PandoraPartyProject

ギルドスレッド

水底劇場

【RP】清ければ月宿る

穏やかな昼下がり。崩れかけた客席での一幕。

あなたが古びた劇場へと辿り着き、なんの酔狂か客席へと足を運んだのなら、1人のディープシーとまみえるだろう。
水気を含んだ空気。音の沈んだ劇場で。

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(言葉を紡ぐ傍ら、耳に滑り込んだもうひとつの微かな音の揺らぎ。先程と似たその感覚にふと視線を巡らせた)
(……どうやらここは、来客の足音がよく響くらしい)
(コツ、コツ、コツ…――…小気味よい音が規則正しく、ゆっくりと、近づいて)
…――あッ、…!
(不意に躓いたのか崩れ落ちるような物音…不規則に、微かな声と共に飛び出て来たのは赤黒く艶のある鞘に収まった日本刀がひとつ。重たい音を立てて現れた。…飛び出て来た、と言うよりは持ち主の不規則な動きによって投げ出された形に近いだろうか)
…む。…ない、宝物。どこだ。……――ん?
(ぽつり、ぽつりと発する声は、自分の持ち物より先に人影に気づいて。闇に沈んだ瞳をきょろり、そちらへ向けて。彼らの前に現れた様は、転んで少し着崩れている、眼が特徴的な蒼白の少年、否…青年?)
そう、陽花。(歌のように呼ばれた自身の名前を擽ったそうに聴き、再び紡がれたフルネームを口の中で追いながら幾度か繰り返す)……ヴェレロゥト、シュティンメィア……覚えた!
(大業を成し遂げたと言わんばかりに胸を張ってみせ、継いで好きに呼んでいいと耳にすれば)
んーでも名前覚えたし……(と暫し迷った後、瞳に悪戯っ気を忍ばせて)じゃあ、いろんな名前で呼ぼう。
今はメィア。次の呼び方は、その時まで秘密だ。(我ながらいい考えだなどと一人頷き)
あたたかい海ってどんなのだろう。ボク海には入ったことがないんだ。
(気持ちいいんだろうな、とメィアの様子に釣られて目元が緩む)
ボクが来る前に起きてたなら良かった。だって、お昼寝って幸せでしょ?それを邪魔するなんて罰が当たっても文句言えない。
(大きな背びれ、尖った歯を珍しそうに眺め)水玉……あ、星だ。
メィアの背びれには星が泳いでるんだね。奥に行かなくても、面白いもの見つけたかも。(ゆらりと背びれの動きに合わせて桃色の髪を揺らし)
ココの住人ってコトはメィアは先輩だね。ボクは気が付いたら神殿?ってトコにいたんだ。
この世界の事よく分かんないから探検

――(そう話したところで新たに加わった物音に気が付き)

ふほーしんにゅう、仲間?
(滑らかな音で呼ばれる自身の名前。完璧だね、と楽しそうにぱちぱちと拍手をして。自身の呼び名への提案には目をぱちりと瞬かせてから、また笑顔になって)
それは……なんて素敵な提案だろう。次に呼んで貰える名前は秘密だなんて……うん。すごく、楽しみだよ。
ひのかは、海に来たことがないの? なんだか……ぼくにとって、そういうひとがいるのは、とても不思議な感じだなぁ。
……そうだ。機会があれば、海の底を案内するよ。流れは緩やかで、春のようにあたたかで。とても素敵な所なんだ。
(尾びれを水の流れのようにゆっくり揺らめかせ、)
そうかい? これが面白いだなんて、きみは変わっているねぇ……。ああでも。
……星。そう考えると、物珍しく思えてくる、ような。水面を滑ると、ほうき星……みたいになる。の、かもしれないねぇ。(楽しそうにふふ、と小さく笑って)
しんでん……ああ、あの。気がついた時に、というと――
……? 仲間?
(微かに聞こえていた音がはっきりと聞こえる距離。一定のリズムの踵の音。……詰まる音、硬い何かが落ちる音、ちいさな声。言葉を切った陽花につられるように目を向ければ、そこには見知らぬ……青年が膝を付いていた)
(何分古い建物だ。怪我はないだろうか、なんて考えつつゆらゆらとした足取りで近づいて、手を差し伸べ)
ねえ、きみ。大丈夫かい。
……なにか、落し物をしたようだけど。どこに、いったかな……?
(そういえば、なにかの所在を問う声が聞こえたような気がした。近場のあちこちへと目線を配る。……大切なものなのかい、と再度首を傾げて)
(綺麗な髪の色の人物に、”ふほーしんにゅう仲間”と聞かれるも、その言葉自体知らない様子。きょとり、目を丸くさせて。けれど、”なかま”は、なんとなく知っている…――)
なか、ま。…仲間?
(なにか、人物たちと自分には共通のことがあるのか。知識足らずの思考を巡らせていると、差し出された手。やけに迫力のある彼にポカンと口をあけたまま、それでも手を取り立ち上がろうか。こういう、時は…)
…すまない、ええと…つまずいた。…ああ、刀を、手放してしまって…。たいせつ…そう、宝物。あれがないと、…
(濁った宝石の瞳は、解りづらくも不安そうに周囲を見渡す。ため息をついて、視線を落とすとこの空間の隅に、紫陽花柄が映える日本刀が1本…――)
――…あった。
海、案内してくるの?!ほんとに?ほんとに?
(黄色の髪と瞳を輝かせ)見たことはあるんだけど、行く用事がなかったんだ。
春みたいにあったかいんだったら、お昼寝も出来るかな。
海の底で見るメィアのほうき星も楽しみだなぁ。

