シナリオ詳細
<希譚>[データが削除されました]<呪仔>
完了
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オープニング
●澄原水夜子からの依頼
こんにちは、と微笑んだ彼女の名前は澄原水夜子。澄原病院に所属している少女だ。
年の頃は10代半ばだろう。あどけないそのかんばせに乗せられた余裕たっぷりの笑みは、此度の事をある程度把握しているからこそなのかもしれない。
澄原病院院長、澄原晴陽やその弟と同じ色彩の髪と瞳を持っている彼女は澄原の血を感じる。
だが、所詮は分家である。決して『その才能を認められることのない』位置に存在し、最初から諦めることを強いられた娘。
故に彼女は諦め慣れているからこそ人が最も死ぬ前線に立っているのだろう。
「まあ、生きてもらうのが一番なんですけどね」
真性怪異という存在の前で何かを生かすというのは中々に難しい。
そもそも、それは人間が蚊や蟻といった虫を容易く殺す事と同義なのだ。神様であると認識する真性怪異が人を殺すのは蚊をぷちりと潰す感覚でもあり、列をなす蟻に如雨露の水を浴びせる様な、そんな感覚でもある。だからこそ、それを『責めることが出来ない』と水夜子は考えていた。
「生き残りたいならば抗う事しかないというのが前線です。残念ながら、私と、それから希望ヶ浜の皆さんはそうした立場なのです。
まあ、それは希望ヶ浜に居ようともローレットに居ようとも同じことなのかもしれませんね?」
どちらにしたって命がけ。そう言った水夜子がイレギュラーズを呼び足したのは『石神駅』であった。
「さて、今日は肝試しをしようと思います」
時刻は22時を過ぎる。彼女の隣に立っていた音呂木・ひよのは何処か神妙な顔をしてから「ええ、まあ」と濁った口調でもごもごと言葉を繋ぐ。
「そう言えばとてもライトなものなのですけれどね」
「えっ!? 肝試しして石を拾ってくるだけじゃなかったの!? なじみさんはそう聞いていたけど……」
「まあ、そうと言えばそうですね。ですが、そうじゃないといえばそうじゃない。
拾ってきていただきたいのは石神山上ダム付近に存在する『来名戸村の石』です。
嘗ては来名戸神社の中に存在した物がダムを造る際に周辺に廃棄されたもの、だと認識しています。
此度のゾンビ騒ぎの原因と言いますか……まあ、『お嬢さん』の力が此処まで強いのは、来名戸神の欠片が現世にも存在しているからではないか、と」
ひよのの傍らでぱちりと瞬いたなじみは「難しい事は分からないなあ」とそう言った。猫の耳を揺らした彼女は「いけないいけない」と帽子をかぶりなおす。
「寒くってね、耳が冷えちゃうぜ」と冗談のように笑った彼女は『夜妖憑き』である事を一応は隠しておきたいのだろう。
「来名戸神の欠片をある程度拾って、それをすべて浄めます。そうする事でお嬢さんの力が弱まって現世からある程度『断ち切る』事が出来るだろうと考えたのですが……どうも、夜の方が『どれがその石なのか』が分かるようでして」
「……肝試し、となったと」
ええ、と水夜子は微笑んだ。苦い顔をしたひよのは肩を竦める。
肝試しを楽しんでついでに石を拾ってきてくれればいいというのが今回の目的なのだろうが――それにしたって、色々とどうかしている事態だ。
石神地区にはゾンビや怨霊と言った様々なもの――悪性怪異:夜妖と分類しよう――が暴れまわっているのだ。それの対処に追われている。それを収束させるために、自分たちから夜に、その膝元に飛び込んでいこうというのだから。
「危険性は?」
「……あまりないかと」
水夜子の言葉になじみは首を傾ぐ。なら、ひよのは何を緊張しているのだろうか。
「ええと、いいですか。音呂木神社のお守りや鈴を皆さんに持ってもらいます。
どうやら来名戸神は私――いえ、音呂木が嫌いなようなので、これを持って居れば連れていかれることはありません」
「もしも失くしたら?」
「責任を取りません」
「あっちゃー……なじみさんみたいになくさなければ大丈夫だよ!」
にんまりと微笑んだなじみ。ひよのは小さく咳ばらいを一つしてから「まあ、無くさなければちょっと怖いだけの肝試しで済むはずです」とそう言った。
- <希譚>[データが削除されました]<呪仔>完了
- GM名夏あかね
- 種別ラリー
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2021年03月07日 22時05分
- 章数2章
- 総採用数66人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
[澄原水夜子からの情報]
●行く道
石神駅から少し急な山道を登ってゆきます。足場は経年劣化したアスファルトで、舗装状態はあまりよくありません。
周辺は鬱蒼と茂った山道。簡単に表現したならば田舎の山道です。時折、古い電話ボックスなどが見かけられます。
また、明かりは懐中電灯が貸与されますが、そのほかの非戦闘スキルを使用しても構いません。
時々ぽつぽつと灯りが存在していますが、それも……あんまり頼りになりませんよね。
鳥の声などが聞こえます。肌寒く、とても厭な気持になります。
今回は敵性対象は『想定されていません』が、『何が起こるかは分かりません』
