シナリオ詳細
<ジーニアス・ゲイム>Defend orders the Luxion
オープニング
●混沌とする状況
『新生・砂蠍』。
先の幻想南部侵攻によって幾つかの拠点を落とした彼等は、幻想南部に拠点を築き上げ、橋頭堡として幻想王都メフ・メフィートを狙っていることがわかった。
そう、強力な軍隊と化した砂蠍の目的は国盗りであり、状況は予断を許さない。
「幻想貴族達もこの動きに対応を進めているわ。
ローレットにもこの動きに加わるように助力要請が来たわ」
情報をまとめる『黒耀の夢』リリィ=クロハネ(p3n000023)は、いつになく真剣な表情で言葉を続ける。
「ただ気になるのは鉄帝国の動きね。
北部戦線にも幻想貴族から助力要請が出ているのだけれど……鉄帝国からも同じように来ているの」
それはローレットの政治的な中立性を考えると、拒否する事の出来ない要請だ。
これに対しギルドは『両方の依頼をそれぞれ受ける』という形をとったと言う。そうどちらも受諾する。これが”ローレットがローレットとして成立する”最低条件なのだ。
「イレギュラーズ同士の直接対決はうまく避けつつ、二国の軍勢に対してそれぞれの依頼で対抗する状態、というわけね」
北部戦線の二つの助力、そして幻想南部での砂蠍との対決と、状況は混沌と呼ぶに相応しい状況にあった。
●大都市ルキシオン
「そんな状況の中、幻想南部の大都市ルキシオンへの助力要請が来たわ」
大都市ルキシオン。
王都メフ・メフィートにほど近い南部の大都市である。この拠点を落とされれば、それはすなわち王都メフ・メフィートへの通行許可証となる。
「要の街ですからね。貴族も大部隊を用意して迎え撃つつもりのようですけど、敵の数がこれがなかなか……」
「ふむ、盗賊と言いつつももはや軍隊ね。聞いてた以上に数が多いものね」
話を横で聞く『星翡翠』ラーシア・フェリル(p3n000012)と『はらぺこ王女さま』ルーニャ・エルテーシア(p3n000050)が言葉を挟む。
新生砂蠍の大部隊。その数四百。
これに対して貴族の部隊は二百五十。街の警備隊五十を加えて三百で迎え撃つ構えだ。
やや心許ない数を考えれば、ローレットへと助力要請がくるのも頷けるだろう。
「貴族としても最低でも同数は確保したいでしょうね。
市街戦を避けて都市壁を利用した防衛戦になるわ。
要塞……という程の都市壁ではないけれど攻城戦に近しい物になる。人数は多ければ多いほど有利になるでしょうね」
そう言ってリリィは集めた情報をテーブルの上の地図に示しながら口を開く。
「敵は左右前面の三方向に部隊を展開しているわ。これを見て頂戴――」
地図上に敵の総数が記載されていく。
「左翼に五十ですか。少し少ないですね」
「前と、右手側は百二十五なのか。主力と見て間違いなさそうじゃの」
二人の言葉以外にも、遊撃と思われる少数部隊五十が右翼中央側後方に並び、中央後方には本隊と思しき五十の部隊が存在する。
「確実に仕留めたいのは中央後方の本隊。『屠殺』のザトルバという指揮官の首ね。
そしてもう一つ注意しないといけないのは――」
すっとリリィの指が動く。
左翼、五十の部隊。
「調べたところ、ここには都市を直接攻撃する砲筒が用意されているの。それもとびきり悪質なやつね」
それは二度イレギュラーズと戦った砂蠍幹部『蠍姫』スキラ・スロースの置き土産という。
神経毒をばらまく特殊砲筒三機が都市を射程に収めるべく前進しているという話だ。
「神経毒だなんて、なりふり構わない感じでしょうか」
「有効な手段ではあるかもしれんのう。けど、私は好きじゃないわ。ふんだ」
「神経毒をばらまかれれば都市の防衛戦力は極端に低下するでしょうね。
つまり、最優先で抑えなければならないわ」
目に見える脅威。これを捨て置く事は当然できない。でも――とリリィは続ける。
「それは相手もわかっているはずよ。なのに防衛戦力が極端に少ない。
罠や囮の可能性も十分に考えられるわ」
そう、前回同じ砲筒を用意した蠍姫と対峙したイレギュラーズは、その砲弾の直接起爆によって危機的状況に追いやられた。
同じように砲筒を狙う部隊を一網打尽にする作戦の可能性は捨てきれないのだ。
「それでも、止めなくては成らないわ。
貴族達の部隊、そして街の警備兵は前面と右翼の部隊の対応に追われるはずよ。
特異運命座標ちゃん達の働きにすべて掛かっているといっても過言ではないわね」
大部隊での戦いとなる。
通常の依頼とは異なる、適切な役割分担、人数配分が必要となってくるはずだ。
「大変な依頼だけれど、砂蠍の連中に好き勝手させてられないわ。
ここで、バシッと決めて、無事に帰ってきて頂戴ね」
「力になれるかはわかりませんが、今回は私も助力致しますね」
「ふふん、まあ大船に乗ったつもりで私に任せてちょーだい。来たばかりの世界だけれど、戦争なんて慣れっこなんだから!」
ラーシアとルーニャの言葉に頷いて、イレギュラーズは依頼書を受け取った。
大きな戦いが、始まろうとしていた。
- <ジーニアス・ゲイム>Defend orders the Luxion完了
- GM名澤見夜行
- 種別決戦
- 難易度NORMAL
- 冒険終了日時2018年12月15日 22時50分
- 参加人数79/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 79 人
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参加者一覧(79人)
リプレイ
●反撃開始
大都市ルキシオン。
その南方の都市壁沿いに貴族兵及び都市の警備隊三百が展開する。
盗賊達の士気は高く、また実戦で鍛えたであろう戦闘能力も防衛戦力を上回るものだ。
かなり厳しい状況にあって、しかし都市の防衛戦力は良く持ちこたえていた。
ともすれば、一瞬で瓦解しかねないこの戦線を持ちこたえさせていた老兵が、俯瞰した戦況に歯噛みする。
(耐える……今は耐えるときじゃ……!)
