シナリオ詳細
ハッピーバースデー六月
オープニング
●
ハッピーバースデー。
生誕を祝う言葉。
言う側にしても、言われる側にしても、それはきっと幸せに繋がるはずのもの。
それはきっと、楽しくなるはずのもの。
だったら。
良い方向の事ならば、盛大にやってしまっていいじゃないか。
年に一度の事だ、その人にとって、「ああ、そういえば誕生日にこんなことあったな」と。
良い一年だった、と、そう言える様に。
……始めよう。
きっと、きっと。
皆に喜んでもらえる日にするから。
●
「皆さんケーキは好きですか?」
珍しく和気藹々とした雰囲気のローレット内。
『新米情報屋』ユリーカ・ユリカ(p3n000003)は、集まっていたイレギュラーズに近づいてそう言った。
甘すぎなければ、チーズが、タルトがと、あちこちから聞こえる返答に「うんうん」と頷いたユリーカはニッコリと笑い、
「ではパーティーをしましょう! お誕生日会! なのです!」
そう宣言した。
……いや誰の?
そんな突っ込みは想定通りで、ユリーカは追加の頷きを入れると一息。
「6月が誕生日のみなさん、全員です!」
ざっくりとした範囲を高らかに読み上げた。
「実は、ここ最近の皆さんの活躍にお礼がしたい、って声が上がってまして」
それがなぜ誕生日会になるのか。疑問は深まるばかりだが、
「そんなわけで、ケーキを作ったり食べたりしよう!なのですよ?」
とにかくそういう事で話を進めたいらしい。
それに、もてなしてくれるというなら、無下にする事もないはずだ。
満面の笑みを浮かべるユリーカに、イレギュラーズはそう思う。
「あ、そうそう。ケーキを作ると言っても一からするわけではないのです。スポンジや生クリームにカスタード、具となるフルーツやチョコなんかの材料を用意してあるので、それを好きに盛り付けたり挟んだりして作りましょう、ということです。
作るのが苦手な人は、主催側が用意したいろんな種類のケーキをバイキング形式で食べれるという、作るより食べたい大食いさんに嬉しい企画もありますから、そちらもどうぞ!
あと、なにか他にもevent、あるそうなので、おたのしみにです!」
そして、ウキウキのイベントが始まる。
- ハッピーバースデー六月完了
- GM名ユズキ
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2018年06月16日 21時05分
- 参加人数66/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 66 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(66人)
リプレイ
●おめでとう
六月の誕生日を祝おう。そんな甘言にまさかこれほどの数が集まるとは夢にも思わなかった。
嬉しい悲鳴ではあるが、さて、これはあちこちで波乱が起きそうだぞぅ……?
と、主催者はそんな予感を抱きながら、
「では、よろしくお願いしまぁーす!」
開会を宣言した。
さて、ケーキを作るべく集まったイレギュラーズ達は、大まかに二種類に分けられる。
一つは、仲良しで集まったグループ参加。もう一つは、現地でとりあえず作って遊んで騒ごうの参加だ。
「ええと……」
『白き渡鳥』Lumilia=Sherwood(p3p000381)は後者側だ。甘いもの好きな彼女はしかし、自分で作るという経験は今日が初めてであり、迷いを抱えながら材料に向かっている。
「せっかくですから、挑戦してみることにしましょう」
意を決して、目指すべき完成形を思い浮かべる。ここはオーソドックスにショートケーキを作りましょう。と、そう思い、
「……?」
これらはどう組み合わせればいいのだろうか。
「見よう見まね……いえ、どなたかにご教授を……ううん。なにか、魔法が干渉してあの様な完成となるとしか……」
レシピに従い、Lumiliaは材料を組み立てて行く。きっと途中でちゃんとしたケーキに化けるはず、ですよね?
と、そう信じて、苺とクリームを挟んでコーティングを進めるのだ。
そんな四苦八苦を繰り広げる隣の隣の隣辺り。『Tender Hound』弓削 鶫(p3p002685)は見事なショートケーキを作成していた。
「誕生日ときたら、大きなラウンドケーキが定番です」
用意された苺を半分にカットし、二つに分けたスポンジの間にぎゅうぎゅうと詰めて行く。
上にはクリームを塗って見た目を整え、さらに苺を乗せた後に中央へチョコのプレートを設置。
「へぇ……」
その手際の良さを見かけた『一刀繚乱』九重 竜胆(p3p002735)は、感嘆の声を漏らしていた。
和装にエプロン姿の竜胆もまた、苺を乗せたシンプルなケーキの製作に取りかかっている。
旅人である彼女は、元の世界で和食の経験はあったが、ケーキを含む洋食系の経験はあまり無いようだった。
だが、料理経験と言うのは強い。
レシピ通りに作るという事がしっかりと出来るのだから、完成品の見映えはしっかりとしている。
「……よし、本職には劣るでしょうけど、こんな感じね」
うん、と頷いた竜胆がふと、鶫の方を見てみると、彼女はまた別のケーキ作りに入っていた。どうやら六月生まれの一般参加者から希望を聞いて、モンブランなどを拵えている様だ。
「ええ、主役は貴方達ですから遠慮なさらず。お好みの美味しいケーキでご奉仕致しますよ」
「じゃあこれも、私からのプレゼントってことで。貴方達の過ごす一年が素晴らしいものになる事を願ってるわ」
そうして集まる二人のケーキを、人々は嬉しそうに食べていた。
さて、苺とクリームを使ってケーキを作った者がもう一人いる。
むしゃむしゃと完成品を咀嚼している『山岳廃都の自由人』メルト・ノーグマン(p3p002269)だ。自分で作ったものを盆に乗せて配り歩きながら、隙を見ては口の中にひょいっと放り込む。
むしゃむしゃと。
「うん、んまい」
出来にご満悦で、メルトは更なる誕生日の人へとケーキのお届けを続けるのだった。
「アルコールケーキ、作るで」
一味変えて作る『兎身創痍』ブーケ ガルニ(p3p002361)は、さてどんな形のケーキにしようかと考える。
頭に浮かぶのは、菓子パンやドーム型、ふわふわのパウンドに洋酒を織り混ぜたり、クリームベースにリキュールを混ぜて飾り立てたり……。
「大人向けだな」
作業の合間にブーケから作り方を習う『GEED』佐山・勇司(p3p001514)は、漂うアルコールの匂いにそう思う。
「たまにはブランデーやココアの苦味が愛しくなるもんよ、大人っちゅうんはな」
別に飲兵衛なわけやあらへんよ? ちゃうからね!
