PandoraPartyProject

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フォン・ルーベルグ動乱

「聖都フォン・ルーベルグ、外縁の消滅率30%に到達!」
「外縁部市民の避難は完了している! 業腹だが、ワールドイーターどもに食わせてやれ!
 『視える者達(スターゲイザーズ)』は偵察を頼む! 俺達では消えたかどうかすら認識できん!」
 怒号が飛び交う、聖騎士団詰め所。聖騎士たちと、一般の冒険者や聖職者たちが、己の職務を全うすべくあわただしく駆け回っている。
 ここはR.O.O内の仮想世界ネクスト。その一国である『正義国』……その首都、聖都フォン・ルーベルグである。
 スターイーター、そしてパラディーゾとの決戦に伴い、正義国首脳部の下した決断は、まさに肉を切らせて骨を断つような戦法だった。
 首都中心部を守護する小規模の騎士のみを残し、聖騎士団の大半を、スターイーターとの決戦の場へと送ったのである。
 その間、首都に住む住民たちは全て疎開・避難をさせており、今はすぐには動けぬ僅かな住民たちと、中央で指揮を執る聖職者たちが残るのみとなっていた。
 ……もちろん、この絶大な好機を、正義国内に残るワールドイーターたちが見逃すはずはない。決戦が始まり少しの時がたった後、残存ワールドイーターたちの大規模な首都攻撃が始まったのである……。
 特殊部隊、『視える者達(スターゲイザーズ)』。ワールドイーターの起こす異変を認識できる数少ないNPCで構成された特務部隊。そのリーダー格であるR.O.Oの笹木 花丸(p3p008689)は、白亜の都が今まさに削り取られていく様を見ながら、内心で歯噛みをする思いであった。
(……首都の殆どを捨てた、まさに背水の陣ですね。ここまでしなければ、世界の危機に対応できない……)
 見慣れた光景が、リアルタイムに消滅していく。報告によれば、教皇庁に敵が現れたとも、敵が予知装置『【偽・星読星域】(イミテイション・カレイドスコープ)』を直接狙ってきたともされている。
 この戦いが終わった時、聖都は残っているのだろうか……そう思った瞬間、空より、ばさり、と一人のスカイウェザーの少女が降り立つ。R.O.Oにおけるミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)は、花丸を見つけると、こくり、と頷いた。
「偵察は終わったよ。もうだいぶ、外は食われてる……このままだと、内部まで進攻されるかもしれない」
「ありがとうございます。ミニュイさんの仕えている主人の方は、もう避難なされたのですよね?」
「うん……本当はついていってあげたかったけれど、『視える者』なら、世界のために働いてきなさい、と」
 花丸は頷いた。今はもはや、戦えるものは戦わなければならないフェーズへ移行している……。
「北東の聖騎士団に、情報を伝えてください。そのまま、『目』として、部隊に情報を」
「了解」
 ばさり、とミニュイが飛びたっていく……北東、最善の地へ。そこには、まさにワールドイーターたちと戦いを繰り広げているR.O.Oにおけるシューヴェルト・シェヴァリエ(p3p008387)の姿があった。
「聖騎士団、ここで敵を食い止める!」
 二丁拳銃を掲げ、シューヴェルトが敵の群れへと突撃する。率いる部下の聖騎士たちが、雄たけびを上げてその後に続いた。
「ミニュイちゃん、こっちだよ!」
 眼下から、こちらを呼ぶ声が聞こえる。ミニュイを呼ぶ銀の髪の乙女は、R.O.Oにおけるメルナ(p3p002292)だ。
「偵察おつかれさま。やっぱり、状況は苦しい?」
「……かなり押し込まれてるね。スターイーターを討伐している人たちの方に動きがあれば……」
 ミニュイが言う。此処に残された戦力だけで、ワールドイーターたちの総攻撃を圧し返すことは難しいだろう。防戦に徹しているが故に、何とか均衡が保てているような状況だ。だが、それもこのまま耐えきれるかはわからない。
「だが、このまま座して敵の首魁の討伐を待つわけにはいくまい」
 シューヴェルトが声をかける。
「すまない、メルナ。たまたま正義に立ち寄った旅人である君を、こうして戦力としなければならないとは……」
「いえ、きっと兄だったとしても、助けたと思います。お兄ちゃんの代わりに、私も頑張るんだ!
 ミニュイちゃんも、お手伝いお願いできる?」
「任せて。あの人のためにも、正義国は滅ぼさせない」
 正義国を、世界を覆う暗雲。その戦いに、今多くの者達が集い、抵抗を続けていた――

 一方――伝承国外縁。此処では今まさに、正義国の、いや世界の命運をかけた決戦が行われていた。
 地を埋め尽くす終焉の獣たち。そして、巨大なる飢餓の獣、『星喰らいの怪物(スターイーター)』。それらを指揮するパラディーゾ、天国篇第九天 原動天の徒――!
 正義帰国の聖騎士団が増援として到着したこともあり、戦局は著しく変革していた。終焉の獣たちは正義騎士団によって抑えられ、本命の特異運命座標たちは、今まさにスターイーター、そしてパラディーゾに迫らんと突撃する。
「ふうん、正義の聖騎士達も……随分と早く到着したみたいだね。
 騎士たちの後押しもあって、特異運命座標たちも勢いづいている……。
 じゃあ、その後押しがなくなったら?」
 原動天の少女が薄く笑う。
「星喰い。まずは、柔らかい所から狙おう。
 あの聖騎士(ぎぜんしゃ)達を、まとめて薙ぎ払って」
 原動天の命に、スターイーターは不気味な咆哮をあげた――。

 ――正義国首都にて、戦闘が発生しています!
 ――ラリーシナリオ『<ダブルフォルト・エンバーミング>ワールド・エンド・ゲーム』の第二章が開始しています!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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