シナリオ詳細
<夏祭り2019>三流海賊王クイックの遺産
オープニング
●これは、宝の地図?
とある真夏の日の昼下がり、俺は物置小屋の整理をしていた。
もう何年もまともに整理をしていない。
埃だらけだし、恐ろしいぐらいに箱やら物やらが散らかっている。
「おや? あれは何かな?」
変な宝箱が、積み上げられた箱の上にあるけれど……。
たぶん、俺の物ではなく、家族の誰かの物だろう。
仕方がない、これも整理しておくか……。
どんがらがっしゃあん!
「くぅ、いてて……。ん? こ、これは!?」
その小さな宝箱は、今、落としたショックで、ぱかりとふたが開いてしまった。
中からは、古ぼけた感じの怪しい地図が出て来た。
「おいおい? 何だよ、この変な地図?」
その地図には、「海賊王クイック」と署名が入っていた。
ふむ、「海賊王クイック」?
「あ! 思い出した! 死んだじいさんの事じゃないか!」
自慢じゃないが、俺のじいさんは「海賊王」と呼ばれていた。
ただし、「三流」がタイトルに付く、ちょいダメ海賊王だが……。
「へえ、何だか懐かしいが……」
この地図、せっかく出て来た所悪いが、きっと眉唾物だ。
クイックじいさんの所有物なんて、碌な物だった試しがない。
航海のおみやげとか言って、変なワニの人形を貰った事があった。
海の男のお守りとかいう話で、ちっぽけなダサい石ころをくれた事もあった。
他にも、海賊の必需品とかいうグロテスクなマムシドリンクも飲まされたか?
そもそもじいさん、海賊仕事だけでは食えなかったら生涯ばあさんのヒモだった。
パートタイム海賊でアルバイトが本業みたいな男だったよな。
俺は決意する。
「よし、この地図は情報屋にでも売ってひと稼ぎするか!」
この地図をまともに信じてはいけない。
たぶん、宝探しなんか行っても、碌な物が出て来ないだろう。
だったら、それらしく話を盛って、情報屋にでも売った方が酒代ぐらいにはなるな。
●宝探しをしない?
今年も『海洋』は夏のお祭り騒ぎが始まり、国中でおめでたいムードが高まる。
あなた方もお祭りに参加したいと思い、『海洋』のローレットを訪れた。
そして掲示板でお祭りの情報を探る。
今年は、どんなお祭りがあって、何に参加しようかな、と。
ワクワクしているあなた達の前に『色彩の魔女』プルー・ビビットカラー(p3n000004)が現れた。何やら、彼女は古い地図を持っているが?
「そこのオレンジに輝いているあなた達! 私と一緒に『お祭り』をやらないかしら? ブルーオーシャンな儲け話があるのよ?」
どうやらプルーが何か面白い情報を持っているらしい。
せっかくだから話だけでも聞いてみようか?
「じゃ、じゃん! このオールドでセピアな地図をご覧になって貰えるかしら?」
ふむふむ、見た所、宝の地図のようだ。
『海洋』のとある無人島への行き方が説明された地図だ。
バッテンが付いている「クイック島」には、隠された宝があると?
地図に署名が「海賊王クイック」とあるが……。
あなた方は察した。
宝探しのイベントか!
でも、「クイック」って誰だ?
「あら? 海賊王『クイック』を知らないのかしら? ふふ、実は私も知ったのは割とグレーに最近よ。この海賊王、国レベルで全然有名な人ではないけれど。『三流海賊王』としてとある地方ではちょっとしたヴァーミリオンな有名人だったようね」
どんな有名人だ?
しかも三流って?
「サンシャインのレッドみたいな大海賊を若い頃は目指していたけれど、年を取っても芽が出なかったから、スモーキーに海賊ごっこをしていたシルバーおじいちゃんね。パートタイム海賊っていうのかしら? 海賊船で色々と航海してはゴールデンな宝探しをたまにやっていたみたいな人? 晩年はカラフルな宝の山に恵まれたという話もあるけれど、どれもモノクロなガラクタだったという、コミカルな方よ」
なるほど、そういう事か!
プルーはガセネタを高額で掴まされて、それをイレギュラーズに売ると!?
