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シナリオ詳細

<潮騒のヴェンタータ>キャピテーヌより敬意を込めて

完了

参加者 : 30 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●キャピテーヌより敬意を込めて
「へえ、こいつがねえ……」
 天之空・ミーナ(p3p005003)は一枚の円盤を、しげしげと観察するように指先でもてあそんでいた。表面に描かれた幾何学的な模様。硬質な石の感触。うっすらと黒い色。
 カジノチップのような形状をしたそれは『竜宮幣(ドラグチップ)』というらしい。
 最後に親指でピンと弾くと、それをキャッチ――しようとするミーナの下でキャピテーヌが余った袖をぶんぶん振っていた。
 キャピテーヌ・P・ピラータ。シレンツィオリゾートの代表執政官であり、大学を飛び級した才児である。
「こーらー! わたしのチップだぞー! かーえーせー!」
「分かってる。そう慌てんな」
 ミーナはあえてキャッチせずに両手を翳すと、キャピテーヌは落ちてきたチップを慌てた様子でキャッチした。
 袖の余った両手でぱちんとはさむように。
 そして、ムーッといって頬を膨らませる。
「ミーナみたいにもっと背が高ければ……」
「そのうち伸びるって」
 よーしよしといって頭を撫でてやるミーナ。
「ぅやーめーろぉー!」
 左右に揺すられているキャピテーヌ。
 そういや自分もあんなことしてたなと、イリス・アトラクトス(p3p000883)はキャピテーヌたちのやりとりを眺めていた。
「要するに、その竜宮幣を沢山集めれば深怪魔を封印できるのね?」
「深怪魔問題はシレンツィオじゃ特にでかかったもんなー」
 新道 風牙(p3p005012)はキャピテーヌが大事そうに持っている竜宮弊をじーっと見つめながら呟いた。
「あいつらのせいで二周年記念のクルーズツアーができなかったんだろ?」
「ちゅ、中止になったわけじゃないのだ。この問題が片付いたらちゃんとやるのだ!」
 実際フェデリア島のまわりを一週するだけのクルーズはするし! とフォローを重ねるキャピテーヌ。風牙がにかっと笑った。
「ま、折角平和になった海だし、文字通りの『乗りかかった船』だしな。付き合うぜ、その問題ってやつに!」

 海底に都市をもつ『竜宮城』よりやってきたギャルことマール・ディーネー。
 彼女がいうには、竜宮城の神器『玉匣(たまくしげ)』をもってすれば深怪魔を封印できるという。
 しかし玉匣は何者かに破壊され、その力が竜宮幣となって海域のあちこちへと散ってしまっているのだ。

「メーア……乙姫様? ならチップの場所がなんとなく分かるっていうんだから、探す方は楽よね。言われた場所へ取りに行けばいいだけなんだし」
 イリスはうーんと両手を組んで高く突き上げると、気持ちよさそうに背伸びをした。
 空は青く晴れている。
 少しばかり前までは聞こえていた海猫の声はなく、周囲に広がっているのは海の波音ばかりだ。波音が重なりすぎて、もはや無音にすら思える。
 そう。ここはキャピテーヌの出した船のうえ。
 竜宮幣があるという海底遺跡の直上である。
「よっしゃー! やってやるぜー! アザラシの見せ所だな!」
 ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)が掲げたガトリングをぐおんぐおんしながら両手をぴちぴちやっていた。
「今から海底まで潜って、竜宮弊を飲み込んじまったらしい深怪魔たちをやっつければいいんだな!? 分かりやすいぜー! うおー!」
 なんか分かりやすくテンションをあげたワモン。
 準備運動(?)をすると、いつでも飛び込めるぜといって海老反り姿勢をとってみせた。

●海乱鬼衆のとりで
 竜宮弊集めはシレンツィオリゾート開拓二周年記念のサマーフェスティバルにイベントとして組み込まれ、各国代表は愉快なマニフェストを掲げて遊んでいる。
 豊穣の代表は瑞の像を一番街に建てるというし、海洋の代表はソルベが入っていた卵の殻を見せるという。
 ラサは大使館を建てるなどと言っているが、そもそもラサの影響力は実効的だし大使館くらい建てようと思えばいつでも建つだろう。鉄帝も鉄帝でリトル・ゼシュテルに自治権を持たせると言っているが、はなからさして干渉されていない。
 要はお遊びであり、イベントであり、ゲームなのだ。
「金にはなんねーのか?」
「なりませんが、かわりに乙姫様がより強い加護を与えてくださるそうですよ」
 竜宮弊の写真を眺めるキドー(p3p000244)。巷では竜宮弊の話題でもちきりなのだが、得られるものが富や名声ではなく加護だということで、これに食いついているのは今のところローレット・イレギュラーズたちだけだ。
 バルガル・ミフィスト(p3p007978)がヘヘヘと悪人面で笑う。
「竜宮城の加護はダカヌ海域だけでなく、シレンツィオ(フェデリア島)内にも有効です。よい武力背景になるのでは? きっと用心棒仕事も捗りますよ」
「水着きてねーと加護うけらんねーんだろ!? 海パン一丁で用心棒する頭ハッピーなやつがいてたまるかよ!」
 などと言いながら、二人は三番街の港までたどり着いていた。
 そこにはまぶしいほど堂々とした水着姿のモカ・ビアンキーニ(p3p007999)。
 この島にも展開しているチェーン店Stella Biancaの船型出張店舗のデッキでゆうゆうと肉を焼き始めていた。
 モカは水着の上からエプロンをつけるというなんともハッピーな格好になると、二人へと振り返る。
「遅かったな。二人とも」
 サングラスを額へあげて、モカは笑った。

 話は数日ほど前。竜宮弊の話が出る以前まで遡る。
 この島で商売をするためにと無番街に顔を出したモカは、この街における何人かの顔役へと挨拶を済ませていた。
 キドーとバルガルも、それぞれの領地から人を派遣しているという点で顔役として知られており、そして彼らだからこそ知る噂もあった。
 ――気になる話はあるか?
 ――まあ、あるっちゃああるが……。
 渋々といった様子で切り出したキドーの話は、なんとも眉唾な話であった。
「曰く、豊穣から流れてきた海賊たちは一様にこの島に眠る『お宝』を目指していると?」
 船型出張店舗のデッキにて。話をかいつまんで聞いていた黎明院・ゼフィラ(p3p002101)がビミョーな顔をした。
 マリエッタ・エーレイン(p3p010534)も気持ちは同じらしく、何か言いたげなゼフィラに先を促すように問いかけた。
「この島は、もう隅々まで開拓されていませんか?」
「そうだな。有り余る資本を使って隅々まで調べられているはずだ。優良な資源があれば真っ先に確保されているだろうし、あれだけの高層ビルを山ほど建設したということは地面も掘って地盤を調べたはずだ。海賊をこの島へ投入するためのホラ話だと見るのが自然だろう」
「自然……なんですけどねえ」
 マリエッタが振り返ると、酒瓶で乾杯するキドーとバルガルがいた。
 瓶をラッパ飲みするとこちらへと振り返る。
「『あるかもしれねえ』ってのがロマンなんじゃねえか」
「一攫千金。夢がありますねえ」
 キドーはともかくバルガルはなんとも感情のこもっていない言い方だ。
 モカが苦笑してエプロンの位置を直す。
「とはいえ、無駄な探索にはならないだろう。海賊の連中が海底からいくらかの竜宮弊を回収したらしい情報もある。ある意味では、それがお宝だとすら言えるかもな」
 船の行き先はフェデリア南東部。海洋王国の開拓予定地域だが、まだ手つかずな小島も多く一部は海賊が棲み着いているという話だ。
「海賊どもを締め上げれば宝のありかを吐くって? 俺らを動かすための、それこそホラ話かもしれねえが……ま、島でサンドイッチ食ってるだけってのも飽きてきたとこだしな」
 いっちょやってやるか。と、キドーはシャツを脱ぎ捨て海パン一丁の姿となった。

