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unknown

博物館の恐怖

テネブラエ
アナタは戸口を開けた。
其処に羅列するのは『像』で在った。
病的な雰囲気に塗れた『像』には。

動くような気配。

我が作業場は客だけを歓迎する。

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「あらあら、少しはしゃいでいるようにも見えるのだけれど気の所為としておこうかしら。誰も私が何者かは分かるようでわからないって言っておきましょうかしら。貴方はラーン=テゴスさんなのは変わらないそれだけじゃだめかしら?」と、主は申しております。
主は食事なぞ不必要ですよ?
(無表情のまま淡々と)
「成程。食事も呼吸も不要なのか。睡眠は不明だが、不要と成せば幻想的か。ええい。我等『物語』が我等『物語』だと。一個体だと。冗長にも生命を維持する愚物だと。正解だ。我等『物語』ほどの何番煎じ、腐らせて溝に放棄すべきなのだ。故に。貴様等は冗長で在らず、自らの花を大切に散らせ給え。さて。自己は常々昂揚だ」
「正解しちゃったわ。とっても嬉しい。放棄なんてそんなつまらないこと出来ないわ。食事も呼吸も不要だけれど、視覚以外は人形を通してなら分かるのよ」と、主は申しております。
「便利な世の中だ。人形が飲食他可能とは。やはり世界の中身は逸脱の宝庫よ。我等『物語』も含めて――視覚は説明不要だ。我等『物語』の肉が視えるのだろう。得るべきだ。触れる事は可能か否か。触覚は何処だ」
「私自身は触れないけれど、黒深なら触れられるわ」と、主は申しております。
「感触は伝わるのか。貴様等の関係性は人間どもの繋がりに近い。やはり創られた存在は創る側に似るものよ。ああ。人魚と人形。頭の中身も気に成るものだ!」
申し訳ありませんが、私は主に創られた訳ではありません
ただ、視えてしまったのでいるだけです。
「私は人魚じゃなくて妖精よ。頭の中身?」と、主は申しております。
(水槽の中の娘はぷくーとふくれっ面をしつつ首をかしげていて)
「妖精の類だったとは。兎角。何方にせよ我々は創られた存在だ。文献に描かれた幻想の如く、儚くも滑稽な役者……役者の『思い込み』の果てだ。末路だ――頭の中身。貴様の。我等『物語』の頭蓋の中身。本物なのか贋物なのか。確かめる術、望むべきだろう」
「人の子の思い込みは強いものだものね。頭脳対決みたいなものかしら?」と、主は申しております。
「問答の類は愉快だが、文字通りの話題だ。頭部に詰まったものが真実、プリンじみた物体なのか。否か。思考するのも暴くのも我々は自由に……失礼。此処は我等『物語』の作業場で在った。中身を元に造られた『もの』は複数個棚の上に!」
「物理的なのね…棚の上?どんなのがあるのかしら?」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は首を傾げ)
 水槽を掲げた状態で『棚』の近くへ。其処に並ぶ輪郭どもは、曖昧と名状する他にない。瞬きの後に覗き込めば、動き始めるような触手の塊。空間を侵食する極光の舌。宇宙の色に塗れた獣の仁王立ち――グロテスクな、首が落ちた、人魚が一。取り囲むのは魚人か。
 飼われていた。だが。同時に。買われていた。
「随分と前に成した中途半端の羅列だ」
「なぜ中途半端なの?」と、主は申しております
(水槽の中の娘は水槽の壁に手をついて『棚』にあるモノを見て首をかしげ)
「恐怖とは未知で在るべきだ。彼等は既知だ。もはや価値を削がれた、無意味な歪みに等しい。我等『物語』と同類だ。良いか。好いか。世の中には中途半端しか存在しないのだ。貫き通した『つもり』でも、我々は誰かの中途半端なのだ。此れが絶対。理。秩序と称される愉快と知れ」
