PandoraPartyProject

シナリオ詳細

<鎖海に刻むヒストリア>アドミラル・アセイテ

完了

参加者 : 50 人

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オープニング


 チク、タク。
 チク、タク。
 耳障りな秒針が時を刻み続けている。

 広い室内は真新しい木の匂いに満ちていた。
 アクエリアに新造された、軍用大会議室の一つである。
 そこでは多くの人々がひそやかにささやき合い、苦い顔を見合わせていた。
 微かに聞こえる潮騒の音とて聞き心地良さそうな筈なのだが、一同の表情は余りに険しい。
 居並ぶ面々は海洋王国の提督と数名の船長、鉄帝国の将校と軍人――
 それからラドバウ闘士にイレギュラーズという異色の取り合わせである。
 一同にはあえてここで語りはしないが三者三様に細かな因縁もある。
 感情的にはいろいろな意味で含むところがない訳ではないだろうが――さておき。

 海洋王国大号令から始まる絶望の青攻略は、正に佳境を迎えている。
 最も遠く大きな島アクエリアを橋頭堡とした海洋王国軍は後半の海を攻略していた。
 海洋王国軍とイレギュラーズによる進撃は止まる所を知らない。
 アルバニアを追い詰め、深い海の底から引きずり出すには、この青を踏破してしまう以外にないだ。
 後半の海の苛烈さはこれまでと比較にならない。
 だが死兆に侵された仲間を救う為には、他に方法などありはしなかったのだ。
 そしていよいよ、アルバニア麾下の魔種勢力が本拠点とする最後の難所フェデリア海域へ向かうにあたり、女王イザベラとソルベは一計を案じていた。
 それはかつての敵国ゼシュテル鉄帝国から大援軍を引き出すという奇計であった。
 全ての準備を整えた海洋王国は、これまで採用していた少数艦隊での安全確認、掃海を行う作戦を放棄。
 ゼシュテル鉄帝国、海洋王国、ローレットの大連合軍を結成して乾坤一擲の大勝負に出た訳だ。
 それは『この後』を一顧だにしない最後の作戦である。
 この『たった一回の海戦で絶望の青を攻略する』、即ちアルバニアを引きずり出すという鋼の意思だ。
 いよいよ長き因縁に終止符を打たねばならないのである。
 一行はすぐにでもアクエリアに建造された軍港を出航し、戦域へ赴かねばならないのだ。

 ――それはともかく議論、作戦会議はちっとも進んでいなかった。
「つまりビスクワイア提督は、トルタ『元』提督に、海戦での勝利が不可能であると仰りたいのか」
 海洋王国のビスクワイア提督に鋭い視線を突き刺したのは鉄帝国将校のゾンメルであった。
「そうだ。私では彼奴目には勝てんと言っている」
 乾いた声音で吐き捨てたビスクワイアの額には、青筋が浮かんでいる。
 激情を抑えているのがありありと見えるが、ゾンメルは尚も食い下がり机に拳を叩き付けた。
「我等鉄帝国の鋼鉄艦をもってしても、たかが戦列艦如きに勝てんと言うのか!」
「黙れ丘産まれの野蛮人共が! てめえ等ごときに海の何が分かるってんだ!」
 一触即発のきな臭い空気は、今や罵声の応酬に包まれている。
 議題は海洋王国を裏切ったトルタ・デ・アセイテ元提督を海戦で打ち破る作戦についてであった。
 魔種となって王国を裏切ったトルタは、未だ無敵艦隊アルマデウスと呼ばれる大艦隊を率いている。
 全てが攻撃過多の戦列艦で構成された艦隊であり、練度も極めて高い。王国最強とも謳われている。
 恐らくトルタは定石の丁字戦法を狙うのであろう。
 可能な限り陣の端だけを捉えて、横並びの複数艦の火力を集中させる戦法だ。
 常識的に考えて、位置を取られればそこで終わりであるため、取り合いするか、そうならないように動く。
 完全かつ恒常的な成立は滅多にない。
 だからどうにか別の格好、たとえば同航戦なりにもつれ込ませることになる。
 すると純粋な火力戦、消耗戦となり、これもビスクワイア艦隊にとっては非常に厳しい。
 そも艦隊運動能力そのものに関しても差がある。
 ビスクワイア提督とて並の軍人ではないが、だからこそ練度の差というものを重々承知していた。
 鉄帝国の船は攻防共に極めて強力だが、他国の軍同士が俄仕込みで足並みを揃えるのは容易ではない。
 ではとにかく大軍勢で攻略出来ればよいのだが、残念ながらそこまでの余裕は与えられていない。
 少なくとも練度と火力、艦隊運動力の全てにおいて負けていると考えるのが筋だ。
 無い袖は振れない。だから勝てない。単純な理屈である。
 とは言え弱者には弱者の戦い方というものもある。
 例えばつかず離れず、反航戦等で『はりつけ』にする手もない訳ではないとビスクワイアは続けた。
 それでも死兵に等しい敵方が、それを許す筈もなく、混戦までもつれ込んでも相手の優位は揺るがない。
 ビスクワイアの反論に、歯を食いしばって押し黙ったゾンメルとて、そこは認める所なのであろう。
 会議室には重苦しい静寂が訪れた。

 そんな時だった。
「勝たなきゃいいじゃない」
 少女の一言に一同の視線が集中する。
 得意げにふふんと鼻をならして、大きな帽子をかぶり直した少女――『セイバーマギエル』エヴァンジェリーナ・エルセヴナ・エフシュコヴァ(p3n000124)は得意げに胸を張っている。
「上手く負けるというのは、一つの手だろう」
 ビスクワイアが頷く。
「可能な限りの打撃を与えつつ、上手く負け、出来るだけ戦局全体の勝利に貢献し――」
「違うわ」
「は?」
「違うわ。あなた何いってるの? だからその、丁? T? 字? させてあげればいいじゃない」
「ばっ、おま……っ!」
 それを『させる』ということは先頭艦から順に、横並びとなった敵艦の集中砲火を浴びるという事だ。
 典型的な各個撃破による敗北例となろう。
「おもしれえ。実に俺達向きの作戦じゃねえか」
 メヴィ兵長が口角をつり上げる。
「なるほど、一理ある」
 ゾンメルが頷く。
 とうとう頭がイカレたか。それとも鉄帝国軍人というのは皆こういうものなのか。
 ビスクワイア提督は胡乱な目つきで鉄騎種達を睨む。
 連中なにを、さも得心した様な表情をしていやがるのか。
「閣下……いえアストラルノヴァ公……」
 ビスクワイアが背後で目を閉じていた『顧問』に助け船を求めたのも無理なかろう。
 呼ばれたアドラー・ディルク・アストラルノヴァは退役軍人である。
 黒き鷲の支配者と呼ばれる伝説の提督だ。ビスクワイアのかつての上官にあたる。
 自慢のガレアスは本来遠洋航海に向かないが、人の輸送と白兵には無類の強さを発揮する。
 ともあれ、そんな彼もまた、この大号令とあって参戦していたのである。
 横で微動だにせぬ伏見 桐志朗は彼の強力な護衛だ。
「はて提督。私は退いて久しい身。口を挟むつもりも権限もないが」
 つまるところアドラーは、暗に『まだ自分で考えろ』と言っている。
 後進の育成に余念が無いこの老人は、厳しくはあれど答えもなく放り出すような真似はしない。
 逆に述べれば『現段階でブレーキを踏んでやる必要はない』と確信しているという訳だ。
 ビスクワイアはますます分からないといった表情で腕を組んだ。
「いいか海洋の。俺達に案がある、つうか名案が出来た。おい高帽子の、説明してやれ」
「任せなさい?」
 メヴィに顎で指示されたエヴァンジェリーナは、彼女渾身の作戦を、得意満面に披露し始めた。