(メィアの手を取り立ち上がる姿を見守り)ケガはないかな?
ココでこぼこしてて面白いよねー……って宝物を無くした?!それは一大事だ。
ボクも探すの(手伝うと言い掛けたところで、少年の視線を追って隅を見つめ)
んーあそこにあるのがキミの宝物?ボク取って来ようか。(言うが早いか刀の方へ一歩踏み出し、突如ピタリと停止する)
あ、触っちゃダメならやめとくケド(大丈夫?と不安定な足場の上で問いかける)
うん、案内するよ。きっとね。
(用事がなくても良い所だよ、と続け。昼寝、の言葉にくすりと笑い声を漏らした。確かにとても心地が良さそうだ)
……水底で居眠りしてしまうと、目が覚めた時には別の場所になっているかもしれないなぁ。だけど、ふふ。やさしい海流に任せて、旅をするのも楽しいだろうねぇ。

(いいんだよ、と柔和に微笑んで。手を取って危なげなくふほーしんにゅう仲間(仮)を立ち上がらせ)
水に濡れてはいないかい。何分、長い時間、人の手が入っていない建物だから……。
ふむ、なるほど。刀、宝物……それは、早く探し当てないとねぇ。きっと、きみの宝物も。持ち主の手を離れて不安だと思うもの。
(あまり変化しない表情から落ちた溜息が気の毒だった。倣って視線をさ迷わせるが、対象のそれは見つからない。少しの間の後、あったと声を上げた人物が、陽花が、視線を向ける方へと目を凝らす)
……おや、本当だ。二人とも探し物が上手だなぁ。
(鮮やかな髪色をした仲間の1人が拾おうとしてくれるその動作を目で追って、ひとつ頷き)
怪我は、してない。さわっても…平気。ありがとう…
(その姿にゆるり、頭を下げて。立ち上がらせれくれたその手は、容易に立ち上がることが出来て)
…濡れては、いない。…建物、不思議で…入ってきたものの。まさか他に、人がいたとは。
…ん。アレがないと、今度こそ本当に木偶になってしまう…
(本当に、よかったと。安堵の表情を微かに)
(さわっても平気との回答にホッと息をつき)
それじゃあ宝物のお迎えに行って来――っと!(移動するため重心を傾けてみれば、微妙なバランスで保たれていたらしい足元がぐらりと揺れる)…………せーふ。(一瞬で白くなった髪に広がる緑色)
ボクも見えなくなったら探して貰えるかな?(誤魔化すように二人へ笑って刀を拾いに行く)

(空間の隅に到着して見たものは、紫陽花が咲いた日本刀)
(たいせつな宝物だと言っていた)
(刀を持ち上げ砂埃を払い、落とさぬよう抱えて運ぶ)

――これで間違いないかな?(持ち主へ差し出し、宝物の不安も和らぐかな?とメィアに笑む)

ボクもここにヒトがいるとは思わなくて、メィアを見た時はビックリした。
勝手に建物に入ったから「ふほーしんにゅう」で、ボクもそうだから「仲間」だ。
ボクの名前は陽花。宜しくね。

<刀を拾うために途中で場を離れたため、陽花は一部(アレがないと~以降は)聞き取れていないようだ>
ひのか、足元には気をつけ――
(古く朽ちた建物に、揺らいだ身体。一瞬足を踏み出しかけたが、保たれたバランスに息をひとつついて。笑った顔にはいたずらっぽく目を細め)
ぼくは生憎と……探し物が苦手だから。見えなくなったりしないでおくれ。

それは良かった。風邪をひいては大変だもの。
……でく……? きみが、かい?
(聞こえた言葉の意味はなんだったか。幾つか思い起こすも、目の前の人物に当て嵌るとは思えなかった)
(陽花の声に、は、と思考を止め。刀を手渡す様を見れば、良かったと再び穏やかに笑んで)
うん。そうだねぇ、持ち主の元へ帰れたんだ。きっと、安心しているに違いない。

ぼくは、ヴェレロゥト=シュティンメィア。長い名前だから、きみの好きに呼んでくれると嬉しいなぁ。
ここのところ、専ら誰かを驚かせてしまっているけれど。ここに住んでいる方の、「仲間」だよ。
……ねぇ、夜闇の瞳をしたきみ。きみの名前も、聞かせてくれるかい。
ぁ…っ…!
(『危ない』の言葉は驚きで詰まって、届きもしない距離なのに思わず空いている片手を伸ばしてしまう。危うく転びかけた姿に、転ばずに済んだことに安堵)
良かった…怪我は、してないか?……髪、色が…
(変化した髪色にきょとり。目を丸くさせながらも紡がれる台詞には迷いなく1つ、頷いて)
宝物、見つけてくれた。紆余も、アンタを見つける。頑張って探すの、得意だ。
(宝物と伝えたからか大切に扱っている姿に、ふわりと暖かい気持ちになる。驚いて伸ばしたその手で、差し出された日本刀を受け取ると、微かに緩む口元)


