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『神の鉄槌』メディカ
メディカとは、天義(聖教国ネメシス)の聖ムロニ教会に勤めるシスターであり異端審問官。そしてアーリア・スピリッツ (p3p004400)の妹です。
常に柔和な笑みを浮かべ、閉じたまぶたの奥に不正義への揺るぎなき殺意を隠しています。
不正義(=悪)を決して許さず、得意の得物であるハンマーによって不正義の対象を必ず死に至らしめます。
甘い物が特に好きで、紅茶に大量の角砂糖を入れる様子が過去に描かれています。
そんな彼女の歴史と背景について解説していきましょう。
(キャラクターイラスト:久佐葉)
history
(キャラクターイラスト:笹雪)
天義の厳格な家に生まれ、実夫の死去後母親が海洋の商人と恋仲となりそれまでの立場を捨てる形で海洋王国へと亡命しました。
一事は平穏を手に入れた家族でしたが、メディカによる告発によって母もその恋人もろとも断罪されてしまいました。
当時天義には過激派が多く、派閥の中でも高い立場にあった実夫の影響もあり一部の過激派が過剰な行動に出た結果であると見られています。
事件が天義国外で起きたこともあり、外交問題も絡んだようです。当時外交における調整役を担っていたスナーフ神父が事件の事後処理と収拾にあたっていました。
この事件当時、断罪の現場から逃げ出した姉アーリアを軽蔑していると後に語り、彼女もまた自らの手で断罪するべきだとも語っていました。
「姉様? 姉様は汚らわしい裏切り者です。早く叩き潰さなければなりません」
「覚えています。あれは私が今よりもう少し若くて、もう少し弱かったころ、母様は汚らわしい海の者と不貞を働いたのです。ああ、なんて汚らわしいことでしょう」
「もし私に今の力があれば。いまの信仰があれば。今の立場があれば。きっと母様をこの手で断罪できたのに。未熟さを悔やみます。とても、とても」
~『神の鉄槌』メディカ~
(参考シナリオ:<クレール・ドゥ・リュヌ>間違った神の鉄槌)
それから長い月日が経ち、アーリアがローレット・イレギュラーズとなって暫く経った頃のこと。天義にて月光人形事件が発生しました。
死者がありし日の姿のまま遺族の元に現れるというこの事件は、無辜なる混沌(フーリッシュケイオス)における最大の禁忌『死者蘇生』にかかることであるとして天義から極めて強い反発をうけることになります。
反発の対象は月光人形をはじめ、それを庇おうと動いた遺族たちへと向き、その一人があろうことかメディカであったのです。
「母様は帰ってこられました。神が母様の罪をお許しになったのです。
忠実に不正義を断罪し続けた私への、神の報償なのです」
「神はいつも私たちを見守ってくださっている、その証。
なのに、神を疑う信仰なき人々は私たちをもみ消そうとしているのです。
そうですよね、母様……!」
~『神の鉄槌』メディカ~
(参考シナリオ:<クレール・ドゥ・リュヌ>間違った神の鉄槌)
正義のため、己の信じた神のために戦った筈のメディカは、皮肉なことに魔種ベアトリーチェの策略によって不正義とみなされその命を落とした――かに、思われました。
(ピンナップ:はちごう)
戦いによって倒されたメディカは意識不明となり、長い昏睡状態へと陥りました。
不正義を決して許さないという鋼の心と、自らが不正義を犯してしまったという自覚が混ざったことで心に深い傷を負い、それゆえに目覚めることができないのだと言われていました。
眠ったままの彼女は、天義過激派からの追求や断罪から守るべくスナーフ神父によって建設されたスナーフ秘密教会へと匿われ、アーリアは時折彼女の寝顔を見に訪れていたようです。
「憎んでも、恨んでも、大嫌いでもいい、だから」
「おやすみなさい、メディカ」
~アーリア・スピリッツ(p3p004400)~
