シナリオ詳細
紫陽花畑に濡れる
オープニング
●
絶望の青。冠位魔種アルバニア。滅海竜リヴァイアサン。
その戦いはようやく終わりを告げた──少なくない犠牲を、払って。
海洋兵も。
鉄帝兵も。
そしてイレギュラーズも、また然り。
帰ってきた者。救われた者。帰ってこなかった者。
体の傷も、心の傷も、まだ癒えない。
終わりと呼べるのか。今。この時を。
●
「ミーロ?」
「うん? ……どうしたのー?」
それはこっちのセリフだと『Blue Rose』シャルル(p3n000032)は瞳を眇める。へらりと笑った瓶詰め屋『エアインネルング』の店主、ミーロは雨に打たれたまま目の前の光景に視線を戻した。
そこに広がるのは一面の紫陽花畑。小雨は静かに音を重ね、花や葉を濡らしていく。そこにただ立ち尽くすミーロさえも。
「……人間は風邪ひくよ」
「……シャルルも人間でしょー?」
「今はね。だからこうやって傘をさしてるんだ」
ほら、と薔薇模様の描かれた雨傘を傾けたシャルルはミーロをその中へ入れる。彼女の髪から雨雫がぽたぽたと落ちた。
自らを濡らす雨が遮られて、ミーロはようやく視線をシャルルへ戻す。そしてその瞳に込められた僅かな非難も感じ取ったようで、苦く笑った。
「ごめんごめん。仕方ないでしょ? うっかり傘忘れちゃったんだー」
嘘だ。シャルルはそう心の中で呟く。彼女は『濡れたくてわざと忘れた』のだ。何故ならば、すぐ近くのカフェで傘やタオルを借りることができるから。
けれどこのような事実を敢えて指摘しないのも、人間の心理なのだろう。気づいていながら、それを言ってしまったら目の前の人が悲しそうな顔をする。シャルルは混沌での生活でそのような機微に敏く──ほんの少しばかりだが──なったと思った。
それはそれとして、風邪を引かれては困るのだ。ヒトの悲しい顔や苦しむ顔を見たくないのは常の認識である。
「ほら、カフェ行こう。……もう少しでボクの誕生日なんだ、折角だから祝ってよ」
「え、そうなの。行く行くー」
女2人で相合傘をしながらカフェへ向かう。大きく開いた入り口はこれまた大きめのひさしがあり、雨風が入ってくることもない。中へ入れば窓へ向くようなカウンター席とテーブル席で分かれており、どこからでも外の紫陽花を眺められることがカフェの売りだった。
「いらっしゃいませ! ご注文口はこちらです!」
店員の女性が笑顔で示す。世界で何が起ころうとも、彼女にとってはそれが日常だ。
何が変わっても、変わらないものがある。何かが変わっても、日々は無情に過ぎていく。
「あ、タオルを1つ──」
女性へ声をかけるシャルルを横目に、ミーロは視線を外の紫陽花へ向ける。青から青紫、ピンクへ変わっていく紫陽花畑は只々美しく。
「……平和」
小さく呟かれた言葉は、誰の耳にも止まることなく消えていった。
タオルと共に注文もしていたらしい。受取口でトレーを受け取ったシャルルがミーロをテーブル席へと促し、タオルで水分を拭わせる。
「わぁ、ありがとー。ココア?」
「そう。温まった方が良い」
ボクはチャイを、と自分のカップを取る。ふわりと良い匂いが鼻をくすぐった。
ちびちびと飲んで、外の紫陽花を眺めて。無言で暫し。
「……何かあるなら、吐き出せばいい」
そう告げたのはシャルルだった。ミーロが視線を向ければやっちまったと言わんばかりに苦々しい表情をしていて、彼女にしては珍しいほどの表情に思わずくすくすと笑いだす。
「なに」
「んーん、なんでも。ふふ、そうだねー」
言ってしまった言葉も、その表情も、ミーロへの心遣いなのだと分かるから。嫌な気持ちにはならないけれど、心のどこかで小さくささくれだったものが痛みを訴える。
「あのねぇ、わたし引きこもりなの」
「知ってる」
「ええー」
ほんと? なんてミーロは楽し気に笑って──ほんの少し、寂しさを混ぜた。
引きこもって、ただ制作しているだけだった。対した繋がりもなく、相手から近況など報せがくるわけでもなく。リピーターだって依頼が来なくなればそれまでだ。その程度の繋がりで、満足していたのに。
「ローレットって、情報が飛び交っているでしょう? 誰が活躍したとか、誰から依頼が来たとか……誰かが、」
死んだとか。
最後の言葉は出なかったけれど、ミーロの表情を見れば十分だった。
人との関わりを絶っていた彼女に、近況はあまりにも目まぐるしい。人の命が儚いのだと、強大な敵を前にすればイレギュラーズでさえも命を落とさざるを得ないのだと、人伝手でも知ることになる。
「……また引きこもろうかなー」
「できるの?」
「え、無理。言ってみただけだよー」
──例え自らの望まぬ情報が入ってくるのだとしても、人との関わりも悪くないと知ってしまったから。イレギュラーズの想う世界が、小瓶の風景が美しいと思ってしまったから。ミーロはきっと、以前のように1人きりの世界には戻れない。
「君たちはずるいなあ。私にこんな世界を見せちゃうなんてー」
「……勝手に来ただけじゃん」
肩を竦めるシャルル。別にこちらから招いたわけではない。追い返しもしなかったが。けれど結局、世界の見え方は人それぞれなのだ。シャルルが見ている世界とミーロのそれは異なるのだから、やはりそんなことを言われても困るのである。
「ま、そういうなら折角だし誰か誘ってみれば? 紫陽花きれいだし、傘は貸してもらえるし」
「ん? んーそうだねえ。シャルルがここにいるなら誘われるまで一緒にいるよ」
誕生日、近いんだもんね?