…ん。元は、人形…。これは、…人間にとっての『心臓』みたいなもので…
(紫陽花に視線を落として、そらからしっかり、腰元に収め)


陽花。…それから、………
(名前を呼んで、その主を見て。視線を移して、ゆるり、首を傾げ)
ヴェ…レロ…ゥト、しゅティん…メィア?…じゃあ、レロ。紆余も二文字だ。
(自分の名前と響きが近いと言う、深い意味はなく呼び名をひとつ。それから、2人をまっすぐみて。)
紆余は、…五百旗頭・紆余だ。迷ってここに、きてしまったけど。これも『縁』と言うやつか。よろしくな。
(メィアと紆余の返答。それぞれ違うけれど、どちらもあたたかい)
ボクもね、二人を探しに行くよ。時間は掛かっちゃうかもだけど。
その時は足元に気を付けるっ(大真面目な顔で挙手の敬礼をしてみせ、怪我は無いよとその場で足踏みをする)

(表情は読み取り辛いながらも安堵した空気を感じ取り)
うん。持ち主の元に帰れて良かった。離れ離れになるのは淋しいもんね。
(メィアの言葉に深く頷き、続いた紆余の言葉にゆっくりと髪色が紫に染まる)
……人形?心臓??…………これ?(紆余に、そして刀に視線を移し)ボ…ボ、ボク心臓運んでたの?!!
落とさなくて良かったあぁぁ。(「みたいなもの」はすっかり抜け落ち、無事届けられた事に心底ほっとしている)
おー、紆余はメィアの名前1度で言えるんだ。スゴイ。(そんけーの眼差しを紆余に送り)
いおきべ・うよ、だね。覚えた。(こちらの名前は1回で復唱できて満足)

(よろしくの挨拶に笑顔で応え)『縁』か。ボクいろんな物を見たり、会ったりするの好きだ。ワクワクするよね。
今一番の楽しみは、メィアに海を案内してもらう事なんだけど、迷子になってみるもの面白そうだなぁ。
海底でお昼寝して、目覚めた先にはどんな縁があるんだろう。
きみが探してくれるのなら。……とても、嬉しいことだねぇ。
おや。それはなによりだよ、ひのか隊員。
(敬礼ポーズに合わせたのか、子供のように敬称をつけて微笑む。のたのたゆっくりとこちらも右手を額に)
……ここはぼくにとって、とても居心地がいいところだから。そこで、出会えたひとが……痛い思いや、いやな思いをしたら、とても悲しいもの。
(少しだけ真剣な顔をして、だからふたりとも怪我がなくて本当によかった、と続ければまた締まりのない笑顔)

人形に、心臓……きみは、随分と美しいこころの形をしているんだねぇ。
(深い赤に、紫陽花の模様のコントラスト。真っ直ぐな刀の形をしたそれは凛と美しく見えた。じっと視線を向けていたが、)
(『心臓』を運んだとあってかあたふたとしている声音と姿に気付き、思わず笑い声が零れた。持ち主へと無事届けたことで安心しているようなので、特になにを言うわけでもなくのんびり笑んで様子を眺めている)
きみの名前。うよ、と言うんだね。
……レロに、うよ。ふふ。二文字仲間。
(身軽な音になった自身の名前。愉快そうに幾度かふたつの名前を並べて繰り返して、ふと)
きみも、旅人なのかい?
ひのかの名前を聞いた時にも思ったけど、旅人は……なんていうのかな。優しい、名前の響きをしたひとが多いから。そう、かなぁって。
(自身の育った環境で余り聞いた事のない音に、先ほど聞いた話。併せて考えれば、恐らくそうなのだろう)

光の梯子、静かな漣の声、白く蕩ける砂。海の底で迷ったなら、そうだね、きっと素晴らしい縁があると思うよ。
(海底で迷い辿りついた先にある縁。馳せるように目を細めて、心が踊るものがあるに違いないと言葉を続けた)
きみたちと縁が出来たのは。とても不思議で、嬉しい事だねぇ。海から出てきたかいがあったよ。
……ねぇ、きみたちは、どこから来たの?
(ゆるりと首を傾げ。旅人でも純種でも、ここへと至る道のりには興味があった)
誰かが見つけ出してくれることは…すごく、うれしい。
(レロの意見に同意するようにひとつ、頷いて。足踏みをするその姿に、目を細め)
……ずいぶん、優しいことを言うんだな…いいやつ。
(真剣な表情を察してぽつり。そうか、自分もそう思ってもらえるのか…と。ほんの僅か、伏し目がちになる。それはどこか、後ろめたそうな…――)

……そんな、…安心しろ。ちっとやそっとじゃ、壊れない。
(慌てふためく陽花の様子に思わず視線を向けてしまう。言葉の知識がそこまでなくて、少し考えて、それから…慎重に、ポツリ、ポツリと)
折れても、刀鍛冶に直してもらえばいい。…刃こぼれしたら、研げばいい。その程度。
(心臓、と言ってしまったから慌てたか。多分、あながち間違ってはいないはず、だけれど…。レロに”美しい”、と言われると。視線はゆるり、落ちてゆき。右に、左に…何と言っていいのやら。人間なら、こういう時は、…そう…)あり、がと。
(そんな言葉を言われるほどではないけれど…そう捕えてくれたことへの、感謝。)
(尊敬のまなざしを向けられて、凄いのか…と。ちょっと自信を持った様子…)
動きのあるものを真似るの、好きだから…な。
(どうやら名前は口元を見て、真似して動かし発したらしく。此処を見た、と言って自身の唇を指さして)