「世の中の全てが全て中途半端だとは私は思わないわ。その人がこれでいいと思えばそれまでよ。それと、私を含めたこの世界の人達の殆どが、きっと貴方のこと怖いとも無意味とも歪んでるなんて思ってないわ。確信はないけれど、少なくとも私はそう思うの。『つもり』がなくても、誰かの中途半端でも【絶対】なんて無いとも思うのだけれど、貴方はあると思うのよね?そういう考え方も面白いと私は思ったわ。理、秩序と称される愉快だなんてとっても貴方は言葉が豊かなのね」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は首を振ったり首をかしげたり優しい笑みを浮かべたりと表情をころころ変えているが、人形はピクリとも表情を変えていない様子で)
「我等『物語』は舞台装置だ。貴様等の登場に嬉々とした、舞台装置の一部なのだ。暗幕で在る。我等『物語』が貴様等の覗き込み、誰かが我等『物語』を覗き込む。単純に、除かれた方が幸せだろうよ」
「それは私にとってはつまらないわ。貴方のような人を見ていたいわ除かれた方が幸せなんてあるかもしれないけれど、私は好きじゃないわ。自己満足でもいい、自分勝手でもいい。私は深海の外の事をいっぱい見てみたいの」と、主は申しております。
「ならば此処から出るべきだ。外は実に新鮮の満ちる、破滅と停滞の泥濘よ」
「そんな冷たいこと言われると逆らいたくなるの。貴方とお喋りも楽しいからここに居るのよ?」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は楽しそうに笑っていて)
「中身の方が冷える筈だ。貴様は冷気で生命を維持するのか。懐かしき物語だ。寿命を伸ばす為に滑稽な凍結を求め、挙句の果てには温まり腐り落ちる。お喋りが楽しいのは同感だが、貴様等はやはり他の誰かとも交わすべきだ」
「深海は暖かいのよ?もちろん、上に上がってきた時はとっても冷たかったわ。そうかしら?貴方とのお喋りも楽しいわ」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は首を傾げ)
「ならば我等『物語』を。世界を底まで連れ去るが好い。貴様が温いと呼ぶ、暗黒じみた其処へ。楽しい。ああ。嗚呼。楽しいならば構わない。貴様の為すべき好いを成せ。単純な話だろう。世の中が上位の支配下でも、幸せな奴等は一定数存在するのだ」
「連れていきたいわ。貴方より大きい子がいるのを教えてあげたいわ。私自身は喋れないけれど黒深を通して伝わること、触れることは出来ないとしても黒深が触れば感触が分かるとか…色んな嬉しいことも幸せな事よね。だから、私も含めて幸せだと思う人もいれば、不幸せと思う者もいるのも仕方ない事ね。でも、一定数存在するならそれはそれで増やしてみたいものね」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は微笑んでいて)
「増殖させる事は容易い。世界と呼ばれる『主人公』どもの巣窟は死に絶える事無く耐えられぬ現実で、最悪の結末が決幕を齎すと考えられたとして、兎角。我々は最低でも誰かに魅入られたのだ。全く。嗚呼、おぞましい事に地獄よりの使者――整理しよう。ノイズが酷くのだ。何故我々が鮮明で在られるのか、もはや誰にも理解出来ぬ深淵の冒涜的な言辞」
「……待て。妙だ。我等『物語』は何を吐いた。己の脳髄で蛆のような蠢きが……畜生。上位存在め……此処まで強烈な干渉は初めてだ」
「あら、遊ばれてるのかしら?」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は首をかしげ)
「我等『物語』の一部が書き換えられた気分だ。電波を受けた結果とも説ける。貴様等とは関係のない事柄だ。少々不便に陥ったがな――首を傾げるのは構わないが、頭部を転がさないよう抑え給え。世の中にはポロリと落ちる喜劇も在る故!」
「不便なのは困るわね。ポロリなんてしないわ、多分」と、主は申しております。
「元々が酷い強烈だったのだ。ああ。貴様『たぶん』と吐いたな。僅かでも冷汗が出るならば休息すべきだ。枕と毛布の感触は理解可能か。否か。必要ならば用意するぞ」