●鉄帝海軍、出航す
「マリィ、海ですわー! 船出ですわー! 船出と言えばラム酒で乾杯オロロロロロ」
 夜船に虹を架ける(最大限綺麗な表現)ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)。
 その背をさするマリア・レイシス(p3p006685)。
「夜の海も素敵だねヴァリューシャ。追加のラム酒は一杯あるよ。飲む?」
「飲みましゅわー!」
 彼女がのっているのは見るからにガチガチの軍艦。
 フェデリア島西部。帝国開拓地の湾部より出航したこの船は、フェデリア島から大量に出入りする商船や客船とは根本的に異なる、武装した船なのである。そして位置関係からも分かるとおり、鉄帝国の船だ。
 そしてもう一つ明記するなら、夜の海にライトをたいて進む船はこれに加え数隻。
 『艦隊』などと呼ぶとさすがに大袈裟だろうか。このシュバルツオーレ号の他はみな小型船だから。
「サイラス……本当にこの人達を乗せて良かったんですか?」
「皆まで言わないでください」
 この船を任されている二人の鉄帝軍人。サイラス、そしてクゥイル・グレイベアードは顔を見合わせていた。
「一度矛を交えたとは言え海洋王国は同盟国。むしろ、交えたからこそこの豊かな海を平和的に分割できたのです。そして、だからこそ――」
「それこそ、『皆まで言うな』だ」
 黒い手袋に黒いコート。闇に紛れるようにして立っていたのはジョージ・キングマン(p3p007332)。
 海洋王国を拠点とした商会『キングマンズポート』のトップであり、その闇深い背景をささえる海洋マフィア『キングマンファミリー』のボスだ。
「『このような作戦』が計画されるのは必然だ。そして、我々は適任と言えるだろう」
 そもそもにして私掠船海賊を公然の秘密として抱える海洋王国のこと。『キングマン』も広義にとらえれば海洋王国の戦力といえるだろう。
 そしてもう一人。彼の黒い出で立ちと正反対に、真っ白い海洋海軍の制服を纏ったアンジュ・サルディーネ(p3p006960)がジョージの発言に頷きを返した。
「今日は国家の垣根とか一旦忘れて、一緒に作戦を頑張ろうね。大体人類なんていわしを食べるか食べないかの二種類しかいないんだし」
 彼女は海洋王国の士官候補生であり、海洋生物を専攻する学士であり、更にはいわし検定一級の資格をもつ才女である。なんか要素がエンジェルいわしに偏っていて派手だが、俯瞰してみるとかなり有望な海洋海軍兵と言えるだろう。
 キングマンといいアンジュといい、そのものずばりの海軍を連れてこないのは海洋王国のもくろみあってのことと言えそうである。
 実際、鉄帝側も海軍を出してきているといっても彼らは鉄帝国の制服によって併合された軍人という背景をもっている。どちらも純粋に国の代表と言いづらい微妙な立場なのだ。そしてだからこそ、言い訳も立ちやすい配置といえる。
 そんな海洋の『キングマン&サルディーネ』と鉄帝の『サイラス艦隊』。そしてその仲介となりうる『ローレット』。この三つを一つのチームとして結成し、ダカヌ海域に出没する『新種の幽霊船』を退治するという作戦が計画、実行されたのだ。
 これは、何かあっても互いに利益や損益が偏らないようにという配慮であり、同時にローレットが関わると両国が干渉しづらいという保険でもあった。

「改めて説明をしましょう」
 夜更けて、暗い船室にランタンをかけたクゥイルは壁際の黒板にチョークを走らせる。
 描かれたのは一隻の船。上には大きなハテナマーク。
「この海域に出没する『新種の幽霊船』。船と呼ぶには穴だらけで、外観からは幽霊船に近いのですが、襲われた商船等の証言によると異様な速さで航行し、潜水能力はおろか水上に飛び上がったり強力な魔法による砲撃を行うといったケースもありました。
 更には、船の周りには大型の深怪魔が目撃されており、何らかの関係があるものと思われます」
 マークの周りにマンタやサメのような絵を描いてから、クゥイルは『質問は?』と振り返った。白いフクロウのような印象をもつ彼女と黒いミミズクめいたサイラスが並んでいる風景は随分と絵になる。
 マリアとヴァレーリヤは黙って周りの様子をうかがい、視線を受けたジョージも一度だけ視線を返すのみに留めた。アンジュに至ってはエンジェルいわしと戯れている。要するに『立場のある自分からは言わない』という意思表示である。
 なので、マリアが代表したように手を上げた。
「海域や周囲の様子からして、それは新手の深怪魔なんじゃあないのかい? 例えば船を背負った巨大ヤドカリや、昔絶望の青に出現した動く珊瑚に覆われた幽霊船型モンスターのような」
「当然の疑問ですね。私達もそれを最初に疑いました。けれど……『歌』が聞こえるのです」
 ハテナマークの隣に音符のマークを書き、波線をくわえた。
「女性の歌声で。それを聞くとつい歌の主を助けたいという気持ちが湧いてくる。それゆえに船に近づいてしまい、攻撃をうける……と」
「ん、んん……」
 マリアがなんとも微妙な顔をした。
 人間の声真似をしておびき寄せて人間を食う怪物、という話を思い出したのである。
 クゥイルは眉を寄せた。
「言いたいことは分かります。けれど、誰かが捕らえられていて助けを求めているのなら、助けなければなりません。第一、襲われるのが分かっているのなら戦力を整えれば良い。今回は充分な戦力が整っていると、私は確信しています」
 そこでやっと、ジョージとアンジュは頷くことで同意を示した。
「俺たちの役目は、いるかも分からない歌姫を助けに、モンスターだらけの幽霊船へ挑むこと……というわけだ。実にやる気が出る話じゃあないか?」
 皮肉を感じたのだろう。しかし、ヴァレーリヤの様子は明るかった。ラム酒樽を空っぽにするまで飲んだからというのもあるが。
「なにはともあれ、この鉄帝・海洋合同作戦。成功させましょうね!」

GMコメント

 シレンツィオリゾートから始まる物語。突如明らかとなった竜宮城の存在と、深怪魔封印するための手段。
 イベント的に始まった竜宮弊探しに加わりましょう。

※このシナリオは長編シナリオです。シナリオは複数のパートに分かれており、特定の書式によって配置するパートを選択できます。
 また、いずれかのパートが成功した場合このシナリオは成功扱いとなります。

●特殊ルール『竜宮の波紋』
 この海域では乙姫メーア・ディーネ―による竜宮の加護をうけ、水着姿のPCは戦闘力を向上させることができます。
 また防具に何をつけていても、イラストかプレイングで指定されていれば水着姿であると判定するものとします。

●特殊ドロップ『竜宮幣』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『竜宮幣』がドロップします。
 このアイテムは使用することで『海洋・鉄帝・ラサ・豊穣』のうちいずれかに投票でき、その後も手元にアイテムが残ります。
 投票結果が集計された後は当シリーズ内で使える携行品アイテムとの引換券となります。
 ※期限内に投票されなかった場合でも同じくアイテム引換券となります

■■■プレイング書式■■■
 迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
 大きなグループの中で更に小グループを作りたいなら二つタグを作ってください。
・三行目:実際のプレイング内容

 書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。

■■■パートタグ■■■
 以下のいずれかのパートタグを一つだけ【】ごとコピペし、プレイング冒頭一行目に記載してください。

【キャピテーヌ】
 ※このパートは主に水中戦闘が行われます
 フェデリア島の執政官キャピテーヌと共に海底遺跡へ挑みましょう。
 主に水中でのバトルとなります。水中行動スキルや自前のアイテムを持っていると有利になります。
 もしスキルがなくてもキャピテーヌから『水中行動(弱)』の装備をレンタルできるので戦闘自体は可能となるでしょう。
 出現するのは深怪魔たち。彼らは竜宮弊を飲み込んでしまっているらしく、倒さなくてはゲットできません。
 敵の数がそれなりに多いですが、特に気をつけるべきは――
 メリディアン&ヘールポップによるBS攻撃。
 レーテンシーがカバーに入ったときの攻めづらさ。
 エバーシルバーを放置しておくと治癒が厄介なので打ち破るためのバリア対策。
 ――の三つとなるでしょう。集まったメンバーの特性を活かして戦ってみて下さい。
 深怪魔の戦闘能力と名前は以下の通り。

・ヘールポップ:上半身がサメで下半身がタコの深怪魔です。牙による強力な近接攻撃のみならず、墨を固めて作ったナイフを次々に飛ばす範囲攻撃魔法や墨による攪乱を行う器用な魔物です。ナイフには【出血】、墨煙幕には【暗闇】【凍結】の効果があります。強力な個体の場合BSのランクが上がっているものもあります。
・エバーシルバー:リュウグウノツカイ型の深怪魔です。銀色に光る魔法を放ち、味方の治癒や自身の防御を行います。HPやAPを回復する魔法や、自身の防御・抵抗・最大HPをアップさせる魔法を使うほか、カウンター瞬付による【物無】のバリアを自身に付与することがあります。
レーテンシー:巨大なオオムガイ型深怪魔です。殻にこもることで高い防御力を発揮し、カウンター魔法を用いて【棘】効果を自らに付与します。また、その頑強なボディを回転させながら突進するなどの攻撃も可能です。
・フォアレスター:半魚人型深怪魔です。首から上に魚がまるごと乗っているような造形をしており、人間と同じく武器をもって戦います。他のネームドのような特殊な個性をもちませんが、武器の持ち替えなどによって様々な状況に対応します。

【海乱鬼衆】
 ※このパートでは主に地上での戦闘が行われます。
 開拓予定地区に棲み着いた豊穣海賊こと海乱鬼衆(かいらぎしゅう)の討伐です。
 彼らはダカヌ海域の海底から竜宮弊を獲得しため込んでいるので、彼らを倒してそれらを奪うだけでもかなり意味があります。
 彼らは洞窟を住処としており、入り口前には見張り。中に入れば軽度の罠と防衛戦力がそれぞれ迎え撃ってくるでしょう。
 ちなみにこのあたりも竜宮の加護範囲内なので、水着姿で戦うことで加護を得られます。素敵ですね。

 洞窟の奥はかなり大きな空洞となっており、海賊の中でも戦闘力の高い頭目クラスが控えているでしょう。
 といっても、彼らが緊急脱出手段をもっていないとも限りません。
 『全員で一丸となって安全に進む』『ここはまかせて先に行け作戦で迅速に奥へ進む』のうちどちらかの作戦を選ぶ必要があるでしょう。
 前者なら味方の被害を少なくでき、後者は危険がある反面頭目クラスを逃がすリスクが減ります。

【合同艦隊】
 ※このパートでは主に船上での戦闘が行われます。
 海域に出現した謎の幽霊船を退治すべく、海洋・鉄帝の合同チームが結成されました。
 旗艦となるシュバルツオーレ号を中心に小型船の集団で幽霊船&深怪魔へ挑みます。
 小型船はいくつかあるのでどれにのってもいいですが、自前の船を持っていると戦闘判定が有利になります。
 またこのあたりも竜宮の加護範囲内なので、水着姿で戦うことで加護を得られます。いいですね。

