シナリオ詳細
<ダブルフォルト・エンバーミング>Fullmetal Battleend
完了
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オープニング
●最終決戦と、疑似宇宙
終焉獣の出現。そして特別な終焉獣が作り出すという『疑似宇宙空間』。
これらに対処できるのは――。
「拙者たち鋼鉄帝国が誇る最新鋭戦闘兵器――エクスギアエクスに他なりません!」
荒野を爆走する移動要塞ギアバジリカ。
ガイウス派閥のギア・フラウィウス、ザーバ派閥のギア・ブルグ、更にパルスちゃんファンクラブのギア・スチールグラードスーパーアリーナ2021のパーツを併合することで完成した最終決戦仕様の真ギア・バジリカである。
その頂上。屋根の上から飛び立つのはパワードスーツを纏った夢見・マリ家(p3x006685)であった。
カタパルトから次々に飛び出した四つのメカ『クイーントラコフスカヤ』『カイザーブラックタイガー』『エンペラーアルチュウ』が次々に合体。
「完成――ゴッドカイゼルVDM!」
ジェット噴射によって空を飛んだマリ家もといゴッドカイゼルVDMは、天空の暗雲を切り裂いて現れた
空中母艦VDMへと飛び込んだ。
そう、はるか天空より舞い降りた円盤状のテーマパーク型空中要塞は主砲VYANEN334口径を初めとする様々な武装に包まれた、この決戦のために改修された最終兵器なのだ。
中央デッキにせり上がり式で現れたマリ家が見回すと、ブラックタイガー君やとらぁ君たちが各種パネルを操作し、その一つを操作していた夢見・ヴァレ家(p3x001837)がサムズアップして振り返った。
「待っていましたよマリ家……いえ、虎帝マリ家! ついにこの最終兵器を投入するときが来たのですね!」
「いかにも!」
前方を見つめる。
そこにあったのは巨大な……それこそ空中要塞VDMが突入可能なほど巨大な『疑似宇宙』空間であった。
『優帝』いりす(p3x009869)たちの持ち帰った情報によれば、この『疑似宇宙』は生身では突入不能な特殊空間であるという。
だが放置していては内部に潜伏する巨大終焉獣『デカラビア』によって次々に終焉獣が生成、排出され無尽蔵に敵戦力が追加され続けることになってしまう。
エクスギアエクスの特殊なエーテルコーティングによって突入および活動が可能という特性を生かし、同じくコーティング済みの空中母艦VDMをサクラメント搭載型空母として突入。内部で待ち受ける終焉獣の群れとコピー品であるエクスギアエクス部隊を撃滅し、『デカラビア』をも撃滅するのだ。
「空中母艦VDM――突入!」
まるで宇宙のように広がる暗黒の空間。はるか遠くに見える星のようなきらめき。
無数に浮かぶ岩デブリ群。不思議とよく音の響くその空間で、待ち受ける軍勢へと虎帝率いるエクスギアエクス部隊は武装と兵を展開した。
●北欧の伝説
疑似宇宙へ続く『ゲート』手前。
接近する大軍勢をまえにギアバジリカは動きを止めた。
ギアバジリカ中央デッキ。三つ並ぶ玉座のうちひとつに腰掛けるのは『雷帝』ソール・ヴィングトール。
拡大された映像に見えるのは、ノーザンキングス連合王国軍。および砂嵐や幻想王国の精鋭兵士たちをコピーしたシャドーレギオン軍である。
そのなかに見えた、疑似反転したエーデルガルド大佐。そしてその原因である『プロモーター』。
そして彼らを扇動する最大の黒幕にしてパラディーゾ、『天国篇第一天 月天の徒』トモコの姿があった。
「我らの役目は決まったな」
特別な槍を地面にドンとたて、立ち上がるソール。
「全軍出撃! 不埒なやからに二度と鋼鉄の地を踏みにじらせるな!」
大軍勢がギアバジリカめがけて突撃してくる。彼らが侵入を果たすのも時間の問題だろう。だが……。
「こちらとて兵力は充分。イレギュラーズたちをそれぞれ小隊長とする!
軍勢を率い、ノーザンキングス大連合軍を撃滅せよ!」
大声で命令を飛ばすソールの隣。別の玉座にて『優帝』いりすは口元に手を当てた。
「私は、どうしましょうね。この前のように私の部隊を率いてもいいですし、あの子に乗って疑似宇宙へ突入するのもよさそうです」
彼女が言っているのは、ザーバクライシスの際に編成された優帝小隊と、その後所属不明機調査の際にロールアウトした優帝専用エクスギアエクス『R×H』。
ソールはちらりと彼女を見て、そして笑った。
「好きな方を選ぶとよい。我も、運命が呼ぶならば疑似宇宙にてギアを駆るのも一興だろう。我らは皇帝であると同時にイレギュラーズ。自由の徒ぞ」
すっかり皇帝ロールが板についたソールにいりすは肩をすくめると、そうですねと言って立ち上がった。
「では、私も出ます。風のむくままに……!」
●暗雲と暗黒
「始まったね」
「ん、そだね」
どこともわからない、どこか。
『天国篇第九天 原動天の徒』セララと『天国篇第六天 木星天の徒』ランドウェラオルタは水晶に写る風景を見つめていた。
ギアバジリカから出撃する大軍勢とノーザンキングス大連合が激突する風景。
そして、疑似宇宙内にて終焉獣やエクスギアエクスたちが激突する風景。
「Hadesくんとイノリくんがやりたがってた『世界の破滅』……ボクたちも行かなくっちゃね」
「ここから、本腰入れて?」
冗談のように言うランドウェラオルタに、妖精フォームのセララはくるくるまわる十二の聖石の中央に浮かび上がった。
パキンと光が混ざり合い、等身大魔法少女フォームへと変化する。
「今までだってずーっと本気だよ! だってボクは、悪夢と絶望の魔法少女だからね!」
「よくいうよ。それじゃあ……僕も行こうかな。だって僕らは、『世界を滅ぼすために作られた』んだからね」
- <ダブルフォルト・エンバーミング>Fullmetal Battleend完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別ラリー
- 難易度HARD
- 冒険終了日時2021年12月09日 17時23分
- 章数3章
- 総採用数174人
- 参加費50RC
第3章
第3章 第1節
「燦然! 絢爛! しかと見よ!
余こそが『雷帝』。
三つ並びし皇の一角にして、汝らの夢を護る者である」
次々と現れるネームドに圧倒されながらも、イレギュラーズたちに率いられ戦う鋼鉄帝国軍。かれらの空に、拡張された『雷帝』ソール・ヴィングトール(p3x006270)の演説の声が響く。
「鋼鉄の者達よ、余に並び立て。
余が求めるは汝らがこの国へ与える希望」
即ち!
――未知への挑戦だ!」
まるで雷帝の魂を示すかの如く、それまで足を止め防衛モードを堅持してきたギアバジリカが大地に脚を打ち高く立ち上がった。
分離して離れていく小型輸送機たちを見るに、これまで収容していた負傷者たちを離脱させ最終決戦モードへと移行したのだろう。
ここは鋼鉄帝国南西部。終焉獣デカラビアとシャドーレギオンの軍勢による国家壊滅作戦の戦場。
そして――無限にすら見える疑似宇宙に包まれた特殊空間である。
移動要塞ギアバジリカが立ち上がった今こそ、あらすじを語るべきだろう。
混沌世界でいうゼシュテル鉄帝国に相当する、ROO仮想世界ネクスト主要国家がひとつ『スチーラー鋼鉄帝国』。
ここは暫しの間複数の軍閥による内乱が続いていた。いや、今もまだ続いている。
皇帝を殺した者が次なる皇帝になるというルールであるにも関わらず、前皇帝殺害の当事者が名乗り出ないという事態ゆえの混乱であったが、その裏に暗躍していたのはこの世界全体を崩壊させんとする『聖頌姫』ディアナ・K・リリエンルージュやパラディーゾというバグエネミー勢力であった。
友情と絆と、そして何よりも熱き闘志によってその悉くを打ち破り首都の獲得に成功したイレギュラーズとその所属軍閥ゼシュテリウスは、このむなしき皇帝殺害の連鎖を止めるべく『死なない皇帝』を即位させた。
それが先に語った『雷帝』ソールを初めとする虎・優・雷の三帝である。
だがそんなひとときの安寧をよしとせぬ、世界を滅ぼすための軍勢が帝国へと波の如く寄せ返した。
終焉獣デカラビアを中心とした終末の軍勢。彼らは砂嵐盗賊団の支配する砂漠地帯を壊滅させ、その隣にある鋼鉄帝国にまで滅びの手を伸ばしていたのだ。
抗い、戦い、そして時には傷付くイレギュラーズ率いる鋼鉄帝国軍。
だがそんな彼らを逃がすまいと、終焉獣デカラビアは『疑似宇宙』なる異常な空間を展開し、移動要塞ギアバジリカもろとも戦場ごと覆ってしまったのだ。
「この空間内では終焉獣デカラビアは不死身……たとえネームド・バグエネミーたちを倒したとしても……」
師団を率いていた『優帝』いりす(p3x009869)は荒い息を整えながらも、巨大すぎる星空の怪獣を見上げていた。
たとえばいま戦ってくれている全ての帝国軍兵士たちが命をなげうって攻撃し、デカラビアの恐るべき自己回復能力を上回る速度でその肉体を破壊していけば、もしかしたらこの巨大すぎる敵を倒しきれるかもしれない。
だが、そのために払う犠牲は何千という命であり、自分達を信じ国と世界の未来ののために生きるべき人々を失う事になる。
『優帝』いりすにとって、それは無限の未来の喪失であった。
強いから勝ち残り、強さによって生き残るのが鋼鉄帝国の常であった中で、弱くとも生き残る価値を説いた『優帝』。だからこそついてきてくれた民たち。だからこそ戦うと決めた民達に、それを許すことはできない。
退くべきか。それとも戦い続けるべきか。
そう迷ったまさにその時、『雷帝』はギアバジリカと共に立ち上がったのだった。
ならば、やるべきことは一つだ。
「皆さん。もう一度力を貸して下さい。私達の――無限の未来を守るために!」
ギアバジリカから伸びた巨大なシンボルから光が走り、それは浮遊する飛行空母VDMへと繋がった。
それはギアバジリカの中で祈った人々の心が作り出した光であり、ギアバジリカそのものを動かす力でもある。
いりすは祈った。そして彼女に続く兵たちもまた祈った。
民を守るため。家族や子や、友を守るために祈った。
その祈りがギアバジリカへと集まり、そしてそれはさらなる巨大な光となってVDMへ注がれる。
空母の上。『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)が叫んだ。
「今こそ、終焉を打ち払う時です。VDM砲――発射!」
空母から放たれた光は空を穿ち、疑似宇宙を切り裂いて行く。
そして、自分達を閉じ込めていた宇宙色の幕を弾き飛ばし、青き空が戻った。
中に浮いていた岩石群や敵機の残骸が次々と落下する中で、終焉獣デカラビアもまた地面へと落下。
数秒で元通りになってしまうほどの治癒能力は――発揮されない。
勝機は、今だ!
