PandoraPartyProject

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Weaved Álfion-tale

 まぶしい。
 清冽な陽光にまぶたを閉じる。
 肌寒い程に澄んだ大気は、六月の終わりにはまるで似合わない。
 目を開ければ穏やかな日差しが仄かに温かく、瑞々しい草花が視界いっぱいに飛び込んでくる。
 小さな花々が肩を寄せ合い、風に乗る花びらを蝶が追いかけるように舞う世界――
 そこはまるで常春の園であった。

 深緑(アルティオ=エルム)をはじめ、世界各地には古くから『妖精伝承』が伝わっている。
 妖精といってもこの『無辜なる混沌』では、単に魔物のような物から、そこに居るサイズ(p3p000319)のように異世界から来訪したイレギュラーズ(仲間)まで多種多様である。
 そんな中で、深緑に伝わっていたおとぎ話の妖精は、時に伝承の中で、時に小さな村に伝わる詩の中で、あるいは老人達の話の中で、人々と交流があったと伝えられていた。
 だがそんな妖精達の都――アルヴィオンの存在は、あくまでおとぎ話だとも思われていたのである。

 足元の瑞々しい草が津久見・弥恵(p3p005208)のくるぶしをくすぐっていた。
「……へっ?」
 太陽に手をかざした弥恵は仲間達を見渡し、一行は頷き合う。
「これは、どういう事でござろうか」
 油断なく構えた那須 与一(p3p003103)達は、何せ今の今まで、あのダンジョン『大迷宮ヘイムダリオン』を攻略していたのである。
 荒唐無稽とも思える暗黒の空間を突破して、次階層への出口を偵察した矢先の出来事であった。
 浮遊感と共に襲った目眩に首を振った瞬間……一行はここに居たのである。
「割に合わないとは思っていたけれど……」
 アルメリア・イーグルトン(p3p006810)が肩をすくめる。
 無理もない。依頼にはこんな内容はまるで含まれて居なかったのだから。
「HAHAHA、あの宇宙旅行には、まだ続きがあるのってのか?」
「聞いてなかったけどね」
 勝ち気に拳を握りしめた郷田 貴道(p3p000401)に、ロゼット=テイ(p3p004150)が答える。
「いや、これは間違いない……」
 サイズには確信があった。
「そうか、ここが……」
 ウィリアム・ハーヴェイ・ウォルターズ(p3p006562)が言葉を止めて。
「妖精郷――アルヴィオン……」
 錫蘭 ルフナ(p3p004350)が答えを述べた。

 ――発端は一つの事件であった。
 妖精郷から深緑への瞬間旅行(ショートカット)を可能とするゲート『おとぎ話の門(アーカンシェル)』が魔物に襲撃され、ストレリチアという妖精が深緑の迷宮森林警備隊に保護されたのである。
 類似の事件は頻発し、平時の警備や魔物退治等で忙しい迷宮森林警備隊は、この解決をローレットのイレギュラーズに依頼したのだ。
 いくつかの依頼を解決するうちに、事件はブルーベルという魔種と、これまた魔種であるタータリクスという錬金術師の差し金であろうことが分かり始めた。
 またタータリクスの魔物がイレギュラーズの血や髪等を採取するという不可解な事件も発生し――
 そんな時に、魔種達はゲートを強引に突破し、余波で機能停止してしまったのである。ある者はこの現象を『ブレーカーダウン』と呼称していたが。なるほどそんな所だったのであろう。
 ともかく故郷に戻ることが出来なくなった妖精達は口々にイレギュラーズへと助けを求め、ローレットもまた魔種絡みの事件(本業)とあらば乗らない訳にはいかない事態となった。
 魔種と戦い、世界破滅の野望を打ち砕くのが、イレギュラーズの使命なのだから。
 かくして妖精郷への正規ルート『大迷宮ヘイムダリオン』の踏破が開始された訳だ。
 大迷宮の内部はいずれも複雑かつ多様であり、時に荒唐無稽な空間すら広がっていた。
 そこは、あるいは『果ての迷宮』や『ライブノベル』にも似ており、イレギュラーズは何度も挑みながら階層を攻略していったのだった。
 海洋での冠位魔種や竜との決戦に新天地カムイグラへの到達と東奔西走のイレギュラーズであったが、深緑での一連の事件もまた着実に進んでいたのである。

 目的地は妖精郷アルヴィオン。
 おとぎ話の国――この常春の都であった。

「――!?」
 ほんの一瞬。視界に差し込んだ光に、アルメリアは大盾を構えて振り返った。
「これは、何かしら」
 台座の上を、巨大なクリスタルがゆったりと回っている。
 きらきらとした光は、そこからこぼれていた。
「転送装置、かな」
「まさかこの世界に取り残されたり」
 ウィリアムとサイズが述べ、ロゼットが顔をしかめた。
「今更驚きやしないさ。何だってやってやるよ。HAHAHAHA!」
「ともあれ、調べてみよう」
「そうだね」
「では私達は見張りを」
 貴道とウィリアム、ルフナはクリスタルを見上げ、弥恵と与一は仲間達に背を向けて草原の果てへと視線を送る。一行は辺りを油断なく伺いながら、台座の調査を始めた。
 どうやら有資格者『大迷宮に挑んだ者』は、深緑のゲートとこの場所とを自由に行き来できるようだ。
 つまり――
「アーカンシェルが開通した訳か」
 魔種によって機能不全に陥ったアーカンシェルの機能が、回復したという訳だ。
 そして『妖精達』だけを対象としていた転移機能が、イレギュラーズにも使用可能となったらしい。
 幸いにも、この辺りに見張りのモンスター一匹見えないということは、魔種は未だ気付いて居まい。
 ならば急げ。
 早くローレットに、この吉報を持ち帰らなければ。

 <虹の架け橋>From one to eleven,from eleven to oneの攻略メンバーが、妖精郷アルヴィオンに到達しました。
 *ストーリー関連クエスト『迷宮踏破ヘイムダル・リオン』が開始されました。

 *期間限定クエスト『神威神楽・妖討滅』が開始されています!
 *また、カムイグラではお祭りの話が出ている様です……?

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