PandoraPartyProject

ギルドスレッド

造花の館

執務室

一般的練達人を迎える応接室とは違い、セレマの執務室は半分私室と化している。
幻想風の調度品ばかりかと思えば、執務机の中央にはコンピュータのモニターが鎮座し、もっといえばエアコンまでついている。
アンティークに紛れて文明の利器がそこかしこにある。
再現性の民に言わせれば「古典趣味的」な部屋だろう。

セレマは訳知りの個人的客人はこちらに通すらしい。
いつ来ても部屋いっぱいに焚かれた香(のような独特の香り)があなたを出迎えてくれるだろう。
然るべき客人であるならば。


●やってはいけないこと
・知らない声が聞こえても返事をしてはならない
・書類や機械は勝手に触らない
・執務机の載せた天秤はアンティークではないので触れてはいけない

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……ありがと。

(ローブを受け取る時、一瞬以上の間が開いた。
 こういう古めかしいものを取って置くような人物であると認識していなかったからだ。
 そもそもこれは何のために、何処から来たのかと考えて――ふと、貴方が不老でもないただの74歳の人間であることに気づいた)

セレマ

(水煙草の準備をする貴方の名前を呼ぶ。
 光に当たれば刺繍が虹色に煌めく夢のようなドレスの裾を揺らして傍に歩き)

あげる

(青みがかった水晶の花、いつか夏に話した朝に咲き昼には消える有限の花の冠を外し、貴方へと)
んぁ?
(ちょうど水煙草を咥えていたのもあって、妙な声が出た。)

(その言葉、その行動に訝しむような視線を投げかけた。
 が、それはすぐに困惑のそれにかわった。)


……。
(意図が読めない。)


………おう。そうか。ありがとな。
(受け取った。受け取って、視線は顔と花の間を交互に行く。)
夏に遭難した時の事覚えてる?
その時に話した花の事も。
今渡したのがそれになる。
似ているのは形ばかりでファントムナイトの期間中は咲き続けるだろうが……。

(向かいのソファに戻って腰かける。
 与えられたローブに袖を通し、古めかしい縫い跡に指を添わせた)

見つけたら見せるって言っただろう。
だから多分、ここに来た。
………………お前、わざわざそのために来たのか?

いや、それよりもその格好、そのために……いや、それは理屈が通らねえだろ。
その格好である必要なんて……ないだろうが…?
走ってる時はここに来る事しか考えてなかったけど多分そう。

これは……
(自分の胸に手を当てると何時もの制服の感触ではなく、シルクのさらさらとして濡れたように吸い付く肌触りがして落ち着かない)
……対等になりたいからかな。
本当に、何か心に決めてこうなった訳ではないから正確には分からないんだ。
(……状況を整理しよう。そう思いながら、ようやくパイプに口をつける。)

(まず百合子というやつが急に訪ねてきた。
 それはいい。片付けと鍵の確認に手間がかかったのは面倒だが無視してやっていい。
 後述する格好によってこちらを動転させたが問題でないのでいい。まるでよくないが。

 次にそいつの目的は、件の花を自分に見せたいからであるそうだ。
 それはいい。むしろ献身的姿勢は自分にとって大変都合のいいことである。

 それからそいつの格好は、この祝祭の魔力のなせる変身であるそうだ。
 それは別にいい。こいつがある程度一般寄りな人間的感性や憧れを抱くことはわかっている。
 別に結婚願望や気になる人間がいても不思議ではないし、まるで問題ではないと言える。
 婚姻関係は別として最終的に勝てばいいのであるから問題はない。)


(だが、この発言は………言葉だけを拾えばただ対等であることを望んでいるだけだが。
 先だっての教育を鑑みて、この発言と、この格好は。
 つまり自分に対してそのような関係を望んでいるということである。

