PandoraPartyProject

ギルドスレッド

水底劇場

【RP】清ければ月宿る

穏やかな昼下がり。崩れかけた客席での一幕。

あなたが古びた劇場へと辿り着き、なんの酔狂か客席へと足を運んだのなら、1人のディープシーとまみえるだろう。
水気を含んだ空気。音の沈んだ劇場で。

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(崩れた天井から落ちる日差しを浴びながら、1人の男が眠っていた。ぽたり、と額に水滴が落ちて、緩慢な仕草で目を覚ます。片手で髪の毛を掻き混ぜるようにしつつ、大あくび)
(5列目の最上手。いつもの指定席)
(足音が、聞こえた。ような)
(ゆるりゆるりとひどくのんびりした動作で周囲を見渡す。朽ちた舞台の板に、軋む座席。いつもと変わらぬように思えたが、果たして)
(ぱしゃぱしゃと、二本の足は無警戒な音を立てる)
(朽ちた舞台上には何があるんだろうと背伸びをひとつ。通れそうな道を探して周囲を見渡し)
……うわぁっ!
(予想だにしない人影に髪を白く染め、恐る恐る客席へ問いかけた)
あのー、お邪魔して大丈夫だった?
(久方ぶりに自分以外が立てる水音を聞いた。淀みのない、まさか自分以外の人間がここにいるだなんて考えてもいないような、遠慮のない足音)
(程なくして、悲鳴じみた短い声。ゆら、と体を揺らすようにその声がした方を振り返る。白い髪の毛の人影と目があった)
やあ、こんにちはぁ。……ああ、今の声は、きみの? なんだか随分と、驚いていたような。
(なにかあったのかとばかりにのんびり首を傾いで問いかけながら。人影の問いには、ああ、と柔らかく笑んで、)
お邪魔だなんて、とんでもない。大丈夫だよ、ひとりでいるのにも飽きていたんだ。
あぁ、良かった。ふほーしんにゅう、ていうの?ソレでどこかに突き出されたりしちゃうかと思った。
まさかヒトが居るとは思わなかったんだ。
(懸念が晴れたことに加え、のんびりとした様子に落ち着いたのか髪は徐々に七色を帯び始める)
まぁ、探検に驚きはつきものだよね。おにーさんはここで何してるの?
ふふ、もしもそれで捕まってしまうのなら、きみだけじゃなくてぼくもって事になってしまうねぇ。
ひとが。いると思わなかった……?(視線は中空を彷徨っていたが、ややあってからぽんと手を打ち合わせて)
きみは、ぼくの姿に驚いていたんだね。それはそれは、申し訳ない事を。ごめんねぇ。
ぼくはヴェレロゥト=シュティンメィア。ここに住んでいるんだよ。さっきまで……そう、昼寝をしていたんだ。
(おにーさん、と呼ばれたから名前を名乗って。何してるの、と尋ねられたから答えを述べた。そこでふと、白かった髪の毛に彩が差している事に気づいて、虹のようだねぇ、なんて声を漏らしてから目を細める)
……ねぇ、虹髪のきみ。きみはここでなにか、探し物でもあったのかい?
(ぼくも捕まってしまうの言葉に声を潜めて)ふほーしんにゅう仲間だね。
ボクの名前は陽花。ヴェ、ヴェれ(名前を思い出そうと視線を彷徨わせ)……うん。おにーさん宜しくね。(ニッコリ笑って誤魔化してみる)
お昼寝かぁ。お昼寝はボクも好きだ。お日様の下とかポカポカして気持ち良いよねぇ。(空が覗く天井を見上げた後、床に敷かれた水紋を眺めて)ココは水もあるし、いい場所だね。
……ん?昼寝をして、た?……!も、もしかしてボク起こしちゃった?!謝るのはボクのほうだ。ごめんなさい。
(虹のようだと零れた声が耳に触れれば、青みの強かった髪に黄色が差した)面倒な事も多いんだけどね。おにーさんの髪も綺麗だよ。(太陽が溶けたみたい、と笑みを返し)
探し物っていうほどじゃないんだけど、何か面白いものないかなーって探検してたんだ。おにーさんはこの世界(無辜なる混沌)のヒト?
……仲間。そうだね、仲間だ。ふふ。(一瞬きょとんとしたが、すぐにまた微笑んで。嬉しそうだ)
ひのか、ひのか。それが、きみの名前なんだね。
(楽しげに、優しい音の連なりを歌うように数度名前を繰り返し、誤魔化すようにニッコリ笑った様子には思わずくすくすと笑みを零してから。もう一度、ゆっくりと聞かせるように自身のフルネームを告げて、)
好きなところを切り取って、きみの好きに、ぼくの事を呼んでくれると嬉しいなぁ。我ながら、舌がもつれてしまいそうな名前だからねぇ。……勿論、おにーさん、でも返事はするけど。
(などと、いたずらっぽく言って。続く陽花の言葉にうんうんと頷き、気持ちよさそうに目を細めた)
水がある場所は、とてもいいよ。ここには太陽も差すし、夜になればみえる星は美しい。あたたかい海みたいで……気に入ってるんだよねぇ。
……? なぜ、ひのかが謝るんだい。
大丈夫。起きていたのは、きみのせいじゃないよ。きみが来る少し前に、目が覚めたんだ。
(青から黄へ、不思議な法則で再度色味の変化していく髪の毛を興味深げに眺め)
こんなにきれいなのに、面倒なこともあるんだねぇ。……いや、きれいだからこそ、面倒なのかな。
あはは、ありがとう。……そう。ぼくはこの世界の住人さ。見ての通り、海種だよ。
(照れたように赤い髪に触れ、白い斑点のある大きな尾びれを相手の目に映るようにゆらりと揺らして。ね、と微笑んだ口元には小さく尖った歯が並んでいる)
面白いもの、かぁ。ここ……なにか、あったかなぁ。奥に回れば、ここにまだ人がいた時のものもあるかもねぇ。
……ひのか。きみはもしかして、旅人なのかい?
(探検という言葉が出るということは外部から来た者だろうか。思い起こせば、髪の毛の色がくるくると変わる種族に出会った事はなかった。首を傾げて問うてみる)

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