というブーケの念押しを勇司は聞き流して、
「はぁ、暫くしたらホイップクリームに埋もれに行くってのに」
そうぼやく彼は、今度とても甘い事件を解決しに行くようで。
「いや、祝いの席で暗い顔なんて似合わねぇよな」
「せや。お誕生日おめでとう、お誕生日じゃない日もおめでとー、それでええ」
男二人のケーキ作りは続いていく。
「誕生日、でございますか」
聞こえるおめでとうの言葉に、コテンと首を傾げたのは『朱鬼』鬼桜 雪之丞(p3p002312) (よみ:きざくら ゆきのじょう)だ。
「……一月ほど、先でございますね」
というのは、自分の誕生日の話だ。だが今回の目的は、それとは全く別で、
「今回は、練習、です」
それは、いつかの為の準備。友を祝う事があった時に備えたものだ。とはいえ、用意された生地の違いもわからず、ただ綺麗な仕上がりを目指してのケーキ作りだ。
聞こえてくる様々な完成の種類に迷ってしまうので、とりあえずは簡単に。チョコレートのクリームを塗り、鮮やかなピンクのさくらんぼを飾りにして完成させる。
「いずれ、友人の為に作るときは、生地から学ばねば、なりませんね」
その機会はきっと、そのうちに訪れることだろう。
そして皆が甘いクリームやスポンジ生地を扱う中、コリーヌ=P=カーペンター(p3p003445)はパイ生地を使用していた。
真ん丸な形のギフト、お手伝いメカ『正宗くん』が宙に浮かび、内蔵されたオーブンがアップルパイをじっくりと焼き上げる。
「ちゃんと出来上がるかな?」
SFチックな光景の中、コリーヌが心配するような声を作る。
答える正宗くんはカタコトな言葉で「ダイジョウブダトハ オモイマスケド」と返しつつ、
「トコロデ アップルパイナノハ ナゼナンデス?」
周りがケーキを扱うのに何故パイなのか。
「いやー、なんかケーキって柄じゃないから……?」
そういう問題なのか……?
訝しむ正宗くんはおいて、完成したアップルパイを切り分けたコリーヌは、熱々のそれを皆に配るのだった。
「今日は6月の人を纏めてお祝いしようって感じなんだねー! なんだよね?」
「お祝いする為にもケーキ作りっ!がんばるぞーっ」
気合い十分、でケーキ作りに向かうのは『特異運命座標』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)と、『魔法少女』アリス・フィン・アーデルハイド(p3p005015)の二人だった。
別に知り合いだった訳でもない二人だが、ケーキ作り初挑戦で作り方を覚えたいアリスと、作るのが好きで色々な種類を作るつもりのアレクシアが、たまたま近くに居たというだけだ。
「基本的なのは勿論として、この季節はさっぱりした柑橘系のケーキとかもいいかな」
手際よく進めるアレクシアの手伝いをしながら、
「少しずつお菓子が形になっていくのって、面白いよね」
完成したそれらを食べる人達の笑顔を見て、「頑張ろう」とアリスは思う。
ただ、二人で張り切りすぎて少し減りが遅くなったケーキ達が手元に少し残る。
それを見て、顔を見合わせた二人は、
「ココまで頑張ったご褒美ー……って、ダメかな?」
「余らせるのは勿体無いから、余るなら食べちゃおう!」
口に頬張るケーキに顔を綻ばせながら、更なる量産体制に入るのだった。
思い思いに作る中、『雨宿りの』雨宮 利香(p3p001254) (よみ:あまみや りか)が作るのはチーズケーキだ。
「もぐもぐ」
食べているのはチーズだ。
「おっといえいえつまみ食いが目的ではありませんよ」
本当です!と誰に説明しているのかはともかく、
「なにかとお世話になってますし、皆さんの為にも甘くとろけるチーズケーキを作りましょう」
と、出来上がったものを一切れ、試食と称して口に放り込みながら、彼女が行く先。
よしっ、とケーキ作りに向かう『Calm Bringer』ルチアーノ・グレコ(p3p004260)は、作業を共にする『軋む守り人』楔 アカツキ(p3p001209)に指示を出す。
「いいかい、味はレシピ通りにすれば問題はない筈だから、型崩れだけしないように気を付けよう」
と、分量をキチリと量った小麦粉をアカツキに渡してふるいにかけさせ、自分は生地の部分をかき混ぜる。
「少し待っていてくれ、すぐ出来る」
生真面目に作業をしながらアカツキが言うのは、彼らにとっての主役、『カオスシーカー』ラルフ・ザン・ネセサリー(p3p004095)だ。
「ふふ、甘いものは暫く食べていないから楽しみだよ」
本音を言えばとっくに忘れていたが、と彼は思う。
それでも、祝われるのは良いものだ、とも。
「そういえばラルフさんは、いくつになるのかしら?」
コト、とアンティーク調で揃えたお皿とカップを彼の前に置いたのは、『彷徨のナクシャトラ』暁蕾(p3p000647)だ。
暖めたカップに、出来上がる紅茶を注ぎながら聞く言葉に、ラルフはふむ、と一つ頷く。
