PandoraPartyProject

ギルドスレッド

寂れた占い師の店

【雑談】ダイニング

エントランスからやや進むと、ヴァイオレットの生活スペースに入り込む。
持ち込まれたであろうカセットコンロや辛うじて生きている水道、意外にも几帳面に整えられた調理器具のあるキッチンに隣接するように、ソファとテーブルが無造作に置かれている。

「なんです?占い以外にも何か用事でもあるので?
はぁ、まぁ聞くだけ聞いてあげても構いませんけど、気の利いた回答が返って来るとはくれぐれも思わないで下さいね。
ワタクシ、人の不幸は大好きですが人自体は嫌いなので。
珈琲を飲み干したら素直に帰る事をお勧めしますよ」

そう言ってヴァイオレットは豆から挽いた珈琲を来客に出す。
砂糖やミルクはご自由に。茶請けのような気の利いたものがあるはずないでしょうとは本人の談。


※RP雑談用スレッドです、どなたでもお気軽にご利用下さい。

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それは結構。では僭越ながら入れさせて頂くとしましょうか…
(慣れた手付きでコーヒーミルを回しはじめて)

…ふむ?ワタクシの事…ですか。音色…なるほど、リア様のギフトで、ワタクシの心も旋律として聞こえてくる、という事ですか。
興味を持って頂けるのは、有り難いですが…ワタクシなどのような悪人の心の奏でる音色など、大層不快なものではございませんか?
(机に頬杖付きながら、ヴァイオレットを眺め)
貴女が悪人であるかはどちらでもいいの。
不快な音色の人だったら、あたしは近寄らない。
つまり、貴女の音色はとても興味深い、面白い旋律なのよ。
なんていうか、出鱈目なオーケストラみたいな感じ。
……やれやれ、アナタに隠し事はできぬ…という事ですか。厄介なことです
(コーヒーのドリップを待ちながら肩をすくめ)

ときに、出鱈目なオーケストラとはまた面白い表現を。
それは褒められているんでしょうかね?
勿論、褒めているわよ。
さっきも言った通り、耳障りな音色の人には近付かないもの、あたし。
…そう、ですか
(自分を悪性と思うが故に、少し複雑そうな表情を見せる)

ま…そういう事でしたら無理に突き放しても意味はありませんね。

(そう言ったタイミングで、蒸らし終えたコーヒーが落ちきる。それらをカップに注いで、テーブルまで運んでくる)

どうぞ、砂糖やミルクはご随意に。
淹れるのは慣れたものですが、お口に合うかどうかはまた別でございますゆえに

(湯気と香りたつコーヒーが、リアの前に置かれた)
どうも。あ、ミルクとかは結構よ。
あたし、甘いのよりも苦い方が好きなので。

まぁ、シキの言う通りな人よね、貴女。
(そう言うと、一人満足げにカップに口を付ける)
おや、そうでしたか。それはまた好みの合う話で。
ここの所ここを訪れる方は甘い味がお好きな方が多かったもので、ついいつも通り勧めてしまいました。
(向かいに腰掛け)

…ふむ、シキ様が?そういえば最初にも、そのようにシキ様から何かを聞いてやってきたと申しておりましたね。
そろそろ、種明かしをして下さっても良いのではないですかな?一体どんなお話を聞いたのか、興味がございます。
あら、あたしとシキの仲を探ろうだなんて、いけない事だわ?
まぁ、彼女からは「面白い人だよ」と聞いていたとだけ言っておきましょうか。
たしかにシキの言う通り、貴女は旋律だけでも十分面白おかしい人だわ。
……ねえねえ、ここに来たついでに、何か貴女の面白いお話とか聞かせてくれない?
ものすごく興味があるわ!
おや、それは失敬。いえいえ詮索しようという気はなく。単純な興味ですよ
…とはいえ、アナタのように隠し事ができぬような方であるからこそ、シキ様のような方が気を許すのも道理に思いますしねえ。

面白おかしい……ふうむ…そんな愉快なキャラではないのですがね、ワタクシは。
面白いお話と言われましても、ご期待に添えるような愉快な話は持ち合わせておりませんよ?

