シナリオ詳細
夏涼の色彩
オープニング
●
蒼穹の空には入道雲が立ちのぼり、白と青の対比が美しい色合いを見せる。
日陰になった縁側で空を見上げた『琥珀薫風』天香・遮那は暑さに目を細めた。
ちゃぷと足下から水音が響く。
大きな盆に水を張った中に素足を浸ければ暑さが和らぐのだ。
「若殿。そのような格好は如何なものか」
背後から若い女の声がする。
振り向けば遮那と同じように狩衣を着て後頭部から髪を垂らした姫菱・安奈(ひめびし・あんな)が仁王立ちしていた。
「いつ来客が来るやもしれぬのです」
「だが、安奈。客人も此方までは入って来ぬだろう?」
天香家の屋敷は広く、何棟にも家屋が繋がって列を成す。
遮那が涼んで居る場所は寝所近くの中庭。
いくら客人とて屋敷の奥まった場所までは入って来る事も無いだろうと遮那は考えたのだ。
「若は相も変わらず暢気なお方だ」
安奈とは反対側。左方からの声は楠 忠継(くすのき ただつぐ)のものだ。
「忠継もか……」
足袋の音、着物の衣擦れすら僅かに歩いてくる様は、帯刀長を勤めていただけの事はある。
今は亡き妹の命を救って貰った恩義に、天香家に仕えるようになってからも、その卓越した剣術は衰えることはなかったと遮那は古くから仕える女官より聞いていた。
幼い頃より遮那に剣技を教え込んだのはこの忠継であった。
とても厳しい修練と包み込むような優しさを、惜しみなく与えてくれた忠継に遮那は信頼を置いている。
屋敷の内外で獄人である彼を疎ましく思う八百万も居ただろう。
されど、先代当主が右に立つ神人の安奈を受入れて以降、表だっての迫害は無かったと聞いている。
聡明な兄が屋敷への出入りを許しているということは、忠継自身の立ち回りも卓越したものなのだろうと遮那は受け止めていた。
「ただ、この暑さでは日差しの強さに身体が傷を負いかねませんからな」
効率的だと、遮那の隣に座り込んだ忠継は白い足袋を脱いで、氷の浮かぶ水盆に足を浸ける。
忠継がこういった遊びに付合ってくれるのは何年ぶりだろうか。
遮那は幼き頃に返ったような錯覚に懐かしさを覚えた。
「ああ、冷たくて心地よい。……若、これは安奈には内密にお願いいたします」
「待て待て。我は此処に居るぞ!?」
慌てて遮那の右側に座り込んだ安奈は足袋を脱いで同じように水盆へと足を浸す。
「確かにこれは……」
足から伝わってくる冷たさに、着物の奥に伝う汗が引いていくようだと安奈は頬を緩めた。
「だろう? 私の大発見だぞ安奈」
したり顔で安奈に向き直る遮那に安奈は肩を竦める。その表情は幼子を見守る姉のようで。
「本当に、若殿には叶いませぬ」
「ふふ……」
夏の風景に風鈴の音が何処か遠くで鳴る。
ゆっくりと流れるとりとめの無い時間。何も生み出さず向上しない無為なのかもしれない。
されど、遮那はこの平穏な時間がとても好きだった。
――――
――
「そういえば、この前の祭りの時に宝珠を預かったのだが」
「宝珠で御座いますか?」
遮那は懐から白い小袋を取り出す。
海洋との合同祭事の最終日。白拍子の衣装を纏った『篝』と呼ばれた少女から預かったもの。
「あれ以来、取りに来る様子も無く困っているのだ」
名を教え住居の場所も教えたのだが、一向に訪ねてこないのだと遮那は忠継に語った。
「宝珠とは聞いているが、女性の持ち物を勝手に開くのも気が引けるのでな。もし、私が外出時に訪ねて来てもいいように忠継に預かって欲しいのだ」
遮那は紐で硬く結ばれた白い小袋を忠継の手の中に置く。
「承知致しました。これは預かりましょう」
「ありがとう忠継。助かる。では、そろそろ私は部屋に戻るとする」
水盆から足を上げた遮那は持ってきていた布でゴシゴシを足を拭いた。
「我達は今暫く浸かって行きます故」
「そうか。では片付けを頼むぞ。安奈」
「御意」
ぺたぺたと足袋の音を鳴らしながら遮那は自室へ戻っていく。
遮那の背を見送った二人は向き直り、先ほどの白い小袋を真剣な表情で見つめていた。
「其れは相当に危うい物だぞ忠継」
「ああ、その様だ。先日報告に上がった『肉腫』と呼ばれる者を生み出す呪具やもしれぬ」
手の中の白い小袋の中から伝わる呪いの鼓動。
異世界より召喚された神人である安奈には効かない代物であろう。
しかし、パンドラを持たない鬼人種である忠継や八百万の遮那はこの呪具の影響を受けてしまう。
「だが、これは封印が施されているようだ」
「其れを若殿に預けたという少女の仕業か」