 ……いや、その点は明確にはされていない。
 まだ明確にされてない以上、それは早とちりや思い込みでしかないのではないか。
 あの格好だと単なる願望がたまたま浮かんだだけではないか。
 そういう決めつけをするバカは損をするが、いやもうこれはどこからどうみてもそうだろうがどんなニブチンでも流石に気づくし分かるはバカはお前だバカ。うるせえバカ誰がバカだ。)
(……たっぷり5秒。
 煙をためて吐き出すまでの間は、急な考え事にちょうどいい。黙っていても怪しまれない。)





……そうだな。それが本当だとしたら。
随分と大きく出たな。
第一印象、第二印象のお前のことを考えればだ。
たとえ自覚がなかったとしても、簡単な連絡だけ寄越して人の家に転がり込んで、そのうえで自分の欲望や願望について推察し、それを吐露するなんて考えられなかったことだろうよ。
大した進展だ。
相変わらず褒められているのか貶されているのか分からないな。

でも、そう。
あまり時間が無いと思ったからかな。
大した進展なんていっても、実際は走らなくちゃ間に合わないかもしれないから……。
そうじゃないよ。

……でもそうだな。
それ(花冠)3日間は消えないから。
消えるまでは手元に置いてほしいな。
………まあ、別に。
これを置いといてもボクが何か損するわけじゃない。
構わんよ。
うん、ありがと。

前にも言ったけど本当はこんなに綺麗な姿が長続きする花じゃない。
こんな風に綺麗なのは咲き初めの本当に短い間だけだから、花言葉も「幻」や「儚い夢」だし。
……でも、ニセモノでもやっぱり美しいな。

(ローブの裾から零れる花飾りを撫でると水晶の様に瑞々しい花弁が揺れた。
 本物であればきっとそれさえも傷ついてしぼんでしまいかねない要素だが、魔法の夜の花は涼し気な姿を保っている)

……お前にとってはどうだった?
想像よりも大したことがなかった?
(……調子がずれる。
 少し前まで「人生を滅茶苦茶にしてやる」と言われた手前、そっちの備えはしていたが。
 ここまで毒気がないと…いや、おそらくはこいつ自身も、自分の考えをどう扱えばいいかわかっていないから、ここまで控えめなのかもしれないが……)

想像通りか、といわれれば全く違ったが……
これはこれで趣があって、可愛いだろうとは思うぜ。

ただ、なんだな。
その花言葉と花嫁衣裳の取り合わせは、正直どうかと思うぞ。
それがなりたい姿だってんならな。
いや、あの。それは。

(これまで落ち着きを取り戻していた瞳が露骨に揺れる)

……あの、うん。花言葉は、もう一つあって。
あ~~~~~~~………マジかぁ。
マジかぁ…… お前、それで対等になりたいって言ったら、もう……マジじゃん。
そりゃあお前、ボクは無茶苦茶美しいけどもなぁ………

……それをおっかなびっくりでも本人に直接言う度胸はすごいな。
お前の容姿は何一つ関係ないが????

言わなきゃおかしいもん。言わなきゃおかしいから言っただけだもん。
お前はどうあがいてもこんな異世界の雑草の花言葉なんて知らないし知る事も出来ないんだから言うしかないんだもん。
花言葉以上の意味はなにもないからお前は額面以上の事を考えなくていいんだ。ほんとに。
なんだこの野郎。心狂わすほどの美人だろうが。

あ、そう。口説き文句としてはそこそこよくできてたと思ったんだがな。
じゃあその話は一旦置いといてやるとして……

お前、本当にボクをどうしてやるつもりなんだよ。
この前に「ボクの人生を無茶苦茶にしてやる」とか言ったばっかりじゃねえか。
今まさに滅茶苦茶になっているだろう。なってないか。吾はなっているが。