ある程度は決め打ちでの肝試しも歓迎します。時々『変なフラグ』を踏んだ場合は何か出て来るかもしれませんが、それもご愛敬……。
●情報
とうりゃんせを謳う少女の声が聞こえた気がする。背中に何かの吐息を感じ、振り向いてはならないとさえ思えた。
行きはよいよい帰りは恐い――なんていうか、大したことは起こらないだろう。
何せ、これは、只の肝試しなのだから。
第1章 第2節
「はて……肝試しか」
そう呟いたのは義実であった。自称としては破戒僧。つまりは僧侶である。
僧侶であるからには、この様な催しから目を背ける訳にもいかぬと訪れたのは石神駅。三人の女子高生と思わしき少女達が案内役の何とも言えない催しである。
「この時期に肝を冷やせばそのまま凍えてしまいそうだな。
どれ、拙僧が肝試しの手本というものをご覧に入れようか」
そこまで言ってから義実ははたと思い出したように案内役として立っていた澄原・水夜子に対して向き直った。灰色の髪を結わえた如何にも優等生の如き少女である。
「拙僧は練達に来て日も浅くてな、この辺りの土地に詳しくない故に道に迷いかねないのだ。
そこで澄原水夜子殿に是非ともついて来ていただきたいのだ。なに、道案内だけでもしていただければ十分だ」
「勿論。構いませんよ」
にんまりとラベンダーの眸を細めて微笑んだ水夜子に共にと歩み寄ったのはラダである。
「所で肝試しだから、夜というわけではなく『捜し物』の為によるというのは、夜の方が分かりやすいってそれ、力が強まってるからじゃないのか? ……まぁ行くけどもさ」
微笑んだ水夜子は返答を返さない。ラダとて再現性東京には詳しくない。例えば、自身の獣種としての姿が異質と見られるという前知識があろうとも細かな一般常識がズレているのは確かだ。
「さて、では準備はよろしいですか? 私は勿論、十重二十重に準備を重ねております。
怪異に手を拱くのだけは二度手間になりますからね。しっかりと熟して参りましょう」
水夜子にラダは小さく頷いた。危険度が低いと聞いたものの、何となくでも周辺を探ってしまうのは音呂木ひよのが今までイレギュラーズと探索を行っていた場所だからか。
「そういえば復路のある肝試しって1回は振り返る事が前提だよな。
いやふと、よく聞く振り向いてはいけない系の怪談を思い出したんだよ。……今夜ばかりは食い合わせが悪いと思ってね」
「ああ。不幸なことが起こらない限りはこの肝試しも上手く行くだろう。例えば、怪談をその通りに遂行しないとかーー不幸にもお守りを落とさない限りは……な」
水夜子は「行きはよいよい、帰りは怖い、ですよ」と意味ありげに微笑んだ。
成否
成功
第1章 第3節
「ねえなじみさん?」
何だい? 定くん――ではなくて。
「ねえ? ねえ、ねえ! 行くのはバレンタインの催事じゃなかったのかい!?」
嫌だなあ、定くん――ではなくて!
定は叫んだ。「これじゃ納涼だよ! そんな事しなくても寒いくらいだけれどね!!!!!」と冬の山は寒い。コートを着ていなければ即死だった。余りの恐怖に大声を出した定に「暖かくなりそうな大声大会だね!」となじみは微笑んだ。
「まあ、いいよ、やってやるぜ。流石になじみさんにカッコ良い僕の背中を見送る事をさせる訳には行かないからね」
「帰宅部として優秀そうだぜ」
「そうだけど。いや、ほらたかが石拾いだろう? こう見えて僕は小学生の頃プールの中の石拾い競技じゃトップクラスの成績だったんだぜ。地味過ぎて誰からも気付かれなかったけどね」
互いに『漫才』のように繰り返す言葉を眺めて居たのは花丸であった。
「なじみさん、懐中電灯忘れないでね!」と微笑む花丸はひよのも誘って行きたかったけれど、と小さく呟いた。
彼女は来名戸村には入れない。一緒に行っても彼女が来名戸の神様を感知することは出来ないのだろう。
ならば、危険に晒すこともないかとスマートに「なじみさん一緒に行こう!」と微笑んだ。そんな花丸に定は悔しげに。
「さあ、行くぜ……! 肝だろうが何だろうが試して貰おうじゃないか。
僕だってイレギュラーズだぜ、幽霊程度が出ても笑い飛ばしてやるぜ!」
膝で笑い飛ばしそうな定に賑やかになれば大歓迎と花丸は進み出して――
「……!? ね、ねぇ……なじみさん? 花丸ちゃん達以外の声とか聞こえた気がしたけど花丸ちゃんの気のせいだよねっ!?」
「いいや、確かに聞こえた……ねえ?!」
――その実、なじみの背後を付けている影があった。エマである。
単独行動と言いつつもその背を追いかけ続けていたエマに気付いた三人の視線が向けられる。
「何――おばけ――!?」
「何って……怪しくない怪しくない。わっち、ただのか弱い一般人にして、綾敷様のストーカー」
「え、なじみさんストーカーいたの!?」
事態は混乱を極めている。肝試しという趣旨から遠ざかりそうな大騒ぎであり。
「隠れるつもりなんて毛頭ごぜーませんし? ただただ貴女が面白そうだから。
だから遠慮なくわっちにストーキングされなんし、その方が貴女も興奮するでごぜーましょ? 興奮しなんし、興奮しろ」
「そう言う性癖がなじみさんに!?」
自分で知らないの、と定は叫んだ。エマはふとなじみをまじまじと見遣る。
「……そういえば、猫って食べられるらしいそうで。綾敷様……美味しそう! どう料理されたいでごぜーますか?
