PandoraPartyProject

ギルドスレッド

大樹の根

【1:1RP】歓声想わば


 依頼が入った。
 なんてことない依頼だ。
 遊んでいたところを攫われた子供を助ける。ただそれだけの、ありふれた依頼。
 数は5名。其れに対して宛てがわれたのはたった2名の特異運命座標。

 星穹と、オライオン。

 女は云った。
「子供は嫌いだ」と。其の双眸には僅かな混乱の色が滲んでいた。幼少期の記憶などない。彼女にとっては子供こそ未知(かいぶつ)だ。

 男は云った。
「救いに行く」と。奪われるべきではない。ならば行動で示すしかない。敵は命を潰すことを躊躇いはしないと知っているから。

 では。どう、動くべきか。

●概要
・天候/時間
 昼下がりの曇天。分厚い鈍色の雲が空を覆う。

・ところ
 ローレット。ある程度のものがそろったテーブル、その一角。

・期間
 依頼を受けてから、出発するまで。

 星穹()とオライオン(p3p009186)の1:1RPスレッド。
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(依頼に同行する人間が違うのはいつものことだ。否、其れが普通である。
 誰か特定の者と依頼に向かう手続きを済ませない限りは、ローレットの指示に従って動く形だ。
 よって、今回の依頼は彼――オライオンと組む。唯、其れだけ)

 ……。

(あまり変化の見られない顔を一瞥し、先に口を開いたのは、女の方だった)

 星穹。星に、蒼穹のそらの字を書きます。
 此度のご縁に感謝を……どうぞ、宜しく。

(当たり障りのない挨拶。無難な其れ。オライオンを再び一瞥し、向かいの席に腰掛けた)
(警戒ではない。どちらかといえば、興味に近い。
 もちろん其れは希薄な感情のひとつに含まれるのだろう。知人に似た装いは、彼もまた忍びなのだろうかと思わざるを得なかったのだ)
(言葉を発する事も無く、そこで待機していた男は投げかけられた女性の声に僅かに顔を上げて反応を見せる)

 オライオンだ。
 顔を合わせるのは初めてだというに気を利かせてしまったな。ありがとう。

(仮面から聞こえてくるだろう平淡でくぐもった声は礼を述べていてもいまいち感情の波が分からにくい。しかしてそれはこの男が怒っているわけでも緊張しているわけでも無く、元来表に出すのが苦手なだけである)

 大空、天で輝く星か……星穹君だな。よろしく頼む。
 その背格好、忍を職としている方で良いのかな?

(向こうから挨拶の機を作ってくれたのだ、今度は此方から投げかけても良いだろうと判断し、気になっていたことを聞いてみる)
(オライオンだ、と。知っている。依頼はたった二人で行うものだから、ある程度相手については知る必要があると考えたのだ。なんて、勿論言葉にはしないけれど)

 ……いえ、お構いなく。
 嗚呼、職ですか? まぁ……はい。そうなります。
 貴方は恐らくは同業…………では、なさそうですが。

(なんとも言えない雰囲気の差。直感的なものだ)
(きっとあまり手を汚すことが好きではないのだろう、なんて勝手に考えて)
(恐らくは同業ではなさそう、その言葉を聞いて内心で頷く。黒ずくめで顔を隠しているのだ、そう見られるのも思えば当たり前なのかもしれないと)

あぁ、確かにこの格好は同業と勘違いさせてしまうかもしれんな。
俺は忍に属する者ではない。頭に元が付くが神父の道を歩んでいた。此方の世界に飛ばされてからは旅人で説明しているがな。
忍となると前線を張るでも攻撃を受けるというよりは流すやり方という事でよろしいか?

(であるならば丁度良い、この会話の流れのまま依頼に関して関係ありそうな事を聞いていこう。二人でこなさねばならないのだから手札はあればあるだけ良い)
(話を振るのは依頼の為、そして僅かながらも口寂しいと感じていた己の為か)
 ……神父。

(なるほど、と頷いて。確かに名前が洋名なのだから、それもまたそうだと)

 嗚呼、そうですね。そうなります。
 基本的には盾役とサポートを得意としておりますわ。
 回復と……庇うことも。
 尤も、此度は子供たちに向けて庇うことが多くなりそうですが。

(隠すことは特に無い。己が一番得意としていることであり、其れしかできないと自負していることだからだ)
(貴方は、どうだろうか。オライオンの方を見、瞬いて)
尤も、此方で信仰しているものとは違う物だ。神父等という言葉もあってないようなものだがな。

盾か、それならば俺は攻め手を担った方が良さそうだな。
回復は俺も出来るが今回は君に任せる事になるかもしれん。
俺が得手としているのは騎乗しての空中からによる遠距離砲術。
君が子供達の付近で守護する事になる可能性が高いからだ。そちらに関しては大丈夫だろうか。

(此方も手札を隠す理由も無い。ただでさえ初対面の即席ペアを組むというのだ、ここでできる限りの懸念を潰していきたい所)
 ……まぁ、はい。
 子供は苦手なのですが…………ううん。
 四の五の言っては居られませんものね。

(あまり起伏のない彼女の顔が、僅かに曇る。歯切れの悪い返事とともに同意を示した)
む……?

