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鋼の警鐘

 ――R.O.O-patch 4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』

 先日『先行告知』されたイベント。それも『フルメタル・バトルロア』『幻想ノ夜』『lost fragment』『大樹の嘆き』『イデア崩壊』といったイベントとは決定的に違うバージョン更新を伴った変化である。
 これまでバージョンが更新されたタイミングは二度。
 一度目はR.O.O-patch 2.0『遥かな東と竜の脅威』によって活動範囲が大幅に広がり、竜の領域への攻略を可能にした時だ。
「あの時は、混沌(げんじつ)側でも同じ方法でもって覇竜領域デザストルの奥地へ踏み入る計画を立てていた」
 アーゲンティエール(p3x007848)は隣でコーヒーをふーふーしていたウサーシャに聞こえるように呟いた。
 ちらりと見てくるウサーシャ。
 首都の王城。ザーバ・ザンザガイウス・ガジェルドといった面々が会議を終え、ウサーシャたちも周辺警備や諸々の役目を終えそれぞれが休憩している間のことである。
 焔迅(p3x007500)がハッとして顔を上げた。
 思い浮かぶのは当然、次なるバージョンアップイベントR.O.O-patch 3.0『日イヅル森と正義の行方』のことだ。
「ヒイズルや翡翠をめぐる戦い、更にはイデア崩壊というイベントの決着も含まれたバージョンでした。世界の核心に迫るような、そして現実との二面性を見るような……」
 名前だけで想像するのは難しい。だが先行告知された4.0バージョンのイベントがただならぬものであることは確かだ。
「シャドーレギオンたちの動きは今は急に静かになっています。先日首都を襲ったノーザンキングス連合王国も忽然と姿を見せていません。まるで……」
 まるでの先を、焔迅は口にしなかった。嵐の前の静けさという言葉は、あまりにも則していて……。

「ついに修復が完了したのですね、ギアバジリカ!」
 『優帝』いりす(p3x009869)はゆっくりと立ち上がる巨大建造物を見上げ、目をキラキラとさせた。
 ここはスチーラー鋼鉄帝国、首都スチール・グラード。
 様々な経緯があった末に、いりすを含む『雷帝』ソール・ヴィングトール(p3x006270)夢見・マリ家(p3x006685)の三人全員を皇帝とすることで皇帝殺しによる連鎖にある種の終止符を打った。
「ただ修復しただけではありません。首都に眠るパーツやザーバ軍閥のギア・ブルグ、ガイウス軍閥のギア・フラウィウス、更にはパルス軍閥(パルスちゃんファンクラブ)によるギア・スチールグラードスーパーアリーナ2021の各パーツを合体させた鋼鉄帝国首都決戦兵器が完成していたのです!」
「完……成……?」
 カレーと牛丼とハンバーグとナポリタンが一緒に出てきた時みたいな顔をして、ソールはその異様な移動要塞を見上げた。
「しかし、これからどうする。首都の守りに徹するか?」
 ソールの問いかけは『否』を前提としたものだった。
 なぜなら鋼鉄帝国の内乱は最大軍閥との戦いが終結しただけであり、今だ無数の軍閥が牙を剥いている状態だ。それに気になることもある。
例の所属不明機部隊ですか……」
 いりすはぽつりと言葉をもらした。
 現在建造され、もうじきロールアウトが決まっている優帝専用エクスギアエクス。人が乗り人が動かす魂の延長存在。人型ロボット。それらが調査し、おそらくは戦うことになる部隊の詳細は、未だ分かっていない。
「何か、デカい力が動いているのかもな」
 そう呼びかけたのは、ビール瓶を空けながら壁によりかかるヴェルス・ヴェルク・ヴェンゲルズであった。
 優虎雷三皇帝にかわって様々な政治的手続きをとるべく国中を、ないしは各国を回る外交官的役割を彼は果たしていた。混沌側の彼よりもちょっとイキイキしているのは、世界中を飛び回る状態が彼の性にあっているからかもしれない。
翡翠の騒動が片付いたところで接触してみたが、あっちもあっちでまだ何かに警戒してるフシがある。主にはパラディーゾって連中へだが……」
 ヴェルスの語りに、いりすたちはあるひとつの事柄を連想していた。
 それは……。

 ※鋼鉄帝国の戦力が整ったようです――
 ※R.O.O-patch 4.0『ダブルフォルト・エンバーミング』が先行告知されています!

これまでの再現性東京 / R.O.O

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