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ギルドスレッド

自由図書館

【RP】千客万来、されど閑古鳥が鳴く

自由図書館。

幻想のある地区にあるという、私設の図書館。
元々はとある貴族が持て余していた屋敷の一つであったが、とある旅人がそこを清掃・保守する代わりに借り受けているとか、いないとか。

それはともかく、この図書館は基本的に来る者拒まずなのだ。

……例え司書以外の人間が居ない時間の方が長くても。

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(司書兼管理人たる青年は、入り口すぐの貸出カウンター、そこに座して愛読書を手にしている)

(何故なら、新規に入荷した書は既に検品したし、掃除も昨日までの間に一通り済ませたし、修繕すべき本も今はない。……ついでに、来客の姿もない。詰まる所、とても暇なのだ)

(カウンターにちょこんと座ったウサギのぬいぐるみ……『リコリス』の位置が気になったのか、少しだけ直す。その後、パラパラとページを気ままに捲り始める)
自由図書館の入り口に佇む男が一人、緩慢な動作で目の前に聳え立つ建物を見上げる。
目に滲みるほどの強烈な太陽光におもわず目を細めると、今度は視線をゆっくりと目の前の扉に戻す。
図書館に特別用事があるわけではなかったが、持ち前の好奇心旺盛さに任せ、扉を開けると、建物内に一歩足を踏み入れる。
あ、っと。ようこそ、自由図書館へ……。
(貸出カウンターからでも、来館者の出入りは十分に伺える。本から視線を上げて、来館者を歓迎しようとした時、ここの司書たる『赤羽・大地』はあることに気付いた)

……あ、貴方は……この前の……。
(今まさに、自由図書館の出入り口に立っている者。その出で立ちには覚えがある。紅玉の瞳が、驚きに数度瞬かれた)
おや、貴殿は赤羽殿───ああ、今は大地殿、ですか。
(興味深そうに図書館内の本棚に視線を巡らせていたが、聞き覚えのある声に小首を傾げると、貸出しカウンターに顔を向ける。
彼は確か、学生時代に"みっひー"というあだ名をつけられたと語っていた青年だ。再現性千葉の幽霊屋敷に一緒に突入した時のことは今でも覚えている)

ご無沙汰しております、再現性千葉で幽霊退治をした時以来ですね。
その後、お変わりございませんか。
(軽く会釈をすると、貸出しカウンターに向かって歩み寄る)
(彼はシャーラッシュ=ホー。三木とかいう夜妖の退治にともに臨んだ者、そのうちの一人だ。……どうにも、感情が希薄……いや、表に出にくい人物……だったと思うが……?)

先日はどうも、ホーさん。俺は元気にやってます。
(カウンターの向こうで頭を下げる青年は、エプロン姿。それこそどこかの店員や、スタッフといった雰囲気だ。胸元には『赤羽 大地』と名札が縫い付けられている)

赤羽もまあ、元気ですよ。今は『寝て』ますけど……。
(穏やかな声音からは、先日の怒号の片鱗も窺えない。少なくとも今は、だが)
そうですか、お二人ともお元気そうで何よりです。
(微笑を浮かべた表情を青年に向ける。……相変わらず感情や思考は読み取りづらいが)

なるほど赤羽殿は……『寝て』いらっしゃるのですね。
では彼を起こさぬよう、静かにしていなければなりませんね。
("静かに"と言うと同時に口元に人差し指を当てる。胸元の名札に一瞬視線を移すが、再び図書館内の本棚に視線を巡らせる。正面扉から滑りこんできた隙間風に乗り、インクと古本特有の黴臭さが匂い立つ)
ホーさんも、変わりなさそうです何より。

まあ、静かにといっても、別に……ホント普通でいいですよ。
ホント今……俺たちしかいないし……。
(事実、今ここにある『人間の肉体』は二人分だけ。『魂』だけならもう少し数が増えるが……少なくとも、今ここで自分達が喋ってたとて、それで迷惑を被る者は別にいない。そうでなくても、目の前にいるホーが人前で声を荒げるタイプには思えない)

……あ、えっと、改めて。ようこそ、自由図書館へ。
自由図書館司書の『大地』……です。
(改めてお辞儀する。彼がここに訪れたのは偶然であれ必然であれ、来たからにはちゃんと自らの身分を明らかにしておこうと思った)

