PandoraPartyProject

ギルドスレッド

彷徨の日々

そこは例えば 喧騒の街角

耳の長い者。翼のある者。鋼鉄の体を持つ者――
多種多様な人種が行き交い賑わう街中に、一つの白い火が灯る。

白い肌、白い装い――そして、蒼白い炎の如くたなびく霊体の髪。
前髪で隠れがちの目線は下を向き、気のない表情でとぼとぼと歩く様はさながら迷子のよう。

これはつい先日、まだ無辜なる混沌に召喚されて間もない時。
ギルド『ローレット』とやらを目指していた少女の、最初の旅の一幕。

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……ここ。え、と……どこでしょう。
(周囲を見渡しながら、喧騒に掻き消えるようなか細い声で呟く。
まだ真新しい地図を手にしているが、それを縦にしたり横にしたりしながらにらめっこ。
見知らぬ土地。見知らぬ自己。不安を押し殺せぬまま、少女はまた適当な路地を歩く)
こんにちは。あなた迷子なの?
アルエットも迷子だよ。一緒に探検する?
(ふと声をかけられて、肩を震わせて少し怯えたように振り向き。
けれどそこにいたのは年頃の近そうな可憐な少女で、警戒心も和らいだ)
あ、えっと……こんにちは。アルエット……さん?
はい……私、ここがどこか、分からなくて……あなたも、迷ってるんですね。
よかったら……はい。一緒に、歩きましょうか。

私は……ウィリア。って、いいます。
何も覚えてないから、そう、名乗るようにしてて……。
(ばつが悪そうに視線を反らしながら、消えそうな声で名前らしき物を呟いた)
(近くをキョロキョロしながら歩いていた一人の少年が二人の会話に耳にした)
今マイゴって聞こえた。キミ達マイゴなの?
それとキミは名前分からないんだ?(ウィリアを見て)
…じゃ、ボクと一緒だ!ボクもね、ほんとの名前分からないの。
誰かがボクの事アオイって呼んだからボクはアオイ!

ボクもここどこだかよく分からないけどいろいろあって楽しい所だね
えーっと、ウィリアは楽しそうな感じじゃないから…楽しくない?
え、と……はい。私は、この街で行きたい所が、あって……。
探してるうちに、迷って……しまいました。
アオイさん、ですか。あなたも……本当の名前。分からないんですね。
ちょっとだけ……仲間、ですね。
(現れた少年の自己紹介を聞き、ごく薄い変化だが微笑みかける)

楽しい……その、賑やかで、大きくて、いろんな物がある街。
見て回る余裕が、あったら……きっと、楽しいのかな。
(きょろきょろと周囲を見回しながら。まだやはり、不安の方が大きいらしい)
ウィリアちゃんと、アオイ君だね。
一緒に行こうか。
迷子にならないように3人で手をつなぐ?
(にっこりと微笑んで手を差し出すアルエット)
仲間…!なんだかその言葉聞くと楽しくなる!仲間!
ボクは見た事ないものたくさんあって楽しいっていう感じがするんだ。
知らない事、たくさん覚えたいなって思って!

うん、一緒に行こう行こう!
手を繋ぐの?それもすごく楽しそう!
そう、ですね……帰るの、ちょっと難しいみたい……だから。この世界のこと。
いろいろ知って、覚えて、楽しく……なるといいですね。