…ン。そう、旅人。どこから……(しばし考えて、はた。と。陽花の言った『海』の言葉に思い出す)……あった。海。紆余のいたところにも。だから、さいしょ…この世界が、別の所だって…気づかなかった。

『海』は、楽しいのか?俺の知ってる『海』は、ゴツゴツしてる岩がいっぱいで、水はまるで…生きているように、岩に体当たりばかりしていた。怖いところだと、思っていたが…レロの言う『海』なら、怖くないな。
(メィアの右手が額へ上がるの見て髪が桃色に咲く)ボク隊員じゃなくて隊長がいいなー。
でもここに住んでるのはメィアだから……しょうがない。隊長は譲ってあげる。
(隊員は休憩するであります、と座り良い場所を見つけて足を投げだした)

簡単には壊れないんだ。良かったぁ。
(動転していたためかメィアの笑い声には気付いておらず、紆余の言葉を聴いている)
その程度じゃないよ。だって、折れても直るってことは、また立ち上がれるって事だよね。
刃こぼれ、疲れたら休むはヒトと一緒だ。(メィアの「美しいこころの形」に同意し)それと、カッコいい!

どこから?んー(あっち、とふほうしんにゅーした入口を指差す)
(反応を窺うように暫しそのポーズで沈黙)
………………これ、じゃないよねー。
ボクが居たところは、ここみたいに世界に名前なんて付いてなかったな。
でも、混沌と同じようなヒト達はいたよ。メィアみたいな海のヒトも。
(紆余の言葉にそうそうと頷き)だからボクも暫くは、違う街に来ちゃったのかなぁ……って感じだった。
ただ、紆余みたいなヒトは向こうでは見たことなかったから、やっぱりここは違う世界なんだろうな。

ボクが知ってる『海』はひろーーーーーいって事だけ。
いっぱい水があるだけって思ってたからメィアの話を聞いてると、ボク勿体無いことしてたんだ……って。
海は楽しくておだやかなんだって思ってたけど、紆余が知ってる海は随分と違うんだね。
違う世界の海だからかな?
(知り合った人間に対し、友好的に振る舞うのは自分にとって当然のことだった。気を使わせたか、と紆余の様子に首を傾げるが、何かを訴えるでもない姿に曖昧に微笑んで)
おやおや。ぼくが隊長でいいのかい。……そうだねぇ、地の利がある者として、有り難く拝命しよう。
(探検の時が楽しみだねぇなんて冗談めかして笑い。ぎしぎし耳障りに軋んで鳴く座席を避けて選んで、陽花に続くように腰掛けた。ゆったり足を組んで我が家のように寛いでいる)

(感謝の言葉にいえいえ、と短く返して目を細める)
そう、ぼくらとなんら変わりないもの。ひのかみたく、大切に、扱うのは……当たり前のこと。だと、思うなぁ。
(刃こぼれすること、折れること。どちらもあまり好ましい響きではなかった。言葉の綾だったとしても、丁重に扱うに越したことはないだろう、と)
(口元を指した指を見て、自身も唇に手を添え)
へぇ、動きを……うん、それも十分にすごいこと、だよねぇ。
(あっち、と陽花が指差した方向へ目を向け暫くそのまま眺め。――ゆるりと目線を戻し、頷いて)
……それもまた、正解だねぇ。

うよのいた世界にも、ひのかのいた世界にも。海は、あったのかぁ。
……海は、全ての命の……そう、根源のようなものだから。どの世界でも、ありふれている、のかなぁ。
(色んな世界に同胞がいるのかもしれない、とどこか嬉しそうに。ふたつの世界の海を想像しては僅かに目を瞬かせ)
うよの言う、海は……なんだか冬の海、のようだねぇ。
水の大きなうねりは、確かに恐ろしいものだけど。力に……溢れていて、ぼくは好きだよ。
海は……たくさん水があって、とても、きれいで、楽しい所さ。混沌にいるのなら、きっと。脚を運ぶ機会もできるだろうからねぇ。

(瞳を伏せ、見知らぬ世界へ思いを馳せるような声音で)
名前のない、世界。
……旅人は突然召喚されたんだものねぇ。確かに……違う世界だと言われても、すぐにはぴんとこないかも。
タイチョウ…タイイン…(やり取りを目に留めて、その様子も学びの一つになるだろう…)

……大切…(陽花が、レロが。向けてくれる言葉に酷く目を丸くする。それは初めて言われたことのように。少しずつ、俯いて。拾ってもらった、綺麗だと、格好いいと褒められた日本刀をぎゅっと握ってポツリ、ポツリ。)
…うん…。紆余…ヒトと一緒。大切にする…!
(いいのか。この世界では、自分も大事で。大好きなヒトと一緒で。瞳の宝石はキラキラ輝いて、其れは2人に交互に向けられ)