好奇心旺盛な少年である遮那にこれを渡せば、封印を解くだろうと踏んで渡したのだろうか。
それともその少女は単なる使いなのかもしれない。
思惑は無数にあるだろう。
「我が預かろうか」
安奈は忠継に手を差し出す。
肉腫を生み出す呪具ならば影響を受けない神人の安奈が持っている方が都合が良いだろう。
されど、忠継は首を横に振った。
「構わぬ。若が此れを所持し無事だったという事は、封印が成されている内は安全なのだろう。其れにこの宝珠が呪具で無かった時に安奈では対処仕切れぬやもしれぬからな」
「忠継、我を見くびり過ぎではないか? 我はお主の妹御では無いぞ」
先代天香家当主の代から仕えている安奈にとって、其れは守が務まらぬと言われている様で。彼女は唇を尖らせる。
「いや……、そうだなお主は妹では無いのだから俺が守ってやらぬとも構わぬよな」
「心配をしてくれるのは有り難いが」
忠継のか弱く病弱だった妹とは似ても似つかぬ程、安奈は健康で頑丈なのだ。
されど、危険だと分かっている代物を渡して良いとは思わない。
もしもの時の想定は常に行うべきだ。
仮に自分がし損じても、其れを一番に察知出来るのは安奈だろう。
遮那を逃がすなり人を集めるなりして、己で考え対処出来ると信じられるのは安奈の他に居なかった。
忠継が白い小袋を懐に仕舞うのを見て、安奈は肩を竦めた。
効率的に危機を回避する。それは安奈とて承知していること。
幾度、秘密裏に天香に降り注ぐ火の粉を払っただろう。
遮那の零す笑顔の裏で、二人の刀は何度血を啜っただろう。
其れも此れも須く。
全ては、天香家の為に――
●
朝の陽光は天香邸の朱色の柱を美しく照らす。
琥珀色の瞳を開けた遮那は開口一番に閃いた。
「――かき氷が食べたい!」
額に汗を浮かべた遮那は自室の布団から起き上がる。
こんなに暑いのだ。きっと沢山たべてもキーンとはならないだろう。
早速着替えて安奈と忠継の元へ駆け込んだ。
「私は屋敷の警護が御座います」
「我は用事を遣わされております故、日中のご同行は出来ませぬ」
ぷくぷくと頬を膨らませた遮那の前に立った二人は、やれやれといった表情でお互いを見合わせた。
「そうだ、若。神使様と交流してきては如何でしょう」
「う? 遊んで来てもいいのか!?」
琥珀色の目を煌めかせ顔を上げた遮那。
外せぬ用事は在れど、厄介な呪詛の噂が渦巻く京を一人で出歩かせる訳にはいかなかった。
「神使様たちと一緒ならば、構いませぬ」
彼等は先日の祭りの際にもカムイグラの住人を助け脅威と戦ってくれたのだ。
その実力は目を瞠るものがある。
並大抵の妖怪や野盗など太刀打ちできないだろう。
「分かった! では、神使たちと共に遊んでくる!」
そうと決まれば居ても立ってもいられないと遮那は駆け出した。
「だから、今日は休みなのだ。かき氷を食べにいかぬか?」
遮那の琥珀の瞳が一段と輝いている。背中の翼が嬉しそうに震えていた。
かき氷を食べ、高天京散策し。夕方になれば別荘へ赴いて花火をしよう。
共に食べる晩ご飯は格別だろう。ゆったりと風呂に浸かり。
夜はこっそり枕投げをして、疲れたら虫の鳴声を子守歌に眠りにつこう。
「なあ! 楽しそうであろう! こうして遊ぶのが夢だったのだ」
大人ばかりの屋敷の中で年の近い友人は居なかったから。
屈託の無い笑顔を見せる少年の憧れであり夢。
それを、叶えてやるのも悪い気がしないではないか。
共に過ごす時間。夏の一日。
青空には立こめる雲が白く輝いていた。
- 夏涼の色彩完了
- GM名もみじ
- 種別長編
- 難易度EASY
- 冒険終了日時2020年09月12日 22時15分
- 参加人数15/15人
- 相談7日
- 参加費100RC
参加者 : 15 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(15人)
リプレイ
●
燦々と照りつける太陽に目眩がしそうなほどの湿気。
空色に入道雲の白が映える。遠くに見える山は薄らと空気を孕んで白く霞んでいた。
「せっかくここまで来たんだ。豊穣の文化、歴史……ひいてはそれらの記された本が読みたいな」
首元の傷跡を擦りながら『双色クリムゾン』赤羽・大地(p3p004151)は仲間に視線を向ける。
「そうだね! カムイグラの本はちゃんと見て回りたいなって思ってたんだ!」
大地の声に『希望の蒼穹』アレクシア・アトリー・アバークロンビー(p3p004630)が微笑んだ。
「この世界に溢れている本を見つけに、出発です!」