「今日で38だった、かな? 色々とインチキをすると7桁位になるからそこは省いておくよ」
冗談だかね、と笑う顔に釣られた暁蕾も笑みを溢し、ラルフが飲み終えたカップをお皿に反す。
落ちた茶葉を使った見立て占いをするつもりだ。
開けたカップの下にあったのは、左右に別れた茶葉の塊で、見ようによってはそれは、羽ばたいた蝶に見えるだろう。
「楽しい人生、ね。きっと、いい一年になるわ」
占い結果が出る頃に、ルチアーノとアカツキが仕上げたフルーツたっぷりのクリームケーキが運ばれてくる。
そのケーキの中央には、銃を象るチョコレートのネームプレートが鎮座していた。
「ハッピーバースデー、ラルフさん!これからもこの混沌でバッタバッタと敵を薙ぎ倒していこー!」
「誕生日おめでとう、ラルフ。……何か気の利いた言葉でも言えれば良かったんだが、ありきたりですまない」
祝福の言葉に、ラルフは笑う。
ありがとう。と、礼の言葉に加え、
「若き君達にも良い光が有らんことを。此れからもこの縁を、宜しく頼むよ」
特定の誰かを祝うと言う目的のグループはまだいる。
それは、『月下黒牛』黒杣・牛王(p3p001351)の為のものだ。
どうやら牛であった牛王にはそもそも、誕生日という概念そのものがなかったらしく、丁度いいやと今回のイベントに参加したらしい。
ケーキ作りの主軸を担うのは、『黒雪』アルク・ロード(p3p001865)だ。鋭い目付きで強面な顔からは想像も出来ない手際の良さで、フルーツを主とした飾りつけをしていく。
それを、お手伝いとして隣にいた『不屈の』宗高・みつき(p3p001078)が驚いた顔をして見ている。
「え……なにその手際意外……しかも超カワイイ路線!?」
「あぁ? うっせ放っとけ、てそんな顔で見んじゃねえ!」
微笑まーと見てくる視線を手で払いながら、持ち込んだ石楠花の砂糖漬けを最後に乗せる。
あーだこーだと言い合う二人を、牛王は穏やかに見ていた。そして、こっそりとお礼の御萩を作り、後で感謝と共に渡そうと一人笑う。
「よしじゃあ歌うぞ、俺に続けよ?ほんと続けよ?」
完成したケーキに蝋燭を立て、火が揺らめく中三人のハッピーバースデーが流れる。不器用だけども思いのこもった歌が終わり、「おめでとう!」と二人が言うと、牛王は蝋燭の火を吹き消した。
「このような畜生の為に、二人とも、ありがとうございます」
遠く離れた恋人を想い、彼女に相応しい人間になれるようにと願いをもち、そしていずれ、誕生日の事を教えてあげるのだ。
牛王は胸の内で、そう思った。
『ルゥネマリィ』レウルィア・メディクス(p3p002910)は、誕生月ということで友人達と会場に居た。
「ポーさん、お誘いありがとうございます、です。アベルさんも、一緒に楽しみましょう、ね」
参加を企画したの、『ゆきのはて』ノースポール(p3p004381)と『破片作り』アベル(p3p003719)の二人だ。
早速という風に作り始めるスポンジは、半分に切り分けられて用意されている。
「まずはチョコケーキを作ろう!」
ノースポールが主導で作るのは、沢山の果実を挟むケーキだ。
苺、キウイ、蜜柑、巨峰。三人の好物らしい彩りも楽しいそれをスポンジの間に挟み、チョコクリームで隠してから今度は上にそれを飾り付ける。
「こちらは、水羊羹ケーキを作ります、です」
レウルィアが取りかかるのは、先程二つに分けたスポンジの片割れ。それを深めの型に入れ、とろとろの水羊羹を流し込んでいく。
「固まる前に、トッピングを……」
砕けた抹茶餡をサラサラと上に乗せ、チョコケーキで余った果物を、アベルはそこに散らす。
そうして冷やして固めた二つのケーキを前に実食ーー
「の、前に」
ケーキを切り分け、お茶と共に差し出したアベルは、そのお皿の横に小さなプレゼントの箱を添えた。
その数は、2つ。
「サプライズ、というやつサ。中身は後のお楽しみ。君の誕生日にはこの世で一番美しい物を送りたかったんだけど、それは形無いものだから」
レウルィアはともかく、まさかノースポールは自分まで貰えるとは思ってなかっただろう。
「お、おめでとうございます♪」
彼女は驚きつつも、続く形でラッピングされた袋をレウルィアに手渡し、「中身は帰ってからのお楽しみですよっ」と加えて笑った。
「ありがとうございます、です」
「どういたしまして! ふふ、どっちのケーキもとっても美味しい~!」
「はい、ポーさん。美味しい、ですね」
そうして三人は、自作ケーキを堪能していた。
見た目は三人組の少女達はしかし、騒がしさはそれ以上だった。
主軸を担うは『宿主』ブラキウム・アワリティア(p3p001442)。お手伝いをしに来たはずの『宿主』カウダ・インヴィディア(p3p001332)がなにやら慌てているのを見た彼女は、
「やぁっぱし忘れてたか。予想通りっちゃ予想通りなんだけどさぁ」
と言葉を作り、
『心待ちにしていたと言われるより納得出来るのが難しいところだがな』
彼女の呪具と会話をしていた。