「あら、ブラックに誤解しないでよね? 私、別にガセネタとは思っていないわよ? だって、面白そうじゃない、シルバー海賊王のゴールデンな遺産なんて? ねえ、この地図と情報をホワイトにタダであげるわ? あなた達でゴールデンな宝を探して来てくれないかしら? ゴールデンな宝が見つかったら山分けでどうかしら?」
あなた方は今、夢いっぱいの宝の地図を手にした。
さて、いったい、どんな宝が出て来るのだろうか?
- <夏祭り2019>三流海賊王クイックの遺産完了
- GM名ヤガ・ガラス
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2019年07月25日 21時40分
- 参加人数22/30人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 22 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(22人)
リプレイ
●海辺
ぴゅうーっと、海辺にアニキカゼを吹かすのはサンディだ。
彼は海岸の岩場で鋭く観察していた。
「絶対に『引き潮の時だけ海上に現れ、満ち潮の時には沈むタイプの洞穴』があるはず! そういうのってお宝を隠すのに絶好だよな!」
待つ事、数分……。
ざああ……波が引くと徐々に小さな洞穴が現れた。
ほらな、と笑顔でサンディは洞穴へ急ぐ。
海辺で岩場を叩きながら探索しているのはシャルレィスだ。
まだお宝の気配は全くしないが……。
(海賊王の宝探しなんて、冒険者としてこんなにわくわくしちゃう話はないよね!! まあ、三流でパートタイムシルバーってのはアレだけれど……)
周辺の岩場を叩き終えて、ふう、と一休み。
おや? サンディが洞穴へ行くらしい?
「どう? そっちで何か手掛かり見つけた?」
後ろからシャルレィスが話し掛けて来る。
「いいや、全く。黄金入りの壺の1個も出て来ないぜ」
サンディはちょっとがっかりだが、あきらめてはいない。
今度はシャルレィスが洞穴内の岩場の壁をこんこんと叩く。
「ん? 何しているんだ?」
「ほら、もしかしたらダミーの岩で宝を隠してあるかもしれないし! 動かせそうな岩とかを探してみよう?」
ごごご……!!
ほら、あった!
と、思ったら巨大ウツボの魔物出現!
「えい、それ!」
「加勢するぜ!」
2人で力を合わせて難なく討伐完了。
ウツボがいたその先に、大きなスイッチがあった。
「押してみる?」
「おう!」
どかん! どこかで大きな音がした。
カイトは海の上空を飛びながら宝を探していた。
今日は良い天気だ。海が荒れる事もないだろう。
カイトのギフトもそう告げている。
(こういうのは、空から『も』見えない所に隠すもんだ。……ん? 沈没船、にしては小さいな? 小舟の残骸が沈んでるのか?)
怪しい残骸があるのでカイトは高度を落してそのまま海中にざぶん!
水中でも行動能力がある彼はさらに潜って行く……。
毒魚もすんなり回避して、残骸の中央部分にまで辿り着く。
(お、箱だ。何か入ってないかな? 宝石とかだといいんだけども。でも罠の可能性も……。いーや、俺はこの箱を開けるね!)
ぱかり……どっかああん!
島のどこかが爆発したらしい。
●山頂
アクセルは飛べる利点を活かして、山の頂上を目指して飛んでいた。
なお、彼は大きなバッグを首肩から掛けていて、その中には猫達が3匹乗っている。
「ほうら、これが本物の海賊島だよー?」
「にゃー!」
何か幸せ! 夏休みに海賊島に来て良かった!
だが、幸せを妨害する魔鳥達が飛んで来た。
「ギャース!」
(彼らの縄張りに入ったのかな? 速度を上げて逃げよう!)
びゅーっと、ひとっ飛び!
ついに山頂まで来た。
「こういう時の定番として、変な形の岩とか変な形の木とかあるもんだよー」
双眼鏡を取り出してざっと眺めると……。
ん、あった! 変な形の岩と木のセットが!