 出現する敵は以下の三種。
・幽霊船:謎の幽霊船です。女性の歌がなぜか聞こえてくるらしいです。戦闘力は不明ですが、『フォアレスター』という半魚人型深怪魔が乗っており射撃などによってこちらに攻撃してきます。
・エピゴウネ:巨大マンタ型深怪魔です。飛行能力によって相手の頭上をとり、卵形の爆弾を次々に下方へ発射することで爆撃を行います。爆撃は高い攻撃力のほか【業炎】【足止】【飛】といった厄介なBSを持っています。ですが上を取られると爆撃ができなくなるためかなり無防備です。
・メリディアン:巨大な白い鯨型深怪魔です。高いHPとAP、そして魔法の力を持っています。水を固めて槍のようにして放ったり、ジグザグに曲がる青白いビームを放ったり、ビームを拡散させ雨のように降らしたりと隙の無い魔法攻撃を行います。これらの魔法には【感電】【麻痺】【呪い】といったBSがあります。

  • <潮騒のヴェンタータ>キャピテーヌより敬意を込めて完了
  • GM名黒筆墨汁
  • 種別長編
  • 難易度NORMAL
  • 冒険終了日時2022年08月06日 22時14分
  • 参加人数30/30人
  • 相談7日
  • 参加費100RC

参加者 : 30 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(30人)

ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)
泳げベーク君
キドー・ルンペルシュティルツ(p3p000244)
社長
セララ(p3p000273)
魔法騎士
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
木漏れ日の優しさ
イリス・アトラクトス(p3p000883)
光鱗の姫
イルミナ・ガードルーン(p3p001475)
蒼騎雷電
ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)
祈りの先
アルテミア・フィルティス(p3p001981)
銀焔の乙女
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
黎明院・ゼフィラ(p3p002101)
夜明け前の風
天之空・ミーナ(p3p005003)
天駆ける神算鬼謀
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
マリア・レイシス(p3p006685)
雷光殲姫
茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)
音呂木の巫女見習い
アンジュ・サルディーネ(p3p006960)
海軍士官候補生
ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)
生イカが好き
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
バルガル・ミフィスト(p3p007978)
酔狂者
モカ・ビアンキーニ(p3p007999)
Pantera Nera
マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)
不運《ハードラック》超越
ヲルト・アドバライト(p3p008506)
幻想の勇者
三國・誠司(p3p008563)
一般人
アーマデル・アル・アマル(p3p008599)
灰想繰切
金枝 繁茂(p3p008917)
善悪の彼岸
マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)
想光を紡ぐ
Я・E・D(p3p009532)
赤い頭巾の魔砲狼
ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)
開幕を告げる星
裂(p3p009967)
大海を知るもの
マリエッタ・エーレイン(p3p010534)
未来への葬送
夢野 幸潮(p3p010573)
敗れた幻想の担い手

リプレイ

●あの日夢を乗せて漕ぎ出した船のゆくえを知っているか? 出航に歓喜の声をあげて、それきり忘れてやしないか。
「敵影発見。ステラビアンカII号、戦闘形態へ」
 『Pantera Nera』モカ・ビアンキーニ(p3p007999)は双眼鏡を下ろすと片手でビッとサインを出した。
 船に乗り込んでいた『一般人』三國・誠司(p3p008563)がせかせかとキッチンセットを鉄板で覆うなどしはじめる。
「勝手に変形してくれないの!?」
「キッチンワゴンは手動で整えるものだ」
「船じゃん!」
 誠司はアロハシャツに海パンというラフな格好で一通りの作業を終えると、堂々としたビキニ姿のモカへ振り返る。
「ま、美人の船に乗れたのはラッキーかな。ほんとはバカンスしに生きたかったけど……巨乳なバニーちゃんのタメならしかたないよね!」
 準備完了と呼びかけ、ドラムバッグから大砲を引っ張り出す誠司。
 絶望の青を越え、豊穣郷で自らのルーツに触れた思い出が蘇る。
 振り返ると、海面から巨大なマンタ型の深怪魔が空中へと浮きあがりこちらの上をとろうと高度を上げ始める。
 『エピゴウネ』という深怪魔だ。どうやらエピゴウネが先行し、その後ろに見えている五隻ほどの幽霊船と一体の鯨型深怪魔『メリディアン』が後方から射撃をしかけるという作戦だろうか。
「あれを放置していては、味方の部隊が幽霊船に接近できなくなりそうですね」
 『想光を紡ぐ』マグタレーナ・マトカ・マハロヴァ(p3p009452)が船のデッキにてジェットパックを背負うと海水の噴射によって高く飛び上がった。
 この夏のために仕上げたという、金の花をあしらった白ドレスのような水着が爽やかに海風に靡く。
「この姿勢では砲撃ができません。まずはミクニさん」
「了解! 任せて!」
 大砲に折りたたんでいたレバーを展開。操作すると、方針から開いたスコープでエピゴウネへと狙いを定めた。
「くらえ!」
 高度をあげ爆撃を始めようとしていたエピゴウネへミサイルが発射される。相手を挑発するかのようにおかしな軌道を描くミサイルは着弾と同時に不思議な爆発をおこし、エピゴウネの軌道を誠司へまっすぐ突っ込むコースへと変えさせる。
「着弾確認。二人とも上へ!」
「お見事です」
 マグタレーナはジェットパックを使ってエピゴウネの上をとると、その巨体の背へと着地した。同じく跳躍し、空中をけることで三角跳びをかけるモカ。
 反転したムーンサルトキックがエピゴウネの頭部を蹴り落とすような軌道ではしり、エピゴウネは腹部から卵形の爆弾を大量に落としながらモカの船へと激突。覆い被さるような姿勢をとった。
「ウ、ウワー!?」
「耐えろ三國」
「そんな!?」
 マグタレーナはそんなエピゴウネの背のうえからメイスを握ると、高く掲げて刻まれた聖句を詠み上げた。
「――『前進せよ。恐れるなかれ。主は汝らを守り給わん』」
 零距離からたたき落とすように繰り出した魔術砲撃がエピゴウネのボディを貫いていた。
 直撃だったのだろう。ぐったりと脱力したエピゴウネがそのままずるずると海中へとすべり沈んでいく。
 マグタレーナは起用にジェットパックを操作して自らの船へと戻ると、拡声器を手に取り後続の船へと呼びかける。
「露払いはお任せ下さい。そちらはメリディアンと幽霊船を」
「ありがとう! なら鯨は任せて!」
 『いわしプリンセス』アンジュ・サルディーネ(p3p006960)は羽根のついた可愛らしい水着に海洋海軍の軍服を羽織るというなんともアンジュの二面性を現した格好で腕を組むと、『魔法騎士』セララ(p3p000273)の操舵する『ドルフィンコメット号』のデッキで目をキラリと光らせた。
「幽霊船は任せるよ。私は艦隊を護るね! いわし(パパ)の皆、いくよー!」
 天に指を掲げるとアンジュ。すると無数のいわしが海面から飛び上がり、空中をうねるような軌道をえがくとそのままメリディアンめがけて突っ込んでいく。
 メリディアンもまた海水を凝縮させた球体を無数に作り出すとドルフィンコメット号めがけて次々に発射する。
「大天使いわしエルの祝福がありますように!」
 アンジュが叫ぶと、更に海面からとびだしたいわしの群れがメリディアンの射撃から船を庇うようにぶつかっていく。
 巨大な鯨一匹と大量のいわしというダイナミックな戦いに、アンジュは『パパ、そこだよ』と囁いてメリディアンの額を指さした。
 その時である。同じ船から助走をつけて飛び上がった『銀青の戦乙女』アルテミア・フィルティス(p3p001981)が長いレースのスカートを靡かせた。
 黒薔薇もようのスカートは風に広がり、頭に被ったつば広の帽子の影からアルテミアのオッドアイが光る。
 魔力が風を捕らえ、加速を始め矢尻(アローヘッド)のようにメリディアンへと突っ込んでいくアルテミア。
 迎撃しようと弾幕をはるメリディアンだが、アンジュの放った(?)いわしが次々に間に入ることでアルテミアを護り続けた。
 そしてついに、アルテミアは青い細剣を抜刀。メリディアンの額めがけて突き立てた。
 青白い光が走り、それはメリディアンの巨体を貫通するほどの衝撃をもって突き抜けて行った。
 そんな彼女を押さえ込もうと暴れるメリディアン。
「アンジュちゃん、アルテミアちゃん!」
「ここは任せて先に行って! 私は大丈夫だから!」
 アルテミアは反撃を避けるべく空中に飛び上がると、メリディアンの弾幕を器用に回避した。
「助けたいと気持ちが湧いてくる歌声がする幽霊船ねぇ……。
 周囲に魔物が多数居るなら質の悪い疑似餌で済むのだけれど、深海魔が絡んでいるとなると誰かが捕まっていてもおかしくはないのよね……」
 直撃コースの弾を剣で切り裂くように払うと、帽子を片手で押さえる。長いリボンが遅れて大きく広がった。
「まぁ、何をするにしても幽霊船そのものを放置するわけには行かないし、トコトンまで深海魔を倒して、謎の歌姫の真相解明、或いは救出をすればいいわ!」