……ああいえ、一つありましたか…でもこれは…(口ごもる
あら、何かネタでももってるのかしら?
ねぇー、教えて教えて。
ああ、いえその…ネタと言って良いのか……
……まあ、アナタなら良いですか。今更隠し立てすることもありますまい

…ご覧の通り、ワタクシは悪に類する者で…経歴や雰囲気も血腥いものであります
そのような方とは普通、近寄る事すら厭うのが殆どでしょうが…
…ここ混沌には、アナタのように、そういったものに頓着しない方が殆どで、少々面食らっております。

中でも、特に。ワタクシを「悪」と知りつつも、ワタクシのような者を…友人と呼んで下さる奇異な方がおります。その方は…本当、毎回毎回変な事をして…

…この前なんて、自分の住まいが大爆発までしたのです。流石にそんな体験は初めてでした
ふぅん? ぶっちゃけ、ローレットにとって「悪」も活動の一部なわけだし、貴女を特別悪い奴だなんて思わないですけどね。
少なくとも、共に滅びのアークに立ち向かう仲である以上、あたし達の間に正義も悪もないわ。
あたしにとっては、いい音か、近寄りたくない音か、それだけねぇ。

って、あら、家が爆発したの?
それは大変ねぇ。
何かあったらウチにいつでもいらっしゃいね。
同じ事を別の方にも言われましたね。
…ええ、ローレットは必ずしも善ではない。その事は身に沁みて知っておりますよ。ワタクシも悪事に加担したことは一度や二度ではございませんゆえ。
そして、アナタがそんな善悪に拘る方ではないとう事も、これまでの問答で理解しておりますとも。

…そんな中でも、彼女はワタクシに変わるきっかけを下さった方なのですよ。ゆえに…そう
心の何処かで、拠り所にしているのかもしれませんね。

ああいえ、爆発したのはワタクシのではなく彼女の家で…
とはいえ、そのように言って下さってありがとうございます…ワタクシならば招いても良い、と思って下さるのは…少し、面映いものですね

…ときに、リア様の住まいとは?その身なりから鑑みるに、シスター…なのでしょうが
どのようなお住まいにいらっしゃるのかが想像できずにおります
あらそうなの?
貴女にそこまで想われる人と同じような事を感じられたってのは、なんかちょっと嬉しいかも!

って、そうだったんだ、あたしの早とちりか。
そーそー、あたしはこれでも聖職者なのよ。
神様とかに救いを求めてるわけじゃないから、まぁ殆ど形だけみたいなものだけどね。
む……そう、言われてみれば……
…口が過ぎましたかねえ、何だかアナタ相手だとつい、言わなくても良い事まで言ってしまうようです(コーヒーに口をつけながら)


くすっ…なるほど、とんだ聖職者も居たものです。
しかしまあ、そういった手合の方であってくれた方が話しやすいものです。
信仰とはあくまで人が作り出したものなれば、人を救えるのは同じく人でしかあり得ないのでしょうから。

…しかし、となると住まいは教会という感じでしょうか。
ワタクシにとっては、少しばかり居心地が悪いように思いますねぇ
別に貴女は悪い子な訳じゃないっぽいし、ウチに来てもきっと大丈夫よ。
ウチね、行き場がない子達を引き取って成長するまで面倒見ているから、大所帯なのよ。
貴女が来れば、きっとガキ共にもみくちゃにされて居心地悪い~とか考える余裕なんて持てないわ。
いえまあ…己が性分が元より邪悪であると自覚があるゆえに、そういった神聖な場所は気後れしてしまうのですよね。

も、もみくちゃ…それはそれで大変そうですね…。
なるほど、孤児院も兼ねているということですか…それはとても…立派な事ですね
ワタクシには真似できそうもありません。
おや、ノック音が…?少し失礼しますね、リア様

(席を立ち、扉へと向かう)

はい、どなたでしょう?
(扉を開けて来訪者を確認)
失礼仕る。
良い茶葉や豆が届いたので、分けに来たのじゃ。

……匂いが部屋に染みついておったでな。
こういうの、好きかと思うて。

(祭司長は、傍らに控えていた女性からバスケットを受け取ると、もう帰って良いぞと伝えて下がらせた。ちらと部屋を見て、先客の存在に片方眉を上げて、軽く目礼をする)
おや、クレマァダ様。お越し頂けたのですね。
茶葉に豆…ああ、わざわざそんなものまでお土産に持ってきて頂けるとは、感謝の極み。