 彼女は丁字の取り合いに、なにも『わざと負けてやる』必要までは無いと云う。
 初めは正攻法で挑むのだ。勝てればそれで良し。そこに異論を挟む余地はない。
「プラン『А(アー)』よ!」
 だが結果として単縦陣で突っ込むハメになった時のため、先頭の艦はゾンメルの鋼鉄艦とする。
 ゾンメルの鋼鉄艦は、前もって多量の装甲を固めておく。
 帝国軍人達は追加分の装甲は豊富な木材の他、後方の鋼鉄艦から剥ぎ取ればいいと頷き合った。
 鉄帝のルドルフ技術大佐あたりに頼めば上手くやってくれるだろう。
「これが盾になるわ!」
 エヴァンジェリーナが胸を張り、ゾンメルとメヴィが紙巻き煙草を咥えて火をつける。
「くっさいわね」「……るせえな」
 まず、ゾンメルの鋼鉄艦は使い潰す覚悟で、そのまま砲弾の嵐を特攻する。
 それから後続艦がトルタの旗艦へ接舷攻撃を仕掛けるという寸法だ。
「こっちが剣! 合わせてプラン『Б(ベー)』よ! いいでしょ?」
「えーっと……」
 目を泳がせた『冒険者』アルテナ・フォルテ(p3n000007)が仲間(イレギュラーズ)に助け船を求め。
 といっても振られたところで、現段階では特に出せそうな意見もない。
 だから「残りの艦はどうするのか」と、話の続きを促すにとどめた。
 イレギュラーズの役目はどのみち魔種トルタ一派の討伐とそれに向けた白兵戦だ。本業はそちらなのだから仕方がない。エヴァンジェリーナにせよイレギュラーズにせよ、会議に居るのはオマケのようなものだ。
「残りの艦はぶつけんだよ。ドーンてな。後は一艦一殺でいいぜ。乗り込んで皆殺しだ」
 メヴィが笑う。
 一体全体、もう無茶苦茶だ。
 ビスクワイア提督が横に首を振る。
「分かってんのか。下手すりゃ――いやしねえでも常識で考えろ。全艦撃沈で海の藻屑の木阿弥だ」
 ビスクワイアはコーンパイプに火を付けると、そう言って唸った。
「木阿弥ってなに?」
「知るかよ。けどこれしかねえだろ。あぶねえとこは俺等帝国がやるつってんだ」
「そうは言うが、重装甲はノットが下がる。第一に『火力』が常に優位だ」
 一船の遅さは、艦隊運動全体に負の影響を及ぼす。
 そして防御は攻撃の全てを必ずしも――控えめすぎる表現だが――無効化しない。
 ビスクワイアが訴えているのは、そうした常識論である。
「まどろっこしいのはいい、防御固めて突っ込んで殴れば勝てるだろうが」
 メヴィの言はひどいが、渋るビスクワイアとて方法はそれしかないようにも思えはじめて来ていた。
「アルバニアだなんだと殴り合うのと、さしてかわらねえだろ。どれが駄目でも終わりだ、勝つしかねえ」
「でしょ? 最高じゃない!」
「帝国軍人の誇りに書けて、砕け散るまで戦い抜いてやる。貴様は王国の悲願を叶えて見せろ」
「あとはいいか、イレギュラーズ。てめらが白兵でトルタって奴の首をハネろ」
 エヴァンジェリーナとゾンメルに続いて、メヴィめも滅茶苦茶を言いよる。だがやる他ない。
「ハッ! いいだろう。万事取り計らってやる。一隻たりとも沈ませなんぞさせねえからよ」
「しからば後衛は我らメリルナートの一団にお任せあれ」
 口を開いたエルテノール=アミザラッド=メリルナートは、サルベージを家業とする海洋貴族である。
 黄金の果実に関する手記を発見するなど、大号令のバックアップに一役買っていた。
 その手腕は海戦となれば、救助に生かされよう。
 この場では軍事に口出しするつもりもなく、これまでじっと耳を傾けていた。
 本来的には平時や戦後処理に生かされるべきカードであり、交戦で切るべきではない。
 だがこれが海洋の決戦、まさに総力戦ということなのだろう。
「頼もしい! 貴殿等の手腕に期待しよう」
「私はもちろん先頭の盾艦よ!」
「てめえはそこじゃ役に立たねえだろ。イレギュラーズと行けや」
 メヴィの言葉にエヴァンジェリーナは珍しく複雑そうな顔で逡巡したが「わかったわ」と頷く。
「いい? 相手が海洋最強なら、私達は世界最強よ! だってこの私と、あなたたちが居るんだから!」
 飛び跳ねたエヴァンジェリーナが飛び跳ねて見つめた先は、やはりイレギュラーズで。
 あー、うん。
「じゃあ。旗はこれにしましょ」
「Z旗……『引き船の所望』とは、なぜ」
「後がないんでしょ? だからZで決まってるじゃない! 意味なんて知らないもの!」
「ああーもう。わかった。もういい。好きな旗あげとけ。どうとでもなりやがれ!」
 ビスクワイア提督が天井に円形の煙りを吐き出した。
「こんなもん、前代未聞だってんだ」

 こうして一同は、史上最低の泥船特攻作戦へ乗り込むハメになったと云う訳である。


 あちこちで腹に響く砲撃音が聞こえている。
 局地嵐(サプライズ)の雷鳴も響いている。
 横殴りの雨が頬を服をじっとりと濡らしている。
 狂王種(ブルータイラント)、変異種(アナザータイプ)――そして幽霊船(ワンダーサーペント)。
 フェデリア海域一帯では、これまで相対したどれよりも強く、過酷な戦いが繰り広げられていた。

「見えてきやがった」
 双眼鏡をのぞき込むメヴィ兵長が、イレギュラーズに向けて歯を見せる。
 嵐の中に見えたのは巨大な黒霧――否、狂王種の群れであった。
 おそらく無敵艦隊アルマデウスを取り巻いているに違いない。
 ビスクワイア艦隊は単縦陣を維持したまま、黒い霧へと迫っていく。
 かろうじてとった斜めの角度は厳しい。このまま同航戦となっては意味がない。
 だがアルマデウスは急速に旋回し、今も横腹を見せ続けている。
 やはり丁字は取らせてくれそうにない。それどころか、取られるのは時間の問題だ。
 甲板では早くも飛来し始めた小型の狂王種との交戦が始まっている。
 徐々に、徐々に、射程距離が近づいてくる。

「総員! 白兵用意! 黒鷲の切れ味を思い知らせてやれ!」
「イエス・マイロード!」
 張り詰めたアドラーの声音に、アストラルノヴァ家臣団が一斉に抜刀する。
「私達もいくわよ! 鉄帝国軽騎兵を知らしめてやりなさい!」
「ダーダダース!」
 続くエヴァンジェリーナの声に、軽騎兵達が一斉にサーベルを引き抜いた。

 こうして旗艦に集まっていた面々が自船に移動し、陣を整え終えた頃――
「アルマデウスですぜ!」
 いよいよ、来る。
 漆黒の船体を覆う黒霧――無数の狂王種――は、さながら喪服のヴェールのようで。
「アー。やっぱ駄目だ。すまねえな。プラン切り替えだ」
 ビスクワイア艦隊はアルマデウスの横腹に突っ込む格好になりつつあった。
 見事な手腕ではあったが、徐々に典型的な丁字を取られつつある。
「いいかんじじゃない!」
「良かあねえよ」
「いいの! プラン『Б(ベー)』のほうが、私のお墨付きなんだから!」
 ともあれ、一応――ビスクワイアとしては認めがたい所ではあるが――作戦通りである。
 こうなれば勝負を決められるのはイレギュラーズしかいない。
「アルマデウス! 砲郭が開きましたぜ!」
 一同に緊張が走る中、ビスクワイア提督が大声を張り上げた。

「例の旗を掲げろ! 
 王国の悲願――いんや。てめえら!
 俺たちに後はねえ! この一戦に世界の命運が賭かってると思いやがれ!」

 ビスクワイアの檄。Z旗が一斉に翻る。
 ここが駄目ならば、アルバニアとの戦いに絶望的な問題が生じることは必至だ。
 何をもってしても勝たねばならない。
「ねえ。わたし、皆と一緒に戦えるのが、すっごくすっごく楽しみなんだから!」
 サーベルを抜き放ったエヴァンジェリーナは、満面の笑みを浮かべたまま甲板で飛び跳ねた。

 ――

 ――――

 そんな海の向こう。
 アルマデウスの旗艦エル・アスセーナのブリッジでトルタが口角をつり上げた。
「一時間……いいえ、三十分で終わらせてあげましょう」
 まずは一射。
 アルマデウスの集中砲火が始まった。
 その殆どが正確無比な彷彿線を描き、先頭艦に突き刺さっていく。
 いかな艦であろうと、三度は持つまい。
 だが――
「フ、フフ……ヒヒッ、アッハ!」
 突如引きつるように笑い始めたトルタに、部下の少女達がそっと寄り添う。
「……提督」
「おさがりなさい、あなたたち」
 トルタはさも愉快そうに口元を抑えると、くつくつと嗤い続けた。
「ええ、ええ。そういうおつもりであるのならば、いいでしょう」
 裾を翻して腕を広げたトルタに、部下の少女が大槍を掲げて跪く。
 それをひったくったトルタは甲板を見下ろすと息を吸い込んだ。
「白兵戦の準備をなさい」
 トルタはせいぜい、海洋側はアルマデウスを邪魔する策に出る程度と踏んでいた。
 だから適度に蹴散らしながら転戦を続けて、海洋王国軍を痛めつける予定であった。
 その後は戦域を離脱して首都リッツバーグへ進撃するつもりだったのだ。
 しかしビスクワイア艦隊は鋼鉄艦を先頭に、無謀にもこのまま突っ込んでくる気らしい。
 先頭の鋼鉄艦には強固な細工がしてあるようだ。相当に当て続けなければ沈みそうにない。
 航行速度の『遅さ』に違和感は感じていたが、烏合の衆所以と侮っていたのは確かだ。
 それに沈んでも構わないという腹なのだろう。完全にスーサイドアタックである。
 だが無理に丁字を崩しても後が面倒だ。アルマデウスに物資がない以上は時間が惜しい。
 あくまで真っ直ぐに突き立てるというのは、なるほど考えたものだ。
「だからあの旗。そう……くっく……あっは! そういう意味……!」
 あちら側は初めから艦隊同士の砲撃戦による勝利を捨てているのだ。
 馬鹿な鉄帝人の考えそうなことだが、こうなれば白兵戦は必至であろう。
 ならばそれもまた一興。乗ってやろうではないか。
 なにせトルタには初めから後がないのだから、徹底的につぶし合うまで。
 このままビスクワイア艦隊を食い破り白兵戦を制してやろう。
 リッツバーグへ到達するまでに、どれだけの犠牲が出ようと最早構わない。
 どのみち近く全員が死ぬのだ。トルタは全ての艦を使い潰す算段を立てている。
 最後の一隻になろうと、たとえ己一人になろうと知ったことではない。
 がら空きになった首都に艦砲射撃を加えて蹂躙する。
 そして悠々とイザベラを連れ去ればいい。

