PandoraPartyProject

ギルドスレッド

潮騒の従者斡旋所

レモネード・スタンド

屋敷の前、道沿いにテーブルひとつ。

【lemonade】

テーブルには、置かれたカップと積まれた黄色の果実たち。
テーブルの向こうでは、椅子に寝そべる海種が一人。

「如何ですか、一杯?」

眠そうな目を擦りながら、彼女は伸びをして起き上がった。


※春先のとある一日を舞台にしたRP気味の雑談スレッドです。
※Remoraがレモネードを売って小遣い稼ぎをしています。
※何方でも、何人でもご自由に。

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暖かくなって来ましたもの。
冷たいものが恋しいのではありませんか?

喉の渇きは心の渇きとも……(欠伸を噛み殺して)
まあ、なんです。とりあえず足を止めてください。
良い看板代わりです。
(此の世界に降り立ってからと云うもの、毎日が驚きの連続だった)
(どのような人々が日々を営み、どのような嗜好を持ち生きているのか。バベルの力が多くの助けにはなっているものの、『よそもの』の自分が馴染むには結構な努力を要した)
(小遣い稼ぎはローレットで斡旋して貰えはするものの、其れはあくまでも自身に与えられた使命のようなもの)
(故に。結局は、そう。世界を知るには、自分の足で歩き回り、実際に見聞きをした方が早いのだ)

――ん?

(そんな日課の『探検』の真っ最中。通り掛かった屋敷の軒先に掲げられた簡素な――出店と言って良いものか。テーブルに、椅子。ぱっと見はちいさなお茶会のようにも見受けられたが)

こんにちは、すてきなおみみのおねえさん。
ね、それはうりもの?

(甘酸っぱい香りが僅かに鼻を擽れば、自然とこくりと喉が鳴った)
(気怠げに体を突っ伏す娘の、本来ならば耳が有るべき所から覗くあざやかなヒレを物珍しそうに見つめ乍ら)
(耳ヒレをピクリと動かせば、背もたれに預けた身をゆっくりと前へ起こして)

ふむ。素敵な耳と言われれば私しかおりませんし、お姉さんと言われればやはり私でしょう。
ええ、ええ。売り物ですよそこなお客様。
全く、春らしい陽気と青空に映えるお美しい緑髪で。

(言うが早いか、黄色の果実を輪切りにすると、その一枚を太陽に透かしながら)
十二分に爽やかさに満ちているところだとは思われますが、清涼な一服は如何ですか?
一杯につきコイン一枚です。
(髪を褒められれば、其のかんばせにぱっと喜色を浮かべて)
(お店やさんですよと肯定が返れば、太陽に掲げた陽色の輝きに吸い寄せられるよう、もう少しとテーブルに近づいた)

ほんとう?ふふふ、うれしいな!
僕、丁度街を探検していて喉が乾いていたんだ。
おねえさん、『さわやかないっぷく』を僕におすそ分けしてくださいな。

(告げればごそごそとベルトポーチを探り、握りしめた金貨を一枚差し出し)

おねえさんのおみみ、おひさまを浴びてきらきらしてるね。
海からやってきたの?僕、よその世界から来たんだあ。

(特徴を表に出した海種のひとを見るのははじめてなのだと、興味深げに問うて)
ええ、本当ですとも。
私の髪はどうも癖があるもので、光を受けて舞うその緑はとても羨ましく思いますわ。
(ウインクをすると、注文を受けるよりも早く、足元においた箱から氷を取り出して)

小春日和の探検とは、何とも心踊るもので。
暖かな風に漂うのもまた、水中では味わえぬ醍醐味でもありましょう。
(水晶のような氷、琥珀のようなシロップ、そんな宝石達へと水を注ぎ、淡いグラデーションをコップの中へ描き出してから)
此方をお飲みになれば、陽を浴びた身体にきっと染み渡ることだと思いますよ。
(太陽に透かした一枚をコップに添えて、金貨の代わりにと差し出して)

そうでしょうそうでしょう。
私の耳はいつも輝いておりますからね。褒められるとより一層色づいてしまいますけれども。
故郷は海ですね、お客様は……よその世界ですか。
差し支えなければ、どのような世界か伺っても?
(コインをポケットにしまうと、ストローで掻き混ぜてから飲んでくださいね、と一言加えました)
えへへ。僕のいろはねえ、母さんからもらったんだ。
おねえさんの髪もすてきだよ。雪を抱いた雲みたいだ!