え、ああ、肝試し? もちろん忘れてないでごぜーますよ? くふ、くふふ、くふふふ」
エマを見てからなじみはにんまりと微笑んだ。
「そういえば! 人間も食べられるらしいよ! ――ってあれ? この返答可笑しかった? なじみさん怪しかった!?」
成否
成功
第1章 第4節
「最近の希望ヶ浜の行方不明事件やゾンビ事件、それに財団の上層部の連中が興味を持って僕を派遣したというわけだね。
ふふふふふ、実に好都合だ。僕もこの都市伝説関連に興味が湧いていたところだよ」
大きく頷いたのエクレアは懐中電灯を手に、一人で山を登り続ける。超方向神経があれば迷子になる心配も無いのだ。
aPhoneで検索すれば来名戸村の都市伝説ばかりがヒットする。情報と呼べる者はろくに無い――
ふ、と。
何かの声が聞こえ、悪寒と同時に好奇心が芽生えた。
手にはひよののお守りがある。ぎゅうと握りながらも振り向かんとして――
「あれあれ?」
びくっとエクレアの肩が跳ねた。突如として声を掛けたのは秋奈。どうしたことか――お守りを持っていたから故に声を掛けたのか――秋奈はにんまりと微笑んで居る。
「うぇーい! ひよのパイセンからお守りもらったったー! こりゃ神棚にあげて、毎日拝むっきゃないね!
あっ! お説教の予感を感知!そ、その反応も良き良き。というわけでー石ころ集め! ばびゅーんって行ってくるぜいっ!」
経験があるから故に頼れるお姉さん、秋奈はセーラー服姿で立っていた。
「お、驚いた」
「ビックリさせちゃったかい? お守り、落としちゃ駄目だぜ!
というか、ひよのパイセンみたいにお守りって私ちゃんにも作れないのかな?
こりゃ私ができることがあればやりてぇ! って思うワケだよ。うん。なんとなく考えてたことがあってさ。……ここの神様は、誰に祈ればいいんだろうって」
嫌な気配がした気がしてエクレアは「先に進もうか」と振り向かないまま歩き出した。今、そうしてはいけないと握ったお守りが酷く熱くなったからだ
成否
成功
第1章 第5節
「通りゃんせ通りゃんせ、ここはどこの細道じゃ……なあ。
普通に考えれば村への道なんだが……依頼書を読んでから考えると、まるで黄泉の国へでも行く道みたいだな」
華は呟く。そもそも、『村だってダムの底に沈んでいる』のだから、普通に考えれば何処かに特別繋がっているはずもないのだけれど。
「……振り向いたら帰れなくなる肝試し、なんてことはないだろうけどな。
さあて、貰った鈴を忘れぬように、落とさぬように。石を拾いに行こうか。一応、何があっても振り向かないようにな?」
歩く脚が僅かに重たくなった気がした。
自分の身を守り身でも仲間の身を守る意味でも『お嬢さん』の影響力は減らしておきたいとヴェルグリーズは『断ち切る』為に尽力していた。
場所が場所だ。不用意なことはせず、其れをすると意識しない方が良いのかも知れない。
まっすぐ行ってまっすぐ帰る。ただ、それだけ。『戻って来た』が『帰って来た』に転じられても困る。
――俺は何も見ていない、聞いていない、話さないし、振り返らない。
お守りを握る。何処の誰でもない人になりすまし、ヴェルグリーズは山を登り続けた。
何かの気配が、ひしひしと背中を刺す。誰かが見て居るかのようである。
ざくざくと雑踏を歩く華はヴェルグリーズではない誰かの声を聞いた気さえした。
まるで、振り向けと手招くような。
酷い焦燥を感じさせる其れを拭うようにダムを只、目指して。
成否
成功
第1章 第6節
「……肝試しか~。で、でもどうせ暗いところを歩いて石を拾ってきてかえるだけでしょ?