きっと、あの中に……。
アクセルは変なスイッチを見つけた。
「えい!」
どかん! 引くとどこかで大きな音がした。
●食事
ゴリョウは海に入り漁をしていた。
「ぶははっ、そりゃあ!」
ワイルドに魚や貝を捕まえていく。
岩場へ帰る前に森林の出入り口にも寄る。
そして、新鮮な野生の野菜をむしり取って、かぶりと齧る。
「んごんご……。毒は大丈夫みてえだな? さすがはオークの腹だぜ!」
生野菜も問題なし、と沢山収穫して岩場へ戻る。
実は彼、バーベキューがしたいのだ。
お得意の調理セットを取り出して、魚を捌き、貝を開き、グリルで焼き始める。
ちりちり、と程よい火力で焼くと魚介類独特の香ばしい匂いが広がる。
そこに生野菜も混ぜて、魚介類の野菜炒めを作った。
「よっしゃあ! 食うか!」
ゴリョウがガツガツとバーベキュー料理を頬張っていると探索メンバーが帰って来た。
「探索疲れで休憩か? これでもガッツリ食って気力を回復してってくれ!」
皆で美味しく召し上がった。
●森林
ファレルは楽しそうにスキップしながら森林の奥を目指していた。
「たーんさく♪ たーんさく♪ お宝お宝ざっくざく♪ 頑張ってお宝を見つけるぞ♪」
どういう訳だが、真夏の森林を進んでいるのに彼は全然虫に食われない。
(虫に刺されるのは嫌だからハーブを磨り潰して体に塗ったぞ。これで、虫もあんまり寄って来ないはず!)
しかし、多少の虫除けにはなったものの……。
「グルル!」
野生の魔犬達がハーブの匂いにつられて沢山やって来た!
「え? 嘘!? わー、逃げろー!」
追いかけっこが始まった。
ファレルは逃げる最中に大きな穴で転び、そのままごろごろと穴の中へ転がって行く!
プチ!
あれ? 穴の中で怪しいボタンを押したぞ?
どかん! どこか遠くで変な音がした。
「な、なんだ!?」
森歩きの服に身を包んだウェールは強化視力を駆使して注意深く探索する。
小さいリックは彼の肩に乗りながら周囲を見渡している。
毒草や毒虫に気を配りながらも進むが、何分、険しい森林だ。
「おっと。毒虫に刺されたな」
「おう! おれっちが治すぜ!」
肩にいるリックが治癒の術をウェールの刺された首に施した。
ちく! 今度はリックも刺された。
「すまねえ! お尻を刺されて出血したぜ!」
「よし、今、手当てする。救急箱は持って来たからな」
もう少し先に進むと、今度は怪しくぼろい小屋を見つけた。
さては海賊の隠れ家か?
ウェールが楽しそうに問いかける。
「どうする?」
リックがワクワクと答える。
「もちろん扉を開けるぜ! こんな怪しい小屋の中に宝を隠していそうだしな!」
そこに警備のカカシ出現!
これはいよいよ怪しいぞ!
「俺がやる!」
ウェールの陽炎攻撃でカカシはばたりと倒れた。
ちょっとした仕掛けもあったが、ウェールの看破能力でちょちょいのちょい!
小屋が開くと中には小さな箱があった。
リックの興奮は絶頂だ!
「海賊の宝か!? ロマンの塊だな!」
箱を開けると……。
どっかああん!
遠くで爆発が起きた。
ヒィロは探偵の推理力を駆使して宝の手掛かりが森林の中にあると考えた。
「お宝はたぶん意外なとこに……。ほら、並の海賊とは老練さが違うから。ここはあえてお約束を外して、森林を探索!」
美咲も彼女の推理に乗って同意する。
「森林ね? ご老人が夢のあるお宝を隠すにも、比較的楽かも? ほら、植物が勝手に広がって隠してくれるしね」
2人はそれぞれの飛行手段をもって森林の上空を飛び回る。
視力に優れた美咲が発見した物は……。
「あー……! あの大きな樹の洞とか、あやしいかも? ちょっと不自然ね?」
美咲に教えられるとヒィロは慌てふためく。
「えっと、あの巨大な樹の事だよね? おっきな洞も見える……? うん、行ってみよ!」
2人が飛び降りた先には……人喰い草が巨大な樹の前で群がっていた!
「突っ切らないとあの洞に入れない……。美咲さん、魔法で道筋付けてくれない? そこにボクが飛び込むから!」
「うん。初撃を入れるから、突破かけてみて?」
びびび、美咲の稲妻が炸裂し、敵が倒れた所をヒィロが全力で突っ切る!