盤面のコマを慎重に動かしながら、老兵は流れ落ちる汗に気にもとめず、情報を精査する。一つのミスも許されない。指揮を違えば多くの人命が失われる。
しかし、それは綱渡りである。徐々に押し込まれた戦線が、張り詰めた糸のようにほつれ始め――そして、ついに戦線が瓦解し始めようとしたその時、救援が現れた。
「特異運命座標の方達が戦場に現れました! 救援です!」
「来たか――っ!!」
このときの為に、力を温存し耐えてきたのだ。老兵がバッと立ち上がり伝令をだす。
「反撃開始じゃ! イレギュラーズと協力し、盗賊共をたたき出せ!!」
大都市ルキシオン防衛部隊の反撃が、イレギュラーズの介入とともに始まった。
●中央戦線I
戦場を見渡す小高い丘の上。
誰からも目立つその場所で、全身を発光させながら上方に向けて祝砲――魔法を放つのは樹里だ。
「今ここに立ち上がる勇士達。
守るべきを持つ者。譲れない矜持を持つ者。皆、様々な想いを抱いているでしょう。
ですが今目指すべきは一つです」
それは即ち――生きてこの場を勝ち残る事。
「死の気配なんて笑い飛ばしましょう。
死神なんて私の祝砲を以て追い祓ってみせましょう。
生きなさい。そして皆で鬨の声を上げるのです!」
戦場に立つ貴族、兵士、そしてイレギュラーズに祝福が宿る。
【ねこ隊】の面々はヨハンを中心に貴族支援へと乗り出していた。
「中央押して下さい! 右翼は一端下げて!」
統率統制スキルによる兵隊指揮は限りなく十全に機能し、現場の士気をあげる。
ともすれば、個人行動が多くなってしまうイレギュラーズを多く統率したヨハンのリーダーシップは見事なもので、これによって瓦解しかけた中央と右翼の戦線は持ち直すこととなる。
「いやぁ見事な指揮ですねっ! お見事!」
「目に見えるお世辞はやめてください……」
そんなヨハンを支える――ヨイショして持ち上げる――のはヨハナだ。名前の似ているヨハヨハコンビのこの二人が、貴族兵達の中心で全体指揮を行う。
ヨハナは主に連絡の足となる軍馬や、スキルを用いた広域通信の要となる。これは広大な戦場においては重要極まりなく、ヨハンの的確な指示を支えるものとなった。
現場では【ねこ隊】所属のマナが、戦線の維持の為に治癒の魔力を行使していた。
「ヒーラー専門の私は危険な前線に出るのは控えたほうが良いのはわかっています……。
ですが……前に出なければ守れない命もあります……」
儚い印象を抱かせるマナは、戦場には似つかわしくないかもしれない。
しかし、マナは確固たる意思を持って戦場に立っていた。
「それに、私は大切な人を死なせないためにこの戦いに身を投じます……。
みんな、生きて帰りましょう……」
儚い少女の祈りが、傷付いた兵士達を癒やし、もう一度戦う力を与えていく。
「これ以上前には行かせないよ!」
貴族と盗賊達がぶつかる最前線。ヒィロは自ら、危険な戦場へと身を置き戦線の維持に努める。
「後ろの皆を守るためにも、別の戦線で仲間が敵の優位を覆す時間を作るためにも……。
ボクが、ボク達が頑張れば頑張る程、勝機は近づくんだ!」
歯を食いしばり数多くの盗賊をブロックする様は貴族兵達の士気を高揚させる。
「ぐあぁ……くそ、やられた!」
貴族兵の一人が傷付き前線より離脱してくる。そこにこの男が現れた。
「ラブヒーラー!! オッケェーーーイ!!
ヒャオッ! 俺の愛の前では誰一人死なせねぇ……! ラブ! ヒールッ!!」
「ファオゥッ!?」
愛の妖精ラヴィエルが貴族兵の尻からラブパワー(?)を注入し、傷を癒やす。それだけでは終わらない。
貴族兵を背負うラブおんぶによって後方へと運んでいく。アフターケアもバッチリだ!
この異質な愛の妖精は戦場でたびたび目撃され、敵味方を驚かせる。
「お前は何者なんだ?」或る兵士が尋ねた。ラヴィエルはこう応える。
「今日の俺は愛の妖精じゃねえ、愛の兵士、ラブソルジャーだ!! ウオオオ!!」
戦場に愛の兵士の咆哮が木霊した。
「押し負けるな! 此処で押し返せば勝てるぞ!」
戦況を把握しながら現場で指揮をとる礼久。逐次用意する罠は効果的で、盗賊達を怯ませる。
「――! 斥候だ、倒すぞ!」
ひらめきも十分に、敵の出鼻を挫く。こうした小さなことの積み重ねが、大きな波を生み出すのだと、礼久は理解していた。
戦場を駆ける遊撃部隊とも連携し、十分な貢献をしたと言えるだろう。
【ねこ隊】の耐える戦いは続く。
「数が多い……が、確実にとりに行かせてもらうよ?」
盗賊達を相手取り、鎧の戦士が流麗に舞う。
ナインはもっとも苛烈な激戦区で戦っていた。敵味方入り乱れる乱戦上で其の鎧の身体を魅せる。
溢れ出す魔力放出が一人、また一人と盗賊を吹き飛ばしていった。
「傭兵として、虫(蠍)に負けるわけにはいかねェなァ?
オマエら気張れ!! てめェらの大切なモンの為に! 生き残るために!!」
挟撃されないようにと、右翼側に陣取るBrigaは、全身全霊を持って吐き出す大喝によって多くの盗賊達を吹き飛ばしていく。
「死にてェヤツは前に出ろ!! オレは傭兵のバリガ、ハイエナのバリガだ!! 冥途の土産に覚えておけ!!!」
戦場に、怒りを買うBrigaの咆哮が響き渡った。
「さあ、かかってきなさい! いくらでも相手してあげるわ」
巫女(らいむ)が戦場を疾駆する。
盗賊達と至近の間合いで一合、二合と打ち合って、ただ只管に愚直に。目の前の敵を攻撃し続けた。
(いつの時代、どこの世界でも国盗りなんてあるものなのねぇ)
などと感傷に浸りながら、「ふふ」と口角をつり上げて、血生臭い戦場を流麗に舞い敵を一人ずつ確実に打ち倒していった。
遊撃部隊、その中でも【転戦】を目的としたグループは、その名の通り戦場を駆け巡る。
騎乗犬の屑ちゃんに乗るキドーを中心に、状態異常をばらまき走る様はまさに毒の槍を突き刺すがごとし。
「こーいう嫌がらせは任せときな。後はお前らで……ぶっ飛ばしてやれ!」
劣勢だった右翼へと突入し、そのまま中央へと流れ多くの状態異常を与えていった。
この戦い方は、ルキシオンを神経毒で狙う盗賊達を揶揄したものでもあり、当てつけだ。
騎獣に乗って銃撃を繰り返すマカライトは思う。
(これが義勇軍だったとか言うんだったらそっちに賛同してやったが……。
街に毒をばら撒くような連中に『国』は作れねぇよ)
その想いをぶつけるように放つ騎士の雷なる一撃が、多くの盗賊達を巻き込み吹き飛ばした。
「その砲台、その殺意。貴殿らは人類にとっては危険な存在であるようだ。吾輩にとっては救うべき人類であるが──無辜なる人類に反旗を翻すなら滅ぼさねばなるまい。死もまた救済である」
ダーク=アイがその大きな瞳で戦場を俯瞰した。不利な戦場を見極め合図をだす。
「さて──吾輩らも動くとしようか」
意味知れぬその不気味な目玉は、確かな不吉を齎し盗賊達を陥れていった。
「さぁ今宵は僕と踊ろうじゃないか。
お代は勿論。君たちの命と言う事で一つ」
高い反応値と回避技術で敵を翻弄するのはリェーヴルだ。
同じ遊撃部隊の仲間が多くの攻撃を入れやすいようにと、敵を引きつけ惑わせる。
「その隙は、見逃さないよ――!」
敵背後から繰り出す大技が、華麗に極まり敵を絶命させる。
離脱間際に放たれる大毒霧が多くの敵を巻き込んで、更なる状態異常の渦へと発展させた。
【転戦】を繰り返す中、当然敵の遊撃部隊とも遭遇することがあった。
「やらせないわよ。ソーンバインド!」
ジルーシャの操る魔性の茨が、敵遊撃部隊を絡め取り、足止めする。続けざまに悪意から生み出した殺傷の霧で飲み込んで、さらなる状態異常を付与していく。
敵遊撃部隊も、この動きを黙って見過ごすわけではない。数を武器に圧殺しようと突撃を繰り返す。
