シナリオ詳細
シレンツィオ・リゾート2023!
オープニング
●最初に
青きパウダーサンドビーチをご想像いただきたい。
●暑い日に仕事なんてするものじゃない
「こうも暑いと仕事にならないのだー!」
わあ! と両手を天に掲げ書類の束を放り投げる……まではしないものの、書類が紙吹雪のごとくちるさまを空想しながらキャピテーヌ・P・ピラータ (p3n000279)は椅子にでろんともたれかかった。
太陽は照り風はちいさく、外気温は体温のそれをゆうに超えているという。
こんな日に汗をかきながら仕事をするなどもってのほかだと、キャピテーヌは強く確信するのであった。
外ほどではないにしても、執務室の気温も相当なものである。窓という窓は開け放ち扇風機を最強設定にして首を振らせてもなおだ。
「なんでクーラーつけなかったのだ。化学式でも魔法式でもなんでもいいからつけたらよかったのだ」
「ないほうが景観によいと仰ったのはキャピテーヌ様ご本人では」
執政官のひとりが書類の束を抱えて扉を通り、そんなことを言い始める。
「なんでもいいからいますぐつけるのだー!」
「いますぐはちょっと」
「だったら――!」
がばっ! とキャピテーヌは執務室の机より立ち上がった。
「今すぐ海にいくのだー!」
●ビーチへ出かけよう
さあやっと紹介できる。ここは世界最大ともいえるリゾート地シレンツィオ諸島はその中心、フェデリア島。
中でもセレブ御用達と知られる三番街には高級なビーチ、コンテュール・ビーチやシロタイガー・ビーチが存在している。
要はローレットのイレギュラーズが入れるプライベートビーチと公共ビーチなのだが、近くにはアーティスティックなカフェやアクセサリーショップが建ち並び、海から振り向いてみれば街の象徴的建造物でもあるカヌレ・ベイ・サンズが見えるというなかなかのスポットだ。
折角水着を手に入れたのだし、南の島を満喫するというのも悪くないのではいだろうか?
「わーい!」
いつものコートと帽子を脱ぎ、水着姿でビーチへばしゃばしゃと駆けていくキャピテーヌ。
「お一人で楽しまれるのですか?」
「まさか!」
キャピテーヌは両手をあげて振り返った。
「ローレットにも招待状を出したのだ!」
というわけで、プライベートビーチへ出かけよう!
もし他の場所で遊びたいということであれば、同じく三番街にあるカジノはいかがだろうか。
ウィンフェデリア・カジノやスチーム・オブ・ドリームス・カジノはシレンツィオでも有名な巨大カジノだ。派手なルーレットやポーカーゲームにチップをかけて興奮を味わうのもいいだろう。
勿論こういった街ならではの高級ホテルも忘れてはならない。
カヌレ・ベイ・サンズをはじめ様々なホテルが建ち並びその姿はまさに世界最大の金が動く街とし相応しい。
他にもピカデリーやコンサートホール、オペラ座やオークションハウスなど様々な有名スポットが立ち並んでいる。
……と、ここまで説明したのはあくまで三番街のスポットだ。
この街を訪れた者にとって魅力的なのはここだけではないのである。
たとえば二番街サンクチュアリ。港湾労働者の街でもあるこの場所は、シレンツィオを支える人々の住処であると同時に生活の場だ。穴場と知られるレストランやストリートアートが並び、その異国情緒は観光にももってこいだ。
もしそうした人工物から離れて自然に触れたいのなら、四番街リヴァイアス・グリーンも捨てがたいスポットとなるだろう。
フェデリア自然記念公園およびリヴァイアサン記念像はこの島と海を舞台に戦った人々の歴史を残す貴重なスポットなのだ。
そしてそんな中でも異彩を放っているのが五番街リトル・ゼシュテル。
鉄帝国がもつ唯一凍らない海であり、スチームトラムの行き交う名称通りのちいさな鉄帝だ。
そして忘れてはならないのが穴場中の穴場、無番街アウトキャスト。
建設途中のホテルなど本来街の一角として数えられていないこの場所はアウトローたちのたまり場であり、であると同時に用心棒たちの住処だ。時として荒事がおきがちなシレンツィオを支えるアウトローたちがここには集まっているという。
――そんなフェデリア島を、今年も味わい尽くすとしよう!