(ここまで彼女に抱いていた感情を表にださない、という印象が僅かにズレを見せる)

子供が苦手なのか?

(苦手と言っているのだろうから苦手なのだろう。聞いてしまったのはこれからの依頼への懸念を潰す為の処置でもあるのだが)
(それ以上に、この少女に揺れが見せられる程のものかと関心が勝ってしまったのだ)
 …………。

(言うべきなのか躊躇って。認めるということは、弱点を晒すことに近い。けれど此処で認めなければ、依頼が滞ってしまうかもしれない)
(故に、)

 ……はい。苦手です。

(頷き示し。其れを肯定した)
(男の興味には気付いていない。というより、気付く余裕がない)
「(逡巡したか……)」

(どうしたものか、彼女もプロだ。依頼の中でその苦手意識を表に出す事はないだろう。だがそれが隙となる可能性もまた、ゼロではない)

……子供への対処、変わる必要はあるか?

(しかし、彼女とはここで会ったばかりの関係。気心も知らなければいきなり深く踏み込みすぎるのもよろしくないだろう)
(ならば、話は簡単。難しそうならば此方の立ち位置を変えれば良い、そういう意味を込めて貴女に問いかけるだろう)
 …………宜しいのですか?

(親切心だろうか。或いは、同情か)
(どちらにせよ解らない。其れは重要なことではないから)

 では、お願い致します。

(素直にうなずいた。きっと其れが最善だから)
何かしらの事情があるのだろう。気にする事はない。
互いに十全の力量を発揮出来るのならそれが一番だ。

(他に懸念点は無いだろうか、と思考した所でふと思いつき)

……星穹君は動物の類が苦手とかあるか?

(同道するに当たって聞いておかねばならない事があったと)
 ……お優しいのですね。

(ふ、と笑みを漏らした。其れも一瞬のことだが)

 ……まぁ、はい。意志や感情を持つものは苦手ですが。
 特に子供や小さい生き物は苦手ですね。……ここ二年以外の記憶がありませんので、どう接すればいいのか解らなくて。

(彼女にとっての当たり前。記憶がない、ということ。
 生まれ落ちたときから大人のような錯覚。齢19にしてようやく自我を持った彼女にとっては、汚れなき子供たちは畏怖の対象。人を殺め、幾多の命を奪った此の手で触れることすらも、躊躇われる程に)
……効率の問題だ。

(どこか気まずそうな、らしくないことをと言ったかのように身動ぎしながら)

記憶が無い……?
それが君の理由なのだな、未知の対象……分からないという事は何にも勝る恐怖になるか。
その二年でよくもここまで動けるようになったものだ。外に出れない可能性もあったろうに。
……立ち入ったことを聞くようで悪い、以前の記憶を取り戻したいとは思っているのか?

(己は経験してこなかった感覚であろう。記憶が無くなる、つまりは自分の歩んだ軌跡が消えているという事だ。忘れ得ないからこそ今ここに立っているオライオンにとって気になる事を問いかけるだろう)
 ……そう仰るのであれば、そうなのでしょうね。
 よく覚えておきますわ。効率、でしたね?

(くすくすと笑って)

 ……以前の、記憶ですか?

(しばし反芻する。というよりは、考慮する。吃度、彼は優しい人だ。心根が。だからこそ、伝えるかは憚られた。
 然し彼とて恐らくは大人なのだ、自己管理くらいはできるだろう。と、判断して)

 思っては、おりませんわ。
 ……以前、天義に私用で向かった際に、記憶を若干垣間見たのですが。あまりにも頭痛がひどかったので。
 私に家族が居るのであれば、何かしらの手段で探しているでしょう。其れが無いのであれば、家族はすでに無いと判断するのが賢いでしょうね。
 其れに、今こうして生きることができているのです。何ら不便はありませんから。
 そういうオライオン様は……記憶もあるのでしょう? 其れは……どういった心地なのでしょう。混沌のことを、私よりも知っていそうですわね。