あ……えっ、と。ちょっと、恥ずかしい……ですけど。
はぐれちゃったら、大変……ですもんね。
うん……よかったら、一緒に。
(3人で手をつなぐ、という提案に白い顔を少し赤くしながらも、おずおずと両者に向かって両手を差し出し)
じゃあ、アオイ君はそっちを守って。アルエットはこっちを守るわ。
(ウィリアを左右から挟む形で3人で手を繋ぐ。少し恥ずかし気なウィリアを守らなければという使命感に駆られるアルエット)
はじめはどっちに行こうか? 地図の見方はアルエットも分からないの。どうしよう。
・・・(あら…?)
(フードを深く被り、この世界を知るために探索している途中、人としては不自然な存在を見かけ、立ち止まる)
…(なるほど、彼女は私と同じウォーカーのようね…。それに、どこか似ているようだ。)
(直ぐに立ち去る予定だったが、どんな行動をしているのか気になり3人を少しだけ観察しようとする。・・・が、少し不審に映るかもしれない。)
了解。ボクはウィリアのこっちを守る。
(アルエットと反対側のウィリアの手を繋ぐ)
ボクは暗くなる前に身を置ける場所を探す事を提案するよ

…?何か気配を感じる……(キョロキョロ)
んー、でもここは人が多くてよく分からない…気のせいかな
わわ……あの、ありがとうございます。
私……ギルド・ローレットっていう所。行ってみたくて……そこに行けば、この世界での、お仕事。何か、教えてもらえるかも知れないから……。
(やや過保護気味に両者に守られながら、告げた場所に心当たりはないかと尋ねてみる)

――……? え、っと……?
(歩きながら、ふと誰かからの視線を感じて辺りを見回す。こちらを向いている人影を探り目星を付けると、やや緊張しながら立ち止まってフードの人物の方を向いた)
(気付かれたのを見て、不信感を取り払うため行動する)
・・・こんにちは、皆さん!
自分は最近この世界に召喚されたウォーカーなのですが、色々見て周っていたら道に迷ってしまいまして…。
そしたら、地図を持っている皆さんをお見かけしましたので、
こっそり付いていったら知っている場所につけるかなって…
怖がらせてしまいましたらすみません!
(快活な雰囲気を節々に意識しながら言葉を出し、距離感を考え遠すぎず近すぎない距離まで進む。)
(初見のやや怪しげな雰囲気から一転、朗らかな挨拶に緊張の色も薄まる)
あ……はい。こんにちは。あなたも……同じ、旅人なんですね。
私もです……つい先日。召喚、されて。

この街……賑わってて、慣れてなくて、迷っちゃいますよね……。
私たち、ギルド・ローレット……っていう所、行ってみようかって、相談してて。
よかったら……一緒に、どうですか……?
(特に警戒する素振りもなく、一緒に誘おうと片手を向けて差しだし――たら手を繋いでるので、自ずとA01さんも一緒に手を向ける形になってしまうか)
(相手が警戒を解いたと判断し、会話の流れに従い、)
あ、本当ですか…!ありがとうございます!
(そしてウィリアの近くまで進み、しかし手は繋ぐ必要はないと若干後ろ側に向かい、)
私はエンアートと言います。宜しくお願いしますね。
(フードの奥に見えるのは口元だけだが、笑みを浮かべているように見える。)
エンアートさん、ですね。私……ウィリア。ウィリア・ウィスプールって……名乗ってます。
慣れない場所でも……こんなに人が。心強い、ですね……。
(真意はともあれ笑顔の挨拶に、ぺこりと小さく頭を下げる)

ギルドで、この世界での、お仕事……紹介してもらえるかも知れません。
旅をするに、しても……この世界のお金。必要だと、思うから……。
(身なりの仕立ては良さそうだが、金目になる様な物を持ち合わせている様子もない。
歩きながらの道すがら、目的地に向かいたい事情を話してみる)
あ・・・(今回は『終わるまでの期間』が長いことに今更ながら気づき、)

そう、ですね…。(少し考えるような仕草をした後、)
私も長くここに『滞在』することになると思うので、仕事は欲しい所です。
やっぱり、皆さんを見かけてよかったです!

