シナリオ詳細
サン・サヴァランは燃えていたか
完了
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オープニング
●欺瞞の塔と欺翼の獣
独立都市アドラステイア。天義東部の海沿いにあるというこの都市は、天義本国から離脱し新たな神ファルマコンを信仰する団体で構成されていた。
住民として集められた戦災孤児たちは武器を取り、自由な未来のために生きている……という。
「そんな嘘に、みんな……ずっと騙されています」
天義の一角。美しい彫像の飾られた酒場にて、ラヴィネイル・アルビーアルビーは沈んだような面持ちで語った。
アドラステイア下層域では子供たちが毎日のように魔女裁判を行っては同胞を崖へと落としていく。彼らはそれを繰り返すたびに信仰を認められ、よりよい暮らしと豊かな未来が授けられるというが、その実得られるのは配給品のグレードをあげられるコインやより深い洗脳を与える鎧である。
天義の騎士たちはそれを一刻も早くやめさせようと考えてはいるが、魔種であったアストリア枢機卿や冠位魔種ベアトリーチェのもたらした破壊の疵痕は深く、自国の傷ついた民を復興させることに力を費やされていた。
そんな昨今、アドラステイア外周部で新たな問題が浮上しつつあった。
「それが、『聖獣』による被害です」
『聖獣』とは、アドラステイア内で運用されるモンスターである。
形状や能力は様々で、白い翼のはえた銀獅子や顔や足のない天使、八つの翼をもつ巨大なカマキリや翼に囲まれた白い球体など……。
主にアドラステイア聖銃士たちに兵器のひとつとして与えられ、下層域の警備や侵入者の排除などに用いられると言われているが、それ以外にも『ある目的』で運用されていた。
それが、アドラステイア外周地へ無作為かつ大量に解き放ち、周辺地域の人々をより遠くへ移住させるというものである。
「聖獣による危険域は日に日に広がっています。
これを退治しなければ、周辺の村々もやがてはアドラステイアの市民に易々と占拠されてしまうでしょう」
そこで、だ。
ラヴィネイルは天義教会から発行された依頼書をテーブルに置いて突き出した。
「できるだけ、聖獣を退治してください。これが依頼内容です」
- サン・サヴァランは燃えていたか完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別ラリー
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2020年09月28日 01時37分
- 章数1章
- 総採用数34人
- 参加費50RC
第1章
第1章 第1節
「なんという事だ……かつて払ったはずの脅威が、こんな形で……」
金の馬具を備えた白馬にまたがり、そびえ立つ壁と時計塔の街アドラステイアを見やる『白獅子剛剣』リゲル=アークライト(p3p000442)。
戦争とはどれだけ愚かなものなのか。そして敵を屠るだけで平和は訪れぬものだというのか。
これが『戦後』だとでもいうのか。
報告書に並ぶ戦災孤児たちの行く末に、リゲルは強く歯がみした。
「今俺がやれることは、やはり……聖獣をより多く駆除することだ!」
馬を走らせ平野の風となる。
秋を前に枯れ始めた雑草を踏みつけ、白馬は顔の無い天使群へと突入した。
翼を広げ突撃を仕掛けてくる天使群。
リゲルは馬から落ちるが、華麗にみを転じて着地。
「子供達が戦わされるだなんて以ての外だ。魔女裁判の日々も、騙されて暮らす日々も……どれだけ体と心が傷つけられているか!」
ターンして追撃をはかる天使群へ、振り向くと同時に剣を抜いた。
白銀の光が一閃の斬撃となって、天使群を一太刀のもとに切り落としていく。
「さあ、かかってこい!」
成否
成功
第1章 第2節
「ハッ。何が聖獣だあ? くだらねえ」
シケた煙草をくわえ、しつこく火をつけようとする『山賊』グドルフ・ボイデル(p3p000694)。
苔むした民家の壁に背をつけ、マッチまで湿気っていたことにいらだったように放り捨てた。
ゆっくりと壁の端から顔を出し、表の道をのぞき込む。
八枚の翼をぼさぼさにした痩せた犬が、道ばたに倒れた名も知らぬ誰かの死体を一心不乱にかじっていた。
「こんなバケモンどもを有難がるなんざ、どうかしてやがるぜ」
煙草を道ばたに吹き捨てる。
そのわずかな音で反応した犬は真っ白に濁った目で振り返った。
振り返った時には既に走り、走ったと思ったときには既に噛みついていた。
グドルフ――が革でぐるぐる巻きにした腕を。
「オウ、てめえら、おれさまの小遣いになれるんだ。感謝しやがれよ!」
グドルフは犬の頭に無理矢理かじりつくと、顔面をしたたかに殴りつけた。
何度も、何度も、それが使命であるかのように、何度も。
成否
成功
第1章 第3節
異形の痩犬を山賊が殴り続けているその後ろから、真っ白な影が泡のようにわきあがった。
民家の影……ではない。日の当たる場所よりぽこぽことわく白い何か。それは人の頭と六本の腕と大きな片翼だけを形勢して、笑うように山賊の首に手を――。