「鋼鉄帝国総員――決戦である!」
「がんばったね。もう大丈夫! これでみんなハッピーエンド!
……そう思った所で叩き潰されるのが、一番苦しいんじゃないかな?」
ニッコリと笑い、『天国篇第九天 原動天の徒』セララはデカラビアの上へと立った。
自らを魔法で巨大な幻影に変えると、頭をあげた竜の如きデカラビアが咆哮をあげる。
と同時に、『天国篇第六天 木星天の徒』ランドウェラオルタが大地へとおりたった。
「けど、こっちもだいぶ手駒を失ったよね。この程度じゃ……『今居る軍勢を皆殺しにする』くらいしかできないんじゃない?」
とろけるように笑うランドウェラオルタ。その横に、『傲慢な死神』ストラーフがゆっくりと舞い降りる。
死そのものを振りまくこの存在にかかれば、鎌一本で100の軍勢を死に至らしめることすら可能だろう。そしてそれを使役するだけの力を持つランドウェラオルタの力は計り知れない。
「ね? チャンスだよ、エーデルガルト」
振り向くと、溶けた金属のようなものを操り巨大なミサイル垂直発射装置群を周囲のフィールドに敷き詰め始めた。
「おおいに結構だ」
国が滅びるか、自分達が滅びるか。
選ばせるのは、二つに一つだ。
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第三章:FULLMETAL BATTLEROAR
●これまでのあらすじ
鋼鉄帝国への侵略を迫る終焉獣デカラビアとの戦いが最後の局面を迎えました。
デカラビアを守っていた疑似宇宙は破壊され、ついにこの絶望的軍勢を打ち倒すチャンスがやってきたのです。
しかし敵もまた最終にして最強の戦力を投入。
それまでの防衛モードから一気に攻撃モードへと映ったデカラビアはもちろん、強力なパラディーゾであるセララ、ランドウェラオルタ、ストラーフ(リュグナーオルタ)、それに疑似反転したエーデルガルト大佐(エッダ)が立ち塞がります。
この全てを打ち倒し、鋼鉄帝国の平和を勝ち取るのです!
●エネミーデータ
・終焉兵(ラグナレギオン)
『終焉獣×終焉使徒×シャドーレギオン』という要素の歪な融合によって作り出された半クリーチャー兵団です。
形状も能力も様々ですが、元が人間であるという特徴をもちます。
弱い者ならイレギュラーズのパワーで無双できますが、強力な個体になると率いた部下達と強力し戦う必要が出てくるでしょう。
・終焉獣(ラグナヴァイス)
終焉の地より現れた怪物たちです。能力も形状もバラバラですが、どれも強力な戦闘力を持ちます。
・エクスギアエクス
人間が搭乗して操るロボットです。人型を中心に様々な形状、能力のものがあります。
詳しくはGMコメントをご覧下さい。
●パートタグ
【デカラビア】
※このパートではロボット(エクスギアエクス)での戦闘を行います。詳しいしくみは後述の『エクスギア・EX(エクス)』をご覧下さい。
エクスギアエクスに搭乗し、デカラビアとその周囲の終焉獣たちを撃滅します。
デカラビアはあまりにも強力な戦闘能力を備え、またかなりの防御力をもちます。
力を合わせて戦えばきっと勝利することができるでしょう!
【エーデルガルド】
※このパートでは『小隊指揮』ルールが適用されます。詳しいルールは後述の『小隊指揮について』をご覧下さい。
歩く火薬庫と化したエーデルガルド率いる終焉兵軍団との全面対決を行います。
凄まじい広域破壊を行うエーデルガルドと死をも恐れぬ終焉兵のによる苛烈な攻撃を掻い潜り、エーデルガルド及び終焉兵軍を壊滅させましょう。
【セララ】
※このパートではPC個人で戦闘を行います。ロボットや小隊を率いることは出来ません。
※このパートは参加者が一定人数に達した時点で実行されます。
悪夢と絶望の魔法少女パラディーゾセララとの最終決戦を行います。
セララの戦闘能力は未知数ですが、魔法少女の幻影を無限に召喚して対多戦闘を行ったり、奇跡の魔法を好き放題に振り回して周囲を破壊し尽くすといった非常に凶悪な戦果を見せています。
【ランドウェラ】
※このパートではPC個人で戦闘を行います。ロボットや小隊を率いることは出来ません。
※このパートは参加者が一定人数に達した時点で実行されます。
パラディーゾであるランドウェラオルタと死神ストラーフ(リュグナーオルタ)のコンビと最終決戦を行います。
ランドウェラオルタは死神ストラーフを使役し、死をまき散らしながら自らもまた次元を切り裂くなどの恐ろしい攻撃を仕掛けてきます。
●超強襲用高機動ロボット『エクスギア・EX(エクス)』
エクスギアEXとは大型の人型ロボットです。
『黒鉄十字柩(エクスギア)』に附随した大型オプションパーツを超複雑変形させそれぞれの戦闘ロボットへと変形します。
搭乗者の身体特徴や能力をそのまま反映した形状や武装をもち、搭乗者にあわせた操作性を選択し誰しもが意のままに操れる専用機となります。
能力はキャラクターステータスに依存し、スペックが向上した状態になります。
武装等はスキル、装備、アクセスファンタズムに依存しています。
搭乗者のHPがゼロになると破壊され、多くの場合爆発四散します。
搭乗者が装備する剣と同様の剣で斬りかかったり魔術砲撃をしたりと、搭乗するキャラクターによってその戦闘方法は変わるでしょう。
もしお望みであれば、普段と違うデザインをオーダーしてみるのもいいでしょう。
※すべてが専用にカスタムされているため、別の人物が乗り込んだり敵のエクスギアを鹵獲し即座に使用することはできません。逆もまた然りです。
●小隊指揮について
・このシナリオには小隊指揮ルールが適用されます。
PCは全員小隊長扱いとなり、十名前後の配下を率いて敵部隊と戦うことができます。
・兵のスキルや装備といった構成内容はおおまかになら決めることができます。
防御重視、回復重視、機動力重視、遠距離砲撃重視、特定系統の非戦スキル重視……といった感じです。細かいオーダーは避けましょう(プレイング圧迫リスク回避のため)
・使用スキルや戦闘パターンの指定は不要です。(プレイング圧迫リスク回避のため)
・部下の戦意を向上させるプレイングをかけることで、小隊の戦力が上昇します。
先陣をきって勇敢に戦って見せたり、笑顔で元気づけたり、料理を振る舞ってみたり、歌って踊ったり、格好いい演説を聴かせたり、効率的な戦術を指示したりとやり方は様々です。キャラにあった隊長プレイをお楽しみください。
・兵のデザインや雰囲気には拘ってOKです。
自分と同じような服装で統一したり、自分の領地にいる戦力を選抜したり、楽しいチームを作りましょう。特に指定が無かった場合、以下のデフォルト設定が適用されます。
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第3章 第2節
広い大地に降り立った、一人の男とひとりの死神。
「見つけた! ウェラさんのオルタ!
コピーされ世界を滅ぼす為に利用されるなんて私ならすっごくイヤだもの。親しい人ならもっと……」
片膝をあげ格闘の構えを取る『月将』タイム(p3x007854)。
刀を手に深く息をついた『屋上の約束』ロード(p3x000788)と、ランドウェラオルタが遠い遠い距離を挟んでにらみ合った。
「守りたい部下ができたし守りたい人がここにいる。お前もこうなれたってとこ見せつけてやるよ」
「どうかな」
ランドウェラオルタはひとかじりしたアイスキャンディを放り投げると、舌をだして笑った。
たてた人差し指でつうっと空をかくと、次元が斬り割かれ色のない空間がびきびきと描かれる。
「俺は偽物として作られて、偽物として世界を滅ぼす使命を負った。そして手順は間違ってなかったけど、失敗した。Hadesの手配した『公平なゲーム』ってやつに、ね。そして公平であるからこそ、もう一度チャンスが与えられた」
小太刀を抜刀し立ち塞がる『國定 天川のアバター』天川(p3x010201)。
「俺たちに勝てば、か? そいつをできたかもしれねえな。ROOにログインしたばっかの俺らが相手なら」
「そっちこそ、『ボスキャラ』がいつまでも力を増さないと思ったら大間違いだよ。容易くなんて終わらせてあげない――ストラーフ!」
腕を翳すと、そこへ傲慢の死神ストラーフが舞い降りた。
『屋上の約束』プロメッサ(p3x000614)と『霞草』花糸撫子(p3x000645)が並び立ち、同時に構える。
「姿まで変えて……どうした、この娘(花糸)の怒りを買ったのがそれ程堪えたか?」
「どんな姿であっても、リュグナーさんであるなら恐れることはないわ」
手を突きだし顔を覆うシールドに光を浮かべるプロメッサ。
ストラーフは黙ったままかちりと鎌を手に取った。
正義国のゲートから退けた時とはまるで異なる姿だが、これこそがある種『鋳造された殺意』であるともいえた。あそびを無くしたとも、言える。
深く呼吸を整え、プロメッサたちの横に並ぶ『ハンドルネームは』グレイ(p3x000395)。
『AzureHarmony』アズハ(p3x009471)も銃をとり、ぴったりとストラーフへと向けた。
「ここで倒すぞ。連中は確かに強いが……俺たちだって力をつけた」
アズハが銃撃を開始するのと、ストラーフが鎌を振るのはほぼ同時だった。
放たれた弾頭が炸裂しストラーフを呪力爆発に包むが、それを切り裂き死の刃がアズハへとせまる。
銃で受ける――が、それをすり抜けてアズハの肉体へとめり込んだ。
すぱんと切断されるアズハの腕。
咄嗟に飛び退く動きをとらなければ、斬られていたのは首だったろう。
「鋼鉄は生きて勝たねばならない。ならば、死を振りまくのを許してはおけない!」
口でくわえた銃のベルト、無理矢理姿勢を維持すると、次弾を発射した。
爆発に紛れて飛びかかるグレイ。
回転のこぎりのアクセルスロットルを握り混むと、大上段から叩きつける。
「そこのリュグナーオルタ……いや、死神ストラーフ! まずは君から!」
振りかざした鎌でストラーフが受けるも、至近距離でスロットルを一段階ひねると発動した光魔法の刃がストラーフへとめり込む。
ドッと放たれた衝撃がグレイを吹き飛ばし、素早く打ち出した刃がグレイのボディをX字に切り裂いて行く。
「――」
肩に受けたダメージに舌打ちするように首を動かしたストラーフ――の真後ろに、花糸撫子は現れた。
「ねえ、私のこともちゃんと見て。気にしてくれなくちゃ嫌よ?」
振り向きと同時に繰り出された刃はしかし空振りした。
プロメッサに抱えられその場を大きく離れていたからだ。
そして花糸撫子はプロメッサの腕のうえから『まほう』を発動。
対抗して繰り出したストラーフの刃と魔法が交差し、花糸撫子のアバター体が命の概念ごと切断され、光の粒子となって消えていく。
「死神が屠るのは――私だけで十分よ!」
光に紛れるかのように、プロメッサは急速に距離を詰めた。空を蹴り、弾丸のように飛び、ぶるりと震えた拳をそのまま力に変える。
「他人を守るために、己の命を賭けて戦ったあの勇者のように!
