シナリオ詳細
<夏祭り2020>水葬
オープニング
●水平線の向こう側
耳を賑やかせる音は祭りに華やぐ人々の声とアップテンポの古風なBGMだ。胸を叩くような重たい打楽器の音に、反して軽やかに弾ける軽金属の擦れる音。鮮やかに絡み合って心地良い旋律を生み出している。
今や『静寂の青』と呼ばれるかの大海を踏破せし先遣隊が至った東方の島、カムイグラと人々が呼ぶ『黄泉津』の片隅で、赤い提灯をつるして来るべき時を待つ人々が海を眺めていた。
彼らは一様に花束を抱いている。中央に小さな蝋を頂き、その炎を彩るように多々累々の花々が咲き誇る。おおよそ菊の花が多いだろうか。細く可憐な花弁が月明りを浴び、ささやかに色付き風に揺蕩っている。
意外かもしれないが、これも夏祭りの風物詩のひとつであった。
この時期、亡くなった人々が霊となって現世に遊びに来るという話がちらほらと聞こえるようになってくる。悪霊がいるならばそうあればいいと願う人々からか、故人を想ったが故に生まれた与太話からか、いずこから生まれた話は確かに地方の片隅に根付いていた。
彼らは遊びに来る霊をもてなそうと、夏祭りが盛んな時期に海の彼方へと向けて招待状を送りだす。『いま、私はあなたの事を思っています』と示すための道しるべだ。
初めは簡単な灯火だった。それがいつしか祭と結びつき、更には他の伝承や語り部も混ざり、灯りを多様な花で飾り立てるようになった。
これが『水葬』イベントの始まりだ。
ゆっくりと落ちていく陽の光は空を橙色に染め上げる。夜には遠く、昼にも遠い、短く曖昧な時間帯。ともすればすぐに過ぎ去ってしまうその時に、花を手にした人々は海へと花の舟を出す。
黄昏時は、まやかしの刻。誰そ彼時は、逢瀬の刻。
集まる人々の魂を狙った悪霊を聖なる灯火で打ち払い、善良なる友をひとたび導く。この明かりの灯る方へと、まるで手を叩いて招く子供のように、故人を偲んで送り出すのだ。
季節の催しから多数参加するイベントへと昇華したいま、想い願う先は故人だけに留まらない。過ぎ去った日々や忘れられない思い出。あるいは、忘れ去りたい過去でも構わない。
何かを迎え、想い、しっかりとまた胸に刻むも良し。
何かを憂い、偲び、今日で別れを告げるも良し。
道標たる明かりを何に見立てるかは、今となっては個々の自由だ。灯台が如く迷い人を導くか、黄泉路の灯りが如く現世にもう二度と還らぬようにと照らすか、往々にして違うだろう。
ゆらりゆらりと海面を彩る多数の明かり。途中で花に炎が燃え移ったなら、最後に煌々と燃え盛り、送り人へと知らせるだろう。
さようなら、あるいは、ただいまと。
●水葬
「ま、トップがどうとか種族間の確執とかいろいろあるけどさ。今は忘れてしまっても、いいんじゃないかな」
開口早々、そんなことを宣うのは『勿忘草』雨(p3n000030)だ。彼もまた、普段の服装とは違ってどこか涼やかな格好をしている。いわゆる甚平というやつか。早速調査がてら向かって買ってきたのだろう。
長らくの航海で疲弊した海洋王国にはサマーフェスティバルを開催する余力もなく、今年の開催は絶望的かと思われたが、これもまた好機としたのが女王イザベラである。未だ内情を知り得ないカムイグラに対して、合同催事を提案したのだ。
これに黙って首を縦に振る最高権力者ではないだろう。特異運命座標を自ら懐に入れるというのだから。
しかし、事は追い風によって運ばれる。彼が庇護する巫女姫が快諾してしまえば、最高権力者とて無下には出来ない。特にこれといった軋轢が生まれることもなく、無事開催が決定したという訳だ。
これに対して、イレギュラーズが敵意丸出しで乗り込んでしまっては元も子もない。
「息抜きだって必要でしょ」
液晶カバーに細かい傷が入ったタブレットの画面を見せるように掲げる雨は、映し出されたパンフレットを事も無げに指さした。水葬、と一見物騒な字面がある。
「灯篭流しって知ってるかな。そんな感じのイベントなんだけど」
言いながら、画面を指でなぞる雨はイベントの詳細が記された画像を表示した。
まず初めに、『舟』を用意する。舟自体はイベント会場で売られているし、なんだったら自分で手作りでも構わない。竹籠や葉、耐水ペーパー等々、水に浮かべられ、燃え落ち、自然に還るものであればなんでも良いのだろう。
それから、『花』を用意する。ここで注意するのは、最後に置く『蝋』の場所を作ってあげることだ。全面埋めてしまうと、火を灯した瞬間に燃え移ってしまって海へ流すことが出来なくなる。
花の種類は何でもいいようだ。持ち込みも歓迎しているようで、自由に作ってみるといいだろう。また、ワンコインで選び放題の花バイキングなるものもあるので、当日の出会いに期待してみても良い。