ひとりにしちゃうのは可哀想だもの。そう告げて、ミーロは小さく笑った。
- 紫陽花畑に濡れる完了
- GM名愁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年07月03日 22時05分
- 参加人数50/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
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参加者一覧(50人)
リプレイ
●ホットサンドの香り
しとしと、しとしと。ああ、気が滅入ってくるようだ。メニュー表を開きながらバルガルはちらりと外を見る。
唯一、飲み物が彼の注文の手を止めている。どうしようか。自分以外のファミリーが紅茶を頼んでいたことを思い出しながら、今度こそ視線は窓越しの紫陽花へ向いた。
花も雨も楽しむ余裕も年柄もなく。そこにいるのは──仕事のことを考えずにはいられない、1人の社畜だった。
幸いにも開放感あるカフェの入り口と、広々としたスペースによって、グラヴェイルの巨躯は座ることができた。良かった。
外の景色を楽しみながら、やはり彼にも仕事は控えている。つまめるような軽食を、と視線が留まったのは──期間限定。
(これは、気になる……気になるがっ!)
思い出せグラヴェイル。この後には任務が控えている。そして朝である。何より修行中の身で──などという言葉は、期間限定の言葉に容易く打ち負けた。
「このアジサイクレープとやらを1つ。いや2つ……何でもない。1つで」
その体に1つで足りたのか──それは火を見るより明らかである。
「女2人でしんみりしちゃってますね」
朝一番にシャルルとミーロの元へ訪れたのはラグラだった。シャルルの頭へ拾ってきたイワツムリをひょいと乗っけたラグラは、振り返りざまミーロの頬をむにゅり。
「んむぅ」
「ぐりぐりマッサージです。そういう顔の女はブスでございましてからに」
そういう顔とはもちろんミーロのこと。目元赤く腫らして、充血させた眼球で。
こうして泣く女はブスだけれども──きっと彼女は、随分と優しい人なのだろう。
●涼しい空気
「見てヨハンくん! すごく綺麗だわ!」
一番乗りでやってきたミーティアこと数子は瞳を輝かせる。彼女と相合傘をするヨハンもおお、と感嘆の声を上げた。
「ミィが誘ってくるのも分かりますね」
「ふふ、でしょう!」
ゆっくり回りましょ、と濡れないよう互いが近づきながら散策する2人。これまでの成長と、それでも強大な敵との戦闘から無事に帰ってこられたことを安堵しあう。
「……今更ですけど、ミィ」
呼ばれて顔を上げたミーティアは、重なった唇に目を丸くした。離れた唇が間近で好きですよ、と囁く。
「わ、私も、ヨハンくんの事が好き……です」
ミーティアの声が震えて、思わずその胸元に抱き着く。嬉しくて、恥ずかしくて、照れくさくて。こんな顔は絶対に見せられなかった。
(さっき、ヨハンくんはイレギュラーズらしくなってきたって言ってくれたけど)
もっともっと強くならなくては。新しく増えた、大切なものを護るために。
2人で傘を1つ。銀の森で雪ばかり見ていたソアは、雨というものが未だに不思議な、変わったものに思える。
けれど。
「雨の日は植物たちも、普段と違って見えるね」
「うん。それにしとしと降る雨はやさしい気持ちになれて好き」
エストレーリャの言葉に頷いて、ソアは風景に目を細める。……と、隅で何かが動いた。風ではない、何かが居るのだ。
この花畑には不思議生物が生息しているのだと言う。一緒に探してみよう、と2人はじっと花畑の影を見つめた。
(……あーん駄目、ウズウズする!)
