シナリオ詳細
<希譚>[データが削除されました]<呪仔>
完了
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オープニング
●澄原水夜子からの依頼
こんにちは、と微笑んだ彼女の名前は澄原水夜子。澄原病院に所属している少女だ。
年の頃は10代半ばだろう。あどけないそのかんばせに乗せられた余裕たっぷりの笑みは、此度の事をある程度把握しているからこそなのかもしれない。
澄原病院院長、澄原晴陽やその弟と同じ色彩の髪と瞳を持っている彼女は澄原の血を感じる。
だが、所詮は分家である。決して『その才能を認められることのない』位置に存在し、最初から諦めることを強いられた娘。
故に彼女は諦め慣れているからこそ人が最も死ぬ前線に立っているのだろう。
「まあ、生きてもらうのが一番なんですけどね」
真性怪異という存在の前で何かを生かすというのは中々に難しい。
そもそも、それは人間が蚊や蟻といった虫を容易く殺す事と同義なのだ。神様であると認識する真性怪異が人を殺すのは蚊をぷちりと潰す感覚でもあり、列をなす蟻に如雨露の水を浴びせる様な、そんな感覚でもある。だからこそ、それを『責めることが出来ない』と水夜子は考えていた。
「生き残りたいならば抗う事しかないというのが前線です。残念ながら、私と、それから希望ヶ浜の皆さんはそうした立場なのです。
まあ、それは希望ヶ浜に居ようともローレットに居ようとも同じことなのかもしれませんね?」
どちらにしたって命がけ。そう言った水夜子がイレギュラーズを呼び足したのは『石神駅』であった。
「さて、今日は肝試しをしようと思います」
時刻は22時を過ぎる。彼女の隣に立っていた音呂木・ひよのは何処か神妙な顔をしてから「ええ、まあ」と濁った口調でもごもごと言葉を繋ぐ。
「そう言えばとてもライトなものなのですけれどね」
「えっ!? 肝試しして石を拾ってくるだけじゃなかったの!? なじみさんはそう聞いていたけど……」
「まあ、そうと言えばそうですね。ですが、そうじゃないといえばそうじゃない。
拾ってきていただきたいのは石神山上ダム付近に存在する『来名戸村の石』です。
嘗ては来名戸神社の中に存在した物がダムを造る際に周辺に廃棄されたもの、だと認識しています。
此度のゾンビ騒ぎの原因と言いますか……まあ、『お嬢さん』の力が此処まで強いのは、来名戸神の欠片が現世にも存在しているからではないか、と」
ひよのの傍らでぱちりと瞬いたなじみは「難しい事は分からないなあ」とそう言った。猫の耳を揺らした彼女は「いけないいけない」と帽子をかぶりなおす。
「寒くってね、耳が冷えちゃうぜ」と冗談のように笑った彼女は『夜妖憑き』である事を一応は隠しておきたいのだろう。
「来名戸神の欠片をある程度拾って、それをすべて浄めます。そうする事でお嬢さんの力が弱まって現世からある程度『断ち切る』事が出来るだろうと考えたのですが……どうも、夜の方が『どれがその石なのか』が分かるようでして」
「……肝試し、となったと」
ええ、と水夜子は微笑んだ。苦い顔をしたひよのは肩を竦める。
肝試しを楽しんでついでに石を拾ってきてくれればいいというのが今回の目的なのだろうが――それにしたって、色々とどうかしている事態だ。
石神地区にはゾンビや怨霊と言った様々なもの――悪性怪異:夜妖と分類しよう――が暴れまわっているのだ。それの対処に追われている。それを収束させるために、自分たちから夜に、その膝元に飛び込んでいこうというのだから。
「危険性は?」
「……あまりないかと」
水夜子の言葉になじみは首を傾ぐ。なら、ひよのは何を緊張しているのだろうか。
「ええと、いいですか。音呂木神社のお守りや鈴を皆さんに持ってもらいます。
どうやら来名戸神は私――いえ、音呂木が嫌いなようなので、これを持って居れば連れていかれることはありません」
「もしも失くしたら?」
「責任を取りません」
「あっちゃー……なじみさんみたいになくさなければ大丈夫だよ!」
にんまりと微笑んだなじみ。ひよのは小さく咳ばらいを一つしてから「まあ、無くさなければちょっと怖いだけの肝試しで済むはずです」とそう言った。
- <希譚>[データが削除されました]<呪仔>完了
- GM名夏あかね
- 種別ラリー
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年03月07日 22時05分
- 章数2章
- 総採用数66人
- 参加費50RC
第2章
第2章 第1節
[澄原水夜子からの情報]
●帰り道
――とおりゃんせ とおりゃんせ……。
石を拾った。それは、簡単なことだった。
どうしたことか道端に落ちていた石がそうであると認識できたからだ。
●行動
2章は『帰路』となります。皆さんはどうしたことか其れを拾うべきだ、と認識して石を拾いました。