それぞれが喋る不思議な呪具を持つ彼女らは、別の場所にいるグループへの差し入れとしてケーキを作っているらしい。
「……さ、とう……あっ……と、たま……ご……?」
『かき混ぜんのはグラに頼んだ方がいいんじゃねーか?』
グラ、と呼ばれたのは、『宿主』ストマクス・グラ(p3p001455)の事だ。
ちょい、ちょいとつまみ食いをしながら混ぜ合わせ担当を全うし、それぞれがそれぞれの役割を果たす三人はついにケーキを完成させる。
「想定外がありましたけど何とかなりました」
『お疲れ様だ、労働の対価は旨いか?』
「解放感と相まって最高です!」
ケーキを頬張るその姿は、幸せそうに見えた。
●
所変わって、ひたすらにケーキを食べる者達が集まるゾーンがある。
「後の事なぞ、後で考えればいい。そういうものだ……!」
体に回るクリームの油。溜まるカロリー。ぷよぷよお肉。それら全ての未来を約束されし甘味楽園を突き進む『千法万狩雪宗』仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は、有頂天を頂くテンションでケーキを食べまくる。
「んむ、是非もない」
キラキラと輝く顔を曇らせる事など、誰にも出来はしないのだ。
多分次に体重を測ったら増し増しだと思う。
もしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃもしゃ。
ただひたすらに食べる『驟猫』ヨハン=レーム(p3p001117)は、しかしこう思うのだ。
「ローレットのお仕事でカロリーを消費するので実質0カロリーです!」
もちろんそんなわけないです。
しかし鉄帝にいた頃には味わえなかった甘味を前に、その手は止まらない。
つまりカロリー過多です。
「粋な催しを開いてくれるねぇ」
そしてここにも自重しない男が一人。いや自重している方が少ないのだが。
ともかく、『Quell the Storm』銀城 黒羽(p3p000505)が行うのは胃袋へのケーキの詰め込みだ。
ぽっこり膨らむ下腹部には、想像を越えるケーキが所狭しと占領しているのだろう。
苦しさを覚えても、それを一切無視する彼のギフトにより、一時的に限界突破の押し込みを可能とする。
「ぐぅ!」
しかし効果は永続ではない。それが解けた時、彼はーー。
「生誕を祝う、ね。……なるほど、望まれて生を受ける人には、祝福の風習はあって当然か」
翳りを帯びる表情の『反骨の刃』シェンシー・ディファイス(p3p000556)は、ふっと頭を振って取ってきたケーキに向かう。
ビターなチョコ、爽やかな甘味のフルーツ、そして生クリームと食べ進める。
「甘味は好みだ。甘ければ甘いほどいい」
美味しそうに頬張る姿に、もう影はない。
派手な食べ方が目立つなか、『暴牛』Morgux(p3p004514)のそれはかなり静かなものだった。
「6月か……俺は5月の後半も後半だし、実質6月が誕生日でも……」
訂正。少しお茶目であった。
そんな彼が好んだのは、果実系のケーキだ。甘く爽やかな酸味を舌で転がし、余韻をコーヒーで味わい、またケーキの甘さを上乗せする。
「最低10個は食いたい所だな」
まるでコーヒーブレークの様な時間を、Morguxは静かに楽しむ。
そしてまた、『放浪カラス』レイヴン・ミスト・ポルードイ(p3p000066)も同じように静かな時間を過ごしていた。
周りの喧騒を眺めながら、紅茶を相方にして、ケーキの食べ比べをする。
「誕生日、か……良いものだね」
おめでとう。
ティーカップを上げ、祝辞と共に喉へと流し込む。そして注ぐ紅茶の色は、きれいな色をしていた。
「おめでとう。おめでとう、俺」
『極夜』ペッカート・D・パッツィーア(p3p005201)の独り言が、波紋を呼ぶことになるとは、この時は誰も気づかなかった。
というのは大袈裟ではあるが。
「あなた、誕生日ですか?」
聞き付けた『桜火旋風』六車・焔珠(p3p002320)がやってきた。
焔珠自身は誕生月では無いものの、既にケーキを食べているらしく、
「お祝い用になにも用意してないから……誕生日の人にケーキを食べさせてあげたいの!」
自分の事だけではなく、祝うために行動を起こしたいのだろう。
「ほほう誕生日ですか」
そして更に聞き付けた『砂漠の光』アグライア=O=フォーティス(p3p002314)が、むしゃむしゃとケーキを食べながらやってくる。
実は始めの頃にはケーキ作りの方にいたのだが、失敗したので食べる側に回ったらしいアグライアは、「これも次回のケーキ作りのための調査ですので」とむしゃむしゃを続け、
「貴方もそこの貴方もみんな纏めてハッピーバースデーですよっ。折角ですし、一緒に食べていきませんか?」
「お、おぅ……」
誘われるままにペッカートは席を寄せる。
まあいい感じに食べたら誰かにちょっかいかけるつもりだったし、と前向きに考えたペッカートは、自分のおすすめも差し出しつつ、即席のグループへ混ざっていく。