「日のある内からひめごとだなんて」
突如。
空間ごと揺れるような、心と脳に直接しみこむような囁きがした。
ぐわんと影がゆがみ、すぐそばまで迫っていた別の痩犬が影へと食らいついていく。
「いけないコ」
無人の民家でひとり酒瓶をかたむけていた『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)は、窓から垂れるように首をかしげて見せた。
長い髪が頬にかかって、あつい唇が歪む。
「それにしても、聖獣……ねえ……。
所詮は獣。お互いの喉元を喰らいあって、訳もわからないうちに倒れちゃいなさい!」
パチンとアーリアが指を鳴らすと、さらなる囁きと共に影も犬も残らず弾け、土に染み入る汚れとなった。
成否
成功
第1章 第4節
民家の屋根が突如として割れ、真っ白な巨人が姿を現した。
両目をぼうっと見開いて、口角だけが上がった顔。中年男性の裸体にも近いが、腰から下がタコのように枝分かれしていた。
「やれやレ、聖獣の飼い主はとっくにおっ死んだ筈だガ……新しク、他の連中に飼われ始めたのカ」
別の屋根の上で待機していた『双色クリムゾン』赤羽・大地(p3p004151)は白紙の本を開き、羽ペンでさらさらと文字を書き付けていく。
赤黒い文字は力をもって浮きあがり、『首狩り兎』の物語さながらに巨人の首へと襲いかかっていった。
「思う所は色々あるが、今は御託よりも行動する事が肝要だろう。
俺達の力が必要ならば、それを振るってみせよう」
周囲の幽霊たちがざわめいている。
助けを求め、今すぐ解放してほしいと泣いている。
こちらの呼びかけや要求に応える暇が無いほどに、村は滅茶苦茶にされたのだ。
「……」
目を細め、更に文字を書き付けた。
彼らの声を代弁するかのように。せめてもの救いになるように。いや、慰めになるようにか。
文字は色鮮やかなアネモネの幻覚となって、巨人を瞬く間に包み込んでいった。
成否
成功
第1章 第5節
平地にぽつんと転がる馬車。
横転し、周囲には真新しい血のあとが散っている。
激しく胴体をえぐられた馬の死体が転がるのみで、人間の死体はどこにもなかった。
他にあるものといえば……。
「聖獣ってアストリアが使ってたアレだよね? で、アドラステイアってそのアストリアに批判的だったよね?」
腕組みをする『イフリート・マッシャー』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)。
と。
「分からないなぁ。イッタイ何が起こってるの? わかる?」
彼の足下に横たわって息絶えた、翼をもった銀色の獅子。
彼の様子はすぐに周囲に伝わったようで、数体の銀獅子が現れ飛べもしない翼をばさばさと動かして威嚇しはじめた。
「と、ギモンはこいつら全部駆逐してから考えればイイかな!」
一斉に飛びかかってくる獅子に対し、強烈な『雷吼拳』を解き放つ。
説明することなど多くは無い。
ただ飛びかかった獅子を、殴っただけのこと。
極めて素早く、極めて強く、極めて正確に、『殴る』という行為だけで破壊しただけのこと。
拳に接触した獅子の肉体は、その動作からは想像もつかないほどのインパクトでひしゃげ、そして内側から爆発した。
残る数体の獅子がその様子に驚いたように飛び退き、バチバチと雷を起こし始める。
その時――後方から馬の蹄の音が聞こえた。
成否
成功
第1章 第6節
走る蹄は二体分。
漆黒の馬ラムレイと鹿毛のムーンリットナイト。
ぴょんと飛び退く味方の両サイドを守るかのようにすり抜けると、騎乗した二人は全く同時に槍を突き出した。
雷を纏って飛びかからんとした獅子を貫き、はらい、放り投げる二人の槍。
『騎兵隊一番槍』レイリ―=シュタイン(p3p007270)の白く美しいランスと、『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)の備えた戦旗である。
「やれやれ、島国でバカンスと洒落込んでいたら内地で仕事だなんてねぇ?」
「ほんとね、でも、助けを求められたらしょうがないわよ」
「ただ――あの血濡れの海と稲穂と比べれば、ここの乾いた風の心地いいことよ」
「そうね、司書殿。それではよろしくね」
イーリンは馬上から式神の術を行使すると平地へ放ち、レイリーは先頭に飛び出す形で集まる聖獣たちの気を引いた。
「私の名はレイリー=シュタイン。さぁ、私を倒せるかしら」
集まってきたのは白翼を備えた白馬たち。しかし馬の首はそのまま女性の上半身とすげかわっており、女性は両手を組んで存在しない聖歌をうたいつづけていた。
音楽がいびつな槍を顕現させ、レイリーめがけて集中する。
レイリーは片腕に格納していた大盾を展開。
ドラゴンを摸した槍と盾をそれぞれ装備すると、降り注ぐ槍を盾による突進で弾き飛ばした。
その隙にイーリンは……。
「作ったばかりの、試し打ちよ」
槍にわざと雷波の魔術を流し込み、飛び込みながら振り払う。
名付けて『波濤魔術(偽)・雷返し』。