明りもあるし! お守りももらったし! こわくないこわくなーい……こわくなんかないんだからね!!!!!!」
胸を張ったリュコスにひよのは「怖くないですか?」と問い掛けた。怖くないかと聞かれたら……そりゃあ、怖いのである。
そんな様子を眺めながら『来名戸村』から帰還したばかりの文は毅然とした様子でおまもりや鈴を手渡すひよのを見詰めていた。
先行していった水夜子は「まあ、こう言うものですよ」とは言っていたが――
(今回、帰ってくる事ができたのは水夜子さんやひよのさんたちが居てくれたおかげ。
彼女たちを危険な場所に連れてくるのは心苦しいけれど、悪性怪異やお嬢さんが石神地区に侵食してきたら間違いなく危険だ。何とか出来たらいいんだけど……)
考え込む文へと「文さん?」とひよのは声を掛けた。どうにも彼女を心配させるのは悪い気がする。
「……っと、今はなるべく考えないようにしないとだね。肝試しくらいなら今の僕でも手伝えるかな?
山頂付近で石を拾ってくれば良いんだね? 分かった。お守りは無くさないように気をつけるよ」
少し頭が痛い気はするが、その痛みで余計なことを考えずに済みそうかと進む文の背に気付かぬまま足下の石を探すようにうろうろと歩き続けるのはリュコス。
――とおりゃんせ とおりゃんせ
「……当たり前だけどこの山道、視界や足場が悪いなぁ。早く石を見つけて帰ろう。じゃないと、また――」
とん、とぶつかる音がする。
「ぴゃ」と声を上げたリュコスを受け止めたのは文だ。リュコスにとっても『あれっきり』な村。其処から帰還したばかりの文は彼女にとって『もしかすればもう一度、会いたい者に会える』可能性を持った存在である。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫……」
――いいや、そんなことを考えずに石を拾って帰らないと。何かの声が、息づかいが、する。
成否
成功
第1章 第7節
「……成程。『オルペウスの冥府下り』に似せた儀式だな。
死と不浄の地に堕ちた祝福を拾い上げるために、自らその地へ赴く物語だ。
『振り返ってはいけない』という部分もよく似ている。あるいは夜妖側がその情報を広い、意図的にそちらに寄せて来たか……興味深いね」
セレマは考察する。例え二月と言えどもこんな夜に灯りを付けるものではないか。要らぬ羽虫が寄ってくるのはできるだけ避けておきたい。
『エウリュディケー』をさっさと見つけて仕舞いたい。あわよくば強い存在との契約を、と誘惑が胸を過る。
「……さあ、どうしようか。悩ましいな。――は?」
美少年は眼前で山賊刀を構えている無骨な男の背中を見つけて瞬いた。グドルフだ。
線が細い美しく嫋やかな少年と、無骨で膂力を活かし戦う男。その二人が画面上に収まってしまったのである。
「このおれさまの肝を試そうってのかい。早々ビビってやらねえぜ?
言っとくが、今回ガキどもの出番はねえ。何故ならその変な石も、おれさまがまるっと根こそぎ持ってきちまうからなあ。ゲハハハッ!」
気色悪い場所ではあるが幽霊や其れに類する者がこそこそとしている事の方が胸くそ悪い。
「っは……そんな石ごとき、たかだか1個拾うだけじゃ物足りねえ。
あちこち探し回って、収奪でかっぱらってやるぜ!」
出てこいよ、とグドルフは叫んだ。幽霊だろうがゾンビだろうが、悪性怪異:夜妖だろうが山賊が『お宝』を奪うという点では敵は居ないのである。
成否
成功
第1章 第8節
「成程――此度は夜鷹の鳴き声を頼りに、石とやらを拾えば良いのか。最も『私に夜鷹の声など聞こえない』が。Nyahahaha」
懐中電灯を手にしたオラボナは一人で進んでいた。他に存在する灯りは極力アテにはしたくない。それも『見ざる』と判断しておくべきだろう。
振り向くことも耳を傾けることも凝視することもしないで、どんどんと歩を進める。何かしらにで有ることを期待していない――わけではない、が――よくある肝試しだ。
ざわざわと木々が揺れる音を聞く。
「私の題名(タイトル)は我等『物語』が理解している。肌が冷たいのは塗料(えのぐ)の所為と嗤ってやろう。応えたいのは真意だが、頁に書くのも面倒だ」
オラボナは誰とも為しにそう言った。其れに答える者が居るかどうかも、知る由も無いのだけれど。
そんな『物語』の背後を懐中電灯ひとつで歩いているのはエクスマリアであった。
長い金の髪を照らす街灯はその存在を誇示するかのようでもある。
「肝試し、か。此処に居るらしい『神』は、マリアの故郷のソレとは、随分違うらしい、な。
力で倒せず、言葉で堕とすことも、できないとなると、魔種などより、余程厄介な相手……否、『相手をする』事自体が、ナンセンス、か」
呟く。例えば、それを『理解する』事もナンセンスなのだ。其れが存在して居ると認識してはいけない。
思考を巡らせて歩くエクスマリアは劣化したアスファルトも歩きやすいと感じていた。
聞こえる獣の息づかいにオラボナもエクスマリアも振り向きはしない。
行きはよいよい――だからこそ、なんの『不幸』も訪れない。
成否
成功
第1章 第9節
「こんな場所で肝試しをさせるとは。さてはあいつ、危険な者だな?