(本当に、どうだっていいことなのだろう。少なくとも今は。
 なんてことないと薄く笑みを浮かべ、自分と同じか其れ以上の齢の青年に首を傾げてみせた)
 ごほん……! 全く、からかうものではないぞ。
全ては依頼達成の為のものだ。

(居心地の悪そうにわざとらしい咳払いで誤魔化すのは照れ隠しだろうか)

 そうか、家族……記憶も無いというならばその繋がりも希薄に感じても仕方のないことなのだろう。
 君がそう言うのならばそれが是なのだ。

(家族という言葉に仮面越しの瞳が悔恨に塗れる、数瞬とはいえ出してしまった感情を抑え)

 そうだな、忘れ得られぬ思いはある。幸いにして俺は記憶を喪う機会はここまでに経験は無いのでな。旅人として此方に来た時の事も元の世界で暮らしていた事も憶えているよ。
 心地と問われたら迷うが……そうだな、自己の確立の為に無くてはならないものだろう。俺は目的の為に此処に立っているのだからそれを喪うのは困る。

(あって当たり前の物、だがこの混沌の世界では当てはまらないものである。記憶を失い尚、己を律して生きている彼女に心の中で敬意を称して口を開く)
 はい、では依頼成功のため……と、いうことで。
 ……オライオン、さま?

(感情のいろが僅かにぶれる。唯一認識できる表情――瞳の揺れを、彼女はみていた)

 旅人種の方でしたのね。そうでしたか……。
 目的があるというのは素晴らしいことですわ。己が軸を有するということですから。

(記憶があるということ。軸を持つということ。彼女にはありはしない信念の二文字。少し眩しいような気がして、目を伏せた)
 すまんな、少し昔を思い返してしまっただけのこと。記憶を保持するというのは後悔という感情とも向き合っていかねばならないということだな。

(大人気ない、どれだけ年月を重ねようともあの時の事が頭を過ぎらせると心がざわめきたつ)

 此方の人間種と判別がつかないものだし言われなくては気づかんものよ。
 あぁ、これがあるから俺は生きていられると言える。君は今、その軸を見つける事ができたのかな?

(目を伏せた貴女を見て、正に今混迷の道を歩んでいるのかもしれないと思考しつつ聞いてみるのだ)
 ……何か、後悔の記憶があるのですか?

(勿論、言いたくないのならば構わないと付け足して)

 ……どう、でしょう。
 私には……まだない、の、かも。しれません。

(解らないが常だからこその答え。彼女にとっての軸のかたち。象ることすら難しいのだろう)
(しっかりと答えるオライオンをみて、薄く笑って)
 なに、昔に妻と子を亡くしただけの事。俺の記憶はありふれた悲劇であり、回避できなかったという悔恨と悪辣の根源に向けた憎悪で塗られている。

(喧伝している訳では無いが特に隠しもしていない。知られてどうなるとも思っていないが故に)

 それで良いのだろうさ。時とは全てを可変させ揺らぐ水の様である。君ぐらいの歳であるならば確固たる己を持つ者の方が少なくあろう。
 様々な事を経験し、出会い、ゆっくり形作られるのだから。

(まるで老人の説教だなと心内で独りごちながら口の端を仮面の下で上げてしまう)
 ……ありふれた、ですか。
 ありふれているとしても、愛したひとを……家族を亡くすことがありふれている世界は、おかしいのです。
 悔恨も、憎悪も、等しく貴方のためにある。……後悔することはなくとも、さも当然のように仰いますのね。

(変わらぬ顔色に表情を強張らせた――というより、元に戻った。同情などしないけれど、苦しむこともしないのが不思議だ)

 ……私、成人はしていますのよ、これでも。
 もう子供ではありませんし……まぁ、はい。
 貴方のいうことは……きっと、正しいのでしょうね。

(素直に頷いた。ただ、その未来が想像できないだけで)
 あぁそうだ。
 間違えている、間違っているが俺も、君も個ではどうにか出来る訳では無い。悲しい事だがね。
 行く着く先に何も無くとも良いのだ。ただ俺は許せないだけなのだから。

(静かに目を閉じるのはこれで終いと言うかのように)

 これは失礼をした、申し訳ない。
 説教臭いのは歳を取った証左だな。聞き流してくれ。
 さて、動物の類がと聞いたのは俺の戦い方に関する事でな。そのものでは無いがその形を象った使い魔を呼び出して戦うことになる。一応問題ないかと確認を取ろうと思って聞かせてもらった。

(目を開き仕切り直しと本題へ向かう)
 ……いえ、お構い無く。
 そのような形でしたらまあ……問題ありません。
 私がなんとかすれば良いだけのことですしね。依頼の成功が一番の目標ですから。

(頷き。独特な戦いかたをするのだろうと、瞬いて)
協力感謝する。
俺が子供達を確保し星穹君に敵に当たってもらう。避難完了させたら戦線へ戻り攻め手として動く。
簡易的な流れはこれで大丈夫かな?

