PandoraPartyProject

シナリオ詳細

再現性東京1993:細い米の宴会

完了

参加者 : 34 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●サラナダ・コラコンダさん(43)は巻き込み事故の被害者
「花丸サン、ヨク食ベル。ワタシ、ウレシイ」
「この間は軽く食べて終わりでしたからねっ! 花丸ちゃんはインディカ米、結構好きなのでっ!」
 1993街に来ていた笹木 花丸(p3p008689)は、サラナダ・コラコンダさん(43)の経営するネパール料理店に足を運んでいた。
 以前、この一帯で起きたインディカ米による事件の折、仲間が連れてきたこのネパール人はそれはもうインディカ米のおいしさを布教し、彼女含むイレギュラーズとインディカ米そのものに対して存分にその魅力をアピールして帰って行ったのだ。なので、その後起きた米問屋襲撃事件については知らない。
「こんなに美味しいんだからもっと皆に知らしめたい……お米を『野菜』って言っちゃう人達にも穀物として美味しいと教えたい……」
 ぐるぐると怪しい目つきをしながら、花丸は考える。インディカ米をもうちょっと消費する契機が来ないものか。っていうか作れないものか。
 彼女が持っている伝手は結構あるのだが、それはそれとして――此度、白羽の矢が立ったのは当然というかなんというか、ローレットの情報屋だったことは仕方の無いことであろう。だってイレギュラーズを呼び出すとなったらそれしかないのだし。
 花丸はこうして、ローレットへと戻っていったのだった。

●取り敢えずインディカ米食おうぜ
「依頼者は練達、再現性東京1993街のエスニック料理街料理人の連名となっています。その依頼を引っ張ってきたのは花丸さんですが」
 『ナーバス・フィルムズ』日高 三弦(p3n000097)は手元の資料に目を通し、先ず依頼人をはっきりさせておいた。
 ローレットではない。他の超常的ななんかの干渉でもない。はたまたメフ・メフィートの人々でもない。今回は、練達だ。
「なんでも、ローレット・イレギュラーズの人々にインディカ米の調理と食事の実演会含めた食事会イベントに来て貰い、その魅力を余すことなく広めて欲しい。勿論、米料理なので酒にも合うからなんならその組み合わせを希望する人達にも『刺さる』アピールがあればなおよい。人が多ければ宣伝効果も大きいだろう……だ、そうです」
 あ、なんか分かってきたぞとイレギュラーズはおもった。
「つまり?」
「タダ酒タダ飯ですね。あ、今回は『インディカ米料理とそれに合う酒』という縛りを忘れずに。ですが……皆さん、1993街です」
 うん。それが?
「まだ、ジャパニーズウィスキーブームは……発展途上とはいえ流行前なのです……」
 待って。
 「インディカ米に合う」って前提は? ねえ?

GMコメント

 無制限だから優先参加もなんもなくてお排泄物おハーブ生えますことよ(訳:副題は『米! 現金! 充たる!』とかどうですか)。

●もくてき
 インディカ米がおいしいことをひろめよう!
 それにあうおさけのブランディングとかして強いインプレッションを与ええーっと。まあなんかうまくやろう。

●サラナダ・コラコンダさん(43)
 ネパール料理店店長。主催者です。失礼のないようにしましょう。
(『再現性東京1993:細い米の挽歌』にて某イレギュラーズが連れてきました)

●会場
 大公園全体を使用した感じの屋台を設置できるブースと食事スペースがある、所謂飲み歩きや屋台イベントにある光景。
 1993街にある店舗も構えていますが当時としてはやはり多いわけでもなく、イレギュラーズの出店とか欲しいなチラッチラッ。
 なお酒関係は結構色々あり、年数こそ浅いが2010街では手に入らないようなウィスキーとかあったりなかったり。

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●行動選択
・【調理】
 屋台とか建てて作る人です。料理が被る? お前はよそ様の母の味を完全再現するというのか? つまりそういうことだ。
・【給仕】
 屋台イベントでいらねえだろと思いましたが、警備とか色々やれば良いと思うんだ。
・【食専】
 食べる人だ。
・【他】
 酒だけ飲んでたらつまみ出すからな。