- シレンツィオ・リゾート2023!完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2023年08月07日 22時05分
- 参加人数50/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 50 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(50人)
サポートNPC一覧(1人)
リプレイ
●トロピカル
シレンツィオ・リゾート、プライベートビーチ。
チェアに腰掛け、『高貴な責務』ルチア・アフラニア(p3p006865)はゆっくりと足を組む。
「ありがとうございます、生きててよかったです、僕……」
それを拝むようにしながら『夜鏡』水月・鏡禍(p3p008354)は実際に手を合わせていた。
「他人に聞いたのだけれど、これってこう……もっと幼い子が着るものなんでしょう。別に貴方の趣味を否定する気はないけれど……知って着るのは、随分と恥ずかしいものね」
そう述べるルチアはスクール水着だ。言うほど適性年齢は離れていないのだが、それはそれとて鏡禍のリクエストであるらしい。
一方では、『カースド妖精鎌』サイズ(p3p000319)と『爆音クイックシルバー』ハッピー・クラッカー(p3p006706)と『秋雫の妖精』メープル・ツリー(p3n000199)が水着で集まっていた。
「夏だ!海だ!私達だー!!!!!!!!!
という訳で今日ははしゃぎ倒します!!明日には筋肉痛で全員が動けなくなるほどまではしゃぎ倒します!!
幽霊は筋肉痛にならないので二人が身動きできなくなったら私のやりたい放題ってわけよ」
「いやあ、ハッピーは元気だねえ。メープルも思わずはしゃいじゃうかも! サイズも気にすんな!だいじょーぶだいじょーぶ遊びつくそうぜ万が一は充填ヒールもあるし魔力切れたら知らん! …え、美男美女が欲しいのかい?美少女ならすぐそこにいるじゃないですか、ほらほら、ここに!
海のあるもん全部楽しみ尽くそうじゃないですか!」
(うお…ハッピーさんのハイテンションが凄い…て、ハッピーさんが夏の風物詩?を羅列してるけど、イケメンと綺麗なお姉さんは不要だろ…既婚者なんだから…)
美女二人に挟まれるサイズ。
プライベートビーチというだけあって場は静かで、そしてなにより広い、
まるでビーチを独占したような気分になれるのが良いところだ。
ギルオス・ホリス(p3n000016)と『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)も、まさにそんな気分であった。
「見晒せー、これが京ちゃんの今年の水着じゃーい!
どーよアタシ、今年も最強でしょ!
え、際どい? 水着なんて際どくてナンボよ、セクシー万歳!」
ポーズをとって見せる京に、ギルオスはなんとか平静を装おうとしていた。できているかといえば――。
「ところでギルオスさん、今年こそサンオイル……塗ってくれるよね?」
「いやしかしそれはだね、僕としては、君の柔肌に触れるのは――!」
やや困難であるようだ。
波間では、『ベルディグリの傍ら』ジルーシャ・グレイ(p3p002246)と『アイデの番狼』ラグナル・アイデ(p3n000212)のサーフィン勝負が繰り広げられている。
「ふふーん、去年の水鉄砲勝負は引き分けだったけれど……サーフィンなら負けないわよ!」
「おっと、狼ソリ使いとして、体幹は鍛えてるぞ!」
双方譲らぬパフォーマンス。ラグナルは不敵に笑う。
「よしよし、分かってきたぞ。こうだな!」
「今回も引き分け、かしらね。フフ、それじゃあお昼は奢り合いましょ♪」
勝負といいつつ、やっぱり今年も遊ぶのが目的な二人なのだった。
「みんなを誘うの、ちょっと緊張したけど……来てくれてありがとう
パラソル借りてきたよぉ!あ、こっちのクーラーボックスはねぇ、お水とお茶と、ビール!
え、妙見子君、海で飲んだら危ないって?泳がなきゃ大丈夫!