ウィリアさんは旅が好きなのですね。
私も色々な場所をいくつも見てきたので、結構似ている所がある…かも?
召喚された時、聞きました……元の世界に、戻るの。難しい……って。
だったら……ここで生活、していかなくちゃ……いけませんから。

(旅が好きという評価に、自分でも腑に落ちないという風に首を傾げながら)
私……この世界に来る前のこと、覚えてないから。自分でも、よく分かりませんが……
『どこかに行かなくちゃ』って……気持ちだけ、覚えてて。それに……従ってます。
エンアートさんこそ……あちこち、旅をしてきたんです、ね。
(表情が薄いなりに、心強い先輩を見るように尊敬の眼差しを送り)
(記憶の欠如のことを聴き、)あ…そう、だったんですね・・・。
ウィリアさんがその『行先』へたどり着けるように、私も何か手伝いましょうか?
…とは言っても、この姿で不安がらせてしまったみたいなので手伝いになるかも不安ですけどね…。(おどけた様な口調で言う。)

(自身の旅について、)
──えぇ、とても長い時間、旅をしています。(酷く無機質に、機械的な反応の様に答える。)
(路地を歩きながら、周辺にいる住人や冒険者などの姿をすれ違いざまに見る。
老若男女様々な外見に種族に、中にはヒト型ですら者もいる事だろう)
いえ……この世界、本当にいろんな旅人がいる、から……
エンアートさんも、フードを取れない事情。何か……あるんじゃ、ないでしょうか。

だから……不思議で、親切な、人。それで……いいと、思います。
(無機質な反応に、過去について尋ねられる雰囲気ではないと悟ったらしく。小さく微笑んで、雰囲気を和らげようと)
(…しまった、感情を潰すために意識を向けすぎたか。
しかし、気を使うような反応から行動に変化する必要はないと判断、現状変更なし。)

(ウィリアの笑みに合わせて、口元も再び笑みの形が浮かび)
・・・ウィリアさんは本当に優しい方ですね。

(フードを取れない事情に対し、)…実は、少し普通の人とは違って、表示が・・・
あ、この言い方だと伝わらないから……。
(少し考えるような仕草をした後、)『私自身の外見が少しおかしくなる』ことがあるので、
余り人の目に触れないように被っています。
ただ、皆さんを見ていると過剰な気もしてきました・・・。
…まだ少し抵抗があるので、この場所ではフードは取れませんが…。
(噛み砕いた説明を受けても、理解度は半分未満といった所だろうか。
不思議そうに首を傾げながらも、頭の中で言葉を噛み砕き、自分なりに思考する)

えっと……この世界にいる、人たちを見て。不思議で、驚くこと、いっぱい……ですけど。
私も……ちょっと変わった、存在だろうから。
手とか、足とか……脱ぐと、髪みたいに……ゆらゆらしちゃうし。
だから……全部を、見せなくちゃってことは。ない……って思います。

(今も手が繋がれているだろうか、少女が身に着ける両手の白手袋や、白いタイツの中。
その下もまた、朧げな霊体となっているであろう少女は、気遣うような言葉をかけながら、他人事ではないと感じたのだろう)
…やっぱり私と似ていて、そして私よりも優しいですね、ウィリアさんは。

(ここまでの会話から、ウィリアに対する警戒度を下げても問題が起こる可能性は低いと判断する。)
・・・ところで、ギルドまで後どのくらいでしょうか?(本心から疑問に思ったことを、あえて考える仕草をしつつ言葉に出す。)
優しい……かは、分かりません、けど。そう言って、もらえると……嬉しいです。

あ、えっと……ちょっと、失礼します……ね。ここが……このお店で、この道路で……。
(繋がれているであろう手を離し、鞄から街の地図を取り出す。
ギルドの位置は、現在地からもう少し歩いた先といった所まで来ている。
だが、地図を縦にしたり横にしたり逸れていく道の方向を見たり、このまま放っておけばまた迷っていく道に邁進してしまうだろう)
・・・(まさか……)(ウィリアの地図の使い方から、『自分と同じ』方向音痴だということに気付く。)