 メリディアンたちを仲間に任せ、セララはドルフィンコメット号を加速。幽霊船へと進路をとる。
 が、そんなセララの背に呼びかける声があった。
「セララさん!」
 アンジュだ。まだ何かあったのだろうかと振り返ると、アンジュはシュバルツオーレ号へ乗り移る準備をしながらセララにハンドサインを出していた。
「『センサーに反応がある』よ」
「――!」
 あとはお願い。アンジュはそうとだけ告げるとロープをつかってシュバルツオーレ号へと飛び移っていった。
 彼女の言葉の意味を考えながら、セララは幽霊船へと視線を向ける。
 ゆっくりと左右に広がる陣形をとる船。数はおよそ五隻程度だ。
「幽霊船……か」
 ここは絶望の青。それもリヴァイアサンとの戦いがおきた海だ。
 あの日沈んだ船の数は計り知れず、失った命も数えればきりがない。
「もしかしたら、あのとき沈んだ船の一隻かもしれないね」
 ややあって、歌が聞こえ始めた。
 子守歌のような、誰かをなだめるような、優しい歌声だ。
 罠の可能性を警戒したセララだったが、アンジュの言うように『人助けセンサーに反応があった』のだとしたら――。
「早く、助けてあげないとね!」
 幽霊船とセララの船がすれ違うようなコースをとる。セララの船を左右から挟む形だ。突き出た大砲が一斉に火を噴き、ドルフィンコメット号の外板をことごとく破壊――するが、セララは一人その甲板から跳躍。靴から魔法の翼を広げると、アイススケートのような動きで幽霊船のひとつへと飛び移った。
 そして。
「――ギガセララブレイク!」

 真っ赤なカラーリングに狼のような船首像。掲げられた旗には林檎のマーク。
 デッキに立つ『赤い頭巾の魔砲狼』Я・E・D(p3p009532)はダイバースーツのファスナーを首まであげると、翳した手に応じるように黒いオーラを展開させた。
 まるで洞より飛び出したかのように現れた巨大な骨の魚は空中を泳ぐようにぐるりとЯ・E・Dの周囲を回り、跳躍したЯ・E・Dはその背に跨がり海中へと飛び込む。
 幽霊船のデッキに集まった半魚人型の深怪魔『フォアレスター』たちが水中銃を手に次々に海中へと飛び込んでいく。当然、Я・E・Dを警戒してだ。
「悪いけど、船は止めさせて貰うよ」
 見るからに穴だらけの、とてもではないか航行できないような船だが……これ自体が巨大な深怪魔である可能性はある。Я・E・Dはフォアレスターたちの射撃を骨の巨大魚を乗りこなすことでかわすと、黒いオーラの中から引っ張り出したマスケット銃を一丁フォアレスターに向けた。
「いっくよー」
 水中であっても問題無く放たれた弾丸がフォアレスターの一体を貫通。頭を破壊するとパッと赤い血を海中に咲かした。
 直後、Я・E・Dの乗っていた船が幽霊船に激突。
 無理矢理動きを止めたところで、Я・E・Dは海中を撫でるように手をかざしながら幽霊船脇を駆け抜けていく。
 次々に現れたマスケット銃が次々に幽霊船の底板めがけて射撃を開始。
 船もろとも破壊しきれるかどうかは定かでないが、足止めとしては充分すぎるだろう。
「エピゴウネもメリディアンも仲間が対応してくれてるからね。安心して足止めに集中できるよ」
 足止め。つまりは、本命の攻撃役がいるということである。
 それが誰かと言えば――。
「いくぜグッディ、オレたちの絆の力を見せてやろうぜ!」
 『よをつむぐもの』新道 風牙(p3p005012)はコメットクルーザーの操縦桿中央部に手を押し当てると、刻まれた勇者の紋章が青く輝いた。
 船体についた無数のスラスターからジェット噴射が起き、ここぞとばかりに幽霊船へと突撃。
 幽霊船が大砲による砲撃を行うが、コメットクルーザーを覆った青いバリアが砲弾を弾く。
「誰かが囚われ、救いを求めているのなら、助けにいかなきゃ。
 助けを求めているのに誰も手を差し伸べてくれない、なんてのは、辛すぎるしな……」
 手に取る槍、烙地彗天。風牙はそれをくるくると回転させると両手でしっかり構え、激突の衝撃に備えた。
 転倒しないようにではない。どこかに身体をぶつけないようにでも、船から落ちないようにでもない。
「――今だ!」
 激突の瞬間に走り出し、跳躍。
 まるで誰かが風牙を放り投げたかのようにピッタリのタイミングで跳躍の勢いを増した風牙を、フォアレスターたちが驚きの表情(?)で見上げていた。
「――『奪塞』!」
 槍を振り下ろすフォームで繰り出した気の爆発。着地点を中心とした放射状の衝撃がフォアレスターたちを吹き飛ばしていく。
「で、その助けを求めてる船ってのはどの船なんだ!?」
 風牙はきょろきょろと見回すが、歌が自分がのっている船から聞こえているという感じはしない。
「少なくともこの船じゃない……か。なら、思い切り暴れればOKってことだな!」
 風牙は遠隔操作スイッチを押し込むと、コメットクルーザーにセットされたツインビームランチャーが火を噴いた。素早く身をかがめた風牙の上をこえ、剣を抜いて群がろうとしたフォアレスターたちをなぎ払っていく。
「この船は俺たちに任せろ! 奥の船を頼む!」
 風牙の声に応えたのは、横をすり抜けるように走って行く『敗れた幻想の担い手』夢野 幸潮(p3p010573)の船、『ドレッドノート』である。
 船にはシュバルツオーレ号から乗り移った何人かの仲間達。
「幽霊船から歌、か。船を惑わせる伝承は幾つもある。これも、その一つかもしれないが……」
 デッキの縁についたバーを掴み、『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)は靡くネクタイをおさえる。
「万一、誰かが利用されているという事もある。確かめない訳にはいかないな」
「そして高ーく恩を売りつけてお酒を……おほほほ。ジョージもマリィも頑張りましょうねっ!」
 ネッ! とウィンクのしそこない見たいな顔をする『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)。
 それでどうやら通じたらしく、『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)が両手をバタバタとさせた。
「うん! ヴァリューシャ! 頑張ろうね! 今回はジョージ君達もいるし心強いよ!
 それに幽霊船ってなんだかお宝のにおいがしないかい!? 私はするよ!」
 二人の様子に、ジョージは苦笑を浮かべた。
「そうだな。仕事が上手く行けば祝杯といこう。奢るぞ。流石に、樽では出せないがな」
 そう述べると、船の横にシュバルツオーレ号が並走してきた。
 手袋をはめ、船室へと入っていくサイラス。
「こちらは艦砲射撃で援護します。クゥイルは式神を下がらせ、甲板から魔術によって援護を。また式神が敵に撃ち落とされますよ」
「わかっていますよ」
 クゥイルは指笛をふくと白いフクロウのような式神を戻らせ、自らの腕にとまらせた。
「それでは皆さん。敵船への乗り込みは任せても?」
「ああ、問題無い」
 『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)は両の腰にさげた革のホルスターから二本の剣を抜いた。ひとつはカタールタイプの短剣。もうひとつは刀身に等間隔の溝がある片手剣だ。
「しかし……妙だな。あの幽霊船からは確かに霊の気配を感じる。
 なのに乗組員は『フォアレスター』――半魚人型の深怪魔どもだ。連中は幽霊ではないんだろう?」
「ええ、それは確かです。……何が言いたいんです?」
 クゥイルが心底疑問だという顔をするので、アーマデルは説明の仕方を考えた。が、敵船はもう間近だ。
「あとで説明する。行くぞ。
 ――幸潮、速度をあげろ」
「言われなくても。お近くのものにお捕まりくださいよ、っと!」
 速度調整レバーを思い切り倒すと、幸潮はかわったタイプの座席へと乗り移った。
 速度を増したドレッドノート(という名のクルーザー)が幽霊船へと急接近。
 クゥイルの魔術障壁に護られたそれに、フォアレスターたちによる射撃が浴びせられ無数の弾がはねる音に船が包まれた。
 次の瞬間。船はおもいきり幽霊船に激突。
 ――と同時に船に置いていた大型二輪バイク『現に映る天の流星』が飛び出した。
 跨がった幸潮は相手の船の手すりを破壊しながら甲板へ乗り込むと、激しいドリフトをかけながらフォアレスターたちをバイクのボディでなぎ払っていく。
「さあ、始めようか。天網恢々、況んや観測者においてをや!」
 幸潮は取り出した万年筆を自らの胸に突き刺すと、ひび割れた身体を卵のように割ってポリゴン化したボディへと置き換わった。
 対するフォアレスターは飛び退きながらもフリントロックタイプの銃を向け集中砲火。
 全て着弾するが、ボリゴン体は崩壊と再描画を繰り返すのみだ。
 続いて万年筆で空中に線を引くと、空に生まれた亀裂を開いて複雑怪奇な非常用漢記号の群れを解き放った。
 咄嗟に防御姿勢をとるフォアレスターだが、もはや防御というよりただ怯えて縮こまるだけの姿勢に見えた。
 それほど圧倒的に、フォアレスターはなぎ払われたのである。
「露払いにしては、些か払いすぎたかな」
 味方を盾にする形でなんとか耐え凌いだ残りのフォアレスターがサーベルを抜き、魚の口からブオオと醜い咆哮をあげる。
 威嚇のつもりだろうが……やはり幸潮に気を取られすぎたようだ。
 蛇腹剣を女神のような船首像に巻き付ける形で自らの身体を引き寄せ、勢いよく船の上へと飛び上がったアーマデルが彼らの背後に出現したのだ。
 ハッとして振り返る。
「遅い」
 アーマデルはカタールを突き出すと、仕込まれたトリガーをひいた。
 側面の銃口から放たれたコイン状の弾が拡散し、フォアレスターたちへと突き刺さる。
 銃弾の速度で放たれたコインは高速で回転し、まるでスプーンで凍ったアイスクリームをすくうかのごとく相手の肉に突き刺さっていく。
 追って、『英霊残響』が響き渡る。
 未練の結晶が奏でる音色は彼らに焦燥を誘い、あるいは油断をもたらした。
 なんの油断かといえば、やはり……ジョージが甲板へ飛び込むまでの油断だろう。
 船の帆にひっかけたロープにつかまり、振り子運動でもって幽霊船の甲板へと飛び込むジョージ。
 途中で手を離し空へ飛ぶと、腰に差していた剣を抜いた。
 上段からかなりの勢いをもって繰り出された剣は、フォアレスターが翳したサーベルをたやすく押し込みその魚めいた頭部を破壊する。
 同じ要領で、ヴァレーリヤを片腕に抱えたマリアが幽霊船へとリングイン。
 抱えた姿勢のまま着地すると、マリアは放射状に走る赤い雷撃を解き放った。
「今でもちょっぴり不思議な気分でございますわ。海洋と鉄帝、ずっと敵同士だったのに、今は背中を預けて戦っているだなんて」
 腕に抱えられたまま髪をはらうヴァレーリヤ。ジョージは小さく振り返り、笑った。
「人生、何があるか分からないものだな。海戦までしていたのが、遠い昔のようだ。だが、今は背中は任せてもらおう」
「これって、素敵なことだと思わないかい? 私は信じる! 皆いつか分かり合える日が来るって! そして、その為に戦うんだ!」
 マリアは頷き、そしてジョージたちと背中合わせになるように構えた。
 一斉に襲いかかるフォアレスターたち。
 だがその寸前、シュバルツオーレ号から放たれた黒い鉄の砲弾がフォアレスターに直撃。その身体をネギトロめいて粉砕すると、そのまま周囲のフォアレスターたちを巻き込んで破壊していった。
 およそ5m程度の距離に別の味方がいるというのに、なんというピンポイントな射撃だろうか。
「腕がいいにも程がある」
 ジョージがずれかけた眼鏡を手のひらの付け根でなおすような仕草をすると、今度はマリアが苦笑した。
「さ、いくよヴァリューシャ! 二人の力を」
 翳した両手に赤い雷撃をバチバチと弾けさせたマリアは、更なる加熱によって全身を青く輝かせた。
「マリィ――」
 一方のヴァレーリヤはメイスを両手でしっかりと握り、額の位置に掲げると聖句を唱え始めた。
 何度も聞いたそれは、マリアもまた暗唱することができる。
「「『主よ、天の王よ。この炎をもて彼らの罪を許し、その魂に安息を。どうか我らを憐れみ給え』――」」
 掲げられたメイス、燃え上がる太陽のごとき炎。
 豪快に振り下ろしたヴァレーリヤのメイスはそのまま炎の渦となってフォアレスターたちへと襲いかかり、自らをレールガンの如く発射したマリアと共にフォアレスターの集団をものの見事に崩壊させた。
「この敵は私が引き受けますわっ! 私は大丈夫、そのまま先へ進んで下さいまし!」
 ヴァレーリヤはそう、ジョージに向けて叫んだ。
 ですわよねマリィと視線をなげると、マリアはビッと親指を立てて見せる。
「勿論さヴァリューシャ。そっちには誰一人進ませないよ!」
「……わかった。任せる」
 ジョージはそうとだけ告げ、歌の聞こえる船室内へ向けて走った。それを追いかけようと動き出すフォアレスターたち。
 だが、それを許すマリアではない。
「言っただろう? 行かせないよ!」
 マリアが突如として分裂した。
 いや、あまりに早すぎる動きによって残像が無数に見えたのだ。だが見えるだけで充分だ。マリアたちを通り抜けようとしたフォアレスターたちは驚いて飛び退き、サーベルを構える。
 一気に複数人を同時にマークするという離れ業をやってのけたマリアの一方で、ヴァレーリヤが思い切りメイスを水平に振り込む。
 ハンマー投げのようなフォームで繰り出されたメイスは、あまりにも容易にフォアレスターの肉体を破壊。そのままぐるんと回転し、ヴァレーリヤは紅蓮の独楽となってフォアレスターたちを次々に破壊していった。
「あっ、あっ、マリィ大変ですわ!」
「どうしたのヴァリューシャ!」
「これ思ったよりも酔いますわ! そういえば私船はそんなに――ウッ!」
「ヴァリューーーシャーーーー!?」