黒赤の髪を揺らし『妖精譚の記録者』リンディス=クァドラータ(p3p007979)は小さく拳を上げる。
それに同意するのは『海淵の祭司』クレマァダ=コン=モスカ(p3p008547)のシトリィンの瞳。
目指すは古本屋。カラカラと木の戸を開ければ独特の湿りを帯びた本の匂いが鼻腔を擽った。
「私はね、この国の伝承とか、おとぎ話とか、そういうのを纏めたような本が見つかると嬉しいなあって思ってるんだ!」
アレクシアは目の前に広がる書物に目を輝かせる。
この中に英雄譚があるだろうか。ヒーローが強敵を倒していくストーリーは読んでいて楽しいものだ。
「皆はどんな本を探してるの? みんなの好きな本とかの話も聞けると嬉しいなあ!」
アレクシアの問いにリンディスは歴史書や伝記が有ればと答える。
「誰かが歩んできた軌跡はとても興味深く、そして面白いものです」
知らぬ土地、異なる文化。まだ見ぬ未知はきっと広がっているのだろう。
「あ、でもそれ以上に本屋をめぐってると楽しいのが少し奥で埃をかぶっているような本でして……古書の香り、良いものです。掘り出し物にも出会えますしね」
一つの本を手にしてリンディスは笑みを零した。彼女の手の中に収まる本をまじまじと見つめたクレマァダが成程と呟く。
「……豊穣の書物は表紙まで紙で出来ておるのか。豪勢じゃなあ」
黒墨で書かれた難しい文字自体を読み解く事は出来ないが、其処に書かれた『意味は理解出来た』。
これが世界法則『崩れないバベル』のちから。この遠き地においても問題無く効力を発揮する。
クレマァダは本棚から一つの本を取り出した。パラパラと捲っても読めない文字は一つだって無い。
「前々から思っておったが、この世界はどこか……いや、よそう」
次の句は考えても答えの出ぬものだろう。
「遮那は昔話とか親に聞いたりしたか?」
「御伽噺か? そうだな、忠継や安奈に聞かせてもらっていたな。でも、兄上が時間を作って話してくれたお話はとても楽しくてな」
大地の問いかけに遮那は嬉しげな表情を返す。
「どんなお話だったんですか? 探してみましょう」
リンディスは童話の棚を指さして遮那を促した。一人では見つけられなくても皆が居れば見つかるかもしれないからと。
――――
――
しゃくりと冷たいかき氷が『ふんわりラプンツェル』桜坂 結乃(p3p004256)の口の中で溶ける。
練乳の掛かった甘いいちご。今日は何だか溶けるのが遅い。
「……いっつもおねーちゃんが一緒だったからかな」
弾むおしゃべりに夢中になってかき氷はいつも溶けてしまっていたから。
召喚されてからいつも華鈴と一緒だった。怖い戦いも彼女が居てくれたから頑張れた。
「よし。これを食べたらおねーちゃんに日頃の感謝をこめたお土産を買いに行こう」
簪が良いだろうか、お守りの方が何時も持ち歩いて貰えるだろうか。
ひとりは寂しいけれど、こうして華鈴の事を考える時間は心地良い。
何件も店を見て回り。結乃が選んだのは一緒に食べた金平糖の味違い。それと少し早いけれど銀杏を象った簪をお土産に。喜んでくれるだろうかと期待は募る。
「あ……そうだった。天香さんに会いに行かなきゃ」
聞きたい事があるのだ。その為に此処まで来たのだから。
古本屋を回っていた大地達は遮那を連れて茶屋にやって来た。
「遮那はどの味にする? 俺はさっぱりしたなし味がいいな」
大地が問うて遮那が味の札と睨めっこすれば、裾引く者が居る。
「こんにちは、結乃だよ。この前一緒に事件を解決したの。覚えてるかな?」
「おお、結乃覚えて居るぞ!」
お疲れ様と労って、結乃は遮那を正面に見据える。真剣な表情に遮那も居住まいを正した。
「篝さん、あれから姿が見えないの。おねーちゃんのお友達だから会いに来ると思ったんだけど……
おねーちゃんも気にしてた。天香さん何か知らないかな?」
「ええと、私も預かり物があるから待っているのだがな。一向に会いに来ないのだ」
「預かり物?」
結乃の疑念に遮那は宝珠が入っているという小袋を貰った事を告げる。
「私が留守にしている時に取りに来てもいいように、忠継……家臣に預けている」
宝珠とは何だろうか。結乃は遮那から得た情報を華鈴に伝えようと心に留めた。
「遮那は初めましてだね。最初見た時、天狗なのかと思ったよ。格好いいね、その翼」
儚く微笑んだ『四季遊み』ユン(p3p008676)は遮那をじっと見つめる。
「私は八百万だな。神使の言葉で精霊種(グリムアザース)というらしい」