石を拾い上げて、帰る為に念のために、大木の傍をぐるっと回りました。振り向くという行為をしていないからです。
帰り道は何かの気配が濃くなります。
背中に何かべたりと張り付いているようなダルさと重さです。
それに苛まれぬようにゆっくりと、ゆっくりと進んで下さい。
また、水夜子が待っていたために『一度何かあった方』も意識を取り戻して進むことが可能となります。
「振り向かなければゾンビ退治で済みそうですね」
水夜子はそう言います。石を拾ったからでしょうか、やけに明るく見える道にはぽつぽつと影が見えます。
それが石神地区で想定される敵勢対象であるのは確かでしょう。
・ゾンビ
・何らかの心霊的存在
それが、皆さんの敵対対象です。前者は通常の戦闘で打倒することが可能ですが。後者は……。
第2章 第2節
「これが『俺が拾い、持ち帰るべき石』か」
アーマデルはそう呟いた。ハンカチに包んだ石ころは何処か重たくも感じられる。ポーチの中に丁寧に補完してから山を下らんと『振り返らず』に脇の道へと入る。
「肝試しは行きより帰りの方が危険なもの……誘い込んでからが本番だからな」
そう、小さく呟いた。小麦色の肌の少年はフードを被って山道を下る。
「僕たちが行きに通ったのは、ここへ来る人達の中でほぼ最後……なのかな。
先に行き、戻る人達とすれ違う事は無かったと思う、けれど……『振り向いてはいけない』から、違う道を通って帰ったのかな?」
小さく呟いてからアムルはやや悩ましそうに首を傾いだ。黒き翼を撫でるような冬にしてはやけに生暖かい風がアムルを包み込む。
ツェアシュテーラーを構える前に、アムルは拾い上げた意志を小さな巾着袋の中へと入れた。お守りの鈴とは逆の方向に分けたのは敢てである。
「気配が、する……避けられないかもしれないから、戦う時に、落さないように」
――そう、何かの気配がするのだ。それは、前を行くアーマデルの背を見つけたからではない。もっと『何か』が居る』という気配だ。
「おにくの気配を感じ取ったのでお散歩しますよ。え。なんですかこのザワザワ、私のハギスを勝手に取らないでくださいよ!!!」
頬を膨らませたのはもつだった。『おにく』の気配を感じ取り拾った石をポケットの中に詰め込んで『おにく』の事を考える。
「霊魂疎通、操作でちょっとつつくのも楽しそうですが我慢しましょう。私はおにくを食べにきただけなのです」
もつが言う『おにく』とは石神地区でよく見られるようになったゾンビ達の事なのか、とアムルは頷いた。
「矢張り来たか」と呟いたアーマデルは鞭剣を構える。落ちてた定期入れをどうしたことか所有していたアーマデルの周辺にぞろりと姿を見せたのは無数のゾンビ。
「行きはよいよい帰りはこわいなんて言いますけど、帰りしかないのはどういう事ですかね?
ええい。私は何も聞いてませんし見ていません。嫌な予感からはさっさと離れるに限ります」
もつが破滅的おにくなホイップクリームを粉砕してぐっちゃぐっちゃにする傍らで、アムルは空へと飛び上がった。空ならば振り切れるかも知れない。
直接的な危険が少ない様に、そして『下』を余り見ぬようにと空からの援護攻撃を行ったアムルに気付いて、アーマデルは自身の前に『彼が見えてない何か』が居る事に気付いた。
(霊魂、か……)
「なあ」と口を開いたが名を呼ぶことも、問うこともしなかった。だが――その存在を見た彼の懐の鈴はばきり、と奇妙な音を立てたのだ。
成否
成功
第2章 第3節
「特に何事もなく、目的のものは手に入った、な。ただの石に思えるが……ふむ」
それでも直感が『これ』だと告げていたのだとエクスマリアは呟いた。どうしてそれを選んだのかは分からないが、これであると直感的に認識したのだ。
拾った石をじぃと見詰め、手元で弄びながらエクスマリアは返ろうかと帰路を辿らんとして――何かの気配に気付いた。
「おいおい。面倒くせェ歓迎なんざいらねェんだよ」
山賊刀を握りしめたグドルフの声が聞こえたのだ。金の髪を揺らしたエクスマリアが脇を覗き込めば無数のゾンビを相手にするグドルフが立っている。
「ちっ。わざわざ振り向かねえとかいうクソめんどくせえ縛りに付き合ってやってんだ。
ムズ痒いったらねえぜ。お陰でケツも掻けやしねえ。おい、死に損ないどもがよ。ちったあイイ運動相手になってくれんだろうなあ?」
――振り向いてはいけませんよ。
その言葉を思い出す。この肝試しで多少のタブーを犯しても『鈴』が何とかしてくれるとはひよのが言っていたが、其れでもルールは護る方が安全だ。
グドルフは面倒なルールにも付き合ってやってるんだとゾンビ達へと飛びかかった。
「あぎゃーーー!」
叫び声がしてエクスマリアとグドルフの動きがぴた、と止る。
「ひぇぇもうむりもうむり! そろそろ怖かった事にしないと……誰かと合流してさっさと帰ろ! ってかなんかすっごいダルいんだけど!ㅤ会長なんか憑けちゃった!?