 船の内部を走るジョージ。そこにはシュバルツオーレ号から乗り移ってきたアンジュと誠司の姿もあった。
「この構造……なんだろう、見覚えがある気がする。それに霊魂の声も……なんだ……?」
 通路は水浸しだ。海底から突如現れるという幽霊船なのだから当然なのだが……しかし妙だ。もし海底に長い間あったなら、あるはずのものがない。
 誠司の言葉もあわせて疑問を覚えつつも、ジョージはそのまま進む。なぜなら歌声の発生地点が近づいているからだ。
 それは通路一本。部屋ひとつ。やがて扉一枚にまで近づき……ジョージは一瞬の迷いだけを持ってから、ドアノブに手をかけた。ガチリとロックがかかっている。誠司がピッキングツールを取り出して『ここは僕が』と言いかけた途端、ジョージは思いきりドアノブ部分を蹴っ飛ばした。
 いや、ドア自体を破壊し部屋内側に押し倒したのである。
「え、えぇ……」
 困惑する誠司をよそに、ジョージは部屋に踏み入った。
 そこにあったのは……『人魚と幽霊』であった。

●海賊たちの島
 カラスの鳴き声があまりにも五月蝿い。
 一羽や二羽ではきかない数のカラスが空を旋回飛行し、こちらの様子をちらちらとうかがっているのが分かる。
 男は夏のあつい日差しとカラスたちの喧しさに怒鳴り散らしたくなったが、そんなことはしない。過去幾度も繰り返して何も変わらないと知ったからだ。喉が渇いて疲れるだけだ。
 頭に被った赤いバンダナから漏れ出た汗が、こめかみから頬ねとつたう。肩口の袖にこすりつけるように拭うが、今度は逆側から流れて男の怒りは結局ピークに達したようだ。
「クソッ! なんでこのクソ熱い日にクソ洞窟のクソ見張りなんかさせられてんだクソ頭領! クソッ!」
 F言葉を連呼し地団駄を踏む男。彼の職業は何かというと、元漁師であり、現海賊であった。
 豊穣郷からだいぶ外れた島で漁師をしていた彼が海賊などになったのは、あるときから魚がめっきりとれなくなったためである。
 その日生きる程度の魚をとって暮らしていた彼に蓄えなどなく、すぐに貯金も底をつき仕方なく貿易船を襲うようになったのだ。魚が捕れない漁師は自分だけではなく島全体の問題だったので、島の漁師会をまとめる頭領に統率される形で護衛をケチった愚かな商人を襲っては利益を分配してギリギリ食いつなぐという暮らしが続いている。
 そんな彼らがこのシレンツィオリゾートの洞窟地帯に棲み着いたのは、頭領の提案によるものだった。彼は話さなかったが、こっそりと棲み着くことが可能になったらしい。
 この場所にいれば金持ちから小銭をちょろまかす仕事もしやすくなる。前よりは多少なりともリスクの少ないマシな暮らしが……。