ん。言葉も、大抵見たり聞いたりして、覚えてる。
逆に…文字は、苦手だ。
だから、きっと元の世界に名前がついていても…聞いた事がないから、紆余も知らない。
陽花と、ちょっと一緒?
(もう一方の世界の話に耳を傾けながら、想像して。『広い海』には共感するように細やかな頷きを)
海は、紆余の世界も…広かった。
体当たりばかりだから、岩は飛び出たような形になってるところもあった。
怖いけど…目が離せなかったな。
(思い出される記憶を言葉にしながら、他に何か、あっただろうか。)

ぁ、あと。…花が…好きな花が、あった。これ、花。
(日本刀の紫陽花を指さして、これはキレイな花なんだという身振り手振りを加え)
この世界にも、花はあるのか?
今は、ね。でも探検を重ねて、いつかボクが隊長になって(悠然と腰掛けるメィアを見て)その席に座るんだ。
(冗談に付き合ってくれるのが嬉しくてクスクスと笑いを零す)
紆余も今は隊員かな?(こっちこっちと手で招き、座る?と首を傾げる)

(「大切」と口にした紆余の瞳は一層輝いて見え、視線が交わればニッコリと頷く)
そう、大切。紆余も、メィアもね。
でもボク、大事だからって奥の方に仕舞われたり、置いてかれるのは嫌だなぁ。
(しっかりと握られた日本刀に目を細め)ずっと一緒にいるのがいい。

(口の動き……と、二人の口元を見ながら自分も動かしてみる、が、)む、難しい。
あ、ボク文字は読み書きできるよ!(メィアの名前を一度で言えなかった事が悔しかったのか、妙なところで対抗心を燃やしており)
……隊長は?(僅かな希望を乗せ、何か期待した目でメィアを見ている)
違う世界なのに、一緒って面白いね。
その違う世界がちょっとずつ集まって混沌が出来たのかな?
それとも逆かなぁ。ココにあるものが別の世界に取り込まれて……うん。
ボクの頭がグルグルしてきた。

(好きな花だと示された日本刀に目を向け)
そうそう刀を保護した時、この花どこかで見たことがあるなぁって。
なんだったかなぁ……あーーーーーー!『Hydrangea』だ!!
(探っていた記憶に当て嵌まったモノが己だと気が付き驚きの声を上げる)
紆余の世界ではこの花の名前は何て言うの?メィアは混沌で見たことある?
そう。じゃあ、その日まで。その日が来るまでは……この地位に甘んじていようかなぁ。
(視線を受けて、きりりと不敵な笑み。慣れぬ表情だったか、幾許も経たないうちに相好を崩す)
ふふ、うよも入隊してくれるのなら、賑やかになるねぇ。
(最初の探検場所はこの劇場の中かな、なんて和やかに続けて)

(煌めく瞳、大切だという言葉、笑顔。どこか眩いものを眺めるようにふたりの顔を見、嬉しげに微笑んで)
……大切ななにかと。ずっと一緒に在るために、決して、手を離してはいけないよ。ひとでも、ものでも。ね。

え。ぼく、かい。
(動きを音に出来ることが不思議で、口元に手を当ててぱくぱくと動かしていた。が、ふと水を向けられて目を瞬かせる)
(陽花の言う文字の読み書きは自分にも出来たが、同じ事を繰り返すのは芸がないだろう。考えるように頬杖をついて、一節――海洋に伝わる子守唄――に、声を滑らせ、)
――ぼくは……歌が、歌える。
寧ろ、世界にきちんと名前がついている方が……稀有、なのかもしれないねぇ。……けれど、名前がないのは。なんだか、すこしさみしい。
……ふふ。ねえ、もともと、世界はひとつだった、とか。そういうの。伝承に語られる物語みたいで、楽しいねぇ。(悪戯を隠す子供のように笑い)

そうだねぇ、この世界にも……花はあるよ。
(紆余の問いへ、愛の花、太陽の花、吹雪く花……と、指折り告げるが、はたと気付いたように)
なんだろう、ぼく、眺めるのは好きだけど、花の名前ってあまり気にしたことがなくて……。
でも、ひのかのいう、その花の名前……なんとなく知ってる。ような。
(突如上がった大きな声にのんびりと頷いて。崩れないバベルの影響か、ぼんやりその花の事を理解した様子)
……これ。雨の月によく、見かける花。だよね?
(自身が元々水生である為、湿度の高い雨の季節に陸へ上がる事が多かったといった旨の言葉を添えつつ、花の盛りについて問うて)
…紆余も隊員?…うん、隊員。ついていくぞ。
(それはとても興味がそそられる。コクリ、頷いて招かれる陽花の方へと歩を進めれば、膝を抱えるようにして座ろうか)

ん。ずっと、いっしょ。大事。宝物も、…陽花も、レロも。
(大事、という単語と共につい言葉にしてしまった二人の名。言ってしまったけれど、大事と思っていいのだろうか…今度は盗み見るような視線をチラチラと向ける。)

