PandoraPartyProject

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Those who protected the sky

 ずん、という音を立てて練達国における主要三塔がひとつ『想像の塔』の脇にもうけられた人工自然公園に巨体が落ちた。
 木々をへし折り転がったその巨体は未だ熱を持ち、固い鱗はそのあたりを歩き回る雑多な魔獣たちとは比べものにならない。
「なんとか……なったっすかね」
 よろよろとした様子で、ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)たちに肩を借りて現れたのは八重 慧(p3p008813)であった。
「リヴァイアサンの時に比べりゃあ、マシかもな。あん時ぁ人が死にすぎた」
 ヤツェクはちらりと慧を見る。満身創痍という言葉が生易しく思えるほどひどい怪我だ。立って喋っているのが不思議なほどである。
 彼が見つめる巨大な死体は亜竜のものだ。しかし、彼がここまで酷い怪我を負った理由……想像の塔を襲った強大な亜竜『アシェンプテル』のものではない。
 アシェンプテルは……。
「逃がした。いや……逃げ去るしかない所まで、追い詰めたと言うべきなのかな、特異運命座標(アリス)?」
 そう声をかけたのは『Dr.』マッドハッター(p3n000088)だ。マッドハッターは空を見上げ、ため息をつく。
 破壊されたドームの疑似天球には狂った空が映し出されているが、そのずっと向こうに、アシェンプテルは飛び去っていった。どこへ向かったのかはまだ調査中と言ったところだろう。
「みんな、無事?」
 空から灰色の翼を羽ばたかせて降りてきた人物を、マッドハッターたちは見る。
 カティア・ルーデ・サスティン(p3p005196)だ。こういうときはいつも草cafeチームを組んで活動していた筈だが、今日は全員一緒ではないらしい。アーマデル・アル・アマル(p3p008599)鵜来巣 冥夜(p3p008218)が借り物であろう簡易飛行装置で現れたのみだ。
「どうやらローレットの中に死者は出さずにすんだようだな」
 プロペラをぱらぱら鳴らしてあとから降りてきたのは『実践の』佐伯 操(p3n000225)
「こちらもワグローブを撃退できた所だ。『実戦の塔』は防衛ドローンを殆ど失っていたからな……ローレットの力がなければどうなっていたか」
「防衛機能が十全だったとしても危うかったがな」
 続いて、老人の声がする。マッドハッター、佐伯と揃って老人の声がすれば、誰もがその人物を想像する。
 『探求の塔』カスパール・グシュナサフ(p3n000230)だ。
 カスタムされた魔法の箒にまたがって現れた彼の後ろには、カスパールに飛行補助魔法をうけていたであろう陰陽 秘巫(p3p008761)が続き、カスパールと共に着陸した。
「ボルカノンらを押さえ込むのに時間がかかってもうたわあ……そっちは?」
「ワイバーン・クレピタス……」
 カナメ(p3p007960)がなんとも言えない表情で呟く。彼女は慧ほどではないがやはり満身創痍といった具合で、初見の者はねぎらいや心配の声をかけ、そうでない者あるいは彼女の特異な性格を知るものは『なんか満足そうだな』という感想を抱いていた。
 カスパールが髭をなでて唸る。
「『探求の塔』を襲っておった亜竜は追い返せた。クレピタスは強敵じゃったが……」
 激戦の様子を思い返すように目を閉じるカスパール。
「なんにせよ、練達の空は守れたってことだよな」
 そこへ、新たにアルヴァ=ラドスラフ(p3p007360)が降りてきた。
 彼の呼びかけによって集まった航空猟兵というチームの仲間達と一緒にだ。その中には、如月=紅牙=咲耶(p3p006128)の姿もあった。彼女は航空猟兵の一員ではないが……。
「どこも強力な亜竜が現れたようでござるな。こちらにも『雷爪』が確認されたでござる」
 主要三塔を襲ったネームドたちほどではないが、かなり強力な亜竜個体の二つ名だ。幸いなのは、それを殺すことができたということなのだが……。アルヴァが再び空を見上げる。この穴を塞ぐには、それなりの時間を要するだろう。物理的にも精神的にもだ。
「ローレットじゃ反転した人も出たし、覇竜領域にはこっちで暴れたような強力な亜竜の襲撃事件も起きてる。もうしばらく、休む暇はなさそうだ」
 それに……と、アルヴァが呟けばまわりの面々も同じ事を考えたようで表情を硬くした。
「亜竜たちは倒せたが、本命のドラゴンはまだだ。このまま誰も死なないで終わればいいんだけどな……」

<Jabberwock>にて亜竜たちとの戦いが進行しています!

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