ローレットの仕事がない日は……まあ、だいたいここにいるんすけど……。
貴殿が司書を務めるこの自由図書館に訪れたのも何かの縁。
改めまして、よろしくお願いします。……大地殿。
(鸚鵡返し的にこちらもお辞儀を仕返す。そして一瞬顎に手を当て小首を傾げる仕草を見せた後、青年に向かって右手を差し出す。確か……顔見知りと再開した場合、大抵の人間は握手を行おうとするはずだ。以前読んだ小説にもそのような描写があった)

ここは静かな場所で落ち着きますね、とても良い場所です。
赤羽殿と大地殿はここで本を読まれるのがお好きなのですね。
(言われてみれば、周囲を見渡しても自分達以外の人間の姿は見えず物音も聞こえない。聞こえるのは玄関扉から隙間風が吹き込んでくる音だけだ)
えっ、ああ……どうも……。
(差し出された手にぎこちなく、握手を返した。若い青少年に見える大地には、単にそういう習慣がまだ染み付いていないのだろう。それでも、嫌な顔ひとつしない)

ああ、ここは借り受けた場所だけれど……とてもいい場所にあるなあ、って自分でも思います。
ここに来る人も……まあ、静かな場所で本を読みたいって人が大半で……。

……俺自身も、勿論本は好きで。
まあ、ここに関しては赤羽よりは、俺の趣味、すけど。
(今日の気候のように、静かで穏やかな声音がそう語る)
大地殿、赤羽殿はあまり本を読まれない方なのですか。
ここには面白い書籍が数多く保管されているようですが…………ふむ、無名祭祀書……。
(ふいに図書館の奥から低い声が響く。数瞬前まで目の前にいたはずの男は、いつの間にか少し距離の離れた本棚の前に移動しており、一冊の分厚い書籍のページを捲りながら貴方にそう声を掛ける)
いや、赤羽も本は嫌いじゃないんですけど……俺、昔から『本の虫』ってよく言われてて。
(たはは、と小さく照れ笑いをしようとしたところで)

……え゛っ
(赤い瞳が驚きに見開かれる。いつの間に? 俺今ぼーっとしてた? 意識トんでた? そう思いながらも、ホーのいる本棚の方へと近づいた。幸い、カウンターからそう遠くはない場所だ)

無名……何です?
(彼が呟いたのは何かの本の題名だろうか。聞き返す)
───《無名祭祀書》。
著者や製本に関わった人物が相次いで怪死を遂げたと言われている曰く付きの書籍……などというもっともらしい話はありますが、ええ、まあそのようなことはないでしょう。ただの迷信ですよ。
(男は背を少し屈め、貴方に耳打ちをする。怪談話を語るような声色でこの書籍について解説を始めるが、貴方に微笑みを向けた後、この分厚い書籍をぱんと閉じると、元あった場所に戻していく)
……へェ、詳しいんだなァ
(ホーの講釈に答えた低い声は、赤羽のものだ)

『……いや赤羽、お前寝てたんじゃなかったのかよ』
『寝てたけどサ、お前だってガキの頃、お昼寝してるときにおやつの話なんかされたらピャッと飛び起きたりしたロ。そういうモンだヨ』
(そんな軽口が飛び交う)

……っト、大地が挨拶しといて俺が無視するのもアレだナ。
お久しぶりサン。
(血のような瞳を細めて、男はゆるく手を上げた)
ああ、起こしてしまいましたか。
お久しぶりです赤羽殿、お元気そうで何より。再現性千葉以来ですね。
(目の前の青年の変化に「む」と小さく声を漏らすと数回瞬きを繰り返す。二人の軽口と、目の前にいる青年"赤羽"が、再現性千葉の幽霊屋敷で三木相手に大暴れしていたことを思い出し……同じく目を細める)

元居た世界に同名の書籍があったのですよ。
どのような経緯でこれが無辜なる混沌に持ち込まれたのか……。
……はあ、しかし我々が"ここ"に招致されるくらいです。特別不思議な話でもありませんが。
(視線を本棚に移す。……が、まるで「もう興味はないよ」とでも言わんばかりに深い溜息を漏らす)
あァ。アイツの笑い声ハ、今でも耳に焼き付いてるヨ。
(男は肩を竦めた)

……あー、えっと。
(『我々がここに招致されるくらいなのだから』。……そういえば、彼も混沌に数多いる旅人の一人、だったか?)

……その、そういやあホーさんは、どんな世界から来たんですか……?