どうぞ中へお入り下さい。手狭ではありますが、こちらはきちんと掃除しておりますから
よろしければそちらのソファへお掛け下さい。
うむ、お邪魔しよう。

……わざわざというほどでも。
使用人も飲むからな、館にはそれなりに数は揃えてあるのじゃ。
それを少しばかり持ってきたに過ぎん。

とはいえ良いものを揃えている自負はある。きっと満足して貰えるはずじゃ。
ふふ、それでもこうして、ワタクシの好みを慮ってお持ち頂けた事が有り難いのですよ。
せっかくなので早速お淹れしてきましょうか。ちょうど今の珈琲も切れた所ですしね。

そういえばクレマァダ様は普段お茶などは召し上がるので?
うむ。
海洋国は一年通して温暖湿潤じゃからな。
特に嗜好品や香辛料の類はよく栽培されるぞ?

机に向かう時は特に、しょっちゅう飲む。
……あまり手ずから淹れるということはせんが。
そうですね、海洋国の豆はよく購入していますが、どれも質が良くてお気に入りです。
繊細でまろやかな風味はとても味わい深くて…口の中で転がす時も良いコクを堪能できるのが素晴らしいものです
(声がどことなく弾み、いつもより饒舌に語る)


ほう、なるほど。まあクレマァダ様は高貴なお方。こういった雑事よりも大事な事がございますのでしょう。それに、その手の嗜好品は、専門の方が淹れた方が味が良くなるもの…
ワタクシも慣れてはいますが、店を営む方にはまだまだほど遠いですしね…
(ごりごりとコーヒーミルを回し、ドリッパーにペーパーを敷き、挽きたての粉に少しのお湯を注いで蒸らす。濃く、芳醇な香りが漂い始める…)

そうそう、お茶菓子は何が良いです?今あるのは…ガトーショコラ、ミルククッキー、それからフルーツタルトといった感じでしょうか。
うむ、良い香りじゃ。
やはり鮮度の良いうちに焙煎したものを空中神殿経由で持ってきた甲斐があるな。

まあ、優先順位というものもあるが……
我は、わりと何でも自分でやってしまいたい性質での。
そうすると……ほら。
女中の仕事を奪ってしまうじゃろう?
(ガトーショコラを頼む、と言いながら尤もらしく頷いた)
ヒッヒッ…そのような気遣いまで頂けて、とてもありがたい事です。

なるほど、そちらの性質の方でしたか。真面目そうな雰囲気に違わずと言った所ですかね。
それなら逆に、色々と世話を焼きたくなってしまいますねえ。
(クレマァダの話を楽しそうに聞きつつ、ドリップを見守りながら、冷蔵庫から取り出したガトーショコラを切り分け始める)

聞けばコン=モスカは、かの海の事変が終わってからとても忙しい日々だったと聞くではないですか。もうそのあたりは落ち着いたのですかな?
……嵐の前の静かさ、かのう。

アクアリア総督府が出来たのは大きい。
ソルベ卿の肝煎りの甲斐あってあすこの総督は優秀じゃ。

しかし、豊穣との国交が確立しておらん以上は喫緊の事態でなくとも考えうる限りのケースを想定し即応出来るよう供えをせねばならんから……
物流の調整、港の受け入れ態勢の増強、武僧兵団の調練、その為の金策や諸侯との調整、容赦なくやってくる年中行事……

つまり、絞首刑から真綿で首を絞められる感じの忙しさに変わった感じじゃ。
おやおや…それはまた、依然として息つく暇もないといった所でございますか。
とはいえ、信頼できる方に仕事をお任せできているのは良い事ですね。
そういったサイクルは少しずつ、関わる方々が慣れる事、新たに始まった事がルーチン化していけば今後少しずつ緩やかになっていくと思われますが…。

まあ、ともあれ今はこうしてお茶に来て頂ける程度のいとまは取って頂けているのでしょう。
ワタクシとしては此処に居る間だけでも、少しばかり息を抜いて頂けるならば幸いですがね。

(言いつつ、いつの間にやら淹れ終わっていたコーヒーの入ったカップを、クレマァダの前に差し出した)