●プレイング書式
 1行目:パートタグ(スミカッコ込み)
 2行目:同行者名(IDがあればなおよし)orグループタグor空白
 3行目:プレイング本文

 書式例
【他】
〇〇さん(p3pxxxxxx)とor【〇〇】で、等
飲んで騒ぐぞ!(以下プレイング)

 上記書式を『徹底』してください。
 特に『2行目空け、3行目にグループタグ』『パートタグとグループタグをまとめて1行目』『パートタグとプレイングの行き先の極めて重篤な乖離』『2行目からプレイング』等の書式誤りは特に扱いづらいため、は『高確率で描写を保証しません』のでご注意下さい。迷子になった場合、仮に描写されてもあっさり感が増す可能性が上がります。
 なお、グループタグがない、同行者名が愛称のみ、とかで同定が極めて困難な場合はマジで行方不明になります。全員描写したいんで勘弁してください。

●注記
 このシナリオは『無制限イベントシナリオ』です。
 何らかの形でNPCが参加するかもしれませんが最近イベシナ多かったんで保証できません。
 いなくても楽しいよ。しよう。

  • 再現性東京1993:細い米の宴会完了
  • GM名ふみの
  • 種別イベントシナリオ
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年09月15日 22時05分
  • 参加人数34/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 34 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧 (34人)

嶺渡・蘇芳(p3p000520)
戦場の調理師
ジル・チタニイット(p3p000943)
薬の魔女の後継者
コレット・ロンバルド(p3p001192)
アト・サイン(p3p001394)
観光客
ナハトラーベ(p3p001615)
ケバブ奉行
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
8月中は公約たぬき期間
クーア・ミューゼル(p3p003529)
めいど・あ・ふぁいあ
藤野 蛍(p3p003861)
比翼連理・護
セリア=ファンベル(p3p004040)
初日吊り候補
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
桜咲 珠緒(p3p004426)
比翼連理・攻
斉賀・京司(p3p004491)
雪花蝶
新田 寛治(p3p005073)
ファンドマネージャ
ミルキィ・クレム・シフォン(p3p006098)
ミルキィマジック
繰々 くるり(p3p006609)
目指せ猛禽類パイセン
エル・ウッドランド(p3p006713)
見たからハムにされた
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
胸いっぱいの可能性を
秋月 誠吾(p3p007127)
Mors certa
ヴォルペ(p3p007135)
満月の緋狐
ソフィリア・ラングレイ(p3p007527)
地上に虹をかけて
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
タイム(p3p007854)
優光紡ぐ
戌井 月美(p3p007954)
わんこ系
楊枝 茄子子(p3p008356)
羽衣教会会長
マッダラー=マッド=マッダラー(p3p008376)
泥人形
笹木 花丸(p3p008689)
人為遂行
蔀・蓮華(p3p008732)
水席
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
恋する探険家
絡繰・カタン(p3p008839)
コメディア・デラルテ
エミール・エオス・极光(p3p008843)
脱ニートは蕎麦から
天之 雪(p3p008857)
叶わぬ願い
メロ=クエスチョン(p3p009004)
便利屋・あをによし
えくれあ(p3p009062)
ふわふわ