(冬の空の色。高く澄んだ青に浮かぶ雲のようだと目を細め)
(左右で異なる瞳のいろもまた、ちいさな冒険者の心を惹くに相応しい鮮やかさで以って)
(おじゃましますと一声添えて席に着けば、未だ見ぬ未知に、うつくしい海種の娘のたたずまいに胸を躍らせた)

いいなあ、うみ!
父さんが言っていたよ、『海に聳えた国は良い。美味いものも好奇心を満たすものも、何でも揃う』って。
この世界の海のそばには。海に親しいひと。それに、空を自由に舞うひとびとがいるって聞いたよ。

(きっとすてきなところなのだろうと、未だ見ぬせかいに夢を馳せ乍ら)
(小慣れた手付きで注がれ行く淡い琥珀の水色に、瞳をきらきらと輝かせ。からんと小気味良い氷の音は、尖った耳を楽しませた)
(緩やかないろの波。かき混ぜるのが惜しかったけれど、喉が渇いていたのは本当だったから。くるくると言われる侭、『ストロー』なる不思議な細い筒でグラスの中身を整えて)

僕のいたせかいはね、この世界とようく似ているよ。
剣を嗜み、魔術を学び、精霊や妖精と親しむ。魔法がひとびとに寄り添う、そんなせかいなんだ。
ああ、でもでも。
集落を作って文明を伴った営みをするような種族は、ニンゲンとひとにぎりの妖精族。
……この世界で言うなら、幻想種って言えばいいのかな?うん、そのふたつだけだったから。
こんなふうにいろんなひととおはなしできるこのせかいは、ふしぎだし、とってもすてきだなあって思うんだ。

(曰く、文明レベルとしては。ちいさな冒険者の居た世界は、此方よりも少し劣るらしい)
(珍しい道具に溢れ、けれど其れが日常に溶け込んでいる。多くの旅人達が齎すもの。『これ』もまた、そうだろうか?)

すとろー?も、僕のいたせかいにはないものなんだ。
かきまぜる棒のなかがあいてるのがおもしろい……ひょっとして、これで飲めるのかな?

(其の行為はお行儀の悪いものではないかしら、と。恐る恐るに伺って)
まあ! 雪を抱いた雲とは、詩的で素敵な例えで。
冬も寒くて動きづらいことに目を瞑れば、良い季節ですからね。
(肩にかかった髪を、ふわっとかき上げて)

海のそばとは、恐らく海洋王国のことでしょう。
海に住む海種と、空を知る飛行種と、それらが地上で……まあお祭り騒ぎをしていると。

(小さな背中を丸めると机の天板に両ひじをついて、顎を小さく載せて)
似た世界であるならば、それはそれは。きっとそこもまた過ごしやすい世界でありましょう。
しかし、妖精と幻想だけというのは中々寂しげな。
何より私のような海種がいないというのは、世界として彩が足りないように思えます。

おや、それはそれは、ご説明が不足して申し訳ありません。
その管、ですね。その穴を口にくわえて吸うと、液体が口の中に運ばれるのです。
(手元にあった一本で、使用方法を説明しながら)

水中で飲み物を飲む際には手放せない一品で。
陸上でも、口元を汚さないようにするため使われることが多いですね。
冬の高くつめたいそら。いっとう星がきれいにうつる宵のいろ。
それから、まっかに色付いたりんごのいろ。
おねえさん、冬のたからものをいっぱいつめたみたいだ。

(彩の違うひとみを持つもの。其れは、ちいさな冒険者には馴染みの浅い存在だった)
(だからこそ。より一層のこと己がひとみにまばゆく映り、冒険心を擽るのだろうと)

海洋、海洋。ローレットできいたことがあるよ。
そらとうみ、ふたつの青がかさなる、すてきな国のこと。
僕のいたせかいではね。人魚や、おねえさんみたいにうみの因子をもつひとびとは、おとぎ話の中でしか生きる事ができない存在だったんだ。

(嘗て英雄たちは空と海を渡る際、人魚の歌に背を押されたのだそうだ)
(それがどうだ、今自分は、御伽噺の中でしか知り得ぬ存在とことのはを交わし合っているだなんて!)

だからねえ、僕いま、とってもどきどきしているんだよ。
旅の途中、わだつみのいとしごに出会ったんだもの!