「深追いは禁物よ。数では負けているのだからね」
数の少ない遊撃部隊だ。正面から戦うのは上手くない。睨みを聞かせながら、消耗を避ける戦いを選択する。
「なんだぁ? 兵士でもねぇ村人がこんなところで何してやがる!?」
輪華を見た盗賊が声をあげる。それもその筈で、邪悪そうな笑みを浮かべる輪華は自身の特徴である”死神”を出してはいない。
「あはは、釣れた釣れた。大量ね。
目には目を、牙には牙を、毒には毒をってね……覚悟は出来ているかしら! げほぉっ!」
盛大に吐血しながら現出させるのは黒き死神。その様相はどの時代、誰が見ても死を司る悪魔である。
死神の振るう大鎌から毒の霧が生み出され、盗賊達を苦しめていく。
「この程度の毒で壊れる蠍なんて、お笑い種よね?」
血の付いた口元を吹きながら、やはり邪悪そうに笑う輪華は、【転戦】を続ける仲間達を追うのだった。
戦場を俯瞰するように一人の少女――ナハトラーベが蒼空を舞う。羽ばたかせる黒翼はこの戦場において大いに目立つ。だが、それが良い――と、少女は内心ほくそ笑む。
敵を惑わすその高度。
無邪気に敵の視線を浴びながら、しかしそれは囮のみならず。
”ハイリゲン”――落ちる聖水が魂を誘う。
”ベーテン”――祈りが傷付いた者達を救い出す。
それのみならず無骨な剣闘士の剣を用いた急降下戦術が盗賊達を傷つける。
戦場の直中にあって、礼儀正しく余裕の表情で唐揚げを囓り舞う少女。
一際自由な彼女はそう――宙を舞う一片の羽のようだった。
各戦線を裏で支えるのは救援部隊を買って出たイレギュラーズだ。
前線で傷付いた者達が、続々と後方へと運ばれてくる。
「大丈夫、今……回復するからね。こう見えても普段は医者なんだよ」
シャロンが手早くSPDによる回復を図り傷を癒やしていく。
医者という彼は手際よく医療用具を使い分け、医療技術、知識を持って兵士達の治療を続けた。
街を守って、無事にシャイネン・ナハトを迎えられるように、と。
軍馬に乗って治療を求める声の元へと駆け込むのはマリアと華蓮だ。
「華蓮ちゃんと共に治癒できるなんてー……」
「マリアお姉さん、一緒に頑張るのだわ」
人助けセンサーと感情感知を駆使して、辿り着けば、傷付く者達を回復魔術で癒やし、恐怖を打ち払っていく。
特に撤退を始める部隊を援護し、多くの者を後方へと逃す事に成功した。早い段階で治療出来た事で、失う者も少なく、また戦線に復帰するような者も多く生み出す結果となった。
「この手が届く限り、誰一人欠ける事のないようにー……!」
「味方にも広く伝えてあるわ。きっとこの行為が役に立つ時がくるはず!」
二人の献身的な救援活動はいつまでも続いた。
「もう心配いらんぞ。ここなら大丈夫じゃ」
後方に拠点を築き、要救助者を運び込み治療をする潮。
小さいながら拠点を築くというのは実に有効で、多くの負傷者を一度に治療する事ができた。
「どうじゃ、ジェラートとかき氷、うまいじゃろ?」
モチベーション増加に……ということだったが、これはなんとも言えないところだろうか。
「大丈夫、すぐに傷を癒やすからね」
戦場を移動しながら、その診察眼で傷付いた者の状態を確かめるセシリア。
エネミーサーチも利用して、十分に警戒しながら最前線で治療を続ける。
特に診察眼によって傷の具合を見分けられることが、手際の良い治療に繋がっており、危険な最前線での治療を可能にしたといって良いだろう。
また充填される力によって、長く、多くの者を治療する事に繋がった。
●左翼部隊を叩け
この戦場でもっともフォーカスが当たるのは左翼に展開している砲筒部隊に他ならない。
砂蠍幹部『蠍姫』スキラ・スロースの置き土産。神経毒を発射する部隊だ。
戦局を決める兵器ではあるが、これに対する護衛が少ないことが見て取れることから罠である可能性は極めて高いのだが、それはこの部隊を抑えない理由にはならない。
一発でも発射されれば、どんな虐殺が待っているか知れたものではないからだ。
左翼を押さえるのはこの戦いにおいては必須と言ってもおかしくない。故に、十四名のイレギュラーズは、覚悟を持って左翼へと攻撃を開始した。
「グルルルル……」
激しい怒りを込めて、アルペストゥスが唸りを上げる。
砲筒部隊の直上に飛来するアルペストゥスを見上げて、砲筒部隊の幾人かが武器を振り上げる。
アルペストゥスの目に見えるのは慎重に運ぶ砲弾。
「グラァァァッ!!!」
その毒玉一つで、どれだけの命が、ただ自然で生きるものが傷つくか。
絶対に認めるわけにはいかなかった。
咆哮とともに放たれる魔砲が敵軍を飲み込んでいった。
「己が刃が折られるとも、然して敵の心を折れ!」
勇壮のマーチを鳴り響かせ、ローゼスが射撃体勢に入る。
「砲筒には砲塔を」
ローゼスの操る空舞う砲身オベリスク。そこより放たれる鉄柱が戦場を襲う。
神代、弓の名手であった狩人は大蠍に刺され死に絶えたと言う。
「今、ここで射手の汚名を濯ごう。
一発の魔弾でも、敵に負けを悟らせられればそれで良い」
狙撃者の瞳が、悪しき砲弾を撃ち出す砲筒を捕らえた。
砲筒を狙うだけが攻撃ではない。
София(ソフィーヤ)は幻影を生み出して、地形を変化させたと錯覚させる。
「倒木に沼地、デコボコ穴もあれば満足には進めませんでしょう?」
本物と見紛うその幻影に、砲筒を運ぶ盗賊達が浮き足だつ。
誰かが叫んだ。「幻だ! 気にせず進め!」
「――確かに幻ですわ。けれどどれが幻かまでは、分かりませんでしょう?」
Софияの動きに連動して、敵を罠に嵌めるヨルン。幻影と隠された罠によって、砲筒部隊の足は更に止まっていく。
「その位置、もらったよ」
狙撃者の瞳は極限の集中を持って、必中の矢を射る。周囲の護衛や回復役の機動力を削ぐ戦い方は十分に有効だ。
「何事も生きてこそだよ」そう嘯くヨルンは、しかし、神経毒を撒こうとする彼等には与えられないものだと、断言した。
ニーナもまた砲筒を止めるべく左翼へと赴いていた。
「……ん、都市に神経毒を持ち込むなんて……悪い子達。
……『ヘルヘイム』の名において……お仕置きです……、ついうっかり……力加減間違えて……殺してしまったら……ごめんなさい」
擬似神性を下ろしたし薙ぎ払いが周囲の盗賊を吹き飛ばし、得意のフロストチェインで砲筒を捕らえ氷結させていく。
他の仲間達の邪魔にならないように――しかし協力できるようにと立ち回っていた。
左翼襲撃の中核を担うのは、【幻狼】と【毒を喰らわば】の面々だ。
「準備は整いましたか? では行きますよ!」
幻の合図で、”水”を大量に積んだ馬車が砲筒部隊へ向けて走り出す。
この動きに【毒を喰らわば】も呼応して、一直線に突撃を開始する。
「切り札である神経毒の砲弾を台無しにして、
一気に潰してやる!」
ジェイクが猛る。視線の先には砲筒部隊へ突っ込む馬車の荷台が見えていた。
「今です! 一斉に樽を狙って!」
「おうよ!」
幻とジェイクの放った攻撃が、馬車の荷台、大量の水を積んだ樽に直撃する。
盛大な炸裂音と共に、破裂し、辺り一面にばらまかれる。
「良いじゃない! 良い感じよ!」
二人を援護する白紅(しるく)が声を上げる。成功を確認する言葉は負けフラグでもあるが、彼女はフラグブレイカーだ。
「全てを湿気させるとは行きませんか――ッ」
「だが、十分だぜ!!」
「援護は任せて! 一気に決めるわよ!」
【幻狼】の作戦。砲弾を水で湿気させて使えなくする作戦は見事と言って良い成果をあげた。
幻の言うように全てを使えなくするという訳にはいかなかったが、八割方使えなくなったのは大戦果だろう。
この機に乗じて、【毒を喰らわば】の面々が、一気に制圧へと疾駆する。
「『蠍姫』スキラの置き土産。あんなもの二度と使わせてなるものですか!
