PandoraPartyProject

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 R.O.O世界『ネクスト』は今日も巡る。
 現の混沌世界をコピーしたかの世界はどこかおかしく、しかしそれを正常として。
 創造主たる練達の手から離れて――尚に在り続ける。

「んん~グッッッモーニング。今日も今日とていいお天気空模様ですねぇ」
「ええ哀れなピエロ、今日もごきげんよう」

 ――その、どこかで。
 語り合う存在がいる。この生み出されし世界のどこか、その狭間で。
 片やまるでピエロの様な格好をした男。陽気なりし口調は常に口端を釣り上げ。
 片やまるで御伽噺の登場人物の様な灰の少女――その名はジェーン・ドゥ。
 ……或いは『アリス』と呼ばれた少女、と言うべきだろうか。
 その少女はかつて観測された『ある本』から派生した存在であり、練達三塔の塔主が一角Dr.マッドハッターからの依頼により一度はイレギュラーズが接触した人物でもあった。彼女はその時の出来事により元の本に戻された筈なのだが――
「ピエロ、ねぇピエロ。面白い事が起こっていると聞いたわ」
「面白いかはさて――いやでもまぁそうですねぇ確かに面白いやも!
 北の果てでは願いが捻じ曲げられた踊り子に溢れ!
 東の果てでは変質した世の中が文明を一新させ、夜妖を溢れさせ!
 西では貴女が――おっとこれは失礼。話し過ぎたら興が削がれちゃ~う!」
 しかし彼女は、彼女らしき存在は、いる。
 練達上層部が常にこの世界の観測と監視を行っていながら――その目に捉えられぬ所に。
 語られるログは闇へと消え失せ。
 何も何も意味をなさぬ。
 誰も誰も捉えられぬ。
 ――この世界に蔓延せしバグが全てを覆い隠すから。
「ですがまだまだまだまだまだまだ! こんな程度ではまだまだ到底ィ!
 貴女も! あのとにかく目が妖しすぎてお近づきになりたくない女も!
 こ~~~~んな程度のカオスではヘソで茶が湧かせてしまうでしょう!!
 あっ。ヘソで茶を湧かすってどうするんですかね? 熱出したとしても、とても湧かす温度にならないですよね。一体どこの天才ならこんな言葉思いつくんですかね。何喰ってんだろう、ぱんつ?」
「さぁ――でもそうね。確かに『この程度では終われない』わ」
 テンションの上がり下がりが激しいピエロの口調に付き合わぬアリスは、ふと呟く様に。
 語る。この程度では終われぬのだと。
 思考する。『今度は、うまくやる』のだと。
 想像する――ねぇ『お母様』と。
「ねぇピエロ。次はどこが動くの? どこの物語が――穴に転がっていくのかしら?」
「知りたい? 知りたいでござんすか? んんんん~~~!!
 やぁねぇピエロのヴェールを脱がせて次の芸を催促するだなんてぇっ!
 お着換え中よ! あ、嘘嘘嘘! まってチャンネル変えないで視聴率が大事な時代なの! スポンサーから怒られちゃうんだから!! 鋼鉄の国では頭でっかち筋肉の塊に続いて最近ラド・バウで売り出し中の闘士にもスポットがあたるだろうし! 東の方ではなぁんと待望のあの人物の出番も!!? 正解はCMの後でェ!」
 そして、今後を待ちわびる様に紡ぐアリスへと――
 大仰なポーズを取りながらピエロは捲し立てる。
 鋼鉄の国で起こっている混乱――神光の地で生じている異変――
 それらの『先』をまるで予言するように。

「ま、ちょいと困りものが現の連中が送り込んでくるイレギュラーズ共ですがねぇ」

 しかし。
 瞬間。ピエロの双眸が一瞬だけ――鋭く、濁り染まれば。
「奴らの所為でこっちの仕掛けがクエストみたいになってるではあーりませんか!
 ぷえーんぷえんぷえん。混乱の収束など面白くない!
 死んでも倒れても湧いて出てくるゾンビ共め!」
「イレギュラーズ。そうイレギュラーズ、ね」
 同時にアリスもまた、感慨深い様にその名を紡ぐものだ。
 かつて出逢った者達。この世界に、この世界の神に、この世界の全てに認められた……
 あぁ正にまごうことなき本物の――『主人公』たち。
 自らと異なり、世界から爪弾きにされぬ者達よ。
「ふふ――『次』はわたしの番よ。『次』はわたしが、必ず……」
 ノイズが走る。彼らの言に込められし感情が深くなる程に。
 この世界は歪んでいく。
 何が正常か、何が異常か、何が原因か――
 その一端に触れし者達は世界の狭間で謳歌する。
 今はまだ。日の光に触れぬ――深淵にて。

 ――【接続がタイムアウトしました】 Error.

これまでの再現性東京 / R.O.O

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