そして、初めて世界を見たこの花の前で、私の哀れな姿は晒せぬ!!」
プロメッサの拳がストラーフを貫き、その存在を崩壊させていく。
その一方で、天川はランドウェラオルタへと斬りかかっていた。
絶え間ない連続攻撃を、ランドウェラオルタは次元ごと切断することで無理矢理に防御した。
次々に修復される次元の切れ目。その間から突き込んだ天川の剣は確かにランドウェラオルタに突き刺さったが、その腕をランドウェラオルタはぎゅっと握った。
「確かに強いね。今の俺じゃあ対抗しきれないけど……道連れくらいにならできるかな」
天川を中心とした次元が真っ二つに斬り割かれ、歯を食いしばって突き立てたもう一本の剣だけを残してアバター体が消滅していく。
「ウェラさんの顔で笑うの、やめてよ!」
横から繰り出されたタイムのキックがランドウェラオルタへ直撃。
が、ランドウェラオルタは頭部に蹴りを食らったにもかかわらず小揺るぎもしなかった。
逆にタイムの足を掴んで振り回し、今まさに突撃をしかけていてロードめがけて投げつける。
「うおっ!」
咄嗟にキャッチして転倒するロード。
そこへ、クロスした次元亀裂が迫った。
直撃をうければ天川たちのようにアバターごと消滅させられる。
ロードがグッと歯を食いしばり奥歯でこんぺいとうをかみつぶした、その瞬間。
「ランドウェラ!」
ギン――という音と共に次元亀裂が『切断』され、左右に散って消えていった。
見覚えのある、その背中。
ロードは手を伸ばし、そしてそれが幻でないことを確信してタイムと共に立ち上がった。
振り返った彼の名は……。
「イデア」
「待たせたな、一緒にやろう。ランドウェラ。リュグナー!」
学生服に『星の勇者』の紋章が刻まれたマントを装着したイデアは、剣を握って走り出した。
その左右に並び走り出すロードとプロメッサ。
対するランドウェラオルタは、フッと自嘲気味に笑った。
「あの時点で終わってたのかもね。俺の戦い……いや、物語は、さ」
ロードの剣、イデアの剣、そしてプロメッサの手刀が連続でランドウェラオルタを斬り割き、そして黒い粒子にかえて消滅させていった。
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※イベント発生
ランドウェラオルタが倒されました!
これにより【ランドウェラ】パートが終了します。
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成否
成功
第3章 第3節
大地激震。岩だらけの荒野を怪物たちが走り、その上空を無数のミサイルが煙の軌跡を引いて飛んでいく。
着弾と同時におきた爆発は次々に鋼鉄帝国軍の兵達を吹き飛ばすが、その中を勇敢にも駆け抜けたのは『魔剣遣い』アーゲンティエール(p3x007848)率いる『銀魔隊』であった。
「これが正真正銘の最終局面か……どうか皆、最後まで持ちこたえてくれ!」
グレートソード『アーゲンティエール』を抜き、真正面から迫る巨大昆虫と融合したような終焉兵を真っ二つに斬り割く。
更に剣に込めた力を解き放ち、闇色の嵐が終焉兵たちを吹き払った。
「我が剣の元に集った皆のため。我々を信じてくれた民のため。
我自身が死力を尽くす。それが我の矜持にして願いだ!」
その後方を固めるように展開したのは『ロックンロール』アーロン(p3x000401)のロックンロール部隊である。
「HAHAHAHAHA、硝煙の舞い散るステージだぜ、野郎ども!
ファンキン地味だなコノヤロー、ミー達で盛り上げていくぞ野郎ども!
ジャンプスーツは着込んだか!? 得物(楽器)の準備は出来たか!?
ミー達の戦いは殴り合いのドンパチのスッタモンダじゃねえ、エンターテイメントだ!
喉が裂けるまで、指が千切れるまで歌って奏でろ!」
特設されたステージ型の車両に乗り、連結されたスピーカーセットから流れる大音量のロックミュージック。
彼らの演奏に後押しされるように、『刹那(エトワール)』入江・星(p3x008000)の『星屑小隊』がバイクに跨がり突撃を敢行した。
「もう休憩は十分やろ?
残りはあと少し。力振り絞っていこうやないか。
怪物共は死ぬんが怖ないらいいで。結構やないか。
ンなこと二度と言わせんようにしたろぉやあ!」
アーゲンティエール銀魔隊の初撃によって崩れかけた終焉兵前線部隊へと、ウィリーしたバイクで文字通りぶつかっていく星。
「笹森ィ、ぶっこめやオラァ!」
体当たりと同時にバイクを爆発させた星。それによって乱れた敵陣めがけて部下達は的確に援護射撃を開始。終焉兵の数を減らす一方で、こちらの数も大きく目減りしていった。
戦況は一進一退。
死ぬまで戦う終焉兵と、ダメージを一定以上負ったら撤退する帝国軍という『圧』の差を埋めるだけの戦いをイレギュラーズたちが行えている証明であり、同時に終焉兵たちの厄介さの現れでもあった。
しかし、終焉兵たちの首魁にしてこれだけの軍勢を率いる手腕をもった軍人。エーデルガルト大佐を倒さぬ限りこの『効果的な波』は押し寄せ続けるだろう。
帝国軍は既に疲弊し、負傷した兵がギリギリの回復だけをうけて前線に戻ってくる姿も見え始めていた。
「これが『みんなをまもるたたかい』なら、ここで突き通さなくてはいけません!」
可愛いクマさんが描かれたオフロード仕様の装甲車。その運転席でハンドルを握り補助ボックスつきのアクセルを踏み込むのは、『クマさん隊長』ハルツフィーネ(p3x001701)。
そして彼女を中心として綺麗な横一列の装甲車たち。そのルーフパネル上の台にて構えるクマさんパワードスーツ部隊である。
「世界を守る戦いも大詰めですね。
敵は強敵で凶悪。しかし恐れることはありません。今日も可愛く頼もしい……我らにはクマさんが付いています。
それに――ここで活躍すれば、我らがクマさん達のプリティな姿が後世まで語り継がれるでしょう!」
クマさんたちが一斉に車両据え付けしたピンクのブローニングM2機関銃をぶっ放すと、運転席でハンドルを握るぬいぐるみ兵たちがキッとつぶらな瞳を光らせた。
「悲しむのも、悲しむのを我慢するのも、ここで断ち切って終わりにするんだ!