……お前が居ないと寂しいから。
寂しいからずっと一緒に居たいけど、お前は人間だろう。
それでもなにかと思ったって吾は一番最後に来たから取り分なんて何にも残ってやしないじゃないか。
それなら、前提を何もかも壊すしかないだろう。
先に来たというだけで吾の取り分を不当に奪った者達を一匹一匹締め上げて吐き出させ……それから。
……それから……。
吾はやっぱり支配とか向いていないかもしれない……。
だろうな。
実際、対等を望む相手を支配したい、なんてのは矛盾してるしな。
そいつは支配欲じゃなくて独占欲だ。向いちゃいねえよ。
その目標がお前の欲望や目標、願いに沿わないっていうなら…取り下げてもいいんじゃねえか。
別にそうすることでボクも怒りはしねえし。

あとは…そうさな。
敢えて言葉尻を捕らえるような、否定的なことを言わせてもらうなら、だ。
「寂しくならないように」なんて、後ろ向きな理由で求婚なんざやめとけ。
ボクが10年生きようが100年生きようが1000年生きようが、死ぬときは当然のように死ぬんだから、そういう動機じゃあお前の行き着く先はどっちにしろ「寂しい」だ。
その方法じゃあお前の懸念はどうやったって拭えやしねえよ。

………つーか、なんだ?
寂しさを埋めるための関係ってのは、本当にお前の言うところの「対等」か?
手放せないような拠り所を作ることが、本当に「対等」って言えるか?
ボク基準でいえばそいつは「依存」と呼ばれる形なんだが。
・・・・・・まあ、言葉尻とった話だ。
また違う前向きな理由があるってんなら、別にいいが。
吾は求婚していた、のだろうか。
こんな格好になるまでそんなことわからなかったし、思っても見なかったが……。
でも、個人と個人が繋がって集団になりつつも、個人としての側面を残したままでいられるのはとても素敵な事だと思う。
何故繋がるのかとか、どうしたら対等でいられるのかは分からないけれど……。

吾が……「私」が個人でいるのは、お前と一緒の時だけだから。
だからどうしても、個人のままでしがみつきたいのかもしれない。
ふーん…… じゃあ、お前。
その方法でしがみつこうとして、しがみついたとして、だ。
ボクがそれを却下したらどうするつもりなんだ。
頑張って説得しようと思うけど、それでもだめなら諦めるしかないな。
(また煙を胸いっぱいに吸い込んで…… ふっ、と吐き出した。)





そう簡単に諦められるくらい安いか。ボクは。
(…瞳が、三日月の形に沈む。)
諦めるのは安いと思う?

吾はそうは思わない。
こうやって話してる時だってお前は他の可能性を潰しながら吾の相手をしてる。
今はお前が選んでそうしてるから構わない。
でも、吾が無理やりお前の可能性を潰してしまうのは駄目だ。
報われない説得にいつまでも時間をかける事はそういう事だと思っている。
吾がお前を選ぶように、お前も吾を選ばなきゃ、どんな結果になっても意味はないよ。
安く見てるに決まってんだろうが。
「見限ってやる」「やり方を変える」ならともかく、「諦める」なんてのは、自分自身に対する裏切りだし、相手に対する侮辱だ。
いつだかお前にも言ってやったが、お前は諦めがよすぎる。
そしてそれを美徳や思いやりのように語って見せて、自分や他人を煙に巻いて、感傷の心地よさに身を任せる腑抜けになろうとしている。
現にお前は、お前が欲しがってるものを放り捨てる理由を、自分自身じゃあなくボク自身に求めようとしてるだろうが。