「石楠花とか、秋桜とか。季節外れもちょっとだけ用意があるみたい」
さて、舟の準備が整ったなら、最後の仕上げに蝋を差す。店で見かけるようなシンプルなものから、ケーキの上に乗っかっているようなオシャレなものまで、さまざま用意してあるのでお気に入りを探してみてほしい。
送り出す舟の作り方はこれだけだ。勿論、作るのが苦手な人向けに完成品も売り出している。花の舟だけ買って持ち帰る人も多いらしく、流せなかったからと言って咎められることはない。
「たった数十分だけのイベント、君ならどう過ごす?」
悪戯に笑った雨は、いつ持ち出したのか小さく青い勿忘草を掌の上に載せていた。
- <夏祭り2020>水葬完了
- GM名祈雨
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年08月06日 22時39分
- 参加人数39/50人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 39 人
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参加者一覧(39人)
リプレイ
●潮騒の鎮魂歌
黄昏時にはまだ遠い。それでもこの浜辺が人で賑うのは、想う過去を持つ人々や、故人へ送る祈りを持つ者が、どうにか形に出来ればと願うからだろう。
手折った花に想いを乗せて、海へと送る時を待つ。
「よーしやってみよー!」
そんな明るい声で取り掛かるのは花丸である。やったことのない催しがあるというなら、この機にというわけだ。舟を作る処から出来るのだから。
材料選びは直感と経験で。これだと手に取ったのは、若々しい竹だ。記憶の中の竹はこの中に水とそうめんが流れているのだが。
さてワンコインを振りかざし、数十は易い花バイキングの前に仁王立ち。選んだ花は大輪の向日葵だ。花の傍には蝋燭も置いてあり、それぞれの花に見合うものが並んでいる。
えんやこらと組み合わせ、最後にはちみつ色の蝋を置いたら出来上がり。不格好だが可愛らしい舟だ。
「さてと、後は待つだけ!」
黄昏時はもう少し先。手直しをしながら夕を待つ。
包み込むような風に揺られ、津々流の頭がすっぽり隠れてしまうような葉が賑う。舟にするには十分の大きさのそれを丁寧に飾り付けていた。緑が花冠を得て華やかに彩られていく。
「水葬、灯籠流し……かあ」
誰かを、何かを思って流れる舟は、きっと素敵なものばかりだ。それらが流れる光景は何よりも美しく幻想的で、記憶に確りと残ってくれそうだ。
青と紫の朝顔をそれぞれ交互に配置しながら、津々流は皆に倣って過去を想う。
混沌に来て三年ほど。あの山の皆はどうしているだろう。
それに、あの子は今も、静かに眠っているのだろうか。
彩る手つきは優しく、かつて触れた暖かな日々を大事に舟へと織り込んだ。
久し振り、と声が被る。花棚の前に立つ雨の隣で、シャルレィスはうんと迷っていた。
「私はね、特別に誰を送るっていう訳じゃないんだ」
「じゃあ、願うのかな」
青空の瞳を見据えた雨の問いかけに対して、シャルレィスはまたも唸る。
この一年だけで、沢山の依頼で出会いがあった。求められるまま手を伸ばし、求められずとも声を上げた。
けれど、全てが思い通りにいくなんて、世界はそう簡単にできていない。
零れ落ちたいのちを、忘れることはないだろう。
「きちんと胸に刻んで、祈りたいな」
「それなら、おれからはこれを」
雨が差し出したのは、真白の鈴蘭だった。
「眠った後も安らかに、ね」
喋るのは苦手。考えるのは、ちょっと苦手。そんな角灯だから、感情を言葉に変えるのは、むず痒い心地になる。
それに、難しいことはよくわからない。霊を導くだとか、故人を想うだとか、どれも念仏のように聞こえた。角灯には程遠いものである。
角灯が舟に、自身を映す大きな蝋燭を抱かせたのは、そういった由縁だろう。
せっせと拵えた舟はとてもシンプルだ。棕櫚竹で編んだ舟に大きな蝋燭。彩るためというより、隙間があれば詰め込んだような淡い色の小花。あの人を彷彿とさせる色付いた白の花だ。
これは分け身。自分の写し鏡。
この舟が何かを導けるのかは解らないけれど、海を照らす灯のひとつとなって、先を照らして燃えるのだ。
幾多もの花々を前に、心弾まぬ方が可笑しいというもの。加えてこれが異国の祭りで、しかも友と一緒に過ごせるというのだから、マルベートの尻尾も絶好調だ。
「いろんな種類があるねえ、目移りしそうだ」
「うんうん。梔子の花はあるかなあ」
傍らのアレクシアはそんなマルベートの手元が気になるよう。手先の器用さにはあんまり自信がないけれど、せめて不格好にだけはと参考にすべく様子を伺っているようだ。マルベートはといえば、花バイキングを往ったり来たり。