黒い羽根を広げて見せる遮那にユンは小首を傾げた。
「君はあまり外に出たことはなかったのか? 僕は都会はからっきしさ。普段はずっと山に引きこもっているからね」
「そうなのか。私も毎日外には出ないな。勉学も修行も多い」
こくりと頷いて遮那はユンにかき氷を指し示す。りんご味を選び椅子に腰掛けたユンは空を見上げ言葉を紡いだ。
「君が夏を感じる時ってどんな時? 僕はこんな天気の良くて暑い日に、水の音を聞きながら緑を見ていると夏だなってなるんだ」
こんな風にのんびりと話す機会はいつだって歓迎だとユンが笑う。
「はてさて」
折角、遮那に誘われたのだ楽しんで行こうと『地上の流れ星』小金井・正純(p3p008000)は口元をほころばせる。削れて行くかき氷を目の前に正純は目を輝かせた。
「氷をこのような形にして食す、というのはなんというかお洒落ですねぇ。
せっかくですし、遮那さんのおすすめを聞かせてください!」
「私はそうだな。今の時期はなしがおすすめだぞ!」
「良いですね。じゃあ其れにしましょう」
「俺はみかんに練乳にするかな」
正純の隣で味札を指さした不動 狂歌(p3p008820)はかき氷を受け取り、がつがつと食べていく。
同じようにクレマァダも興味津々にかき氷を頬張った。ひんやりと冷たく何度も口元に運び。
「冷たくて甘――頭痛ぁ!!」
初めての感覚に度肝を抜かされた。
「あ、頭キーンってしました!?」
くすくすと正純が微笑んでクレマァダがこくこくと頷く。隣では狂歌も頭を抱えていた。
かき氷の風物詩に共に笑い合う。
「なぁ、そっちはどんな味だ。俺の少し分けるから一口貰えないか?」
「良いですよ。……あら、みかんも美味しいですね」
正純はかき氷を頬張りながら京の町並みや行き交う人々に視線を向ける。
「この国は逞しいですね。先日あのような騒ぎがあったのに、これだけ活気づいている。国民性、と言うやつでしょうか」
「そうだな。この地に住まう者は皆強いんだ。不屈の精神ってやつだよ」
正純の言葉に狂歌が応えた。獄人だから分かる内側からの視線。
子供達のはしゃぐ声が聞こえる。『帰心人心』彼岸会 無量(p3p007169)は何故自分が此処に呼ばれたのかと首を傾げた。遮那を見遣れば付き人も居ない。
「成る程、護衛を兼ねての親睦会と言う事ですか。それならば得心が行きます」
幼き少年の心を無碍にせぬよう、振る舞わねばと無量はかき氷を手に遮那の隣に座り込む。
元の世界にもかき氷はあった。けれどそれは庶民が口に出来るもではなかったのだ。
良い都だと無量は目を細める。
「天香さん……失礼、天香様は以前もご依頼の折に甘味を差し入れて下さいましたがお好きなのですか?」
「遮那で良いぞ! そうだな甘い物は大好物だ! 男なのに甘味が好きなのは可笑しいだろうか」
「いえ、貴き立場に在らせられながらも年相応、愛らしいと思います」
咎める言葉では無く肯定された遮那は嬉しげに笑顔を向ける。
母国に居た頃は他国の友人に憧れたと『白獅子剛剣』リゲル=アークライト(p3p000442)が遮那達を見遣り口角を上げた。
「かき氷は食べるのも楽しいが、作るのも面白いんですよ」
「作れるのか!」
リゲルの言葉に目を輝かせながら聞き入る遮那。その隣には遠慮がちに『守護双璧』Binah(p3p008677)の姿もあった。Binahにとって見知った者の居ないこの土地。緊張は目に現れる。
Binahの様子を感じ取ったリゲルは彼に視線を向けた。
「使用する水……例えば軟水を用いる事で、食感が柔らかくなったり。
果実をそのまま絞った果汁を使う事で、素材や旬を味わう事ができます」
会話の中で相手が自分の目を見て話して、認めてくれているということは安心感を覚えるものだろう。
Binahは遮那と共になし味のかき氷を食べながらリゲルの話を真剣に聞いている。
「ご自宅で作れそうであれば、忠継様や安奈様とも楽しまれると良いかもしれません」
「ああ、そうだな! 二人にも食べさせてやりたいな!」
セミが鳴く夏の空に遮那の声が響いた。
●
黄昏は宵闇を引き連れて空を覆っていく。
リゲルは子供達が喜ぶように花火を仕掛け打ち上げた。
願わくば思い出が幾重にも重なるようにと大きなものを夜空に咲かせる。
大きな別荘の設えに感心する正純は花火を見上げ目を細めた。
「打上花火と空の星を見ながらというのは、ええ、いいものです」
遊び倒した後は腹が減るというもの。
「料理も楽しそうですね。え? 得意料理?