 ――全て殺してあげましょう。
   全て沈めてあげましょう。
   そうして私と共に、この廃滅の海へ溶けるのです。
   これはそう――心中なのですから。

GMコメント

 pipiです。
 トルタちゃんとの決戦。
 長いですがやることは単純です。
 海洋王国最強を謳われていた艦隊との交戦。
 まどろっこしいことはいいので、まっすぐいってぶっ飛ばしてやりましょう。

●同時参加につきまして
 決戦及びRAIDシナリオは他決戦・RAIDシナリオと同時に参加出来ません。(通常全体とは同時参加出来ます)
 どちらか一つの参加となりますのでご注意下さい。

●目的
 魔種『アプサラス』トルタ・デ・アセイテの討伐
 そのためにいろいろ戦う。

●ロケーション
 嵐の海戦です。
 足場は常に揺れています。

 味方NPCは皆イレギュラーズと共に積極的に戦います。
 何か指示したければしてもかまいません。
 イレギュラーズをかなり信頼しているので、きっと聞いてくれるでしょう。
 特に指示がなくてもイレギュラーズの作戦に合わせて行動してくれます。

●パート
 皆さんはいくつかの船に別れて、アルマデウスと交戦します。
 後述するパート『A~D』によって、成すべき事が変わります。
 どれか一つを選んで参戦して下さい。
 一行目にA~Dのどれかを記載して下さい。
 二行目に同行者の名前とID、またはグループタグを記載して下さい。
  ※例:アルテナ・フォルテ(p3n000007) or 【特攻野郎Бチーム】 or 記載なし 等。
 三行目からは自由にプレイングを記載下さい。

《■■■ A班:特攻 ■■■》
 他の部隊を『エル・アスセーナ』に送り届ける為の部隊です。
 敵の集中砲火を凌ぎきり、船体を維持し、敵を撃破し、船体を敵旗艦にぶつけ、戦い続ける最前線のお仕事です。
 皆さんの戦いで、作戦全体の精度が大きく向上します。
 他の戦列艦と交戦しながら、狂王種を撃破しましょう。
 敵旗艦に隣接するまではかなりの砲撃を受け続けるため、足場が特に酷く揺れる可能性が非常に高いです。
 長丁場が予想されます。

〇敵
 砲撃の合間に次々に乗り込んできます。

『魔種』ジュリア
 トルタ親衛隊の一人。
 いつの間にか魔種になったようです。廃滅病に侵されています。
 トルタ艦の前に割り込んでくる船の指揮官です。
 いよいよとなると乗り込んできます。
・抱イテ(A):物至列、飛
・愛シテ(A):物至単、連、出血、流血
・殺シテ(A):神中範、識別、HP回復、治癒
・ガンダルヴァ(P):飛行
・インヴィディア(P):乱れ、崩れ、体勢不利、足止、泥沼、停滞、混乱、狂気、魅了の効果を受けない。
・狂王指揮(P):レンジ2以内の狂王種のステータスUP
 <Despair Blue>セントディンブラの星にチラっと登場。知らなくてもOKです。

『狂王種(変異種)』星墜のマルス×1
 巨大な怪鳥です。
 遠近両用で思いのほか素早いです。
 真っ先に現れます。
・鉤爪
・体当たり:神超貫、移動、飛、ダメージ大
・ウィンドストーム:神遠範、足止め、出血、流血、ダメージ中
・飛行(P)

『狂王種』ウィンドライダー×大量
 次々に現れます。
 怪鳥です。翼や嘴、鉤爪で攻撃してきます。
・近接攻撃:物至単
・エアスラッシュ:神中単
・飛行(P)

〇味方:アイゼン・シュラーク号
 皆さんはこのゾンメルの鋼鉄艦か周辺の船に搭乗します。まず切り開きましょう。

『ゾンメル少佐』
 鉄帝国海軍の高級将校です。
 先頭の鋼鉄艦で特攻を仕掛けます。
 HP、回避が高いです。
 能力を跳ね上げる瞬付与を駆使し。虚無、喪失、Mアタックの泥仕合を得意とします。
 一応『<第三次グレイス・ヌレ海戦>ラズマス・ケイジに背を向けて』に登場。
 知らなくてOKです。

『メヴィ兵長』
 ステータスは満遍なく高め。
 二刀流を駆使して戦うトータルファイターです。
 一応『<第三次グレイス・ヌレ海戦>ラズマス・ケイジに背を向けて』に登場。
 知らなくてOKです。

『帝国海兵』×それなり
 左腕が巨大なガトリングガンになっており、コンバットナイフも持っています。

〇『他』
 他の戦域での戦果が思わしくない場合、敵増援が現れる可能性があります。
 他の戦域での戦果が良好な場合、味方増援が期待出来ます。

《■■■ B班:制圧 ■■■》
 敵旗艦エル・アスセーナ号を制圧する為の部隊です。
 アストラルノヴァ公のアストラリアン・ガレアス『黒鷲号』に乗り込んでいます。
 A班に続いて敵旗艦に隣接して主力部隊を送り込みます。切り込みと制圧がお仕事です。
 皆さんが戦い続ける事で、他の部隊の安全性が大きく向上し、敵の作戦精度が大きく低下します。
 序盤は道を切り開き、後半は戦い続けることが必要になります。

〇敵
 乗り込むと遭遇します。次々と増援が沸いてきます。

『トルタ親衛隊』アイリーン
 廃滅病と原罪の呼び声に侵されています。
 人のタガが外れかけており強力です。
 近接戦闘能力が高いです。保有BSは出血、感電。
 戦闘中に『反転』する可能性があります。
 反転した場合は能力が跳ね上がりますが、詳細は不明です。
 <Despair Blue>セントディンブラの星にチラっと登場。知らなくてもOKです。

『トルタの兵』×大量(飛行種多、海種多、人間種少)
 廃滅病と原罪の呼び声に侵されています。
 カットラスやピストルで武装しています。

『狂王種(変異種)』黒獅子エリクハルト×1
 翼を持つ漆黒の大獅子です。
 近接戦闘能力に優れます。スプラッシュによる連続攻撃を得意とします。

『狂王種』シーグリフォン×大量
・近接攻撃:物至単
・飛行(P)

〇味方
『アドラー・ディルク・アストラルノヴァ』
 ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)さんの関係者です。強いです。

『伏見 桐志朗』
 Ring・a・Bell(p3p004269)さんの関係者です。強いです。

『アドラー家臣団』×そこそこ
 凄腕のサーベル使いの飛行種達です。

『セイバーマギエル』エヴァンジェリーナ・エルセヴナ・エフシュコヴァ
 愛称はリーヌシュカ(p3n000124)
 ステータスは満遍なく高め。若干のファンブルが玉に瑕。
・格闘、ヴァルキリーレイヴ、リーガルブレイド
・セイバーストーム(A):物近域、識、流血

『鉄帝国軽騎兵エヴァンジェリーナ隊』×そこそこ
 サーベルによる切り込みを得意とする精強な部隊です。

〇『他』
 他の戦域での戦果が思わしくない場合、敵増援が現れる可能性があります。
 他の戦域での戦果が良好な場合、味方増援が期待出来ます。

《■■■ C班:討伐 ■■■》
 B班と同じ船に乗り込んでいます。
 B班に続いて攻め込み、敵の指揮官トルタ・デ・アセイテとその部下を攻略しましょう。
 決着を付けるのがお仕事です。
 最も死亡リスクが高いグループです。

〇敵
『アプサラス』トルタ・デ・アセイテ
 元海洋王国無敵戦列艦隊の提督です。
 艦隊ごと海洋王国を裏切りました。
 嫉妬の魔種です。
 穴のないステータスで鬼のように強いですが、きっちり殺して下さい。

・通常攻撃:物/神近列、識別、出血、連
・雷陣(A):物中扇、万能、ブレイク、追撃(大)、ダメージ中
・クィンテクト・ストラトス(A):物近単、スプラッシュ5、出血、乱れ、致命、不吉、呪い、ダメージ大
・ミルストーム(A):神中範、体勢不利、苦鳴、停滞、不運、ダメージ大
・キル・ザ・キング(A):物超貫、万能、必殺、ダメージ大
・ゼロである私がゼロでないあなたへ(?):???
・雲蒸竜変(P):加速5、命中、回避、EXA、EXFがUP
・盈盈一水(P):HPが最大値の40%以下時、命中、回避、EXA、EXFがUP
・アドミラル・アプサラス(P):水中行動、飛行、自身を除くレンジ2以内の味方の命中、回避、反応UP
・インヴィディア(P):乱れ、崩れ、体勢不利、足止、泥沼、停滞、混乱、狂気、魅了の効果を受けない。

『トルタ親衛隊』リンダ
 廃滅病と原罪の呼び声に侵されています。
 人のタガが外れかけており強力です。
 遠距離戦闘能力が高く、範囲識別攻撃も保有しています。
 保有BSは足止め、麻痺、呪殺。
 戦闘中に『反転』する可能性があります。反転した場合は能力が跳ね上がります。
 TOP<進撃のDeep Blue III>にチラっと登場。知らなくてOKです。