行くよ、コウ! 皆!」
中央の車両に乗っていたぬいぐるみ小隊の隊長、『いちばんの友達』アダム(p3x006934)がひょこっと立ち上がった。と同時にルーフ台からハルツフィーネのクマさんがクマさんビームを連続発射。
迫る終焉兵の軍勢を少しずつだが削り取っていく。平たく? 否、穿つドリルのように鋭くだ。
徐々に陣形をやじりのように変えていく装甲車。
その助手席でアダムは自分の胸に手を当てた。
それぞれの車両にドールを配置して防衛力を高めてくれているコウを、ちらりと見て。
(コウは『ちゃんと悲しまなかった』って言ったよね。
『俺』もあのとき、同じようにそう言ったよ。けど、だから、わかるんだ。
――本当は悲しかったんだよね)
悲しみが人の足を掴んでとめてしまうから。
悲しみが人の目を塞いでしまうから。
だから全部、後回しにしなくちゃいけないんだ。
もし死んでしまえば、覚えていることも、悲しむもこともできなくなっちゃう。死んだ意味が、なくなっちゃうんだ。
「『あとでちゃんと悲しむために』――!」
鏃の先端。ハルツフィーネやアダムたちが乗る車両から、ついに『よく弾む!』フラッシュドスコイ(p3x000371)とリュカシスたちが立ち上がった。
「いくぞみんな! かっこいいとこ見せてやれー!!!」
衝突する車両と展開する兵たち。その先頭にたって敵陣へ飛びかかるのは、ラグビーボールのようにフラッシュドスコイを抱えたリュカシスだった。
ガチガチにカスタムしまくった右腕のインパクトアームを巨漢の終焉兵に叩きつけ、弾ける火花と爆音によって殴り飛ばす。
「ホランド!」
フラッシュドスコイをパスすると、それをキャッチしたホランドが発射台に詰めてファイア。
「ジェイビー!」
回転しながら飛んでいったそれを、ジャンプしたジェイビーが特製のスマッシュバットで打ち出した。
「ここは皇帝が通る道! 花道だよ! おりゃー!」
みんなの絆をパワーに変えたフラッシュドスコイは一発の弾丸となり、終焉兵たちを次々に殴りつけて穿っていく。
そして開いた――突破口。
成否
成功
状態異常
第3章 第4節
仲間達の切り拓いたごく僅かな突破口を、『航空海賊忍者』夢見・ヴァレ家(p3x001837)率いる夢見隊はくぐり抜けた。
敵前線部隊という暗雲を抜けた先。たった一人で立つ鉄のドレスを着た女エーデルガルト。
もはや『たったひとりのテロリスト』として鋼鉄帝国の政治思想に反旗を翻した彼女をとめることは、一個大隊を持ってしても不可能だった。
「仮初の世界とは言え、彼女が道を踏み外したというのであれば、止めてあげるのが友情というものでしょうから
拙者達がどれだけ敵の攻撃を受け止め、味方を守れるか。それが勝敗を分けると思いなさい。一列横隊!」
夢見隊が列を組み、エーデルガルトへ一斉射撃を仕掛ける。対するエーデルガルトは無数の鉄の壁を展開しそれらを防御すると、マシンタレットを壁の上へと整列。同じく一斉射撃によって撃ち合いが始まった。
「エッダ、いつまで夢を見ているのです! いい加減に戻ってきなさい!」
宙を舞い、マシンタレットのひとつを破壊しながら迫るヴァレ家。
爆弾をエーデルガルトめがけて放つのと、エーデルガルトが120mm口径の超重高射砲を作り出して発射。ヴァレ家の攻撃と高射砲の射撃がそのまま交差し、互いに直撃をうけた。
受けたダメージはヴァレ家の方が大きい。というより、ヴァレ家のアバターはその一発で消滅した。
一番槍がたったの一発で消滅した事実に夢見隊含め雷帝混成大隊には動揺と混乱がはしった。
が、それを押し返すほどの大声で『うわキツ』ミミサキ(p3x009818)が叫ぶ。
「諸君、我々の仕事は有象無象に対する防波堤だ
私を最前衛に陛下の決戦を妨げる敵を抑える!
総員、持久戦装備構え!
決戦が終わるまで防衛戦を死守しろ!」
ミミサキの役目は雷帝ソールたちに託された部隊を扇動し、その攻撃を継続させること。
「もうすぐ戦いが終わる。
一人の因縁に結論が出ようとしている!
我々の仕事はそれを見届けることではない、それが正しく成る為の王道となることだ!」
実際、ミミサキの扇動によって士気を取り戻した兵達は周囲の終焉兵たちと混じり合うように戦いを始め、そして時には押しとどめることでエーデルガルトをフリーとした。
そんな中で、『???のアバター』エイル・サカヅキ(p3x004400)は少しだけ難しい顔をしていた。
(はーん、なんか見たことあるっつか似てるっつーか?
でも、なんかちょっと歪だ。
あの子は時々マジパない軍人の顔するし、しょーじき怖いこともあるし。
鋼鉄……鉄帝は、やっぱりあんま好きじゃないし)
アサルトライフルやロケットランチャーをかついだギャルたちが戦うなかで、エイルは片眉をあげる。
「どしたエイル?」
ローライズなジーンズパンツと『ORION』と口紅で殴り書きされたタンクトップを着たギャルが振り返り、顎にかかる汗を片手で拭う。
「んーん、なんも? 勝ったら雷帝の奢りだって。全員ぶっこむ。おけ?」
「「おけまるー!」」
エーデルガルトをサポートしようと合流を目指す終焉兵を酒瓶で殴り倒しながら、エイルは小さく呟いた。
「……でもあの子は、『私』の友達」
「またお会いしましたね。
これまでのお返しがやっとできます。
さぁお覚悟を。エーデルガルド。
雷帝陛下の御前です」
『人形遣い』イデア(p3x008017)は引き連れた雷帝中央中隊を扇動。重火器によって武装した兵達による一斉射撃が空を『火力』で埋め尽くす。
対するエーデルガルトは沈黙のまま対空ミサイル発射車両を生成。次々に打ち出されるミサイルが過剰な火力として空を爆発の光と音で埋め尽くした。
舞い上がる砂と灰の味が口いっぱいに広がるなかで、イデアは人形を操り次々に現れるマシンガンタレットの射撃をさばきはじめた。
「色々と言いたいことはありますが……まずは貴女をぶっ飛ばしましょう。
同じ相手に何度もやられるのはメイドの名折れですから」
銃撃を耐えきったイデアに、エーデルガルトは灰色の髪の間から目を細めた。
「なぜそこまで必死になる。この世界の外から来た、いわば『他人』の世界の国政などに」
新たに呼び出した飛行ドローンたちが射撃をはじめるも、イデアは表情ひとつかえない。
「勘違いなされませんよう。私が必死になるとすれば、それは国のためではございません」
「ならば――」
身を乗り出すエーデルガルトに、一発。わずか一発の打撃が浴びせられる。
メイスにも、または巨大なワンドにもにた武器のスイングがエーデルガルトの顔面めがけ迫り、エーデルガルトはそれを翳した手のひらで受け止めた。
エーデルガルトの目は、まさに『敵』をとらえた目をしていた。
「『雷帝』――ソール・ヴィングトール(p3x006270)!」
「……まったく、なんてざまだ」
武器を振り込んだそのソールの顔は、エーデルガルトを見下ろしていた。
打ち合う。熱噴射による加速で振り込まれたメイスが幾度となく鉄のドレスを纏うエーデルガルトへぶつかりその布を破壊するも、エーデルガルトそのものは壊れなかった。まるで肉体全てが鋼でできているかのようにメイスを打ち払い、そしてソールへと殴りかかる。
「貴様らだ。貴様等が帝国をおかしくした。
貴様等が下らん民主主義ごっこを始めたおかげで帝国は全てを失った!
目指すべき頂点も、誇るべき導もだ。振り返ってみろ、貴様等についてきた帝国民はいったい何人だ。未だ続く内乱と政治不信をどう拭う。弱者の集まりが紙切れを束ねて作った王位を誰が信じる! 貴様等は、ごっこ遊びで帝国を壊したのだ!」
右腕から剣をはやし、ソールへと突き込む。
それは、ソールの肩に突き刺さり、そしてぎゅっとソールの手によって刀身が握られた。
「その通りだとも。実に滑稽では無いか。
なまぬるく、絆の力などと宣う余も。
えらそうに、己の力なぞ信じる汝も」
ソールの目に映るエーデルガルトの目に、またソールの苦笑が映った。
「だが、それでよい。エーデルガルト。『否』と吼えろ。吼えることをやめるな」
ズ、と剣が更にふかく刺さる。
ソールが大きく一歩ふみこんだがためだ。剣を手放そうとするエーデルガルトの襟首に、今度は血塗れの手がかかった。
「余の鏡となれ、エーデルガルト。傍に居るのだ」
「ふざけるな。そんな立場が許されるわけがない。一体どんな肩書きを名乗らせるつもりだ! 犬か? 奴隷か!?」
「……そうか。『汝』は知らなかったのだな」
メイスの先端が離れ、ソールの翳した右腕にナックルガントレットとして装着される。
「それを、『騎士(メイド)』というのだ!」
鋼鉄帝国軍に伝令が走る。
敵軍指揮官『エーデルガルト』討伐の知らせである。
満身創痍でギアバジリカへと帰還したソールのその腕には、金髪の少女が抱かれていたという。
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※イベント発生!
敵将エーデルガルトを倒したことにより、【エーデルガルト】パートが終了しました。
統率を失った終焉兵たちは散り散りとなり、帝国軍は掃討フェイズへと移行しようとしています。
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成否
成功
状態異常
第3章 第5節
瓦解しつつある終焉兵の軍勢。帝国軍はその掃討を行うフェイズに移ろうとしていた。何故すぐに移してしまわないのかといえば……『彼女』の存在が全てを押し返しかねないがゆえである。
「エーデルガルトちゃんもやられちゃった? けど大丈夫、魔法少女は奇跡を起こすのだー」
ニコニコ笑顔で空を飛ぶパラディーゾセララが、剣の一振りで空を斬り割き大地をえぐり、突き進まんとするギアバジリカを物理的に押し返した。転倒しそうになる巨体を複数のジェット噴射と脚によってこらえるギアバジリカに、パラディーゾセララは大きくターンして二度目の攻撃を仕掛けよう――とした所に、四人の影が踊った。
「叩き潰してみロ。
だが僕らハ……俺らは、何度死のうが折れず屈せず立ち上がる
勇の魂やセララの聖剣、色んな人の積み重ねでようやっと手に入れたこの結末
その掴んだ結末を手放すものか…塗り替えさせて、なるものか!
此の世界を、壊させやしないぞ、原動天セララ……!」
剣に全ての力を込めギアバジリカの屋根から跳躍する『屋上の約束』アイ(p3x000277)。
「行くぜ勇ッ! イデアッ!」
「待ってたぜ、このタイミング!」
アイと並び立っていたイデアは鋼の剣を握りしめ一緒に跳躍。
二人の剣がセララへと繰り出される――が、それをセララは呼び出したふたつの剣でガードした。
上空から降下(もしくは投下)する形で現れた『あなただけの世界』勇(p3x000687)。
彼はセララめがけて『EXE.EXE』を起動。罰の一撃がセララへと直撃した。
「なにそれ混ぜて混ぜて! 今一番強いのはこのきうり!! 早く倒さないと大変なことになるぞ!! ――ってね!」
同じく投下された『グリーンガール』きうりん(p3x008356)は身体を大きく開いたダイビング姿勢からくるるんと身体を丸めてロール。自身そのものを自己再生弾に変えるとセララへと必中タックルを浴びせた。
「ハッピーエンドハッピーエンドってむっかつくんだよねぇ。悪役面しやがって!