いや、ローレットの仕事と考えれば普通か。さぁて頑張ろうじゃないか」
水夜子をそう称したのはランドウェラであった。澄原病院に所属しているという彼女の微笑みは深く、何を考えているかも理解の外だ。
「わぁ、暗いね……!! 肝試しだって、ふふ、なんだかわくわくするねぇ」
シキは楽しげに目を細めて笑った。肝試しであるとだけ情報を与えられれば此程絶好のシチュエーションは無い。強いて言えば、これが夏であれば最高だった程度だ。
「綺麗な色があると思ったら君か。せっかくだし2人で固まって探すとしよう」
「おや、ふふ。お褒めに預かり光栄だねぇ?」
共に、と道を行く。対して補修工事も行われていないのだろう山道はトラックが走った影響も強くガタガタとしている。経年劣化を感じるその道をしっかりと歩きながらランドウェラは「ふむ確か石を探すのだったな。夜の方がわかりやすいという事は光るのだろうか」と問うた。
「さあ? 近づけば拾うべき石がわかる……ってどういうことだと思う? いや、近づけばわかるのか。
まぁそういうのなら、色々歩き回ったりしてみようかね。石以外にも、何か面白いものがないか探してみよっと」
なんとなくだが二人共が『こちらだ』と思う方向に進んでいく。それが山上ダムの方向であるのは案内掲示板を見なくとも容易に理解できた。
「所で寒く無いかい? こういう時はとりあえずこんぺいとうを食べあー石触るから帰って食べようか。夜中に食べるこんぺいとうは罪の味がしておいしいぞ」
「おや、ふふ。こんぺいとうか。前にももらったけど、君のこんぺいとうは美味しいよねぇ。甘くて大好きさ!
ふふ、無事石を持ち帰れたらいただくとするさね」
ここで持っている金平糖は食べても良いものだから、と笑ったランドウェラにシキはぱちりと瞬いてから頷いた。
異界のものはダメだけれど、自身のものならば良いと見たのは何処での話だっただろうか。
成否
成功
第1章 第10節
「肝試しね……まぁ、お化けっつっても斬れねえ訳じゃねえだろ。
だったら何てこたぁ無ぇ、愛刀は置いてきたが……それ以外でも優秀な武器がいるからな、なぁ坊主?」
幻介はにやっと嫌らしい笑みを浮かべて、ハロルドを見遣った。
「……ところで、此所に来る道すがらに定期入れを拾ったんだけどよ……誰か心当たりあるか?」
拾い上げた定期券を見てハロルドは「は?」と大声を出した。関西弁特有の声である。
「何か?」
「い、いや? ――て、定期入れ? 定期持ってく? なんなん? アホなん?
