PandoraPartyProject
バビロンの断罪者
バビロンの断罪者
遂行者達の活動は遂にラサ、深緑、そして鉄帝にまで及び始めた――
天義を始めとし……幻想、海洋、練達、豊穣を順繰りにして、遂にだ。
なんたる事か。奴らは文字通り全ての国を巻き込むつもりだというのか。
「うぅ……ぁああ……」
そして――その中の鉄帝において、妙な動きが見えていた。
幻想と鉄帝の国境付近。所謂南部戦線の領域において……正気を失ったが如き者の姿が見えるのだ。ソレは近隣に住まう鉄帝国の民か――? されど誰も彼も瞳には生気が伴っておらず濁り果てている。
まるでなにがしかの『狂気』に晒されたかのよう。
彼らの歩みはただ一点、南に向いている。
このまま行けば幻想王国へと辿り着くだろうか。
あちらから見れば国境侵犯とも言える行為。その行いを――
「……アレは『影の艦隊』の仕業か」
「マリグナント・フリート。遂行者サマエルの配下――
厳密には預言者ツロから与えられた……『聖ロマスの遺言』の影響が大きいのだろう。
多くの者達が狂気に陥っている。アレは……」
「呼び声を拡散させる装置、と言った所か。聖遺物を利用するなど罰当たりな」
見据える者達がいた。
天義国における『黒衣』を身に纏っている人物だ。鋭い瞳は、狂気の渦の中にある歩みを見据えている。その歩は決して早くないなれど、やはりこのままでは国境を跨ぎ隣国へと至ってしまおうか。
……あぁ『それ』そのものが遂行者達の狙いなのだろう。
鉄帝国は幻想王国へと幾度も領土進行を繰り返していた国。
故にこそ遂行者達が唱える『正しき歴史』とやらでは、今でも戦争をしているのが正しい筈なのだ。故にこそ再現を行わんとしている。鉄帝国の者を暴走させ、疑似的な戦争状態を作り出さんと……
しかし、そうはさせぬ。
「行くのか」
「無論だ。連中の目論見など見逃さん。一つ一つ、潰していく。
それに他国の事とは言え、放っておけば天義本国にどう余波を紡ぐか」
「だが、ネロ。数が多すぎる」
「知らん。それは歩みを止める理由にはなるまい」
ネロと呼ばれた男は動き出す。彼の目は本気だ。
数が多かろうがなんだろうが知った事か。
――遂行者共の狙いは潰す。例えソレがどれほど困難であろうとも。
「我が身この身は、大恩の為に」
その身に纏っている黒衣は決して遊びの代物ではない。
聖戦の意を示す衣は覚悟をもって着込んでいるのだ。それこそ『遥か以前』から。
天義の為、暗躍している者共を討つのだと――
無論、彼一人では遂行者らの行い全てを止めるには手が足りなすぎるのは分かっている。
遂行者達の戦力は強大であるが故に。
どこか外部に……そう例えば、英雄と称されるイレギュラーズ、彼らなら……
(……いや無為なる事だ。我は影。その本分を忘れてはならぬ)
が。ネロは首を振って思考の靄を払おうか。
(……そうだ。如何なる軍勢と戦おう事になろうと、それでも)
それでも、と。男は心の内で呟き続けようか。
彼の瞳は死なぬ。彼には戦うべき理由があるのだから。
遥か過去。己を救ってくれた、大恩ある方の為。大恩ある方の一族が住まう天義の為――
「我、ただ正義を成さん――」
黒衣の男は戦い続ける。例え己一人になろうとも。例え無謀であろうとも。
天義に仇名す者――許すまじ。
※ラサ、深緑、鉄帝にて遂行者の動きがあったようです――
※『黒聖女』マリアベルの『無慈悲な呼び声』を空中神殿のざんげが『空繰パンドラ』発動で阻害したようです……!
代わりに空繰パンドラの現在値が100000低下しました……
※『空繰パンドラ』の発動を経てベルゼー・グラトニオスによる『裏切り』が発生しました……!
『<フイユモールの終>Goodbye Dear You.のシナリオ内容・情報が更新されました。
※『双竜宝冠』事件が新局面を迎えました!
※豊穣に『神の国』の帳が降り始めました――!
これまでの覇竜編|シビュラの託宣(天義編)
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