PandoraPartyProject

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組織/仲間

　白い天井がぼやけている。
　ここはどこだろうか。
　自身は――ああ、そういえば『死んだ』のだ。
　佐藤 美咲(p3p009818)が最初に思ったのはそんなことだった。
「どこスかね、ここ。天国じゃなさそうスけど」
　ついでに言えば、地獄でもなさそうに見える。

　なのに何故、ふと顔を横に向けたら、むさ苦しいジオルドが居るのだろうか。
「お前……心肺停止まで行ったんだぞ」
　慌てて起き上がろうとすれば、腹部に激痛が走る。
　着衣の上から腹のあたりを探ると、なにやらゼリー状の治療具のようなものが張り付いていた。
　寝かされているのはベッドだ。
　温かくふかふかで、理由なんて分かりやしない。
「主要な血管が無事だったのが幸いだったな、相手は素人か。魔種ならあり得るが」
　腕には点滴、その他あちらこちらにチューブが巻き付いている。
　極めて高度な医療だ。こんなことが出来るのは『練達』か『杜』だろう
「この馬鹿。そのまま寝ていろ。イナリには深く感謝しておくんだな」
　やはり杜か。長月・イナリ(p3p008096)の所属する組織である。
　そんな時、エッダ・フロールリジ(p3p006270)と普久原・ほむら(p3n000159)が飛び込んできた。
　後ろから歩いてきたのはマキナだ。
「三日も寝込んでいたのでありますよ」
「ほんと、マジで……そのスライムみたいの。明日には外していいそうですけど」
　エッダもほむらも、安堵の表情を見せている。
「エッダが談判だのと言い出さなければ、誰もお前を発見出来なかっただろう。良く良く感謝しておけ」
　述べたのはジオルドだ。
　ほむらのほうはへらへらと笑いながら泣き始めた。
　銃を向けたはずの数人の『仲間』達が続々と入ってくる。
　ディアナ・K・リリエンルージュ（p3n000238）の声音は冷え、震え――
「本当に、あなたという人は……どこまで……」
　――ディアナが傷に障らぬよう、美咲の顔をそっと抱き寄せた。
「……生きていてくれて……本当に良かったですわ」
　その声は涙に震えている。
「御身が無事……とは言いがたいが、良く戻ってくれた」
「あんな無茶して、心配したんだよ」
　リースヒース（p3p009207）とシキ・ナイトアッシュ（p3p000229）も続けた。
　リースヒースはただ一心に、ここへ美咲を運んだのだ。
　そこにはシキも付き添っていた。
「だからこれからは、もっと仲良くしよう。約束だよ！」
　セララ（p3p000273）が笑顔で手を伸ばす。
「傷が治ったら、一緒にドーナツを食べるんだ」
　その手は、指先は、温かかった。
「いい加減に理解しろ、これが現実なんだよ」
　ジオルドの言葉はきついが、声音は怖いほど優しいものだった。
「お前は今、何人に祝福されていると思っているんだ」
　それはきっと、この場に居る者だけではない。
「折角だから強化改造でもと思ったけど、断られたわ」
　そう述べたのは部屋へ入ってきたイナリだった。
　どうやらここは『杜』の街らしい。

「寝ているままでいいから聞け。美咲、お前は死んだ」
「いや、もうちょっと言葉があるだろうに」
　ジオルドがおかしなことを言いだし、マキナがつっこむ。
「お前は書類上、死んだことになっている。もう練達の人間じゃあない」
　理解が追いつかなかった。
「要するに『公社はクビだ』ということだ」
　機関はどうなるのだ。
　命を狙われることになるのか。
　なのになぜジオルドは自分を始末しなかったのだ。
　それよりなにより、なぜテレサは自分を殺さなかったのか。
　あるいはあれはテレサなりの『仁義への礼』だとでもいうのか。
　一つ理解出来ることがある。
　これは単に、職業柄の得手なのかもしれない。
　美咲は『テレサの間合い』を把握出来ていた。
　おそらく一度きりしか通用しないであろう。
　けれど一度だけなら、確実な奇襲が出来ると判断出来ていた。
　死にかけたからこそ、焼き付いている。
　テレサの『癖』を『隙』に変える技――美咲はそれを会得していた。

「姿を変えるなら、杜が相談に乗れるわよ。狐耳が付くかもしれないけど」
　しれっとイナリが妙なことを言い出す。
「ドンマイですし退職金出なさそうですけど、仕事だったらローレットとかもありますし」
　ほむらが訳の分からないフォローをはじめた。
「騎士団（こっち）で引き受けても構わんぞ」
　エッダが鋭い視線で腰に手をあて、美咲を見下ろした。
　練達で書類上死亡しようが、ローレットも鉄帝国も関係ない。
「あの言葉は本気だが、色々と言いたいこともある。だがなによりまずは寝ろ」
　ともかく――今になってようやく実感らしきものが湧いてきた。
　どうにか生きて戻ってきたのだ。

　※佐藤 美咲(p3p009818)がローレットへ帰還しました。
　※美咲さんが称号スキル『テレサの間合い』を会得しました！
　※美咲さんは『00機関』をクビになってしまいました……。

　※『テュリム大神殿』での作戦の大部分が終了しました――

　※プーレルジールでアイオンキャンプ＆マナセの小旅行が行なわれているようです……？
　※双竜宝冠事件が劇的に進展しています！

　※プーレルジールで奇跡の可能性を引き上げるためのクエストが発生しました！

これまでの天義編｜プーレルジール（境界編）｜終焉の兆し（？？編）

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