暫く眺められていたソアは、しかしたまらずひゅっと手を伸ばす。ぱしっと掴んだ掌にはカエルのようなトカゲのような、何とも言えぬ生物がいた。
「見てっ、尻尾がある!」
「ホントだ!」
おぉ、と揃った感嘆の声。エストレーリャは思わずソアの頭へ手を伸ばし、サラサラの髪を撫でた。
「ソアは、捕まえるのとても上手だね」
嬉しそうに笑うソア。彼女を見ていると『ああ、いつも通りだ』なんて思えて安心する。
ふわふわ、ポカポカ。そんな心持ちで、2人は再び花畑を散策し始めた。
紫陽花畑にしゃがんで、ぼんやりと過ごすアンナ。噂の不思議生物をつついてみるものの、ちょっと可愛そうですぐやめてしまう。
(……たくさん人が死んで、知り合いも死んで)
歴史的快挙を成し遂げた事実は変わらず、けれど犠牲は多すぎた。そして目まぐるしいほどの情報に、自分というものの立ち位置が──どんな心持ちでいればいいのかがわからない。何もかもが溢れ出してしまって、むしろ空っぽにも思えてきてしまうくらいだ。
次の戦いまでにはどうにかしよう。そう思っての今日、リセットの1日。明日が晴れたらまた、前へと進むのだ。
(たまには良いでしょう)
別に濡れることが好きなわけではないけれど、とヘルツは傘を差さずに紫陽花畑を歩く。朝と小雨の静けさが、雨という気だるさが満たされた中での散策も悪くない。
不思議生物はこの辺りにいるだろうか、とヘルツはそっと葉の合間へ顔を覗かせて──石を背負ったナメクジとご対面した。
傘のない津々流は、しかし気にした風もなく紫陽花と共に雨を浴びる。元は樹なのだ、恵みの雨を厭うことはない。
(服は濡れちゃうけど……仕方ないよね?)
だって、傘がなかったんだもの。
悪戯っぽく笑った津々流はふらりと期の赴くままに歩を進める。朝の澄んだ空気と静かな雨が心地よい。ひょこりと一瞬出てきたのは……カエル、だっただろうか?
(雨が気持ちいいから、生き生きしているんだねぇ)
そんな生き物たちを見ていると津々流もまた嬉しくなって、心が躍るような気がした。
(シュバルツさま、初めて来た感じではありませんね)
きっと姉だろうとチラチラ見るメルトリリスの視線を受け、シュバルツは紫陽花へ目を向ける。『彼女』と共に来たのは丁度2年前だったか。あっという間に時間が経ってしまったような気がする。
──それにしても。
「傘は?」
「あ、お気になさらず」
これは騎士の規定なのだと言い放つメルトリリス。見習い騎士の真骨頂なのだ──と直後、くしゃみをひとつ。やれやれとシュバルツはため息を吐き出した。
「一流の騎士には程遠いな」
環境適応も大事だが、それ以上に体調管理が基本だろうに。そう思いながら傘を差し出してシュバルツはすっと目を細めた。
(あの日の事を思い出すな)
相合傘がしたいとずぶぬれだった彼女。同じように傘へ入れてやって、そして。
『敬称は付けなくて良いって言ったろ』
同じようなことをあの時も、今日も言う。
「はわ、でしたら私もどうぞアリスと。
……おおっ、なんだかシュバルツが、多重に見えます」
影分身ですか、などと言うメルトリリスは顔を真っ赤にして。ぎょっとしたシュバルツは、ひとまずカフェへと駆け足気味に誘ったのだった。
『シャルル』
「鹿?」
「あ、いや……ポシェティケトだ」
首を傾げるミーロに言い当てるシャルル。鹿の姿で巡り合ったポシェティケトは嬉しそうに笑い声を上げた。
お誕生日おめでとうと、一緒に歩きましょうを伝えて。ほんのちょっぴり嬉しそうに笑ったシャルルとミーロと共に鹿は歩を進めていく。先を行くのは金の妖精だ。
雨の匂い。花の香り。いつの間にかトカエルが鹿の上にちょこんと乗っている。
「え、わあ、なに?」
『何だか、元気が無さそうだったから。もし寂しかったら、森へいらっしゃいね』
ヒトとヒトでは近すぎる距離感。鹿であるときのポシェティケトだから踏み込める距離。そんな間近な彼女にミーロは目を細めたのだった。
ふんふんと小さな鼻歌。誰もいないから、水玉模様の傘をくるんと回して。水玉が飛んでいった様子が面白くて、ついもう1回。
クロエはふふふと楽しそうに笑うと、周囲にいるだろう生き物を驚かさないようそっと歩く。葉の影を見て、足元を見て。もしかしたら不思議生物が隠れているかもしれない。
(どんな鳴き声なんでしょうか?)
トカエルはやはりカエルなのだろうか。それともトカゲに近いのだろうか?