『トルタ親衛隊』×16
 廃滅病と原罪の呼び声に侵されています。
 カットラス、ピストル等で武装した女性の元海洋軍人達です。

〇『他』
 他の戦域での戦果が思わしくない場合、敵増援が現れる可能性があります。
 他の戦域での戦果が素晴らしい場合、味方増援が期待出来ます。

《■■■ D班:救援 ■■■》
 旗艦サンタ・パウラ号を中心に仲間を救援、救助、指揮する司令塔の部隊です。
 作戦が機能している限り、生命へのリスクは最も低いはずです。
 皆さんの戦いが、作戦全体の安定や、死亡リスクの低減に大きく役立ちます。

『出来ること』
・遊撃:苦境な場所へ小型船を派遣して攻撃、回復、支援等で支えます。
・救助:後方で負傷者を治療したり、小型船で海に落ちた仲間達を救出します。
・作戦補助:情報収集、分析を行い作戦や伝達の効率化、立て直し等を図ります。

〇味方
『ビスクワイヤ提督』サンタ・パウラ号
 皆さんの艦隊の指揮官です。戦闘経験豊富なおじさんです。

『エルテノール=アミザラッド=メリルナート』と部下達。
 ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)さんの関係者です。
 バックアップは万全です。後衛で多数のスループ船を運用して主に救助にあたります。

『海洋海軍』×けっこう沢山
 カットラスやピストルで武装しています。

『冒険者』アルテナ・フォルテ(p3n000007)
 両面型前衛アタッカー。
 Aスキルは格闘、飛翔斬、ディスピリオド、剣魔双撃、ジャミング、物質透過を活性化。
 皆さんの仲間なので、皆さんに混ざって無難に行動します。
 具体的な指示を与えても構いません。
 絡んで頂いた程度にしか描写はされません。

〇『他』
 他の戦域での戦果が思わしくない場合、敵が現れる可能性があります。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はBです。
 依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。

●Danger!
 当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
 予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。

●重要な備考
<鎖海に刻むヒストリア>ではイレギュラーズが『廃滅病』に罹患する場合があります。
『廃滅病』を発症した場合、キャラクターが『死兆』状態となる場合がありますのでご注意下さい。

  • <鎖海に刻むヒストリア>アドミラル・アセイテLv:15以上完了
  • GM名pipi
  • 種別決戦
  • 難易度HARD
  • 冒険終了日時2020年05月24日 22時19分
  • 参加人数50/50人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 50 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(50人)

夢見 ルル家(p3p000016)
不揃いな星辰
アルペストゥス(p3p000029)
煌雷竜
アクア・サンシャイン(p3p000041)
トキシック・スパイクス
ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
小鳥の翼
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
木漏れ日妖精
鶫 四音(p3p000375)
カーマインの抱擁
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
武器商人(p3p001107)
闇之雲
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
ショゴス・カレン・グラトニー(p3p001886)
蠢くもの
アリス(p3p002021)
オーラムレジーナ
ティミ・リリナール(p3p002042)
フェアリーミード
ニーニア・リーカー(p3p002058)
辻ポストガール
秋宮・史之(p3p002233)
女王忠節
フルール プリュニエ(p3p002501)
夢語る李花
ヒィロ=エヒト(p3p002503)
咲く笑顔
ルーキス・グリムゲルデ(p3p002535)
月夜の蒼
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
ルナール・グルナディエ(p3p002562)
紅獣
弓削 鶫(p3p002685)
Tender Hound
ライセル(p3p002845)
Dáinsleif
藤野 蛍(p3p003861)
二人でひとつ
赤羽・大地(p3p004151)
双色クリムゾン
Ring・a・Bell(p3p004269)
名無しの男
オリーブ・ローレル(p3p004352)
鋼鉄の冒険者
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
桜咲 珠緒(p3p004426)
二人でひとつ
斉賀・京司(p3p004491)
雪中花蝶
梯・芒(p3p004532)
実験的殺人者
エレンシア=ウォルハリア=レスティーユ(p3p004881)
剛剣暴君
久住・舞花(p3p005056)
月下美人
美咲・マクスウェル(p3p005192)
紫緋の一撃
グレン・ロジャース(p3p005709)
不沈要塞
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート(p3p006108)
氷雪の歌姫
ティスル ティル(p3p006151)
白雀
御天道・タント(p3p006204)
きらめけ!ぼくらの
リウィルディア=エスカ=ノルン(p3p006761)
銀なる者
アクア・フィーリス(p3p006784)
闇と炎
ルチア・アフラニア(p3p006865)
「Concordia」船長
一条 佐里(p3p007118)
銀の腕
アリア・テリア(p3p007129)
希望の紡ぎ手
ルカ・ガンビーノ(p3p007268)
黒狼
雪村 沙月(p3p007273)
百錬成鋼之華
セレスチアル(p3p007347)
《節制(テンパランス)》
糸巻 パティリア(p3p007389)
跳躍する星
紅楼夢・紫月(p3p007611)
呪刀持ちの唄歌い
ゼファー(p3p007625)
never miss you
リコシェット(p3p007871)
跳兎
太井 数子(p3p007907)
不撓の刃
羽住・利一(p3p007934)
特異運命座標

リプレイ

●Eisen Schlag Eins

 命題――

 大海を手で塞げるか。
 船は星空を駆けるか。

 例えこの世界に混沌肯定『不在証明』がなかったとしても。
 世の中には数多くの『無理』というものがある。

 海洋王国を裏切った無敵戦列艦隊アルマデウスは、文字通り最強である。
 艦隊運動力、指揮力、砲撃戦力、白兵戦力。いずれも同様に最強である。
 畢竟(とどのつまり)――打ち勝つことは、それらの比喩と同様『絶対に無理』である。
 ましてや提督が魔種となり、狂王種(ブルータイラント)さえをも味方とするのであれば、尚更であろう。
 轟音が劈く。
 衝撃に足を踊らせる。
 一発、また一発。張り出した鋼鉄の艦首に衝突する砲弾が、弾け、砕け、海を割る。
 立ち上がる水柱を切り裂いて、鋼鉄艦アイゼン・シュラークは絶望の青を進撃していた。
 昼とも夜ともつかぬ薄明かりに照らされ、甲板に無数の黒影が這い回っている。
 砲弾と共に空を舞っているのは、狂王種ウィンドライダーの群れだ。
「まずは有象無象のお掃除と参りましょうか」
 鶫が構えたパワードライフル縮退霊子加速砲『天羽々矢』 は身の丈にも迫る。
 カートリッジから迸る縮退霊子が砲身を加速し――迫る二羽の凶鳥が弾けた。
 突如、振動。
 落雷のような音と共に、甲板に巨大な亀裂が走る。
 いよいよ艦に被弾のダメージが現れ始めたのだろう。
 数人が床に投げ出される中で――Bad roadはお手の物――リコシェットは一直線に駆ける。
 鶫へ迫る一羽の怪鳥を射抜いたのは、スノーフォックスから放たれた正確無比な弾丸だ。
「私のダチに……手は出させない!」
「予想以上に揺れますね。気を付けていきましょう、リコさん」
「うっかりすると船酔いしそうだな。鶫も気をつけて!」
 飛来する無数の怪鳥を、二人は次々に撃ち抜いて往く。
「お掃除ならお任せを!」
「空を自在に飛べても、私達の弾丸からは逃げられない!」
 飛来する無数の狂王種へ、二人の愛らしい面持ちの視線は鋭く。
 二人は背を合わせ頷き合った。

「やってやろうじゃない!」
 作戦会議に同席した時は、何が何やらではあったが、要するに決戦ということだ。
「そうだ。まどろっこしいのはいい。さっさとバケモノ共を殲滅するぞ」
 オデットに呼応して、メヴィ達鉄帝国軍が雄叫びをあげる。
「危ないから、あなたは後ろに隠れてなさいよ。オデット」
「前に出たら死ぬですって? 後で覚えておきなさいよ!」
「そこまでは言ってないけれど、私の後ろに。ね」
「人間であるルチアに言われるのも腹立つけど、割と事実なのもつらいわ……」
 ルチアの眼前に迫る怪鳥へ、オデットは華麗に杖を振るう。
 愛らしい身体の周囲に魔方陣が展開し――刹那、歪んだ大気は鋭利な刃となり、怪鳥を切り払う。
 呼吸を合わせて次々に迫る敵をいなす中で、一際大きな影が上空を覆う。
「来たよ……!」
 飛び交う砲弾を縫うように、甲板へ飛来したのは狂王種――星墜のマルス。
「……」
 めずらしい獲物だ。おいしそう。などと。
 人の戯れに然程興味はないが。
 知った匂いが鼻に届き、変わった獣がいるなら、疾く駆けるのも悪くない。
 竜――アルペストゥスは羽ばたき、迫るマルスへ咆哮し迎え撃つ。
 巨大な二体が空を交差する瞬間、弾ける竜鱗を他所に轟く叫喚、駆け巡る紫電。
 大気を焼く臭いと共に、マルスの悲鳴が嵐を劈いた。
 飛来する焦げた小型怪鳥を咥え、ひとのみにして。
 アルペストゥスの咆哮と共に、宙空を踊る光が魔方陣を描いた。

 駆ける光弾に重ねて放たれるのは郵便屋の本領発揮。
 ニーニアの術式は保冷用なれど、その威力は折り紙付き。
 たちまち凍り付いた怪鳥の群れが、あられのように甲板に降り注ぐ。
 その時だ。
 鋼の船首が旋回を試みる敵旗艦エル・アスセーナに船尾付近に食い込み、砕け、水柱を立てた。
 ニーニアは随伴させた小型船の舵を切り、衝突を防ぐ。
 息をつくまもなく、後続のガレアスがエル・アスセーナに突撃を始めた。
 順調だ。甲板の仲間達は接舷攻撃開始に備え得物を構えている、