・・・その…、私も初めて来る場所だと……地図を見ても迷うので…。
(しかし、このままではギルドにたどり着けなくなり目的が達成できなくなるため、)
・・・地図を見せて頂けますか?・・・ウィリアさん。(若干素で決心したような声で言う。)
(最悪の場合は通行人に訊くと言う手もあるが…他の人間との積極は可能な限り避けたい所だな…。)
あっ……はい、どうぞ。
地図……道とか、入り組んでて。ちょっと……難しいですよね。
エンアートさんも……道、見てみて、ください。
(まさしく間違っている方角の道に進みかけようとした折。相手の少しこれまでと違う声音にきょとんとしながら立ち止まり、方向音痴の自覚がなさそうに地図を手渡す)
えぇ…(手紙を受け取り、周囲の建物の配置と見比べ始める。)

(方向音痴特有の地図を回して照らし合わせようと試みる。)(ダイス30以上で現在位置+進む道判明)
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(ダメだ…分からない…。)

(暫く悩んだ後、ウィリアに対し、)恐らく私たちは今この辺りにいる…と思ってますが、ウィリアさんはどうでしょう?
(少しでも分かった範囲を指し示し、情報共有で乗り切ろうと判断する。)
えっと……そうですね。エンアートさんが、ここまで分かったのなら……。
(まさか相手も方向音痴だとは思いもせず、隣で地図を覗き込んで、地図上の描写と現在地とを確認する。むむ、と唸るように人差し指で地図をなぞってから、指し示した方角は――同様にダイス30以上で正しい方角への移動)
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こっち……ほら、あの、高い建物。
看板に、書いてあるの……この地図に、載ってる。お店の……名前。
そこまでいけば……後は、まっすぐ、ですよ。
(よく目を凝らせば、何の店かは分からないものの、少し高い屋根の建物に地図にも載っている店の看板が掲げられている。ローレットへと続くその方角を指し示して、後は進むだけだと言って進むことに)
あ…本当ですね!(一致していることを確認し、地図を見ながら同じく進み始める。)


(歩いている途中、ギルドでの仕事内容・依頼について考え、)
・・・そういえば、先程の話に戻ってしまうのですが、
この後ギルドに着いたら、どんな仕事を受けようか…とかは考えていますか?
お金を稼ぐにしても、自身に合った仕事でないと上手くいかないこともあると思いまして…。
私……この世界の、こと。まだ、何も……分からないから。
私みたいな、子供でも……紹介してくれる、お仕事。何か……あるといいな。
どこか、お店の……お手伝いとか。どこか、お家で……奉公とか。
(今度こそ迷わないよう、看板を見失わないように視線を上げながら石畳を歩く。
時期としては大規模召喚のすぐ後。後に発布されたオリエンテーションで、少女は紹介された店の行商に精を出して無事収入を得る事に成功するが、それはまだ先の話)
・・・お店のお手伝いなら、危険もきっとないと思うので安全にお金を稼ぐことが出来そうですね。
……私は出来る限り色々な所を見なければいけないので、商品の輸送護衛や、自由に動ける程度に力を付けられるような依頼で稼ぐことになりそうです…。
私も……今はまだ。この街を、見て回るだけで、いっぱいいっぱい……かもですが。
慣れたら……少しずつ。行ける所、増やして……いきたいです。
その足で……世界を旅して、行ける所まで……行きたいなって、思います。

エンアートさんも……やりやすい、お仕事。見つかると……いいですね。
――あ、えっと。ここですね。
ありがとう、ございます……一緒に、着いてきてくれて。お陰で……来られました。
(やがて、イレギュラーズ達で賑わうローレットへと辿り着くことが叶う。
地図での確認もあるが、人も人外もこぞって集う人種の坩堝ぶりが、何より最大の目印だろう。ぺこり、と胸に手を当てて小さくお辞儀をして礼を述べた)
(ギルドの建物が見えてから、忘れないようにその周りの建物も合わせて確認する。)

