青空の元、ファンファーレが鳴り響く。
　エンシェント武器を巡るイレギュラーズ達の戦いをお祭りとしか認識していない頭鉄帝の美少女領民たちは大いに歓迎していた。
　表通りには出店が立ち並び、裏では着順を予想する賭け事が繰り広げられている。

「美少女領第三都市【強制労働所】から中継しております。実況のジョンと」
「解説のスミスです」
「ここから第二都市【美少女門前町】までの街道が第一レースの会場となりますが如何ですかスミスさん」
「天候に恵まれたので道のコンディションはいいですね。ですが、それは妨害側にとっても同じ事です」

　設置されたスピーカー（練達製）からひび割れた声が響いた。

「妨害側……盗賊役はこの土地の騎士ですからね。地の利は彼らにあると言っていいでしょう」
「馬にも乗ってますしねぇ。機動力でも上回ってます」
「イレギュラーズには馬より足が速い方もいるので一概には言えませんが有利である事は間違いありません」
「なるほどぉ。状況はチャレンジャー側が圧倒的に不利であると」
「ええ。ですが、街道に仕掛けられた罠を上手く使う事が出来ればタイム短縮も可能でしょう」
「輝かしい勝利をつかみ取ってほしいですね」

　暢気な実況席からそんな意見が出てくるが、美少女道場において罠を「上手く使う」など、どれほどの難易度かは言うまでもない。
　お祭り気分の和やかな空気から、一歩間違えば即死もあり得るデスロードへ、イレギュラーズ達は足を踏み出そうとしていた……。


■ダイス結果表■
　1～10　 　やだぁぁぁ！！！盗賊がどこまでも追ってくる！直前の人とじゃんけん結果を比べて【負けていたら（あいこ含む）】振り切れない！自分よりも上位の人に出目+10！
　11～20　　盗賊も罠もやり過ごしながら慎重に進もう……。
　21～30　　坂道を走っていたら上から岩が転がってきた！【パー】だったら回避！後ろの人が潰されるのが見えたけど関係ないね（グーの人に出目-10）
　31～40　　なんだか戦闘音が聞こえる……。【チョキ】だと、ラッキー！盗賊がドスコイマンモスに襲われている！（チョキの人に出目+10）
　41～50　　なんとか盗賊をやっつけたぞ……。【グー】だったら倒した盗賊の懐から運よく運営用の地図が出てくる（出目のマイナス効果を受けない）
　51～60　 わぁ、見て。あそこでヒグマとドスコイマンモスが戦ってる。平和だなぁ。
　61～70　 順調に走っている気がするがどうも違和感が……【グー】だったら気のせい。【グー以外】だと、幻覚トラップ！何処だ此処！直前の人と順位を入れ替える。
　71～80　 突然盗賊が襲い掛かって来た！【パー】だったら自分以外の【パー】の人に押し付けて逃げられる！（自分以外のパーの人の出目-10）
　81～90　 盗賊に襲われ……あれ、街で暴動が起きて、これから出動？お仕事ご苦労様です……。
　91～100　 後ろには盗賊！前にはトラップゾーン！【チョキ】の場合は上手く盗賊をトラップにかける！【チョキ以外】の場合は大失敗！（自分よりも下位の人に出目+10！）

■ゾロ目効果（ゾロ目は100含むよ！）
　なんやかんやあって盗賊に捕まってしまった……。（最下位と順位を入れ替える）

ひぇ、襲われなくて済んだみたい。
お仕事頑張ってくださいね～！

ぶぶぶぶぶ（去っていく盗賊の背後に瞬間移動してタイムを短縮する）

？…………いや、気のせいか。気のせいだよな？

？？？？？　えっ？　なにごと？？
一番に走ってたつもりだけど、どうしていつの間にか目の前に鉄格子があるの？
（盗賊に捕まった。まさかの大ファンブル）

盗賊さん、なんとか倒せたみたいです……！

名前を言うのを忘れていたな、22番、泥人形のマッダラーだ。
岩とは……
なかなかスリリングじゃないか、楽しませてもらおう

（元よりこの身体では大した速度は出ない、ゆえに一歩一歩を確実に、そして踏破する…がしゃんがしゃんと音を鳴らしながら、鎧は勾配を登り行く、と＿＿＿大岩が転がって来る＿＿＿！！）

………手荒い歓迎だな…流石は美少女ダービー。
（がぎ、と耳障りな音。真正面から受け止める形になったのは戦士の矜持か。荒々しく削りだされながらも、坂を真っ直ぐに転がるように整えられた美少女領謹製の大岩…その麗しき回転は止まず、鎧とぶつかり合って火花を散らす）

