PandoraPartyProject

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タイムカプセル

タイムカプセル

 『何もない日』は終わった。
 一時の夢を感じた者がいたかもしれないが、それはあくまで本当に夢か何かだ。
 今日という日には何も影響はない。

 ……けれど。ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は小さなスコップを片手にある場所にいた。

 それはある木の根元。幻想の片隅にある、なんでもない場所だ……
 彼女以外にとっては、だが。
「あっ。あったのです!」
 少しの間掘り進めていれば――見つけた。
 古い、古い箱だ。かつてユリーカの母たるシラクサが埋めてくれた……
 タイムカプセル。
 蓋が曲がってるのか、ユリーカが全力で力を籠めて――開けば、あった。
「わわ。お母さんの使ってたモノなのです……!」
 バインダーとペンだ。
 ずっとずっと昔に見た事のある物。
 ずっとずっと昔、子供心に輝いて見えた――母の仕事道具。
「……わ、忘れてたわけじゃないのですよ! お母さん!
 さっ! 今日もユリーカは――頑張っていくのです!!」
 何故か。今日という日に思い出したユリーカは帽子を被り直してローレットへと歩を向ける。
 その姿は新たな装い。
 19歳を迎えているユリーカの髪は――かつて己を撫ぜてくれたシラクサの様に、育っていた。

 4月1日のお話が終了しました!

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