リプレイ


 天気は晴天、1993街の広場には、既にそこそこ多くの客や露天準備者、それらに分かれて対応するイレギュラーズなどが集まっていた。
「どうあれ、インディカ米が使われていればいいのかしらー? なら、ライスペーパーで生春巻きでも大丈夫よねー♪」
 蘇芳は既に米粉を蒸し上げライスペーパーに整形し終え、生春巻きを巻いていた。海鮮に鶏、チーズに野菜にアボカド……多様なそれらは様々なタレと共に卓上を賑わせる。
「ボクも少しでもインディカ米さんを美味しく食べるレシピ考えて作ってみるよ!」
 ミルキィはこの日の為に調べて来たのか、カオヤム(ライスサラダ)に取りかかる。既に出来上がったジャスミンライスの周りに盛り付けられる野菜は、彼女らしい甘味を想起させる彩りだ。
 スパイス、ジャスミンライス、添え物の香りが渾然一体となったそれは、食欲を大いにそそり、周囲の人々――露店の人々の耳目すら集める。当然、彼女の威勢の良いかけ声があってのことでもあるのだが。
「春巻きもサラダも美味しそう……いただきます!」
 雪は、周囲の人混みを避けつつふらりとローレットの面々の屋台に訪れると、蘇芳とミルキィの屋台のまえに腰を落着けた。
 目の前に出された生春巻きは米の面影を残していないのに歯ごたえで米と分かり、カオヤムはご飯なのに副菜ともとれる大胆さが目を引く。
「細いお米って、こういう工夫が出来るんですね……すごい……」
 しきりに「すごい」とつぶやきながら周囲を見れば、まだまだローレットの面々のターンは始まったばかりのようだった。
「タダ飯と聞いてきたけど、なんだか作りたくなっちゃった」
 エミールは本来、食べる側に回る予定だった。が、『料理が出来る方のニート』として調理の場に立っていたのだ。
 作るのはカオパット。米を煮てから炒める、タイ風炒飯とでもいうべき品だ。
(じ~……)
 で、その調理の様子を今や遅しと凝視しているのはメイである。辛めに味付けしようと準備していたエミールの調理台に乗るナムブリック(ペースト状の調味料)の匂いにつられたのだろう。
「あら、そんなに楽しみ?」
「メイは辛い料理が大好きなので、出来たら大盛りでお願いするのですよ!」
 既に用意された大皿とエミールの手許に視線を往復させながらメイは応じる。米が煮えてきたタイミングで捨てられた煮汁に彼女は目を丸くし、続けて投入された調味料から漂う香りに興奮しきり。
「食欲をそそるスパイシーな香り……これがカオパットなのですか!」
「おいしいごはんがつくれるの? えらーい!」
 完成間近に迫ったカオパットを覗き込む傍らに、気付けばふわふわの生物が侍っていた。えくれあである。彼女は屋台の人々を褒め称えて回りながら、人々を幸せにしようとしていたのである。
「ぼくね、からいのもだいじょうぶ!」
「というわけで、二人分お願いするのですよ!」
「我ながらいい味付けになったよ! 食べて食べて!」
 メイとえくれあが待つテーブルにカオパットを置いたエミールは、そのまま量産体制に入る。二人は矢も楯もたまらずといった様子で掻き込むと、笑顔で笑い合うのだった。
「花丸ちゃん……お米、美味しい。広める……食べる……っ!」
「長細いこのお米を広めて、美味しいお酒を飲めばいいのね!? 普段は希望ヶ浜学園の古文教師のアーリア・スピリッツ! 花金はタツレンでルービーと泡片手にパーリナイ!」
 花丸が何かに取り憑かれたように今回の一件を企画したワケだが、結果として参加者達が(作る側も)一様に明るい表情であったのは幸運だった。
 彼女が屋台を回ろうとしている裏で、アーリアが一滴も呑んでないのに出来上がってるような態度なのが謎いが。
「ってことでイベント盛り上げのために踊りまぁーす! ミュージック、スタート!」
 いつの間にやら、アーリアはラメ多めの紫のボディコンに羽根扇子というバブリーな格好でお立ち台に立っていた。……イベント公園にお立ち台があるのはそういう場所だからって事で。
 真っ昼間にスポットライトがギラギラしてるのも時期柄って事で。
「ほうほうっ、ビリヤニにカオヤム……他にも何かあるのかな? こっちはお米で作った生春巻き?!」
「――――」