敵の数、どう動くかわからない以上そこまで遠くまで避難は難しいだろう。俺は護りながらの戦闘になりそうだ。
幸い俺はその灰の獣に騎乗して駆ける移動方法故に戦線に戻る時間はそこまで掛からないだろう。
問題は囚われている子供を取り返す手段はどうしたものか……

(ある程度の流れは共有しておいた方がよいだろうと口を開く)
はい、問題ありません。

……囚われた子供、ですか。
檻のようなものなのでしょうか。或いは縄で繋がれているのかしら。
何が必要になるのか解らないのが、懸念ですわね。

(ふむ、と目を細めて。どうすればいいものかと思案する)
人攫いと人質の位置関係も考えなくてはとなると一発当てれば終わり……では済まなそうだな。

縄で繋がれているなら確保した後に切れば良いとなるが檻に閉じ込められているとかだと厄介であるな……一旦人攫いを相手取って鍵を取らなければなるまい。

子供達が囚われていると仮定し……
無力化してから救出するか、片方が惹き付けている内に鍵を見つけ出してその場で救出するか。
今思いつくのはこれぐらいかな。

(何か良い案はあるだろうかと貴女の方へ目を向けて)
それがいいでしょうね。
鍵が存在するとも限りませんから、何かしらのツールを持ち込むべきでしょうか。
……あまりいいたくはありませんが、二人共に子供受けするような外見ではありませんので、怖がらせないための対策も必要そうですわ。

(頷き。苦笑を浮かべながら呟いて)
愛想良く……できれば話はそう難しくならないのだがこの仮面では仕方あるまい。
出来るだけ声音を柔らかくして応対してやるか、最悪気絶させることも視野に入れておこう。
パニックになる可能性は十全にあるのだから。

鍵開けの心得は持ち合わせていないのでな……些か乱暴ではあるが檻を壊す事も考えておかねば。
狼藉者が鍵を持っていれば一番話は早いのだがな。

(同じく頷き、己の身なりに嘆息をつく)
そうですね、気絶……まあ、それが抵抗もされないでしょうし安全かもしれません。

鍵開けは私も覚えていませんので、少しだけ練習していきますわ。
最悪破壊の方向でよろしいかと思いますが……。
敵を複数倒す必要がありますかしらね。困りましたわ。

(ふむ、と瞬いて。僅かに表情が曇る)
子供に手を出すのは好まんがこればかりはな。

威力を出しての速攻制圧は得手では無いが早めに終わらせたい所ではあるな。
後は……そうだな。敵の対処はどうしようか。気絶させて然るべき所に突き出すのが一番良いかと思うのだがどうか。
生命を奪うのはあくまで最終手段だと思うが星穹君はどう思う?

(イレギュラーズによって変わるであろうスタンス。これを把握しておかねば後の憂いになると感じて)
……特に手段は考えていませんでした。
子供に手を出した輩なのですから、死んでも構わないですし。子供たちが傷付くのであれば、捕縛……がいいのでしょうね。

(無慈悲だ。無配慮だ。そうあるべきだと、信じていた。
 けれど、無意味に命を奪うべきではないと知った。だから、選択肢はふたつ。それでいいのだ)
うむ、あくまで優先は子供の生命だ。もしもの時は手に掛ける事になるだろう。
しかし幼き子の前で命を奪う所を見せる事もあるまいと思ってな……ちゃんとここで立ち位置を話せてよかった。我ながら甘いものではあるが。
譲歩感謝する。

(その眼光を眺め、彼女にもまた思う所があるのだろうと視線を落とす。我を通す様な事を言ったのだ。何れ借りは返さねばと心中で呟きつつ。大体話す事と言えばこれぐらいだろうか)

さて、後は何か擦り合わせる事はあるか……?
 ……まあ、もうないでしょうね。
 私は……特に無いと思います。ええ。

(荷物を纏めた。卓上に広げた地図、カンテラ、ロープ。それから武器を握って)

 ……さて、それでは。そろそろ向かいましょうか。
あぁ、それでは向かうとしよう。

(立ち上がり魔導書を手に取る)

互いに生命在るまま終われるように……
 斯くして扉は開かれた。
 進むべきは、彼等の意志のままに紡がれよう。


 【〆】

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