PandoraPartyProject

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La'cryma

 聖なる国で一つの戦いが終わった。
 終焉の獣は落ち。天義には再びの平穏が訪れるか――

「と、なれば良かったのでしょうがね」

 所変わって砂漠の国。遥か遠方よりの知らせを受けながら言を零したのはファレン・アル・パレスト(p3n000188)だ。ファレンはラサの中でも有数の商人。そんな彼の下には数多の情報が流れてくる――
 特にホットたるニュースは天義の事であろう。アドラステイアなる都市に巣食っていた存在ファルマコンがイレギュラーズの奮戦によって討たれ、かの都市は天義聖騎士団の管轄に置かれた。
 ……が、しかし。不穏な影の全てが払われた訳ではない。
 時を同じくして天義と幻想との国境付近に存在する港町エル・トゥルルにおいて聖遺物が毒に塗れた――という話が出ているのだ。ソレが何を指し示しているのか、今の所ラサにまで詳しい情報は入ってきていないが……新たなる神託が舞い降りた事を起因としている、という噂も聞く。
「箝口令が敷かれているというのは事実か否か……騒乱の火種に事欠かない地ですね。国境に隣接していなかったのは、はたして傭兵の国としては幸運であったのか不運であったのか……」
 いずれにせよ、と。ファレンの思考は続けざまに隣国に向けられようか。
 ――鉄帝だ。例年にない程の大寒波に見舞われている、渦中の国。
 冠位七罪の支配が続く鉄帝では六つの勢力が徐々に勢力の勢いを増しつつあった。近頃では発見されたという地下道で大きな軍事行動があったと聞くし――同時に、新皇帝派の襲撃も察知してそれぞれ対応の為の策を巡らせたとか。
 ……初期の段階においてかの国に支援(商売)の手を齎したファレンとしては、かの国の動きが最も気になる所であった。特に天義と異なり、正に隣国だ――場合によっては此方に火の粉が降りかかってくる事もあり得る。
「こちらも如何様に備えておくべきか……さて」
「――ファレン様。失礼いたします」
 と、その時だ。ファレンの執務室にノックの音が響き渡る。
 自らの部下の声だ。新たな報告書でも届いたか――? そう思った所であった、が。
「先日よりネフェルストで出回っている『例の件』につきましてご報告が……」
「……尻尾を掴めましたか?」
「はっ。欠片ですが、此方に現物も」
 それは他国の話ではなかった。むしろラサそのものの話……
 近頃、ラサではネフェルストも含め『妙な宝石』が出回っているという話があるのだ。
 出所が分からない。どこから産出されたのかも、誰が流しているのかも分からない。
 ただその美しさだけが――人々の話題の中に、時折独り歩きしている。
 ……何もなければそれでいい、のだがしかし。ファレンの胸中には、かつてのファルベライズ遺跡における『色宝』の件が思い浮かんでいた。なんぞやの『宝』の話が出回る時には、決して甘い蜜ばかりではないのだと……

「これですか、話に聞く宝石というのは……成程。何やら不可思議な神秘を感じますね」

 そして。彼の手元にその欠片が届く。
 それは美しい宝石の一片であった。
 まるで――漆黒たりうる闇夜を秘めているかの如く。
 それは美しい宝石であったのだ。

 あぁ、眼を眩ませる程に。

 ※アドラステイアの『神』ファルマコンを撃破しました――!
 ※アドラステイアは壊滅状態となり天義聖騎士団の管理下に置かれることとなりました。

 ※ラサでは妙な宝石が出回っている様です……?

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