そういえばこの前カレーを作りました! あ、はいだめですか」
リンディスは正純の言葉にくすくすと笑い手元の本を開く。思い出を紡ぐ為の下準備だ。
「これが良さそうです」
庭の花を断りを入れて背の高い茎から一輪摘む。美しい大輪。花葵の一滴。
ユンは打ち上がる花火に視線を上げる。
「夏の風物詩というけれど……自然の中ではあまり見られない風景だな」
「楽しいだろう! 線香花火もやろう!」
遮那が手に広げたものから一つ取って、ユンは花火に火を灯す。
ぱちり、ぱちりと小さく弾ける橙の玉は直ぐに灯りを無くし、地面へと落ちた。
「少し寂しい感じがするんだね」
遮那を見遣ればまだ丸い光は灯ったままで。
「というか落ちるの早いな……僕だけ? 僕が下手なのか……?」
「ふふ。まだまだ花火はいっぱいあるのだ。次を楽しもう!」
遮那の笑顔にユンもつられて笑い合う。
花咲く庭園に窓の明かりが落ちる。虫の音は小さく影を彩り、夜空には星々が歌っていた。
「昼は都の案内を、有難う御座いました。とても良い都ですね、此処は」
縁側に座る遮那の横に無量も腰掛ける。
隣の君は兄が魔種であることを知らぬのだろう。幼さの残る横顔を見遣った。
「そう言えば、貴方様は剣が出来るとか」
以前はその剣技を見る事叶わず、残念な思いをしたのだと無量は紡ぐ。
こうして再び見えたのも何かの縁。今すぐにとは行かぬとも。
「いずれ機会を設け是非、私に稽古を付けて頂けませんでしょうか」
「ああ、私もお主とは剣を交えてみたいと思っておったのだ。無量」
にかりと笑って小指を差し出す遮那。
約束の印。忘れないように指先を交えた。
この先の道行き。その瞳が曇ることもあるかもしれない。
されど、未来への約束があれば、何処かで希望となる事も有り得るだろう。
願いと祈りの約束――
――――
――
Binahは厨房に入り、腕を捲った。
野菜中心に肉と魚を混ぜて炒め物にするのだ。
「お肉とお魚は塩胡椒で下味を付けて……」
蜂蜜を使った甘口の手作りソースを作り、一口サイズの野菜を先に炒める。
野菜が柔らかくなったところで、肉と魚を一緒に炒めるのだ。
程よく熱が通れば先ほどのソースを絡め弱火で蒸せば完成。
「混沌世界に来る前によく作った料理だけどみんなのお口に合えば良いな」
「おおお! 上手そうだな!」
煌めく別世界の料理に遮那は目をキラキラさせる。
その隣ではアレクシアが腕を振るっていた。
「こっちは海が近いから、新鮮なお魚が捕れるよね。だから白身魚を使ったサラダでも作ろうかなって!」
「私は野菜も肉も魚も大好きだぞ!」
わくわくと後ろから邪魔しない程度に覗き込む遮那に、アレクシアはくすくすと微笑む。
反対側の調理場では『不揃いな星辰』夢見 ルル家(p3p000016)が花嫁スペックを見せつけるチャンスだと意気込んでいた。
「拙者がこちらの料理を披露しますよ!」
ビーフシチュー、オムライス等が次々と並んでいくのに、遮那は頬を染める。
「これが外の料理か! すごいな!」
料理を大広間に運び込んだアレクシアとルル家、Binahの三人の腕前に、イレギュラーズは感嘆の声を上げる。それだけではない。料理長が作ったメニューも食台に並んだ。
「どうですか遮那殿! 美味しいですか! あーんしましょうか!?」
「ええ!? いや、私は子供では無いぞっ」
差し出されたスプーンを押し返し頬を染める遮那。
愛らしい表情にルル家はニンマリと顔をほころばせる。
友人に感じるものとも違う、認識したことの無いあたたかな気持ちが胸の奥を擽った。
「ご飯どうしようかな……」
ユンは折角だからとご相伴に預かる事にする。
茄子に山芋、スイカと旬のものが並んだ食卓は素晴らしいと頷いた。
他にも仲間が作ってくれた料理もある。先ほどからお腹の虫がなりっぱなしだと早速席についた。
「……そういえば、ここしばらくは夏の幸をしっかり味わってなかった気がする」
大地は豊穣の料理を突きながら田舎の山を思い出す。
川でスイカを冷やし、流しそうめんをした記憶が蘇った。
『……冷たいのばっか食っテ、腹冷やさねぇように気を付けるゾ』
「へいへい」
「我はあまり料理はできぬな……これまで忙しかった故。
思えば、ああ、遮那殿ともそれは近いようで遠いようで……」
「お主も高貴な生まれなのだな?」
クレマァダの言葉に親近感を覚え嬉しくなる遮那。
いただきますと手を合わせ料理に舌鼓を打つ二人。
「この茶色い……醤油は海洋でもしばしば目にしておったが、なるほどこちらのはより鮮烈じゃな。魚醤よりも臭みがなくて美味い」
口の中に広がる澄んだ風味にクレマァダの目が細められる。
「この赤い果実は何じゃろ……すっぱぁ!!」
「それは梅干しだな! ちょっと酸っぱいぞ!」
食べて居なくとも思わず口を窄め唾液がだくだく出るようだと遮那はクレマァダに笑った。
「そうそう、遮那君、外のことに興味があるって聞いたからお近づきの印にってわけじゃないけど本を持ってきたんだ」
アレクシアはカバンの中から本を取り出す。
お気に入りの御伽噺。かっこいいヒーローが、世界中を巡って人助けをしていく物語。
「深緑っぽさはないかもしれないけど、色んな地域が描かれていて、そういう意味でも面白いよ。
まあ何よりもヒーローのカッコよさに注目してほしいけどね、ふふ!」
「おお~! 色んな国の事が書かれているのか! それは楽しみだ!」
有難うと紡ぐ遮那にアレクシアは頷いた。御伽噺の本に視線を落とし言葉を紡ぐ。
「私も、こんなヒーローになるのが夢なんだ。
だから、何か困ったことがあったら、そのときは遠慮なく頼ってね!」
アレクシアの声に嬉しげに遮那ははにかんだ。
「――オキナがアイスを初めて食べたのはこの前の祭りなんだ!