まだ見ぬ生物を捜しながら、クロエはまた傘をくるりと回した。
リディアは雨に濡れながら空を仰ぐ。その唇が小さく、小さく歌を紡いだ。
特に親しかったわけではないヒト。
リディアだけでなく、多くの者の胸を打った歌を歌ったヒト。
リディアたちの命を救ったヒト。
彼女の事を伝えていくために、そして自らの気持ちを切り替えるためにリディアは歌う。その頬を流れ落ちていったのは雨の雫か──それとも。
その濡れる姿を見た時、縁は小さく目を見張った。近づかなくてもわかる、駆け足になりそうな早足で近づいて確信する。彼女が気づいたと同時、自らが差していた番傘を握らせた。
雨の雫が蜻蛉の眦から零れ落ち、その瞳がこちらを向く。強張った表情が彼女の瞳に映っていた。
しかし声をかけるより先に彼女を温めて、風邪などひかせないようにしなければ。
羽織を脱いだ縁は蜻蛉の肩へそれをかける。同時に、彼女のらしくない弱々しい声が耳へ届いた。
「……やって、心配してくれると思て」
温もりの残る羽織をきゅっと握り、蜻蛉は俯く。そんな彼女へと口を開いた縁は、しかし寸でのところで常の『逃げ』を飲み込んだ。
違う。美人だからではない。それだけの理由でこんなに心を波打たせることなどあるものか。
だから──。
「……悪かった」
素直な謝罪に、弾かれたように蜻蛉が顔を上げる。そしてこらえきれなくなったように笑うと、濡れた髪を耳にかけた。
「ええ、ほんにとっても!」
縁がぽかんとこちらを見ていて、蜻蛉はそのうちにと番傘を一緒に握る。濡れてしまうけれどそれくらいは我慢してほしい。
「ほな、行きましょ」
その言葉と同時に肩を引き寄せられ──詰まらなかった距離が、埋まる。
その手が熱いのも、互いの頬が熱いのも、今は何も言わず。けれど近づいた距離感を感じながら、2人は歩いて行った。
●賑やかな室内
クレープをぱくり、ぱくりと食べた蛍と珠緒は、目を瞬かせ見合わせた。
「……さすが限定品」
「変化をテーマにしたお菓子のようですね」
『移り気』の花言葉を持つ紫陽花は変化の豊かな花である。その色合い同様に、食感や温度が口の中でどんどん変わっていく。一口食べれば金平糖、もう一口食べればアイスと言った具合だ。
(量も気にせずいけてしまいそうです)
その変化に追いつこうと食べれば、あっという間になくなってしまいそう。恐るべし、アジサイクレープ。
「……ボクも最近、変わり始めたように思う」
いつしか紫陽花へ視線を向けていた蛍が呟く。以前までは光を追い求めるだけだったけれど──そう、許容できるものが増えたとでも言うのか。
守るだけでは守り切れない。そして攻めることも守ることなのだと感じ始めたのはそう昔の事でもない。
「珠緒も、守られる中でどうあるべきか、考え始めているのです」
2人の在り方。関わり方。きっといつまでも考え続けて変化し続けるもの。並び立つことで分け合えることを信じ、ありたい姿を思い浮かべれば──きっと力も笑顔も、クレープの甘さのように増していくのだろう。
「アオイ、紫陽花を見に行く前に寄っていかない?」
「ん? へえ、カフェか」
リウィルディアに示された先を見てアオイはいいなと頷く。中から紫陽花が見られることも知れば、このままカフェにのんびり入り浸っていてもいいかも、なんて。
「紫陽花のクレープだって。これにしようかな」
「それじゃあ俺はこっちで」
アオイが選んだのはココアとチョコのパフェ。一口交換しない? とリウィルディアが持ちかければ快い了承が返ってくる。2人は注文し、それらを持ってカウンター席へ向かった。
「可愛いし綺麗だね」
アジサイクレープをしげしげ眺めるリウィルディアの隣で、アオイは早速パフェをぱくり。甘さがちょうど良い具合だ。
「アオイ」
「ん、あーん」
一口かじられたリウィルディアのクレープもぱくりと食べ、アオイはご満悦だ。でも次はクレープを頼もう。とても美味しい。
「んじゃ、俺のもな、ほら」
今度はアオイがスプーンをリウィルディアの口元へ寄せる。そうして互いに食べさせあって、一休みしたら──紫陽花を見に傘を差そう。
ミーロの元を訪れた元気な声は、金平糖をご馳走しにきたと告げる。
「いつも持ち歩いているこんぺいとうではないけれどね」
ランドウェラはアジサイクレープに興味津々。カフェにいるのだから食事のひとつもすべきである、ならば金平糖だ。金平糖があるならばそれを選ぶのだ。
そんな彼の勢いに思わずミーロがくすりと笑う。ふと彼女の元で作った小瓶を思い出し、ランドウェラは問うた。
──自身が、ちゃんと『見る』ことができているだろうか、と。
その言葉に何を感じたのか。ミーロはきょとんとすると、目を細めて「大丈夫だよ」と頷いたのだった。
エイヴァンはメニューを見てキラリと目を光らせる。
「まずは期間限定メニューの制覇だな」
デザートは他にもあるようだし、そのお代わりができるなら是非ともお願いしたい。
食い気全開とか花より団子とかそんなことはなく、紫陽花だって楽しむつもりである。
かの花は『移り気』なんて花言葉も存在するのだ、デザートに迷うエイヴァンにぴったりの花である。さらには追加を全て2人前に収めるあたりも『謙虚』という花言葉に当てはまるじゃあないか!