(単純な興味から、静かに問を投げかけた)
私の元居た世界、ですか。
そうですね……少し説明が難しいですが、そこは地球と呼ばれる惑星の遥か遠い未来の時代です。
人類の文明、科学技術。そして宗教の一切が滅び、太古の魔法が復活しただけの何もない場所ですよ。
(いつ取り出したのか……古臭い眼鏡を掛けた姿で、本棚から「太陽系・惑星科学」と書かれた書籍を一冊引き抜くと、表紙に描かれた"青い球体"を指差しながらそう解説を始める。そして本棚から次々と「ダイイング・アース」「人類の技術進歩と発展」「宗教学大図鑑」というお堅い題名の書籍を何冊も引き抜いては、貴方に渡そうとする)
えっ……滅……。
(絶句する。が、驚きの渦中にあっても読書家の性なのか、差し出された本は全てちゃんと受け取ってしまう)

ふぅン……俺達も『地球』と呼ばれたとこから来ちゃあいるガ。
アンタの世界ってのハ、大方その太古の魔術とやらデ、魑魅魍魎だの怪物だの異形だのが跳梁跋扈する星になっちまってんのかねェ。
(そして片割れが絶句しようとも、構わず踏み込むのがもう一つの性だ)

大地と俺ハ、生まれも育ちも180°環境が違うガ……少なくとモ、時代とともに科学だの医療だの法だのはそこそこに発展してきタ。
反省点、至らぬ所、改良の余地こそあれド、時代に見合わねぇから切り捨てられたモノはあれド、そいつ等が滅ぶ気配ハ……無かった筈ダ。

魔術、神秘だのはある事はあるガ……そんなモンが実在する事すラ、知らん人間の方が多イ。
魔術、魔法は創作・空想上の娯楽と思ってる人間が殆どサ。
まア、俺達にとっちゃそっちの方が都合が良いがなァ。
魔術の魔の字すらろくにわかっちゃいねぇようなとんでもねぇクソ馬鹿ニ、とんでもねぇ禁術が伝わってみロ。それこそあっという間に地球なんか滅んじまうだろうよォ。
(大地が受け取った本、その背表紙の凹凸を指で撫でながら。ニヒルに赤羽は笑う)
ほう、貴殿らも地球から……。
反省と改善を繰り返し、人類はその歴史の中で数々の技術や文明を発展させ続けてきました。
そして太陽が衰えた頃、天変地異や地殻変動が起こり、人々が暮らす大陸は何度か海の底に沈んだ……こればかりは避けようがありません。なに、気が遠くなるほど遠い未来の話ですし、あくまで地球が迎える数ある結末の一つに過ぎません。
大地殿、あまりご心配なさらぬよう。
(同じ地球からやってきたと語る貴方達に親近感を覚えたのか、男は饒舌に語り続ける。そしてとどめと言わんばかりに「並行宇宙」という題名の書籍を一冊抜き取ると、貴方に手渡そうとして)

中々鋭いですね、赤羽殿。
魔法と同時に幾多の神々とその眷属どもが眠りから覚め、魔法と魔神崇拝の時代が到来しました。もっとも私は人類が700万年という長い年月をかけて築き上げてきた文明が好きでしたから、魔神崇拝など微塵も興味はありませんでしたが。
(スーツの内ポケットから《aPhone》を取り出すと、その暗い液晶画面を覗き込む。そして一通り語り終え満足したのか古臭い眼鏡を外す)
……あ、ああ。……そう、ですね……。
俺もそんな友達多くないんでアレですけど……『地球』から来た旅人は結構いるらしいですけど……皆が皆同じ時代から来た訳じゃないっぽいですし……。
(自分達の地球も未来にそうなる可能性があると憂えればいいのか、多少の腐敗や不備こそあれどそれなりの発展を遂げてきた現在を誇ればいいのか。何と言うべきか判断に迷った)

(ただ、青年の体が抱える本の重みが、いつもよりずっしりと感じられる。それだけは『赤羽・大地』どちらも実感している事だ)

そうだナ、魔物だの魔法だの魔術だのがメジャーになっちゃいけねぇヨ。……俺も弱小なりとも魔術師である以上、そして這い上がる手段にそれを行使した以上ハ、不要とまでは断言できねぇガ。
ホー、アンタが人間もとイ、そいつ等の作った文明の方が愛おしいって思うんなラ、俺も大地もだいたい同意見だヨ。
神様ってのヲ、一種の例え話や道徳を説くための種に使う分には一向に構わんガ。