 あちこちに顔を出しつつころころと表情を変える花丸の傍ら、黙々と食事をする影があった。ナハトラーベである。
 生春巻きとカオヤムはおかずだと言わんばかりにカオパットをかきこみ、フォーを啜り、手当たり次第に口に放り込んでいく様は食欲があるだの無いだのの域を超えている。
「うーん、あんなに美味しそうに食べられるとどれも気になるっ!」
 百の言葉より雄弁な食欲、である。
「酒が呑めると聞いて!」
「つまみが出ると聞いて!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
 クーアと蓮華は異口同音に酒への渇望を叫んでいた。「さけ」だけに。
「ひたすら呑みたい気分なのだが……つまみ出されてしまうのは困る……」
「私の世界ではインディカ米の方がマジョリティだったと記憶しているので、こっちの方が大歓迎なのです」
 度数強めの酒瓶を抱えて口惜しげに歯軋りする蓮華だが、おつまみの存在は嫌いじゃ無かった。生春巻きと酒を交互に呷っていく。
 クーアはクーアで、パエリアを辛口のワインで食す所作は案外サマになっており、先ほどのおかしなテンションとはいかにも不釣り合いだ。
 なお、そこまでやってもメイド服はしっかり着込んでいるあたり流石という他は無い。
「眼鏡の――新田殿、何か良い組み合わせを教えてくれぬか!」
「長粒種はインド・ネパール料理や東南アジアなどのエスニック料理によく使われる米ですね。これらの料理に合わせるなら、ビールは日本のものよりも軽やかで飲みやすいアジアのビールですね」
 蓮華のSOSにスッと出てきて流暢な説明を始めた寛治は、すでに結構呑んでいる風情だった。それでも酔う姿を見せぬあたりがプロである。
「また、暑い地域の料理にはダークラム等もよく合いますね。ワインであれば、スパイシーな味わいのあるシラー種系が良いでしょう……この時代柄、『輸入酒』がポピュラーになった時期ですので、そのあたりも大事にしたいところです」
「なるほど……洋酒というのは馴染み薄いが、そのように楽しめばよいのか」
 寛治の薫陶を受けた蓮華は、次の料理を求めて走り出す。
 その様子を静かに見守る寛治の横で、クーアはなぜか工業用アルコールに手を出そうとしていた。誰か止めろ。重傷になるぞ。
「米に貴賤なし! ジャポニカ米も好きだが、インディカ米もまたいいもんだ!」
 と語るのはゴリョウ。混沌世界で米農家としての地位を築きつつある彼らしいコメントではある。作るのはビリヤニ。
 パッキ式という調理法出、様々な材料を使い贅沢に作るようだ。
「よもや、ここでゴリョウが作るビリヤニを食う事が出来るとはな! 断言しよう。絶対に美味いぞ……!」
「インディカ米というのは知らないけど、ゴリョウさんの料理が食べたいから参加しようと思いました!」
「会長ご飯好き! いっぱい食べるぜ! ビリヤニはお魚のやつがいいです!」
 汰磨羈、エル、茄子子の3人は開場するなりゴリョウの屋台の周辺に屯し、今や遅しと彼のビリヤニを待ち侘びていた。
 特に汰磨羈は事前に運動して腹を空かせる気合の入れよう。おかわり前提らしい。
「ぶはははっ! インディカ米は『軽い』から色んなもんを沢山食えるのが魅力だな! チキン、魚、豆のビリヤニお待ち!」
 そうこうしているうちに3種類……またはそれ以上のビリヤニをサクッと作ってしまったゴリョウ。3人の目が光る。
「チキンのビリヤニと魚のビリヤニと豆のビリヤニと……つまり、全部食べます!」
「おかわりは問題ないということだな……? 受けて立とう」
「うーん、もう匂いからして最高だね!」
 三者三様のりあくしょん。喜びが強いことは明らかで、ゴリョウにとっては非常に幸せな話である。
「はい美味しい! スパイスが効いてて香り豊かだ!! これはチップとしてウチの免罪符をあげなければ!」
「いや、それは別に」
「遠慮しなくてもいいんだって♪」
 コレさえ無きゃなあ。まだ普通のカオスシード(外見)なんだけどなあ茄子子。
「美味いビリヤニをかっ食らい、冷えたビールを流し込む。んー……ここが楽園か。たまらん!」
「どれも美味しい……選ぶなんて贅沢……」
 酒と一緒に楽しむ汰磨羈、色々と楽しむエル。楽しみ方は人それぞれである。