(お礼に対し、)いえ、こちらこそいきなり同行してしまって…本当にありがとうございます。

それでは…
(ふと、今後のことが一瞬頭に浮かび、)
・・・また、何処かで会った時は宜しくお願いしますね、ウィリアさん。
(そう言った後、相手の礼に合わせるように胸に手を当てて控えめにお辞儀をした後、ギルドの中へ入っていく。)


(別れたら暫くは会えない…というのはドラマではよくあることだが、現実は果たして…。)
(ローレットの中で、事務作業を熟しながら)
は……新しい、来訪者の方だろうか。今日は、お勤めお疲れ様です!
(入ってきた人物に、ピッと敬礼をして)

あ、その炎は…ウォーカーの方、ですか…?
(小さな姿を纏いし炎に、驚いた様子を見せて)
いえ……こちらこそ、本当に……助かりました。
当分は……この街を、中心に。動くつもり……です。

このギルドも、イレギュラーズが……いっぱい、集まる、みたいですから。
また……どこかで、すれ違ったら。旅の……お話を、しましょうね。
(旅の行き先を示す手紙や、可能なら魔術による念話なども考えられるだろうか。
胸に手を当てながら丁寧に会釈を返し、その姿を見送る。次いで、改めて周囲を見渡して地形を忘れないようにしながら、自分もギルドの中へと入っていった)
(大規模召喚の直後とあれば、ギルド内もさぞ盛況であろう。まさしくお上りさんの様にきょろきょろと見回していた所に、一人の騎士に声を掛けられ、おずおずと話しかける)

あ……えっと。私……ここ、初めてで。
その……ウォーカーって、いうらしい……ですね。他の世界から、来た……って。
(一目でこの世界の住人ではないと分かる霊体の髪が、ふわり、ゆらりと靡く)
ああ、やはり貴方も…その透き通るような御姿は、これまで目にしたことがありませんでしたから。大規模召喚の後では、髑髏なお方や喋る動物や魔王に勇者と、実に様々な方達とお会いしまして…。(嬉しそうに顔をほころばせた後、我に返ってキリっとした表情を作り)

改めまして、ギルド・ローレットへようこそ!
私はリゲル=アークライトと申します。何かご要望がありましたらば、何なりとお申し付けくださいませ(恭しく一礼をし)……初の異世界で、不安も多々あるでしょうが…だからこそ、お力になれたら嬉しいです(と、笑顔を返して)
(緊張した面持ちのまま、小さく頭を下げながら)
私は……ウィリア。ウィリア・ウィスプール……です。
神殿や、街でも……たくさん、見ましたが。人も、動物も……いっぱいでした。

親切に……ありがとう、ございます。
私……この世界のお金や、売れそうな、もの。何も……持ってないから。
何か……簡単な、お仕事でも。紹介してもらえたら……と、思って。
(手持ちの簡素な鞄を開いて見せて、金目の物がないことを示す。
時期が時期だけに、召喚されたばかりで生活の基盤がない者も多いはず。
依頼の斡旋なり宿の提供なり、恐らくこの手の問い合わせは少なくないのだろう)
動物、良いですよね…中にはドラゴンな御姿の御方までおられたりするのですよ。
ドラゴン…こう、冒険心滾りますよね!(ぐっと拳を作り)
……は。すみません。また取り乱してしまいまして…!(ビシっと背筋を正して)
成程…旅人の皆様は、突然この世界へと飛ばされて来られるとのこと。
準備期間を与えられることも無く放り出されるのですから、困りますよね…。