これで禍根を無くしてみせる!」
『イッヒヒヒ! 気張って見せろよォ!』
魔剣ズィーガーを携えて、神経毒には因縁のある結が先陣切って砲筒部隊に突撃する。
バードアイとも呼べるファミリアーとの視覚共有は、戦場を俯瞰することで必要十分な情報を手に入れることができる。
「化学兵器なんて優雅ではありませんわね」
砲弾をダメにされて浮き足だつ砲筒部隊にケイティがトラップを投げつけていく。マキビシ、トリモチスライム、ネットなど。阻害を受ける盗賊達が、足止めされるように動きを止めた。
続けてケイティは陣地を構築するように穴を堀り、その中から攻撃を加えていく。まるで塹壕のようなそこに、次々と仲間達が利用するために入ってくる。
「夕さん、状況は?」
「ふふ、バッチリ掴んでるよ!」
夕は空飛ぶ使い魔から戦場の情報を取得し、統に伝える。
入手した情報から、戦略眼を用いて作戦を組み立てる。【幻狼】とも連携しながら、砲筒破壊への筋道を立てていく。
「よーし張っ倒してやっちゃうぞー! 超やっちゃうぞー!!」
夕が破壊のルーンを刻めば、不可避の雹が、戦場に降りしきる。邪魔をするなとばかりに突撃してくる盗賊の攻撃は防御スタンスで構える統が防いだ。
「こっちだ。余所見していると砲筒を全て壊してしまうぞ!」
ユーが砲筒部隊へと飛び込んで注意を引く。
自ら攻撃することはない。防御に集中し敵視を稼ぐ算段だ。
幾重にも盗賊の攻撃が連なる。その悉くを防ぎ切り、仲間の被害を減らす事に貢献する。
そうしてほとんどの砲筒を破壊する事に成功した左翼襲撃部隊だが、残る一本の砲筒の周囲に盗賊達が防備を固めるのが見えた。
「敵も必死だね、何を考えているか視させてもらうよ――無理矢理にでも発射するつもりかい! 奥だ! 発射するつもりだよ!」
救援部隊として後方に控えていたどらが、リーディングによって”視た”敵の思考を言葉にする。この声に最前線の結が反応した。
「奥!? 砲筒を準備している!? 打たせないで!」
結の指示に、グレイルが反応する。
「……絶対に……止める……!」
虚無のオーラを放ち砲筒への道をこじ開けると、続けざまにフロストチェインを放ち砲筒を縛り付ける。
盗賊達がグレイルの攻撃を妨害しようと殺到する。
「……くっ……!」
砲筒は壊し切れていない。だが、盗賊達に視界を塞がれ手出しができない。
砲筒に点火される。
「やらせない! 絶対にっ!!」
飛び込んだ結が砲筒を下から切り上げるようにズィーガーを振るった。砲弾の発射音が響く。
「砲弾は――!?」
砲筒は――上を向いている。見上げれば頭上に中途半端に打ち上がった砲弾が見えた。
「皆、避難して!」
結の叫びと同時、砲弾が炸裂する。ばらまかれる神経毒が左翼一体に広がっていく。
「そうなると思いましたわ――! さぁ中へ!」
塹壕らしき穴を掘っていたケイティがイレギュラーズを収容し穴を衣服で塞ぐ。それで全てを防ぎきれる毒ではないが、被害の低減には貢献出来ただろう。
「くぅ……からだが……」
いつか味わったものと同じ感覚を結が味わう。周囲を見渡せば、敵盗賊達はこの爆風の中を――身体を起こして動いている。
(まずい……)
このままでは、この場に居合わせるイレギュラーズが無抵抗に反撃されるのは必至。
何か考えなくては。奥歯を噛みしめながら状況の打開に目まぐるしく頭を回しているその時、神経毒の散布されたこの戦場にあって盗賊達を打ち倒す者が現れた。
「動ける者は退避しください! 動けない者は小生達が援護します!
盗賊達のいいようにやらせませんよ!」
号令を出し戦場を駆けるは【イルミナティ】の六人だ。
菱形陣形、その後方で指揮をとるアインザームが、毒にやられて動けないものを守るように立ちはだかった。
「バルザック、様子はどうですか?」
「どうもこうもねぇ、ひでぇことになってるが――まだ最悪じゃねぇ。十分に守り切れるぞ」
上空から左翼の状況を見て取るバルザック。彼が各種スキルで発信する情報はすぐに指揮するアインザームへと伝わり、【イルミナティ】の面々を動かしていく。
混乱する状況にあって、戦闘を拒否し偵察斥候役に徹するバルザックの貢献は大いにあるもので、現場の指揮の精度を間違いなく一段階上げていた。
「主より命を請けたとはいえ――
自分が仕留め切れなかった兵器を手下に任せるとは全くツラの皮が厚い雇い主ですこと」
そう言葉にしながらハイネは神経毒にやられた仲間に事前に作り上げた抗毒剤を飲ませる。
これは”雇い主”であるところの男が蠍姫との戦いの中で改良を重ねた抗毒剤だ。特効薬というわけではないが、その効果を軽減する働きを見せた。
このハイネの持ち込んだ薬によって、左翼で神経毒の直撃を受けたイレギュラーズは大なり小なり怪我を負いながらも、一人も死者を出す事なく戦線を維持する事が出来たのだった。
「オォォ――ッ! 喝――ッ!!」
肉薄戦で切り込むグランディスが、全身全霊を籠めた大喝を放つ。生み出された衝撃派が幾人もの盗賊を巻き込み吹き飛ばしていく。
【イルミナティ】の面々の切り込み口を作り出したグランディスは、止まる事なく突き進む。
民を傷つけんとする匪賊には怒り心頭の様子だ。
鬼神の如き攻めが、神経毒によって優位を取ったと油断した盗賊達を殴り飛ばしていく。
グランディスの後ろでは太極が工作に精を出し敵軍を混乱へと陥れる。
「いくらヌシらでも仲間の死体が起き上がって向かって来る様は嫌じゃろうて……ヒヒヒヒヒ」
敵の死体から屍鬼を作り出し、戦場を闊歩させれば、然しもの盗賊達も怯えと恐怖を顔に浮かべた。
「ホ、戦争で眉を潜められても困るの?