「食事会! つまりはタダご飯! はいはーい行きまーす!」
「タダご飯っていいっすよね、タイムさん」
 ただ飯につられて現れたタイムとジルは、こちらもビリヤニの屋台に足を運んでいた。恐るべき集客力である。
「あ、ジル先輩だー! お隣はおんなじハーモニアさんかな? こんにちはー、あたしフランだよ!」
「っと、フランさんも来られたっすか?」
「ジルさんのお友達? わたしタイムっていうの。よろしくねー!」
 そんなところに現れたのはフラン。二人と軽く挨拶を交わし、早々にタイムと『同じハーモニアとして』深緑トークに花を咲かせようとし……彼女が旅人であることに驚く。
「折角だし皆でご飯食べよー!」
「友達の友達は友達ってことで、二人と一緒に食べに行くっすよ!」
「そうね、みんなで食べたらきっと楽しいよね! いこいこー!」
 が、それも些細な問題。二人が三人に変わっても、友達同士には変わらないのだ。
「ふたりともそんなに盛って大丈夫? ……ってわたしも!?」
 昔話盛りもかくやと言わんばかりの量を盛ってもらったジルとフランの食欲に、タイムは舌を巻く。そしていつのまにやら自分も巻き込まれていることに気付くのである。
「他のお店のも右から左まで全部! ジル先輩に負けないよういっぱい食べて栄養つけなきゃ! これだけおむねに栄養行くはず! ね、タイムさん!」
「わたしは多分Bはあるよ!たぶん! あるから! だだ大丈夫だしっ!」
「えっ? ……Aの次のB?」
 フラン、タイムを同類と見做そうとして思わぬ裏切りカウンターパンチを食らう。
「今日はさらしだとちょっと苦しいんでCって書いた下着着てるっすけど、服に響いてるっすか?」
「ジル先輩はBの次のC……あ、あああああたしなんてZだから!!」
 フラン、思わず対抗心を燃やす。だが考え直せフラン。Z級映画は決してB級映画には勝てないように、AAAはBやCには勝てないんだ。
「ヴォルペさんは彼氏です。斉賀先輩は彼氏のセフレさんです。私はヴォルペさんの彼女役の仕事をしています。斉賀先輩とは会うのは初めてですが、とても優しくて良い人です!」
「文通はしたけれど会うのは初めてだね。改めてよろしく、メロ君」
(何故かビジネス彼女(お金の関係)とセフレ(体の関係)に囲まれているおにーさん。意味が分からない)
 今この報告書を読んでいる諸氏も意味が分からなくて背景に宇宙背負ってると思うんだが、三人はそういう関係なんだっけ? っていうかメロと……京司? 拾子? はそういう関係にあって交流してるの? ちょっとP倫?
 それ以前に情報量馬鹿みたいにクソ多くない?
「メロ君は好き嫌いあるかい? 無ければどうぞ」
「食べるものが沢山! 全部ヴォルペさんが奢りです!」
「いいよいいよぉ、どんどん買って食べちゃってぇ」
 ワケの分からぬままに祭りの会場で日本酒を勧められるままに呷ったヴォルペは、混乱と苦手な酒のダブルパンチで秒で出来上がっていた。
 既に大量に買い込んできた京司はメロと一緒に早々に食事に取りかかる。