海の家もあとで行く?かき氷も食べたいねぇ」
『漂流者』アルム・カンフローレル(p3p007874)は友人たちを誘ってビーチ遊びに興じていた。
「なるほど海ですか。水も滴る良い男、つまりこの私の美が極まってしまいますね。
エメラルドのように煌めく海とアメジストのように輝く私の美貌が合わさり、まさに宝石箱……あぁっ妙見子様、どうしてそ私をタオルでぐるぐる巻きに!?」
かと思えば『未来を託す』ヴィルメイズ・サズ・ブロート(p3p010531)が『心よ、友に届いているか』水天宮 妙見子(p3p010644)を巻いている。
「全裸で! うろつこうとするな! 砂浜に埋めますよ!?」
「おーい、スイカ割りするぞ!」
『恋揺れる天華』零・K・メルヴィル(p3p000277)がスイカを抱えてやってくる。
「こういうの初めてやるんですが目隠ししてスイカのどたまを割ればいいんですね!」
早速目隠しをした妙見子が……零めがけて棒を振り上げ猛ダッシュした。
「いや待てこっちじゃない、待てあっちギャ―――!?」
「あっパン屋ちゃん…」
『狙われた想い』メリーノ・アリテンシア(p3p010217)があわあわとした様子でスイカ割られた(?)零を見下ろす。
「それにしても、なんかすごく夏を満喫してるって感じ!!!
ビールにスイカ、これぞ夏ねぇ!わたし他にもお酒用意してきたわぁ!」
またみんなで遊びましょうねと微笑むメリーノ。皆振り返り、にっこりと笑って頷くのだった。
可愛らしい水着を着た『医術士』ココロ=Bliss=Solitude(p3p000323)と『女装バレは死活問題』トール=アシェンプテル(p3p010816)がビーチではしゃいでいる。
「実はココロさんに渡したい物があるんです」
そう言って手渡したのはオーロラが輝く海色の髪飾り。
「僕は貴女ともっと仲良くなりたい。今度は男性として。だから、受け取ってください…ココロちゃん」
「嬉しいです。前のあなたも今のあなたも大好きですよ」
髪飾りをつけ、にっこりと笑い返すココロだった。
「ピリア、いっしょうけんめいおしえるの!」
一方では『欠けない月』ピリア(p3p010939)が『双影の魔法(砲)戦士』マリオン・エイム(p3p010866)に泳ぎを教えていた。
「えっと、えっと、こうやってね、からだからちからをぬいて~」
「普段のピリアもとても可愛いけれど、水着を着たピリアも、凄く可愛いと思います。まる」
急に水着を褒められて、ちょっぴり照れるピリアであった。
「折角だし、海で泳がない?」
『ヴァイス☆ドラッヘ』レイリー=シュタイン(p3p007270)は上着を脱ぎ、荷物の上へと置く。
「──ああ」
満開の笑顔で誘われては、抗えない。
「今日は疲れ果て床で眠るまで 遊び尽くそう」
交わされる死線に込められた意味は、彼女たちしか知り得ない。
二人は手を取り合い海へと歩いて行くのだった。
そうした中で、『一般人』三國・誠司(p3p008563)は『剣閃飛鳥』ミルヴィ=カーソン(p3p005047)と戯れていた。
「誠二くん、真面目な顔してどこ見てるのー?」
「どこみてるって…そりゃ」
寝ている彼を砂に埋めたり波打ち際の水を蹴ったり。
そんな遊びの間に、ミルヴィは誠司に微笑んだ。
「ん、いいよ……キスしよ?」
そして二人は……。
海をばしゃばしゃと泳ぐ『星月を掬うひと』フラーゴラ・トラモント(p3p008825)。
今年最新の水着(あの人とお揃い)を見せびらかすように。
「足から感じる波と砂!
塩の香りもするねえ
泳ぐよお……! 犬かきならぬ狼かき!」
ざぶざぶと泳ぎながら、夏をすっかり満喫するフラーゴラであった。
●カジノフィーバー
「そう言えばというところですが、お嬢様とこういった場所で遊んだことはありませんでしたね」
まるでお揃いのような黒いドレスで並ぶ『レジーナ・カームバンクル』善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)と『暗殺令嬢』リーゼロッテ・アーベントロート(p3n000039)。
彼女たちがいるのは大型カジノ。それもポーカー台の前である。
交わされる死線。無言の内に全てを理解したレジーナは席に着いた。
「これでもカードゲームでブイブイ言わせてたんですよ! お嬢様。今宵は勝負です
もし勝ったら、何でも言う事を1回だけきくというので!」
勝負の行方は……巨大なるフラグを立てた女王が順当に負けて終わったのであった。
「マリィからカジノに行こうとするだなんて、珍しいですわね?