合同祭事が開催出来たのは、遮那君のお陰だよ?」
彼の作った料理で皆が笑顔になれば良いと願いを込めてアイス作りに誘う『神威を超えし神使』隠岐奈 朝顔(p3p008750)。
遮那が居るだけで朝顔は自分を奮い立たせることが出来る。
「絶対に君は、役立たずや無力なんかじゃない!」
朝顔の悲痛な声に遮那もつられて眉を下げた。
「……ごめんね。天香として助力を求め、自分は無力だと思わせて」
「こちらこそ済まない。私の言葉でお主が落ち込んでしまったのだな」
肩に置かれた手に朝顔は自分の指先を重ねる。
「でも私は『天香だから遮那君が好き』なんじゃないよ。
向日葵のように笑い、輝く君が。今の豊穣で、誰とでも平等に接する君の在り方が
眩しくて。尊くて。惹かれて――」
恋をした。
焦げ付くような劣情じゃない。仄かに灯る思い。
取り繕う仮面も必要無い。
朝顔の真剣な瞳の真意を分からぬほど、遮那は子供では無かった。
琥珀の瞳は朝顔をしっかりと見つめる。
「ありがとう。お主の気持ち受け取った。されど、今はお主に返してやる愛の言葉を持たない」
すまないと頭を下げる遮那。偽りの無い真っ直ぐな言葉。朝顔の真意を受け取ったからこそ、今はその気持ちには応えられないと遮那は真摯に伝えたのだ。
散ってしまう恋に朝顔の胸は痛む。
「――だって、私はお主の事をまだよく知らぬのだぞ。オキナ」
にっかりと笑う遮那の瞳が輝いて見えた。
何処までも真っ直ぐで言葉を飾らない遮那に、朝顔の天色に涙が浮かぶ。
だからこそ、訪れるであろう絶望から、その未来を守りたい。
「……本当、どうすれば大切な人の心を救えるのかな……? 遮那君」
朝顔の言の葉は一滴の涙となって落ちていった。
●
「遮那殿ー!! 一緒にお風呂入りませんかー! お背中お流ししますよ!」
「な!? お主は、またそうやって! 恥じらいというものは無いのか!」
纏わり付くルル家を引き剥がしながら、眉を寄せる遮那。
「じゃあ、後でお話しましょう! 約束ですよ!」
嵐のように去って行くルル家の行動に遮那は目を白黒させる。
「……行くか。露天風呂」
「あ、ああ」
放心状態の遮那を連れて大地は露天風呂へと足を向けた。
視線を上げれば大地の首の傷が見える。
「それは痛くないのか?」
「ああ、普段はさほどな」
『俺達が、赤羽・大地になった理由ダ』
僅かに異なる声色に遮那は小首を傾げた。
耳が良いのか。或いは、風の系譜なのかもしれないと大地は視線を向ける。
風呂から上がれば今日の出来事を日記に残そう。
本の虫としては活字に向き合う時間は必要なのだ。
「ああ、良い湯だ」
『久々ニ、ゆっくり休めそうダ』
今はただ、身を浚う湯に揺蕩うのも悪く無い。
満点の星空がBinahに降り注ぐ。
ゆったりと足を伸ばし湯の感触を楽しむのだ。
「僕の家に湖はあるけど温泉は無かったなぁ
……露天風呂に出来る様にログハウス改造するのもアリかも」
きっとこの後は皆で枕投げをしてはしゃぐのだろう。
されど、Binahは思い出をアリアへ語れるようにじっくりと思い返すつもりなのだ。
ぽたりと落ちる雫が水面に落ちた。
――――
――
「今日は楽しかったであるなぁ」
紡いだ思い出を反芻する『白百合清楚殺戮拳』咲花・百合子(p3p001385)は縁側で身体の火照りを冷ましていた。
ふと、視界に入った少女に百合子の指先が床を掻く。
「あれは……」
放つオーラと立ち振る舞い。見紛う事の無い『美少女』――姫菱・安奈の姿があった。
「これはこれは。まさか、此処で同郷に出会うとは」
百合子の隣に座した安奈はゆっくりと息を吐く。警戒されて居たのだと百合子は得心した。
「吾は生徒会長まで至ったが、大規模召喚の折に召喚されてな。それ以降ローレットに拾われてご恩をお返しすべくご奉公しておる次第よ」
身の上話に花を咲かせる百合子は己が未だ点描程度のオーラを纏うが精一杯だと安奈に伝う。
「安奈殿、一体貴女は何時頃からこの地にて修行をなさって居られるのであろうか」
花を背負うに至る美少女は一握り。混沌肯定の力があるといえど余程の覚悟が無ければ至れぬ境地。
「見事な菱葉に至るまでの道を教えて頂きたい」
「……そうだな。時間で言えば数百年。何故か歳も取らぬのでな。この身を賭して守りたいと思うた相手を見出した。ただ、それだけだな」
その答えに百合子は心臓を掴まれた。