「失礼」

 背後から手が伸び、男の口を塞いだ。
 何が起こったのか分からず、杖代わりについていた槍を握って振り回す。が、背後にぶつけるにはあまりに姿勢がわるい。ぴったりと密着したその『誰か』は耳元で「シー」と子供をなだめるかのように声を出すと、恐ろしいほど優しい口調で囁き始める。
「生きていたいですか? そうでしょう。私に情報を売るなら、あなたの命を支払いますよ」
 等と言いながら、背後の誰かは男の首にそっとナイフを押し当てた。下手に動けば頸動脈に食い込む位置だ。
 震えを抑え、なんとか『ころさないでくれ』と伝える方法を模索する。
 するとそれを察したかのように、誰かは再び囁いた。
「イエスなら目を上に向けて、三回連続で瞬きしなさい。三秒以内にです。それができなければノーと受け取ります」
 必死に瞬きする男に、後ろの誰かは「よろしい」と言ってナイフを首からはずした。背後からなぜ分かったのかなどとは考えない。どうでもいい。
 おそらくは何か合図をしたのだろう。目の前の茂みから三人の男達が現れた。
 一人は、褌姿の『大海を知るもの』裂(p3p009967)。豊穣の漁師がよく海で泳ぐときにつけるような『よそ行きの褌』だ。彼の体つきは漁師のそれで、男には一目でそうと分かった。
「へえ、ここにお宝が眠ってる……ねえ。マユツバだが、浪漫があるぜ」
 次に出てきたのは『夜妖<ヨル>を狩る者』金枝 繁茂(p3p008917)だった。銅のような黒くつやのある肌をしたゼノボルタで、男にわかるのは彼が漁師などではないということくらいだ。発する気配は知的でありながらどこか暴力的で、彼は兵士か学者かどちらかだろうと男は思った。
「やれやれ、同郷の者達がやんちゃしているだなんて、他の国の人に対して恥ずかしくなっちゃうじゃないですか。仕方がありませんね」
 いつの間にか背後をとる謎の男と、漁師、そして兵士か学者。共通点がありそうでない、不思議なとりあわせだ。
 だが目の前に現れた三人目は――。
「これで内部情報が少しは分かるだろう。だが油断はするな。見張りが戻らないことから侵入がバレることも、その見張りが嘘をつくこともありうる。やはり迅速に、かつ安全に……だ」
 マイクロビキニボンデージバニースタイルの『死と泥の果より』マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)。
「ウワーーー!」
「何を叫んでいる」
「人間じゃない! 人間のきる服じゃない!」
 混乱する見張りの首に、さっきからずっと張り付いていた『酔狂者』バルガル・ミフィスト(p3p007978)がガッとチョップをいれた。
「フッ……確かに俺は泥人形。人間を摸しただけの土に過ぎぬ」
「いやそういう意味じゃねえとおもうが」
「とにかく、聞けるだけの情報は仕入れておきましょう。素早く話せばあなたは逃げられます。もたもたしたなら合流した仲間があなたを殺します」
 とかいうバルガルはビキニパンツ一丁のうえから全身を黒く塗って森林明細を施していた。
「ウワー!」
 バルガルは叫ぶ男の口に握りこぶしを突っ込むと、鼻にペーパーナイフを差し込んだ。
「拷問はしたくありませんが……もしもう一度叫ぶなら質問を拷問に変えます」
「ウウ……」

 飛来する矢を手でキャッチし、マッダラーは握力でへし折った。
 侵入を検知して矢を発射する初歩的なトラップだ。初見でかわすのは簡単ではないが、あるとわかっていればなんのことはない。
 問題になるのは……。
「こんなとこまで観光かい?」
「楽しいものは置いてねえぞ」
 ナタや銛を持った男達が岩でできた横道から現れた。
 海乱鬼衆――豊穣郷から出た海賊たちの総称。かれらがそうとだけ呼ばれるのは、確固たる意志をもった集団ではなくただの『食い詰めた群衆』に過ぎないためだ。
 実際、目の前の男達もマッダラーから何を奪えるか観察しているようだった。コイツまじかというという顔はしていたが。
 マッダラーは鞄から小ぶりなナイフを一本だけ取り出すと、それを指の間でくるくると回し始める。
「ここは俺に任せて先に行け」
「マッダラー!?」
 裂が『それ俺も言いたかったのに』という顔で振り返ると、マッダラーは早く行けとばかりに手を振る。
 そして、自ら男達へと襲いかかっていった。
 銛やナタが彼の身体に刺さるも、まるでなんでもないかのように腕を動かしナイフを相手の腕に突き立てる。
 倒すためではない。腕を引けないようにするためだ。つまりは足止めである。
「悪ぃ!」
 先へと進む裂たち。
 洞窟は入り口から想像していたよりずっと広く、道にはトラック一台が通れる程度の幅と高さがあった。ところどころに発光するキノコのようなものがはえており、足元は充分に照らされている。
 確かにこれならそこそこの数の海賊が棲み着くことができるだろう。
「しっからい、こんなもんが開拓地にあったとはなあ」
 刀を抜いて走る。
 どうやら寝床から出てきたらしい海賊たちが弓矢を持って並ぶが、相手が射るよりもはやく裂の刀が相手の腕を切り落とした。
「こちとらお前ら海賊自体には用はねぇ。
 お前らのため込んでるお宝の方に用があるんだよ。
 おら、さっさと出すもん出しやがれ!」
 元漁師への同情は、ないわけではない。しかし海賊に身をやつしたからには、相応の態度というものがある。
 裂は強く踏み込み、相手を切り裂きながら回転。
 周囲の海賊たちもまとめてなぎ払ったところで、繁茂が飛び込み残った海賊の顔面を両手それぞれで掴んだ。
 背の高い身体で軽く飛び、地面に両手をつくような姿勢で着地。
 すると顔面をつかまれた海賊たちは後頭部から地面に叩きつけられていた。
「人にはそれぞれ立場という者がありますからね、きっとあなた達にも何かしら事情があるのでしょう。だからといってそれが免罪符になるわけじゃありません」
 繁茂は虚空に手をかざすと、正体不明の闇からずるりと大鎌を引っ張り出した。
「この敗北を糧にできるかどうかはあなた達次第ですよ。
 まぁ期待薄ではありますがね。精々互いに分かり合えるよう努力し合いましょうか」
 力量差を察したのだろうが、逃げ隠れる場所はここにはない。なぜならこの洞窟こそが『逃げ隠れた結果』の場所だからだ。
 繁茂がハアと熱い息を吐く。海賊達は涙目になって走り出し、自分達の寝床へと逃げ込み始めた。袋小路であることは、もはや言うまでもないだろう。
 繁茂はそれを追って、ゆっくりと歩き出す。

 黒い衣を肩にかけ、麦わら帽子の美女が洞窟を歩いている。
 ともすれば目を奪われるような相手だが……彼女の傍らに崩れ落ちた海賊を見て同じ感想を抱けるものはいないだろう。
 血だまりに沈み、全身のあちこちから出血したさまは見るにたえず、同じ色の大鎌をさげて歩く『輝奪のヘリオドール』マリエッタ・エーレイン(p3p010534)に、海賊達は恐怖を抱いた。
 3mほどある岩の段差より飛び降りてきた三人ほどの海賊達。威嚇のためか目元を黒く塗った彼らは巨大海洋生物の革や骨を加工した鎧を纏い、どこからか奪ってきたであろうキズのついた剣や槍を装備していた。
 元漁師と聞いていたが、ここまでくると『まっとうな海賊』である。
「前から、思っていたのですが……」
 腕から流れ落ちる血を編み上げて鎌と接続。鎖のようにしならせると、海賊達の脚や腕に絡みつけて無理矢理転倒させた。
「なぜこんなにも、『漁師が海賊にならざるを得ない』状況がおきるのでしょうか。三角貿易の結果経済が動いたならわかります。けれどその場合、人口増加によって漁師はむしろ潤うはず。もし彼らが職にあぶれたなら、シレンツィオを開拓する商人達がその技術を見逃さず雇用するはず。
 あまりに現状が、人理を離れているのですよ。人格をもった、それでいて社会の外にある何かが状況を決定的に動かしている。そう思えてなりません」
「それはそれとして……この格好はどうも海賊退治にはむかないな」
 『夜明け前の風』黎明院・ゼフィラ(p3p002101)は体勢を崩した海賊達に向けて大型拳銃を三発ずつ撃ち込むと、銃後部にデジタル表示された残弾数をちらりと見た。
「言わないでください……落ち着かなくなってきました」
「そうか? そうかもしれない」
 などと言いながらゼフィラは銃をフルオートモードにして撃ちまくった。
 なんとか起き上がり武器をとった海賊がもんどりうって倒れる。倒れたまま、おきあがらない。
 ゼフィラはちょっとぶかぶかな袖の間からマガジンを滑り出させると空になった銃のそれと交換。頭に装着したウサギの耳めいたユニットがキュキュイと音を立てて周囲の音波を探索している。
「悪いが急ぎでね、そこでゆっくりしていてくれ給え」
 などと言いながら、段差の上と先に繋がる通路をそれぞれ見る。
「どう見る、マリエッタ」
「上は、何かの部屋のようですね。日常的に行き来する高さではありませんから、装備の保管庫でしょうか。もし奥に繋がる道があるとしたらこちらかと」
 マリエッタはそう指さしながら、ゼフィラに『まだ武装を解くな』のハンドサインを素早く出す。
「上の部屋からまだ来ます。バックアタックをされては面倒です」
「仕方ない、気になることもあるが、私がここは引き受けよう」
 ゼフィラはそう呟くと、助走をつけて跳躍。上階の岩の縁につかまると素早くよじ登った。
 マリエッタの言うとおり、武装を整えた海賊たちが二人ほど奥から出てくるのが分かる。錆び付いた剣や傷付いた盾など、どこかから奪ったり拾ったりした武器がどうやらこの部屋には転がっているらしい。この様子だと、値打ち物は一切無いだろう。
 ゼフィラは風通しをよくした胸元にピッタリ腕をあてるようにして半身に構えると、室内へと飛び込みピボットターンをかけながら的確に相手の頭と胸だけに銃弾を撃ち込んでいく。
「この分だと金銀財宝が詰まっているとはおもえないが。さて、洞窟の奥にはなにが待つやら……だ」