でも、とっても素敵な思い付きだと思いましてよ!
たくさん稼いで、一番良い義肢を買いましょう!」
「きっと私達ならカジノ無双だよ!」
わーいとカジノに飛び込んでいく『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)と『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)。
チップに変えたはマリ屋の売上。
超絶大胆に賭けたルーレット台の前で、マリアはコトンという音に目を丸くする。
「どうして……」
「素敵なリゾートね!
特にこの本格的なカジノ、私の直感にビンビン来るの。
今日の勝負所はここだ、って!」
『なんとなく全力で』柿沼 亜紗那(p3p011241)が軍資金を手にカジノのスロット台の前に立つ。
「もちろん勝ち負けに少しはこだわるけれど二の次、三の次よ。
土壇場で浪漫に任せた手を選んだ時のヒリ付きと場の空気、
これを味わうのが面白いんだから!」
そんなギャンブラーな彼女の横で、『蒼剣の秘書』華蓮・ナーサリー・瑞稀(p3p004864)はスロットレバーをがちゃんと下ろす。
カードゲームの類いを覚えてレオンと遊ぶ技を磨きに来たのだが、今は休憩中である。
そんな彼女の目の前でカチャンと並ぶ絵柄。
「やったやった勝ったー♪ 大分覚えて来たのだわ!」
一方で『祝福(グリュック)』エルス・ティーネ(p3p007325)もまた、神経を使うカードゲームから休憩してのスロット遊び中。
(気晴らしだから買った負けたは気にしない
あの方もきっとどこかで楽しんでるんだものねぇ?
…私がムッとしていたって、きっと何処吹く風なんだから悔しくて堪らないわ
今に始まったことじゃないけれど、ね)
きっと彼女たちの真の『お楽しみ』が訪れるのは、もう少し先のことになるだろう。
●ホテルの窓から?
「あー……クーラーが効いた部屋でぐうたらする……。
普段できないことをするのが贅沢やバケーションって奴だと俺は思う」
ウェールは豪華なホテルのベッドで無意味にごろごろ転がっていた。返りに愉快なキーホルダーでも探して帰ろうか。などと考えつつ……。
こういうバカンスも、たまにはいいだろう。
その一方で、『あの子の生きる未来』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)は。
「海を見ながら飲む酒も中々悪かねえな……」
などとホテルでルームサービスを堪能していた。日が暮れたら外を散歩するのもいいだろう。
「それまで時間があることだし取り敢えずホテルにある酒を飲み比べてみっか」
『晶竜封殺』火野・彩陽(p3p010663)はといえば、
「ごろごろしてたい」
ホテルのベッドにとろーんと転がっていた。
「此処で疲れを癒して、次の戦いの為の英気を養うためにも。
戦い詰めというわけでもないとは思うんだけどねー……武器の手入れとかもしたいし。
ちょっとゆっくりしましょ。という事でおやすみなさい!」
一方こちらは二番街サンクチュアリ。
『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)はストリートライブを楽しんでいた。
(しばらく戦いが続いてたし、たまには休息も必要だな。
観光も良いが……今はとにかく音楽がしたい気分だ)
彼の音楽は、街を愉快に染めていく。
●リヴァイアス・グリーン
\ハッピーサマーペリオン/
と言った具合に、『ちいさな決意』メイメイ・ルー(p3p004460)と『神翼獣』ハイペリオン(p3n000211)はリヴァイアス・グリーンの自然に囲まれて夏を満喫中である。
「こう静かですと、お昼寝をしたくなりますね」
「いいですね。木陰で一緒に……」
などと言っていると、メイメイが次第にスゥと寝息を立て始める。
丁度そんな様子を横目に、『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)が四番街の通りをゆく。
「そういえば…自然って事は、四番街には猫いるかな?」
自然には動物も含む、可愛い動物も含まれる、そして可愛いといえば…猫!
よーし木陰に猫いるか見てみよう、人懐っこいかな、どうかな…?