そんなに言うならこっち主人公サイドだからね! 都合よく奇跡とかおこしちゃうもんね!!」
連係攻撃によって地上に墜落したパラディーゾセララ。
「調子乗ってバッドエンド〜とか思ってるところを叩き潰してしてやるよ!!」
オラオラーと言いながらきうりんのスーパーラッシュがマウントポジションから繰り出される。
うつ伏せで地面に激突したであろうパラディーゾセララの後頭部をうちまくった――はずだが。
――ドンというエネルギーの爆発によってきうりんと勇、そしてアイとイデアが吹き飛ばされる。
「いたた……」
起き上がった勇は、虚空に向けて問いかけた。
「sin、今から君の元同僚を殴るんだけど、何か感想ある?」
問いかけたが、答えはない。答える気が無いのか、問いかける内容に否定したかったのか、それとも『最初からそんな存在はいなかった』のか。
再びパラディーゾセララを見ると、彼女は笑顔で空にふわりと浮かんでいた。
ダメージは確かに入ったはず。HPも、確かにかなり削ったはず。
だがパラディーゾセララは、まるで劣勢を感じさせないような、卑怯なくらいの笑顔だけを浮かべていた。
「魔法少女は不滅なのだー」
「知るか、何度死のうがテメェに喰らいつくぜ!」
アイが立ち上がろうとした、その時。七色の光がそれぞれ剣の形に分かれてアイの胸へと突き刺さった。
成否
成功
状態異常
第3章 第6節
倒された仲間や傷付いた仲間を下がらせ、『青空へ響く声』ブラワー(p3x007270)たちがパラディーゾセララの前へと展開した。
「魔法少女は夢と希望の存在。それは、アイドルであるボクと同じでしょ!
なのに、もたらすのは悪夢と絶望だなんて……なんで、なんでそんなにカワイくないの!」
十二に増えた光が玉の形に変わりパラディーゾセララの手元へと戻っていく。
そして、パラディーゾセララは『?』の形をした光を頭上に出して首をかしげた。
「かわいいでしょ? 悪夢と絶望! みんなをいっぱい苦しませて、不幸にしてあげる。それがボクの使命だよっ」
「違うっ!」
マイクを握りしめ、ブラワーは歌い始めた。
「みんなに夢と希望を届けて! ボクの歌!」
「ステージ勝負だね! まけないよ!」
パラティーゾセララは色光の一つをマイクに変えて握ると、凄まじく巨大なスピーカーを二台同時に出現させた。
「――ッ!?」
爆音で流れる魔法少女テーマソング。それによってブラワーの声がかき消される。
「軌跡の歌も、音を塗りつぶされたら使えないよね?」
「……この戦い方、すごく既視感……」
が、その音の中を『書類作業缶詰用』黒子(p3x008597)と『CALL No.666』CALL666(p3x010222)が駆け抜けていく。
音によって生み出された幻影魔法少女と戦うためだ。
「これは……」
黒子はその類い希なる頭脳によって、パラティーゾセララが『こちらの得意を潰す』ことに優れていることに気がついた。
ROOにログインしたセララのアバターデータを転用して作ったとは聞いていたが、確かにセララはこうして敵の得意を潰したり困難をショートカットしたりと、裏技的ブレイクスルーを主な対抗手段にしていた。実際、今回の作戦内容も『パラティーゾセララの変身はブレイクできるはずだからそれで弱体化させよう』が主眼であった。
「伝説の魔法少女。その名は俺でも知っている。
お前にとっては俺は塵の一つに過ぎないだろう。だが、塵が集まれば人を殺せる。
そして、その塵にも意地と誇りがあるという事だ」
荊の鞭を放つ魔法少女の幻影を弓の一撃によって打ち抜くと、CALL666は矢に破魔の力を宿して放った。
「わっ!?」
パラティーゾセララに刺さった矢は、光のマイクに込められていた力を解除し素の状態のパラティーゾセララへと引きもどしてしまう。
どうやら効果はあった。あったはずだが……。
「戦う相手が本当に『セララ様』であった場合……」
黒子は優れた知能をフル回転させ、この先の展開を計算した。
ブラワーによる回復支援が復活した所で、『絶対妹黙示録』ルージュ(p3x009532)と『クィーンとか名前負けでは?』シフォリィ(p3x000174)がパラティーゾセララめがけて突撃していく。
「『Q・プロモーション』!」
シフォリィの発動させたスキルによって、ルージュにクイーンのオーラが宿った。
対してパラティーゾセララは光のひとつをレイピアに変えて握り、顔を伏せる。
「まったくセララねーが悪になると、こんな悪い子になるんだなー。
だけどな、悪夢と絶望はここで終わらせる。
悪の魔法少女が産んだ絶望は、正義の魔法少女の奇跡で塗り替えられる物なんだぜ!!」
「その通りです。もしかしたら誰かのためかもしれません、ですがそれを聞くのは私じゃない! 破壊はここで止めます!」
シフォリィの剣とパラティーゾセララの剣がぶつかり合い、拮抗する。
だがそこへ思い切り打ち込まれたルージュのハンマーがセララへと命中した。
愛の力が邪悪な力を打ち払う。それも、シフォリィの連続攻撃によってできた隙を突いた一撃は綺麗にハマり、パラティーゾセララの剣を元の光の球へと戻してしまう。
「いけるぜ! 畳みかけろねーちゃん!」
「貴方達はどんな思いで世界を壊したいか解りませんが、どんな理由があったとしてもそんな事させません!」
シフォリィの剣がパラティーゾセララを斬り付け、後ろに飛びつつ墜落したパラティーゾセララはザッと地面をすべった。
そんな段階に至って、『優帝』いりす(p3x009869)は魔改造ビーコン弾を発射。
ぴったりと狙いをつけたライフルから放たれた弾はスローモーションになった世界のなかでゆっくりと回転しつつ、着地したパラティーゾセララのあげた顔へと迫る。両目にうつる弾丸。咄嗟の様子でライオットシールドと銃を光から作り出し装備したパラティーゾセララだが……。
「魔法少女は希望の象徴じゃなかったのですか……? 壊すだけで救えると思っているのですか……!」
叫ぶいりすの弾はシールドの隙間を縫うようにパラティーゾセララへと命中。その額にぶつかり激しい光の爆発が起きた。
CALL666やルージュの攻撃によってことごとくブレイクしてきたパラティーゾセララの変身。今度もまたブレイクすることで弱体化できる。そう確信した……ところで。
「えへへー」
爆発にのけぞったまま、パラティーゾセララは突きつけた光の銃を発射。
光の弾が、いりすの肩を打ち抜いていく。
「――ッ!?」
「まだまだだぜ! 連続して打ち込めば……!」
ルージュとCALL666、更に『ROO刑事ゼスティアン』ゼスト(p3x010126)や『水底に揺蕩う月の花』エイラ(p3x008595)も加わり連続して攻撃を打ち込んでいく。
それも、エイラは得意スキルに【スプラッシュ】属性のものを含んでだ。
「幸せなものでも悲しいものでもぉ終わりの先を護るのがぁエイラだからぁ。
未来を遺しに来たんだよぉ。
きっとそれをヒトはぁ希望と言うんだろうねぇ」
エイラの放った『くらげ火』がパラティーゾセララを取り囲み次々に爆発。
「希望の象徴となるヒーロー……このゼスティアンが絶望を止めてみせるであります! ゼスティアン、任務了解!」
ゼストは両手を翳し胸部装甲へと当てるポーズをとると、瞳をギラリと光らせた。
「フラッシュストーム!」
放たれた光線が、呼び出された幻影魔法少女たちをなぎ払い更にはパラティーゾセララへと浴びせられる。
「ヒーローを舐めるなでありますよ悪党ッ! お前なんか、本物のセララちゃんさんに遠く及ばないッ!」
そこへ更に黒子の闇旋をはじめとする連続攻撃が浴びせられ、パラティーゾセララの隙がこじ開けられていく。
「世界の破壊は許せない。今度こそキミを止める! ギガセララブレイク!」
『妖精勇者』セララ(p3x000273)による渾身の斬撃がパラティーゾセララへとたたき込まれた。
「ボクはこの世界が大好き。だからサヨナラはまだダメだよ。
ここに集まった人達全員がこの世界を守る気持ちを持ってる。
一人ではかなわない。だけど皆と一緒ならきっと!」
ここまでの手応えをみるに、ほぼ確実に変身解除(ブレイク)に成功した……と、セララの脳内計算機がはじき出していた。
にも、かかわらず。
「えへへ」
パラティーゾセララは笑顔で、セララの妖精のような小さな身体をがしりとつかみ取った。
人間サイズに変身したままの姿で、ぎゅっと手に力を込める。
黒子から黒礫が放たれる。弾かれるように地面に投げ出されたセララは、そのまま転がり、そして黒子と目を合わせた。
二人が『再計算』した結果は、ほぼ同じ。
「ボクの変身はブレイクできる。うん、その通りだよ。それが弱点」
パラティーゾセララは再び空へと浮きあがり、光を手に集め巨大な剣を作り出した。
「けど、それが可能なほど鋭い一撃を、ボクに加えられればのはなしだよ」
パラティーゾセララが強力なのは、そのパワーやスピードが優れているからではない。
彼女のセララらしさの中に紛れたある種の『狡さ』を持ち合わせたがゆえである。
立ち上がり、荒く息を整えるセララ。
「あのとき……わざと、ボクの攻撃を『避けなかった』んだね……。ボクを騙して、リソースを費やさせるために」
賢い人間は賢く動く。パラティーゾセララは、その足下を払ったのだ。
ニッコリ笑うパラティーゾセララ。
「そうだよ。これこそが『セララ』でしょ? そろそろ『交代』しよ? これからはボクが――」
逃げ場がないほど巨大な光の剣が、剣が振り下ろされ――。
「違うッ!」
マイク越しの大音量。ギアバジリカから繋いだ巨大スピーカーからブラワーの声が響いた。
「確かにセララさんは頭がよくて、抜け道を見つけるのも上手。けどそれはほんの一側面でしかないんだよ。セララさんは……ずるくても、『カワイイ』んだ!」
音楽が戻った。
ルージュが、シフォリィが、そしてエイラが飛び出す。
「そうだぜ。壊して潰して、ひとりだけが勝ち残ろうって考えてたならおれたちはこうして一緒に戦わなかった。セララのねーちゃんは、『みんな』で戦うひとなんだ!」
「だから、ちょっとずるいくらいが丁度良いんです。まわりに好かれたり、友達を沢山つくれること……それはレベルが高かったり、高級な装備で身を固めることよりも、ときには大切な力になるんです」
「『縁』の力、だよぉ」
全員の戦い方が、カチリと切り替わった。
「フルパワー――ゼタシウムゥゥゥゥゥ光線!」
純粋なパワーがセララへと叩きつけられる。ゼストの光線が直撃するのと、パラティーゾセララの剣が彼らに叩きつけられるのはほぼ同時。
アバターが消滅するのがわかったが……全てではない。
そうなることを事前に察知できた黒子やエイラたちが庇うことで、CALL666といりすは反撃のチャンスをこじ開けることに成功していた。
「付き合いが長いってわけじゃあないが、これだけは分かる。
このセララってお嬢ちゃんは、『機転が利く』んだ」
追撃を避けるべく飛び退いたパラティーゾセララに、まっすぐ飛んだかにみえたCALL666の矢が追尾して突き刺さる。
「そうして切り拓かれていく『スタイル』が、後続のわたしたちをさらなる高みへ引き上げるんです」
更に、ギリギリまで自らのHPを削っていたいりすはライフルをフルオートモードにチェンジして乱射。
ひとり弾幕にパラティーゾセララが包まれる。
その弾幕に紛れるようにして突き進んだセララの剣が、今度こそパラティーゾセララを貫いた。
バグで構成されたパラティーセララのボディに穴をあけ、魔法の翼でブレーキをかけるセララ。
「ねぇ、最後に教えてよ。姉ヶ崎-CCCを、救う方法を」
背を向けたまま、パラティーゾセララは妖精サイズへと戻った。
ゆっくりと落ちていくその姿を振り返るセララ。
「そんなの、ないよ。『あのとき』にもう姉ヶ崎ちゃんはこの世界から消えちゃったの。Hadesくんに演算されて外の世界に作り出されたあの子は、もはやただの破壊装置。壊すしか、止める方法は用意されてない。
そうなるように、ゲームマスター(はですくん)が設定したんだから」
けどそれがうまくいけば、この世界も壊せるね。
そう呟いたきり、パラティーゾセララは黒い光の粒子になって消えた。
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※イベント発生!