どうぞ。頂いていた通り、やはり良い香りです。挽きたて、淹れたてがやはり一番芳醇な香りですからね、どうぞお召し上がり下さい。

(テーブルにもいつの間にやら、ガトーショコラやシュガーポット、ミルクが置かれている。すっと視界の端に影が蠢き、ヴァイオレットの足元に戻っていったような気がした)
――何事もやはり人の縁に勝る力は無いからの。
どれだけ忙しくとも、人の付き合いは欠かせん。
とはいえ……
(視界の端によぎったものを目で追うも、何もないことに首を傾げつつ)
確かに息を抜きたいというのはあった。
小煩い侍女共の相手をするのも嫌いではないが、やはり静かな空間と云うのは良いからの。

冷めないうちに頂こう。
ええ、そうでしょうとも。人はどこまでいっても人。
力と時には限りがございましょう。一人で動かせる世界には限りがございましょうしね

ゆえにこそ、高い身分の方、責務の大きな方にのしかかる人同士の都合も膨大となるのは道理…(珈琲に口をゆっくりとつけ、傾ける)

…ここは綺麗な場所ではございませんが、静寂は有ります。
俗世からも、人の流れからも隔絶された空間なれば…
アナタが幾許かでも、肩の力を抜けるのであれば、幸いですね。
隔絶された……か。
……ここは結界じゃな。

(カップを摘まんで言う。
水面の波紋は自然には起こり得ない複雑な形の漣を立てていた)

人払い……
じゃが、穴がある。
この館を望む者があれば、通れるように……

(一口に結界と言っても色々なものがある。
魔力に訴えかけるのみならず、モノの配置や方角、日当たりや水の位置など、ちょっとした工夫で人の意識に働きかけるのも魔術だ)
ヒッヒッヒ……そのように大したものかどうかはさておき…
此処は望む者でなければ足を踏み入れようともしない場所であることは確かですとも

此処は忘れられた地、ありえざる地、
多くの者が目を背け見ないふりをする…幻想国の隅の隅。
然らば、浮世と離れし空間である事は確かですとも。

それとも、こういった雰囲気はお嫌いで?
日頃より多くの方と関わり、囲まれて過ごすアナタにとって…この場所はまさに”異界”ですかな?
(ゆらゆらとカップを揺らし、一口含み…微かな吐息と共に問いかける)
嫌いではない。
……神職とて人界にて生きる者であれば、“俗”もまた仕事である。
そういう意味で、我は確かに人と関わることが多いが……

……瞑想をな。
武術にせよ、祈祷にせよ、するのじゃ。
その一時だけ、我は世界で一人だけの我になれた。
それが好きであったから、異界というのは嫌いではない。
それは何より。ワタクシも不思議と、この空間にアナタがおられる事を悪くなく思っているようでね。
…ヒッヒッ、少し前まで人を嫌い遠ざけていたワタクシが、斯様な想いを抱く事自体が…いや失敬、ただの独り言です。

ほう、瞑想を。己の中の邪気を取り除き、精神を涅槃に至らせる行為…
ワタクシには縁のない行為ですが、それが己の心神を整理する事に役立つ事は良く解ります。
そういえば…アナタは武術にも秀でるという話もお聞きしましたね。
神職であり高貴な身分でもあるアナタではありますが、その武力は一線の冒険者にも引けを取らないんだとか。それもアナタの自己研鑽の賜物ですかな?
やめい。追従を申しても何も出ぬぞ。
……研鑚などではない。これは義務じゃ。
そうあるべきと定められておる故、出来ることを行った。それまでよ。

まあ……だがそうじゃな。
武術は、わりと好きじゃ。
歌と同じくらいには。
ヒッヒッ、いいお顔をなさいますねえ、偽らざる本音とはいえ、アナタがそんな風に思い受け止めて下さるならば、打ち明ける事も悪くありませんでしたね。

なるほど、義務ではあるが、好きな事でもあると。
ストイックなアナタらしいといいますか、そういう所もまた魅力的に見えますね。
ほう、歌もお好きなのですね?
どのような歌を歌われるのでしょう。
どんな……と言うと、上手いのは祈りの歌じゃな。
じゃが、好き、というかその、思い入れというか……そういうが含まれてくると……何じゃ。
その、……笑わぬか?
ふむ?そんなにも特異な歌を歌われるのですかな?
大丈夫ですよ、笑いなど致しませんとも。趣味嗜好は人それぞれです。それが例え高貴なる方であったとしても、人の外見や立場と好みは必ずしも合致はしますまい。
どんなものであったとしても、アナタの好きなものを馬鹿になど致しませんと誓いましょう。
……特異というか、子供っぽいというか……
……わかったよ。ええと……んっ。そうじゃなあ。
…………