二人して選ぶ花は決まっていたようだ。迷いがちの指先が、迷いなく選んだ花がある。
「折角だから多めに買って……アレクシアは何を買うのかな?」
「んと、梔子の花だよ。私の大好きな花」
喜びを運ぶ初夏の花をアレクシアはマルベートへと渡してみせる。白い花弁が悠々と咲き誇っていた。
「マルベート君は?」
「私はこれ」
一方のマルベートが選んだのは紫詰草。小さく素朴で、その実美しく強か。
多めに買ったという紫詰草をアレクシアも分けてもらい、小さな舟へと飾ってみる。
あれだこれだと四苦八苦、選んだ花は無駄のないよう使い切り、互いに協力しあって送り火の舟が出来上がった。
「流す思い出もあれば、新しく作る思い出もあるよね」
「今日のこと、とかね」
二人顔を見合わせて、くすくすと笑う。きっと明日には、お揃いの押し花が思い出の一片として残っていることだろう。
色とりどりの花と蝋燭を眺めているだけでも時間はとっぷりと過ぎてしまう。とはいえ、その時間すらも愛でて大いに楽しんでいるようだ。
風習として知識があったとはいえ、実際に触れるのはルナールも初めてである。ルーキスと並んで素材を物色してはみるが、目的のものを探すのも大変だ。
「ふふふ、手先が要求される作業だぞ」
ほらね、と編んだ竹籠を見せるルーキスはなかなか器用にこなして見せる。一方でルナールはというと。
「絵は置いといて、細工系ならそれなり、なんだがな……」
完成度で言えばルーキスの八割ぐらい。それでも十分良い恰好だが、経験と慣れの早さの差というのはある。首を傾げるルナールにルーキスがアドバイスしながら舟を完成させていった。
花は蓮。蝋燭はシンプルに。ルーキスの舟は清廉を司る。
花は桔梗草。蝋燭は白。ルナールの舟は、――。
「蓮の花言葉って、清らかな心なんだって。おにーさんにぴったりじゃない?」
「……んー、そうか? ルーキスがそう言ってくれるんだから、多分そうなのかもしれないな?」
悪魔なルーキスにとっては縁遠い言葉だけれど、その言葉が相応しいからこそ隣を譲ってあげてもいいと思える。悪戯な笑みにルナールも軽く笑ってルーキスの頭を撫でた。
他にも見てくると旅立ったルーキスの後ろ姿を眺めながら、ルナールは桔梗草の残りを弄る。その花言葉を、ルーキスが知る日もそう遠くはないのかもしれない。
「ぼくは……、これにしようかな」
選んだのは小さい山梔子。傍らには青い蝋を準備して、詠夢は慎重に組み上げていく。
山梔子の薫りが鼻腔を擽るよう。胸を締め付けるような、不思議な感覚を覚えた。
「そういえば、ぼく……」
ぽつり、言葉は消えていく。動いていた手が止まっていた。
気付いたら機械になっていた身体。どうしてなのか。誰がしたのか。そもそも家族はどうなったのか。疑問だけは際限なく沸いて、そのどれもに答えはない。
それでも、前に進むと決めていた。過去は過去で、曖昧なまま胸にある。消してしまうのは詠夢を苛むしこりの方だ。
かぶりを振って舟を送る。こじんまりとした舟は、黄昏の色に身を染めて、ゆっくりと波に乗っていった。
舟造りなんてそうそうできる体験ではなく、それ目的の客も多かった。朝顔も似たようなものである。
「ほうほう、色々種類があるねえ!」
舟は竹から紙まで何でもござれ。花だって負けてはいない。いつも手に取る朝顔や翁草では埋めきれない隙間を、馴染みのない花々で覆っていく。こんな機会でもなければ縁のない花たちだ。
竹籠に色彩豊かな花々を飾り、さて最後は蝋燭である。
「うーん……」
形も色も様々あるが、結局最初に見つけた天色に戻ってくる。唯一自分の中で好きな、瞳色。こればかりは選ばざるを得ないし、何より一層心を惹きつける。
完成した舟に火は灯さない。いつかその時が来たのなら、見つけた誰かが使うだろう。同じ瞳色を持つ者を悼むために。
思い浮かべればたくさんの者が頭を過る。遠い昔、共に緑を慈しんだ仲間たちだ。
桜、紫陽花、紅葉、椿……ひとつひとつを飾り舟を完成させていく。紫陽花は中心に近いところへ。輪を描くように添えられた季節の花々が、蝋燭を囲んで冠のように咲き誇る。
前に進ませてくれる花々を整えながら、ユンは時へと思いを馳せる。移り変わる季節。移り変わる太陽と月。逆転することのない摂理のことを、今のユンなら少しは理解できた。
それはすなわち、止まるということも。
「僕は、そなた達の分まで、進んでいくから」
花を置いて、ユンは進む。立ち止まることはないけれど、止まってしまった者たちの想いだけは連れていこう。季節の花が黄泉路を照らすよに、想いはユンの道を照らしてくれる。
●きみに逢う花灯
黄昏時。