(今日の絵日記は華やかになりそうだ、なんて。楽しげに笑い乍ら)
(『すとろー』の役割を聞いて。お行儀の悪いことではないですよ、と促されれば。恐る恐る、そうっと管を吸い、)

――おいしい!

(きんと冷えた甘酸っぱさは、旅の疲れに心地よく沁みた)
ふふ、私の双眸をかように表現いただいたのは初めてです。
お伽話の主人公となるのも吝かではありませんが、
決められたお話通りにしか生きられないのは窮屈そうですねえ。
(頬杖をついて、異なる世界へ思いを馳せて)

ワダツミの愛子……へえ、そのようなものが。
寡聞にして存じませんでしたが、何やら神秘的な響きで。

ご堪能頂けているようでなによりです。
この世界も、レモネードも。

……そうだ、ひとつ伺っても?
元の世界に帰りたいと、そう思うことはありませんか?
あはは、それもそうだ!
なにより僕は、手繰る頁のうえではなくて。めのまえにいるおねえさんとお話しているんだものね。

(母なる海の祝福あれと。ちいさな冒険者曰く、彼ら――『海神の愛子』とは、そうして平穏な旅を祈る船乗りたちが紡ぐ伝説の存在である、らしい)
(直ぐにグラスを空にしてしまうのが惜しくて、ちびちびと喉を潤し乍ら)
(齎される問いを受ければ、ちいさな冒険者はぱちぱちと睫毛を瞬かせ)

それは、もちろん!
僕はもといた世界でも旅暮らしだったから、同じ年頃のともだちはいないけれど。
父さんと母さんになんにも言わずに世界を飛びこえちゃったから。
たぶん――ううん、きっと、心配してる。

(せめて自分の安否を告げる事が出来ればいいのだけれど、と)
(眉尻を下げて困ったように笑う姿に先程までの勢いはなく、すこしばかり頼りないものだった)
まあ、やはりそれはそれは……心中お察しいたします。
ご家族と離れ離れとなるその心細さ、何と形容すれば良いのやら。
(足を組み替えて座り直せば、手を組んで神妙な面持ちとなって)

誰が呼び出したかも知りませんが、呼び出すこともできるなら……
いずれはその者が送り返すこともできましょう。
どうかその時まで、ご辛抱いただければ。

嗚呼。しかし辛抱ばかりと言うのも体によくありませんね。
この世界に、心の拠り所をご用意いただくのが一番良いのでしょうけれど。
美味しい食事、柔らかな寝床、頼れる友人……優れた従者、などなど。
(気遣か否か、後半部分はやや冗談めかすように)
僕の父さんと母さんは、傭兵なんだ。
けれど、僕にはいちども剣を触らせてくれなかった。

(隙を見て手を伸ばしたものならこっ酷く叱られたものだと、楽しげに)

これは父さん母さんと離れてから気付いたことなのだけれど……ふふ、わらわないでね。
僕、このせかいに降り立って。はじめて武器を手にした日の夜は、うれしくて眠れないほどだったのに。
いざ戦いに挑んだら。急に怖くなって、足が竦んじゃったんだ。

(そして知った。彼らは触らせなかったのではない。『触らなくても良いように』娘を育ててきたのだ)
(好んで同じ轍を歩む必要は無い。色鮮やかな景色を見聞きして、望む道を歩めるように、と)
(土壇場になって使えるようになった魔術。躓き乍らも踏み出せた、はじめのいっぽ。其れは、そう、)

僕がこのせかいに呼ばれた理由。其れは必ずしも『いいこと』ばかりじゃないとは思ってる。
それでも。このせかいがなくなってしまったら、それこそ帰り道を見失ってしまうから。

(乗り掛かった船だ。どうせなら辛抱では無く、楽しみ乍ら過ごしていたいのだと、笑って)
(歌うように紡がれる提案に、翠のひとみをまるく見開いて)

従者?
わあ、それってなんだか。王子さまみたいだ!

(格好良い!ぱちんとてのひらを重ねて鳴らして。けれど、直ぐに小さく縮こまるともじもじと視線を落とし)

でもでも。もしも僕がほんとうに王子さまになれたとしたら……。
なんでも言うことを聞くけらいよりも、なんでもおはなしできるなかまがほしいなあ。

(それってぜいたくかしら、なんて。気恥ずかしそうに視線を上げて)

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