──はて、当てはまっているだろうか?
メルはアジサイクレープに蜂蜜を追加トッピング。カフェも蜂蜜も大好きだから、一番好きな太陽は見えないけれど彼女はご機嫌だった。
窓側の席に座ってクレープをぱくり。外を眺めれば、色鮮やかな紫陽花が雨に濡れる様子が見える。
青い紫陽花は悲しんでる。
隣の赤い紫陽花は、青色のために怒っているの。
「それから……あのピンクの紫陽花は、恋をしているかしら……♪」
想像はどこまでも、広がって。
その少し離れた場所では酔いどれお姉さんことアーリアが……酔ってなかった。今は素面だ。
「今日はおねーさんの奢りよぉ!」
ブラウはカフェのメニューにキラキラ目を輝かせる。人に奢ってもらうという小さな罪悪感も美味しいものの前には勝てないのだ。
その隣でアーリアは金平糖を散らしたアジサイクレープを目で見て、舌でも楽しむ。ああ、小さい頃は本当に星の欠片だと思ったっけ。
しかし甘味を食べ終われば、今度はしょっぱいものも食べたくなるもので。
「よしブラウくん、近くに昼からやってるいい居酒屋があるから行くわよぉー!」
「ぴぃーーっ!?」
がしりと掴まれる手。食べるため人型になっていたブラウは引きずられながら居酒屋へ連行されたのだった……。
彼女らと入れ違いに、大はしゃぎのタルトに連れられベークはカフェを訪れた。目的のものを客が食べている姿にタルトは目をキラキラ、早く行くわよ! と彼を急かす。
「テーブル席ですか、カウンター席ですか。持って帰れるならそれでも……あ、ちょっと、」
口より先に体が動き、タルトはひゅんと飛んでテーブルに着地する。ベークの苦言など気にした風もない。
「ほら早く珍しいスイーツを買ってきて! 誰かと食べるからスイーツはより美味しくなるのよ☆ミ」
菓子の妖精たるもの、自身の舌を肥やさずしてなんとする。そうでなければ美味しい菓子は作れないのだ!
はいはい、と注文口へ向かうベークは日常が戻ってきたことを感じ、思わず遠くを見る。これでいいのか、僕の日常。
両手にクレープを持って帰ってきたベークに──正確にはその手のクレープに、待ってましたとタルトが飛びつく。たとえ身丈ほどの大きさであろうと女の子にとっては別腹なのだ。
さあ、満足するくらい沢山食べよう!
「最近ね、拘束具が壊れかけてる時みたいな感じがするのよ」
そう美咲が告げると、クレープを頬張っていたヒィロがぽかんとした顔でこちらを見た。数瞬固まり、嚥下して口の中を空っぽにしてから真剣な表情で問う。
「それって、呪いの封印が解けそうでヤバい、みたいな……?」
「あ、ううん。ざっくり言えば、魔眼がもっと強くなるわけ」
美咲の言葉にヒィロはなぁんだと相貌を崩す。大切な彼女に何かあったわけではなくて良かった。それどころかこれまで以上に頼りになる存在となってしまうらしい。
「ボクも同じ感じかも! 今までの延長線上で強くなってる感じ」
視線を向けた先には鮮やかな紫陽花。花は青から紫へ、そしてピンクへと綺麗なグラデーションを見せている。あの色合いのように少しずつ変化している、そんな気分だった。
「いいね。なら、やることも一段上を目指そうか」
ヒィロが切り込んで美咲が仕留める、この方法は今までと変わりない。それをより強く、より格好良く連携できるように。2人で一緒に考える必要がありそうだ。
●鮮やかに咲く花
世界各地で様々な事件が起こる。そうした日々の中で、この場所は現実と切り離したかのようにゆったりとした時が流れていた。
紫陽花と雨を褒めていたラクリマは、全く反応のないことにむっと口を尖らせた。
「ライセルさん、聞いてま──」
「ラクリマ、こっちにおいで」
鋼鉄の翼が広がり、ラクリマへかかっていた雨を受ける。見上げれば若干不満そうな表情で、濡れたラクリマの肩を抱き寄せた。
ああまったく、これだからイケメンは!