人懐っこい猫居たら一緒に遊んだりお昼寝とかしたいよね!
といった具合である。
やはりこの広大な四番街。のんびりするには絶好のスポットらしい。
『泳げベーク君』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)は皆と離れたところでのんびりしていた。
「最近は激戦続きでしたし、いい加減少し身を休めたいところです。ハードな戦場が多かったですし……それに、今後もより厳しい戦いはいくらでもあるでしょうからね。
まぁ僕がどの程度役に立つかはちょっとわかりませんが、少なくとも今はのんびり過ごさせていただきましょう」
あとでキャピテーヌにお礼を言わなきゃ、と思いつつ……ベークは静かな時間を堪能していた。
●リトル・ゼシュテル
「ここ最近は鉄帝位の騒動から覇竜での激戦まで休み無しに働いてた気がするからね!
たまには休まなきゃね!」
小さな鉄帝ことリトル・ゼシュテルでは『黒撃』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)が盛大に遊んでいた。要するに食べて遊んで、けんかっ早い住人と一戦交えて、といった具合だ。
「もうちょっとここにも気軽にゼシュテルからやって来れるとイイんだけれどねぇ
フットワークの軽いヤツかお金もちしか来れないもんな」
などとやっていると、『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)がハンバーガーショップから出てきた。
彼女はサークル『混沌のグルメ』の新刊同人評論本『海洋王国を食べ歩いてみた特別編・リトルゼシュテル』の執筆のために、飲食店を食べ歩いている所のようだ。
「じつは前回の出版では、ページ数の都合で収録できなかったのだ。さすがシレンツィオ・リゾート」
この調子で全国食べ歩きといこう……と。
『綾敷さんのお友達』越智内 定(p3p009033)と『猫鬼憑き』綾敷・なじみ(p3n000168)がスチームトラムに揺られていた。
「去年のシレンツィオの事もさ、憶えてはいるんだけど……」
「大丈夫だよ、私も……結構ね、そうやって零してきたものが多いから。
怒ったりとか悲しかったりより君が一緒に歩いてくれることの方が嬉しいよ。
君がそれを受け入れられたら、手を繋いで大きく一歩踏み出そうよ」
まるであいた穴を埋めるように、そっと手を出した。
停車するトラムから降りるためか。それともこれからずっと……。
無言で尋ねるように出した定の手は握られて、二人はそのままトラムを降りる。
「何処か行きたい場所はある?何処でも連れていくぜ」
「君がいればどこだって面白いけれど、それじゃ――」
●無番街の夏
「――あれからもう1年も経つのですね。
あの戦いで街は一度滅茶苦茶になったけれど、こうしてシレンツィオは逞しく生きている。
巫女よ。我々は大丈夫。ゆっくり休んでください」
静かにつぶやき、『航空猟兵』綾辻・愛奈(p3p010320)は無番街の空をあおぐ。
その隣を歩く『夜守の魔女』セレナ・夜月(p3p010688)。
(ここに来るのもなんだか久し振りな気がするの。
あれから一年近く。色々と変わった事もあるけれど。
シレンツィオは変わらず騒がしくて、そして……願いに満ちてる。
彼らから感じた祈りと願いも覚えてる。この胸にある……大丈夫)
二人は無番街をゆきながら、そっと手を繋いだ。
「やっぱり。あの時、黒い海の中で手を取ってくれたのは、愛奈だったのね」
微笑みが、交わされる。
「それからね、セレナ。貴女は知らないかもしれませんが。
私が呼び捨てに出来るほどの友人って、他に居ないんですよ?