あーっと! そこのキミ!ㅤよかったら一緒に帰らない?ㅤ会長一人で来たんだけど、ちょっと怖くなっちゃってさ。ほら、会長って怖いの苦手じゃん?ㅤ膝も大爆笑してるし! ――って違うゾンビウワアアアアア」
茄子子である。石を握りしめて「助けてー! 会長一人はやだよー!」と叫んでいる彼女にグドルフは「澄原の野郎が見たかったギャアギャア騒ぎか?」と頬を掻きエクスマリアは「ゾンビと帰るのか」と首を傾ぐ。
「違うよ! イレギュラーズに話しかけたんだよ! 助けてー!?」
「……構わない」
「皆怖がり!?」
「ンな訳あるかよ、死に損ないなら斃してやるぜ! 天下の山賊サマに怖ェモンなんざ無ェってこった! ゲハハハッ!」
安全地帯だと言うように茄子子は安心したように笑った。
グドルフが打ち倒す中でエクスマリアは波濤魔術でを駆使して『波』を操り揺蕩い続ける。ふと、魔術の使い手、唄を好んだ彼女を思い出して唇が動いた。
――通りゃんせ 通りゃんせ。
その訥々とした歌声を聞きながら茄子子は二人の背に隠れながら唇を噤んだ。
(なんだろ、結局私は誰も信じちゃいなかったって事なのかな。……あー、私の答え、ちゃんと伝わったかなぁ)
成否
成功
第2章 第4節
「行きはよいよい帰りはこわい こわいながらも とーりゃんせとーゃんせー……合ってたっけ?
オキニの石ちゃん持って帰るだけだったハズなのに。こりゃ一服盛られましたなあ! 助けて水夜子ちゃん!」
「憤懣やるかたない、略して『ふんかたない』と叫びながら殴れば私に頼るよりも良い結果を得られるのでは」
微笑んだ水夜子。彼女と同行していたラダは依然として落ち着き払った彼女と石を見比べる。如何したことか、落ちていた石を拾い「此れだ」と認識したのだ。
(妙だな。私にこの手の才能はない。私自身が見つけ出したものではない、はずだ。……ならばこの石は握らされたと考えるべきではないのか?)
首を捻った。そんなラダの視線に「怪異の前では些末な事でせう」と単調な口調で返した水夜子。
文は年若く見える彼女が落ち着き払っている様子を見て僅かな驚愕と安堵を覚えていた。年の頃は10代半ばにも見える彼女は表情一つ変えやしない――それだけ怪異に携わり場数を踏んだと言うことか――彼女が落ち着いて居るお陰で強がることが出来ると左ポケットの石を確かめた。
「現世に執着しているのはお嬢さんの方だっけ。
彼女と対峙する人たちの為にも、少しでも現世への影響を削げれば良いな。しかし浄化するとは言えこの石を山以外の場所に集めても良いのだろうか?」
「その為に音呂木さんを連れてきてますし、石神という地域から出なければ影響を及ぼしません。寧ろ、我らの布陣は盤石ですよ」
ふふんと胸を張った水夜子。彼女がそう言うのならばそうなのだろうと文は小さく頷いた。
いや――そうは言われても、である。
「油断はない。油断はない、が……まあ、お使いみたいなもんだよな。
お守りは無くさないよう、ポケットにしっかり入れて、と。せっかくだ。持てるだけの石を持って帰ってやるか!」
どでかいリュックサックを背負っていた風牙が「ちょっとタンマ」と一度しゃがんでから立ち上がる「どっせーーい!」の声に秋奈が「ビャッ」と声を漏らす。
「え? え? 何さ何さ!?」
「石をたんまり持って帰ってやるからな!」
振り返ったらダメという話を友人が話してくれていたのだから其れを信じない風牙ではない。進み行けば、立っていた水夜子が「大量ですね」と『人間だと認識した上で』微笑む顔を見て風牙はぎょっとした。
「水夜子。一つ良いか? 先に聞いておくが自衛はできる方か? できない前提で動くつもりだが、もしもの時は1人で逃げろよ」
「承知致しました」
澄原と声を掛ければ『水夜子と呼んで下さいよ』『澄原じゃ、たんまり居ますよ』『全員、はーいって返事しますよ』と彼女が捲し立てる故にラダはその名を呼び捨てた。
「――振り向かなければいいんだろう?」
「ええ、泰然と進みませう! Let's 山下りです」
楽しそうである。寧ろ彼女の本来の出番が『石を集めた後の除霊』であるかのように、だ。
「よーし! スミハラミヤコ! 除霊の準備は万端かー!」
「任せろ、ばりばり」
「それはやべーやつっしょ!? 水夜子ちゃん! 私ちゃん、ふつーに肝試ししに来たらアレでアレだったし!?
まー、うんうん。音呂木の巫女(見習い)として、除霊(物理)しちゃいますかー!」
淡々と言葉を重ねてくる水夜子に風牙と秋奈は前より訪れるゾンビに気づき身構えた。
音呂木神社のお守りを手にしながら文はふと、気付く。
『現世に執着する』女を、『現世の人間が迎えに行って』、『あの世と切り離すように除霊をする』
よく霊魂の未練を解決して円満に事を終えようという話があるが、ひょっとすれば――ひょっとするのだろうか?