そっぽを向いてしまった彼に苦笑して、ライセルは熱を分け与えるように抱きしめる。この程度で風邪を引いてしまうとでも思っているのだろう。
(ほんと、いつも過保護なんですから)
それが嬉しい反面、素直な言葉は出てこない。代わりに彼の手へ自身の手を重ねて──想いよ伝われ、と。
そんな行動を起こしたラクリマにライセルは目を瞬かせて、それは嬉しそうに笑ったのだった。
ぱたぱた、ぱた。イーハトーヴの上で音が鳴る。傘の上で水が跳ねていく。音も、視界が遮られることも相まって、どこか別の世界みたいだ。
「イーハトーヴ?」
「見て、シャルル嬢!」
キラキラした瞳がシャルルを見上げる。彼が色取り取りの紫陽花を避けた先では、宝石のようなカエルがちょこんと座っていた。
「どうしよう、スケッチの道具持ってきてないよ」
残しておきたかった、としょんぼりするイーハトーヴ。けれど紫陽花の綺麗さもカエルの愛らしさも、そして鈴が鳴るような鳴き声も完全には残せない。
「キラキラしてる、ね」
「うん。俺の世界は今、眩しいくらいだ」
立ち上がった彼とシャルルは並んで景色を眺める。去年も来たけれど、彼の隣で見る景色はより美しく見える。彼にとっては新しい景色との出会いだろう。
1歩を踏み出せば、きっと、もっと世界を好きになる。だから──一緒に歩いて行きたいな。
「お誕生日おめでとう、シャルル嬢」
クリムとミーナは1つの傘へ。海洋大号令に──より正確に言えば廃滅病や対アルバニアに──延期を余儀なくされていたデートもようやくの解禁である。
「濃い赤色の紫陽花を見つけたいな」
ミーナの色だとクリムは言うけれど、逆ではないかとミーナは思う。或いはどちらもか。
赤みを帯びてきた紫陽花畑にくると、クリムがどことなくそわそわし出して。ミーナが名を呼べば、ぎこちない動きでクリムが視線を合わせた。
言うなら今だと、内なるクリムが囁く。言葉にする勇気を振り絞れ、と。
「その、だな……好きだ!!! 付き合ってくれ!!」
顔を真っ赤にして告げたクリムの勢いに、ミーナは目を瞬かせた。そして──ふっ、と小さく笑う。
「こっちこそ、こんな奴でいいのなら」
臆病で、卑怯で、浮気者。こんな自分を愛してくれると言うのならば、こちらも愛さぬ通りはない。
2人は同じ傘の下、微笑みあって──。
「──にしても、落ち着かなすぎだろ」
「滅茶苦茶恥ずかしいんだから仕方ないだろ!」
忙しなく動く翼と尻尾を指摘されたクリムは、再び顔を真っ赤にする。フるわけないだろうに、とミーナは苦笑を浮かべた。
紫陽花へ近づくにつれ濃くなる雨の気配。傍らのヨタカが傘は入らせて欲しいと武器商人へ告げた。
「傘を持ってこなかったのかぃ?」
その問いに頷くヨタカ。持ってこようと思えば持ってこられたのだが、敢えて持ってこなかったのだ。
肩が濡れてしまうからと引き寄せられ、より密着して傘の下に入る。紫陽花の中ではなんだか武器商人がどことなく、嬉しそうな気がして。それを告げてみれば「そうだね、」と紫陽花へ視線が向けられた。
「何かと縁があると言うか……少し馴染みのあるコなのさ」
ならば気に入ってくれるだろうか。ヨタカは開けた場所で立ち止まり、武器商人は彼に倣った。
「紫月……これ……」
ああ、心臓が口から飛び出そうだ。そう思いながらヨタカはひとつの袋を渡す。海洋での出来事がバタついたが──先日は、愛するヒトの誕生日だったのだ。
袋から髪飾りを出した武器商人は目を細め、視線をヨタカへ。その表情を見れば祝いたかったのだとわかる。
だから。
「──ねえ小鳥。良ければこの紫陽花、おまえの手で我(アタシ)に飾ってちょうだい?」
ポムグラニットとミドリは去年と同じようにこの場所を訪れた。2人の精霊種は傘を差さず、空から落ちる雨を感じながら歩いていく。
Pi、とミドリがポムグラニットの様子を伺う。浮かない表情の彼女はミドリの視線に気づくと視線を伏せてしまった。
「わたし うみに しっとしていたわ」
海──示すのは先日の『絶望の青』。花は海で咲くことはできない。海へ還った者たちと同じにはなれない。
強大な敵の鱗1枚さえ剥がせなかった、無力感。自分の力はちっぽけだったのだ。
「Pi! PiPiPi!(ポムちゃん、ぼくはきみをひとりにしないよ!)」
伏せてしまった視界で見えるように、ミドリは彼女の前へ立つ。何があったって1人になんてするものか。
「Pi!(甘い蜜で笑顔になって!)」
ふるりと雨を受けた葉が蜜を出す。美味しいと言ってくれた蜜。大好きな彼女の元気な姿が、笑顔が見たかった。
そんなミドリにポムグラニットはしゃがみこみ、ミドリを抱き寄せて。
「ごめんね ありがとう みどりちゃん」
小さな呟きが上から降ってくる。抱きかかえられたミドリは、同時に雨ではない雫を受けたような気がした。
●もう少しだけ
この時間にデザートなんて? いいえ、デザート(甘味)は別腹なんです。