ビビッてへんわ! 俺かてこういうのには慣れとる! ええい、怪異がなんぼのもんじゃーい!」
ばっと声を張り上げたハロルド。なんぼのもんじゃーいと言ってはみたがおびえが拭えるわけではない。幻介が握る定期券を見詰めてからシューヴェルトはふと、首を傾げる。
「こういう依頼は普通ならかなり怖がってしまうものなのだが……あいにく僕は怨嗟の声とかには少々慣れているんでね。たぶん大丈夫だろう」
お守りは肌身離さず。何が有っても束為さぬようにと留意していたシューヴェルトの傍らでは汰磨羈が悩ましげに首を傾げている。
「来名戸神か……悪神や悪霊の類いが侵入するのを防ぐ神であった筈だが……まあいい。
目の前のことを着実にこなしていけば、いずれ全貌が見えてくるだろうさ」
汰磨羈はひよのからお守りを受け取ってから、『石』の探索に向かう。道の分岐や立ち入り禁止の道など道に類する地点にありそうだとも考えた。
お守りはまあ、あればいいかな程度に考えていた幻介の隣で、シューヴェルトは「何かが聞こえるな」と言った。
「ああ、後ろから獣の吐息らしいものを感じるが……さて、それが『本当に獣であるか』と問われれば――」
そこまで言った汰磨羈は悩ましげにハロルドを伺う。
「どう思う、ハロルd……いや、そこまで九字を切らんでも。なんか無駄に手つきがいいし」
「臨・兵・闘・者ァ! 皆・陣・烈・在・ぜェーーーん!」
叫ぶ彼は異変が起こったと幻介にひょいっと担がれた。ハロルドは「さ、咲々宮ァーーーッ! 退避ィーーーッ!」と叫んだ。
「道を開けろ! 『蒼脚』! 『翠刃』!」
シューヴェルトは叫んだ。三人が護衛するようにハロルドを運ぶが「さぁ、選んでくれ。おんぶ or お姫様抱っこ……時間がないな!」と汰磨羈はひょいっとハロルドをおんぶして全速力で駆け出した。
「って何しとんねんアアアーーーッ!?」
その叫び声が山中に木霊するが――……さて、背後に何が居たのかを全員は見て居ない。
ただ、シューヴェルトは何かに引っ張られる気がしたのだと、後に告げた。
成否
成功
第1章 第11節
ダムを造る際に廃棄されたモノであったとしても『縁』があるから影響を及ぼすのだとアルテミアは納得した。
「……もし、より『縁』の深いモノが――『かの神域』から持ち出されたモノがコチラ側にあったとしたら……ゾッとするわ」
欠片がコチラ側に存在することで『お嬢さん』の力が増す理由。それを考えずには居られない。
神域で埋葬されたモノが神の許へと導かれるというならば。死者が導かれる先と言えば、幽世だ。だが、あちらが幽世であるか、それとも。
(もしかして、欠片の影響で幽世と現世の境界が曖昧になって力が流れ込んでいる?
……まさか、ね。そもそも『あの神域』が本当に幽世なのだというなら、あの子が……)
アルテミアにとって、死者との逢瀬は願ってもないことだ。だが、有り得るはずが無い。
それが、有り得ては鳴らないことを知っている。
(……私は何を考えているんだか。はやく件の欠片を回収して、石神地区から離れましょう)
そう、何が有っても呼ばれても答えてはならない。何が有っても振り向いてはならないのだ。
『世界の裏側に気づかなければ、それはあなたに害を与えない。でも深淵を覗き込むと、むこうからも見つめ返してくる』
当たり前の事だというようにセリアはそう感じていた。
鳴り響く電話をとろうかと一先ず音がする方向へと向かっていく。
何か聞こえるかも知れない、と精霊疎通を活かして精霊達にもそう提案してみるが――拒絶された。
やめようよ、と問うように。
ダメだよ、と言うように。
セリアはダメかしら、と小さく笑ってから電話ボックスに入った。その時、反斜ミラーを凝視する。
見てしまった。
セリアは、電話を手にしてからまじまじと何かを確認してしまったのだ。
成否
成功
第1章 第12節
とん、とん。
何かの鞠の音がした。
転がっていく。
転がっていく?
そんな想像が掻立てられて、反斜ミラーに映った古風な少女に気付いた――その時に、視界が、薄らと霞んだ。
第1章 第13節
「お守りと鈴はグループに一つではなく個々人で持っていく。もし離れちまったてもこれなら大丈夫だろ」
そうするように、とニコラスは仲間達へと提案した。頷くボディは『行き先』を警戒するようである。
「皆様、十分にお気を付けを。今回は肝試しとは言え、来名戸村跡地であるダムに行くのですから」
ボディの警戒とは対照的に、ロトは恐ろしい程に村の話をすることはなかった。山登りの準備を整えるだけであるように、淡々としている。
「……いや、確かに鈴を無くさなきゃ大丈夫な筈なんだが、なぁ。
何故だろう……うっかり踏み抜き、じゃねぇ。怖いもの見たさに探ろうとしにいく奴が居そうなんだよな……ったく」
肩を竦めたカイトはちら、とボディ、ニコラス、ロトを見遣った。三人は『村』にも縁のある存在だ。
「やっぱり夜の山は少し怖い。眠った何かを起こさないといいが……それとももう起きているからこうなのか。
でもまあ、今回は只の肝試し、きっと何も起きないことを願おうか」
グリムはそう呟いた。aPhoneのカメラでの録画を行い、調査を行う肝試しは普通の良くあるものになるはずだ。
「さて、肝試しと石拾いを頑張ろうか、皆。今回の懸念点はお守りは"真性怪異"の干渉を防ぐ事だ。
うん、つまりはお嬢さんの干渉は危惧するべきだね、あはは。
さて……それじゃあ、いつも通り、三猿に気を付けて、周囲及び石をアナザーアナライズして情報を集めようか」
方針はそれでいいかと問うたロトにボディは頷いた。いつも通り過ぎて、逆に違和感を感ずには居られないのだ。
「まぁ、行きはよいよい。だ。今は多少は安全じゃないかな」
『嗚呼、そうだ、みやこさん。君は……何者なのかな?