 両手に拳銃を持ったスキンヘッドの男が、残弾をまるで気にしない様子で撃ちまくる。
 狙う相手は『蒼騎雷電』イルミナ・ガードルーン(p3p001475)だ。
 バニースーツのバニー抜きみたいな格好をしたイルミナである。耳のアンテナめいたユニットが良い調子でバニースーツになじんでいる。
 が、そんな存在が葉巻を売るでも酌をするでもなく凄まじい速度で洞窟内をジグザグに走り銃弾を回避しながら接近してくるとなれば話は別だ。
 男は恐怖に顔を歪め――その顔にピンヒールの踵が突き刺さった。
「――テネムラス・トライキェンⅡ(ツヴァイ)!」
 突き刺さったヒール部分から電磁力によるインパクトを放射。相手は後頭部から出てはいけないものをまき散らしながら仰向けにぶっ倒れた。
「身体が滅茶苦茶軽く動くッス! どういう仕組みかは置いておいて、水着であれば加護が得られるというのであれば、着ないという選択肢はないッスよねぇ」
 片足をあげたままヒュンとヒールについた血を振り払うイルミナ。
 デニール厚めのタイツに包まれた脚がどこか艶めかしく躍動するが、彼女が人工的に作られたロボットであることを知っているだろうか。
 が、それ以上不用意に進むことはしない。なぜなら、奥の暗がりからひとりの男が出てくるのを見たからである。ただの男ではない。見るからに隙が無く、これまでの漁師崩れとは根本的に違う『戦う者の体つき』をしているためだ。
「こんなトコまで入ってくるたあ……どこの差し金だ? ワダツミか? UQか? それとも――」
「…………」
 質問に答えようか。イルミナは少しだけ迷って、黙したまま戦うことを選んだ。
 凄まじい初速で繰り出した蹴り――が、相手の日本刀に止められる。放出したエネルギーもろともだ。
 相手が鞘におさめた刀を持っていたのは知っていた。が、抜いた動きが見えなかった。
「コイツ――」
「まかせろ」
 『幻想の勇者』ヲルト・アドバライト(p3p008506)が『スケフィントンの娘』を発動。
 空中に散った血のようなものが強い力を持って相手に突き刺さる。
 が、それらは高速でふった刀によって払い落とされていた。
「こいつが頭目か」
 イルミナと入れ替わるように距離を詰めたヲルトに斬撃が襲う。
 かなりのダメージだが、むしろ望むところだ。
「海は見たことはあるが……こうも綺麗な海は初めてだ。水着を着るのも初めてだった」
「何を言ってる?」
「そんな海を荒らす海賊ならば、取り締まるのもまた正義だろう。そう言っているんだ」
 至近距離から相手の身体に手を押し当てる。それまでの精度とは比べものにならないほど鋭くなった血の力が、男に零距離から浴びせられた。
「ぐっ!?」
「逃がしはしない。大人しくお縄についておけ」
 吹き飛ぶ頭目。背後にあった岩壁に身体をぶつけ、ずるずると崩れ落ちた。が、それだけで終わるわけではなかったようだ。
 頭目は素早く身体を起こし、刀を鞘に収めた状態で構える。抜刀術だろうか。それも極端に加速に重きを置いたような。
「もっとも、お縄につこうが温情は無いがな……」
 ヲルトは望むところだとばかりに手刀を構えると、その表面を赤く染めた。
 じり……と互いに足を踏み出す。
 必殺の間合いを奪い合うような、緊迫した空気が満ちる。
 その緊張が張り詰め――。
「どーもー、ゴブリンでーす」
 気の抜けた声と同時に、踏み出した頭目の片足が邪妖精に掴まれた。素早く這い上がった邪妖精たちがまとわりつき身体の自由を奪うと、その隙にイルミナの手刀とヲルトの手刀がそれぞれ頭目の腕を切り落とした。
「そう、か……ゴブリン。『ルンペルシュティルツ』の手の者か」
「いや違うが」
 ヲルトの冷静な言葉をサッと遮るように、『最期に映した男』キドー(p3p000244)が頭目のそばまで素早く近寄って顔をよせた。
「そうだぜえ? ルンペルシュティルツ派遣会社をご利用頂きまことにありがとーございまーす」
 仲間に合図をだして腕の止血をさせると、キドーは『ようせいのいたずらロープ』を使って頭目の足首を素早く縛り始めた。
「よりにもよって海洋王国で、この海で、この土地で、海賊気取って好き勝手しやがるってのか? 気にくわねえなあ。海賊ってのはもっとこうよお……」
 両手をふわふわさせながら虚空を見上げるキドー。
 一秒ほど沈黙すると、黙ったまま頭目の腹をつま先で蹴っ飛ばした。
「まあいいや。俺の好きなヤツはすぐ死んじまう。オメーにはもうちょい生きててもらわねえとな。せいぜい俺様に嫌われてろや」
 キヒヒと笑うと、頭目の頭髪を掴んでもちあげる。
「で? どうする。ここで死ぬか? それとも生きるか? 今ならキャンペーン期間中につきお宝の場所とテメーらのバックを喋れば俺んとこで雇ってやる。おまけに腕もくっつけてやるぜ?」
 どうよ?
 と、キドーは首をかしげて唇を片端だけあげた。

 洞窟の奥深く。
 そこには、あまりにも分かりやすく『宝箱』が置いてあった。
 大型のトランクケース程度のサイズをしたそれを、キドーはいとも簡単に解錠する。
 洞窟の制圧は済んだのだろう。仲間達が集まって見守るなか、キドーとバルガルが宝箱を開けてみると……。
「あ、どもっす」
 身体を丸くしたバニーさんが入っていた。

●潮騒のはるか底で
「いーちにーさーんしー、ごーろくしちはち……」
 ライフルを傍らに置いて、『にじいろ一番星』ルシア・アイリス・アップルトン(p3p009869)は熱心に準備体操をしていた。
 ほどよくフリルのあしらわれた涼しげながら爽やかなかわいらしさのある水着をきて。
「準備出来たのですよー! と、その前に……」
 ルシアは頭にがっしょんとうさ耳を装着すると、それを(どういう仕組みかわかんないけど)ピコピコさせた。
「これが竜宮城スタイルと聞いたのでして! あっ、キャピテーヌちゃんにもどうぞ」
「うさみみ!? うさみみを私もつけるのだ!?」
 差し出されたうさ耳を恐る恐る頭に装着してみるキャピテーヌ。
 そしてやっぱどういう仕組みかわかんないけどピコピコさせた。


「えへへー」
「えへへー」
 二人で頭をかしげて笑い合うルシアとキャピテーヌ。
 そんな様子を、『不屈の障壁』ベーク・シー・ドリーム(p3p000209)はぼんやりとした様子で眺めていた。
「この下にあるのって、確か海底遺跡なんでしたっけ。やはり僕たち海に生きるものにとっては心躍るものです……」
 今年のニュー水着。紐一本ひっぱれば大変なことになっちゃいそうな水着をきた『音呂木の巫女見習い』茶屋ヶ坂 戦神 秋奈(p3p006862)が、あろうことか紐部分をくいくいとやりながら振り返った。
「踊るんだ。たいやきだけに」
「たいやきだけに?」
「ま、海の生き物(?)じゃなくてもハートがダンスっちまうよね。トレジャーハンター魂がうずくよね。めそめそにうずくよね」
「普通うずく時めそめそって言わないですよね」
「そんな話は脇に置かせていただきますそこの甲板に置かせていただきます後で皆さんでどうぞ」
「いりません」
「…………」
 秋奈とベークがなんか軽快なトークをしてる間、『天駆ける神算鬼謀』天之空・ミーナ(p3p005003)はひとり、キャピテーヌをじーっと見つめていた。
 キャピテーヌ・P・ピラータ。シレンツィオ代表執政官。その肩書きに似合わぬ幼い外見。いまはルシアと耳をぴこぴこしあって笑っている。
(なにこのキャピテーヌ可愛すぎない? ちょっと味見してもいいかな? バレる? バレへん……いやバレるか。でもかわいい、欲しい)
 なんかよからぬ気持ちがむくむくしていたが、ミーナはとりあえずポーカーフェイスで虚空を見つめることで気持ちをセルフでなだめた。
 ミーナにぴったりの赤い水着は永遠を誓い合ったあの彼女たちと会わせたウェディング水着だ。
「おっしゃー! リゾート楽しむためにも深怪魔やっつけるぞー!
 やるぜー! オイラはやってやるぜー!
 水中戦ならオイラのどくだんじょーってやつだぜー!」
 『鮪導弾』ワモン・C・デルモンテ(p3p007195)がもんのすごい勢いで頭を上下に振りまくっていた。
 『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)の肩に担がれた状態で振りまくっていた。
「ちょ、ちょっと、肩の上であばれないでっ」
「うおー!」
 今度はすごい勢いできりもみ回転をはじめるワモン。
「ちょ、ちょっと暴れな――どうやってるのそれ!?」
「アザラシになるとこのくらいはできるんだぜ」
 ぴょんと肩から降りたワモン。遅れて跳んできたガトリングを背中にがしょーんと接続すると目を光らせた。
「ワモンだー! アザラシミサイルのワモンなのだ!」
 ボトルキャップフィギュア集めてます! といって『イカくってるワモン』のフィギュアを取り出すキャピテーヌ。
「オイラボトルキャップフィギュアになってんの!?」
「全五種とシークレットまでコンプしたのだ」
「しかもオイラ単体で!?」
 ちなみにシークレットはゼニガタパパ。
「皆有名になったものね……」
 『光鱗の姫』イリス・アトラクトス(p3p000883)は苦笑すると、上着を脱いで水着姿へとチェンジした。海の鮮やかさと明るさを示したような青と白のカラーリング。頭には珊瑚礁のような色合いの花。そしてなぜかメンダコ。
「それにしても、深怪魔の問題が解決できそうでよかったわ。海に生贄を捧げるとかじゃなくて、竜宮幣を集めればいいっていうのが平和よね」
「クイーンエリザベス号のキッチンは良い具合だったしなあ。あいつで豊穣から海洋まで一周旅行が出来るってんなら、俺としても大歓迎だぜ」
 『黒豚系オーク』ゴリョウ・クートン(p3p002081)がデカい自らの腹をポンと叩いた。
 水着姿といえば水着姿なのだが、特殊部隊みたいに羽織ったジャケットや弾帯ベルトやホルスターに調理器具や調味料がめちゃくちゃ詰まっていた。多分『デーン』て効果音で出てくるタイプの装備である。ていうか実際前に出た。
「そういや、竜宮幣の集め方を確認しねえとな。深怪魔を倒せばドロップするのか? それとも落ちてるのを集める感じか?」
「両方なのだ。少なくとも倒していれば自然と見つかるはずなのだ」
「なるほどー」
 船室から出てきた『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)が麦わら帽子を被り直す。
 ブルーを基本にした涼しげな水着姿。今にもお祭りに繰り出しそうな、明るく楽しいコーデである。
「見せるのが深怪魔って言うのがちょっともったいない気もするけど。
 まぁ強くなるならよし! 水着も見せびらかせてよし! って話よね。
 海の精霊にも感想……て思ったけど、そんな余裕ないわよね」
 たははと笑うオデット。その後ろに急に出現して一斉にサムズアップする精霊のみなさん。振り返った時にはフッと消えていた。
「皆準備は良いのだ? それじゃあ早速、出発なのだ!」
 キャピテーヌは船を潜水モードに切り替えると、海面の下へとぷんと潜っていった。