そらいけ、仲間が待っているぞい!」
屍鬼を盾に、【イルミナティ】の猛攻は続く。
「我が鋼鉄(からだ)、早々崩れるものではない」
アインザームの指揮に従いながら、敵中央で盗賊達の前衛を食いとめるシュタイン。彼もまた他の面々のようにある者から依頼されたようだ。
憂いの尻ぬぐいをしてやると、その身を盾に盗賊達の凶刃を防ぎ受け流す。
高度に鍛え上げられた防御技術は乱戦においても其の力を十分に発揮し、【イルミナティ】のみならず、左翼にいるイレギュラーズの先頭に立って、多くの者を救った。
「さぁ、怪我人はこっちだ。こういうときの為に救援部隊がいるんだからね」
後方に待機するどらが、次々と怪我人を癒やし回復させていく。救援部隊として左翼を注視していたどらの活躍は目覚ましいものがあっただろう。
こうして遊撃部隊【イルミナティ】の介入によって神経毒がばらまかれた戦場にあって、しかしイレギュラーズは立て直す事に成功する。
また、敵側の援軍がこないことでこの砲筒部隊は孤立無援となり、撤退する事も叶わなくなった盗賊達は意気消沈し、一人、また一人と武器を手放していくのだった。
砲弾の爆発はあったものの、左翼はイレギュラーズが押さえた形となった。
●中央戦線II
左翼をイレギュラーズが押さえる頃、中央戦線は拮抗――否、やや貴族側が推されている状況にあった。
これはやはり数の差が大きい。如何に個人として強い力を持っていたとしても、物量の前には潰されてしまうのだ。
この戦いを指揮する盗賊『屠殺』のザトルバはそういった戦い方を好む。圧倒的な物量で相手を磨り潰す――屠殺とも言える戦いを好む。
いまこの場で屠殺の邪魔をすると言えば――救援部隊の存在だ。
遊撃部隊の盗賊隊長が戦場を駆ける、前衛の壁を打ち破り、後方に構える救援部隊へとその牙を突き立てようとしていた。
しかし、救援部隊にもそれを守る騎士がいた。
「ここからさきはぜったいいかせないの! リリィがこのきゅうえんぶたいをまもるきしさんなの!」
小さな身体に大きな大剣を握りしめ、相手を威圧するように翼を広げる。
背水の構えは堂に入って、必ず守ってみせると誓いを立てた。
リリィの獅子奮迅の活躍は、戦闘能力の低い救援部隊の被害を可能な限り少なくするのだった。
「くっ……敵が攻めてきてる。
味方に文句……は言えないわね、皆必死だわ。なんとか立て直さないと――!」
ミシャは傷付いた兵士達をさらに後方へと下げながら、救援部隊を襲う敵遊撃部隊へと立ち向かう。
「この――! ライトニングッ!!」
味方を巻き込まないように注意しながら、電撃を操り迸らせる。大きな損害を出す力ではないが、少しでも被害を減らすために、ミシャは全力を出すのだった。
「オラ、こっちだ! ボロボロになってんのに無理すんじゃねぇよ!」
サングラスに革ジャン、そしてモヒカンと見た目は完全に盗賊側であるヨシトだが、そのギフトのお蔭か兵士達の視線は温かい。
戦闘経験の少なさをカバーするように救援部隊としてライトヒールを放ち敵に追われる者達を回復する。
とにかく今は、敵の遊撃部隊から逃げるのが優先だ。仲間を急かしながら、危機を乗り越える為に力を振るう。
「……すっごく怖い。
でも――でも負けられないよ!」
これが初陣であるフランは救援部隊を襲う凶刃の中、必死に仲間の回復に力を注ぐ。
しっかりと防御に集中し、充填を意識した回復は、周囲にいる”先輩”達に取ってみれば十分以上の支援となる。
「こんなことしかできないけれど……がんばって!」
救援部隊を守る者達へと掛けられた言葉が、力を振り絞らせる。
願うように、祈るように――犠牲者を出さないようにと必死に耐える。
そうして――願いと祈りは天に届く。
危機的状況の救援部隊を救うため、彼等が現れた。
【転戦】を繰り広げる面々が、救援部隊の危機の知らせを受けて戦場へ介入する。
「にひひっ、そんなに生き急がなくていいのになー。もっと気楽に生きようぜー?」
ファミリアーによる上空からの情報を得、偵察を十分に行うエクリプスが、傷付き倒れる救援部隊へと颯爽と近づき、敵味方に手にした薬瓶を投げつける。
食えない笑みを浮かべながら、余裕のない状況であってもへらへらとふざけ、おどける。
それは危機的状況にあった救援部隊にとってはなんと頼りがいのあるものに見えただろうか。
「……これ以上、好きにはさせないよ。
そっちも、たくさん殺そうとしていたなら……おあいこ、だよね?」
悪意を内包する霧が敵遊撃部隊を襲う。
確実に、一人ずつ、弱った者から無力化させていく。
アイリスの傍に立つ十字架の顔の修道女人形が、異様な不気味さを演出し、戦場に立つ盗賊達を怯え竦ませた。
「お力添えを致します。
さぁ、ここからが反撃の時ですよ」
リプルが自らの生命力を犠牲に、周囲の集中力を高める”場”を作る。
続けざまに浄化の鎧を顕現させれば、敵遊撃部隊へと迫る前線の面々の防御力を高めていった。
敵の放つ毒矢を意に介さない抵抗力を持つリプルは、その豊富な体力を存分に使いながら、仲間達を支援し続けた。
多くの敵を、味方の範囲攻撃に誘導、巻き込みながら戦場を走るエリス。
「いやぁ悪いね。たまたま突っ込んだようだ。君たちにとっては不運だろうが、私にとっては運がよかったようだ」
などと軽口を叩くも、その内に秘める殺意は本物だ。
「力はないからね、無駄に足掻くだけさ」
戦闘経験の少なさは、知恵と体力で補うと言うように、エリスは兎に角戦場を走り続けるのだった。
【転戦】以外にも遊撃として動く者達がいる。
単独で動く彼等もまた、救援部隊を救うため集まってきていた。
「ワタクシがお相手致しますワ」
敵遊撃部隊を真っ向から抑えるのはアルムだ。反技術を持つアルムはそうして何人もの敵を抑え、攻撃を受け流しながらダメージを返していく。
堅牢なる楯の名に偽りなし。悉くをはじき返す城塞と化していた。
「まだだ、まだ、ここからが本番だ……。
丈夫しか取柄がないのに、倒れるわけにはいかないんでな!!」
結依がその身を盾に多くの攻撃を引き受ける。
ぐぅぐぅと鳴る腹の虫を気にしながら、しかし、この戦いが終わったらご馳走にありつけると気合いをいれた。
不滅の肉体が瞬時に傷を癒やし、敵を自由にさせなかった。
「オラオラー! 次はどいつダ!!」
劣勢とみれば嬉々として戦場へ飛び込んできたパズズが、見える盗賊達を片っ端から殴り、蹴り倒していく。