…面白いッ…
（＿＿＿気炎万丈、発気揚々。その眼を成す炎がより一層激しく燃え上がり、勢い任せに転がる大岩にがっしりと組み付く。立ちはだかる全てを押し潰さんとするこれを宿敵と見定めて押し止め、真正面から打ち砕こうと試みる…………）

ウオオオォォォ！！
（元から少々直情的な彼の念頭からは、「レースは速いものが勝つ」、ゆえに「回避して先を急ぐ事が正解」という至極当たり前の考えは、「岩との力比べ」という本末転倒な大事に押しやられて片隅の際の際に吹き飛んでいってしまっていた）

まあ、盗賊くらい、飛行でいくらでもまけるよな…しかしここからどうなることやら…平穏に行きたいのだがね

盗賊をはっ倒したんだけど、何も出てこなかったわね。……まぁいいか。

盗賊は倒しましたが、早くこの場を離れなくては。
盗賊の身体をあされば何か出てきそうな気がするだけにもったいない……。

ここは慎重に…大胆に出るのはまだ後だ…例え大局的に劣勢でもな…

29番に変更だったな
盗賊か……所詮野盗、貴様らの相手をしては居られん、（布に包んだ槍を抜きもせずボコボコと殴り押し付けてゆく）

あっ気のせいでした３１番でした！
ついでに何だか幻を見た気がしましたがこちらも気のせいでしょう！！（たったかたー）

……盗賊が来たので殴ろうかと思考しましたが、走り去っていきましたね。こういうイベントでは無かったのですか

あと32番に訂正です

ひえええ、盗賊に追われて……って、前方になんか嫌な予感しかないのですが！（オラクル）
ええいままよ！こことそことこれえ！（オラクル頼りの天啓任せで突っ切る）

……何とか突破できました、かね？　後ろの盗賊が全部踏んでくれてラッキーでしたね……！

オイオイ急に増えすぎだろ！ってあれ、これか出勤？ああ、お疲れさんだぜ。
いやー、捕まるかと思ったけどラッキーだったぜ！
(33番)

「ドケェ！！」
──無造作に振った拳が顔面を捕らえる

「邪魔ダッ！！」
──走る為に出した右足に弾き飛ばされる

「オレハ、今度コソ……今度コソ！！」
──マグマの用に溢れ出す意志に、後退りする

「『カプロシー』ヲ……手ニ入レルノダッ！！！！」
──立った一つを求めんとする者に、多数の武士が蹂躙される

その足取りは遅い。走者の集団よりも抜きん出て、遅い。
こちらは馬だ、地の利もある。例え先頭の者でも絶対に追いつけないという事はないだろう。

だというのに──それを問題としない程に、強い。
まともな技巧すら込められていない様な攻撃にのされる。
好きだらけの胴体に叩き込んだ鉄拳が砕けた。
自慢の剣戟で切り付けた背中の傷が数秒で完治した。

確かに、彼らは殺戮の為に動いているのではない。役割はあくまでも盗賊に扮した妨害。
事故で殺めてしまう可能性はあれど、本気で命を取らんと襲いかかっているわけではない。決して騎士の中で上位とは言えない集団でもあるだろう。
だがそれを加味してなお、思い知らされる目前のイレギュラーズの実力。

「カプロシィ、カプロシィイ…ッカプロシィィイイイイッ！！」

──何度も咆哮を繰り返しては突き進む、レールなき暴走列車に轢き飛ばされ……

(……カプロシーって、香辛料じゃなかったっけ？)
盗賊の内1人は何かから逃避する様にそんなことを思いつつ。妨害以前にコースの斜め45度方向に真っ直ぐそれていくマッチョ☆プリンを眺めながら意識を失った。

うわー！盗賊がー！暴動がー！どうしてこんな日に限ってー！！

……なんか盗賊がマンモスに襲われてますね。
避けていきましょうか。

…とは言いましたが此処は危険地帯。匍匐前進でレッツゴーですわ！！！（小声）

あわああわわわお金持ってないです！
あ、せ、せーふ……。

いやああああああああああああああああああああああああああ

なんか盗賊がいっぱいいたよー！
倒せて良かった。

（なんかかぶる予感がしてだいたいにしてよかったなってお顔）
なんか……遠くから斬撃のおとが……

やはり風を切って進むのは心地良いのぅ！！
（開幕ロケットブースト超高速で駆け抜ける屋台）
（何を思ったか進路上に飛び出してきた盗賊が天高く舞い上がる）

…おや？何か当たったかの…？