(参考SS:償ってこその罪、覚えていてこその罰)
- スナーフ神父
- 天義の異端審問官であり、中間管理職的存在。
厳格な審問官を演じ天義国内の過激派から支持を得る一方、国外への調整役ないしクッション役として外交問題を解決している。
そうした立場上多くの聖職者と面識をもち、アーリアの実父とも面識があった。
天義国内におけるグレーな保護対象を匿うスナーフ秘密教会では、アーリアの実父を真似てチョコレートクッキーを焼くなどしている。
表では覆面や仮面を被り、実際の顔は拷問の跡がびっしりと覆いとてもショッキングな外見をしている。
不正義を起こしたとは言っても、メディカは本来優秀な異端審問官でした。
そんな彼女が事実上『やりのこした』仕事が、アーリアたちの耳へと舞い込みました。
通称『吸血鬼事件』はその後暫くの間天義の街を騒がせましたが、アーリアたちの活躍とブラムスという人物を機にして、自体は収拾へと向かっていくことになります。
また、後にこの『吸血鬼』は複製肉腫(ペイン)のことであったと判明することになります。
「そうだとも、異端審問官メディカ。『神の鉄槌』メディカ。
吸、血、鬼。人間の血をすすり肉を食らい夜と共に寝台へ這い寄るおぞましき鬼、だ。
我々イスカリオテ第十三部隊は麗しき聖都フォン・ルーベルグをその腐った足で踏み荒らす糞吸血鬼(ファッキンヴァンプ)ども一人残らず灰に返すが使命。
メディカ、君の管轄区域で二日前殺人事件が起きたな。
聖なるネメシス国教会のシンボルを逆さに描いた血のペイントと共に『人類よ土に帰れ』というメッセージ。
君ほどの人物がノーマークということは、あるまい」
~イスカリオテ第十三部隊~
(参考SS:メディカのわすれもの)
(参考シナリオ:ブラムスは知っている)
- イスカリオテ第十三部隊
- 吸血鬼退治のために編成されたとおぼしき天義の異端審問チーム。
同じ異端審問官であるメディカに対抗意識をもっていた模様。
後に、ヴァルピイでの聖獣騒動において行方不明となる。
ローレットの調べによれば、彼らの一部はアドラステイア(主にフォルトゥーナ区画)の人間に捕らえられ聖獣化の実験に用いられたとみられている。
それから暫く。突如としてメディカは目を覚まし、秘密教会からの脱走をはかりました。
脱走したメディカの足跡を追ったところ、聖獣による被害を受けている町ヴァルピイへとたどり着きました。
メディカはそこで己の得物である『銀の鉄槌』を持ち出し、おそらくアドラステイアへと向かったことが分かっています。
(参考シナリオ:からっぽの砂糖壺)
スナーフ神父より、アーリア・スピリッツ(p3p004400)へ。
至急。
妹メディカ氏が昏睡状態から回復。覚醒した。
しかし覚醒から二日後、教会から失踪。天義の町ヴァルピイへ向かった模様。
捜索を願う。
~スナーフ神父~
(参考シナリオ:ブラッディマリーは夜更けまで)
そして舞台は独立都市アドラステイアへ。
メディカは実験区画フォルトゥーナのイコル工場にて捕らわれているとの報を、アーリアたちはうけたのです。
肉腫が正体であるとみられる謎の神父バイラム。ヴァルピイを襲った聖獣たち。それらの糸が交差し集まる場所で、運命の歯車は再び回り始めました……。
かくして発見されたメディカはフォルトゥーナに捕らわれていましたが、アーリアたちの活躍によって救出され、ついに姉妹の再会を果たしたのでした。
(参考シナリオ:<ディダスカリアの門>実験区画フォルトゥーナ)
「なんですか、お姉様。その顔は」
「……だって」
「それじゃあ、謝れないじゃないですか」
「お姉様。知らないでしょうけれど……これでも私、とてもこういうことに慣れているんですよ?」
「何があったのか、聞かせてくれるのでしょう? お姉様」
~『神の鉄槌』メディカ~
(参考シナリオ:<ディダスカリアの門>実験区画フォルトゥーナ)