聖獣たちへと打ち込まれた雷はレイリーだけをよけて正確に浸透、そして溶かすほどの威力で破壊した。
「情報をまとめて戻るわよ。本格的な狩りはこれからだわ」
「OK!」
二人はそれ以上の突入はせず、すぐに馬をかえして撤収した。
成否
成功
第1章 第7節
丸太並に大きな赤黒い十字架を引きずり、森の中を歩く大きな影。
背を丸めた熊のように二足歩行し、左右の大きさがバラバラな白翼を備えた怪物である。目も鼻もないが、口だけがいびつにおおきく口の周りには誰かの血液らしきものがこびりついていた。
そんな怪物――いや聖獣が、誰かの気配に気づいてハッと振り返る。
だがその時既に放たれていた矢が東部に直撃。
更に数本の矢が刺さって聖獣はその場に崩れ落ちた。
「うわぁ、これが聖獣って……マジかあ……」
木の枝からぴょんと飛び降り、殺したことを確認する『深緑の弓使い』ミヅハ・ソレイユ(p3p008648)。
「なんか……こう、ゲームとかで見たようなモンスターだな。
アドラステイアのことはほとんど知らないけど、なんとなく内情がわかった気がするな……」
ふと、わずかな足音を聞きつけて振り返るミヅハ。
既に弓を構えていたが、ゆれるカボチャランタンの光に気づいて弓を下ろした。
「俺だ。撃つな」
『二人一役』Tricky・Stars(p3p004734)が手を上げて現れる。
Tricky Stars(稔サイド)は矢だらけになって倒れた聖獣に近づき、そのおぞましい外観を確認した。
「そいつが聖獣か。殺したのか?」
「いまさっきな」
「知性も理性も持ち合わせていないように見えるコレが聖獣とはな。フッ、片腹痛いわ」『ブーメラン乙』
虚サイドにツッコミをうけながらも、前髪をかき上げてため息をつく。
「この場所に派遣されたのは今のところ、俺たち二人だけのようだ。索敵を頼めるか」
「オッケー。じゃあアンタ囮な!」
「あ、ああ……」
木の上に再びのぼるミヅハを見て、それが妥当かと咳払いする稔。
『囮乙』
「言っておくがこの場合お前もだぞ」
Tricky Starsは両手にそれぞれ異なる色の光を灯すと、それを合成して魔術を形勢し始めた。
薄暗い森の闇を切り裂くように集まってくる成獣たち。先ほどのものと同タイプだ。
「三時方向!」
「予想していたよりは多いな――だが死ね」
ブルーとオレンジの魔術が混じり合い、大量の鳥となって聖獣へと襲いかかる。
足を止めた聖獣めがけ、ミヅハは弓をひいた。
「普段は人間を獲物にしてるんだろうが、ここではお前達が獲物さ」
成否
成功
第1章 第8節
浮遊する巨大球体から生えた女性の上半身。構えた矢を空に打ち上げたなら、矢は大量に分離して雨のごとく降り注いだ。
「うお! いきなりマジかこれ!」
『キトゥン・ブルー』望月 凛太郎(p3p009109)はハッとして空を見上げると訳も分からず拳を握りしめた。
「おやおや、多彩な攻撃だねえ。もっち君」
『ロリ愛づる姫』朔・ニーティア(p3p008867)はといえば余裕そうに腕組みをするばかり。
「あっ、うそうそ、ちょ、やってやんよ聖獣ー!!!」
凛太郎は降る矢とニーティアを交互に見てから、意を決してニーティアを押し倒した。
被さるように背を空に向ける凛太郎。
すると彼を包み込むように暖かい光の膜が展開。矢が直撃コースをさけ地に刺さっていく。
「あだだだ!! ちくしょーーー!!! 意地でも指1本触れさせないからな!!」
「いい心がけだもっち君。今度お姉さんがデートしてあげよう。けどその前にどいてもらえるかな?」
「おわっと!」
慌ててニーティアの上から飛び退く凛太郎。
凛太郎は服についた土を払うと、指さきで円と陰陽のラインを描きだした。
淡い光が力あるゲートとなり、獣が牙を剥くかのように聖獣をターゲットした。
「未来ある少年に矢を射るのはよろしくないね。さあさ、執念の足止めを喰らいな!」
飛び出した炎の蛇の群れが聖獣へと絡みつき、激しい炎をあげはじめる。
そんな彼女たちの左右を抜けるように走る『元々は普通の女の子』氷室 沙月(p3p006113)と『月下美人』雪村 沙月(p3p007273)。
「聖獣とは聞こえがいいですが、無秩序な破壊を正当化するためにそう呼んでるだけみたいですね。父上様そっくりで反吐が出ますね。ズタズタに切り刻んでやるわ」
「協力します。まずは何を?」
チラリと横目で見てくる沙月に応えるように、沙月は指輪をトンと薬指でタップした。
黒い光が広がり、一瞬で弓の形をなす。
手のひらに発生させた魔方陣を用いて石の矢を高速で削り出すと、氷室は弓につがえて連続発射した。
「なるほど。理解しました」
聖獣の球体部分に突き刺さる矢。
反撃しようと矢を構える聖獣だが、発射直後に雪村は射線上に割り込むように躍り出てくるりと回転。踊るような動きだが、彼女の手には放たれたはずの矢が箸を持つように二本握られていた。
そのまま身を転じ、聖獣めがけて高速接近。
氷室は指輪をタップしなおすと今度は黒い刀に変形させて聖獣へと接近した。