「ん? よぉ、そこのキミも食べてーー」
と、聞いた相手は、
「はー、幸せぇ~」
お皿にたくさんの種類のケーキを乗せた『魔法騎士』セララ(p3p000273)だ。
ケーキを口に入れながら、掛けられた声に顔を向けてごくり。
「え? あ、ボク? うん誕生日は6月だよもちろん6月。だから食べる権利があるの、ね?」
誰も聞いていないがそういうことらしい。
ほんとは11月なのだが。
「私は今月じゃないのだけれど、もらってしまっていいのかな?」
話が聞こえたのだろう『特異運命座標』久遠・U・レイ(p3p001071)が首を傾げていた。
手に持つ大皿には、ショートケーキやモンブラン、ロールケーキや形容しがたい謎ケーキまで乗っかっている。
「あ、えっと……私一人じゃ食べきれないから、一緒に食べない?」
……みんなで食べた方が美味しいらしいし。
図らずも大勢になったグループは、とりあえずケーキを食べまくることになった。
そしてこちら、図って大勢で集まる軍団がある。
始まりの合図は盛大に、弾けるクラッカーの音が鳴り響く。
それをしたのは、『方向音痴』ノーラ(p3p002582)と『輝きのシリウス・グリーン』シエラ バレスティ(p3p000604)の二人だ。
「ユーリエお姉ちゃんと……セティアお姉さんとぶひはおめでとう」
「いやカピブタは違うよ!? 二人共、お誕生日おめでとうございま~す!」
祝いの言葉とツッコミを述べつつ、シエラは用意したプレゼントを差し出した。
それは、完熟ドラゴンフルーツジャムを乗せたパンケーキだ。丁寧にもその上にはネーム入りのチョコも鎮座している。
「お、をお、やばい」
祝われる主役の『トータルパンツコンサルタント』セティア・レイス(p3p002263)は、「すーぱーありがとう」と謎の表現を踏まえつつ喜びを表す。
「パンケーキ! まじぱなくおいしそう」
「まじぱない? まじぱないの……」
ノーラは新しい表現を覚えた。
さておき。
「二人とも誕生日おめでとう。今日は二人が主役だな」
手作りのイチゴジャムをプレゼントに、『慈愛の恩恵』ポテト チップ(p3p000294)は給仕を受け持った。
執事に扮して一緒にその役割を分担する『銀閃の騎士』リゲル=アークライト(p3p000442)も、苺に苺と苺をメインにしたケーキで苺尽くしを意識してひたすらに運び回る。
「大好物で賑やかにお祝いだ! ドリンクも欲しければ言ってくれな?」
「わ、ぁ……!」
セティアと一緒に主役席に座る『笑顔の体現者』ユーリエ・シュトラール(p3p001160)は、どんどん運ばれてくる苺に目を丸くしながら、本当にこんなに食べていいの? と驚きながら、どんどんとケーキを口に運んでいく。
「こうやって皆で誕生日を祝うの、いつぶりかなぁ……」
と、そんな事を思う。
騒がしくも賑やかに、たくさんの仲間と祝う。そんな、いっぱい嬉しい気持ちになる日に、大好物の苺をたらふく食べる。
「ハッピーバースデー、ユーリエさん!」
苺スイーツのご相伴に預かりながら、『白衣の錬金魔導士』セリカ=O=ブランフォール(p3p001548)は自分も用意したプレゼントをユーリエに。
「よかったら、受け取ってもらえたらっ!」
それは、ホワイトチョコで作ったプレートにチョコで文字を描いたもの。ケーキに添えて、
「旅に出てから色々あったけど、それを明るいものにしてくれたユーリエさんにはとっても感謝だよ! だから、新しい一年を明るいものにするお手伝い、していけたらいいなっ」
感謝と共に差し出すのだった。
「……しかし、見事に赤と白ばかりだな」
大量の苺に気持ち悪くならないの? とは心の中でぼやく『太陽の勇者様』アラン・アークライト(p3p000365)は、満ちる甘い香りに若干引いていた。いやいや、嬉しそうにしてるし、これはきっといいことなんだろう。そう思うことにし、
「ん? アランおじさんどうかしたのか、ケーキ美味しいぞ?」
ノーラに差し出されたケーキを見つめ、言いたいことは飲み込んでそれを口にした。
「アラン……頑張れ……」
こほん。
一息を入れ、ポテトは主役に向き直る。
「ユーリエはいつも明るくて、飛び抜けた発想力がすごい。セティアは特有のテンポと面白いことへの探求心と実行力が面白い。
二人とも今のまま長所を伸ばして、のびのびと楽しく一年を過ごして欲しい」
そんなお祝いの言葉に、乗っかったのはのはリゲルだ。
「ユーリエとの付き合いも長くなるな。沢山の人達の為に動いて、笑顔に変えていった。セティアは聖剣騎士団のムードメーカーでいつも楽しい。日々賑やかが一番だなっ」
思い返すいつもの日常は様々で。
「まだまだ先は長い。色々な国への冒険も、個性豊かなアイテム作成も……これからの活躍、楽しみにしているなっ!」
リゲルは笑ってそう言い、そしてアランも。
「ま、混沌を取り巻く破滅問題はまだ何一つ解決してねぇし、これからもお互い頑張ろうぜ」
