PandoraPartyProject

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終幕への道筋

 伝承の国境線での戦いは遂に佳境を迎えようとしていた――
 状況の大きな変化が訪れたのである。
 ピエロは終焉獣ベヒーモスの到来を援護する為に伝承の援軍を潰さんと国境線にて大規模な抵抗を実施していたが、その守りを担っていた一角――ルフラン・アントルメを模したパラディーゾ・ルフランが遂に倒れたのだ。
「な、なんとぉ……!? まさか、ゾフランちゃんが……!?」
 その気配を察したピエロは驚愕の表情に顔色が包まれる。
 終焉獣ベヒーモスはまだ到達しない。もう少し粘る必要があるというのに。
 防衛線の一角が瓦解すれば――それは戦場全体にも波及しよう。
 いや、そればかりではない……起死回生の一手として伝承と翡翠の本陣を、パラディーゾ・ダリウスに指揮させながら突入させていたのだが――

「我が名は正義国騎士団が一人、レオパルなり! 義によって助太刀する――ッ!」

 ――なんと。その本陣の更に奥側から正義国の援軍がやってきたのである。
 馬鹿な。早すぎる。
 あちらも彼方で『スターイーター』という存在と激戦を繰り広げていた筈だ。
 それを無事に倒したのだとしても、これほど早く援軍に――!?
 ……ピエロはあずかり知らぬ事であったが。正義国の騎士達は軍馬を使い潰すばかりの勢いで駆けつけてきていたのであった。正に正真正銘、世界を救うために。自らたちの役目は此処に在ると確信しているが如く、士気も高々に。
「馬鹿な。どうしてそうなる?
 正義にはワールドイーターがいたはずだ。
 鋼鉄では皇帝暗殺から散々騒ぎを起こして混乱していた筈だ。
 翡翠ではつい先日ダメージを与える事件を私が起こしたばかり。
 神光でも大規模な事変があったであろうがッ――!!」
 さすれば。ピエロも余裕をもった口調で嘲り笑っている場合ではなかった。
 これではダリウスに突入させた軍勢もどれ程意味がある事か――!
 いやそればかりか、スターイーターと戦っていた戦力が此方に集まってくる可能性もある。そうなれば最早有利だの不利だのと言った事態ではない……馬鹿な。馬鹿な馬鹿な馬鹿な! こうならぬ様に世界各地で事件を起こしていた側面もあった筈だ!
 鋼鉄も神光も翡翠も正義も! どうして誰も彼もがここに来れる!
 この世界を統括するマザーの支援も碌に受けられてはいるまいに――!
「いやっほー! きうり狩りだ――! 皆の為に血抜きしておかないとね!」
「うーん前線がどんどん賑やかになってきたねぇ! あと一押しかな?」
 同時。『きうりキラー』すあま(p3x000271)『黒ノ翼』メレム(p3x002535)らが前線に出ている偽きうりん達を薙いでいく――更なる援軍勢の到来に気付いてか、伝承の騎士達の士気も上がっている様だ。
 彼らは『妖刀付喪』壱狐(p3x008364)による、防衛拠点による構築で被害も減っていれば、想定よりも多くの者達が戦える状態で戦場に在り続けている。故に――
「ピエロも壇上に上がった次第……いよいよもって正念場でしょうか」
 総攻撃の段階となれば、それもまた想像以上の力が働くものだ。
 押し返せる。これだけ多くの味方がいれば心強いと。
 いよいよもってこの戦場も最終段階。

 ――バンビールを、討つ。

 『アガットの赤を求め』ヨハンナ(p3x000394)は決意していた。
 ピエロのやりたい事を、やらせる訳にはいかない。
 周辺の敵も減り、今なら容易くこの手も届くはずだから……
「さぁぴえぴえ! 何でも言うよ――私はキミを救いたいんだよ!!」
 そして本物のきうりんである『サラダ無双』きうりん(p3x008356)もまた、往く。
 ピエロに、己がありのままの心を伝えながら。
 ――現実に爪痕を刻みたいと、慟哭するように叫ぶピエロの懐へ。

 ――正義国聖騎士部隊が、戦場を目指し進撃中です!
 ――<ダブルフォルト・エンバーミング>le voeu du clown……に、正義聖騎士達が向かっています!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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