牽制を中心としながら、しかし隙あらば急降下キックを叩きつけ盗賊達を打ち倒していく。
自らの身が危うくなれば即座に後方まで下がり、回復を待つ。そうして回復を受ければ、今一度戦場へ。戦いはまだまだ終わらない。
遊撃部隊の介入で、中央後方まで突入していた敵遊撃部隊は撤退を余儀なくされた。
この勢いに乗じて、中央の貴族部隊は戦線を押し上げる形となった。
【ねこ隊】の面々、そして単独で支援に参加するイレギュラーズも疲労困憊ながら、貴族達の士気を維持し戦いを続ける。
「だいぶ数は減らせたけど、まだまだね」
額の汗を拭きながらルーニャが息をつく。いまだ混沌肯定に慣れず、思うように力を発揮できないのがストレスだが、戦場の勘は取り戻せたように思えた。
「左翼の砲筒はなんとか潰せました。あとは本体さえ押さえられれば……。
それまで、なんとか支えましょう」
同じように流れる汗を拭うラーシアがルーニャにそう声を掛ける。
本体を押さえられるかどうかが勝負の分かれ目だ。どうか上手くいきますようにと、祈りながら二人は前線へと駆けていった。
「――お前は逃がさん!」
【ねこ隊】の前衛として動くルチアが、自爆覚悟の一打で敵を討つ。
回避力に自身がないルチアは周囲の貴族兵と連携しながら、弱った敵を確実に打ち倒していった。
体力的にはそろそろ限界だ。無理をせず、後方へと下がるのが無難だろう。
「と、その前にあいつだけは倒す!」
また一人獲物を見つけ、ルチアが飛び込んだ。
「はいはーい、回復は順番ねーっ!」
後方ではリーゼロッテが忙しそうに負傷兵の回復に努めていた。
すでに多くの者を治療した事もあり、限界が近いが、それでも明るく応急手当だけでもと、治療を続ける。
戦闘経験の少なさを確り役割でカバーした良い例だろう。彼女のおかげで多くの兵が救われたのは言うまでもない。
戦場に紫、そして赤の輝きを迸る。
「久々の魔眼全力……んー、なんだかんだでスカッとするわ」
美咲の操る魔法が多くの盗賊達を薙ぎ払う。それは、ギフトによる無詠唱無挙動の賜だが、敵からしてみれば突如連続的に放たれる魔法に戦々恐々である。
喉を鳴らしながら水分補給を行い充填を待てば、次なる獲物を探して戦場を睨めつける。
「さて、いくわよ――!」
今一度紫電が走った。
戦場に甘く切ないバラードが響き渡り、その中心で、神の依代を手に舞う者がいる。礼拝だ。
(どうかこの歌と舞いで、皆さんの力を存分に発揮してください)
イレギュラーズのみならず、貴族兵達もこの美しい舞いにその心を鼓舞されて、疲労積み重なる戦いの最中にありながら、しかし今一度戦うのだと気合いを入れ直した。
中距離から貫通力の高い魔弾を放つワルド。そうして多くの敵を穿てば、一度後方へと下がる。
徐にワルドは、同じように一度後退していた貴族兵に気さくに話しかけた。
「彼女の舞い、あれを見た者は不敗だそうですよ。
それにうちの指揮官――彼のいる陣営が負けたことは無い。我らが軍の勝利はすでに必定ですよ」
それはある事無い事口から吹き込んでいるだけだが、疲労の多い戦場においてはなんと頼もしい言葉だろうか。
そうして、調子の良い事を言いふらしながら、部隊全体の士気を少しでも上げようとするのだった。
「まだまだこれから、よ――潮目はそこにあるわ」
単独で中央支援を行うモルセラが声を上げる。玲瓏と静かによく通る声はスピーカボムによって戦場に響き渡り、味方に喝をいれる。
追い込まれている戦場ほど彼女の声は味方の背を押し、士気高揚の策となる。
「潮流はこちらにあるわ――国を蝕む砂蠍を飲み込むわよ」
モルセラの号令によって、貴族兵達が鬨の声を上げた。戦線は拮抗からやや優勢へと傾いていく。
「ここを崩させはしないぜ――! 支えてやるよ!!」
中央支援の面々の中で大きく目立つ事はないが、しかし地味に活躍しているのはゲオルクだ。
防御重視に切り替えた万全の態勢を築き、限界まで敵のラインを抑え続ける。
自らの限界が近づけば一度下がって、戦場をよく見渡し、そしてまた押されている場所へと飛び込みラインを支えるのだ。
目論見通りと、口角をつり上げながらゲオルクは、今一度戦線崩壊が危ぶまれる場所へと飛び込んでいった。
「ガゥ! 敵、多い、でも、負けない!」
幼き機獣オールドが、貴族達と共に戦線を押し上げる。
戦い慣れてはいない。けれどやれることは在るはずと、敵の足を止める牽制を幾重にもばらまいていく。
「ここ、保たせる!ガゥ、みんな、守る!」
仲間に頼ることにはなるが、それも役割としてはありだ。
しっかりと自分の役割を意識した立ち回りで、オールドは力の限り戦い続けた。
「この身は未だ未熟者――然りとてやれることはありましょう」
戦場を駆けるカンナが盗賊達を一刀の元に両断する。
深呼吸を繰り返し、出来うる限り長く、戦線を維持する事に努めていた。
「盗賊が国盗りとは夢を見たものです。いえ……夢を見る事は悪い事ではありませんが
それにて他者を巻き込むならば――看過できない所」
絢爛たる舞刀が多くの敵を傷つけ出血させた。
周囲の貴族兵もこの勢いに乗っかって、戦線を大きく押し上げた。
多くのイレギュラーズの活躍によって、救援部隊はその窮地を脱し、また勢いに乗った貴族部隊が戦線を押し上げる。
また左翼から戻ってきた部隊もこれに加わり、中央の状況は拮抗からやや優勢へと傾いた。
後に残す派本体の『屠殺』のザトルバだけである。
今、イレギュラーズの剣が、本体へと突き立てられようとしていた。
●決死の急襲
左翼外側に広がる森の中で彼等――【終の一刺し】は息を潜めてタイミングを推し量っていた。
「ささやかな幸運でも、きっと力になります様に!」
集まった七人へと手の甲へキスするフェスタ。幸運をもたらすハピネスキスに全てを委ねるわけではないが、しないよりはした方が絶対良いだろうとはフェスタの弁だ。
「頃合いだな、行こう」
ルフトが声を上げ、全員が頷く。
ルフトの脳裏に過ぎるは、中央部隊にいたラーシアとのやりとり。これが終わったらリリィと三人で紅茶でも飲もうという約束。
約束を果たすために。必ず勝つという強い信念で手にした刀を握った。
森から駆け出して、一気に平原へと躍り出る。
視界の先に見える小部隊。
その後方に位置する――遠方からでも分かる――肥え太った醜悪な盗賊の姿。『屠殺』のザトルバだ。
声もなく、音もなく、一糸乱れぬ疾走で一気にザトルバへと肉薄する――!