「あなたたちを、提督のところに通すわ、わけには、いきません……!」
 あどけない、けれど瞳に昏い光を湛えて。
 甲板に降り立ったのはトルタ提督親衛隊の一人、ジュリアだ。
 華奢な背に生えた翼は、飛行種の面影を微かに残して――あれは間違いなくデモニアだ。
「よく功績といえば大将首みたいに言うけど……一番槍っての?」
 凜と瞳を輝かせた美咲の声。
「最前線の初動、言わば『誰の目にも一番』に映る活躍よ。悪くないんじゃない?」
「でもでも、あなたたちはここでおしまい、だから……!」
 カットラスを抜き放ったジュリアが突如掻き消えた。
 甲高い音を立てて、カットラスが星天――『無垢なる殺意』の刀身を滑る。
「あっは!」
 敵は速い。
 けれど可愛らしい顔を勝ち気に輝かせたヒィロが笑う。
「楽しい殴り合いの始まりだね!」

 先鋒主力との激突が始まった。

●Overrun I
 可能性がゼロでないことは、必ずしも勝利を保証しない。
 けれど――

 天候は刻一刻と変化していた。
 今は局地嵐サプライズが横殴りの雨を吹き付けている。
「絶対に勝ちましょ」
 佐里とヴァレーリヤの手を握ったリーヌシュカに頷いて。
「私達が薙ぎ払います!」
「一気に切り込みますわー!」
 佐里が船縁に飛び乗り、ヴァレーリヤの瞳が鮮烈に燃え上がる。
「ついてきなさい! あんなやつら私達がこてんぱんにしてあげるんだから!」
「ダーダダース!」
 佐里とヴァレーリヤ、リーヌシュカの檄に鉄帝国騎兵隊が鬨を上げる。
 先頭の鋼鉄艦に続いて敵旗艦に接舷したガレアス船黒鷲号から。
 海洋と鉄帝の軍人達とイレギュラーズが次々に飛び移り始めた。
 とにかく突破口を開かないことには始まらない。
 絶望の海を割り、道筋を示し、希望を手にする――これは、その為の戦いだ。
「なら、俺の、俺達ノ、為すべき事は……既に決まっていル――!」
 黒い羽ペンを指で弾き、大地は突撃を開始した鉄帝国騎兵隊を追い――激突。
 滑空する無数の翼獅子を騎兵隊が迎え撃ち。
「やってやるか」
 大地の放つ凛烈の閃光が翼獅子の群れを焼き払った。
「どっせえぇぇぇーーい!」
 燃え上がるヴァレーリヤの戦棍が唸りを上げ、翼獅子を吹き飛ばす。
「きりがありませんわね」
「ほんとよ!」
 突進するリーヌシュカのサーベルが敵陣を切り刻んで。
 佐里の指先を舞う細い光が翼獅子にふわりと触れて、その巨大な翼が鮮血と共に甲板を滑る。
「このまま押し返しますよ!」
「もちろんですわ!」

 敵旗艦エル・アスセーナの甲板で斬り合いが始まった。
「残らずたたき切れ!」
「イエス・マイロード!」
 アストラルノヴァの家臣団は三人一組で翼獅子を狙っている。
 中心に立つ隻眼の老人、アドラーは剣を支えに鋭い視線で戦場を睨め付けているが。
「父上!」
 ヨタカの叫び。
 突如、一体の翼獅子の爪が老人に迫り――剣閃。
 縦一文字の光が怪物を駆け抜け、二つに分かれた翼獅子はそのままの勢いで海へと落ちた。
 アドラーの頬を濡らした一滴の返り血が雨に流れる。僅か一滴、だが全盛ならば浴びた筈もない。
「ヨタカ! 背中は預ける」
「はい……」
 宙を舞う漆黒の鞘。短剣。
 アドラーが放った小さな守り刀をヨタカが受け止める。
「至近の守り方は、ここで覚えていけ」
「はい、父上……ッ!」
 主とその息子のやり取りがRing・a・Bellの胸に熱を灯す。

 ――あの日に船上で誓い、また別の日には共にアクエリアを目指した。
   既にヨタカは父に以前程の確執、緊張を抱えていない。今は自身にその背すら預けるという。

 ――ならば大切な者が多いこの戦場(鳥籠)で……俺は歌おう。

 ヨタカのヴィオラが奏でる音色、澄み渡る夜明けの光が戦場を照らし、葬送の歌声が敵を焼く。
 一気に開けた戦場で、僅かな一呼吸。
「新手だ。へばんなよ蛇野郎」
「犬風情に言われとうあらしまへんわ」
「――ぜってぇ守り抜けよ」
 Ring・a・Bellの拳が翼獅子を甲板にたたき落とし、口の端をつり上げた桐志朗がその首を落とす。
 小鳥に鐘のコ――皆いずれも変わろうとしているのだろう。
 迫る一際巨大な狂王種エリクハルトへ、武器商人は肩をすくめて。
 可愛い小鳥を手離してなんてやるつもりはないけれど――
「アベル、紫月……!」
「我(アタシ)の出番だねぇ」
「お任せあれ、坊ちゃん!」

「下郎共! 閣下の船を! 穢すか!」
 親衛隊アイリーンが部下を引き連れ、金切り声を上げた。
「久しぶりの仕事がこれとは……俺も結構チャレンジャーだった?」
「精々派手に暴れましょう、なにせ今はそれぐらいしか取り柄がないからね!」
 ルナールの軽口に頷いたルーキスが笑う。
「ほーら開戦だぞー」
 さあ、裏切り者の刈り取りだ。
「毎度のことながら前はお願いするよ、ルナール先生」
「俺の仕事だ、任せとけ」
 銃弾の雨を掻い潜り、ルナールは唸りを上げる白刃を切り払う。
 鮮烈な蒼の軌跡が嵐を切り裂き、鍔迫る親衛隊をマストへ押し込む。
「この!」
 カットラスを構えて叫び突進してくる二人目諸共、雷光が甲板を駆け抜ける。
「おお、今日もルーキス絶好調。流石俺の嫁」
「削るのは私の仕事、止めはおにーさんの仕事」
 いつも通りの安全第一。
 二人は背を合わせ、迫る提督の親衛隊を迎え撃つ。

●EisenSchlag Zwei
 浸水が止まらない。
 掻き出す余力もありはしない。
 この船はもう長くは持たないだろう。
 鋼鉄艦の衝角は砕け、甲板はひしゃげ、竜骨にも亀裂が走っていた。

『墜チヨ、地ヲ這ウ有象無象ノ虫螻ヨ。
 我ガ名はマルス。絶望ノ天ヲ駆ケ、星ヲ墜トス者也――』

 咆哮。大物の出現に緊張が走り。
 だが、そも。この戦いというやつは――
 グレンが最前線に立ち塞がる。
 ――戦列艦を相手に防御固めて突っ込み、衝角戦からの白兵戦ときたものだ。
 時代錯誤も甚だしいとグレンは笑うが、なるほどいかにも鉄帝国らしい。
 ならば上等だ。
 嵐のような風。唸りを上げて迫る巨体。鍵付け。
 マルスの巨大な鉤爪と両のこぶしで組み合って、グレンは渾身の力で巨体を甲板に叩き付ける。
 絶叫を上げたマルスが放つ横薙ぎの蹴り、鋼鉄すらやすやす切り裂くであろう鉤爪は尚も迫り――
 だがグレンが抜き放った剣――ノルンが火花を散らす。
 飛び上がり渾身の一撃を狙うマルスへ。
「飛べやしないが、跳べはするってな!」
 その剣はマルスの下腹を切り裂き、更に追撃。凜と張り巡らせた意思の力を剣に乗せて一気に切り裂く。

『ティア、あれを片付けろ。戦局が……』
「いわれなくても――!」
 穢の翼をはためかせ、マルスに肉薄したティアがその杖――失楽園を突きつける。
 零距離で炸裂した魔力が狂王種の身を貫き、戦場にけたたましい絶叫が迸る。
『オノレ虫螻共――!』
「さぁ来なよ! 空なんか捨ててかかってこい!」
 落下するマルスの重みをグレンは間一髪大盾でいなして、尚も飛び上がろうとするマルスにヒィロは裂帛の戦意を向ける。果たして――
 いななくように天空へ叫んだマルスは、次の狙いをヒィロに定めた。
「星墜――軍神(マルス)なんて、大仰な……そっちが墜ちろ!」

 ――弁えよ。この煌めきを前に在る者は、等しく供物である。

 虹の魔眼が一つが煌めき――放たれし紫ノ陰:略取。
 圧倒的な魔力の奔流が、ヒィロに釘付けとなったマルスに叩き付けられた。
 絶叫。狂王種の命を削り取る絶大な一撃。だが直後、再び敵の殺到。
 グレンが、メヴィが、仲間達がこれを食い止める。
「怖くないよ、全然」
 戦況の行方は未だ知れず。だが過酷な戦場でもヒィロが笑っていられるのは、美咲と一緒だから。
 殺到、ゆっくりと崩れる狂王種の巨体。

 ――狂王種、星墜のマルスを撃破!