とりあえずは、運命特異座標として選ばれた皆様ならば
このギルド・ローレットで宿を借りる事ができますので、
拠点にされても良いかもしれません。

そしてお仕事かぁ。
ギルドからの依頼が告知されるまでは、他の手段で暮らしを維持せねばだから…。
そうだなあ、色々ありますよ(と、分厚い求人誌を取りだして)
女の子なら…パン屋さんとか、ケーキ屋さんとか、人気がありますね。
後は、貴族の皆様も、この界隈には多く居られますので
住み込みでお仕えするという手段も、有効かもしれません。
何か目に留まるものは、ありますでしょうか?(と冊子をウィリアさんへと向けて)
気がついたら……あの場所に、いたから。とても、驚いて……。
ドラゴンや、生き物に、見えないヒトも……いるみたいだから。不思議な世界……です。
(興奮隠せない様子に同調するように、小さく首肯する)

ここで、宿を……借りることも、できるんですね。
じゃあ……今夜は、ローレットで。休ませてもらおう……かな。

お仕事も……わぁ。いっぱい、あるんですね。
パン屋さん、ケーキ屋さん、住み込み……ん。どれも、この世界の……勉強になりそう。
(一先ずの宿を確保できた事で、ほぅ、と安堵の一息を付く。次いで、取り出された求人誌の分厚さに感心したような表情を見せ、ぱらぱらと捲っていく)
――あ、これ……そんなに、難しく……なさそうかな。
泊まり込み、可で……旅の品も、いろいろ……ある、みたいだし。
(やがてふと目に留まったのは、いずれオリエンテーションが発布される際に、ドライフルーツの行商を行うとある商店。日雇いで店番を求める内容で、携帯保存食を中心に旅に必要な品を扱っている。決して怪しい内容ではない様だ)
ええ、是非。ローレットの宿は、旅人の皆さんを受け入れる場所でありますから。
それにしても本当に……大規模召喚が起こるなんて。
これから何が起こるんだろうな……(と、呟いて)

ああ…このお仕事ですか。
難しい内容でもありませんし、商いにも問題が無さそうですね。
是非、挑戦されてみてください。応援していますよっ!

(必要書類を纏め上げて)
では、こちらが、このお店までの地図と……
ローレットの空き部屋は、此方になりますね(ナンバープレート付の鍵を差し出して)
何かあれば、此方のカウンターに来て頂ければ、誰かしら対応できるかと思います。

っと、俺は外回りの時間だな。
書類整理に時間がかかってしまい、本当にすみませんでした…!
また何かありましたらば、お声を掛けて下さいね。
御武運を、お祈りしています!
(ピッと敬礼し、マントを翻しながら外へと走り去って)
この世界で……何が、起きているのか。ざんげさんに、簡単には……聞きましたが。
そういうのが、関係しているのかも……知れませんね。
出来ることが、あるなら……協力は、したいなって、思います。

じゃあ……この、お仕事。受けてみようと……思います。
本当に、親切に……ありがとう、ございます。
この世界のこと、まだ……分からないこと、いっぱいだけど。
ここに来るまでも……親切にしてくれた、人たち。似た境遇の……人たち。
いっぱいいて、ちょっと……頑張っていけそうな、気がします。
(受け取った鍵を胸元に抱き、目を閉じながらしみじみと呟き)

わぁ……リゲルさんは、忙しいんですね。お勤め……ご苦労様、です。
はい……また何か、あったら……頼らせてもらえたら、嬉しいです。
(走り去る姿に深々と頭を下げ、姿が見えなくなるまで見送り)
――こうして、右も左も分からない世界に召喚された少女は、最初の『旅』を終えた。

ローレットの借り部屋でベッドに横たわり、手袋を外した朧げな手を掲げて見上げる。
自分が誰なのか。何なのか。何処から来たのか。これから何が待っているのか。
何一つ分からない事ばかりだが、やらなければならない事だけははっきり自覚していた。

『……帰らないと』

それだけを呟き、明日からの混沌暮らしに目を閉じ思いを馳せる。
やがて緊張の糸もゆるみ微睡んだ意識は、ベッドに深々と沈み込んでいく。
請け負った仕事でオリエンテーションも担うことになるが、それはまた、別のお話――

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