そもそも、お嬢さんは『真性怪異』により生み出された『神の端くれ(まがいもの)』なのだ。悪性怪異として倒せる可能性が――?
成否
成功
第2章 第5節
「騒がしい連中だな。最も我々に『その』面は見えぬ聞こえぬの戯れだが。
兎角。我が身を貪る、齧る為に蠢くならば相応の食欲を晒し給えよ。しかし肉、綴には少々テンプレートか。Nyahaha!!!」
オラボナは笑っていた。物語(かのじょ)は助けを呼ぶ声を探るように意識を立て、ずんずんと進み続ける。
最も――人ならざる者には耳を傾けないとその意識は忘れずに、だ。
貌に浮かんだのは三日月。爛々と心を躍らせるように進むオラボナの前に現われる『実にイレギュラーズの仕事らしい』ゾンビ達。
それらの前では壁の中の鼠一匹通さぬと盾になるように身を張り続ける。
「夜鷹は飛ばないのか」
囁く言葉に重なるようにがさり、と音を立てた。
振り返らぬように、応えぬように、『認識(き)』かぬようにと進んできたミーナは感情を押し殺し、何かの気配に気付かぬふりをして山を下っていた。
「流石にここまで酷いと私でも気持ち悪いとは思うな。……中々ねぇよ、千年生きた私にここまで言わせるものは」
奇妙なものだ。お嬢さんという存在が一途な愛で生まれましたと言われてもそうそう納得は出来なさそうである。
後方には何かの気配。前方にはオラボナとゾンビが揃い踏み。
「で、ゾンビのおでましかい。まあこの程度なら……!」
地を蹴って、希望の剣が放ったのは舞踊る光の刃。その黒翼が光を帯びて、オラボナを癒し、舞い散った羽がゾンビを傷付ける。
それは容易な状況であった。
心霊現象が起こる山であるとミーナは認識していた。ゾンビが出るという事も予見していた。
そもそも、この山がそういう所であるとミーナは『分かっていて』進んできているからこそ対処が容易だったのだ。
そう、自らの意志で山を登っていたなら――だ。
(気が付いたらなんかここにいたんだけど、まあそういうこともあるってことにしとこ。石を拾って帰る。うん、何もへんなことは無い)
何も変なことはない、とかぐやは繰り返す。
『あーしはあーしだ。爺ちゃんから石神地区の話なんて、覚えてちゃいけないことなんて聞いちゃいない。
聞いちゃいけないことは聞かないっていうのは、そういう「しきたり」があるっていうのはちっちゃい頃からずっと守ってきたこと』
それがかぐやが此の地に立っていても『そういうものだ』と納得できた理由なのだろう。昼子神社に仕える彼女にとって音呂木と踏み原の揃い踏みは妙な心地なのだ。
(……澄原さんとこについてだって、そういうのに詳しい人達は話したりしない。
うちらたちはただ、目の前の異なりだけを断つんだって。見えなければ聞こえない。聞こえなければ見えない。
お化けなんてそんなもん。まあ、何か持って帰ってたらお爺ちゃんに払ってもらおっと。――お爺ちゃんの所に帰らないと)
かぐやは小さく溜息を吐いた。目の前で斃されていくゾンビ達。自身に火の粉が来ないならばそれさえ『見て見ぬ振り』をして居たいのだ。
成否
成功
第2章 第6節
「どうしてこうも体が重いんだ……石か? 石のせいなのか?! 投げ捨てたくなるな……」
呻いたランドウェラにシキはたしかに、と頷いた。如何したことかは分からないがだるさが拭えずに居る。それでも折角来たのだから目的である石は持ち帰りたい。
「なんだかちょっと気配も不穏だけれど……振り返ることも許されないのなら。ゆっくりでも、進むしかないさ」
二人揃っての帰路。遠く、喧噪が聞こえるが他の誰かが来ているという事だろう。聞き覚えのある声もするが其れを確かめるために振り向くことも叶わない。
「大丈夫かい? 体重くない? 抱えてあげようか?」
「おや、君に抱えてもらえるなんて光栄だけれど? ふふ、大丈夫さ!」
自身の方が体が大きいから、と揶揄うように笑ったランドウェラにシキも同じような笑みを浮かべる。和やかに山を下る二人は小粋なジョークを重ね合わせることで背後から感じる気配に気取られることはなかった。
「まあ、冗談はともかくシキがいてくれてありがたい。1人だと帰れなかったかもしれないから」
「私もランドウェラがいてくれて助かる。1人よりは2人の方が気分がいいからね!」
こんな位山だ。ばたばたと誰かの走る音や話し声がするだけでも悍ましくなるという者だ。お守りに鈴、肝心の石だって忘れては居ないと笑ったシキにランドウェラは「ゾンビが居るんだ。霊魂もいるかも知れないからこんぺいとうをここに置いていこう」と提案した。