「お父上を思い出すわね……誰がこんな事しているか知らないけどいずれ八つ裂きに切り刻みたい所ね」
「血の気の多い話ですね」
聖獣は同時に迫る二人のどちらを撃つか迷ったすえ、その結論が出ぬ内に脇腹と球体をそれぞれ刀と手刀によって切断された。
吹き出る鮮血。崩れ落ちる聖獣。
地の一滴も浴びることなく距離を取った雪村は、髪を払って姿勢を正した。
「申し遅れました。雪村沙月と申します」
「おっと。偶然ですね。私も沙月っていいます。氷室沙月」
ヨロシク、と握手を交わし、二人は新たな目標に向けて走り出した。
成否
成功
第1章 第9節
独立都市アドラステイア。天義東の沿岸部にその街はある。
ある漁村を買い取ったことから始まり周辺地域を次々に武力制圧し拡大していったという経緯があるとおり、彼らに『隣人を愛する』などという観念はないようだ。
その証明といわんばかりに、アドラステイアのそばにある漁村は完全に廃墟群と化していた。
まともに手入れもされていないボート小屋にて手入れにて武装を整える三人のイレギュラーズ。『新たな可能性』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)と彼の連れてきた二人の仲間たちである。
ブレードウィップをじゃらりと地に垂らし、小窓から外の様子をうかがうアーマデル。
ジグザグの翼が生えたマグロのような生物が節足動物のような長い脚でざくざくと歩いている。まるきり神聖さを感じないが、いわくアドラステイアの聖獣であるらしい。
「この場所もそうだが、そこらじゅう無念の亡霊だらけだ。命乞いと恨み言ばかり聞こえるぞ」
「まあ、あんな化物をしつこくばらまかれたらね。近所迷惑ってレベルじゃないよ」
かざした手の周りに灰色の燐光をぱらぱらと散らし、『混ざり切らない灰色』カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)は手をグーパーさせた。
「あれって制御されてないの? 首輪とかタグとかもついてない?」
「そういうのはなさそうだな」
対抗するためにと多少の観察を行っていたが、聖獣はひとくくりに全部同じ生物というわけでもなさそうだった。
亡霊の集合体であることも魔術的に合成されたモンスターであることも、品種改良された動物であることもあった。今小窓から見えている個体は人間や海鳥を食べるなどしているが、いくらかかじったら飽きたかのように放置してしまう。そのせいであたりは死体の腐敗臭だらけになっていた。亡霊だらけになるわけだ。
「捕食が必要っていうより、わざわざ食ってみせることで恐怖させてるってイメージだな」
「悪趣味の極みのような生物ですね……」
太古の蛇神に由来するという力を、腕に浮きあがった光の紋章から引き出す『期待の新人』セレステ・グラス・オルテンシア(p3p009008)。
「あ、ウチはまわりに迷惑かけてないので。カルトじゃないので」
「まだなにも言ってない」
同じく(?)蛇神の力を纏うアーマデルが、ピッと指を立てた。
『出るぞ』の合図である。
三人は息を止め、蹴破るように扉を抜けて走り出した。
こちらに気づいて飛び上がるマグロ型の聖獣。
アーマデルはブレードウィップを繰り出すことで敵の突撃を牽制、それでも伸びてきた無数の手(?)がアーマデルの肉体に突き刺さり血を啜りあげはじめた。
「悪趣味が過ぎる……!」
「もう少し耐えて」
灰色の光を流し込むことで無理矢理造血を試みるカティア。
こうして生まれた拮抗状態に割り込む形で、セレステは邪蛇の力を放出。小さな蛇霊の眷属たちが飛びかかり、聖獣の肉体を食いちぎっていった。
毒の味がついた肉が美味なのか、猛烈に食い破っていく蛇たち。
セレステはにっこりと可愛い顔で笑い、唇に指をたてた。
「いかがですか? よく食べるでしょう」
成否
成功
第1章 第10節
農場らしい。らしいと述べたのは、バッファローと乳牛が広い柵の内を歩いているだけで他に何もないからだ。
いや、あるにはある。
黒い煙をあげる瓦礫の山と、その上であぐらをかく黒毛の巨人である。
肩からは巨大な翼が一枚だけ生えているが、巨人は白く茫洋とした目を虚空にむけ、ときおり通りがかる牛を鷲掴みにしてはむしゃむしゃとかじるだけだった。
「はいどーも。ハレルヤエンジンを探しに来た僕、三國です。絶対こんな場所にあるわけない。牛と瓦礫とバケモンしかいないもん」
『砲使い』三國・誠司(p3p008563)がひどくげっそりした顔で巨人を見上げている。
見上げるというか、大きな段ボール箱を被って穴から様子を見ている状態だった。
「誰に話しかけてるの?」
同じ段ボールの中で体育座りしていた『うそつき』リュコス・L08・ウェルロフ(p3p008529)が顔をあげた。
「誰だろう。僕にも分からない。たぶん世界規模のお使いイベントの視聴者とかじゃない?」
「Urrr?」
喉を小さく鳴らして首をかしげるリュコス。
「それで、ここは、どういうところ?」