パラティーゾセララを撃破しました!
これにより【セララ】パートは終了しました。
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成否
成功
状態異常
第3章 第7節
並み居る強敵達を倒し、ついに最後の戦いへともつれ込んだ。
疑似宇宙という結界を破られ、無限の治癒力を失った終焉獣デカラビア。
デカラビアは巨大な貝のごとき身体から蛇のような首をのばし、残存する終焉獣たちをけしかけることで反撃を開始したのだった。
終焉獣たちの狙いは帝国軍の歩兵部隊でも、なみいるエクスギアエクスたちでもなく、その後方にあるギアバジリカ。要塞を失うことでエクスギアエクスの修理や再出撃が不可能になることを察知したのだ。
主砲や機銃を撃ちまくるギアバジリカへと次々に取り憑き、その武装を破壊し内部への侵入を図ろうとする終焉獣。
それを阻止したのが、『Reisender』アウラ(p3x005065)や『当機、出撃す』アンジェラ(p3x008016)たちによるエクスギアエクス部隊であった。
「デカラビア、ねえ? ようやくここまで来れた。しかしここで倒し切らないと本当にまずい。……押し切らせてもらうよ」
オールレンジかつ広い対応地形を持つアウラ専用機『Rapid-Wave』はギアバジリカの屋根に張り付いての戦闘という極めて足場の悪い戦闘も器用にこなすことが出来た。
追尾炸裂弾をトカゲ型の終焉獣に打ち込みはねのけると、巨大なアンコウのような形をした終焉獣とのドッグファイトを開始する。
まき散らした浮遊機雷を掻い潜りながら、展開したアームブレードによる格闘を行う『Rapid-Wave』。
アンジェラ専用機『キョウシン』もそこへ加わり、事前に信号を発すると拡張された『ローカストウォー』の榴弾を発射。
大爆発がアンコウ型終焉獣を吹き飛ばす。
「エネルギー残量、33.4%。エナジー低下に注意。弾薬残量29%、行動に阻害が出る可能性があり……」
コックピット内で計器をそれぞれ確認すると、火花が散った『キョウシン』から弾切れになった武装や使い物にならなくなった装甲をパージ。
機体を身軽にすると、巨大グレネードランチャーに榴弾を装填した。
「対象らの生命力は尋常でないと想定――であれば其れを打ち破る砲の雨を。我々はその為の機甲兵でございます」
「エクスギアEX『NyarAdept-ねこ』発進! にゃー☆」
カタパルトから出撃したナハトスター・ウィッシュ・ねこ(p3x000916)の専用機『NyarAdept-ねこ』は空中で肉球ハンド型魔術発動器を振りかざした。まるで猫耳フードを被った少年が魔法のステッキを翳したかのような風貌だが、『NyarAdept-ねこ』一機が既に高度に退魔設備を詰め込んだ『歩く礼拝堂』であり、ステッキもまた聖別された鉄によって鋳造された巨大な魔術媒体である。本来なら魔術儀式の中央にそびえ立つモニュメントのごとく扱われる品だ。
「デカラビアも終焉獣も、存在なしらびあと可愛いにゃんこけものになっちゃえ☆
星々に道を通せ、ウィッシュ・スター・ランチャーーーーーーーーー!!」
巨大ステッキで天をかきまぜ振り回せば、星と猫の大魔法が発動し迫り来るナマズ型終焉獣の群れを何匹もまとめて貫いていく。
「ねこ、と、いえば!」
そこへ突っ込んでいく『しろねこぎふと』ねこ・もふもふ・ぎふと(p3x009413)の専用機『しろねこぎふと・W・m(うぃず・みゃー)』。なんか機体名の後半がパンチしてる猫みたいに見えるこのねこ専用機はナハトスター同様猫耳フードの魔術師にも似たつくりをしていた。
先ほどスターランチャーによって貫いたナマズ型終焉獣めがけ、肉球型ショック魔砲発動装置を両手に装着。肉球のついた長靴型空中歩行ブーツで猛烈に空を走ると……。
「やわらかえくすにくきゅうぱーんち。みゃー!」
必殺のねこぱんちで終焉獣を吹き飛ばした。
そして、『NyarAdept-ねこ』と『しろねこぎふと・W・m』は同時に反転しいましがた終焉獣たちの二次被害をうけていた歩兵たちへと治癒フィールドを展開していく。
巨大な影が歩兵達を覆った。
いや、違う。影に見えたのはあまりにも巨大すぎるデカラビアの放つ黒霧だった。
デカラビアはギアバジリカへと迫ると口から黒い霧を炎のように放射。それを浴びたギアバジリカがビキビキと表面装甲を崩壊させていく。詠唱結界は既に破られつつある。
「オイオイオイ、マジか? 首都に特攻かけたときこうはならなかったよな?」
中央デッキで剣を取ったヴェルス・ヴェルク・ヴェンゲルズ。
『もう出ていいよな?』という視線に反対するものは居なかった。ショッケン・ハイドリヒがかろうじて渋い顔をしていたが、その程度である。
「俺も出ておくかのう」
ザーバも椅子から立ち上がり、それぞれ格納庫へと進む。
腕を組み、じっと状況を観察していたビッツはマイクを掴み、そして呼びかける。
「出番よ。30秒もたせて」
ギアバジリカを破壊しかねないほどの力を持つデカラビアを正面から相手にして30秒はむしろ過大なオーダーだが、スピーカーからは『了解』の返事が返ってきた。
それも、二人分。
「壱狐(p3x008364)――『機刀付喪』。出ます」
「カノン(p3x008357)――『クロス』。出撃します!」
放題にも似たカタパルトから出撃する二機のエクスギアエクス。黒色を基調としたカノンの『クロス』は一対の青い魔力球を翳すとデカラビアのさらなる黒霧ブレスに対して魔法障壁を展開。
「超次元的な戦い、この様な戦場にこそ私達の様な存在が必要なのでしょう。
総力を尽くして強大な敵戦力を撃滅する。シンプルな依頼、失敗する訳には行きませんね!」
「その通り。このROOに限らず、イレギュラーズは不可能を可能にしてきた!