「おや……幽霊ってこんぺいとう食べれるのかな? ふふ、でも甘いものを食べたら気分も上がるってものだよね」
――そんな二人が聞いていた話し声、こと、ハロルドの叫び声である。
「なんやただのゾンビか、脅かしよって――ファッ!?」
投げと蹴りで『大阪人』ぶって咄嗟に名付けた大阪殺法。繰り返しながらハロルドは叫び続ける。
「あ゛あ゛ーッ!? 咲々宮ァー! 腐肉に顔面ダイブしてもうたやんけ! 後で覚えとれよワレェ!」
「黙っとけ、舌ァ噛むぞ! 細けぇ事は気にすんな、男だろうがよ!」
尚、幻介の武器はハロルドである。大阪人は武器(物理)になってしまうと言うのか――面倒なことになってきた、と急ぎ足で行く幻介の背後でシューヴェルトはゾンビの腕を一本拾って返れば何かの役に立つのではと提案していた。
「それにしても、僕自身にかかっている呪いの怨嗟の声が強くなっていった。
恐らくはこの場所にいる心霊的存在に影響されたのだろう。進んでいく度に怨嗟の声は大きく、何度も聞こえるようになり、ついには……」
「今は其れは考えない方が良さそうだな?」
そう呟いた汰磨羈。どうにも和物ホラーと洋物ホラーのちゃんぽんで良く在るホラーゲームの様相になっている感じが否めない。
つまりはイレギュラーズが倒せてしまう存在は大体洋物に多く、真性怪異などは和物に多い。イレギュラーズが何かを倒すならば洋物ホラー要素が飛び出してきてしまうとでも言うかのように――汰磨羈はこの手のタブーに踏み込みたくはないな、と呟いた。
「丸裸で鮫の口に飛び込むようなもの。今は無視が一番か。何が聞こえても無視をするように。
ああ、それと……サンプルが欲しいのならばハロルドの顔面に付着したヤツもどうだ?」
丁度良い塩梅だろうとでも言うような汰磨羈に「『俺の顔面で潰したヤツです』って提出したくあれへん、嫌や!」と怒鳴るハロルドの声が響く――尚、ランドウェラとシキには子の声が聞こえていた。
「有象無象がわらわらと……」
「ああ、大阪人じゃ太刀打ちできそうにないぜ……」
大阪人を武器にする幻介に汰磨羈は「普通に戦えば切り抜けられるな。行くぞ」と静かに囁いて、地を蹴った。定期入れから感じた妙な気配。足下からぼこりと音を立てて現われた――
「手ェ――――――!」
「手ぐらい生えるのではないか?」
シューヴェルトに「生えるわけあるか!」と叫んだハロルド。愉快に進んでいく面々は、それでも『何かの声』を聞いていた。
幻介は聴いていない振りをし、汰磨羈は知らんぷり。シューヴェルトはそれ以上に何かの気配を感じ、ハロルドは――
「あーあー! なんも聞こえへーん! 聞こえへんということは存在せぇへんってことやもーん!」
……何かの声を確かに聞いていたのだった。
成否
成功
第2章 第7節
「はあ良かった、普通に石拾えて。安心したからか、急にどっと疲れた気分だよ! ……いやホント、早く帰って寝よ……」
恐ろしい限りである。眞田は石を拾ったら返ろうと楽しげに微笑むなじみに「同意だよ」と大きく頷く。
「あー重たい。ダルい。けど感覚は普通に機能してる限りは真っ直ぐ帰れる。振り向いたらダメってなら、1人でも足並みが揃わなかったらその人のことを見てはダメってこと? ……俺も含めて? ……なるべく歩幅は合わせておくことにしよう。1人怖いし!」
「眞田くんはなじみさんを置いて言っちゃダメだぜ?」
揶揄うようななじみに「置いてかない」と言った眞田は「うわっ」と叫んだ。木の陰からぞろぞろと。
その姿を現したのは紛れもなくゾンビ達である。
「おやまあ、ゾンビがわらわらと……新手の綾敷様のストーカーでごぜーますかね?」
そうやって微笑んだエマになじみは「私のなの?」と驚いたようにゾンビとエマを何度も見比べる。まさか自分のストーカーがここまで多いとは中々馴染めてない証拠なのだろうか。
「行きはよいよい、帰りは怖いっ! 花丸ちゃんそんなお話ノーサンキューだったんだけどなー……だったんだけどなーっ!?」
わらわらと集まってくるゾンビ達。さながらホラーゲームの様相に花丸は「ああもう!」と叫んだ。それでも、『倒せる相手』ならマルっとお任せして貰いたいのが花丸だ。
「なじみさんも一応は何とか出来るーってお話だけど、あんまり無理はさせられないのは確かだもんね。
