレには濡れたものを乾かすことすら出来ないけど……色んな物語を語ることが得意くらい。それでも仲良くしてくれたら嬉しいな。
ガルバート…ガル、ね。愛称で呼ぶのって、何だか仲良くなれた気がして素敵だわ。
カレンテ、アルエット、チック、莉兎…ええ、覚えたわ。

まあ、本当に温かそうね。
(籠手から出る熱風に驚きつつも、招かれるままに近づいていき)
アルエット、温まったから、そろそろ探検に戻るね。
また、来るね。
(笑顔で手を振り、ぱたぱたと飛んで行くアルエット)
そりゃ光栄。どこまで行けるのかはさ、わかんねえけど。今は歩けるところまで歩いてみたい。おれの物語ができたらさ、リト。そんときはあんたが語り継いでくれたら嬉しいね。 (あっけらかんと笑って、リトに答えた)

夕日の色か。そりゃ素敵な喩えを貰ったな。それならあの血色の炎も、まんざら悪くないものに思えてくる。 この籠手は特別製でさ、中でおれの血を籠めて、熱風を出せるんだ。もっと出力を上げればエラいことになるんだけど、今は暖炉代わりだしこんなもん。 (ぶおー、とチックを乾かして笑って見せ。傍によるキリエにも片腕を向けると、温風を分ける)

アルエットはまたどっかでな。気を付けて。(手も触れない状態なので、せめて目礼で見送る)
(強さにも、絵本にも、自分の知らないものがまだあると知って。でもそれが何なのかは、まだ難しくて分からない)……うぅん、そっか。絵本、お話、もっと、探す、聞く、しなきゃ、ね……。(視線を落として考え込み)

(炎や熱風を操るガルを見て)ガル、何でも、出来る、だから……すごい、人。きっと、物語、『格好良い』、に、なる、思う。(いいなぁ、と見つめる瞳は恐らく尊敬の眼差しというものかもしれない)

うん、アルエット、また、ね。探検、気を付ける、して、ね。(飛んでいくアルエットに手を振り返し。またね、と言えた自分に少し『嬉しさ』も感じつつ)
まあ、凄い能力ね。やっぱり人によって千差万別、といったところかしら。(温風の恩恵に与りながら、感心したように籠手を見て笑んでみせる)

アルエットはまたお会いしましょうね。(小さく手を振って見送る)
アルエット、莉兎…覚えた。二人も、よろしくね。(二人の顔を順に見てから、先程と同じ様に頭を下げて。)莉兎が話す物語の世界も、また聞いてみたい、な。

うん。夕陽も空の上で燃える、炎みたい。だから、似ているな、って。 へぇ…そういう仕組み、なんだね。すごい。(関心を寄せた様子で籠手を見つめ)強くなると、髪とか…丸焦げ、になっちゃう、かも…?(微笑を返した後、首を傾げて)

アルエットは、また何処かで会おう、ね。気をつけて、いってらっしゃい。(笑みを浮かべたまま、手を振って見送ろうと。)
ギフトってのは色々あるけど、便利なのもあればそうでないのもありそうだよな。おれのも血を出さないと使えないから不便っちゃ不便だし。……強くするとボンって爆発したりするからな。 (冗談めかして言うと、あらかた二人の身体が乾いたところを見計らって熱風を止めた) みんなのギフトはどんな感じなんだ? まあ、進んで見せびらかすようなもんではないかも知れねえけど。 (興味があるといった風情で、首を傾ける)
…丸焦げ。(思わず想像してしまい、それは怖いと肩を竦めてみせ)凄い…本当に乾いてる。ありがとう、助かったわ。

(此処に集う面々を順にじっと見、暫し考えてから)私のは…一寸小細工が必要で。
やろうと思えば家具だとかも作れるし、贈り物にだって困らないとは思うのだけれど。
(腰に下げた水が入った小瓶を開け、片手で水を掬い受け乍ら、突如紡がれたのは一節の歌)
(歌声を受けて掬い受け続けていた水が徐々に形を変え、兎、本、狼、鳥…それぞれの、水で出来た透明なささやかな置物が出来上がる)
ギフト、ギフトか……オレのはあまり発動する事にはなってほしくないんだよなぁ。

……(大穴の外、雨に打たれる血塗れの小鳥に目をやる。まだ微かに息はあるようだが、もう助からないだろう。
外に出て、それを手で包んで大穴の縁に座って)
(掌の上の小鳥は、空を飛ぼうと必死に翼を打つ。しかし、徐々に動きが鈍くなっていき__それを撫でながら)