 誰かの叫びに甲板が沸き立った。
 絶望的な戦場は、少しずつ変わろうとしていた。
「このまま終わらせるよ、帰りの船が沈む前にね」
「そんな猶予は与え、ません……!」
「貰うつもりなんてない、勝ち取るんだよ――!」
 柄ではないが、ここは鉄帝のやり方を見習おう。
 蒼き彗星は安直な奇跡(デウス・エクス・マキナ)を否定する。
 戦場を切り裂くミニュイの翼は、何よりも速く魔種ジュリアの身を真一文字に駆け抜ける。

 ――これもイーゼラー様の導き、そして望む物。

 悠然と。嫋やかに。
 セレスチアルはその美しい杖の先で甲板を微かに叩く。
 愚かな者達の霊魂を、イーゼラー様に捧げるのがその定め。
 一つでも多くの霊魂を、我が慕う神の為に――
 王佐の才に導かれるように、帝国軍人達が怪鳥を切り裂き、撃ち貫いて往く。

 ――ああイーゼラー様。
   貴方が魂を望むのなら、私はこの命尽きるまで貴方の為に霊魂を捧げ続けましょう……。

 迫る怪鳥の群れを蹴散らし、一行はついに指揮官ジュリアの喉元へ迫っている。
「よぉ、嬢チャン。今幸せか? 満足してるか?」
 ルカとジュリアの鋭い視線が交差し、激突した二刀が火花を散らす。
「今から殺す相手が嫌々戦ってるのは気分よかねえからな」
「そんなわけ、そんなわけない! どうして、わたしが!」
 後悔してなければよかったが、そりゃ残念な話だ。
『ティア』
「うん」
 後方に跳ねるジュリアの背にティアが失楽の杖を突きつけ、魔力が炸裂する。
 異形と化した牙を剥き、ジュリアが吠える。口元と赤が彩る。
 再び殺到する怪鳥をニーニアが打ち払い、ジュリアの姿が掻き消える。
 風を切りルカの首元にジュリアの刃が迫り――
「グルルル……」
 アルペストゥスがルカの身を浚う。
「いいぜ、サンキューな」
 ルカは静かに伝え、竜は喉を鳴らして。
「頼むぜ、ゾンメルさんよ!」
「ああ」
 ゾンメルのナイフがジュリアに突き立ち、胸がじっとりと染まる。
「かっは! ……さない……ゆる、がっは! ……さない!」
 目を見開いたジュリアがゾンメルの腹部を蹴りつけ、ゾンメルの巨体がマストに叩き付けられた。
「構うな! 行け!」
 脳震盪に首を振ったゾンメルが叫ぶ。ジュリアに生じた僅かな隙をグレンは逃さない。
 ジュリアのカットラスに盾を叩き付け、その剣でジュリアの腕を跳ね上げ――上空から飛び降りたルカが纏う雷光、その一閃がジュリアの命に終わりを刻む。
「ていと、く」
「じゃあな、嬢チャン。あの世でトルタと仲良くやんな」

●Admiral Acelte I
 イレギュラーズと帝国軽騎兵、そしてアストラルノヴァ家が甲板を切り開く中。
 第二陣のイレギュラーズが突撃を開始した。

「ホントに乗り込めちゃってるんだから凄いよねー!」
 元々は無理難題であった。
 強引にも程がある特攻作戦は、全員が既に海の藻屑と消えていてもおかしくはない。
 だが八面六臂に活躍するイレギュラーズによって、未来は徐々に徐々に塗り替えられようとしていた。
「強引過ぎだけど、鉄帝のこういうところ好きだよ!」
「ヤー!」
 振り返った軽騎兵が親指を立て、サーベルを構えて敵陣に突進して往く。
 終わらせて皆で帰るには――遠くブリッジで槍を握るあの提督を打破せねばならない。
「キッチリ決着をつけてやろう」
「……無事でいてくれよ」
 利一が決意を籠めた拳を握りしめ、ライセルは誰よりも守りたい者の名を唱えて鋼鉄の翼を広げる。

 かつり、かつりと。甲板が鳴る。
 大槍を携えブリッジを飛び降りた魔種『アプサラス』トルタ・デ・アセイテがゆっくりと近づいてくる。
 居並ぶ親衛隊が二手に分かれ、一斉に道を作る。
「こんな所まで、良く来たものね。イレギュラーズ」
「パーティーのメイン会場は此の辺ってことかしら」
「ええ、ええ、そうですとも」
「あらあ? わたしったら、お粧しするのも忘れてしまって、御免遊ばせ」
「手土産も持たずに来たのが申し訳ないとこねぇ」
 黄金と蒼銀――アリスとゼファーが礼を一つ。
「仲がいいのね、妬けてしまいそう。さあこの青の舞踏会を楽しみましょう」
 踏み込み。無造作な突きにゼファーの槍が跳ね上がる。
「速いわね」
「せっかちな性分ですの。早速だけれど踊って頂ける?」
 衝撃のしびれが抜けない。初撃は止められたが、あと幾度保つか。
 戦慄が背に滲む。デモニア『アプサラス』は伊達ではないのだろう。
 何故こんな無茶に付き合ってしまったのかとも思うが。
 鉄帝国の清々しいぐらいの潔さにちょいと惹かれたのは否めない!
「お返事は?」
「ええ。後でたっぷりと。けれど本当は最初のお相手を決めていたのよねぇ」
「あっは! いいでしょう。リンダ。歓迎してさしあげて」
「イエス・ユア・エクセレンシィ」
 リンダが、親衛隊がカットラスを一斉に抜き放つ。

 激突が始まった。
 イレギュラーズは得物を抜き放ち、トルタ、そして親衛隊と次々に斬り結んでいる。
「全力で行くよ」
 ティスルが振るう雷雀の流銀剣・彗星が揺らめき、雷炎が弾ける。
(……まあ)
 多勢に無勢なのは分かっている。
 今相手をしているだけでも、敵は三人。
 分かっているけれど、ここが頑張り時。正念場と云うやつだ。
 仲間がトルタを攻撃する間、親衛隊をどうにかするのは自分自身なのだと誓って。
「提督……」
「行かせないよ!」

 ――私の大事な人たちの居る国を……海洋王国を、アンタ達の心中に付き合わせてたまるか!

「提督のお声が、提督の、提督」
「本当、惜しいものね……」
 舞花が受けた手応えは、リンダの膂力が人のそれを逸脱しつつあることを示していた。
 太刀筋は正統、この力が海洋王国の為に振るわれていれば――そう思わずにはいられない。
「可哀想にね、本当の自分を失ってしまったの?」
 ミーティア(数子)の踏み込み。大剣が親衛隊をなぎ払う。
 軌跡を追う赤い花びら――生命の残滓が、斬り付けた相手が人であることを否応く告げて。
 本当は怖い。人と戦うことが。初めての経験なのだ。人を斬るのは。
 だがミーティアは負けられない。迫る刃をかわし、マストに大剣を突き立て姿勢を保つ。
 続く一撃を剣で受け止めはじき返す。
「提督、提督を……」
 親衛隊がブツブツと呟き目を見開く。

 ――私は私に負けない。
   ここに仲間が居るから。
   たとえ貴女達を殺しても生きて帰るわ――!

「さよなら……」

 剣を突き立てる。
 彼女の――苦しい思いはこれで終わりだ。

「突破する!」
「行けますか」
「俺の事は気にしなくていい!」

 案ずるオリーブに首を振り。

 ――俺にはやることがある
   約束したんだラクリマと。
   帰って来たら美味しいお酒を飲もうって。

 ライセルの吸血の魔剣が唸りを上げ、親衛隊の生命を、その血を喰らう。

 ――でも、やっぱり傍に居たいって思うから。
 ――だから!

「俺はこの先に行かなきゃ行けないんだ!」

 ネックレス。エテルニタスを握りしめ。
 ――今、俺が行くから
   待っててくれよ。
 ライセルはもう一度敵陣に飛び込んだ。

「ならば自分も、この海に鉄の名を刻みましょう」
 などと言えるか。自身には問うが、口に出す訳にはいかない。
 下がることは選べない戦場だ。
 斬撃を受け止めたオリーブが歯を食いしばる。
 身を駆ける刃の痛烈な熱に、けれどその大きな身体を微塵にも揺るがせず。
 オリーブは親衛隊の身体に長剣を突き込んだ。
「やらせない!」
 利一が放った礫、因果を歪めたその一撃が親衛隊のピストルを跳ね飛ばし、大きな隙を生み出した。
「助かります!」
「いいって! それより」
「ええ!」
 オリーブの振るう剣が親衛隊の胸の中心に赤い花を咲かせる。これぞ連携の成せる技。

「おや、ティミさんどうかされました? 顔色が悪いようですけど」
「四音さんが居てくれるなら心強いです。背中は任せます」
 四音の――極めて独特な!――癒やしを受け、気丈に微笑むティミが術陣を紡ぐ。
「ここは私たちに任せてください――クロヴィお願い!」
 主の名に従い、チャーチグリムが雷光を放つ。

 ――トルタさんは歪んでるなあ。
   でも、そういう無様な所も素敵です。
   私、トルタさんも皆さんのことも大好き。
   くふ、くふふふ。

 微かに瞳を開いた四音は誰にも悟らせぬよう心の内に愉悦を呟いて。

●Salvage
 一方その頃。

「一丁上がりでござるよ!」
 びしっと構えたパティリアが運び込んだのは数名の水兵達だ。
 いずれもひどい怪我を負っている。
 ここは戦場最後尾。ビスクワイア提督の旗艦であった。
 運び込まれた怪我人に数名のヒーラーと京司が手当を施している。