アジサイクレープを食べていたサクラは、スティアの言葉に喉を詰まらせかけた。
「そういえばアルバニアと戦ってる時のあれ、そうなの? 恋してるんだー! って」
「……っ、こ、恋の話!?」
サクラは視線を彷徨わせ、その様子にスティアは目をきらりと輝かせる。どのような心境の変化があったのか分からないが、詳しく聞くまで帰してなるものか。
その勢いに白状すると苦々しい顔でサクラは口を開き──。
「……勝ちたい人がいるんだよね」
「え?」
あれ、何か思っていたのと違う。そう思うスティアを横目にサクラは訥々と語る。
その人に自分だけが勝ちたい。他に負けるのは許せない。そんな独占欲や拘りをきっと『恋』と形容するのだろうと。
(思い当たる人はあの人かぁ……よりにもよって……)
思わず小さく苦笑いを浮かべたスティア。応援はしたいところだが、だからと言って無茶はしてほしくないところである。
「大丈夫、無茶はしないよ!」
とサクラは言うものの──その後に力強く「多分!」とつくあたりが彼女らしかった。
「こういうの、新鮮な感じがする」
「落ち着いてルナールと店に入るの初めてだよね」
普段なら雨の中を散策するか、自前で店を出しているか。今日はのんびりする時間に興が乗ったとでも言うのだろうか。
普通のデートらしい、なんて楽しそうなルナールへ、ルーキスはメニュー表を見せる。途端に彼はむ、と難しく考え込んだ。
普段ならば彼女お手製の菓子が選び放題だが、今日ばかりはそうもいかない。さあどれを選ぶか。
「珈琲とアジサイクレープかな。おにーさんは?」
視線を向ければ、彼はさんざん悩んだ結果ルーキスと半分こで手を打つ。彼女の菓子が特別なんだと言いながら半分食べた菓子を交換するルナールへルーキスは笑みを浮かべた。
「でも、甘いものは好きでしょうキミ」
「……好きだな、基本的には」
そんな何でもない話をいつも通りに、いつもとは違う場所で。たまにはこんな1日も悪くない。
ちなみに半分このお返しは──夕飯当番である。
マッダラーがはっと気づけば、客足は随分と少なくなっていた。見れば外も暗く、長い事演奏をしていたのだと自覚させられる。
喫茶から差し込む灯りに照らされた紫陽花はやはり綺麗で、雨音に混じって本日ここを訪れた恋人同士や友人と話す声が思い出された。
もうこれで今日の演奏は終わり。そう思っていたのに、紫陽花をまじまじ見れば『鮮やかだ』以外の感想など何も出てこなくて。仕方がない、心の琴線に何も引っかからない身の上だなどと思いつつも、気づけば指は再びギターの弦へと触れていた。
●空は未だ曇り
イナリの手元でランタンが揺れる。それでも視界は何処かおぼつかなく、和傘が水を弾く音がより鮮明だった。
(……私、この個体にも家族って存在していたのかしら?)
紫陽花の花言葉には家族にまつわるものがある。寂しさでも辛さでもなく、ただ興味本位で気になった。そんな繋がりが自身にはあったのだろうか、と。
今度訪ねてみようか。もしかしたら答えてくれるかもしれない──そんな思考はいつしか隅の方へ行って、イナリは紫陽花の陰へ隠れる生き物探しに夢中になっていったのだった。
ミーロを夜の紫陽花畑へと連れ出した文は前を行く。歩けば気分転換にもなるだろう、そう思って。
「足元、気をつけて」
誘導するランタンの光が傘の内側で揺れる。同じように揺れて見える紫陽花から、ぴょこりと可愛らしい生き物が出てきても文はどこか気がそぞろ。その理由は、あの海を思い出してしまうからかもしれない。
感情の手綱を握れなかった渦中。死に哀しみ、痛みに恐れ──そして戦いに高揚した。
その時に比べたら、雑音のような雨音のなんと静かなことか。それはどこか、懐かしくさえ感じるものだった。
傘を並べて歩いていたリースリットは、不意に頬へ触れられて目を瞬かせる。水滴を拭った手はそのまま彼女の顎を掬い上げ、手首が雨で濡れてしまうことなど気にした風もない。
「……キミが無事で良かった」
「カイトさんこそ──ご無事で良かった」
2人は先日の大号令に想いを馳せる。荒れ狂う海は、龍神は数え切れないほどの犠牲を連合軍へと出した。その中で2人とも無事だったのは、おそらくある種の奇跡だろう。
ぐっしょりと手元が濡れてきて、カイトはやむなくリースリットから手を離す。趣のある季節ではあるが、汚れることや寒さを考えれば晴れていた方が良かったと思わざるを得ない。
けれど彼女は雨を厭う言葉に小さく笑って、空を見上げた。
「今は雨ですけど。……きっと、晴れますよ」
雨は悲しみを洗い流すのだとリースリットは告げた。多くを喪った悲しみも、この雨がきっと流してくれる。そして未来へ踏み出す明日が晴れるのだ。
「リズは良いことを言うな、山あり谷ありってか」
「そういうことになりますね」
意味のない物などない。きっと今、雨が降ることも。そしてこの季節に大号令が終わった事も──何かの意味があるのだろう。