「今からヴォルペさんの可愛い所を紹介しよう。ヴォルペさん、財布ください」
「はい……」
「このやうに素直で従順で」
「素直で従順で五歳児みたいに甘えん坊になるのは顔が良いから許せます」
 メロに誘われるまま膝枕したヴォルペは、求められるままに京司に採譜を差し出した。メロに撫でられた彼はふにゃりと笑い、京司に擽ったり耳に息をふきかけられたりすると「ピェッ!」と叫ぶ。
「敏感で純情だ。じゃ、お菓子買ってくるから待ってて」
「わーい、お待ちしてます!」
 ニコニコと見送った彼女は、待っているうちにヴォルペに契約書を書かせ始めた。……こうして彼はテレジア並の借金を背負うことに。なる……のか?
「再現性東京なので、制服で参加なのですが……なんだか、細長いお米を食べるイベントらしいのです? 普通のお米とは違うのです?」
「元居た世界にも細長いコメはあったが、こっちにもあるんだな。……食ったことないからなんともいえないが、さて何を食うか」
 誠吾とソフィリアは再現性東京だから、ということで希望ヶ浜の制服姿。周囲は(別の街なので)単に学生服としか認識していないが。それ言うとお立ち台のボディコンも教師姿だったし。
「カレー……美味しそうなのです……お米の違いは置いておいて、とりあえずカレー食べるです?」
「そーだな。カレー食べて、その後あちこち見て回るか? あそこら辺、何か作ってるみたいだし」
 ソフィリアがまず目を付けたのはカレーとジャスミンライスの露店だ。カレーも日本的なそれでは無く、エスニック色の強いそれだ。
 二人にはお気に召したらしく、掻き込みつつも周囲に視線を向ける。蘇芳の生春巻きやらゴリョウのビリヤニやら、食事処は枚挙に暇がない。
「アレは見た事無い料理なのです…うん、色々見て回るのですよ!」
 ソフィリアの背を追う誠吾の表情派、実に穏やかだったとか。
「インディカ米ってたしか、普段日本で食べてるお米と違って、細長くてサラサラしてるお米……だったかしら。、どんな風に美味しく食べられるのかワクワクしちゃうわ」
「穀物とは植物ですし色々あって当然なのですが、意外に感じます。食べるのも初めてなので、楽しみですね!」
 蛍と珠緒は、珍しい米との遭遇に浮足立っていた。二人での食事、ということもあるのだろうが、東京らしからぬ異国情緒がそうさせるのか。
 蛍はエミールが作ったカオパット、珠緒はカレーを選択する。何れもジャポニカ米で調理したものとはまるで違う風味と調理法で作られている要だ。
「これはなんというか、珠緒の知っているかれーとは別のお料理ですね。香りの組み合わせは慣れないと難しそうですが、本職の作をいただく分には、問題なく美味しくいただけるのです」
「ん、これが……かなり香り高いわね! パラパラっとしてて口当たりもいいし、いいんじゃないかしら!」
 インディカ米の魅力を十全に引き出したその味わいに、二人は舌鼓を打つ。
 互いに交換して食べ、再び自分のものを口にし。
 普段と全く違う食事に、この上ない新鮮さを感じたのだった。