――それに、なじみさんに花丸ちゃんがただの食いしん坊さんじゃないってトコをココでガツンと!」
「ええ? 花丸ちゃんはフードファイターじゃないのかい?」
大体はクレープを一緒に食べていたりとスイーツ巡りに同行することの多い同士。食いしん坊さんだと認識され続けては花丸ちゃんも辛いところなのである。
「他に何かいるようなので、程々にして退却いたしんしょう。
というか上空にいても狙ってくれと言っているようなものなので、さっさと帰還するのも一手。飛びます?」
「飛ばないよぉ!?」
なじみへとエマは「そうですか」とだけ返した。淡々と応えを返すが、さて、なじみにとってはこんなゾンビも命取りであることはよく分かる。
お気に入り兼食材がこんな所で腐肉になるのは困ったものだとエマは優しく(?)なじみを援護したのだった。
成否
成功
第2章 第8節
漠然とした嫌な予感を感じる。
それはカイトが都市伝説を『撒く』側であったことが関係しているわけではない。そんな理由ではなく、嫌な予感がするのだ。
鈴が割れた不可解な事象に感じる奇妙な気配が鬱陶しい。
何かが見て居て、何かが憑いていて、何かが障ってきているという気分の悪さをグリムは隠すことは出来なかった。
録画を続けたaPhoneも今はどうなっているかは分からない。だが、墓守である彼にとって『ゾンビ』と呼ばれる存在は看過出来るものでもなかった。
「鈴、無くすどころか壊しちまったんだが怒られねぇよな? ……ま、怒られるかどうかも無事帰れたらの話か」
ニコラスは呆然とそう呟く。ああ、音呂木ひよのの事だ。どんな表情をするだろうか――大体は「仕方ありませんね」で済ませて来そうでもあるが。
「さて、石は無事拾えましたので帰りましょうか。いきはよいよい、かえりはこわい。そんな歌があるぐらいですので、気は緩めないように」
ボディは柔らかにそう言った。振り向かなければ、なんとかなる。
真性怪異と呼ばれる存在と比べ、物理的に攻撃で何とか出来る相手だ。其れだけでも十分有り難くはないだろうか。
──もし、此処で振り返ったならどうなるか。
──もし、此処で石を捨てたならばどうなるか。
──もしも、グリムの動画を確認したらば。
帰ろうと山を下るボディの背を見ながらニコラスは「石を拾ってから道が明るくなったが」と溜息を吐いた。
ゾンビが出てきたと呟いたグリムに、斃すことを意識し、誰も居なくならぬようにとカイトが身構える。
だが、ロトは考えた。好奇心にも似た衝動が、何かの影響かはたまた自身が持っていたものかは定かではない。
――彼は振り向くか? 石を捨てるか? 動画を見るか?
「大丈夫か」
前行くカイトの声がしてロトはぴたりと止った。そう、『五人』であった。『互いが其れを認識』して、五人で来ていたのだ。
好奇心旺盛に触れようとするばかりでは意味も無い。怪異はそうした存在を招き淹れることも多いが真に求めすぎれば遠ざかる。
「……そういえば、この石は来名戸神の欠片でしたか。
……これを持ち帰ってソレで終わり、なんてあるのでしょうか。行きで倒れた方もいるのですよ?」
ボディの声がロトへと振った。鳴り響く電話ボックスを見る。ニコラスは肩を竦めた。
ゾンビ達という現実世界で生まれた悪性怪異がどうにもこちら側に自身らを結び付けてくれている。行きはよいよい、帰りは怖い――けれど、『怖いと知っているからこそ、互いが互いを牽制する』彼等はまだ、現実に居た。
「……我を守りし死霊の御方々。どうか御力お貸しあれ。
彼岸の姿を彼岸の声を彼岸の香りを。どうか我に御見せあれ。
そして、不埒なります冥府の者よ。俺に障りし死なる者よ――その姿を見せろ!」
グリムのその言葉に、応える者はいない。だが、有象無象と現われるゾンビ達は『来名戸村』からイレギュラーズを現実に繋ぐように、確かに存在していた。
『これが只の肝試し、危ない事なんて鳥渡しか無い』
そうやって面白おかしくくすくすと水夜子が笑った声を思い出しボディは何となく嫌な心地になった。
成否
成功
第2章 第9節
「ふふふ、オズは魔法使いだからね! 皆の期待には答えなきゃオズじゃないよね!」
謳う様にオズはそう言った。近くに居る者が何となく求めている人格を演じるマリオネット。
オズは微笑む。そうするしか無いとでも言うように、にんまりと笑みを浮かべて。
「ねぇ、皆――本当は振り向いてみたいんだよね? いいよ、オズは皆の願いを叶える魔法使い!