とんでもねぇ経験ばっかしてきたなァ。と、そう思い返しながら、一言を添えるのだった。
「こほん」
たくさんの言葉をもらった。だからと言うわけではないが、ユーリエは咳払いを一つ入れ、
「もっともっと、皆の役に立てるように。
そしてもっと、皆を笑顔に出来るように。
より一層、頑張っていきます!」
17歳の抱負をここに宣言した。
「え、あ、を。
……立派な騎士、がんばる! たぶん」
いやそこは言い切れよ。
やばいなにも考えてなかったと、慌てて抱負を言うセティアにツッコんだ後も、苺フェスタはずっと賑やかなままだった。
別グループから差し入れのケーキをもらい、テーブルや周囲を飾り立てる『宿主』アーラ・イリュティム(p3p000847)は、不思議な喋る呪具と共に忙しない。
「やはり、誕生日を祝うという企画だけあって色々揃っていますね」
『定番のパーティ用品から燭台まで幅広くあるのは素晴らしい』
着々と出来上がる会場の風景を眺めながら、誕生月である『宿主』オルクス・アケディア(p3p000744)はふと思った。
「…………言われてみれば誕生日でしたね」
『それくらいは覚えておきたまえよ、我が契約者殿』
そもそも今年で幾つになったのか。それを呪具が知るわけもなく、忙しそうなアーラに聞くわけにもいかないと、『宿主』コル・メランコリア(p3p000765)に問いかけてみる。
「さぁ……? これま……で……祝う……余裕も……なかった……」
『少しは気になったりするものではないのか?』
どうやら答えは謎のままらしいが、本人達は気にしてないようなので、きっとこれはこれで良いのだろう。
「それでは、僭越ながら」『音頭は我らで取らせていただこう』
アーラ・イリュティムの声に、二人は顔を向ける。
「ティアは誕生日おめでとう!」『今年一年がいい日々であることを願おう』
●
透明感のあるドレスに身を包む『『幻狼』夢幻の奇術師』夜乃 幻(p3p000824)は、静かに立っていた。
普段の男装姿からガラリと変えた彼女は、華やかなメイクを施し、お洒落をして待ち人を待つ。
「幻」
程なくして掛けられる声は後ろから。
良く知る人の声だと振り替える幻は、咄嗟に目を逸らした。
「ジェイク様……」
恋人である彼の名を呼び、もう一度見る。
整った身嗜みに、黒のスーツを着こなして自分を見るその姿に、彼女の鼓動は跳ねていく。
「行こうか」
誘われるままに行くテーブルには色とりどりのケーキと紅茶が用意されていて、幻は驚く間もなく状況は進行していく。
『『幻狼』灰色狼』ジェイク・太刀川(p3p001103)が引いてくれた椅子に腰掛け、目の前には取り分けられたケーキと注がれた紅茶。隣には愛しい恋人。
……ああ、これは重度の恋の病でしょう。
と、幻はそう思う。
「誕生日おめでとう」
胸で煩くする心臓の音は、そう囁かれる言葉に速度を増していき、ぼんやりと口に蕩けるケーキの味はとても甘い。
そんな夢見心地でいたからだろう。
「クリームが付いてるぜ」
と、そんな指摘を受けてしまう。
どこに付いているのかと確認しようとする幻をジェイクは遮り、頭を抱くように引き寄せ、
「ここだ」
唇を奪い、口元を舐め、悪戯を成功させたといわんばかりに笑う。
二人のパーティーはまだ、始まったばかりだ。
「はっぴーばーすでぃ……?」
生誕を祝う。その行事的な事を不思議に思う『生誕の刻天使』リジア(p3p002864)は、首を傾げていた。
よくわからない。
そう思うが、『其の力は誰が為に』冬葵 D 悠凪(p3p000885)がフォークに乗せたケーキを差し出してくれば、それをはむっと頬張る。
食べていいのなら食べる、そういう感覚で咀嚼し飲み込み、口の中が空いたらまた冬葵に食べさせてもらう。
「お前は食べないのか、冬葵」
食べる自分をにこやかな笑顔で見ている冬葵を、リジアは不思議に思う。
「……謎だ。お前は変だ」
人に食べさせて満足するなんて変だ。生き物というのは難しいのだな。
そんな事を思いながら、リジアはまた差し出されるケーキを口に入れた。
マルク・シリング(p3p001309)は、執事だ。
といっても本物というわけではなく、本日限定の、である。
「ちょっと早いけど誕生日おめでとう。今日はアンナさんが主役って事で、1日執事として仕えさせていただきます。お嬢様?」
と、そう言う先は『断罪の呪縛』アンナ・シャルロット・ミルフィール(p3p001701)だ。
マルクの言葉に一瞬驚いたアンナだが、
「ありがとう。何で執事服なのかと思ったけれど、そういう事だったのね」
「あ、プレゼントは準備中って事で……誕生日まで待っててね」
折角だから付き合ってみましょう。お友達に執事させるって変な気分だけれど。
そう思い、給仕は任せてというマルクに、
「ええと、モンブランとザッハトルテとブラウニー。ああ、紅茶はウバでお願いするわ」
いきなり頼みすぎたかしら……?