そして勢い余って洞の中にすっぽり、と突進!
がちこん!
奥で何かのボタンにぶつかった。
どかん! ん? 島のどこかで大きな音がした。
ばさばさ……森林上空でミニュイが女王を掴んで飛んでいた。
理由の一つは、ミニュイが虫嫌いだから。
理由のもう一つは、空からだと見通しが良いから。
「どう? レナ(=女王)? 何か見つかった?」
首元にしっかりと掴まっている女王は返事をする。
「ふむふむ? なるほどね……ありがとう」
「え? レナ? 何?」
「あら、ごめんなさい、みにゅ(=ミニュイ)。今、現地の鳥達とお話していたのだわ」
女王はウイッチの力を使って鳥達から情報収集していたのだ。
「……みにゅ? ここで降ろしてくれるかしらね?」
2人が降り立った先は罠が沢山落ちていた。
「ねえ、レナ? 罠が多いからもう一度、空へ上がる?」
「いいえ、ここで合っているのだわ。実はね、空を飛んだり、鳥から話を聞いたりしてね、罠の分布状況から法則を見つけていたのよ。もしかしたら罠の多い所にあるかもだしね」
「へえ、さすがはレナ!」
「周辺の罠に気を付けながら、従者も出して皆で探してみましょう」
皆で探す事、数分……。
がちこん! 従者が罠(?)に掛かってしまった!
「きゃあ! レナ! 大事な従者が……助けないと!」
「そうね……あれ? ちょっと待ってね? あの罠、罠じゃなくて……」
どががん! 罠に見せかけたスイッチが機能して島のどこかで爆撃音がした。
暑い、実に夏だ。
あちこちから蝉や鳥の鳴き声が聞こえてくる。
「貴方も好きねぇ、真夏に宝探しなんて? 暑さには気をつけるのよ?」
そう相棒に語り掛けるのは自らも重装備のイーリンだ。
「司書殿(=イーリンの偽名)、本日は付き合ってくれてありがとう。えぇ、暑くても水分と帽子の用意はばっちりです!」
暑そうな騎士の格好をしてそう答えるのはレイリーだ。
「さて、お宝だけれど……。クイック視点から考えてみようかしら?」
「おお、なるほど!」
2人は海賊王になった気分で森林を歩き回る。
宝を隠すのに向いた拠点は……。
川(水の補給)や果実の樹(食料の補給)は近くにあるだろうか?
日当たりの良い場所(過ごしやすい位置)はどこだろう?
今でも残っている目印はないか?
周囲から浮いた不自然な場所はなかったか?
地図に書き込みながら距離を詰めて行くと……。
とある地点でカカシの大群と遭遇した!
「いよいよ怪しいわね?」
「力仕事ならお任せ下さい! 障害物を排除します!」
レイリーが前衛で頑張り、イーリンが後衛で回復役を務めた。
沢山いたカカシだったが、あっという間にやっつけてしまった!
「ふうむ。カカシが沢山いましたが……ここに守りたい物があるのでは?」
レイリーの疑問にイーリンが答える。
「そうね。では、カカシを分解して調べるわよ?」
イーリンは工業技術にも精通しているので、かちゃかちゃと簡単に解体。
カカシを調べると……1体だけ他と色や大きさが微妙に違う物があった。
「あ! それはカカシのボスかもしれませんね、司書殿?」
「そうね。さっきは慌てていて気が付かなかったけれど……」
イーリンの解体作業中に、ぴこん、とギフトが閃いた。
「え? 嘘? ここに宝があるのね?」
「ええと……。『宝』というよりは『ボタン』ですね?」
ボスカカシの中から出て来たのは、怪しい小さなボタンだった。
イーリンの直感が告げる。このボタンを押せ、と!
「ええーい! 押すわよ!」
「はい!」
どかあああん!
派手な爆発音が島のどこか遠くで響いた。
思わず2人は大笑いしてしまった。
●洞窟
ソアは楽しそうに洞窟組の先頭を歩く。
(お宝ならきっと隠し通路の先にあるんだ! そう決まっているものだよね!)