「以上でござるよ!」
「現在の苦戦区域はここですね」
 珠緒は後方の役目を『殴るまでに殴られる数を抑える』と読む。
 提督から預かった情報では藤桜の二人、珠緒と蛍が向かうべきはこの場所だった。
 最前線から送られる情報を読み解き、分析する。
 天辺だけで存在するピラミッドが無いとは蛍の弁だが、成程そういうものだろう。
 次々に飛び込む情報を整理するのは骨が折れる作業だが、二人の仲だからこそ。
 こっそりと本当のところを云えば……恋人だからこそ……察する機微がある。
 インプットの調整で、情報処理を効率的に支えるのだ。それに――
「既にカミからは離れた身でして……長丁場では、心の支えもいただきたく」
 ほんの一分だけ。そっと肩を預けて目を閉じて。
 さあ。最後のもうひと頑張りだ。

 そんな部屋の外。甲板の上。
「しっかりおし。君たちを信じているよ」
「ああ……助かるぜ」
 水兵達に癒やしの術を施した京司が立ち上がる。
 あの船の向こうでは、今もまだ旅一座【Leuchten】の仲間が戦っている筈。
 なればこそ京司もまた己の成すべきを果たすのだ。
「行ってやれ。フォルテ、ついでにお前もついて行け」
「わたし?」
 ふいに、京司の方にビスクワイア提督が手を乗せ、アルテナが素っ頓狂な声を上げる。
「でも、しかし提督」
「俺の命令は聞くんじゃなかったのかい?」
「分かりました」
「友達なんだろ。旅一座さんよ」
「それなら次の救助ついでに、拙者が送り届けるでござるよ!」

 京司とパティリアが小型船に乗り込んだ。向かうは最前線――!

●Overrun II
 鋼鉄艦は掃討に移り、トルタとその兵達との交戦が続いている。
 未だに戦況の逼迫は止まる気配を見せていない。
 俄に嵐は止み、けれど空にはどす黒い雲が渦巻いている。だが。

 ――オーッホッホッホッ!

   \きらめけ!/

   \ぼくらの!/

 \\\タント様!///

「わたくしがいる限り! 誰一人倒させはしませんわー!」
 タントのおでこがきらりと光り、ボンボンが跳ねた。温かな癒やしの光が戦場を照らす。
 剣を支えに立っていた軽騎兵の数名がにやりと笑い、雄々しい叫びを上げてサーベルを振り上げる。
「何かしら、あの子。目障りね」
 アイリーンが吐き捨て、ピストルの狙いをタント様に定めたが。
「ミードはいかがぁ?」
「邪魔を、す――」
 瞬き一つ。艶やかなアーリアの瞳が黄金の煌めきを宿し、離さない毒の定めを刻む。
「この者達を殺しなさい!」
 胸の中心辺りを握りしめながらアイリーンが喚きちらし、トルタの兵が殺到する。
「仕方在りません」
 沙月を狙うのは二人。左右から迫る刃。
 繰り出された二刀を、さながら流れる水の様に風に舞う花の様に、華麗にすり抜けて。
 捉えどころを誤り僅かに傾いだ兵の身体へ掌の底をそっと添え、刹那――衝撃。
 弾き飛ばされ膝を付きながらも垣間見るは恍惚の無月。

 激闘は続いている。
 漆黒の炎を纏う控えめな少女は微かに眉をひそめて、それでも。
(やるんだ、やらなきゃ……この海と、海洋を、平和にするために……!)
 敵陣の中心へアクア・フィーリスが駆け抜ける。
 殺到する刃が愛らしい肢体に幾重もの赤を引き、それでお炎は尚も燃え上がり。
 廃滅病も、何もかも。皆で全てを終わらせるために。
「やってやる……終わりが、無くても……心が、体が、灰になるまで……!」
 携えた炎が敵陣の中心で弾け、業火が彩る。

 ――あらあら。

「アイリーンおねーさんは呼び声に侵されてしまったの? そう、そうなのね。ふふ、憐れね憐れ」
「知ったような口を……」
「でも、魔種もそれに連なる者も、どれだけ力が強くても、心は凄く弱いのよね。
 大罪を、欲望に心を委ねるということは、そういうことよ。強くもなるけど、脆くもなるの」
「あの者を殺しなさい!」
「あらあら、怖い怖い。私は弱いから、露払いでもしておこうかしら?」
 激昂するアイリーンに微笑み、フルールは指先にとまる不死鳥を大空へ解き放つ。
 戦場を飛翔する紅蓮の炎がトルタの兵をなぎ払う。

 甲高い音を立てて甲板をする標識を携えて。
 芒は――芒さんは正直に言えば、海洋(この国)への関わりはあまりない。
 だからこの戦場に立つのは個人の都合というものだった。
 狂王種ではなく、きちんと『人を殺せる』のは、ここであろう、と。
 さあ、欠損を埋め合わせよう。
 後背へ忍び寄り、閃く鉄が重い音をたて兵の首を切り落とす。

 ――テケリ・リ。

 其れは酷く腹を空かせていた。
 冒涜的に拗くれた虹色の肢体は人のタガの外にある。

 ――テケリ・リ。

 潮風を浴びた獣の肉は如何なる味か。
 嗚呼、欲しい、寄越せ、喰らわせろ。
 テケリ・リ。
 暴れるな、抗うな。貴様の憎悪は愚生の舌の上である。

 まとわりつき、からみつき、其れは。ショゴスは黒獅子を貪って往く。

「そろそろ……どうにかなる?」
 アクア・サンシャインが奥歯を噛みしめる。
 長く続いた激戦は彼女の得手、継続戦闘能力さえも圧迫している。
 トルタとの決着が早く終わってくれれば良いのだが。
 それでもアクアは残された――そして仲間によって支えられた――力を振るう。
「面制圧がね、得意なの……!」
 毒の霧で敵陣を引き裂き、エリクハルトの巨体がぐらりと傾いだ。

 妖しく口角をつり上げたその端から、赤が一筋流れて。
 絶対守護の防壁二つを失って尚、番を守り抜くために武器商人は倒れない。
「妖怪か何かかね、君は」
 アドラーの口元が微かに緩んだ。
「さあてねぇ。さあ小鳥、鐘のコ」
「分かった……!」
「終わらせようぜ!」
 歌声が、その拳が黒獅子エリクハルトの巨体を穿ち――
「さぁて! 黒獅子エリクハルト!」
 愛らしい肢体に巨大な剣を振りかざし、付近の小物を掃討したエレンシアが戦場の中心へ駆けつける。
「強そうな相手じゃねぇか! 全力でぶっ飛ばすぜ!」
 桐志朗の居合いが片翼を切り飛ばし、アドラーがエリクハルトの前足を落とす。
 舞い散る赤と黒。
 エレンシアは大きく上体を持ち上げたエリクハルトの懐に飛び込み。
 威嚇の咆哮の中心へ突き抜ける憎悪の爪牙。
「獅子肉に変えてやらぁ!」
 地を掏り振り上げた大剣がその心臓を切り裂いた。

「残すは首級よ!」
「ダーダダース!」
「終わらせましょう!」
「もちろんですわ!」
 リーヌシュカに続いて、佐里とヴァレーリヤがアイリーンへの突撃を敢行した。
「ならばならば、このわたくし御天道・タントが、皆様を照らしてみせますわー!」
 皆の憔悴も、身を蝕む雷光も。タント様の陽光が春の淡雪のように溶かして。
 今や殺到する刃と――
「どっせえぇぇぇえええーーーい!」
 振り抜かれた戦棍がアイリーンを吹き飛ばし、佐里の操る気糸がその身を切り裂いて。
 鮮やかな沙月の和装が舞い、しなやかな腕、その指先がアイリーンの額に触れる。
 弾けるような衝撃と共に、更に神速の踏み込み。立て続けに放たれる舞技にアイリーンが膝を付く。

 ――貴女、とっても綺麗ねぇ。

 アーリアはあえて艶やかに微笑んだ。
 こんな出会いでなければ、一緒に飲み明かす事とて吝かではなかった。けれど。

 ――叶わないわねぇ、きっと。

 アイリーンは人だ。人間だ。
 人の命を奪うのは、今でも嫌だ。
 でも。けれど。
 選ばなければならない。
 取り返しがつかなくなる(反転する)前に――

 其れが。狩人が。
 血を、アイリーンの命を喰らい終える様を、アーリアは決して見逃しはしなかった。

●Admiral Acelte II

 ――狂王種『黒獅子』エリクハルト! 撃破!

 ――操舵士官アイリーン! 撃破!

 不可能である筈だった。
 ゼロはゼロである筈だった。
 トルタ・デ・アセイテには勝てない。
 多くの者が心の奥底で、そう考えていた。

 近くの船は白兵戦に移行して久しい。
 戦況は恐らく拮抗しており、海洋王国側の船もまたいくつかが沈み始めている。
 このエル・アスセーナ号では、周辺の戦域から船内中央部へ徐々に人が集まりつつあった。
 いずれも皆、魔種トルタ・デ・アセイテの攻略を狙っている。
 思い返せば本当に乱暴な作戦であった。
 大号令から鉄火場に次ぐ鉄火場を渡り歩く羽目になったユゥリアリアが嘆息する。
 だが乾坤一擲を賭す価値はあるとは思える。
 ならば折角だ。氷水晶の戦旗に海洋王国の旗を掲げよう。
 この戦場で願う歌を、一人でも多くの仲間に届けられるように。
 願わくば親父の艦隊にも――

「ここは私にお任せあれ!」

 ――届けば。良いんだ、けど、な?