こんなことで諦めるなんてそれこそありえないってものです!」
一方で『機刀付喪』は白を基調とした幾何学模様が幾条も走るスリムなボディの人型機。模様を複雑に変化させると、自らを剣の形に変化させて黒霧を斬り割きながらデカラビアへと急接近。斬り付ける動作を行うが、その表皮を僅かに傷つけるのみに留まった。
「やはり……ならばやるべきことは一つ。行きますよカノン!」
「はい、合体です!」
二機のエクスギアエクスはそれぞれ変形、合体。巨大な剣となった『機刀付喪』のメインパーツを握りしめ、ブーストされた機動力と強固な魔力障壁で黒霧の中を突破近。
接戦闘用巨大魔方陣をかさねるとデカラビアへと斬り付けた。
今度こそ、というべきか。それとも『ついに』というべきか。
デカラビアはその首元から赤い血を吹き上げ、激しい声をあげた。
デカラビアは咆哮をあげると、ブレスを天へと吹き上げた。
次々と出現する終焉獣たちが姿を変え、体中のあちこちから眼球をはやしそれらが周囲をぎょろぎょろと睨み、胸部には食虫植物のような口が開き強酸性の生態ミサイルがばらまかれ始めた。
爆発が辺りを包み込む。
まぶしい光を突き抜けて。『ダークナイツ』H(p3x009524)の専用機『イクリプスナイト』と『鉄騎魔装』鬼丸(p3x008639)の『アハト』が突っ切っていく。
最終決戦仕様となった二人の機体はそれぞれ、デカラビアへの道をぴったりとロックしジェット推進によって距離を詰めつつあった。
「終焉獣デカラビア。ようやく手が届いたね。
何度倒れても、必ず打ち倒す。この国を、世界を、壊させはしない」
先ほどつけた傷口をロックオンし、『瑪駕閃光砲・捌式』の砲身を展開。
「メインディッシュ、宇宙怪獣のなめろうの時間だぜ。
腹いっぱいになるまで削らせてもらおうか。
逆境はいつも通り。――さぁ、ここからだ」
アハトが瑪駕閃光砲とミサイルの一斉発射をはかったと同時に、イクリプスナイトは黒く巨大な剣にエネルギーを集め円月暗黒斬を繰り出した。
光線と黒い斬撃が螺旋のように混じり合い。白と黒の光の束となってデカラビアの傷口へと叩きつけられる。
巨大な蛇の首が痛みにうめくように暴れ、そして地面へとその巨体が落ちた。
(最初はただ。しばらく会えない梨尾に鏡越しで会う為にネクストに来たが、こんなに死んでたんだな。
最初はアバターでも息子を、梨尾を死なせたくないなんて思ってたのに……すまない、梨尾。今だけは許してくれ。
この世界を守る為に、まだ生まれたばかりのお前の弟、次男が生きれるこの世界を守る為に)
梨尾は専用エクスギアエクスでデカラビアへ接近すると、その間を阻もうと迫る無数の強化終焉獣たちへ『零炎』を繰り出した。氷のように冷たい炎が広がり、終焉獣を飲み込んでいく。
「死が終わりじゃないのがイレギュラーズだ。
死ねば終わりのネクストの人達、混沌の練達の人達。
何処でもみんな頑張っている。
だから無理ができる俺が……俺達が屍を築き上げてでも明日への道を作る!」
そこへ投入されたのが重武装魔術砲撃型エクスギアエクス『Flamethrower』。『秘すれば花なり』フー・タオ(p3x008299)の専用機である。
「鋼鉄の民のまことに元気である事よ。やる事は怪獣退治で興が乗るかは分からぬが、まあ、そこは一宿一飯分は返さねばの」
拡張された魔術砲撃『Thunder Fall EX』が発動。通常ではあり得ない規模での雷撃が終焉獣たちを、そして地上へと墜落したデカラビアにまで降り注ぐ。
グッと首をあげたデカラビアがその巨大な顎でもってFlamethrowerへと食らいつく。装甲がひしゃげ下半身が根こそぎに持って行かれそうになるが……。
「丁度良い」
その距離から『Negative Blaze EX』を発動。破壊によって蓄積したエネルギーを莫大な蒼火に変え、デカラビアへと叩きつける。
成否
成功
状態異常
第3章 第8節
轟音鳴り響く天地。距離をとり見守っていた歩兵達へ砂嵐が並のように押し寄せ思わず目を覆ったが、彼らの耳に次に響いたのはかちどきの声ではなかった。
咆哮。それも、これまでと比べものにならぬほどの憎悪や怒りをはらんだデカラビアの咆哮であった。
貝のように閉じた身体をパキパキと開き、大蛇のごとき首を更に八つはやすと周囲をかためていたエクスギアエクス部隊を全方位へ向けた黒霧のブレスによってなぎ払う。
ブレスはひとつひとつが1m大に凝縮された疑似宇宙へと変化し、弾幕のようにばらまかれる。
「――この時がようやく来たな。ケリつけてやるぜ、デカラビアさんよ!」
地上を走る『フラガラック』。『Lightning-Magus』Teth=Steiner(p3x002831)の専用機である。
『E.F.Maneuver』と同じ理論が用いられた脚部拡張パーツによってすべるように、あるいは氷上を踊るフィギュアスケーターのように弾幕をかわし背部に固定していた折りたたみ式プラズマキャノンの砲身を右脇の下を通すようにして展開。
コックピット内で手足を神経接続デバイスに差し込むようにしてうめていたTeth=Steiner。モニター下部に『Assault_Sense action』の文字列が流れ、マーカーとラインが表示される。それに重なるように照準を合わせると、グッと身を乗り出した。
「対デカブツ用のとっておきだ。文字通りに、その身の髄で味わいやがれェッ!!」
完全に魂が同期したかのようにフラガラックは身を乗り出し、流れるようにプラズマキャノンを発射。
放たれた光がデカラビアの首の一つへと命中し、デカラビアは痛みにうめくように首を振った。
「効いている……ようやくあの終焉を謳う怪物に一太刀入れられる機会が訪れたわけだな」
『陰』ジャック翁(p3x001649)は『大十紋字(ダイジュウジマル)』を駆り弾幕の間を走り抜ける。
近接戦闘能力に特化した大十紋字で疑似宇宙弾幕をかわしきることは難しい……が。
「……間に合った」
シュピーゲルの声が通信ウィンドウ越しに聞こえ、命中しそうになった疑似宇宙弾幕との間に一機のエクスギアエクスが着地。それまでの機体とはまるで装いの異なる防御特化型エクスギアであった。両腕に装備したシールドを眼前でぴったりと合わせるように構えるとハイブリッドバリアを展開。疑似宇宙弾幕を着弾する端から無効化していく。
「行って」
シールドを構え大十紋字を庇いながら突き進むシュピーゲル機。ジャック翁はフッとコックピット内で笑うと、黒い霧を纏い剣を構えた。
「大いなる怪物。相手にとって不足無し!
我が一太刀、どれ程に通ずるか!」
モニターに流れる『ジゲン・ダイジュウジ斬』の文字。
「チェエエエストオオオオオ!!!!!」
首の一つが深く斬り付けられ、血が吹き上がる。
そこへはるか上空から降下し迫ったのは『月禍の閃』Steife(p3x005453)と『囲 飛呂のアバター』ヒロ(p3x010030)。
「こっちで大詰めと言ったところですね。…正直言うとあっちで偽神の首を刎ねた感触で今にも吐きそうですが。
でも、弱音もついていられません。こいつを倒さないと、どの道練達の終焉は逃れられないのですから!
『機甲隊』……今こそ、神撃の時です!」
「OK! 言ったよなデカラビア。食い破られるのは俺らじゃなくお前らなんだって。今度は食い尽くしてやるよ!」
ギアバジリカから発射された二機のエクスギアエクス。開いたコックピットに彼らは滑り込むと、Steife機およびヒロ機がギラリと目を光らせた。
ヒロ機が腰に装備した拳銃型武装で『Coiled Around』を拡張させた大口径砲弾を連射。
何発かデカラビアに砲弾が着弾したところで、上空にまかれた疑似宇宙弾幕を螺旋状に飛行することで回避していく。
同じく回避機動をとっていたSteife機は、m巨大な斧型装備をスライドさせ大剣へ変形させた。雷を纏うように急降下突撃を開始。
「いくら鱗が分厚かろうと、纏めて斬ってしまえば意味を成しませんね!」
超大上段からたたき込まれた剣がデカラビアの首のひとつを切断、切り離された首は悲鳴をあげ、そして黒い霧となって消えた。
無敵の治癒能力を失い、そしていよいよもって肉体を切断されはじめたデカラビア。
だが手負いの虎の例えの如く、デカラビアはさらなる猛攻を仕掛けるのであった。
二つの首が一斉に向き、強く指向性をもった黒霧のブレスを発射。まるで宇宙が光線となって放たれたかのような砲撃を、『憧憬時々本性』千草(p3x010035)の『サウザンド』はエネルギー障壁を展開することで耐えよう……としたが、障壁が即座に崩壊。機体装甲がたちまちのうちに朽ち、崩壊を始める。
が、その崩壊は途中で押し返された。
そう。まるで映像を逆回しにするかのように、サウザンドの装甲やボディが修復されていくのだ。
「『聖句とは、絶え間なく続く人々の祈りである』」
ギアバジリカ上にて祈りの姿勢をとった整備用ロボットが、『クリスマスジングル』と刻まれた鐘をハンマーで打ち鳴らしていた。
『ようじょ整備士』樹里(p3x000692)のならす鐘はまさしく受理の光に満ち、「専用エクスギアエクスのイラストを発注するなら関係者イラストかピンナップあるいは設定資料集がよいですよ」という祝詞とともに傷付いた味方機を治癒していく。
「さあ、今です」
青銀色のシャープな猫型四足型機『サウザンド』Y字の尾をぴしゃんと振ると、ニャーンと咆哮をあげて走り出した。
「混沌もROOも好きにはさせんにゃ! 我らイレギュラーズの底力、甘く見るでない、にゃ!」
飛びかかり、前足部分のクローをヒートアップ。デカラビアの首を切り裂きながら駆け抜けると180度ターンをかけ背にマウントした機関銃を連射。デカラビアの首はがくりとその場に崩れた。
成否
成功
第3章 第9節
「VDMの力を思い知りましたか!」
空母の上に立ち、腕組み姿勢をとる『虎帝』夢見・マリ家(p3x006685)のゴッドカイゼルVDM。
「デカラビア殿! ご覚悟を! いかに頑強な防御力を持とうとも! ヴァレ家と共にある拙者には無意味!」
レインボーゴッドアックス『SAKEBIN』を振りかざすゴッドカイゼルVDMに連動するかのように、空母のコントロールデッキに並ぶとらぁくんやブラックタイガーくんが一斉に主砲の発射トリガーを握りこんだ。
紅蓮の雷を纏った砲撃がデカラビアへと浴びせられるその一方。同時にギアバジリカ内の礼拝堂では祈りを捧げていたヴァレーリヤとアナスタシアがゆっくりと顔を上げた。
並ぶ二人のずっと後ろから、声がする。
「世界の行く末が、またひとつ、定まろうとしているんだね」
声に振り返ると、そこには赤いコートで身を包んだ赤髪灼眼の少女が立っていた。
彼女の名を、アナスタシアたちは知らない。だが、彼女の瞳にうつる孤独な光に誰かを思わせる。
少女は身を翻し、礼拝堂を立ち去るべく出口へと歩き出した。
「どこへ?」
「さあ、どこへだろうね。私は……私にとっての『彼女』を探しに行こうとしているんだと、思うよ」
「ヴァレ家に最高にかっこいいところを見せるのです!