昼と夜の狭間の時間は、空が赤く染まる。波打ち際で足を濡らしたルチアは、次々と流れていく舟を眺めていた。そのひとつひとつに込められた祈りや願いは、彷徨える魂を導いて正しい道へと誘っていく。それらの舟のいくすえを、ひとりの船員として見守った。
夕日をバックに背負ったブラックは、反対に舟に背を向ける。断ち切りたい思いがそこにあったか、願う人々を目に焼き付けるためかは、本人のみぞ知る処だ。この時ばかりはBGMも落ち着いたものが流れていた。
つい先刻舟を完成させた鹿ノ子はそうっと忍冬の舟を波へと乗せた。ともすればあっという間に燃え上がってしまいそうな舟は、未だ船旅に勤しんでいる。
「聞いてくれるッスか?」
誰にともなく、鹿ノ子が零す。風だけが静かに声を攫った。
行方不明のご主人が見つかった。それだけであれば果報だが、問題は魔種であることだ。それだけで、敵対しなくてはいけないことを鹿ノ子は正しく理解していた。
もし、戦うことになって。もし、殺さなくてはいけないとして。
「……待っててくださいッス、ご主人」
歩みを止めることは、ない。それが約束でもあり、鹿ノ子が選んだ道だから。
大号令も終わり一安心。海の向こうの新しい国は、祖国に似た雰囲気で史之は落ち着くようだった。
「わあー……」
「あっと、あんまり身を乗り出さないで、転んじゃうよカンちゃん」
そんなやりとりもいつものこと。睦月の瞳いっぱいに映るのは、海の上を漂い旅する数多の灯。
それぞれ願うことは別のこと。
史乃は散っていった、ただ一人の笑顔を見たいが為に奮闘したあの人に願い、誓う。舟がそこまで届くといい。
睦月は特に願いはない。というより、一番の願いはもうすでに叶った。だから、次はその延長。無病息災を舟に込める。勿論、隣のしーちゃんの。
「ねえ、しーちゃん」
二艘の舟は時折身を寄せ合ったり離れたりして沖へと向かう。睦月はそんな舟を眺めたまま、史之はそんな睦月を眺めたまま。
「大号令が終わったから、これからはもう少し僕と一緒に居られるよね?」
「そうだね。カンちゃんといる時間も増えるかな」
「うん。そうだよね……」
強くなりたい。そう願って今、睦月はあの頃よりちょっとだけ強くなった。
だから、これからは。
「だからってあまり俺を振り回さないでね、カンちゃん」
史之が続けた言葉に返事はない。睦月はずっと前を見据えたままだ。
「カンちゃん、聞いてる? 聞いて……ないね」
がっくりと落とした肩にも、睦月は気づきはしなかった。
水葬は、教会のお祈りみたいだとンクルスは思う。
「きみは、何を願ったの?」
様子を見ていた雨が問う。ンクルスは誰かの戻ってきてしまっていた舟を再び沖へと送り出し、自分の舟を探した。
「立派なシスターになれますように」
ンクルスに忘れたい過去はない。だから代わりに未来を想う。
「この世界を守れますように」
沢山の願い事を背負った舟が、燃え上がっている。
「私が壊れる前に、私の役目を果たせますように」
その舟の役目は照らすことだ。あの舟は立派に役目を全うしようとしている。波が時折光を攫って飲み込んで、ンクルスの見えぬところまで運んでいった。
「……満足できるものでありますように」
囁く声を潮風がかき消した。
不格好ではあるが、自分で作ることに意義がある。利一お手製の舟は、難なく海を彩る群れのひとつに混じった。
絶望の青を超えるため、どのくらいの犠牲を払っただろうか。数え上げればきりがない。伝説となった歌姫、義を尽くした侠客、気高き錬金術師……名の知らぬ者たちだってきっといる。
「彼らがいなければ、この『運命』は引き寄せられなかったんだ」
静寂と名を変えた海は幾人もの命を吸いながら、素知らぬ顔で今も在る。それは今も、これからも、変わらないのだろう。
自分が、覚えていなくては。この青は容易く人命を捨ててしまうから。
「忘れない。忘れるなんて、出来る筈がない」
青に散ったいのちの分まで想いを背負い、歩むのだと舟に誓った。
故人を偲ぶ想いを何かに託す。どこにでもある習慣なのかもしれない。かくいうアーマデルも、ことばを書きつけた札を火にくべ弔う習慣があることを知っていた。
小さな白い花が身を添わせる舟を選び青へと誘う。晴れ間の旅人の衣色。安らかなる寝着色。その白は様々な色を彷彿とさせた。
「さて、祈るは……」
心に浮かぶ故人はない。であれば、知らぬ誰かの為に祈るとしよう。迷い人であれば、それが既知かどうかに関わらず導いてやる。そういうものだ。
迷い、道を失った誰かの足元に、さやかな明かりが灯るように。応えるようにまさらの白は燃え上がる。
祈る形は違えども、見出す先は遠くはないのだろう。火はいつだって暖かい。
「……そっか、もうそんな時期やったんやね」