だから、オズは何が居るのか確認するよ! さてはて、鬼が出るか蛇が出るか……オズは振り向くよ! 必ず生きて帰るから皆待っててね☆」
うっとりと微笑んだ彼女は陽の色の髪を揺らして振り向こうとして――
「後ろにはボクだよ」という声でぴたりと止った。
感じるのはドーナツが食べたいから早く帰りたいとい強い意志だ。セララは「振り向かないでって言われたけれど」と言う。
「で、ボクは振り向かないんだけれどさ。前を歩いてる皆の背中は見えちゃうよね。別にじーっと見つめるわけじゃないけれど……。
皆の背中に何もいなければボクの背中にも何もいないわけで、安全安心! 完璧な理論だよね」
つまり皆が大丈夫ならば自分だって大丈夫。ほっとしたような表情をしたオズにセララは地を蹴って前から迫りくるゾンビに微笑んだ。
「幽霊さんもボクらと友達になりたいなら、呪いや害を無くして普通に友達になればいいのにね。
皆仲良く、は死ぬほどどころか死んでも難しいのかなあ――けど、今はそうは言っていられない!」
ラ・ピュセルは数多の人々の希望を束ねた。勇者としての資質をその剣に乗せて踏み込んだ。
「――セララギガブレイク!」
成否
成功
第2章 第10節
「……あれ、意識消えてたのかな。運んでくれた人とか迷惑かけちゃったね。
なんか鞠とか女の子とか見た気がするけど……ともあれ、石を拾って帰るかな」
ゆっくりと起き上がったセリアは体をチェックするが装備には特に変化はないようだった。いや、強いて言えばひよのから受け取った鈴に罅が入っている程度か。
「……嫌な感じね」
ゆっくりと立ち上がって進まないとと石を拾って仲間達の背中を追いかける。背中の気配も、呼び声も、そんな物に気取られないように。
それでも、彼女は永遠の眠りを守護する者だった。鞠の音が聞こえてから、独り言だけれど、と囁く。
「あなたがどっち側の子でも、こんな狭間に来ちゃダメよ。その時になれば、みんなそっち側の世界に行くんだから。
手を出さないで静かに待ってて。……ほら、鞠落としたよ」
鞠の音が遠ざかった気がする。
可愛らしい物ばかりではないとセレマは知っていた。聞こえる、何かの声だ。それが取引を持ち掛けてくるかのようである。
(この状況を見るだけで、上手くいけば意義のある契約になるであろうことは十分に理解できる。
陰湿で、執念深くて… これは……ひどく魅力的だ。これに応えれば一体どれほどの力を得られるのだろうか?
それはどれほどの対価によって得られるものだろうか?
もしこいつの力を借りれば、この魂を縛る魔性共を容易に打ち倒せるかもしれない。
それにこいつを抑制してしまえば二度とチャンスはないかもしれない。この悍ましい誘惑に対し、ボクは―――)
手を伸ばそうとして、何かにぐっと肩を掴まれた感覚がした。それは酷く悍ましい。先程までの魅力的な囁きとは違う。
肩へ視線をやれば祖に存在したのは猿の手だ。
「な――」
セレマが息を飲んだ。ぞお、と音を立てた風がやけに生暖かい。
「どうかしました?」
気付けば。
気付けば、目の前に澄原水夜子が立っていて、セレマの握って居た鈴には獣の毛が挟まっていた。
成否
成功
第2章 第11節
「本当にあの唄通りになったみたいだね。いろんなものの圧が増した。
これはこのまま連れていってはまずいものではないのかな。とはいえ俺にはどうにも出来ないから…今回も信じているよひよの殿」
鈴を鳴らしてヴェルグリーズはゆっくりと山を下り続ける。鈴は、ひよのが手渡してくれた頼りの綱だ。それを裏切るわけには行かない。
道を行くヴェルグリーズは怪異に関しては兎に角『ある』や『いる』と告げてはならないという事を知っていた。
そうだ。何の気配を感じたってあるとも、いるとも言ってはいけなかった。
何かの系に、去ろうとする者を拒む存在はあの『神域』に近いことをアルテミアとて理解していた。
名を呼んで、手を繋いで、連れて帰ろうとしてくれる人が居ればそれ程までに恐ろしくはなかった境界。
(ワカイシュと比べれば対処しやすいのが救いだけれど、張り付く重さで思うように動けないのもキツイ。それに――)
剣に反射して何かを見てしまうかも知れないという畏れが過った。アルテミアは溜息を吐く。
気配が、濃い。その神域の中に居ればどうしても『求めてしまう』かも知れないのが恐ろしい。有り得ない、有り得てはならない。
それが魔が差したと表現するのは確かなのだろうか。
「――――×××××」
名を呼んだ瞬間に、何かの気配が変わった気さえした。獣の、息づかいだ。
その息づかいを感じるようにリュコスは顔を上げた。振り返らない、怖がっているからではなくて、『やってはいけない』事を知っていた筈なのに。
怖がって思い切ったことが出来ないのがイイと知って居るのに。見たり聞いたりしても駄目なのに――
どうしてか、リュコスはそう感じずには居られなかった。
(……声の主がぼくの会いたい人たちだなんてそんな理由はいっさいないんだから。そう、ないんだよ……)
逢いたい人が何処かに居るかも知れないと。
そんな恐ろしさは魅力的に感じる。つい、手を伸ばしそうになる。
リュコスとアルテミアの背を見つけてヴェルグリーズは「どうかしたの?」と優しく声を掛けた。