「あーうん。話半分にしか聞いてなかったんだけど、たしかアドラステイアって都市の南部かな。地図には牧場って書いてあるけど、巨人専用のバイキングレストランじゃないよね?」
「わかんない。けど……わかる。無理矢理、住んでたひとを追い出したんだよね」
こんなのはおかしい。
リュコスがそう述べようとしているのは、誠司にもわかった。
彼ないし彼女は『誰かの勝手』で生まれた狼少年だ。
誠司の倫理観からしても、リュコスをリュコスたらしめた勝手は許せないことだったが、だからといって自分がその場にいてなにかできたとは思えなかった。
『誰かの勝手』は時として、誰にも手がつけられないことがある。
けど、だからって。
「流石にもう、ご退去願おうか!」
巨人の注意が大きくそれた瞬間、誠司は飛び出した。
振り返る巨人の側面を走りながら肩に担いだキャノン砲を連射。
何本も描かれた煙の放物線が巨人の顔面で爆ぜ、反撃を行おうと身を乗り出したその瞬間にリュコスは動き出していた。
「三國くん、ひきつけありがとー!」
いつの間にか背後に回り、巨人の背を駆け上がり首の後ろへとしがみついていたリュコス。
「君たちばかりが……ひとりじめしていい場所じゃないんだ!」
振り上げた手に魔法の爪が生まれ、鋭い連続攻撃によって巨人の首の後ろ部分が強引にえぐりとられた。
目から光を失い、巨人が派手に倒れ伏す。
「もう、これ以上……こわさせないから」
成否
成功
第1章 第11節
「「せー……のっ!」」
大きなテーブルをひっくり返し、足跡の壁にして身をかがめる。
砕けた窓から次々と打ち込まれる炎の矢がテーブル表面に突き刺さっては火を上げた。
『優心の恩寵』ポテト=アークライト(p3p000294)と『地上の流れ星』小金井・正純(p3p008000)がちらりと隙間から覗いてみると腕が六本ほど備わった下半身のない人型実態がこちにむけて腕と一体化した弓を放ち続けていた。
身体は白く翼をもつが首から上はない。本当に弓を放つたけだけに生まれたようなモンスターだった。
「あれが聖獣……アドラステイアを守る獣か。
アドラステイアにとっては自分たちを守り、邪魔な存在を消してくれる聖獣かもしれないが、こちらから見たら害獣だな。
天義の平和を取り戻すためにも、ここで出来る限り聖獣の数を減らそう!」
「そう、ですね。以前のかの国での騒乱、私は関わることは出来ませんでしたが、このようなモノを聖獣と有難がるとは」
ポテトはもてる限りの支援能力を駆使し、そのうちの一つである『駆狼幻魔』を正純へ施した。
「気に入らない、信仰はあくまで己の内に従い、信じ仰ぐもの。
誰かに強制されたり、誰かの言いなりになって益を得るものではないというのに。
少しばかり、憤りをぶつけさせていただきます!」
「ん、その意気だ」
『鬨の声』コラバポス 夏子(p3p000808)は両手に花とばかりに間にスッと入り込むと、タイミングを見計らってテーブルの向こう側へと飛び出した。
(半端だったから尚更だけど、関わった以上無視も気持ち悪い。
アルアルビーもターギェちゃんも、他沢山の良い女性原石達が今この瞬間にも……)
「っと、それはそれ。いつも通りにお仕事しますか」
バチバチと火花をあげた槍を回転させると、飛来する無数の矢を防御。
そうして夏子が壁になっている間に正純が立ち上がり、弓を構えた。
「空に眩き美神の星。その一撃は魔性を纏い、邪魔するものを貪り喰らう。
この祈り、明けの明星、まつろわぬ神に奉る――!」
手の中に生まれた流星の矢が弓にかかり、発射されると同時に無数の矢へと分裂。天使へと突き刺さっていく。
夏子はすかさず窓を越えて飛び出し距離を詰め、天使の胴体に槍を突き立てた。
「折角建物もいっぱいあるんだ。地の利使って深追いせず、のんびりやろ」
「ああ、この地に住んでいた人達のためにも、必ずこの地を取り戻そう!!」
ポテトは仲間の傷を癒やすと、さらなる戦いに向けて動き出した。
成否
成功
第1章 第12節
村の教会……だった場所だ。
庭を翼のはえたムカデのような生物が徘徊し、ときおり翼を動かし少しだけ浮きあがっては自重で落下してを繰り返していた。
「あれが聖獣……ねえ」
茂みに身を隠して様子を伺っていた『Comment te dire adieu』エンジェル・ドゥ(p3p009020)は小声でため息をついた。
「あの翼、もいでしまいたいわ。それでAngel Doe(身元不明の天使)って呼んであげる」
「いいですね。じゃあねこはおとなしく教会と聖獣に火を放つのです」
チャッとライターと油たっぷりのたいまつを取り出す『生まれたてのマヴ=マギア』クーア・ミューゼル(p3p003529)。
「なんでまた、そんなものを」
「天義が従前より掲げていた『正義』は嫌いではなかったのです。
極端なところはあれど元々ひとの善意から発したものですから。
だから、その混迷につけこむアドラステイアのやからは許しがたいのです」
「それは、同感だ。だから俺は、あれを滅ぼしたい」
『破滅を滅ぼす者』R.R.(p3p000021)はアドラステイアへ潜入した際にみた風景を思い出していた。