む。陽花、字が書けるのか。凄いな。陽花の名前は、どう書くんだ?
(自分にできないことが出来るなんてすごい、とでもいうような。背筋をまっすぐ伸ばしては、興味津々で。一方から聞こえるメロディーに乗った声にも反応を示し)
…―――…!……きれい。それが、歌。…ほぅ…。
(2人とも、魅力的で。ぽかんと開いたままの口からは、足りない知識から絞られた言葉と感動まじりのため息を)
海は、広い。どこまでも繋がっていても…おかしく、なさそうだな。
(あっちのほうの島と、こっちの方の島と。そうしたらきっと、面白い。微かに緩む口角に、期待を込めたまなざしを)

(この花を知っている様子に、瞬きをして。なんていう名前だったかな、ええと…――)
―――…あじ、さい…。…アジサイ。難しい、文字。花は、紆余も詳しくないけど…これだけは知ってる。紆余は作られた時、アジサイの成分を使ったって…言ってたから。
(雨の降る頃の花、と。頷いて、みんながしっているのかと思うとソワソワする)
やった、隊員が増えた!これなら色んな所が探索出来そうだ。
んー(最初の探検場所……と思案顔で首を捻り)そうだね、ボクこの劇場まだ探検途中だったから気になる。
ねぇメィア、ここには地下室とかもあるのかな?
紆余はどんなところに行ってみたい?

(紆余の心配には気が付かず、自身の名前も挙げられた事にはにかんでいる)
(一歩下がったようなメィアの様子が気になったけれど、思い違いかも、と触れはしない)

(無意義な野望とは叶わないものなのだ)
ゎ……(不意に奏でられた音に小さく驚き、唄が終われば拍手を送った)
すごい。なんだか懐かしく感じちゃうような歌だねぇ。メィアが作ったの?
(期待していた回答などすっかり忘れて、どこからそんな音色が出てくるのだろうかとメィアを不思議そうに眺めている)
そうそう、ボクのところでも雨季に咲く花なんだ。
『ひのか』の字はね、おひさま……太陽の陽に、花って書くんだ。(言葉に合わせて地面へ文字を綴っていく)
で、ボクのもう一つの名前が『Hydrangea』。
ここにも紆余の世界にも、同じ花があるんだね。
(嬉しいな、と喜色に満ちた髪は紆余の言葉を聴き白を差す)
紆余はHydrangea、そのアジサイから出来てるの?!ボクもその花から出来てる、……は、ちょっと違うかな?でもでも一緒だよ!
(どう説明したら良いのか分からず言葉に詰まるも、自分も同じだと伝えたくて花の特徴が現れている髪や瞳にと手を忙しなく移動させる)
紆余は……どこだろう?(アジサイの特徴を探そうと顔を近づけて観察)
地下かぁ、うん。あるよ。……ここが、劇場として機能していたときに。出演者の控え室として使われていた……ような、部屋がいくつか。
(思い出すように左右へふらりふらりと揺れながら。地下、ホール、客席、上階――施設の説明をぽつぽつ落とすように告げて)
場所を移動して、探索するのもいいかもしれないねぇ。

(僅かに目を瞬かせ、驚いたような間の後。ありがとう、と紆余の伺うような視線を微笑んで受け止める)
ふふふ、そっかぁ。ぼくらもうよの大事なものの内に入れてくれるんだねぇ。嬉しいなぁ。

ああ。これは、故郷に伝わる歌のひとつ。だよ。優しい旋律がよく馴染むから……好きなんだ。
きれい、かい。簡単なメロディだから、気に入ってもらえたのなら――あとで教えようか。
(陽花の期待だったりは知ってか知らずか、気づかずか。眺められれば、に、と尖った歯を見せて笑ってみせる。旋律の美しさを褒められるのは、歌を愛する身として嬉しかった)
(地面に綴られる「陽花」の名前を興味深そうに頷きつつ眺め。文字をなぞるように、片方の指をすいと動かし)
――はじめて見る、文字のかたちだ。これで、おひさまの花。って意味になるのかぁ。

ふたりとも、おなじ種から生まれたのかい。すごい偶然もあるものだねぇ。
(黄色かった陽花の髪が、驚いた声音と共に白く染まった。先ほどと同じ色だな、なんて思って)
ひのかは。その瞳と、虹色の髪に特徴が現れているのかい? ……ぼくが知っているあじさいは……そう、ちょうどうよの髪の毛のような色彩をしているんだけど。
(くるくると変わる色彩に鮮やかな緑。自身の知っているそれとは異なる色を纏う姿が不思議だった。答えを乞うように、小さく首を傾げて)
(ルーツは近いのに、ふたりは全く違う姿をしている。ますます不思議だとばかりに陽花に並んでじい、と紆余を見つめながら)
成分――旅人の特徴はおもしろいねぇ、どこに……その名残があるんだろう。
んー…地下?…なんだ、それは。たのしいか?
(どうやらこの場所にはまだまだ知らない場所があるらしい。話に耳を傾けて、そこを探検したいと反応を示しながら)
もしかしたら、なにか…見つかるかも。

……(大事の中に、2人を入れてもどうやら咎められないらしい。陽花のはにかみにきょとり。少し表情を変えたレロの、次に変わった微笑みにきょとり。嬉しいと、言ってもらえると口をきゅっと結んで…照れと喜びで、どういう顔をしていいのかわからない様子)