 深く――
 深く――
 下から見た海面の美しさに見とれていたのははるか前のこと。
 キャピテーヌの潜水艇は薄暗い海底へと沈みこんでいた。
 真っ暗とは言いがたいが、海面からこの風景を透かし見ることはできないだろう。
 この……。
「本当に、海底の遺跡なんだな……」
 ミーナは窓に張り付き外の光景に目を細めた。
 連なる柱は鳥居のように等間隔に並び、周囲にはそれが石作りの建造物であったことを思わせる物体がこれもまた等間隔に並んでいる。
 着目すべきはそれら全てが破壊されており、一定の高さより上を無理矢理そぎ取ったかのように断面が露わになっていた。なるほどこれなら探索も楽そうだ。
 そしてそれは、『相手』から見ても同じことだった。
「来ますよ、フォアレスターです」
 素早く外部へ飛び出したのはベーク。甘い香りを放つと、彼めがけて無数のフォアレスターたちが槍を手に突っ込んできた。
「今更なんですけど、鯛状態になるのと今の水着姿、どっちのほうが加護を得やすいんですかね……」
 たい焼きに水着をひっかけたりウサギの耳を装着したさまを一瞬だけ想像し、ベークはウッと表情(?)を濁らせた。そんな彼を次々と貫く槍。
 いや……貫いてなどいない。彼のあまりにも強固な鱗(?)によって浅く刺さるのみに留まり、どころかぎゅっと締め付けるように動いたせいでフォアレスターたちは槍を引けなくなってしまったようだ。
「そこだーーーー! 獲物がいっぱいいるぜー!
 数が多い時こそオイラのガトリングのしんかをはっきする時だ!」
 ワモンが無駄にきりもみ回転しながらガトリングガンを乱射。
「わ、ちょっ!」
 ベークがびっくりして飛び退いた次の瞬間。ワモンは急加速をかけてフォアレスターたちへと突っ込んでいった。
「海豹牙斗燐具素符羅朱猛怒! うおおお! アザラシスプラーッシュ!」
 ぱかーんという音が聞こえるかのような豪快な体当たりでフォアレスターたちはボーリングのピンのごとくなぎ払われた。
「深怪魔は一匹残らずぶっとばすぞー!」
「おいおい、派手だな」
 ミーナは苦笑しつつも翼を器用に動かして水中を加速。
 ワモンたちから逃れたフォアレスターが一匹だけ残り、ミーナをぎろりとにらみ付けてくる。首から上だけが魚となった半魚人型深怪魔フォアレスター。どうやら一段上の強さを持つ個体らしく青い微光を放つ剣を抜いたが――ミーナにはもはや関係ない。
「いくのだミーナ!」
「まかせろ!」
 キャピテーヌの応援を背に受け、ミーナは相手の刀をへし折るほどの勢いで交差斬撃を繰り出した。
 パッと血が広がる光景に、ふとキャピテーヌは大丈夫なのだろうかと振り返る。
 潜水艇から出たキャピテーヌはまだ応援を続けている。どうやらそこまで気分を悪くしている様子ではないが……どこかソワソワとした様子だった。何か気になることでもあるのだろうか。
 そんな風に考えていると、大きな建物の影からオオムガイのレーテンシー、リュウグウノツカイのエバーシルバー、そしてサメとタコが合体したようなヘールポップがそれぞれ姿を現した。
 すぐさま自らの殻にこもり防御姿勢をとるレーテンシー。エバーシルバーがその裏に隠れ、ヘールポップを治癒するという陣形をとろうとしているようだ。
「素材が互角なら、勝負はより準備したほうが勝つ。料理と一緒だな! こちとらしっかり漬けて煮込んでるんだ。対策もバッチリ、ってな」
 ゴリョウはポンと腹をたたくと自らもオウムガイのように丸くなり、レーテンシーめがけて回転しながら突進をしかけた。しかもバキバキに発光しながら。
「フンッ!」
 充分に加速のついたゴリョウのパンチが炸裂し、レーテンシーはそれをガード。
 お前のパンチは効かないとばかりに僅かに顔を覗かせるが――ゴリョウの狙いは相手を打ち砕くことではない。レーテンシーの注意を自らに引きつけることだ。
「ルシア、オデット、やっちまえ!」
「かかったのでして!」
 ルシアはライフルを構えると大型の魔方陣を展開。魔方陣は連鎖的に九つの魔方陣を展開したかと思うとその全てが圧縮。分厚い円盤のようになったそれは複雑に回転し、世にも奇妙な幾何学模様を作り出した。
「破式魔砲――いいえ、ルシア式魔砲! ずどーん、でして!」
 ズドンと放たれたルシアの砲撃はエバーシルバーのみならずレーテンシーも、それに張り付いていたゴリョウすらも貫いた……が、ゴリョウはその凄まじい砲撃を見事生き残って見せたのだった。頑丈さは伊達ではない。
 ルシアは次の砲撃に備えてライフルをリロード。ガポンと空薬莢が排出されると、口紅のような金色の可愛らしい弾丸を装填する。
 が、これはあくまで念のため。二の太刀は既に放たれている。
「これで終わりよ」
 オデットはかろうじて生き残ったレーテンシーの殻に両手をぺたりと当てると、太陽の力を解き放った。パチチッと火花でも散らすように光る羽根。おきた光の波は、海面より差し込む太陽の乱反射を思わせた。そしてその光はまっすぐにレーテンシーへ集まり……。
 ボンッという破裂音と共にレーテンシーは内側から破裂してしまった。
「皆ナイス!」
 秋奈は刀を抜き、そしてヘールポップへと向き直った。
「最後はおまえだけだぜB級映画モンスター! 低予算の権化め! ガスボンベ突っ込んでやろうか!」
 秋奈が挑発するとヘールポップは咆哮をあげ、墨を固めて作った無数のナイフを次々に発射してきた。
 秋奈はそれを――避けもしなければ防ぎもしない。
 なぜならそばにイリスが控えていたからだ。
「待ってたわ。そうやって手数を消費してくれるのを!」
 両腕を交差させるような姿勢で防御。
 彼女の体表にナイフは浅く刺さり、そしてパッと墨になって散っていく。
 ならばとヘールポップは自ら突進しイリスへと食らいつく。
 これだけ巨大なサメに囓られれば常人などスナック菓子のように欠けてしまうだろうが……イリスは別だ。エルネスト総督の娘であり青の英雄。リヴァイアサンに正面から立ち向かった戦士だ。
 怪物サメがなにするものぞ。
「こンの――!」
 イリスは両手両足を突っ張るような姿勢をとると、ヘールポップの上下の顎にそれぞれ突っ張らせて噛みつく動作をガード。鋭い歯が食い込んでいるはずなのに、イリスの体表から僅かに出血させるのみだ。
 恐るべきは、その顎を閉じられずガクガクとヘールポップが振るえているところだろう。
「相手が悪かったなー」
 秋奈はニッと笑い、ヘールポップの側面に刀をざっくり差し込むとそのままボディを切り裂いてしまった。
 血が広がり、墨もまた広がり、赤黒い空間が広がっていく。
 秋奈はそんな中でスッと手を伸ばし……。
「竜宮幣、ゲット」
 回転するカジノチップのような形をした物体を、器用につかみ取ったのだった。

 それからキャピテーヌたちはゆっくりと遺跡を探索し、それなりの数の竜宮幣をゲットして船へと帰還。
 海上へと戻ろう――とした、その時。
「――テ」
 誰かの声が、聞こえた気がした。
 咄嗟に振り返り、声のしたほうを向くキャピテーヌ。
「どうした? 何か聞こえて……」
 ミーナたちが耳をすましてみた一方で。
 キャピテーヌははっきりとこう言った。
「……パパ?」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 探索が終了し、竜宮幣を手に入れました。

※謎の幽霊船の中から、歌う人魚と霊魂たちを見つけました。
※キャピテーヌと共に探索した海底より、故人の声が聞こえた気がしました。
※海賊の島にて、宝物としてバニーさんが捕らわれていました。彼女から重要な(そして焦臭い)話を聞けそうです。

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