数々浮かぶ舟を見て、祈乃はほうと息を吐いた。あれからどれだけの季節が廻ったのだろう。形は違えど同じ水葬を、久し振りにしてみるのも良い。
死んだと聞かされた両親は帰ってくるのだろうか。振り返る思い出は、決して良いものばかりではない。それよりも気がかりは義弟のこと。いなくなった者が還る日だというのなら、あの子の為に花を送ろう。
「帰ってきてくれるかな。もう一度、……会いたいばい」
ここにいるよと知らせれば、迎えに来てくれるかも。そんな一縷の想いを乗せたカリンの実に菊を添え、祈乃は波へと攫わせる。
あたしの大好きな子。初恋の、子。
「ごめんね、って言わせてね」
小さなその声は波音で消えた。
散らしてきたいのちは十の指を遥かに超えた。
「彼らを偲ぶ資格があるかはわかりませんが……」
悩み、苦しみながら生き続けることはある種の地獄である。無量は信じた救いを行使してきた。
命を奪ったという点では、ウィズィニャラァムも変わりない。
「……資格なんて無いさ。でも義務はある。おかしな話だよね」
気付きからの一歩。あるいは既知のこと。手折った数だけ弔いを行うのは、命を奪った側の義務であると二人は思う。花灯りの舟は波に揺れ、ぽっとその火種を燃え上がらせた。
「……無量さん。何か、私にも謝らなきゃいけないことがあるって言ってたよね」
目を奪われていた炎から視線を逸らし、ウィズィニャラァムが無量を見る。無量の視線はややに泳いだ。
「私の名乗っている名……無量。此れは我が妹の名です」
「…………そう、なんだ」
辛うじて出たウィズィニャラァムの声は、周囲の騒音に簡単に潰された。
未来を誓い合った二人だとしても、未だ小路は存在する。その時ばかりは少しだけ距離が出来て、足跡ふたつ遠ざかる。
でも、それでもだ。
無量は、全てを知っていてほしいと思い始めた。ウィズィニャラァムとて、無量がそう言う胸中を考えれない訳ではない。
震える掌にそうと寄せて、体温をふたり共有する。
「もし。……もし、思い出せたときは、貴女に最初に教えますね」
「ありがとう。約束、だね」
今でこそ静寂の青などと言われているが、この海が絶望を冠していたことを咲耶はついぞ忘れることはないだろう。
幾人もの命が散っていった。その先に何を夢見たかは様々だったが、喪われて良いものはひとつもなかった。
そして、共に超えたかった自身の想いは宙ぶらりんで、咲耶の心を嫌味なほどの青へ引っ張っている。
「まだ其方へは行けぬ」
これは、ひとつの区切りだ。
彼らの分も生きて未来を紡ごう。彼らの為の道標となろう。締め付けられるように胸の痛みは、この先も付いて回るのだろう。
それでも。
「……行けぬでござるが、土産話を楽しみにしてくだされ」
今は生きると決めていた。
「……弔い、ねぇ」
ぷかぷかと呑気に浮かぶ灯の舟を眺めながら、升麻は手元の舟を海へと還す。灯篭流しと似た水葬は、故人を偲ぶ目的でいくつもの灯を水面に映した。こういった催しに参加するのは初めてといって過言ではない。姉さんの中にいたのだから。
手を組み祈る人、空を仰ぐ人、浜辺には様々点在していた。それに倣って思い浮かべてみれば、出てくるのはお袋のこと。
あの人は、どう思うのだろうか。もしこうして人となった升麻の姿を見ているのならば、良かったと言うのか、嘆くのか。
まあ、どちらでも良いことだ。
「――お袋、僕は大丈夫だからな」
自由に使える指先で舟を押しやれば、言葉の通りにしっかりと、白き舟が海を渡っていく。その役目を果たすまで、沈むことはない。
水葬。故人を想い弔う祭り。一人では来ることもなかったであろうサンディは、汀で遠く浮かぶ舟を見つめるミルヴィの傍で彼女に倣うように舟を見ていた。
浮かんでは沈み、沈んでは浮かぶ。最後はぱっと燃え上がり海底すらも照らす光となるだろう。迷い子は明かりを頼りに道を選び、囚われていた淀みは標を貰って歩みだす。
「ま、たまには悪くねーな」
水も、風も、あるがままがいいに決まってる。
サンディの声が耳に届くまで、ミルヴィは静かに祈りを捧げていた。失ったものを抱えて、歩み続ける決意を黄昏に送る。救ってもらった命だ、ならばせめて報いたい。
「ねえ」
零れた滴を最後にして、ミルヴィは一緒にきてくれたサンディへ向き直る。
「サンディは誰を弔うの?」
「んー。ま、俺に弔われる相手なんて、そう多くねーからな。それより、ミルヴィちゃんの方、聞かせてくれよ」
祈るのならば、一人より二人がいい。
「アタシは、アンタも知ってるあの人と大好きだった人……」
目を閉じて彼の人を想えば、今も鮮明によみがえる。大丈夫、必ず生きてるはず。
「――サンディ、アタシと一緒にお母さんと義理父さん探すの手伝ってくんない?」
その問いかけは唐突だった。けれど、サンディの応えは明白。問答不要!