「俺はアドラステイア下層域にすまう子供達の生活を見た。
穏やかで、しかしおぞましい――そんな印象だ」
あれを俺はどうしたいのだろう。自問自答に答えは生まれず、ただ目の前の悪意ある生物を滅ぼすべきという本能だけがいつまでも湧き上がっていた。
「この村を滅ぼした存在。俺は、それを滅ぼす」
「確かに酷い話ですよね。せっかく栄えた村なのに、こんなボロボロにしてしまうなんて! あの聖獣、お肉とかあげたらおとなしくなりますかね?」
『ハードラックとダンスなう』フィナ=フォルトゥナ(p3p008257)がどこから持ってきたのかマンガ肉をスッと掲げた。
手の中で魔法を作り出しながらかえすエンジェル。
「どうかしら。周辺の村を廃村化するために放ってるものだとしたら、餌付けに効果はなさそうよね」
「むしろ人とか好んで食べそうな見た目してますよ」
「ともあれ、まずは戦って倒すほかないか」
R.R.は茂みからゆっくりと静かにマスケット銃を突き出した。
「こげねこ、先に行け」
「お言葉に甘え――」
て、という言葉を発するよりも早くクーアはたいまつに着火。聖獣めがけてぽんぽんと火を放った。
たちまち燃え上がる巨大なムカデ型聖獣。
こちらに気づいて振り返るが、R.R.がすかさず銃撃。
分裂拡散した魔法の弾丸が浴びせかけられ、聖獣は教会の壁に激突。
「あ」
フィナがちらりと上を見ると、教会のてっぺんに飾られていた巨大な十字架が転落。ムカデのボディへとあろうことか突き刺さった。
「ンン、初めまして! 貴方が天使ならワタシは貴方を狙う悪魔よ。
ワタシから言わせれば、貴方が悪魔ワタシが天使!」
エンジェルは作り出した花の魔法で聖獣を包み込み、どろどろと溶解させていく。
聖獣の身体はあとかたも残らなかったが、かわりに死体があった場所には白い花がいっぱいに咲き乱れていた。
「これは、ワタシからの祝福だと受け取って頂戴」
ひらひらと手を振って、エンジェルは『次へ行くわよ』と歩き出した。
成否
成功
第1章 第13節
風そよぐ草原のさなか。
背の高い黒スーツの男が木製の椅子に腰掛けていた。
『異界の怪異』緒形(p3p008043)である。
「ふぅ、む……」
小さく唸り、足を組む。
膝の上で組んでいた手をといて、ヘルメットの側面を指でトントンと叩いた。
「話は聞いたが、想像よりもずっとおかしな生物のようさな。こんな怪物、『学校』の図書室で呼んだことがあるぞう」
彼からずっとずっと視点を引いてみれば、何匹もの人型実態が空中を浮遊しているのがわかるだろう。
そのすべてが人のシルエットに鳥の羽を付け足したような姿をし、顔はのっぺりとした平面となり後頭部まで続く穴が一個だけあいていた。
「これが『聖獣』、か」
穴に自分の手を突っ込み、不明な方法で白い槍を取り出す聖獣たち。
緒形はよかろうと言って立ち上がり――その左右を猛烈な勢いで『diavolo』02(p3p006730)と『パウダー・アクアの拳』黎 冰星(p3p008546)が駆け抜けていった。
「人を襲う獣が『聖獣』だなんて、いいじゃない。皮肉で悪趣味で悪魔的だわ。
けど同時に残念ね。獣を飼いならすのは人の役目、魔獣を討伐するのは神の役目。
聖獣を殺すのは必然、『悪魔』の役目になってしまうもの」
02は自らを追尾して浮遊する二本の大型木片実態に手をかざしし、空中を撫でるように両腕を振って回転した。
襲いかかる聖獣たちを悪魔的な刃が次々と真っ二つに切り裂いていく。
とても切断の能力があるように見えない武器だが、ふれたそばから溶けるかのようにえぐれ破壊されていった。
跳躍し、指を聖獣の一体へと突き出す。すると伴うように飛んだ木剣が聖獣へ深々と突き刺さっていく。
更に02から浮きあがった大量の光と闇の不明な人型実態が群がり、聖獣の腕や羽を無理矢理に引きちぎっていく。
「悪いわね、やりたい放題やらせてもらうわ」
背後に回り込んで槍をかざした聖獣へ――今度は冰星の跳躍回し蹴りが炸裂。
「なんですこれ顔の無い天使! アドラステイアの世情はあまり存じ上げませんが、なんであれ聖獣が跋扈して市民を苦しめる理由にはならないですね。苦しんでる市民の顔を見れば分かること!」
キックの反動で飛び退き、地面に手を突いてバク転をかける冰星。
「私は人の助けになる為に、正しいことを為す為に邁進すると決めたのです。
まだまだ私はヒヨッコですが一歩も退く気はありません!」
ビュンと空気を鳴らして構えると、空中で体勢をたてなおした聖獣めがけてまっすぐ突撃。掌底によって思い切り吹き飛ばした。
「顔のない天使め! とんでけ!」
バウンドしながら飛んでいく聖獣。
そんな冰星と02の頭上。
それぞれこっそりと移動していた聖獣が槍を頭めがけて突き立てようと振り下ろ――。
「忘れて貰ってはこまるなあ」
――す、まえに。いつのまにかそこに立っていた緒形が聖獣たちそれぞれの顔面を鷲掴みにして強引に地面へたたき落とした。
押さえつけ、零距離から赤黒い煙のようなものを両手から噴出。じたばたと暴れる聖獣を更に強く押さえつけて地面にめり込ませた。