気付けば、ヴェルグリーズの握って居た鈴は砕けて呆然と立っていたアルテミアとリュコスが声に振り向かないままに「え?」と小さく呟いた。
現世という場所に戻ってきたのだと、そう気付いたのは遠くにひよのの姿を認めたからだった。
「ひよの殿。鈴、砕けてしまって……」
「後で同じものを差し上げましょうか? ええ、けれど……おかえりなさい」
成否
成功
第2章 第12節
「お帰りなさい」とひよのが告げて、先程まで感じていた嫌な気配がなくなった事にイレギュラーズは気付いた。
水夜子曰く、これはそもそも肝試しだ。行う前に安全を確認してある。それでも『稀に其方に踏み込もうとする者』が居る事が分かっているからこそ、ひよのを此処に連れてきたのだという。
それは現世側に侵蝕する恐怖へと太刀打ちすることが目的であった。
ゾンビは所詮は現世の歩き回る遺体であり、悪性怪異であれど『真性怪異の領域』の存在ではない。其れの影響を受けて居ようがまごうことなき現世にしか居ない相手だ。
そして、同じ場所に巫女であるひよのが居た。鈴は自己保身のために持たせてあるが、真に危険な状況になれば、ひよのが鳴らし続けていた神楽鈴が全てを受け止められるように『澄原的に用意して』あったらしい。
つまりは本当の肝試しである。肝試しで在る事には違いない。
「さて、石神地区に関しては、この石を使用して祓い浄め、『断ち切る』事と致します。
怪訝な行いかも知れませんが、大丈夫。どのように行うかはきちんと決定していますから。
……此れで石神の怪異とは暫くお別れできるようになるのではないでしょうか。まあ、どうなるかは分かりませんけれど」
他にも怪異はお待ちかねですから、と囁いた水夜子は「皆さんもお手伝いして下さりますか?」と揶揄うようにそう言った。
それは、ある冬の夜に行われた『肝試し』の話である。
――報告書 澄原 水夜子
GMコメント
夏あかねです。当ラリーは2章程度予定です。
希譚シリーズの詳細は特設ページも合わせてごらんくださいませ。
●成功条件
肝試しの成功
●情報精度
このシナリオの情報精度はEです。
無いよりはマシな情報です。グッドラック。
●石神地区/来名戸村
調査は『<希譚>去夢鉄道石神駅』『<希譚>石神地区来名戸村』にて行われました。詳細は希譚特設も合わせてごらんください。
石神地区は特異な信仰で成り立っている希望ヶ浜と練達のハザマの地域。石神は周囲に山が存在する田舎の村です。
『石神山上ダム』の底には来名戸村が沈んでいるようです。
この村は希望ヶ浜の中でも特に田舎や土着信仰にスポットを当て作られたものであり、特に今はダムに沈んでしまった来名戸村では外界を隔てるこの山を岐の神とし神域であると定義し、歪な信仰で成り立たせているみたいです。
●今回のフィールド
石神地区の石神山上ダムへと『肝試し』です。石神山上ダムはかつてはその位置に『来名戸村』が存在しました。
石神駅から山を登って山上ダム付近に存在する『石』を拾ってくることが求められます。
どうした事か近づけばそれが『拾ってくるべき石』である事が分かります……。
1章:行き 2章:帰り を予定していますが行きはよいよい、帰りは怖いです。
詳細については各章の冒頭に投稿される『情報』をお読みください。
●『石』
石神山上ダム付近に存在する石です。それが何の意味が在るかは分かりませんが石神駅まで運んでほしいと水夜子が求めています。
●『音呂木神社』の鈴、もしくはお守り
ひよのが1グループまたは『一人ずつ』に持たせているお守りです。それを持って居れば『真性怪異』による危険は防げるのだそうです。
●音呂木ひよの
希望ヶ浜学園の『先輩』こと、夜妖のプロフェッショナル。音呂木神社の巫女さんです。
何らかの作用があるのか来名戸神(真性怪異)には嫌われており、来名戸村には踏み入ることが出来ません。
●綾敷なじみ
無ヶ丘高校1年生。オカルト研究部の女子高生。『夜妖憑き』の少女です。トラブルメーカー。
付いていきます。何となく戦えます。けれどあんまり役に立たないので賑やかしです。
●澄原水夜子
お名前は「みやこ」と読みます。澄原病院所属、阿僧祇霊園へと『出向』しています。
今回の一件を担当すべく、石神地区にやって来たそうです。とても落ち着いた雰囲気の女の子、という印象を受けます。
何となく付いて来て欲しいとお願いすれば来てくれます。戦えるかどうかは不明ですが……。
●参加時の注意
・グループで参加する場合は【グループタグ】を冒頭にお願いします。ペア参加時もID指定をお願いします。
また、グループタグで逸れるのを募集するために人数を記載してくださるとありがたいです。
例:【音呂木さんと】3人
・当シリーズは<希譚>と名のついた再現性東京系怪談シリーズです。全ての情報をご存じなくとも宜しければ肝試し気分でご参加ください。
・[注:繙読後、突然に誰かに呼ばれたとしても決して応えないでください。]
・[注:繙読後、何かの気配を感じたとしても決して振り向かないで下さい。]
それでは、いってらっしゃいませ。
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