「そんなん断るわけないだろ? ミルヴィちゃんみたいなレディなら願ったりだ!」
「ふふっ……アンタはいつだって眩しいね。ありがと」
二人そろえば悲しみは風が攫って溶かしてくれる。それでなくても、――隣にいたいと、願うのだ。
波に攫われ蓮が浮く。葉の舟は軽く、あっという間に手の届かぬ所へと行ってしまった。
ノアが今まで手を掛けた人たちは、どうあがいても悪人だった。きっと許されることはない。
けれど、死んだ後まで裁かれる必要はないはずだ。どうかしあわせが訪れますようにと願う。
「……ねえ、五郎さん。五郎さん……ううん、フィンお兄さんは成仏したい?」
あちこちであがる炎と同色の瞳に蓮の舟を映しこみ、ノアはぬいぐるみを確りと抱きしめる。いつだって声を返してくれる彼の応えを少しだけ待って頭を振った。
「ごめん、なんでもない、よ」
きっとこの誰そ彼が、ノアの心の隙間に入り込んで囁いただけ。
「これからも、一緒にいようね。五郎さん」
青には馴染まぬ赤が浮く。残り火にも見える彼岸花の舟がニャムリの元を離れていった。
想うはひとり。かつて自分を導いてくれた貴方のこと。元の世界でただ一人そばに居続けてくれた貴方はいつの間にかいなくなってしまったけれど、ニャムリには忘れられない存在だ。
「きっとまたいつか、会えるよね」
先生と慕ったあの人と自分の瞳の色を持つ蝋燭は、応えを返さず揺られている。
想うは再会。想うはあなた一人。
たとえこの再会が三途の川を隔てていたとしても、この夢だけは叶えたい。叶えてみせる。
「今は、この贈り物を捧げます」
どうか燃え上がり空の果てまで。遠いあなたの元へ、この灯が届きますように。
死を悼む、霊を迎える。
覚えのある習慣だ。この世界にもあれと同等のものがあるとは素直に感心できた。
正純は白を基調した花で彩られた舟を流し目を瞑る。手を合わせ、想うは知らぬ人々の死だ。悼むような相手など、正純には存在しなかった。物心がついたときには育ての親しかいなかった。気付けば誰もいなくなっていた。
なればこそ、この国の人の死を悼む。人の死を忘れることは難しく、その上人の心をひきつける危ういものだ。幸福を願うのならば、死を悼みながら割り切ることが必要になってくる。
そう、だから、これでいい。
「どうか安らかに」
誰かの安寧を願う。――自分のことなど置いていけ。
決別の儀式など必要ないが、これが趣だというのなら、倣ってやってもいいのだろう。
振り返る過去に良い思い出がないのも事実ではあるが、地獄の底からはとうに抜け出している。愛を貰えず、物とされ、心はないものと扱われた。そんな人間がどのようにして逃げ出したか――今は知る由もない。
相棒と暦の者、それから大切な師匠。それだけあれば十分だ。
「俺は、暦の部下。水無月班所属の流星だ」
迷いはない。水無月色の黄昏の舟を沖へと流し、これまでと変わらぬ決意を胸にする。
指先が水面に触れたところで、風船葛が舟へと降りた。はたと見上げれば玄が舞い戻ってきている。
「どこに行っていたかと思えば……そうか、ふふっ。ありがとう、相棒」
これまでも、今も、これからも。どこまでだって一緒に飛べる。
数多の舟が灯をひいて流れていく海を、ラビィとゼファーは並んで見ていた。想いを乗せた舟は、とうに沖に出て蛍火のひとつになっている。
「……で、あれは誰宛のお舟なのかしら」
言葉遊びでもするように、知っていながら問いかける。ゼファーだけが分かっていた。ラビィはただ問いかけに応えるだけ。
「まあ、あんなのでも父親だからね。弔う事ぐらい時々はするさ」
「……あんな父親ねぇ」
狂気を感じる程に異世界の蒐集品に執着していた商人の父を、ゼファーは知らない筈だった。紹介しようと口を開いて、ゼファーの反応にラビィは違う言葉を吐く。
「なんだよそれ」
含みのある言い方だった。まるで、知っているかのような口振りだった。
ゼファーは視線を真っ直ぐ海に向けたまま、応えの言葉を探している。
「……いいや?」
出たのはそんな、取り繕うには不器用な声。
時々感じた違和感を、ラビィは今も感じている。ゼファーははっきり言葉にはしないけれど、彼女はラビィも知らない「ボク」を知っているかのような口振りをする。
「そんな風だったんだろうって思っただけよ」
ようやく目を合わせたゼファーは、誰ぞの舟と問いかけた時と同じように飄々としていた。裡に秘めるは一人ぼっちの心だけ。
