PandoraPartyProject

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光を探して

 亜竜集落フリアノン。
 そこでイルナーク調査隊の面々は今回の調査結果の再確認を実施していた。
 確認できたことは数多くある。
 だがその中でも特に重要と言える情報が2つある。
「アダマンアントクイーン……その姿を視認できたのは収穫だったな」
「戦闘種たるナイトの強さも確認できたわ。単体相手であれば、御せないことはないでしょうね」
 『竜撃の』ベネディクト=レベンディス=マナガルム(p3p008160)『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)は互いに頷きあう。
 アダマンアントの戦闘種、アダマンアントナイト。
 アダマンアントの戦闘種を産みだし、全てのアダマンアントを統率するアダマンアントクイーン。
 この2種の姿を確認し、アダマンアントナイトの強さまでも測ることが出来た。
 それは、これからの作戦に大きなアドバンテージをもたらすことだろう。
 分かっているのと分かっていないのでは天と地ほどの差がある。
 経験豊富なイレギュラーズであれば、身に染みて分かっていることだ。
 だからこそ、今回持ち帰った調査結果は大戦果であるとすら言える。
 だが……同時に分かってしまったこともある。
「イルナークに生き残りは居ない。可能性のある1人を除いて……ね」
 『プロメテウスの恋焔』アルテミア・フィルティス(p3p001981)が言っているのは、行方不明の少女「サンゴ」のことだ。
 その他の亜竜集落イルナークの住人は、恐らく全滅。
 イルナークの広大な居住区、その他の区画の何処にも亜竜種の姿はなかった。
 三大集落に迫ると言われる程に発展していた亜竜集落イルナークの壊滅が、確定したのだ。
 それは亜竜種にとって大きな打撃であるが、同時に亜竜種の存亡に関わる話でもあった。
「……今、里長たちが集まって色々話し合ってるんだって」
 『鉄心竜』黒鉄・奏音(p3n000248)は、ポツリとそう呟く。
 まあ、当然だろう。
 ことは亜竜種の存亡に関わりかねない話だ。
 攻撃的なアダマンアントクイーンの存在が確認され、それがイルナークを滅ぼし更に拡大しつつある……となれば次は三大集落、すなわちフリアノン、ウェスタ、ペイトの何れかが同じ事になるかもしれない。
 だからこそ、手を打たなければならないのだ。
 それは遠からずまた、大きな依頼という形になるのだろうが……そんな大きな話だけではなく、奏音の友人サンゴの話も何も解決はしていない。
 もしかすると、まだあのアダマンアントの地下帝国で生きているかもしれない。
 そんな僅かな希望のようなものは見えたが……それだけだ。
 本当に希望であるのかどうか、それすらも分からない。
「でも、ボクは諦めないよ。まだサンゴが生きてるかもしれないなら……きっと、助けてみせる」
 だから力を貸してね、と奏音は笑う。
 未来にあるのは絶望だけではなく、希望もある。
 それらは暗い闇だけを見つめ俯いているだけでは、決して手に入らない。
 だからこそ……光を探し前へ進む。その大切さを、此処に居る面々は誰もが知っていた。

 『<覇竜侵食>地下帝国に潜むは如何なるか』のリプレイが公開されました!

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