早速取りに行ったマルクの背中を見て考える。
「お嬢様に仕える執事なんて、大体わがままに振り回される存在なのに。また変わったものをやりたがるわね」
「実は僕も、一度やってみたかったんだ。お嬢様に仕える執事役」
見事に持ってきたケーキを並べながら笑顔のマルクに、アンナはなるほどと納得の頷きを一つ。
そして、
「それじゃ、命令をもう一つ。貴方も座って主人と共にお茶を楽しみなさい?」
「……それは、想定してなかったな。お言葉に甘えて、お邪魔させていただきますよ、お嬢様」
意趣返しを果たしたアンナの顔は、笑顔だった。
「ケーキ食べ放題と聞きましたにゃ!」
皿に山盛りのケーキを乗せた『ふわふわにゃんこ』小鳥遊・鈴音(p3p005114)は、ひょいパクッと器用にシュークリームを食べながらつまむ。
「はぅっ! このシュークリーム美味しいですのにゃ♪」
ルンルン気分に鈴音の猫耳と尻尾も上機嫌で揺れていた。
「とってもすてきで、とってもおいしいの……っ」
近くのテーブルでは、『ティカップで眠る』リピィー・スー(p3p005001)が取ってきたスイーツを前にテンションを上げていた。
「タルトも、プリンも、マカロンやシフォンも……っ」
蕩けそうなほっぺたを片手で押さえて甘さに口を綻ばせる。
「……はっ! あ、あれはいちごのショートケーキなの!」
「あ!あんなところに大好きなショートケーキが!」
そして図らずも、二人は同じものを求めた。
一直線にケーキへ向かう二人は、トングを手に持ち、取ろうと伸ばしたところでかち合う。
「……?」
おや?
と見合った二人は一瞬の後、
「リピィーさんですぅ!?」「す、鈴音さんなの……!」
まさか知り合いと鉢合わせるなんて思っても見なかったのだろう。わたわたとしながら、どうしたものかと考え、
「えと、あのね」
恐る恐る、勇気を出して、
「いっしょにティータイム、しませんか?」
というリピィーのお誘いに、鈴音は満面の笑みを溢してぶんぶん頷く。
「勿論喜んでですぅ! 仲良くして欲しいです♪」
同じテーブルに着いた二人は、ショートケーキを半分こにしてわけあいながら、楽しくパーティーを遊んでいた。
●
おとなしいのはここまでです。
ここは戦場。
甘さなんて一欠片も存在しない。
「……」
すでにそこには死体(死んでいるとは言ってない)がある。
かつては金の髪を持つ狐的な少女だったそれは、名を『悪い人を狩る狐』ルルリア・ルルフェルルーク(p3p001317)と言う。
そしてその側には、スタイリッシュないすばでぃ(だった)『無明一閃』長月・秋葉(p3p002112)の姿もそこにある。
二人はもしかしたら、別の場所、別のグループで待ち合わせをしていたり、幸せに遊べたのかもしれない。
……だが……迷い込んでしまった……っ。この戦場……容赦のない……パイ投げ戦争に……!
