PandoraPartyProject

PandoraPartyProject

Battle of Border line

「ンキ――ッ!! どこまでも洒落臭いお歴々ですねぇ、貴方達は!!」

 伝承と砂嵐の国境線。そこにて響くは甲高い悲鳴――
 かの戦場では終焉獣ベヒーモス到来を待ちわびるピエロがいた。彼は伝承からの援軍をせき止める役割を担い、既に伝承先遣部隊を壊滅させていたのだが……イレギュラーズの猛攻に遭い、その軍勢をすり減らしている。
 そしてその壊滅させた伝承の部隊も残存戦力をシラス(p3x004421)グレイ(p3x000395)が救出した事により態勢を立て直しつつある真っ最中だ。
 それ自体がピエロにとっては苛立たしい事態であるのは間違いないが――その他にも、戦力として呼び寄せた『パラディーゾ』へと加えられている圧も強まっており、思った戦果が出せていないのも悲鳴の一端だろうか。
 コピーされたルフランには、本人たるルフラン・アントルメ(p3x006816)を中心に、ハーヴェイ(p3x006562)マーク(p3x001309)など多くのイレギュラーズが攻勢を仕掛けており、大樹の嘆きを増やす速度が減少している段階。
 終焉獣を統括するダリウスの下にはアズハ(p3x009471)スイッチ(p3x008566)などが圧を加え、生み出された大樹の嘆きを指揮するイデアにもタイム(p3x007854)イデア(p3x008017)の撃が降り注いでいる様子――そんでもって偽きうりんは、すあま(p3x000271)に死ぬ程食べられてる。ぐあー!
 未だ多くのバグ・エネミーが彼らを阻んでいるが。
 幾らでもリスポーンしてくるイレギュラーズは正に不死身の如く。
 ピエロが苛立つのも当然と言えたか――彼は、現実に『爪痕』を刻む為に只管にベヒーモス到来を待つつもりだったのだが……このまま彼らを放置していてはやがて戦線に穴が出来ぬとも限らぬ、か。
「ピーエロちゃーん! どこっすか! お人形遊びばっかりじゃ飽きるっすよ!
 ピエロならお客さんは楽しませるものじゃないんすか? お喋りもしたいっす!」
「高みの見物ばっかりしてんのはピエロ失格じゃねーか?
 いいかげん、そろそろ直接殴らせろよな!!」
 その上で――ピエロ本人を直接探すリュート(p3x000684)ルージュ(p3x009532)の声が聞こえてくれば、もうあまり隠れられなさそうだとピエロも悟るもの。
 ……自らが倒れれば戦線の崩壊は確実。
 故に目的の達成を至上とし姿を見せぬ様にしていたのだが……

「んっ、いいで・Show! そんなに私と会いたいなら――遊んで差し上げますヨォ!」

 遂にここに至りてピエロが到来する。
 終焉獣や大樹の嘆きなどの影より攻撃を加えていた道化師が、戦局を覆さんと姿を現したのだ――
 その力は正に『バグ』の如く。超質量の閃光が敵を焼き払う――
「ひょひょひょ~!
 でっか君が来るまで、皆さんにはどこまでも退場してもらいましょうかァ!」
 このクエストだけは成功させてはやらないと。
 世界を滅ぼし――マザーを狂わせるのを成功させ――
 そしてこんなクソみたいな世界を作った練達の住民共に思い知らせてやるのだ!
 
 ピエロの反撃が始まろうとしていた――その時。

「さて。間に合った様ですね……では参りましょうか皆さん」
 戦場の後方。伝承側の国境に――幾つもの人の影が見える。
 それは軍勢。前線で戦う者達の下へと駆けつけんとする意志の波。

 ガブリエル・ロウ・バルツァーレクが指揮する、伝承の援軍部隊だッ!