「うわーっ! いい匂い! 細いお米は初めて食べるから、色々なお料理を食べてみたいな」
「スープカレーや炒飯、リゾットにナシゴレン、ジャンバラヤ、ピラフ……パッと思いつく限りあげてみたけど、日本人に馴染みがないだけで世界的に見れば美味しいお米だね」
 周囲を忙しなくきょろきょろと見て回るくるりの傍ら、月美は指を折ってインディカ米の料理を思いつく限り挙げてみる。意外と多いことは、新しい発見である。
「細いお米のお料理を食べたくるりが強くなったら、『この料理は筋肉に効く』って言えるよね? ね? 細いお米、バカ売れしちゃうな~!」
「そうだね、タダ飯だから沢山食べて大きく強くなれば、それも証明できるかもね」
 くるりのある意味凄い自信ある台詞を、月美はさらりと流しつつ同意する。証明するためには強くならねばならない。そのためには食べねば。……うん?
「よーし、沢山食べて、お持ち帰りもしちゃお! ……重くて飛べなさそうだけど」
「本当に、どこを見ても美味しいものばっかりだねえ。イレギュラーズの人達も出店してるし、活気があっていいね……あ、あそこ」
 月美が指さした先は、広場の舞台上だ。そこには、マッダラーとカタンの姿。
「希望に輝く太陽、慈愛に満ちた優しき雨、母なる大地が育んだ御心。それこそが米である。
 大地の恵みよ、職人たちの極めた技よ、それらすべてが愛である。集う絶技に魂震わせかっ食らう我らローレット。
 されど皆々よ、人は米だけに生きるにあらず。米あってこその酒である、酒あってこその米である、全ては調和。この世の恵みたる米と酒の調和こそ我らが謳歌すべき使命である。
 食えよ我らローレット! 飲めよ我らローレット! 天上天下に米と酒のすばらしさを広めてこその使命!」
 マッダラーの壮大な演奏と歌声に合わせ、カタンの操る人形があちこち忙しなく動き回る。
 大地の恵みを表現するように伸び上がり、食事の楽しさを表現するように飛び回る。彼自身も即興劇を行う傍らで、このように仲間の手伝いに回るあたりが気遣いの鬼である。
「ネパールの山々に響くように、天に届く頂に告げよ米と酒のすばらしさを!」
「さぁさぁ、ご喝采! 次の劇が始まるまでには、まだしばしの猶予がございます。おや? 何やら良い香りがしてきましたね? 一体どこから……なんと!! あちらで米料理を振る舞ってくれている様子! 皆さん、腹ごしらえなどしてきてはどうかな?」
 マッダラーの演出の終わりに合わせ、カタンが恭しく一礼して米へと誘う。見ていた人々の反応は……言わずもがなだ。
「活況なのは良いんだけどさ、警察官を参加させるとかなんか物々しくない?」
 舞台下で壁に背を預け、アトはため息を一つ。
 再現性東京での姿として刑事姿に慣れようと歩き回っていたら、警備員として駆り出された……という話らしい。
 なお、傍らではフラーゴラが周囲に感覚を張り巡らせて確り仕事してるのだが、アトが気になるわ周囲の匂いに惑わされるわで、ある意味アト以上に成果が出せていないのだった。
「しっかし、カレーは食べたいけど一張羅のスーツは汚したくないんだよなあ。でもこんなにローレットのイレギュラーズがいて悪さするヤツなんていないだろう? あー……服を汚さない食べ物ないかな」
 で、当然問題は此処に行き着く。
 インディカ米に合う料理ってのはどいつもこいつも繊維に優しくないときた。
「えっと、屋台のある会場はこっちだよ……。トイレ……? えっとこっち……。迷子……? 待って待って……」
 悩んでいる彼をよそにふらっと姿を消したフラーゴラは、あれやこれやと仕事を熟す傍ら、油断なく屋台を見て回っていた。
「あ、あの、アトさん……これ……」
 で、彼女の選択は米バーガー。加熱してプレスすればそれなりに形が整うし、舌ざわりも悪くないのだ。
「ふぅん……なるほど、こういうのなら携行食として最適だな。冴えてるじゃないか」
 素直な賞賛にはにかむフラーゴラ。結局、「あーんさせればいいのかな」とか考えた野心は空振りしたが、二人の時間が作れただけよしと言うことで。
「トラブル起こすなら酔っ払いだろうし、食事スペースの方を見ておきましょうか」
 コレットはその体格を駆使して警備にまわっていた。
 基本的には酔っ払い共のトラブル解決が主体だが、幸いにしてローレットの面々は比較的穏やかに酒を飲んでいる。つまみの量の多寡か、人選の問題だろうか?
 基本的に呑まないように務める彼女派、八面六臂の大活躍。まあ、この巨躯に制止されて対抗できる者がいるわけもないが……。
「ん、何かしら、これ」
 と、彼女が弾みで蹴り飛ばしてしまったのは酒樽だった。……酒樽? こんなところに?
「なによぉ……入ってるわよ」
 倒れた拍子に外れた蓋を掴んだのは、セリアの手。半目でコレットを睨み付けた彼女は、そのまま蓋を閉めて寝直すのだった。
「あ、いや、私達はイベントを盛り上げるのが依頼内容じゃなかったのか?! 良いのか!?」
 コレットが驚くのもむりないことだ。
 無いのだが、彼女が寝始めたら何を言っても無駄なのだと彼女がきづくまで、暫しの時を要するのだった。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 そのアイデアは想定していなかった。そんな感じの発見が沢山ありました。
 ……畜生カレー食いたくなってきた。

PAGETOPPAGEBOTTOM