安奈は出会ったのだろう。百合子と同じように人とは「こう」なり、と教えたものが。
揺るぎなき真意を得た。故に強く在るのだ。
途端に百合子の腹が疼く。この猛き者と戦いたいという本能がざわめくのだ。
「菱葉ポニテ抜刀術といったか。その技をこの身で受けてみたいものよ」
「我が刀を振るう時は決まっておるよ。お主が我の前に立ちはだかるならば、その機会もあるだろうよ」
されど、今は慰安の地。ゆるり過ごすのも仕事なのだと、お互い微笑みあう。
「結婚はまだ早いという事であれば! 婚約はどうですか!? 拙者こう見えても尽くすタイプですよ!」
ルル家は縁側で遮那を追い詰めていた。
「おやおや、若殿は求婚されておるのか?」
くつくつと笑いながら歩いてくる安奈が二人の傍に座り込む。
彼女の髪に揺れた微かな梔子の香りに、ルル家の心臓が跳ねた。
それは右目を奪われた由羽の匂いに近しいもの。されど、もし彼女が『そう』であればもっと強く匂うはずの残滓だ。疑念を払う為、ルル家は遮那に視線を向ける。
「安奈殿のお知り合いに、浅黒い肌の涅色の着物。額には黒曜石の角が一本生えている緋色の瞳の獄人の方はいらっしゃいますか?」
「……えっと、安奈の知り合いか?」
「おうおう、知っておるとも。楠 忠継という男がその容姿をしておるよ」
全てを承知の上で。試すような安奈の言葉にルル家は冷たい瞳を返す。
「……そう……ですか」
不意に遮那を抱きしめたルル家は腕に力を込めた。
縋るような気配を感じて遮那はルル家の背を撫でる。
「忠継がどうかしたのか?」
「拙者は……もしかしたら遮那殿にひどい事をするかもしれません……ごめんなさい」
この心は本当の芽吹きだと思って居たのに。
遠くない未来。必ず対峙してしまう時が来るだろう。
少年の大切だと思う人々を斬らなければ為らない日が来るだろう。
その未来に。神様はいつも意地悪だとルル家は歯を食いしばった。
星がよく出ている夜は身体が重いからと正純は一人風呂を終えて、大部屋にやってくる。
襖を開けた途端に目の前を掠めていった枕に口の端を上げた。
「参加しますとも枕投げ! こう見えて何かを投げるのは得……ぶっ!」
初弾で顔面に枕を受けた正純。
折角やるならば本気だとリゲルは拳を上げる。
腰を落とし利き手の反対側の手で縦に持った枕を重心移動に任せて回転させながら投げた。
狙うは遮那。
「ぎゃう!」
見事にヒットした枕に遮那がその場に沈む。
「やったなリゲル!」
返す枕の応酬に『黒犬短刃』鹿ノ子(p3p007279)も加わって、てんやわんやの大騒ぎ。
年相応にはしゃぎ回る遮那を見てクレマァダは思い立つ。
遊びたくても遊べなかった、そんな思いに身に覚えがあったから。
自身を重ね。自分(カタラァナ)を重ね。
「……ご興味があればお聞かせしましょうか? 我(あね)の行蹟を」
「おお! 是非ききたい!」
目を煌めかせる遮那はこの身を『友』と呼んでくれるだろうか。
ああ、けれど。そんな心配は必要ないのだろうとクレマァダは思う。
この少年ならば、きっと応えてくれると確信できるから。
クレマァダの音を聞きながら、正純は庭の外れにやってきた。
星に祈りを捧げるため。遮那とその周りに集まる人々の幸福を祈るため。
夜空に瞬く光に語る物語。今日という一日を思い出しながら紡ぐ一片。
リンディスの耳にも音色は届く。綴り紐を手に重ねる思い。
夏の楽しい一日を過ごした、遮那と自分達の物語を本に作り上げたリンディス。
花葵の栞と一緒に渡す思い出のカタチ。
「楽しかった一日を本の中に綴じています。……また、皆さんと頁を増やしに行きましょう」
「ああ、ありがとうリンディス! また、頁を紡ごうな」
溢れる思い出と笑顔。それを胸に遮那は布団の上に寝転がった。
リゲルが話してくれる海の外の物語に遮那は興奮してはしゃぐ。
世界を股に掛けるローレットの戦い。天義での大戦。
各国で起る事件とそれを解決していく強い意思。
「今日はとても楽しかったです。良かったらまた遊びましょうね!」
「ああ、また皆で遊ぼうな!」
屈託の無い笑顔にリゲルもつられて笑う。
こんな平和な一時を続けていけるように頑張らねばとリゲルは胸に誓った。
「遮那さんは、怖い夢とか見たりしないッスか?」
隣に寝ていた鹿ノ子が遮那に向き直って問いかける。
「僕は寝付きは悪くないんスけど、たまぁに魘されているときがあるみたいなんッス」