愛する人とひとつの傘を共にしていたアイラは、降りやまぬ雨へ弾かれたように飛び出した。
「アイラっ!?」
後ろからラピスの声が聞こえても止まらない、止まれない。落ちたカンテラの火が消えて酷く薄暗かった。
──見えなくなってしまえばいい。こんな、汚いボクなんて。
『ここまで来たんだ、あともう少しってやつだろう?』
流れる雫が熱くて、冷たくて。より鮮明に聞こえるのはまやかしの声。
『人殺し!』
ちがうよ。
否定したい言葉は喉で詰まって、アイラは汚れるのも構わず蹲った。降り落ちる雨を遮ったのは追いかけて来たラピスだ。
「……ボクは、ひとを、殺してしまったの」
震える声が紡いだそれは、ラピスも知っている事実。正しくはヒトが異形に成り果てたモノだったが、それでも彼女の柔らかな心が引きつれて、引き裂かれて、傷を作っていることも知っていた。
そして今──彼女へ答えることもできやしない。傍で戦えなかった者が、支えられなかった者が何を言えると言うのだろう。
だから代わりに、ラピスは彼女の肢体に腕を回す。
「……僕は何があろうと君を愛している」
それは永遠に変わることのない想い。揺るがぬ事実。縋る彼女の頬を拭ったラピスは何者からも守るように、彼女を力強く抱きしめた。
無量は広がる紫陽花畑に『彼女』をみる。
(様々な思いを見た大号令……中でも、そう)
鏡の魔種。イレギュラーズを映し紫陽花のように色を変えた彼女は、最後イレギュラーズの味方として戦った。
彼女は特異運命座標と関わることで色づき輝き、大号令を成功させる要因にまでなったのだ。
敵となった彼女を殺そうとした無量は、ならばと考えずにいられない。
彼岸へ送ることこそ救い──そうして救ってきた者たちに、彼女のような者がいたのだろうか。もしそうであるならば、これまで与えてきた救いとは。
(──一体、何だったのでしょうか)
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
楽しめましたか、イレギュラーズ。
雨はいつか上がります。誰かの想いも歩みも、前へ向かう事でしょう。
またのご縁をお待ちしております。
GMコメント
●すること
紫陽花畑、もしくはカフェでひと時を過ごす
●選択肢A
時間帯をお選びください。朝、昼、夜のいずれかより選べます。
●選択肢B-1:紫陽花と雨を楽しむ(タグ【雨】)
紫陽花畑の散策です。広大な紫陽花畑をお楽しみ頂けます。雨が降っています。
傘の無い方は店からの貸し出しもしています……が、OPのように敢えて濡れるのも一興です。夜はランタンの貸し出しもしています。
地面から50cm程度の高さに青、紫、白と様々な色の紫陽花が咲いています。切って持ち帰る等はご遠慮ください。
紫陽花の影などに以下のような不思議生物を見つけられるかもしれません。
・トカエル(カエルっぽいなにか。白くてトカゲの尻尾がある)
・イワツムリ(ナメクジらしきもの。貝殻の代わりに中が空洞の石を背負っている)
……etc.
●選択肢B-2:傍らのカフェで寛ぐ(タグ【喫茶】)
紫陽花畑の隣にある広いカフェ『Hydrangea』で寛げます。入口が大きく開いており、窓も大きく作られているのでどこからでも紫陽花を眺めることができます。
基本的にはテーブル席。おひとり様であればカウンター席もご用意しています。
ソフトドリンク、菓子、軽食などが売られています。アルコールはありません。
期間限定のお勧めはアジサイクレープ。甘いアイスと蜂蜜と、紫陽花を模したような金平糖が散らしてあります。
※夜でも営業していますが、人気が無くなるほどの深夜は閉まります。ご注意ください。
●プレイングの書き方
1行目:夜【喫茶】
2行目:同行者or同行タグ(なければ改行のみ)
3行目:本文
上記に即していない場合、迷子になる可能性があります。お気を付けください。
●イベントシナリオ注意事項
本シナリオはイベントシナリオです。軽めの描写となりますこと、全員の描写をお約束できない事をご了承ください。
アドリブの可否に関してはNGの場合のみ記載ください。基本アドリブが入ります。
また、不思議生物及びカフェメニューは「こんなのありそう」と考えられる範囲であればご自由にどうぞ。
●NPC
私の所持するNPC、ミーロ、及び『ざんげ』以外の幻想にいる(と思われる)NPCは登場する可能性があります。
●ご挨拶
海洋編お疲れさまでした。愁です。
毎年恒例のイベントシナリオとなっていますが、改めて気持ちの整理など如何でしょう?
勿論なんの因果も無い方でも、「紫陽花楽しみに来たよ!」で大丈夫です。普通に過ごしていただいて構いません。
ご縁がございましたら、よろしくお願い致します。
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