「ハッピーバースデー! おいわいといえばケーキ投げだよね! きゅーあちゃんも知ってる常識! えらい!」
ドヤ顔の『人 工 無 能』Q.U.U.A.(p3p001425)はテンションが高い。ちなみにお祝いにケーキは投げませんよ普通。
それはともかく、このために持参したクリームパイで彼女の気合いは十分。
集まった(集まってしまった)ソロ参加者の群れへ飛び込んでいく。
『特異運命座標』社守 虚之香(p3p005203)も単独参加者の一人だ。どこへ行くのか、どこを目指すのか。ぐらびてぃーなちぇいんとか使う世界はいいのかわからないのでここに来ました。
そんな事情はさておき、参加したからには彼女も投げるしかない。だってパイ投げだもん。
「なにか趣旨が違う気がするのは気のせいかしらね?」
「混沌世界の情報屋はオチをつけないと気が済まないわけ?」
もちろん気が済みません。
『宿主』サングィス・スペルヴィア(p3p001291)と『宿主』コルヌ・イーラ(p3p001330)は、とりあえず無関係、周囲の人を巻き込まないようにと配慮した上で、
「シャワー、浴びれるのよね?」
サングティスからコルヌへとパイがぶっとんだ。しかしコルヌはそれを空中で破壊すべく、オーラをぶちこんで
「……」
弾けとんだクリームが飛び散った。
「私の知らない世界ではぁ、こういう祝いかたもあるのでしょぉか」
「まぁ、限りなくその可能性は低いですよねぇ」
独り言のように見える『宿主』レーグラ・ルクセリア(p3p001357)の言葉、実は呪具さんとのお喋りなのだが、端から見たら三点リーダなので何を言っているのかは外部にはわからない。
わからないが、流れ弾を装って投げられたパイをぶちこまれて真っ白になったのはわかる。
「……いったぁい」
現実は非常なのだ。周りからも飛んでくる事もある。この空間ではそれが起こりうるのだ。
「誕生日なんて、とても長い間祝ってなかったな……」
そんな喧騒を前に、しみじみと『骨じゃない方』トト・ドゥンケル(p3p005461)は言う。そして食べるケーキにはいつも連れ立つ頭蓋がギュンっと顔を突っ込み、
「ウメェェェェェェ!」
食い荒らす。飛び散るクリーム。汚れる衣装。笑うドクロ。キレる若者。
「ははははそんなにケーキ好きならこれでも食ってろ!」
トトがフルスイングでぶん投げるパイを、頭蓋はふわりと避ける。
「盛大なパーティー、楽しいね! やぁ、ここではなに」
ルンルンスキップでやって来た『麗しの王子』クリスティアン=リクセト=エードルンド(p3p005082)を、トトのフルスイングパイが襲う。
さようならイケメン王子。
誰かがそんなことを呟いた気がする。
気のせいかもしれないが、とりあえず、クリスティアンはそのまま退場となった。
「ケーキなどは何時でも食える。そうは思わぬか? いやそうなのじゃ。しかし、パイ投げは違う、そうそう出来るものではない、故に」
ルア=フォス=ニア(p3p004868)は仁王立ちして声を作る。
「故に! 儂はパイ投げにぼっち参戦するのじゃぁ!」
他人等ただの標的、望むまま、思うがまま、愛のままにわがままに暴れまわるのだ。
「全てを白で塗り潰すワンマンアーミー……それが儂じゃ! ふはははは! 怯えろ! 竦め! パイの性能を活かせぬままに死んバァー!?」
「イエー! 投げてくんないならこっちが投げるよハッピーバースデー!」
ルアは『スカベンジャー』ヴィマラ(p3p005079)の放つパイを顔面に受けた。
服は汚しちゃいけないぜ、顔面ならセーフだ!
という理論らしい。アウトです。
「ええい巻き返しじゃ! 儂のパイを喰らえッ!」
ぶおんっ!
とぶん投げるパイは、明後日の方向へ行き、
「へぶしっ!?」
イーディス=フィニー(p3p005419)にぶち当たった。
「……別に、ストレスたまってるわけじゃねぇけどさ」
ゴゴゴ。汚れた顔でにんまり笑顔のイーディスは、両手にパイを持つ。
「こんな面白そうなモノ、参加しなきゃ嘘だろ! てめぇさっきはよくもやりやがったなぁ!」
「はっは、長く生きてきたけど人生ベスト10に入る楽しい誕生日だったぜ! さらば25歳、待ってろ27歳よろしく26歳!」
明るく笑うヴィマラは、来年はより素敵になってやるぜ!
と叫んで、全員で暴れまわっていた。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様でした。
とてもお疲れ様でした。
お疲れ様でした。
GMコメント
あーーーーースイパラいきてえなぁーーーーーー!
ユズキです、お誕生日おめでとうをしつつケーキ食べようぜ! って話です。多分。
【目標】
なんかもう遊ぼう。
【やる事】
A.ケーキを作ってむしゃむしゃする
とりあえず大体ケーキを作るのに必要なものは準備できてます。
スポンジ生地とかも色々あります。生クリームいっぱいでいっぱい美味しい! とかしてもいいです。
詳しくないので詳しい人は「これはここにあるのだ」って断言してくれればいいです。
ゲテモノ以外は。
B.ケーキを食べてたべて食べる
既に完成しているケーキをひたすら食う。
どれだけ食べてもいいですし適度に止めてもいいです。
ケーキの種類に詳しくないので詳しい人は「これはここにあるのだ」って断言してくれればまあ大体あります。
多分。
C.パイ投げ
失敗作をぶん投げてストレス発散するだけ。
需要があるかはわからないので多分グループ向け。
ボッチだと、遊園地の複数人アトラクションに一人で入って全く知らない他人と組まされて一人居心地の悪い空気を味わうアレになる可能性が有るのでお勧めはしません。
【その他】
・1PCにつきA.B.Cのどれか1つに参加できます。複数を書いたら良く分からなくなるのでよくわからない描写になるので遠慮ください。
・描写は可能な限りがんばります。が、人数多いとさっくりになります。その点ご了承ください。
・同行者がいる場合、【プレイング冒頭】にID+お名前か、グループ名の記載をお願いします。
・甘い雰囲気をご所望の方は、さらっと書いておくとそっちにシフトします。
・単独参加の場合、他の方との掛け合いが発生する場合があります。特にパイ投げ。
完全単独での描写をご希望の方はプレイングに明記をお願い致します。
・白紙やオープニングに沿わないプレイング、他の参加者に迷惑をかけたり不快にさせる行動等、問題がある場合は描写致しません。それかパイをぶつけます。
・アドリブNGという方はその旨プレイングに記載して頂けると助かります。
・アドリブOKだと割とのびのび書きます。
それでは、皆様の参加を待ちつつ焼肉食べます。
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