…紆余も、歌えるか?いいな。歌。
(教われば歌えるようになるらしいその歌を、覚えたらきっとたのしいだろう。瞳を輝かせて頷く様は少し控えめに)
……!
その、名前に…もうひとつつけると…『アジサイ』になる。
(左側を指さして、見覚えのある名前まであと一歩。しかし生憎文字を書くことが出来ないためにおしえることが出来ず、少しばかり頭を下げ)

…む。陽花も、アジサイから?
(身振り手振りを凝視して、確かに…髪色が。と。ジィと見つめたまま)
アジサイは、咲く場所によって色が色々、あるらしい。
(そういうと、ひとつ共通点を見つけたように刀の柄をぎゅっと握って)
…紆余も白くなる、髪。けど、陽花のとは違って…『戦う』っていう気持ちで紆余の中、いっぱいになったら白くなる…はず。
(言いながら、その気持ちを少しだけ意識すると紺藍色の髪は群青色へと変化をする。が…すぐに戻ってしまう。陽花とレロは観察できただろうかと、チラっと視線をむけて)
…変わった?
ほんとうっ?!(地下があると聞いて黄の髪と緑の眼がキラキラ)
(メィアの施設説明をふむふむと真面目に聴き)……上の階も、気になる。
うーん……(紆余を見て、メィアを見て)……よし。
移動場所は隊長にお任せするでありますっ(敬礼)

ボク、歌はあんまり得意じゃないけど簡単なメロディなら……(むーと考え込み)
紆余は上手に歌えるようになりそう。だって、口の動きをみて覚えられるんだから。
ボクは観客で、二人の歌を聴いてようかな。
だいじょうぶ、ねむったりしないよー。(心なしか話し方に抑揚がない)

雨の日生まれなのにね。(どうしておひさまの花なんだろうとクスクス笑い)
この名前にもう一つ?ボクの名前「むらさき」って字もつくけど……(そう言って先程文字を綴った地面へ「紫」と指で書き足し)こっちはあまり名乗る事がないんだ。
本当にすごい偶然だ。ボク同じHydrangeaのヒトに会ったことないもん。
違う世界のヒトだから遇えたんだね。
眼が葉っぱの緑で、髪は花の色なんだ。ずーっと昔は体も緑だったかな?あんまり覚えてないや。(なぜこのような特徴が出ているのか自分では分からないが、両親から聞いた言葉をそのまま伝える)

紆余も髪なんだ(視線を髪へ移し、じーっと観察)
ぁ(力を籠めるように柄を握った紆余の髪に、変化が見えた)変わった!変わったよ。
濃い色だったのが、少し明るくなった。戦う時はもっと白くなるの?

ボクも自分の気持ちで髪色が変わるんだけど、メィアは変わったりしない……?
(もし変化するならどんな色だろう、と揺らめく赤髪を見る)
本当、ほんとう。
ぼくは、大体いつもこの客席と、上階で過ごしているから。ほとんど地下には……行ったことがないんだよねぇ。
……だから。本当に、なにか面白いものが。見つかるかも。ふふ。
(たのしいかという問いかけに、敬礼の仕草に。いたずらっぽく目を細め、行く価値はあるだろうと言わんばかりの笑みを)

歌はねぇ、自分の心から溢れた音……みたいなものだから。ふたりとも、興味があるのなら、きっと。きっと、素敵な歌を紡げるようになるさ。
(先ほど口を結んでしまった表情でさえ、歌にしてしまえばいいのだ。そんな風に言う最中に聞こえた、平坦になっている声に思わず笑い声を洩らして)
あはは。既に、結構ねむそうなお客さんがひとりいるねぇ。子守唄よりも、英雄譚なんかの方がお好みかい?
へぇ。咲く場所で、色が違う……だから、その特徴が髪の毛に現れてる。のかぁ。
すごいなぁ……ふたりとも、ぼくより年若くみえるのに。とっても物知りだ。
(花の名や特徴。自身の知らない知識を有しているのは、目の前のふたりが旅人だからなのか、単に自身の地上の知識が乏しいからか。どちらにせよ、はじめて耳にするそれらの話は興味深い。感嘆の息をひとつ)

うよの髪の色も、変わるんだねぇ。……たたかう、かぁ。なるほど。
(ぎゅうと指先が柄を握ると、程なくして淡く変化し、やがて元に戻った色彩に手を叩く)
ひのかの虹色の髪の毛もきれいだけど。うよの、水に溶けたみたいなそれも、すごく。きれいだねぇ。

(色彩の変化に対しての問いを受け、大きく波打つ赤髪に触れて、)
うーん。残念ながら、ぼくの持つ色はこれっきりだよ。
動いた気持ちが、目に見えない分。ぼくは、自分の口でそれを告げないとねぇ。
――今は、そうだなぁ。ふふふ、楽しい、かな。
…たいちょう。
(任せると、敬礼をする陽花の様子を見て真似をするように敬礼を)

心から、溢れた音。なんだか、いいな…そういうの。
レロはこんな心の音…陽花の、心の音も…きになるな。けど…
(ねるのか?と、首を傾げながらその表情を観察するように眺め。歌を聴くと眠るという原理もまた、見たことのない現象のうちの一つのよう。)