オレのギフトは、動物が死ぬ時に「幸せに、眠るように死ねる幻覚」を見せる。
俺に対する……最大限の皮肉さ。
だから、このギフトの名前は__ハッピーエンド。
(本の置物の横で変化し、喜びの羽搏き。さっき濡れてきたからかちょっと湿ってる。)
『話すべき時が来たら、オレの物語は次々と語られるだろう__
そんなそれっぽい事を言ってみたり。
というか水も炎も本の天敵なんだけれども!いやまあ普通に強度はあるから燃えたり破けたりはしないけれど。』
うお、すんげえ、水が浮かんでる! (浮かぶ、なんて生やさしいモノじゃないことはすぐに解った。男は上がったテンションを鎮めながら、師匠譲りの冷静な目でそれを観察する。水を整形し、空間に固定する強制力。火に比べ、水は普遍的に存在しうる概念だ。「常温で存在する」が故に応用の幅が広い。) すげーな、そんなことができるのか。 ギフトってのは面白えな、なおさらこの世は渡り甲斐がある!
言うとおり、優しい終わり【ハッピーエンド】だ。 (男は、小鳥を悼む風でもなく、あっけらかんと口にした。死ぬモノは、結局のところ死ぬのだ。男は自然の中で生きたからこそ、それを知っていた。弱ければ死ぬし、強ければ生きる。或いは運がよければ生き、そうでなければ死ぬ。その摂理を――優しく、安らかに飾ってやれるのなら、それは何より優しい概念だと思う。獣は笑った。) 皮肉どころか優しいと思う。ここは、生きていれば、幸せに死ねるヤツの方が少ない世界だ。だからこそそう思う。
あはは、動物の終わりに対する幸せを飾り「騙れる」ことに関しては気に入っているんだよ。

オレが皮肉に思うのは、「結局オレに出来ることは傍観することだけ」ってね。
きっとこの小鳥の怪我を治すギフトもあっただろう、だけどオレに出来ることは、死を彩るだけ。

まあ確かに死は暗く悲しいものだ。オレ自身幾度となく見てきた。
しかし、生命の終わりが必ずそこに行きつくなら、オレは少しでも「ああ、生きててよかった__」と思えるようにしたい……そんな、語り手のエゴから生まれたギフト。
きっと、こんな物幻にしか過ぎないと思ってたけれども……優しい、か。
…う、爆発。それはそれで、とてもすごい…かも。(ぼんやりと想像してみるも、怯んだ様子等は一欠片も無く) あっ、ありがと。ガル。お陰で、翼もふわふわに、戻った。

…!水を色々な形に、変えたり。幸せで、優しい…終わりの夢、見せられる力。どっちも、綺麗で。とても、すごい。
(水で形作られた、透明な動物達。青年の掌上で最期の夢を見た同胞だった"其れ"を見て、純粋に。好奇を映した瞳を輝かせる。
生と死。異なる模様を間近に見て嬉々とする鳥の言葉に、邪な感情等含まれていない様で)
ギフト…他の人のは。こうして、見る機会があまり無かった、けど。みんなの、優しい感じ。して、好き。
…あの子が、最期に幸せな幻、見られて。よかった。
ん、ギフト…おれの、は。何かを、誰かを手伝いたいって思った時に。使うのが、大事。
歌うの、…とても好きで。お手伝いする時、少し歌ったりすると。沢山、頑張る力、着く。重たい物、持ちやすくなる…とか。足、軽くなる…とか。

今は歌だけに、なる…けど。こんな、風に。
(呟き目を伏せると、歌を一節紡ぎだす。対話していた際と違い、滑らかに。穏やかな声音で、子守唄に似た旋律を奏で――再び口を閉ざし)
…小さい事かも、だけど。誰かがそれで、助かる。するなら、それで良い…かも。だから、おれはこの力、好き。
倖せな最期も、誰かの為のお手伝いの歌も、とても素敵。
そういった力で他の人が幸せになってくれるなら、良い事だもの。優しい力だと思うわ。

この力の事も、綺麗と言ってもらえて嬉しいわ。面白いでしょう、気に入ってもらえたら良いのだけれど。
ご用命があれば何でも作るわ。(水の像をそっと指で撫ぜて)
持っている人がこれを使って誰かや何かに危害を加えようとしない限り、崩れずにあり続ける…そんなギフトよ。

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