そのために全てを捧げろって言われてモ、ァ?
(大地に比べれば捻くれ者の魔術師である赤羽。しかし恐らく多くを語ってくれたのだろう彼に応える気持ちはあったのか、その口調は少しばかり柔らかかった)
赤羽殿、ご謙遜を。貴殿の魔術師としての立ち振る舞いは立派でしたよ。
神仏に頼り切ってしまうと、人間は成長する機会を失ってしまうでしょう。
"苦しい時の神頼み"などという諺もあるようですが、神様というものは信じたい時に信じる程度でよい……と、私は考えています。……ああ失礼、重かったですね。
(再現性千葉での三木相手の立ち振る舞いを思い出し目を細める。そして貴方が書籍を重たそうに持っていることを察したのか、数冊の書籍を手に取ると貸出しカウンターに向かって運ぼうとする)
ン、一緒に働いた人間にそう言われるんなら光栄だヨ。

『信じる者は救われる』……まあ神でもなんでモ、支えになる一本を持っとくのは別にどうだっていいけどよォ。
精々それニ、足元掬われねぇようにしねぇとなァ。
(そう話す口角は緩く上がっている)

あっすいません……ええっと、今日は……これらを借りてく感じでいいです……?
(残りの本を、改めて抱え直し。自分もカウンターに歩いていく)
そうですね、赤羽殿。お互い気をつけましょう。
ええ、特に貸出し禁止のものがないのであれば、ええと───5冊、ですか。
全部貸していただきたいのですが、よろしいでしょうか。
太陽系の惑星科学に並行宇宙……はあ、いいですね。宇宙の浪漫を感じます。
(書籍達を抱き寄せると大袈裟に溜息を漏らし天を仰ぐ。……相変わらず感情や思考は読み取りづらいが。貸出しカウンターに到着するとゆっくりと台の上に書籍を置く)
あっはい、大丈夫ですよ。
(ホーが選んだ本は5冊全て、通常の利用者にも貸し出しているものだ。……尤も、これまで何人の人物がこれを借りたかといえば……片手で足りる程だったとは思うけれど)

(カウンターに並んだ本のタイトル、筆者、ラベルに書かれた番号を自らもサラサラと書き取った後)

えっと……じゃあ……ここにお名前お願いします。
(貸出名簿とペンを、カウンター挾んで向かい側の彼へと差し出した)
(スーツの内ポケットを探り万年筆を取り出そうとしたが、ペンを差し出されたことに気付くと、普段の緩慢な動きからは想像もつかないほどの速筆で貸出し名簿に「Shaurash=Ho」と端正な文字で署名を行う)
大地殿、これでよろしいでしょうか。
あっはい……これで大丈夫ですよ。
ありがとうございます。
(うわあ……さらさらっと綺麗な字ぃ書ける人カッコいいいなあ。)

(そう思いながらも、)

えっと、返却予定日は……今日からだいたい二週間後……ですが。
もしこの図書館が……例えば俺がローレットに言ってるとかで開いてなかったら、外の返却ポストにでも入れておいてください。

あ、持ち帰り用の紙袋も使います?
ふう…………なるほど、返却予定日は二週間後ですね、承知しました。
そうですね、ここから滞在している宿屋までは結構距離があるので……紙袋に入れていただけると助かります。
(想像以上に綺麗な署名が書けたためかどこか満足感のある溜息を漏らす。返却予定日の説明を受けている最中に横目で窓の外に視線を移す。この図書館に訪れた際、外に返却ポストらしきものがあったことを思い出す)
はい、じゃあ。
(一冊一冊、丁寧に本を入れていく。そしてそれを差し出した)

……えっと、さっき見たかもしれないですけど。
赤い屋根のついてる大きめの木箱。あれがうちの返却ポストです。
(ホーが外を見ていることに気づいたのか、小さく返却ポストについて補足する)
大地殿、ありがとうございます。
では、私はこれで失礼します。また機会がございましたら、その時は是非、貴殿らの元居た世界の話をお聞かせいただければ幸いです。
(貴方が書籍を紙袋に詰めていく様子をどこか目を輝かせながら見つめる。そして紙袋を受け取ると、貴方に向かって深々とお辞儀をし玄関扉を開ける。男は扉の隙間から差し込んだ太陽光に再び目を細めると、自由図書館を後にした〆)
はい、ありがとうございます。
ホーさんも、いい一日を。
(出ていく客人を、頭を下げて見送った)

……へェ……以外とあの人、表情あったんだナ。
……うん、まあ…多分ずっと悪くない気分だったのかなってのは、俺にもなんとなく分かったよ。

(やいのやいの言い合いながらも、彼らもまた、館内をゆるく歩き始める。次はどんな本を仕入れてこようか、そう思考しながら)

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