「ぬぅぅ!? なんだぁ、おまえらぁぁ!?」
ザトルバが気づき声を上げる――が、遅い。
「ここを守れなかったら大勢の人が危険になる!
明日を! その先を笑顔で生きる為に!
絶対に負けない! 勝つ! 生きる!」
「ぶはぁははは! そんな希望なぞ屠殺してくれるわぁ!!」
フェスタが放つ『エンド・オブ・ザ・ブルー』。蒼氷の鋲がザトルバの醜悪な身体を釘刺しにする。
「かはーっ! いてぇじゃねぇか!!」
激昂とばかりに穿たれた蒼氷の鋲を叩き割り、反撃に分銅を振るう。フェスタが大きく吹き飛ばされ、地面に転がった。
ザトルバの周囲の盗賊達が防備を固める。
「邪魔だ――ッ!」
ルフトが放つ魔砲がその多くを飲み込んだ。続けざまにルフトがザトルバの手にした分銅を封印する。
「こしゃくな真似しやがって!! お前らやれぇ!!」
「やらせませんわよ――!
ククク、我が手に集え蒼穹の力よ!
喰らうがいい、蒼穹波動超弩級衝撃波!!」
並み居る盗賊達を吹き飛ばす青き衝撃が、悠の手から放たれる。見事得意技へと昇華されたその一撃が、再度ザトルバへの道を作り上げた。
「その隙、もらった――!」
ユキヒョウをベースにした怪人であるアンシアが、全力の魔力を乗せた一撃を叩き込む。否、それは乱打だ。畳みかける様に、すべての力を最短で放つように連続的にザトルバへ叩き込んだ。
だが、それほどの連続攻撃を浴びながら、しかしザトルバは健在。
「ちくしょうぅ、俺は嬲り殺すのが趣味なんだ。いてぇのは嫌いなんだよぉ!!
全員、皮剥いで解体してやるから、覚悟するんだなぁぁ!!」
大暴れするように悠とアンシアに拳を叩きつけ、その力を誇示する。
「随分なご趣味をお持ちねー。それじゃあ、やられる方の気持ちも味わわせてあげるわね?」
遊撃として戦場に駆けつけていたアレクシエルが小首を傾げながら武器を振るう。鈍重ながら威力に特化した渾身の一撃がザトルバへと叩きつけられる。
醜悪な悲鳴をあげたザトルバに今一度小首を傾げ、
「あら、ごめんなさいな。そんなに痛かったかしら?」
と薄い笑顔を見せた。
「私もお邪魔させてくださいな。
殺し合いが得意なのでしょう?」
「殺し合いじゃねぇ! 一方的な虐殺だぁ!!」
封印を破った分銅を振り回し、薫子へと投げつける。手にした武器で受け流しては相手の思うつぼと、腕を絡ませ力比べとなる。
「へっへっへ、まずはお前からだぁ!」
「汚い顔を近づけないで頂けますか。
この距離からでも出せる技はありますよ――ッ!」
紅の雷が迸り、引いた武器へと纏えば、刹那一瞬の煌めきとともにザトルバの肩を刺し貫いた。力が抜け鎖がほどける。
「敵を屠殺することが至上の喜び……。
そうか、つまり、それが君の愛かザトルバ! 結構、結構!
傷付ける事、傷付けられる事。偏奇親愛。それが我が愛」
「けぇっ、変態かお前は! ぶっ殺してやるぜ」
投げつけた分銅がジョセフの腕を絡み取る。しかしジョセフは待ってましたと言わんばかりにザトルバの懐へと飛び込んだ。
「うふふふ……愛し合おう!」
「ぐあぁぁ――!?」
ザトルバの醜悪な腹を揺るがす魔力を乗せた一撃。衝撃にザトルバが嗚咽を漏らす。
ジョセフの攻撃は止まることを知らない。たとえザトルバに反撃を受け、傷だらけになろうとも、それこそが興奮剤であるかのように、狂おしい程に猛り、”愛”を確かめ合う。
「っと、だからって死んじゃったら元も子もないっすよ!」
魔砲を放ち周囲の盗賊を蹴散らしていたフェアリが、ジョセフとザトルバの肉薄戦に目を見開き、慌てて回復魔術を唱える。
【終の一刺し】は短期決戦を望んだチームで回復手が少ない印象だが、しっかりとその役目を担っていたフェアリの貢献は確かなものだ。
危うく屠殺されそうになったジョセフを窮地から救うのだった。
「雑魚共が! これっぽちの人数で俺様を殺せると思ってるのかぁー!」
怒り狂うザトルバが分銅を振り回す。もはや敵味方見境無しに振り回し迫る様、まさに屠殺場の主。
初動でとどめ刺す事叶わなければ、圧倒的不利である。また人数も――動員が難しかったとはいえ――やはり少ない。
だが、それはわかっていたことだ。この場にいるイレギュラーズは皆決死の覚悟で挑んでいたに違いない。
なれば、あとは足掻き、全ての力を出し切るのみ。
「ぐひゃひゃひゃー! 全員ぶち殺してやるぅー!!」
分銅にこびり付いた血が戦場に飛びしきり、平野が赤く染まっていく。
そうしてザトルバの気が、己の目の前にいるイレギュラーズに集中したその時、残る二人の男達が動いた。
「ふぅ……――」
森の中、狙撃者の瞳を輝かせフォリアスが大きく息を吐いた。
しくじることは許されない。だが、幸運の女神の口づけを貰ったのだ。しくじる事などありはしない。
息を止め、風を感じ、そして轟音が響き渡る。
超射程、貫通力のある魔弾が、今まさにイレギュラーズ達を屠殺せしめんとするザトルバの胸を穿った。
「あ? なんだぁ?」
突然のことに理解が及ばないザトルバの背後。今まで気配を遮断し隠れていた乱丸が疾駆する。
臆病であるが故の戦い方。しかし、その一撃はまさに不意を突いた必殺の一撃となるか。
首元を狙った一撃は、しかしザトルバが気配を察知し些か逸れる。だが確実な致命傷を与えた。
「か、隠れてやがったのかーぁっ!」
「蠍だか何ぞ知らんが、わし等のシマでこんだけ騒いでくれたんじゃ、落とし前はつけさせてもらうぞ?」
「知るかぁ! 死ねぇ――!」
ザトルバの必死の反撃を受けながら、紫電を一閃させる乱丸。大きく態勢が崩れたザトルバに、フォリアスの放つ二発目の弾丸が空気を震撼させた。
のけぞり倒れかかるザトルバがしかし死にものぐるいで分銅を振るう。多くの者が倒れる中、フェスタが渾身の力を籠めて飛びかかった。
紅き盾から燃えさかる黒き炎が身を包み、闘争心――護る為に戦う心――が燃え上がる。
そして対となる蒼き盾からは、今一度蒼氷の鋲が生み出され。
「これで、終わりだぁーッッ!」
「がァァッッ!!!」
全ての防御を無視する決死の一打が、ザトルバの心臓を穿つ。そのまま地面に叩きつけるように押し倒すと、歯噛みしながら立ち上がった。
「ザ、ザトルバ様がやられた!」「やべぇぞ、逃げろ!!」
生き残っていた盗賊達が蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
「追撃は――ちょっと厳しそうですね」
薫子が眼鏡を直しながら息をはいた。