「ねぇ、ゼファー。キミは誰を弔いに来たんだい?」
それは当然の問いで。それは真実を見抜く問い。
「弔う相手なんて、居やしないわよ」
そうして今日も何も告げられぬまま、心の中で貴女に謝る。
ラビィもまた自分と似た影を見るだけで、喉奥に殺して手を合わせた。
喜久蔵が買った舟が、船出の時を今か今かと待っている。不釣り合いな花の舟になんだかむずむずするようだ。たまにはこういった趣も許してもらいたいものである。
込める想いは、一族への哀悼だ。
「オイラのせいでみんな死んじまったわけだしなぁ」
指先で慎重につついてやれば、舟は待ってましたとばかりに波に乗って旅立った。
「さよならだぜ皆」
吊り上がった口の端は変わらず、軽薄な言葉と共に送り出す。本来随伴する感情は哀なのだろうが、喜久蔵の中にそれは見られない。あの日から最後、どこかへ喪失してしまった。
向こうへ行くのはまだ先か。神使として励む日々を課せられた鬼は贖罪を背負い生きている。
「土産話はいくらでもできらァ。そっちに行く日を楽しみにしておきなぁ」
その時はきっと、盃を交わして杯を空へ掲げるのだろう。
適当に手に取った舟は、大火という名をつけられていた。文字通り、大きな火となって死者を導けるようにだろう。そこへ翁草を添える。相反するもののように思うが、そのまま水面へと押し流した。
イレギュラーズとして成る以前は、傭兵団に身を置いていたイスナーンだが、古巣は今はもう存在しない。生き残りは自身を含めて少数いるが、先の道は分かたれた。
目を閉じればあの日の光景が過る。情報収集はまだしも、暗殺を生業にしている団なれば、胸を張って自慢できるようなものでもない。が、確かにあの日々はイスナーンの胸中に生きている。
「こういう湿っぽいのはガラじゃないが、墓参りの代わりにはなるだろう?」
誰にともなく放たれた手向けの言葉を、送った舟は運んでいく。それが送り届けられるよりも早く、イスナーンはその場を後にした。次の仕事が待っている。
祈ろう。弔おう。自分たちはたくさんの屍の先に生きている。
それぞれの想いを胸に抱き訪れた朝香と逢華は隣同士に並んで舟を浮かべていた。願う事は違うけれど。
「この舟が流れて燃えたら、弔うことができるのかな」
「そう、だね」
朝香が想うは共に捨てられ命を散らした人たちの事。貧しかった村の選択は、いつだって弱きを切り捨てる道しか残されていない。生まれたばかりの赤ん坊など、村にとって不要なものだっただろう。口減らしの印が焼き付いて離れない。
朝香だけが生き延びて、こうして未来の道を歩いている。あの場所で果てた人々を想えるのは、ただひとり朝香だけだ。
逢華が想うは奪ってきたいのちの事。この手のひらはとうに血に穢れているけれど、それでも出来る事はある。罪を忘れることはしない。それを背負い、なお救ってくれた皆の為、癒すのだと決意する。この舟はその表明だ。
いつかこの手に染み付いた穢れがおちてはくれないかと、ほんの少しだけ期待もしてしまう。暖かなぬくもりが許してくれてしまうから。
「頭領さま、奥さま、お兄ちゃん、お姉ちゃん……」
一人一人を小さく呼んで、これからも共に居たいという願いも込めた。随分とわがままになってしまった気がする。
「みんな、どういう舟を送ったんだろうね」
「うん、僕も気になるな」
先ほど分かれた背を探し、二人は波打ち際を歩いていく。帰る場所はそこにある。
流れる舟を見て思う。その舟に過去は宿っているか。その舟はさる人への願いなのか。乗せるも乗せないも自由だと言っていた。すなわちそれは、なんでもいいと同義だ。
(なにもない。だから。きっと。なんでも、できる。おなじ)
二は唯一ある手で舟を流す。その先にあるのはきっと、二と――のいくところ。だから、小さくも舟を出す。
「……。――って、なに……?」
だれ。どこ。なに。どれが相応しいかも何もわからない。だって何もないのだから。
開かれたままだった瞳が一瞬ぱちりと閉じて、二は微かに首を傾げる。何かを想っていた気がした。舟を見ていただけだったかも。
踵を返し、砂浜を歩く。灯があっても迷い子はいるかもしれない。今宵の二は舟渡の守り人。おいで、おいで、ひとりじゃないよ。