なんでだろうね、なんだか僕は君が…苦手に感じるんだ。なんでだろうね、君が大事な事を知っている気がするんだ』
ロトはふと、出発前に澄原 水夜子とそう会話したことを思い出した。灰の髪に紫の瞳。それは澄原病院の院長・澄原 晴陽とよく似ていた。
その姓名と外見だけならば彼女は十分にその血縁者で在る事を物語る。だが、このタイミングで顔を現した彼女。
警戒せずには居られない。
『真性怪異を打倒するための調査員だと思って下さいな。怪しいことは十分承知ですよ。ええ、だって、ねえ。
此処でなんだって信じてしまったらそれこそ、怪異のことを信頼したようでバツも悪いでしょう』
彼女の余裕の滲んだ反応はどうにも居心地が悪かった。
――行きはよいよい 帰りはこわい こわいながらも 通りゃんせ
唄が聞こえる気がする。その唄は『お嬢さん』が謳っているか、それとも、その許になった『木偶』と呼ばれた少女のモノか。
「電話ボックス。前の時は死人が出てきたけっな」
鳴り響く電話の中で、ふと、倒れている誰かがいることに気付く。それはセリアだ。
「……あれは」とボディが指させばカイトは「出たってことか」と小さく呟いた。
三猿に気をつけるならば進んでそれを手にすることは危険であると言える。だが、ニコラスは電話に出た。
しかし、此処は『現世』である。つまり、今までとは違う。くすくす、と笑う声だけが聞こえた。さあ、と自分の意志とは違う部分で気分が悪い。
だが、単独行動をしていたセリアと大きく違ったのは彼が『複数人』で歩いていたという事だ。
「鈴が……」
ひよのが用意した鈴が割れているとカイトがニコラスの手元を指さした。それが『繋ぎ止めるモノ』であったのだろうか。
「鈴が有効であると信じて見ても、こうですか――ああ、複数人で行動して、良かった」
ボディの呟きに、カイトは「これ以上危ないことはしないでくれ……」と肩を竦めた。
グリムの録画され続けるaPhoneの中に奇妙なものが映っていることを彼等はまだ知らないまま――
成否
成功
第1章 第14節
――今後同じような事が起こるかもしれない。
また名前を忘れるかもしれない。大事な大事な、私の全てを。
茄子子は穴を掘ったことがある。茄子子は聞いたことがある。
それでも、茄子子は赦すことが出来なかった。
「許せないでしょ。真性怪異だか何だか知らないけど、私の邪魔だけは許さない。
呼ばれて答えなきゃいいんでしょ。……ならこっちからいってやる」
鈴を手にして、茄子子は空へ向かって堂々と言い放った。話し相手はいるであろうと考えられる真性怪異、だ。
「ねぇ、こっちから来てやったよ。あの時聞いたよね、あなたってだぁれって」
名を問うならば、応えてやろう。
それは、茄子子という少女が導き出した答えだ。名を奪われた後に考えた結果でもある。
「ナチュカ。私はナチュカ・ラルクローク。これで、私の名前を知ってるのはこの世で貴方と私だけだよ」
――私が忘れても、貴方が覚えておいてよ。貴方が覚えていることを覚えておくからさ。
其れに応えが正式返ることはない。唇を震わせてから、茄子子は『独り言』だったというように別方向へ向けて歩き出した。
「……よし!ㅤ好き勝手言ったから石拾って帰ろ!ㅤばーかばーか!」
成否
成功
第1章 第15節
――時は遡る。
「肝試しか。へぇー、いいじゃん楽しそう。俺はもう大人だしこういうのは平気……だけど一緒にきてくれないかなー!? 綾敷さん!
肝試しって1人でするもんじゃないじゃん?黙ってるだけだとつまらないし。ワンチャン賑やかにしてたら幽霊もビビって出てこないかもしれないし!」
と、出発前のなじみに声を掛けた。花丸や定に誘われたなじみは「眞田くんも行くかい?」とにんまりと笑う。
「綾敷さんは怖いの平気? 大体こういうのは何か起こる前触れってのがあったりするじゃん。これがゲームだったら俺はそれに敢えて触るんだけど、今日は触らない。ビビってる訳じゃなくてね?」
「あーわかる! そうだよね、空が赤く染まったりするのさ!」
「うんうん、あるある。けど、相変わらずの天気だし、そんな恐ろしい事は無い。だから、」
一緒に行こうと彼は肝試しに参戦し、『ストーカー被害』に合う馴染みと共に楽しく山を登ることになるのだ。
――――RRRRRRR.