これが侮辱じゃなくなんだってんだ?
言っておくがな。
お前が何を言おうと、どういう考えを持とうと、ボクがお前を組み敷くという前提は変えやしねえよ。それこそボク自身の価値観になにがしかの変化がない限りだ。
組み敷かれて、支配されて、そうして子犬のように気まぐれに可愛がられる形で傍にいることを、そういう選択をしなかったのはテメエだろうが。
結果はそう変わらねえのに、そういう中途半端に対し甘えるんじゃなく、そっちを選びたいと思ったのはテメエだろうが。
それにな、ボクは二度も言ってやらねえが……『かかってくること』を許しただろうがよ。
テメエのその欲望が本物であるなら、本気でかかってこいつったろうがよ。
本気っていうのは、痛えのも辛えのも食いしばって、クソがと反吐を吐きながら、それでも手に入れようとする執念だ。
ボクがこういう姿勢で『上から』の関係を敷こうとするように、テメエも『対等』をどんな手段や時間をかけててでも勝ち得なきゃなんねえんだよ。
欲しいものは勝ち得るもんだってことくらいわかってんだろうが。
それともなにか。
お前が断固として考えを変えないことに対し、ボクが策を弄して拉致を開けようとすることは、テメエの可能性を潰してることになんのか。
わざわざ観劇の為に連れまわしてやって、それらしい教養を与えるために言葉を投げかけたのも、テメエにとっちゃ全部時間の無駄で、心の底じゃあボクのことなんざどー-----だっていいと思ってたんだろう?
(音はほぼなかった)

(衣擦れの音、僅かにヴェールがテーブルの上を擦る音)

(ソファから立ち上がることなくノーモーションでの飛びつき――しかし衝撃はなく、感覚とすればいつの間にか膝の上にでも居ると言った方が正確だろう)

うそつき

(一人分のソファに対して二人目を強要しようとしつつある女が言った)
(……これはあれだろう。
 呼び出した悪魔に喉元を抑えられそうになった、あれに似ている。
 ネコ科動物のそれに近い気もする。どちらにせよ次の瞬間には喉笛に食いつかれていたろう。
 これからどうなるかはわからないが。
 相手のやり方如何ではこのまま本当に死ぬ目を見せつけられる可能性も考えるべきである。
 ここは一旦引き下がり、ペースを渡してから取り返すタイミングを計るが得策か…)
常日頃から嘘をついてる手前にだけは言われたくねえよ。
大噓つきめ。
お前はそう思っていない。
吾がお前をどうでもよく思っているとは思っていない。
お前は自分が発した言葉で吾を変えられると思っているし実際に変わった。そうだろう。

お前が吾に出来ないのは組み敷く事と子犬の様にかわいがることくらいだ。
そいつはお前の思い込みだ。
『ボクがそういう人間であってほしい』という、浅ましくも可愛らしい、世間知らずな手弱女のような思い込みだ。もっといってやれば、自分でその結果を作り出すほどの度胸も勇気もないから、そんな自己暗示に頼らなければならないから、そんな恰好を『願い』にしなきゃならねえ。
『目標』にできない。

ボクはなんだってできるが、お前はできない。
ただ強いだけだ。
事実だよ。
言葉よりも行動が「私」を補強している。
お前の言葉は過去を顧みる事には役に立つが未来の事はてんで嘘か、それとも何も言ってない。

……そうだよ、セレマ。
吾は強いからお前に何もさせない事も出来る。
でも、悔しかったり憎かったりそういう事は思えないんだ。
怒らせるための言葉じゃない、と思うから。
………そこまでいうなら、認めさせてみろ。
心変わりさせてみろ。

自分が変われたと思うなら、ボクがその気になる様な変化を、この先でも遂げて見せろ。
ボクを対等で妥協させるくらい見返せ。
やっぱりお前の人生は滅茶苦茶になるかもしれない。
吾はきっと加減を知らないし、お前が痛い事も分らないし、多分お前の何倍も図々しいぞ。

(じりじりと、他の所にかけていた体重を貴方の膝の上に落としつつ)

お前が対等を妥協だと思えなくさせてやる。
……だから、諦めるのは止めにする。
その時はまた文句を言ってやるよ。
馬鹿じゃねえんだから言い聞かせればわかるだろ。


……っつうか、重いぞ。
重くしてる。

あと今からバカになるから言い聞かせてもどかないかもしれない。
………おい。


せめてなんか喋れ。
あとなんだその目。

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