隠し通路を発見するべく、ソアは感覚を研ぎ澄ます。
壁に耳を当ててコツコツと叩く。
(ボクの耳は少しの音の違いも見逃さない。響きがおかしな場所は直ぐに分かるはず!)
うん、この辺が何となくおかしい。
くんくん、鋭敏な鼻が動く。
(空気の流れを自慢の鼻で嗅いでみれば、何か手掛かりが掴めるかも!?)
うん、この辺が匂いそうだ。
「ここだね!」
怪しい壁を思い切り蹴り飛ばした。
どがどがん!
壁を蹴り抜けて、その奥にあるスイッチまで蹴ってしまった。
洞窟の下で大きな音がした……。
「オーッホッホッホッ!」
タントの笑う声が洞窟内に響き渡る。
ぼくらのタント様は発光系のスキルも使い、今日も一段と眩しいお姿だ。
「若々しい夢を生涯追い続けた海賊王……。そんな少年ソウルの持ち主ならば! 隠し通路とか隠し部屋とか! 大好きでしょう!」
タントを照明代わりにしてワクワク進むのはアレクシアだ。
「お宝といえば探検! 探検といえば洞窟! というわけで洞窟内を探検してみるぞー! 暗い洞窟の中だと、タント君の眩しさもひときわ目立って頼もしいね!」
だが闇雲に進む訳にもいかない。
そこはアレクシアが道中に見かける洞窟内の植物に話し掛けて情報を得る。
断片的な情報だが……どうやら、この辺の壁から風が吹き抜けているらしい。
この壁の先は空洞では?
2人で壁を押すと……。
出て来た、出て来た! 毒虫、毒草、罠のお盆!
「きゃあー、助けて、タント君!」
「オホホ! 今、最強ヒーラーが助けますわー!」
ともかく、2人で交互に治療をして何とか回復。
さて、気を取り直してみると……壁の先には大きなボタンが……あるので押してみた。
どがん! 洞窟の下から大きな音が聞こえてきた。
2人は今日の探索を通してお互いが頼りになる事を改めて確認できた。
洞窟の滝の裏でダウジングをしているシエラは口にランプを咥えながらもにやけていた。
(既にお宝は目の前にある! それは目の前にいる少女ぽい水着を着た少jy……ううん少年。どう間違えばこれ以上の輝きを得られるというのかー! 可愛いを守る事こそマイジャスティス!)
ちょっと怪しいシエラだが、その守るべきシオンはシエラの後ろでカンテラを照らしながら楽しそうに歩いている。
「お宝ってどんなのだろーねー……。きっとキラキラでピカピカ輝いててとっても綺麗なんだろうなぁ……。シエラもすっごく張り切ってるし、見つけられる気がする……!!」
だが、道中をカカシや魔物や罠が遮ると……。
「うおー! 大雑把な敵や罠の撃破はまかせろー!」
シエラは特技の反応速度攻撃を駆使して一瞬で敵を倒してしまった。
この勇姿にシオンは目を輝かせて感動していた。
そして歩く事、数分……。
ぴこん! ダウジングが反応した!
「邪魔な壁は吹き飛ばす!」
シエラは壁に向かって特製火薬をぶん投げて爆発させる。
どががあん!
シオンは吹き飛ばされていく壁の欠片を回避しながら応援する。
「がんばえがんばえシーエーラー……!!」
壁は木端微塵に破壊された。
壁の奥には……。怪しいレバーがあった。
「引いてみる!?」
「うん……!」
どかああん!
洞窟の地下から大きな爆発音がした。
宝はあってもなくても、2人にとっては一緒にいられる事こそが本当の宝なのだ。
ティスルは洞窟の上を飛んでいた。
(宝って言うと普通じゃ行けない場所にあったりするよね? てことで私は洞窟の縦穴とか探してみたいかなー)
翼をはためかせる事、数分。
洞窟の上で縦穴を発見できた。
だが、縦穴を守るカカシが立っていたのだ!