これはばぁばの好きだった色。これはばぁばの好きだった花。雪梅の選ぶものは、どれもばぁばが好きだったものばかりだ。雪梅を拾ってくれて、村の誰よりも一番大切にしてくれたばぁばの。
「ねえばぁば、覚えてる?」
なにも出来ないよって、わがままばかり言っていた昔。そうやってわがままを言えば、仕方ない子ねとたくさんのことを教えてくれた。
お料理だって、お掃除だって、なんだって。今だってそうだ、この舟もばぁばの教えがあったから綺麗に作ることができたのだから。
「……ねぇ、ばぁばがいなくても一人で何でもできるようになったよ」
もうすっかり大人になった。なにも出来なかった子供じゃあない。出来ないことの方が少なくなった。
でも、でもそうじゃない。
視界が歪む。花弁に滴が落ちて嫋やかに濡らしていく。拭ってくれる手はもうない。
「やだよぉ……ばぁば、置いてかないでよお……」
本当は、もっと、一緒にいたかった。
闇が訪れようとしている。狭間へと向けた舟は、遥か彼方で未だ健在していた。燃え盛る炎の中で、一隻、不安定に揺れている。
鬼灯は確りとその舟を見据えながら、一人の少女に想いを馳せていた。ただ一人忘れられない唯一のひと。殺した少女だ。
任務先で出会った彼女は傷だらけの姿でそこにあった。足を留めたのは、あまりに悲愴に殺してと乞われたからか。死を望む少女に考えられる先はどうあっても短い。なればこそ、手を掛けた。
――までは、良いが。その時の唇が紡いだ言葉を、未だに忘れられずにいる。
(ありがとう、か……)
その後出会った嫁殿と似た姿をしたあの少女は、今も安らかに眠れているだろうか。願った死の先に、望んだ平穏があることを鬼灯は切に祈った。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
イベントシナリオ『水葬』へのご参加ありがとうございました!
各人の想いや願い、祈りをしっかりと受け止められたらなと思います。
これを機に新たに出発をする者、胸に大切に抱く者、それぞれ沢山の道があると思います。
皆様のこれからが良きものであるよう、心からお祈りしています。
全ての舟が灯るようにと、祈雨は願います。
この度はご参加ありがとうございました!
GMコメント
祈雨と書きまして、キウと申します。
随分と久方振りですが、夏らしいイベント第二弾です。
サマーフェスティバルに便乗してイレギュラーズの皆様へお届けします。
●ご案内
おひとりさま、もしくはおふたりさまでの参加を推奨いたします。
ただし、ペアで参加の場合は人数制限がございますので、参加のタイミングにご注意ください。
●場所・時間帯
カムイグラ、神ヶ浜で行われる夏祭りの一環です。ロケーションは浜辺が中心となります。
人混みからは少し離れた場所で行われ、賑やかな打ち上げ花火ではなく、ささやかな線香花火のようなしっとり感があるイベントです。
お誘いは夕方、黄昏時と呼ばれる時間帯。舟を作成する方は、少し早い時間からご来場いただけます。
●できること
以下の2通りが出来ますが、どちらか片方に重点を置いたほうが綺麗にまとまるかもしれません。
今回は、飲食はご遠慮ください。その他、迷惑行為以外はおおよそ大丈夫です。
①舟を作る
舟、花、蝋の3種類を選び、舟作りをします。
花の種類は漢字で表わせるものは大体置いてあります。それ以外のものは持ち込みください。お任せも可。
材質などあまり難しく考えず、「舟できた!流した!燃えた!」ぐらいの気持ちだと祈雨が助かります。がっつり工作がしたい方はそれでも勿論構いません。
②舟を流す
『水葬』のメインイベントです。
故人を想い、思い出を懐かしみ、傷跡を癒し、穢れを落とす。様々な楽しみ方が出来ると思います。
何かを迎えて受け入れる、あるいは、何かを断ち切り歩み出す。そんなイメージでお楽しみください。
●ご注意
お連れ様がいる場合は、相手の名前とIDのご記載をお忘れなくお願いします。
愛称のみの場合、迷子になりやすいので、きちんと記載して頂けると助かります。
出来る限り全員の描写をしたいと思っておりますが、参加人数次第では描写が少なめとなる可能性があります。
また、白紙プレイングの場合、シナリオの雰囲気を大きく損なうプレイングの場合、描写が薄くなる可能性があります。ご了承ください。
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