この世界を! 鋼鉄を守って!」
空母から飛び立つのゴッドカイゼルVDMの、振りかざされた斧。
それに対抗し残った全ての首をあげたデカラビアはブレスによる一斉砲撃を開始。
対して、ギアバジリカは主砲を発射。
デカラビアの黒い光とギアバジリカの白い光が空中で激突する。
「さあ、トドメだよデカラビア」
『黒麒』Λ(p3x008609)は『黒麒・改』を人型モードへと変形させると、両腕を揃えて魔導砲のエネルギーを集中させた。
「デカラビア。君がもし、ボクらが現れる前にこの国に進撃していたなら、きっと破壊は容易だったろうね。
けれど、この世界にはボクたちが『染み込みすぎた』。
思い出が、絆が、ボクたちをあまりにも強くしてしまった。
だから……これで終わりなんだよ」
放たれた魔導砲が、そしてマリ家の斬撃が加わり、デカラビアの砲撃はギアバジリカから押し返されるようにその首を包み込んでいく。
「さあ、もうじきカーテンコールだ、『アイアンウルフ』! 燃やしてやろうぜ、鋼鉄の魂!!」
加速をかけるうるふ(p3x008288)の『アイアンウルフ』。
両手に握った拳銃型装備を水平に構え、砲撃によってひるんだデカラビアへと乱射する。
「止まれよ、デカラビア!! これがうるふ達の本気だッ!!」
一発一発を撃つ中で、うるふの中に数々の思い出がよぎった。
ゲーム感覚で入り始めたROOという世界で、数々の出会いや、成功や、時に小さな失敗を通しながら、このゼロとイチの間にある世界に人々が生きる熱を感じていた。
確かにこの世界は、生きていたのだ。
「「――party time」」
白いジャケットを着た一団が乗り込む巨大ナース型ロボット『グレートラスカルズ』。
ダンスステージ型集合コックピットに並ぶCOOKIEと『合わせ鏡の蔦』ルフラン・アントルメ(p3x006816)は低音のリズムで流れ出すミュージックに併せて操縦のダンスを始めた。
「白衣の天使ルフランとはあたしのことだー! いっくよー!」
大砲のように構えた巨大注射器型エナジー伝達装置のプル部分を90度ねじると、赤いリンゴのようなエナジーが仮想シリンジ内を満たした。
隣にゆっくりと舞い降りた『氷神』吹雪(p3x004727)のエクスギアエクスが突撃槍型の武装をライフルのように構える。
「私達をいくら殺し続けたところで無駄なのよ。だって、この世界のパルスちゃん……いいえ、この世界で生きる人々のために、私たちは何度だって立ち上がれる」
槍から冷凍弾を放ちつつ、翼のように広がった冷気のオーラが周囲一面を銀世界へと変えていった。
グレートラスカルズの放つ真っ赤なエナジービームと吹雪の氷槍による突撃。それらが合わさり、デカラビアの首を貫き、そして中央にあった核を破壊。バキンと音をたててひび割れた直後、終焉獣デカラビアは黒い霧となって消え去った。
最後の一発を撃ち込んだアイアンウルフは消えていくデカラビアを背に、両手の拳銃を翳しマガジンを排出。
スクラップと化したジープの隣に、巨大なマガジンがズンと落ちた。
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※成功条件達成!
終焉獣デカラビアを撃破しました!
鋼鉄帝国及びイレギュラーズ軍の勝利です!
残存した兵力は隣接した砂嵐エリアへと援軍として送り込まれます。
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成否
成功
第3章 第10節
終焉獣デカラビアを倒したことで、荒野には晴れ渡る空のみが残った。
黒い霧は世界の中に溶けるように変色し、粉雪となって降る。
静かなる戦場を、ギアバジリカは再び歩き出す。
目指すは砂嵐砂漠地帯。終焉獣ベヒーモスとの激戦が今も尚続く、地へ――。
GMコメント
終焉獣デカラビアによって発生した疑似宇宙を舞台としたエクスギアエクス戦。
そしてギアバジリカ周辺を舞台とし小隊を率いて戦う小隊指揮戦。
この二つのパートで進行する最終決戦が始まりました。
お好きなパートを選択し、己の戦場へと突入しましょう!
また、当シナリオはラリー形式であるため他シナリオと併せて何度でも挑戦することができます。
●サクラメント
空中母艦VDMとギアバジリカにそれぞれサクラメントが配置されています。
そのため何度死んでも再出撃することが可能です。(エクスギアエクスもすぐに修復されて再出撃する扱いになります)
●パートタグ
以下のうちからお好きな【パートタグ】を選択し、プレイング冒頭に記載して下さい。
(記載が無い場合いずれかの戦場に自動配置されるか、または不採用扱いとなります)
また、シナリオ中に新しいパートが出現することがあるかもしれません。
【ロボット】
エクスギアエクスにのって戦うパートです。
あなたの『専用機』を駆り、疑似宇宙で終焉獣や敵エクスギアエクスと戦いましょう。!
☆超強襲用高機動ロボット『エクスギア・EX(エクス)』
エクスギアEXとは大型の人型ロボットです。
『黒鉄十字柩(エクスギア)』に附随した大型オプションパーツを超複雑変形させそれぞれの戦闘ロボットへと変形します。
搭乗者の身体特徴や能力をそのまま反映した形状や武装をもち、搭乗者にあわせた操作性を選択し誰しもが意のままに操れる専用機となります。
能力はキャラクターステータスに依存し、スペックが向上した状態になります。
武装等はスキル、装備、アクセスファンタズムに依存しています。
搭乗者のHPがゼロになると破壊され、多くの場合爆発四散します。
搭乗者が装備する剣と同様の剣で斬りかかったり魔術砲撃をしたりと、搭乗するキャラクターによってその戦闘方法は変わるでしょう。
距離やサイズは適時良い具合に判定するので深く考えずにお楽しみください。
もしお望みであれば、普段と違うデザインをオーダーしてみるのもいいでしょう。
※すべてが専用にカスタムされているため、別の人物が乗り込んだり敵のエクスギアを鹵獲し即座に使用することはできません。逆もまた然りです。
【小隊指揮】
あなたを隊長とした小隊を編制し敵軍と大規模な戦いを行います。
エーデルガルド、『プロモーター』、パラディーゾトモコがこの戦場で軍を率いています。
☆小隊指揮について
・このシナリオには小隊指揮ルールが適用されます。
PCは全員小隊長扱いとなり、十名前後の配下を率いて敵部隊と戦うことができます。
・兵のスキルや装備といった構成内容はおおまかになら決めることができます。
防御重視、回復重視、機動力重視、遠距離砲撃重視、特定系統の非戦スキル重視……といった感じです。細かいオーダーは避けましょう(プレイング圧迫リスク回避のため)
・使用スキルや戦闘パターンの指定は不要です。(プレイング圧迫リスク回避のため)
・部下の戦意を向上させるプレイングをかけることで、小隊の戦力が上昇します。
先陣をきって勇敢に戦って見せたり、笑顔で元気づけたり、料理を振る舞ってみたり、歌って踊ったり、格好いい演説を聴かせたり、効率的な戦術を指示したりとやり方は様々です。キャラにあった隊長プレイをお楽しみください。
・兵のデザインや雰囲気には拘ってOKです。
自分と同じような服装で統一したり、自分の領地にいる戦力を選抜したり、楽しいチームを作りましょう。特に指定が無かった場合、以下のデフォルト設定が適用されます。
デフォルトチーム『鋼鉄兵』:鋼鉄帝国の軍人たちで構成された標準的な部隊です。バランスはいいですがだいぶ攻撃寄りです。
●グループタグ
誰かと一緒に参加したい場合はプレイングの一行目に【】で囲んだグループ名と人数を記載してください。所属タグと同列でOKです。(人数を記載するのは、人数が揃わないうちに描写が完了してしまうのを防ぐためです)
このタグによってサーチするので、逆にキャラIDや名前を書いてもはぐれてしまうおそれがあります。ご注意ください。
例:【ザッズファイターズ】2名
●特殊なエネミー
パラディーゾセララ、パラディーゾランドウェラオルタは上記二つのうちどちらかの戦場に登場するかもしれません。
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●情報精度
このシナリオの情報精度はBです。
依頼人の言葉や情報に嘘はありませんが、不明点もあります。
●ROOとは
練達三塔主の『Project:IDEA』の産物で練達ネットワーク上に構築された疑似世界をR.O.O(Rapid Origin Online)と呼びます。
練達の悲願を達成する為、混沌世界の『法則』を研究すべく作られた仮想環境ではありますが、原因不明のエラーにより暴走。情報の自己増殖が発生し、まるでゲームのような世界を構築しています。
R.O.O内の作りは混沌の現実に似ていますが、旅人たちの世界の風景や人物、既に亡き人物が存在する等、世界のルールを部分的に外れた事象も観測されるようです。
練達三塔主より依頼を受けたローレット・イレギュラーズはこの疑似世界で活動するためログイン装置を介してこの世界に介入。
自分専用の『アバター』を作って活動し、閉じ込められた人々の救出や『ゲームクリア』を目指します。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/RapidOriginOnline
※重要な備考『デスカウント』
R.O.Oシナリオにおいては『死亡』判定が容易に行われます。
『死亡』した場合もキャラクターはロストせず、アバターのステータスシートに『デスカウント』が追加される形となります。
R.O.O_4.0においてデスカウントの数は、なんらかの影響の対象になる可能性があります。
●重要な備考
<ダブルフォルト・エンバーミング>ではログアウト不可能なPCは『デスカウント数』に応じて戦闘力の強化補正を受けます。
但し『ログアウト不能』なPCは、R.O.O4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』が敗北に終わった場合、重篤な結果を受ける可能性があります。
又、シナリオの結果、或いは中途においてもデスカウントの急激な上昇等何らかの理由により『ログアウト不能』に陥る場合がございます。
又、<ダブルフォルト・エンバーミング>でMVPを獲得したキャラクターに特殊な判定が生じます。
MVPを獲得したキャラクターはR.O.O3.0においてログアウト不可能になったキャラクター一名を指定して開放する事が可能です。
指定は個別にメールを送付しますが、決定は相談の上でも独断でも構いません。(尚、自分でも構いません)
予めご理解の上、ご参加下さいますようお願いいたします。
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