敵軍部隊長『屠殺』のザトルバはギリギリの戦いの中で、遂にイレギュラーズによって討ち取られた。
この報はすぐさま中央部隊にも広まって、多くの盗賊達が撤退を開始する。
ルキシオン防衛部隊に、それを追撃する余裕は、なかった。
●勝利の美酒を捧げて
戦いは終わった。
大都市ルキシオンの中央では祝勝会が開かれて、一転祝賀ムードとなっていた。
この戦いで多くの者が傷付き倒れた。中には帰らなかった者もいる。
そのほとんどはイレギュラーズではなく貴族の騎士や兵士、警備隊の者達だ。
イレギュラーズは思うだろう。
全身全霊、全力は尽くせたはず。だが、まだなにかやれる事があったのではないか、と。
特異運命座標という存在。可能性を蒐集する者達。
其の手はまだ、可能性を模索しているはずだ。
一つの決戦が終わった。
この結果がどのような結果に繋がるにせよ、この大都市と、そこに住まう人々を守り切れたことを誇りと肴にし、今はただ勝利の美酒を月に捧げよう。
成否
成功
MVP
状態異常
あとがき
澤見夜行です。
ご参加頂きありがとうございました。
想定していた人数を下回る状況にもかかわらず、うまくバランスを取って出来うる限りの戦いが出来ていたと思います。
当然人数差による劣勢は免れませんでしたが、ギリギリのラインで勝つ事ができました。よかったです。
MVPはギフトによって多くの人にバフを配り、ザトルバを打倒したフェスタさんへ贈ります。
称号いくつかだしました。よくがんばりましたで賞です。
決戦お疲れ様でした! 素敵なプレイングをありがとうございました!
GMコメント
こんにちは。澤見夜行(さわみ・やこう)です。
砂蠍の王都侵攻が本格的に始まりました。
大都市を攻める大部隊に対抗しましょう。
無制限――多ければ多いほど有利になるでしょう……!
●決戦シナリオの注意
当シナリオは『決戦シナリオ』です。
他『<ジーニアス・ゲイム>あの蠍座のように』『<ジーニアス・ゲイム>Prison=Hugin』『<ジーニアス・ゲイム>イーグルハート』『<ジーニアス・ゲイム>Defend orders the Luxion』『<ジーニアス・ゲイム>南方海域解放戦線』『<ジーニアス・ゲイム>紅蓮の巨人』にはどれか一つしか参加できません。ご注意ください。
●Danger!
当シナリオにはパンドラ残量に拠らない死亡判定が有り得ます。
予めご了承の上、参加するようにお願いいたします。
●同時参加につきまして
決戦及びRAIDシナリオは他決戦・RAIDシナリオと同時に参加出来ません。(通常全体とは同時参加出来ます)
どれか一つの参加となりますのでご注意下さい。
●依頼達成条件
大都市ルキシオンの防衛(大前提)
『屠殺』のザトルバの撃破
神経毒発射装置(砲筒)の破壊
●情報確度
情報確度はBです。
情報の精度は高いですが、想定外の事態が起こる可能性もあります。
●状況
大都市ルキシオンの南部側三方を砂蠍の部隊により取り囲まれています。
貴族の部隊が必死の抵抗を見せていますが、圧倒的な士気の高さから、押し込まれる危険性も孕んでいます。
また、左翼に展開する神経毒発射装置である砲筒が防衛戦力にプレッシャーを与えています。進行速度が遅く射程に収めるまでに時間が掛かるのが救いでしょうか。
イレギュラーズは戦闘開始後の到着となります。互いにまだ疲弊していないタイミングとなるので、一気に勢いをつけるべきでしょう。
●敵戦力
・本隊――部隊長『屠殺』のザトルバ
大部隊を預かる砂蠍幹部。
でっぷりと太った醜悪な容姿であり、非常に狡猾で残忍。
敵を屠殺することを至上の喜びとしている。
HPが高くしぶとい。手にした鎖分銅は非常に広範囲の攻撃で、相手の体勢を崩すと同時に致命を与えます。
・中央及び右翼部隊――それぞれ盗賊百二十五名
主力部隊。
士気が高く連携力にも富んだ盗賊達の大部隊です。
中央前面と右翼前面に展開しており、貴族達の部隊とぶつかっています。
貴族達の部隊より少し強い。
・遊撃部隊――盗賊五十名
戦場を駆ける遊撃部隊。
高い反応と機動力で、劣勢の戦場を援護するように現れます。
少数精鋭の部隊で、かなり強いです。
・砲筒部隊――『蠍姫』直轄部隊五十名
『蠍姫』スキラ・スロースの置き土産。
神経毒をばらまく砲筒を砲弾を護衛しています。
動きは遅いですが、戦闘が長引けば防衛不可能な神経毒が都市、及び防衛部隊にばらまかれる事になるでしょう。
●戦闘地域
幻想南部と中央の境。大都市ルキシオンの周辺になります。
そのほとんどが街道と平野となっており、遮蔽物等無い環境になります。
左翼外側には大きな森があり、砲筒部隊は森の中に入らずに沿って移動しています。
●出来る事
以下の中から行う行動を選んで下さい。
【貴族支援】:中央及び右翼の主力部隊との交戦になります。ここの部隊の勝敗が戦場の士気をコントロールするでしょう。
【左翼襲撃】:左翼砲筒部隊を狙います。此処を撃破できない場合、戦況は大きく変化するでしょう。
【遊撃部隊】:戦場を駆け、劣勢の場所へと支援することができます。また十分な活躍ができれば敵の目を引きつけることもできるでしょう。
【本隊急襲】:左翼外側の森から本隊を狙って突撃します。部隊人数が多ければ多いほど効果が下がり、人数が少ないほど死傷率が高くなります。勝敗を左右する部隊でしょう。
【救援部隊】:仲間の死傷率を幾らか下げます。多いに越した事はないですが、多すぎても目立ち狙われるでしょう。
●書式
書式運用しています。
出来るだけ沿うようにプレイングを記載ください。
一行目:上記出来ることから【】内にくくられた選択肢を選び記載してください。
二行目:同行PC名やグループタグを記載ください。完全単独もこちらに記載ください。
三行目以降:自由記載
●同行NPC
ラーシア・フェリル、ルーニャ・エルテーシアの二名が同行します。
ラーシアは主に救援支援、ルーニャは貴族支援で立ち回ります。
特に指示がない場合はほどほどの活躍をしています。
●そのほか
有用そうなスキル、アイテム、プレイングには色々なボーナスがつきます。
皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしています。
宜しくお願いいたします。
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