貴女がピンチの時はいつだって駆けつけます。
貴女が泣いているなら必ず抱きしめましょう。
だから、これからもよろしくお願い…いえ、よろしくね、セレナ」
「ありがとう、愛奈。
わたしも、あなたが困ってる時、悩んでる時には力になるし。
心細い時にはまた手を繋いであげる。
これからもよろしくね、愛奈!」
「よう、ここは相変わらずだねぇ」
「お前さんの方から来てくれるたぁ――」
にやりと笑うアズマに、『幻蒼海龍』十夜 縁(p3p000099)は柔らかい表情で答えた。
「偶には昔の兄貴分と飲みたくなってな。一杯付き合ってくれや」
過去から逃げるのをやめた俺を馬鹿だと笑ってくれ。
お前を切り捨てられねぇ俺を、卑怯だと嗤ってくれ。
そんな思いを全部知ってるくせに、アズマはただ笑って「じゃ、飲もうや」と無番街の飲み屋へと引っ張っていくのだった。
そんな様子を遠くから見つけた『彷徨う駿馬』奥州 一悟(p3p000194)は、知り合いを見つけたとばかりに小走りに飲み屋へと入っていった。
(あーまずい。意図したわけでもなんでもなくて、オレが釣り上げた魚をくわえて逃げた野良ネコを追いかけていたら、いつの間にかホテルでもらった地図に何も書かれていないなんだかヤバそうな場所に迷い込んでた。知り合いがいてよかったぜ)
「おや?」
そんな様子を横目にしながらも、立ち飲み屋でのんびり過ごす『こそどろ』エマ(p3p000257)。
(無法には無法なりの秩序があるようで。治めている頭のような存在が居るのかもしれません。
正直、私とはスタイルの違う雰囲気も感じますが……ま、似たようなものでしょう。えっひっひ。
聞いた話じゃ歓迎してくれるみたいですし……)
実際、イレギュラーズはこの無法の街でも歓迎されていた。
なんといっても『酔狂者』バルガル・ミフィスト(p3p007978)たちが仕切る街でもあるからだ。
「リゾートに訪れる方が多い今の時期は諍いも起き、軽作業や掃除に従事する当社にとっては稼ぎ時です。休み? 無法者だらけの当社に週休何日だという規則はありません。働けるだけ働け」
などと前の世界でやっていたようなブラック労働ぶりを発揮してみせるバルガル。
彼の『派遣会社』は観光シーズンだけあって大盛況だ。
『社長!』キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)も当然、同じ派遣会社として大忙しである。
「……と、言いたいトコだがこんだけシレンツィオにイレギュラーズが集まってりゃあ下手に厄介事起こそうとするアホは居ないしあっても一瞬で擦り潰されるね。適度に派遣して適度に遊ばせとけや。っつーわけで――」
酒場の真ん中で、キドーはグラスを掲げて見せた。
「今日は店を貸しきりだ! 飲み放題食い放題! 鋭気を養ってくれや!」
さすが社長ー! とスタッフのバンピーたちがはやし立てる。
そうして無番街の――シレンツィオ・リゾートの夜は更けていくのであった。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お楽しみいただけましたでしょうか。
またのお越しを、お待ちしております。
GMコメント
キャピテーヌから船のチケットをもらったあなたはシレンツィオ・リゾートへと遊びに来ました。
さあ、何をして遊びましょうか!
シレンツィオ・リゾートとは
https://rev1.reversion.jp/page/sirenzio
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合はプレイング冒頭行に【コンビ名】といったようにグループタグをつけて共有してください。
大きなグループの中で更に小グループを作りたい時は【チーム名】【コンビ名】といった具合に二つタグを作って並べて記載ください。
主な注目スポット
あなたはシレンツィオ・リゾートを遊び尽くしに来ましたが、描写はその一部のみとなります。描写してほしい場面を以下から選択してください。
【1】プライベートビーチ
ビーチで遊びます。今年の水着を早速見せ付けるチャンスです!
【2】カジノ
カジノで遊びます。軍資金は持ってきましたか?
【3】ホテルでのんびり
高級ホテルの部屋でのんびりすごしてみます。たまにはこんな日があってもいいでしょう。
【4】二番街サンクチュアリ
サンクチュアリの異国情緒溢れる港湾労働者街を観光します。
穴場なレストランが見つかるかも?
【5】四番街リヴァイアス・グリーン
リヴァイアス・グリーンで自然に触れてのんびりします。
海から吹く風と木陰の涼しさが心を安らかにしてくれるでしょう。
【6】五番街リトル・ゼシュテル
ちいさな鉄帝ことリトル・ゼシュテルへ遊びに行きます。
レッツゴーゼシュテル!
【7】無番街アウトキャスト
地図にない街へあえて入ってみましょう。
大丈夫、ローレットであるあなたならアウトローたちも敬意をもって接することでしょう。
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