起きれば夢の内容を覚えている訳でもない。けれど、其処には心にぽっかりと穴が開いたような寂しい気持ちが纏わり付くのだと言葉を紡いだ。
「そうだな。私もたまに怖い夢をみるぞ。真っ暗な所で私の周りに誰も居なくて、とても苦しいのだ」
身を裂くような痛みと苦しみ。剥がれぬ悲しみ。助けを呼んでも何処にも届かない。
「それで、助け船を出すように声が聞こえるのだ」
――『もう、苦しまなくていい、この手を取れば楽になれる』と耳元で囁く声がするのだと。
「でもな、私はその声に応えたくないと思っている。何故かは分からぬが、その声に頷くと、もう戻って来られない様な気がしてな」
其処で何時も目が覚めるのだと遮那は眉を下げた。
その手に鹿ノ子は琥珀の雫を嵌める。
琥珀が繋がれたブレスレットが遮那の手首に光った。
「これはおまじないッス! 遮那さんに悪いことが起きませんように!」
何の効果も無いのかも知れない。けれど、言の葉には魂が宿る。
「もし、怖いことが起きて、そのとき遮那さんの信頼するひとが傍に居なくても、僕はずっと遮那さんを想っているッス。離れていても、心は傍に居るッス」
だから、信じて欲しい。自分達のことを。
暗闇の中迷ってしまっても、必ず助けに行くから。
心は繋がっているから。
「……ああ、ありがとう。鹿ノ子。そうだな、貰ってばかりだと悪いからな、私からも何か返そう」
遮那は懐から匂い袋を取り出す。花浅葱の布地に紫の刺繍が施された小袋。何処か遮那を思わせる丁装に鹿ノ子は驚いた。
「これは、大事なものじゃないッスか?」
懐に忍ばせる似姿。それは身代わりの御守に違いない。
「いいのだ。今度はこれが守ってくれるだろう?」
手首に嵌められた琥珀を揺らし遮那は微笑む。
窓の隙間から降り注ぐ月の灯りに二人の瞼も微睡んだ。
鹿ノ子の内で芽吹く心。繋がれた手の温もりから鼓動が伝わってくる。
願わくば。安らかなる眠りを妨げるものが無いように。
光を増して行く月に祈った――
成否
成功
MVP
状態異常
なし
あとがき
お疲れ様でした。如何だったでしょうか。
ご参加ありがとうございました。
GMコメント
もみじです。遮那とお出かけしましょう。
OPに登場した忠継は屋敷に居るので登場しません。
安奈は夜であれば現れます。
●目的
夏の一日を過ごす
●スケジュール
昼:高天京でかき氷を食べて散策
夕:別荘へ行き花火をして晩ご飯
夜:お風呂に入ってお泊まり会
●昼
高天京でかき氷を食べたり、散策することができます。
○かき氷
さくさくとした食感の氷を削りだしたもの。美味。
・味はいちご、れもん、みぞれ、りんご、もも、なし、みかん
・練乳も掛けることができます
○散策
高天京の散歩。
・冷やしあめ、串焼き、蜜の掛かったお団子など。ありそうなものがあります。
●夕
花火をしたり、晩ご飯を食べたりできます。
○別荘のお屋敷
部屋数の多いお屋敷です。
お庭があります。
外の散策も自由です。
○花火
京で買ってきた花火
・色の変わる手持ち花火や、打上花火、鼠花火、蛇花火、線香花火など。
○晩ご飯
材料を買ってきて、自分達で作り食べることも出来ます。
遮那は外の料理に興味津々です。
得意料理を披露するのも良いでしょう。
また、以下の料理を出して貰うことも出来ます。
ひやむぎ
うめぼし
ニジマスの塩焼き
茄子の揚げ浸し
山芋とオクラの和え物
サワガニの唐揚げ
スイカ
●夜
お風呂に入ったり、お泊まり会をしたりできます。
○露天風呂
お一人かお仲間と、順番を守ってお使い下さい。
男女別の場合は、気にせず結構です。
それ以外の場合は、プレイングで相手と互いに合意を分かるようにお願いします。
○寝室
お一人でも、お友達とでも、好きな具合にお過ごし下さい。
広縁を楽しんだり。
畳にお布団で寝ましょう。
人様のお宅ですので、枕投げはほどほどに……。
●NPC
○『琥珀薫風』天香・遮那(あまのか・しゃな)
八百万の少年。天香家当主長胤(ながたね)の義弟。
誰にでも友好的で、天真爛漫な楽天家。
剣の腕と兵法は、荒削りながらも中々の腕前。
軽々と空を舞い、刀で敵を斬ります。
忠継と安奈には絶対的な信頼を置いています。
幼い頃に独りで天香の屋敷に来た彼にとって、二人は兄姉であり父母であり祖父母のような存在です。
Tweet