「え。おや、じ……父上……?」
「おお!」
 思わず旗を握りしめたユゥリアリアの肩に分厚い手のひらを乗せて。
 父エルテノールが丸太のような逞しい腕でトルタの狂王種をなぎ払い始めた。
 そんな父も、廃滅病に伏せる大婆様も、全てを救うには――!
 ユゥリアリアもまた負けじと、光の翼を解き放ち、トルタの親衛隊を撃ち貫いて。

「リンダ、だっけ? 踊って頂ける?」
「提督も貴女も、このリンダの名前をきちんと覚えてくださらないのね」
「へえ」
 槍を構えたゼファーにリンダとアリスが凍える声音で呟いた。
 リンダは憎悪に口元を歪ませて、アリスはけれど静かな信頼を湛えた瞳で。
 アリスの可憐な指先から茨が放たれたと寸分違わず同時に。
 ゼファーの槍――run like a foolの先端が流麗な月の弧を描きリンダの頬に細い紅を引く。
「いいわ。どうせ――だれも見てなんてくれない顔だもの」
「見るわよ」
「どの口が!」
 リンダのカットラスが閃き――

 ――信頼はしてる。
   けどね。

「わたしを唯のお人形と思わない事ね、勝手に死んだら祟ってやるんだから」
 アリスの滑らかな肌が裂け、ひび割れて、ゼファーが息をのむ。だが倒れる程の傷ではない。
「これで心置きなくやれるでしょ?」
 その声に導かれるように、槍が再び三日月の軌跡を描いて。
「か、は……」
 リンダがマストに叩き付けられた。
「続けますか」
 リンダの喉元に刃を突きつけた舞花が問う。
 赤の滴る手で握りしめたリンダが、憎悪を込めた視線で射抜く。
「本当、残念ね」
 跳ね飛ぶように身を翻し、リンダは銃身で舞花の刀を打ち払う。
 跳ね上がった刀の前に飛び込んで、リンダはその銃口を舞花に突きつけた。
 引き金を引き絞り、破裂音。
 至近の銃弾が舞花を穿つ刹那。
 舞花は閃く白刃が銃弾ごとリンダを斬り捨てる。
 舞花の端正な顔の左右、マストに二つの穴が穿たれていた。

「勝ったつもりかしら?」
 トルタの槍がアリアに迫る。
 暴風の様な一撃をかわして、だが第二撃は防げない。
「リウィ……ちゃん、ごめん、背中は任せる……ね!」
「いいとも、君の命は僕が拾うさ。奪わせはしない」
 アリアの背を包み込むリウィルディアの調律の波動が、アリアに再び立ち上がる力を与える。
 出し惜しみなんて出来ない。初めから終わりまで、徹頭徹尾の全力勝負だ。
 壮絶な痛みに、けれど気を逸らしたらその瞬間に負ける。
 アリアはトルタを見据えたまま、空間を越えてねじ切る程の言霊を解き放ち続ける。

「皆の命がかかってるの!」
 一度。トルタはそこに居ない。繰り出される槍がアリアの身を穿つ。
「ここで全力を出さずにいつ出すのさ!」
 二度。トルタの腕を掠める。雷撃がアリアの身を焼き焦がす。
「いっけええええ!」
 三度。トルタの腕が石に覆われ、振り上げた槍が静止する。
「終われ。君の先に海はないッ!」
 紡ぎ上げた一瞬の隙に、リウィルディアが顕現させた黒犬が峻烈な雷光を放つ。
 憎悪と狂気に彩られた嵐が戦場を駆け抜け、数名のイレギュラーズが膝を付く。

「守るよ、絶対に!」
「もちろんですー」
 史之が、ユゥリアリアがその術陣で仲間を温かく包み込む。
 歯を噛みしめたオリーブの剣がトルタの槍を打つ。
 ライセルがその剣を重ね、更に押し込む。
「絶対に勝ちましょう!」
「そして生きて帰るんだ!」
 引き抜き旋回するトルタの槍を、ティスルが跳ね上げる。
「だから全力でいくよー!」
 ミーティア(数子)の決死の踏み込みが、ついにトルタの身に届く。
 至近の肉薄から突き込まれた大剣がトルタを抉る。
 利一の因果を歪める力がトルタの――魔種の胸さえ蝕んで。
「幕引きも近いのでは?」
「そう?」
「ええ」
「四音さん!」
「……ですが」
 雷光に貫かれた四音が、それでも仲間達に降りかかる数多の災厄を打ち払う。
 四音の名を呼び拳を握りしめたティミが相棒(チャーチグリム)を解き放ち、雷光がトルタを劈く。
「さすがではあるものね」
「ええ。私も同感よ。こうなる前に、戦ってみたかったわ」
 残像を残す舞花の刃が、トルタの身に幾重もの傷を残して行く。
「さっきのお誘いに乗ればよかった?」
「そうでしょうね……けれどごめんあそばせ。今は手が離せなくて」
 ゼファーとトルタの槍が火花を散らし、互いの身を赤い霧が彩る。
「ねえゼファー。帰ったら話があるの」
「帰すと思って?」
「帰していただくわ」
 アリスの茨がトルタを蝕む。刹那の攻防が続いて往く。
「さっきよりもやるんじゃないかしら?」
「貴女達が強いからよ、イレギュラーズ!」

「本当はトルタちゃんと戦いたくなんてないんです。でも来ないと絶対に後悔するから来ました」
「そう。私は戦ってみたいわ。貴女と」
 鋭い槍を運命に導かれるようにかわして、ルル家は全力のありったけをたたき込む。
 トルタの身体に徐々に、徐々に傷が増えて行く。

 傷つける度。
 傷つけられる度。
 ルル家の心が引き裂かれる。
 残った左目から涙がこぼれ落ちる。

 どうすれば良いかなんて分からない。
 殺したくなんてない。

 でも。
 そうするしかない。
 いっそ一緒に死ぬことが出来れば楽でさえあるのかもしれない。
 けれど――それは出来ないから。

「あああああ!」

 一瞬の閃光。
 刹那に全ての技をたたき込む。

「目を覚ませとは言わないよ。恋路の闇に迷ったのは俺も同じだもの」
 史之がトルタの前に立つ。
「だけどあなたはここまでだ。女王陛下へ仇なす者を通すわけには行かない」
「そう。同じと言うのね。けれどそれはゼロでない貴方だから言える言葉ではなくて?」
「そうかもしれない。けど言えることはある」
「たとえば、どのような?」
「トルタさん……あなただって陛下の笑顔が一番だっただろうってこと」
「あっは! ええ、ええ。その通りよ。大号令の体現者」

 ――あの方の柔らかな笑顔が見たかった。
   あの方の優しい胸に抱かれたかった。
   あの方の期待を一身に背負いたかった。

 今や満身創痍となったトルタが、再び槍を振るう。
 口の端から血を流し、史之が仲間達を癒やし続ける。
 イレギュラーズの猛攻は止まる所を知らない。
 剣撃が、雷光が、炎が。トルタの身を切り裂き、貫き、焼き焦がして行く。

「何度だって言うよ。あなたはただ陛下の笑顔が見たかったんだ!」
「そう……」
 史之が叫び、トルタが槍を支えに膝を付く。

 ――そうだったんでしょうね……。

「ねぇトルタちゃん……一緒に帰りましょう……」
「あなた。まだ、そんな事を言っているの?」
 トルタが口の端から血を零す。
 今、奇跡は願えるか。
 光は宿らない。運命は覆らない。それでも。
「目を開けて下さい……トルタちゃん……」
「静かに、して。寒い、の」
「トルタちゃん……」
「空は雲に蔭り……波は船を呑むものよ……イレギュラーズ」
「遠い昔、の……鏡の中の私と、同じ目、の。ああ。へい、か」
「……トルタちゃあああん!!」

 重い音を立て、甲板に大槍が倒れ砕けた。

 ゼロである私が、ゼロでないあなたたちへ贈る。

 妬みと、嫉みと。
 これは最後の――呪いよ。

 ならば貫き通しなさい、この海を。

成否

成功

MVP

アリア・テリア(p3p007129)
希望の紡ぎ手

状態異常

夢見 ルル家(p3p000016) [重傷]
不揃いな星辰
アクア・サンシャイン(p3p000041) [重傷]
トキシック・スパイクス
鶫 四音(p3p000375) [重傷]
カーマインの抱擁
アリス(p3p002021) [重傷]
オーラムレジーナ
秋宮・史之(p3p002233) [重傷]
女王忠節
ライセル(p3p002845) [重傷]
Dáinsleif
Ring・a・Bell(p3p004269) [重傷]
名無しの男
オリーブ・ローレル(p3p004352) [重傷]
鋼鉄の冒険者
グレン・ロジャース(p3p005709) [重傷]
不沈要塞
アリア・テリア(p3p007129) [重傷]
希望の紡ぎ手
ルカ・ガンビーノ(p3p007268) [重傷]
黒狼
ゼファー(p3p007625) [重傷]
never miss you

あとがき

依頼お疲れ様でした。

MVPはリスクを飲み、反撃の切っ掛けを生み出した方へ。
称号とドロップがいくつか出ています。

それではまた、皆さんのご参加を願って。pipiでした。

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