わたしの むねを みたすもの
きれいな おにわは わたしだけのもの
ながれる みずおと わたしだけのもの
こりこり まめを ひくおとが
つれてきたのは しずけさで
それが わたしの たからもの♪

……こー、いう感じにな。
今ここにあるものから発送を膨らませる遊びというか……
(ぱちぱち、と軽く拍手を贈る)
とても綺麗な歌声でした。まるで透き通るように響く声が、すぅっと耳を通り抜け…
胸の奥の幼き日を思い起こされるかのような歌声でした。

なるほど、ワタクシのこの場所を想って歌って頂けたのですか
とても、とても興味深い…よく見て、心に描いて下さった事が解ります。
まるでアナタの心を通して、此処を見たかのような…そんな感想を抱きますね。
…………そう、思われたのなら嬉しい。
この遊びは、我が、我(カタラァナ)と話をする為に考えたのじゃ。
そうですか…カタラァナ様と。
聞けば、かの方も歌を好んでらしたんだとか…
…カタラァナ様とは、こうして歌を通して語らっていた…ということでしょうか?
…………そう、言うと語弊があるな。
歌を通して、語らい方を学ばせた…………
というのが正しい。

……会ったことがあるのか無いのかは知らんが。
お主は、我が姉、カタラァナ=コン=モスカについていかな認識を持っておるか?
カタラァナ様…ですか?そうですね、殆ど人伝にしか存じえませんが…
穏やかで優しい方で、歌が好きで…しかしてその心の内側には虚(うろ)を持ったお方…

そうして、心の内を埋める何かを信じ、ローレットの仲間たちに想いを託していった方…
ワタクシが知るのは、それくらいですね。
……そうじゃろうな。
きっと皆、そう言った。
然れども、姉はきっとそんなこと思うても居らんかったと思う。
いや、寂しいくらいは思って居たかも知れんが。

……考えていることの丈が違い過ぎて、結局我には、何もわからんかった。
我がこの歌遊びを考えるまで、あれは歌しか歌わなんだ。
あれはこの世界の何もかもを見て居らんかった。
ただ歌だけがあって……我が不純物を混ぜ込むまでは、ただ、純粋な歌であった。
……何を言っておるのかわからんじゃろうな。我にもわからん。
考えている事の丈が、違う…ですか。

…なるほど、彼女は全てが「歌」であったと。そこに人はなく、物はなく、あるいは…”世界”すらもなく。
表現が難しい事ですが、カタラァナ様はただただ純粋なるものだったのですね。

…ゆえにこそ、彼女を知ろうとした。
彼女を知る為に、歌を学び、歌を知り、歌に言葉を、語りたい事、聞かせたい事を混ぜた…
言葉を歌に乗せて…アナタは、彼女の事を…
……が、まあ、結果は見ての通りじゃ。

滑稽なことよ。結局あれは"器"として成ってしまった。
神も吞み込めるほどの巨大な虚に。
我が成したことに、いかほど意味があったのか。
…さあ、ね。ワタクシはアナタ方の関係は知りえません。
よくやったとも、そうでないとも。根拠のない当てずっぽうは言えませんよ。


…ですが、あの時。絶望の海を包み込んだ歌を聞いた一人としての、ただただ純粋な所感を述べさせて頂くのであれば。

あの歌声は、聞くものの心を淡い温もりで包み込むかのような…"優しさ"を感じました。
真なる優しさは、心なき方には紡げますまい。
あの歌には、彼女がその時まで生きてきた全てが含まれていた。ワタクシにはそう思えてならないのです。

そしてきっと…その中には、アナタとの関わりも含まれているのではないでしょうか。
アナタが歌を通して、あの方にもたらしたもの。
それが、あの方とローレットの仲間たちを繋ぎ、そして…あの方の内に「何か」をもたらした。

それが何であったかは、ワタクシ達には知りえませんが
…少なくとも、意味がなかったなどと言った事はないと、ワタクシは考えますよ。

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