PandoraPartyProject
望むべくは
鉄の国で六の派閥が天を競い。
正義の国でアドラステイアなる勢力の動きが活発化している頃。
豊穣。久遠なる森の地でも動きがみられていた。
かの地ではある魔種の動きを妨害せんとする行いがあり。
しかし一方で、その魔種……偲雪の掲げる平和思想と共に在らんとする神使もいた。
それが星穹(p3p008330)や百合草 瑠々(p3p010340)であり。
「どうしたの星穹ちゃん。さっきからずっと指先を見つめて――」
「……いいえ、なんでもないんです」
と、星穹はふと――己が手を、ずっと眺めていた。
それは在る人物に引き留められたが故に。
強く、強く。意志を感じる程に……
……どうして、こんなに未練があるの。
私の『記憶』には何もないのに――
「忘れろ、星穹。それはきっと必要ないものだ。主の友として――傍にいてやれ」
「……なぁ。『ソレ』に、お前はなれねぇのかよ」
「ウチか……? ウチはそれにはなれない。従者か守人って所ならともかく、な」
あの方の為に生きて、死にたいと思ったから。
忍はそういうモノなんだ――と。瑠々が告げるのはプラック・クラケーン(p3p006804)だ。
なぜ彼が此処にいるか。それは……彼もまたこちらにいる事を選んだから。
"俺はお前と一緒に死んでやるよ"
なあプラック。お前、やっぱ相当の馬鹿だよ。
「この先が冥府魔道でも、後で文句言うなよ?」
「――お前の覚悟が揺らがなきゃ、な」
紡ぐ。この国の果ては、一体どこに繋がっている事か。
偲雪に賛同する者がいて。偲雪に反発する者がいて。
まだ見えぬ道の果ては、理想に満ちた天上にして地獄の世界か。
それとも――
――同時刻。
久遠の森の外にて歩むは、現世の玄武だ。
彼は神使達が活動している、常世穢国内部に侵入していない。近くには『祝呪反魂』レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン(p3p000394)もいて本物の行いの手伝いをせんと――付いていけば。
「で、何処に行くつもりなんだ玄武のじーさん」
「うむ……可能であれば、事は内密に終わらせたかったのだがな。
最早事此処に至っては仕方あるまい……」
問いには『行けば分かる』とし、歩を進めていく。
……玄武は元々行方不明者事件が此処まで大きい事態になるとは思ってもいなかった。己が知り、己の胸の内だけで終わる事態であろうと……しかし、事は旧き帝達が関わる領域であった。
故にこそ玄武は決断した。
玄武が向かう先は、この国を遥か太古より見据える唯一足りうる存在の下。
――黄泉津瑞神。
幻影ならざる真なる彼女の力を、借りんとしていたのである。
※<仏魔殿領域・常世穢国>にて動きがみられているようです……
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