雨の日でも、咲いてる様子は…明るくて、おひさまみたいだから…とか。
(ポツリ、思ったことを言う最中。陽花の書く『紫』の字に思わず前のめりに)
…!これ。…これ。「アジサイ」の字だ。すごいな、陽花は。全部でアジサイになるんだな。
(その文字と陽花を交互にみて、この興奮をどうにか伝えようとレロに手招きをして文字を指さし)
ものしり…。紆余の知ってることは、作った人が教えてくれたことが、殆どだ。
紆余…若くみえるのか?
(如何せん、年齢を意識したことがない為に不思議そうに首を傾げて)

陽花は、アジサイが人間になったような感じ…だな。
紆余は、多分…アジサイの成分と、アジサイの…ハナコトバ?、…っていうのが、混ざってこうなってるんだと、思う。だから、人形のほうが…多いの、かも。
(難しいな、これ。と、言いながら難しそうに微かにしかめっ面をして)
戦う、ってだけになれば…真っ白になる。

そうか、レロは…そのまま。けど、その赤い髪…きれいだから、そのままで、いい。
レロの声は、楽しいのも、暖かいのも、伝わりそうだからな。
(メィアの様子にますます興味を惹かれて)隊長の案内、待ってる。(眼は輝きっ放しだ)

心から溢れた音……そんな風に考えたこと無かった。
ボクの心の音?うーん(頭を揺らしながら考えて)音がポンポン跳ねちゃうかも。
子守唄も好きだけど、うん、英雄譚も好きだ。ワクワクするよね。
(大丈夫「いま」は眠らない、と真面目顔を作り)……でも、ゆったりした音を聴いてると眠たくならない?(メィアと紆余を交互に見る)

褒められた。(物知りとの言葉に気分を良くして得意顔)
メィアは海のことを知ってるから、メィアも物知りだね。
(紆余の問い掛けにうんうんと頷き)ボクには二人とも若く見える。
アジサイの字を知ってる紆余も物知りだ。
ボク、この字が花を表してるなんて知らなかった。
雨の日でも明るくておひさまみたいって聴いて、心があったかくなったよ。
アジサイの成分?
えーっと、アジサイはHydrangeaだから……ボクのどこか一部を切り取って、なんやらかんやらしたら紆余が誕生……しちゃうの?!
紆余を作ったヒトってスゴイ。(詳しいことは解らないけれど、ただただ感心して目が丸くなる)

(メィアにきれいと言われた虹色の髪は、ほんのり黄色に染まっている)
「戦う」だけ、かぁ。
紆余の真っ白な髪、見てみたいような、ちょっとコワイような。
メィアの髪色はそのままなんだね。それも、ひとつ芯が通ってるみたいでカッコいい。
ボクの髪は喋らなくてもふらふら色が変わっちゃうからちょっと羨ましいかも。
……ぼくの心の音には、少しばかり、不思議な力があるようだから。それこそ。ゆるやかな音で、眠気を誘うことも。勇ましい音で、鼓舞をすることも。心のままさ。
(なんだかいい、の言葉に照れ笑い。歌うような不思議な節を付けて朗々と。同意を求めるように交互に行き来する視線にくすりと小さく息を漏らして、そうだね、と頷きを返し)
ひのかの心は、はねる音。かい。きみの、そのやわらかそうな髪の毛のようだねぇ。……ああ、軽やかな足取りにも。似ているかもしれない。
うよの、心は。どんな音をしているんだろう。
(ふたつの音を想像し、心地よさそうに目を細め)

(前傾した姿勢、高揚した声音。手招きされれば、少なからず……というか、より興味を惹かれて。その文字を辿るように覗き込む)
……なるほど、全部であじさいに。
雨の日に咲く、おひさまみたいな花。ひのかによく似合っていると思うよ。――すてきな名前だねぇ。
ふたりとも、若く……というか、ぼくより年下に見える。が、正しいかなぁ。
ぼくも、20年そこそこしか生きていないから、さほど違いはないかもしれない。けれど、ねぇ。
(旅人は幼く見えてそうではない、またはその逆、といった種族の者も多い。あくまで外見に抱く印象を告げ)

成分に、はなことば……?
(浅く刻まれた眉間のシワに合わせるように、自身も少し難しい顔をしてみせて)
ひとの、生まれや成り立ちなんて、自分じゃよくわからないのが、そう。あたりまえ、だから。
難しく考えなくても。こうして不思議なものだねぇ、って、言えるくらいで、いいのかも。なんて。

ぼくとしては、たくさんの色彩を纏うきみたちが……より、美しくみえるものだけどねぇ。
(ふふふ、なんていたずらっぽく笑いつつ毛先をくるりと指に絡ませて)
(秋の夜闇、鮮烈なひかり、こどもの頬、陽だまり。ふたりの持つ色の印象をいくつか並べ、どれもすてきだ、とどこか嬉しそうに)
――さて、それじゃあ、地下へ。行ってみようか。英雄……とまではいかなくとも、ぼくらの探検も。きっと。そう、素晴らしい冒険譚になるに違いないよ。
(ふたりの色よい反応に、相変わらず緩い敬礼を返して。ぎし、と一際大きな音で椅子を鳴らして立ち上がる。鼻歌交じり、ゆらゆら左右に揺れる頭は扉を開けて、新たな一幕へと向かう)

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