「いやいや、縦穴の所にカカシが立ってたりしたらアタリでしょ!」
ティスルは魔弾を放ち、カカシを一撃で壊した。
そして着地して縦穴へ入る。
「クイックお爺さんは『海洋』の人だからもしかして飛行種かな? あるいはその種の知り合いがいてもおかしくないし。飛行種しかマトモに行けない場所にあるかもでしょ?」
案の定、縦穴の中にはスイッチがあった。
ティスルが、ぽちり、と押すと……。
どかん! 洞窟の地下で大きな音がした。
アトは洞窟内へ入らず周辺を探索していた。
「さて、三流海賊王の遺産か。まずはクイックの思考をトレースしてみよう」
ローグライク系観光客は、周辺の壁を伝いながら歩み進め、考える。
「己は三流。だが海賊らしい遺産は遺したいという老人の哀愁。ならば最も海賊らしい場所、洞窟の中、丹念に隠された部屋。そういうものを求めていたはず」
引き続き、周辺の壁伝いを進めて行くと、ある地点にぶつかった。
「ほら、あった。自然洞窟の死角という人の心理の盲点を突くはず」
洞窟の死角から中へ入ると、大きな宝箱が置いてあった。
アトは探索者の便利グッズを駆使して、宝箱の錠前を壊す。
宝箱の中には大きなボタンが入っていたので……押すと……。
どかああん! 洞窟のどこかで爆発した音がした。
●宝
海辺、山頂、森林、洞窟にあった全ての仕掛けが機能した。
最後に一発、派手な爆発音と共に地震が起きて、洞窟地下に隠し階段が発生!
皆が隠し階段を下りて行くと……。
地下には胡椒やハーブ等のスパイスの魔法庭園が広がっていた。
予想外にも大きな宝だったのでローレットへ寄付する事で話がまとまった。
了
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
この度はシナリオへのご参加ありがとうございました。
夏休み冒険スペシャル海賊王の遺産探索はいかがでしたでしょうか?
宝の発見、おめでとうございます!
皆さん、それぞれがそれぞれのやり方でご活躍されました。
特定の誰かが宝を発見した、というよりは、
皆さんのチームワーク(スイッチの相互作用)で一つの大きな宝の発見に繋がりました。
ご飯作ってくれた人もありがとう!
探索系のシナリオはけっこう楽しい事が判明しました。
また機会を見て、今後も探索系のシナリオを出せたらいいなと考えています。
GMコメント
●目標
三流海賊王クイックの遺した宝物を発見する。
●ロケーション
『海洋』のとある無人島(クイック島)で日中に宝探しをして頂きます。
●探索
無人島で宝物を探索します。
「探索ポイント」というポイントを貯めて頂きます。
「探索ポイント」は探索行動によって増えます。
ポイントが一定数以上貯まると宝物が出て来ます。
無人島には様々な場所がありますが、「探索場所」を1か所だけ選択する事でポイントが付きます。
例
・洞窟内を探索
・洞窟周辺の砂浜を探索
・海中を探索
・森林を探索
など
「プレイング」では、「探索場所」の他に「探索方法」も書いて頂きます。
例
・洞窟内には何があってどうしますか?
・海中には何が埋まっていますか?
・森林にはどんな仕掛けが残されていますか?
など
「探索方法」に関する「プレイング」の内容次第でさらにポイントが付きます。
●気を付ける事
無人島では襲われる場合もありえます。
例えば、野生魔物やクイックの遺したカカシ等といった外敵もたまに存在します。
他にも島中に毒草、毒虫、毒海藻もいますので気を付けましょう。
●探索以外
探索以外の行動を取っても問題ありません。
食事作りの担当や探索でケガをした人の手当てを担当する等もできます。
●グループ行動
グループで行動する場合は共通タグか同行者のIDを用意するようにお願いします。
例1【洞窟探索班A】
例2【カレー自炊班】
例3 ショウ(p3n000005)
●「プレイング」例
Aさんの場合
・洞窟内を探索するぞ。(探索場所)
・洞窟内の壁を叩いて隠し扉を見つけるぞ。(探索方法)
・洞窟内ではカカシに警戒して進むぞ。
Bさんの場合
・探索はやらないわ。
・カレーを作るわ。お腹がすいた人たちに分けるわね。
・間違えて毒草を採取してカレーに入れないように気を付けるわよ。
●GMより
今年もやって参りました、『海洋』の夏祭りイベントです。
私の方からは、夏休み冒険スペシャル海賊王の宝探し編をお届けです!
さあ、みんなで宝を探し当てよう!
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