成否
成功
第1章 第14節
おぞましいほど大量の翼をつけた球体が空を複雑怪奇に飛んでいる。
球体そのものをばっくりと二つに割って、中から現れたのは歯と舌。海鳥を空中で食らい、血や骨をその場に吐き捨てては新たな獲物を目指す。
このただ破壊と殺戮のためだけの怪物が、聖獣であるという。
「――――」
「アドラステイア、みんなが依頼に行ってて名前は知ってたけど、こんなモンスターまでいるんだね。
しかも名前と姿だけ神聖さでメッキしたみたいな、嫌な感じのモンスター……」
『黒翼演舞』ナハトラーベ(p3p001615)と『空歌う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)は空へと飛び上がり、聖獣へと接近を試みていた。
こちらに気づいた聖獣がぐるりと反転。
口を開き無数の白い光の剣を発射してくる。
ナハトラーベは飛来する剣を右へ左へと飛行することで回避。
“ゾイベルン”の光を放射し、聖獣へと思い切りぶつけていった。
が、そんなナハトラーベへ回避したはずの剣がターンして戻ってきた。
「あぶない!」
割り込んだアクセルがそれを防御。
ナハトラーベにさらなる攻撃を継続するよに言うと、ナハトラーベは頷いて飛行速度を引き上げた。
聖獣の周囲をジグザグに飛び回り、あらゆる方向から“ゾイベルン”の光を撃ちこんでいく。
針だらけの鞠のようになった聖獣へ、アクセルはとどめとばかりに『魔砲』を発射。
「空が自分たちだけの領域なんて思わないでね!」
空へとまっすぐに伸びた魔法の光が、聖獣を貫いて雲を分けた。
成否
成功
第1章 第15節
破壊され、墜落し、水没していく飛行聖獣たち。
それを避けるように海を蛇行し泳いでいく真っ白な海蛇があった。
無数の翼を備え七つの目をもったそれは、『その色の矛先は』グリーフ・ロス(p3p008615)めがけて大きな口でかじりついてくる。
やろうと思えばひとのみにさえできそうなほどの怪物を、グリーフは足からジェットを噴射することでギリギリで回避。
「……これが聖なる獣、ですか。海はこんなに青く、綺麗なのに」
「ギルティだよねぇ……」
援護に駆けつけた『(((´・ω・`)))シ ミゞ』矢都花 リリー(p3p006541)がバールをぐるぐると回した。
「誰に断って海の中とか入ってきてんの。
ここあたいの領地予定地だからさぁ……。
慰謝料として領地開設費の90000G……。
払えないならバールでフルボッコの刑だよぉ……。
もちろん聖獣とかいうやつ全部連帯責任でねぇ……」
ターンして迫ってきた聖獣めがけ、バールをぶん投げまくるリリー。
グリーフは自らの耐久力を底上げし、こんどは食らいついてくる聖獣の上顎に両手を、下顎に足を引っかける形で突っ張った。
「正義や悪は立場によって異なるもの。
それでも、話に聞くその国の、同じ国の人間ですら傷つける在り方は、ワタシには、歪んで見えます」
かみ砕こうと力を込める聖獣。
一方で腰から銃をぬき、口内に銃撃を連射するグリーフ。
固い鱗に包まれていたが口内の防御はできなかったようで、激しく出血して暴れ始めた。
そんな聖獣のすぐそばまで、いつの間にか迫っていたリリーが眼球めがけてバールを突っ込み、てこの原理で骨を破壊し始めた。
ばきばきという音をたて、海に赤いしみが広がっていく。
成否
成功
第1章 第16節
空に上がる花火を見て、『聖奠聖騎士』サクラ(p3p005004)と『リインカーネーション』スティア・エイル・ヴァークライト(p3p001034)は今回の掃討作戦が一定の成功をおさめたことを察した。
「とりあえず周りの村や海への浸食は押さえ込めたみたいだね、サクラちゃん」
「うん。それにしても、モンスターをけしかけるくらいなら嫌がらせで済んだかも知れないけど……それで村を支配しようだなんてりっぱな侵略だね」
サクラもスティアも、天義という国の黒い部分を少なからず知る人間達である。
アドラステイアのように天義への不信感から国を出る者だって少なくなかったろう。
「『天義が信じられない』って人や子供たちが出るのは、それも歴史の流れかもしれないよ。けど……あの光景が広がるのを座して見ているなんて出来ない!」
「そうだね、このままアドラステイアに占拠させるわけにはいかない。行こう、サクラちゃん。あとは私たちの受け持ちだけだよ」
「うん、スティアちゃん! 私達でこの地に希望を取り戻そう!」
指定された村へと剣をぬいて入っていくサクラと、舞い散る羽根のようなオーラを纏って魔法を構えるスティア。
彼女たちを待ち受けていたのは首のない白馬にまたがった白い騎士だった。
騎士もまた首がなく、かわりに右側一枚だけの大きな翼をそなえていた。
腰から剣を抜き、それを掲げる騎士。
騎士、聖獣……いや、アドラステイアが作り出した偶像的魔物である。
「この国は私達が守る! 好きにはさせない!」
サクラは雪の散るような美しい太刀筋で聖獣へと斬りかかると、すぐさまスティアへと繋いだ。