 多くの騎士達が鬨の声と共に終焉獣や大樹の嘆き、そして大量の偽きうりんと激突。
 自ら達の国を、故郷を。そして世界を護らんとしている者達の指揮は高く……
「残存部隊を収容します。右翼と左翼は前進し、敵軍勢と交戦を開始してください」
「ガブリエル……様。しかし、あまり前線に出るのは危険では?」
「ふふ。心配してくれているんですか『クオリア』さん?」
「なっ! ち、違! 私はただ、指揮官たる貴方が前に出すぎると私にも危険があるからで……なにを笑っているの! こんな戦場の真っただ中で! ああ、もう!!」
 その中央ではガブリエル本人が各所の指揮を執っていた。その近くには――ガブリエルと会話、というか滅茶苦茶早口になる『クオリア』という女性の姿もある。その姿は現実のリア・クォーツと酷似しているか――
 彼女はガブリエルの傍仕えの暗殺者兼護衛者の役目を持つ人物だ。
 事、大一番の場面において『貴女の力が必要です』という言葉に乗せら……違う。これは、絶対に言う事を効かないといけないって言う首輪があるからッ! で! くっ――ともかく、彼女はガブリエルの護衛として周囲の警戒に当たっている。
 先遣部隊が壊滅し、イレギュラーズが個々に敵に当たらねばならぬ状況ではあったが――この大部隊の援軍により状況は変わりつつあった。
 単純にイレギュラーズの負担が減る。
 これからはピエロなど指揮官の役目を担うパラディーゾを直接狙いやすくなるだろう。
 或いは彼らと共に戦ってもいい。彼らを援護すればそれだけ大勢が効率的に動け、なだれ込んでくるという事でもあり――それもまた戦場の有利な流れを引き寄せる事も出来よう。
「な、ななななんですってぇ~~~!! こんなタイミングで正義の味方ですかぁ? こざかしい! 全部吹っ飛ばして――ぬぉ!?」
 しかしそれならそれでと、ピエロは伝承の部隊も纏めて相手どる――つもりだったが。
「……借りは返しに来たよ、ピエロ」
「翡翠の国で暴れてくれた礼を――させてもらうしましょうか」
 反対方面からも何者かが現れた。
 伝承程多くの軍勢ではないが、その者達は――翡翠の迷宮森林警備隊か!
 深緑の巫女の妹たるカノンを中心に、R.O.Oのクラリーチェ・カヴァッツァ『キラーアイヴィ』フラン・ヴィラネルの姿も確認できる――ピエロは先日、攪乱の為に翡翠で大規模な事件を起こしたばかりだったが……それのお礼参りと言った所か。
「おお! 奴をぶち殺してやれ!!」
「大樹を折った報いを此処に! 殺せ――!!」
 ……後、過激な翡翠の幻想種達も引き連れている。
 彼らの過激な思考こそが排他的な国境封鎖を迅速に行った原因でもあるが、こうして一度『敵』に対して振舞われるとなると――なんとも恐ろしい勢いである。まぁ今回は味方でよいと考えるべきだろうか、と?
「いやああああ!! どうして!! どうして私も来ないといけないんですぞー!
 私、私はただの商人ですぞ、いいやああああああ――!!」
「きゅ! きゅ!」
 ……後、引っ張られてラブリーザントマンが連れてこられてた。
 現実では悪意の権化とも言うべき邪悪なザントマンも、この世界では只の妖精の一体に過ぎない。危険はなく、なぜか耐久力は滅茶苦茶堅いので、壁として役立つと連れてこられたのか――心配した友達のまめ吉もいるようである。
 ともあれこれで二方面から援軍が現れた事になる。
 ピエロもいよいよもって余裕とは言えまい――自らも動かねば、逆に。
「飲み込まれちゃうかもねぇ……! 覚悟しなよ、ぴえぴえ!!」
「――やかましいわ現のクソ共が! 全部薙ぎ払えば問題ないでしょうが!!」
 へいへいぴえぴえ余裕崩れてるよ~! と、雑草の一撃打ち込むきうりん(p3x008356)。
 救おうとする意志。滅ぼさんとする意志。
 数多が集いて――どちらの色に染まるのか。

 国境線での闘争は更なる展開を迎えようとしていた――!

 <ダブルフォルト・エンバーミング>le voeu du clown……に援軍が到着し、戦況は第二段階を迎えています――!

これまでの再現性東京 / R.O.O

トピックス

PAGETOPPAGEBOTTOM