「ふーん…ポロリはほら、水槽の下を覗かなきゃ分からないから大丈夫だと思うわ」と、主は申しております。
主、きっとそれ違います。それはチラリでは?
(人形がそう言うと水槽の中の娘は「違うの?」と言いたげに首をかしげていて)
「我等『物語』の肉体は女性的だ。性別不明でも声色で理解せよ。兎角。ポロリだ。貴様の頭部がぽろり。中身がとさり」
「相手が女性だろうが男性だろうが恥ずかしいものは恥ずかしいでしょう?えっと、首が取れる的な意味かしら?」と、主は申しております。
「正解だ。街角で首の取れる誰かさんを観た。忘れられぬ光景故。噂話は花に成る。さて。貴様、適当な話題は此処で留め、世界情勢を無い有る垂れ流すのは如何だ。何でも天義で不正義どもが厄介事を……我等『物語』も詳細は知らないが!」
「首の取れる誰かさん?私は知らないわ。不正義…私には難しい話だわ。戦うの私苦手だから」と、主は申しております。
「戦闘も問題だが、此れは誰かの傾いた思考。神と呼ばれる人間どもの戯れだ。我等『物語』にも解せぬ、悪魔の囁きとも思考可能。最も、呼び声に応じた結果こそが人間的と解けよう。何せ我々は動物で在りインクの……電子の埃だ。誇りは自らで探さねば成らぬ」
「呼び声に応じたくなかったのでしょうけど、抗えない何かがあるのかしらね。誇りを見つけるのなんて他人では意味無いものだものね」と、主は申しております。
「他人こそが誇りだと信仰した結果は果たして罪か罰か。貴様は如何に思う」
「それは分からないわ。でも、自分を大切にしないのは罪だと思ってしまうわ」と、主は申しております。
「自己を大切に扱うのは構わない。酷く使い続けた結果、死よりも面倒な奈落に堕ちる――他人を信仰して得たものは他人の意思だ。真意に溢れた、神意に導かれた真の己は見出せぬ。誰かの脳内は誰かの欲望で満腹よ」
「自分を犠牲にして誰かを信じるのはとっても大変な事だと思うわ。でもそれで満足してるなら私は止められない。協力は出来るけれど止めることは出来ないのはもどかしいわ」と、主は申しております。
「それを美しいと説くのか莫迦と笑うのか。嗤われても構わない、愚かしい存在は破滅に向かう。我等『物語』の如く欲望に委ねる輩は言わずもがな、世の中には綺麗で終を得る為に動く『阿呆』も在るのだよ。上位存在ども!」
「綺麗に終わらせる為に動く人?」と、主は申しております。
「美しいものは素敵だと思うわ」と、主は申しております。
「グロテスクなものは如何だ。世界は薔薇色に満ちた棘」
「グロテスクはもういいわ。鮫さんが人の子を食べて残す事が多いんだもの。弱肉強食の世界だったんだもの」と、主は申しております。
「鮫が人間を喰らうだと。環境の問題かつ貴様の言葉はグロテスクに在らず。グロテスクとは一種の美しさを含めるものだ。貴様は鮫と人間に美しさを見出せず、発した。故に此れは捕食行為だ。スプラッタに等しい」
「すぷらった?グロテスクとひとつで言うとそういうのが多いと思ったのだけれど、違うのね。言葉って難しいわ。じゃあ、どんなのがグロテスクというの?」と、主は申しております。
(水槽の中の娘は首をかしげつつ困ったような表情をしては笑顔を見せ問いかけているような仕草をしていて)
「我等『物語』の想うグロテスクか。ああ。たとえ話で好いか。良いな――そう。つまり此れは思考する人形でサキュバスじみた魅力と無知なる演技が得意な地獄でさようならを告げるには酷く惜しい艶やかさ異常なほどに人を上手く扱い破滅と繁栄の振り子、振り子が齎すのは揺り籠のような安堵感で&滑稽な舞台での戯れ――整理しよう。我々がグロテスクだと思うのは芸術性を伴った恐怖のようなノイズノイズ――ああ。五月蠅い黙れ。黙れと何度吐けば好い上位存在風情が……整理出来たか?」
「それはグロテスクはグロテスクでも深い闇に相手を墜すようなものかしら?」と、主は申しております。

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