どこからともなく無数の氷のナイフが生まれ、手をかざしたスティアが振り下ろす動作に伴って聖獣へと突き刺さっていく。
落馬し、スティアへ反撃しようと襲いかかるが、剣はスティアの展開した聖域の壁によって阻まれた。
すかさず背後をとったサクラの剣が桜花の如き火花を散らして聖獣の肉体を真っ二つに切り裂いた。
崩れ落ち、灰に変わって散っていく聖獣の肉体。
それをひとつかみし、サクラはじっと目を閉じた。
今日はこれで終わったかも知れない。
けれどアドラステイアがこれからも周りの村々へモンスターをばらまき続けるなら、またこの地へ降り立ち戦う日が来るのだろう。
そして、いつか。
あのそびえ立つ時計塔のもとへたどり着き……。
「こんなこと、やめさせよう。スティアちゃん」
成否
成功
第1章 第17節
アドラステイアの時計塔が鐘を鳴らし、子供たちは祈りを込めて手を合わせる。
今日も聖獣は塀の外へとばらまかれ、狂信する子供たちに攫われる者が現れるという。
救いを求めて集まった都市は、まるで呪われたかのように、今日も明日も、悲しみを生み出しては消していく。
GMコメント
これはラリーシナリオです。詳しくはマニュアルをご参照ください。
https://rev1.reversion.jp/page/scenariorule#menu13
章構成は1章限りを予定し、採用人数、受付期間は未定です。
■依頼内容
アドラステイア外周部に向かい、『聖獣』と戦い倒します。
外周部といっても非常に広く、平地や廃村、森や海など様々なフィールドが想定されています。
ですので自分にとって得意なフィールドを選択して出撃するとよいでしょう。
特にどこのどれをいくつ倒さなければならないという目標もないので、自分が得意かどかで選んでください。
■プレイングガイド
プレイング冒頭一行目には以下の内から【フィールドタグ】を選んで記入してください。
また、2人以上で参加する場合は【グループタグ】を用いてください。
【平地】
最も戦いやすくクセのないフィールドです。
困ったらここを選ぼうってくらいテッパンです。
【廃村】
聖獣が放たれたことによってマトモに暮らせなくなり住民が去ってしまった村です。
このまま放置しておくとほぼ確実にアドラステイアに乗っ取られてしまうので、聖獣たちを駆除しましょう。
建物を壁にしたり屋内に忍び込んだりとスニークプレイが可能です。
【森】
森に放たれた聖獣たちを倒します。
薄暗いエリアが多いですが、多少の光源があればバッチリです。
また似たような景色が続いて迷いやすいので、五感等を用いた探索能力や植物に疎通する力があると聖獣を見つけやすいでしょう。
【空】
外周部上空に展開した聖獣たちと高高度でのバトルを行います。
空を巡回している聖獣たちは飛行種はもちろんファミリアー処理した鳥などの侵入を拒みアドラステイアの観察を困難にしています。これを排除することで今後の活動も少しやりやすくなるでしょう。
陸地を用いず飛び続けるので戦闘可能な『飛行(種族スキル含む)』スキルを必ずもっていきましょう。
またルール通りの飛行ペナルティがかかる他、一定以上のダメージを受けると墜落するおそれがあることも注意しておきましょう。
【海】
海の中に放たれた聖獣を退治します。
水中での戦闘になるため、必ず戦闘可能な『水中行動(種族スキル含む)』スキルをもっていきましょう。
■グループタグ
誰かと一緒に参加したい場合はプレイングの一行目に【】で囲んだグループ名と人数を記載してください。所属タグと同列でOKです。(人数を記載するのは、人数が揃わないうちに描写が完了してしまうのを防ぐためです)
このタグによってサーチするので、逆にキャラIDや名前を書いてもはぐれてしまうおそれがあります。ご注意ください。
例:【ザ・破壊神】9名
・例
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【森】【聖義戦士】2名
天義の平和を乱すモンスターは許さない。
聖獣などという欺瞞、その姿もろとも切り裂いてくれる!
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●独立都市アドラステイアとは
天義頭部の海沿いに建設された、巨大な塀に囲まれた独立都市です。
アストリア枢機卿時代による魔種支配から天義を拒絶し、独自の神ファルマコンを信仰する異端勢力となりました。
しかし天義は冠位魔種ベアトリーチェとの戦いで疲弊した国力回復に力をさかれており、諸問題解決をローレット及び探偵サントノーレへと委託することとしました。
アドラステイア内部では戦災孤児たちが国民として労働し、毎日のように魔女裁判を行っては互いを谷底へと蹴落とし続けています。
特設ページ:https://rev1.reversion.jp/page/adrasteia
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