「電話ボックス……『似て異なる異界』は更に別の異界とのパスで、両方が混じってるケースもある、
この電話はどこへ繋がっているんだろうな……恐らく触れない方が良いのだろうが」
アーマデルはそう呟いた。異界そのものを飲食すると戻れなくなる。モノは同じだが、モノは現世にある。異界の存在にふと触れるだけだ。
繋がる事は縁を結ぶ事。契約にも似ているのだ。アーマデルは気をつけて進もうと心がけた。
「文化が違っても黄泉下りにはよく語られる似たエピソードがある。即ち、振り向いてはいけない。
呼ぶ声に応える、存在を認識して振り返る……繋ぎ、約する行為だから」
りん、と鈴を鳴らしたアムルは前を行くアーマデルの背中に気付いた。
ベルトに付けたお守りは鞄やポケットでは無くしてしまうからと無くさぬようにと徹底された。
振り向きは、しない。それが実際に触れる瞬間までは。懐中電灯を向けぬように、と心がけようとも何かがちらつけば見てしまう可能性はある。人間は咄嗟の衝動にまで制御はd系内からだ。
(全ては手にできないから、まずはと速さを望んだから。
なにごとかあった時は、それを覚えて逃げることが……役割なのだと、思う)
故に、アムルは緊張しながら歩いた。誰かが何かがあれば――ふと、アーマデルとアムルが立ち止まったのは鳴り響く電話ボックスであった。
もう、誰も居ないその場所は異様に静かで、二人共は何も見なかったとでもいうように歩き進んだ。
成否
成功
GMコメント
夏あかねです。当ラリーは2章程度予定です。
希譚シリーズの詳細は特設ページも合わせてごらんくださいませ。
●成功条件
肝試しの成功
●情報精度
このシナリオの情報精度はEです。
無いよりはマシな情報です。グッドラック。
●石神地区/来名戸村
調査は『<希譚>去夢鉄道石神駅』『<希譚>石神地区来名戸村』にて行われました。詳細は希譚特設も合わせてごらんください。
石神地区は特異な信仰で成り立っている希望ヶ浜と練達のハザマの地域。石神は周囲に山が存在する田舎の村です。
『石神山上ダム』の底には来名戸村が沈んでいるようです。
この村は希望ヶ浜の中でも特に田舎や土着信仰にスポットを当て作られたものであり、特に今はダムに沈んでしまった来名戸村では外界を隔てるこの山を岐の神とし神域であると定義し、歪な信仰で成り立たせているみたいです。
●今回のフィールド
石神地区の石神山上ダムへと『肝試し』です。石神山上ダムはかつてはその位置に『来名戸村』が存在しました。
石神駅から山を登って山上ダム付近に存在する『石』を拾ってくることが求められます。
どうした事か近づけばそれが『拾ってくるべき石』である事が分かります……。
1章:行き 2章:帰り を予定していますが行きはよいよい、帰りは怖いです。
詳細については各章の冒頭に投稿される『情報』をお読みください。
●『石』
石神山上ダム付近に存在する石です。それが何の意味が在るかは分かりませんが石神駅まで運んでほしいと水夜子が求めています。
●『音呂木神社』の鈴、もしくはお守り
ひよのが1グループまたは『一人ずつ』に持たせているお守りです。それを持って居れば『真性怪異』による危険は防げるのだそうです。
●音呂木ひよの
希望ヶ浜学園の『先輩』こと、夜妖のプロフェッショナル。音呂木神社の巫女さんです。
何らかの作用があるのか来名戸神(真性怪異)には嫌われており、来名戸村には踏み入ることが出来ません。
●綾敷なじみ
無ヶ丘高校1年生。オカルト研究部の女子高生。『夜妖憑き』の少女です。トラブルメーカー。
付いていきます。何となく戦えます。けれどあんまり役に立たないので賑やかしです。
●澄原水夜子
お名前は「みやこ」と読みます。澄原病院所属、阿僧祇霊園へと『出向』しています。
今回の一件を担当すべく、石神地区にやって来たそうです。とても落ち着いた雰囲気の女の子、という印象を受けます。
何となく付いて来て欲しいとお願いすれば来てくれます。戦えるかどうかは不明ですが……。
●参加時の注意
・グループで参加する場合は【グループタグ】を冒頭にお願いします。ペア参加時もID指定をお願いします。
また、グループタグで逸れるのを募集するために人数を記載してくださるとありがたいです。
例:【音呂木さんと】3人
・当シリーズは<希譚>と名のついた再現性東京系怪談シリーズです。全ての情報をご存じなくとも宜しければ肝試し気分でご参加ください。
・[注:繙読後、突然に誰かに呼ばれたとしても決して応えないでください。]
・[注:繙読後、何かの気配を感じたとしても決して振り向かないで下さい。]
それでは、いってらっしゃいませ。
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