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シナリオ詳細

<Phantom Night2022>アーカーシュハロウィン<総軍鏖殺>

完了

参加者 : 32 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング

●アーカーシュのハロウィンは
 トリック・オア・トリート!
 そう叫ぶイベントと、それにまつわるフェアリーテイルを知らない者はいない。
 いないが……あらゆる場所で行われるこのイベントも、今年はアーカーシュでしっかりと行われる。
 場所は勿論、エピトゥシ城。
 かつての魔王城をイベント会場に変えてしまうのは、なんともイレギュラーズらしいと言えるだろう。
 しっかりと飾り付けて、たくさんのお菓子を用意して。
 平和を取り戻したアーカーシュにだって、そんなイベントがあってもいいはずだ。
 足りないのは人手くらいのものだが……そこはご安心。
 グルメに関しては一家言ある「ガストロリッター」の面々がやってきて、古今東西現在過去、様々なお菓子を用意してくれたのだ。
 まあ、その代金としてお菓子を作り終わると最低限の人員を残して意気揚々とアーカーシュの探索に出かけて行ったようだが……そこはそれ。
 用意されたたくさんの幻想的なお菓子は、食べ切れるかどうか?
 そんな……とても、とても素晴らしい場所がそこにあるとしたら。
 それは新たなアーカーシュへのお祝いとして、是非行ってみるべきではないだろうか?

●アヴェルからの誘い
 『ガストロリッター』アヴェル・ノウマン(p3n000244)はいつも通りの格好……そう、ガッチガチに固めたいつも通りの姿であった。
「……俺たちはこれでいい。これが普段着であり正装だ。そういうものだ」
 そういうものらしい。そういうものなら仕方がない。
 さておき、エピトゥシ城である。キラッキラの装飾で全力で飾り付けられたエピトゥシ城の内部は実に綺麗だが、そこから見える光景もまた素晴らしい。
 綺麗でふわっふわの赤絨毯を敷かれた大広間には、大きな金色のテーブルが幾つも置かれている。
 そこにあるのは無数のお菓子の数々。
 色とりどりのマカロンに一口ケーキにシュークリーム、星や月、ジャックオーランタンなどを象ったかわいいクッキーには砂糖やチョコで模様が描かれ、イチゴや葡萄といったスイーツは丁寧に下処理され飴で軽く包まれている。
 甘いモノが苦手な人用には、数種類のナッツやチーズや海鮮を乗せたカナッペも用意されている。
 がっつりいきたい人用には、野菜を星や月の形に刻んだホワイトシチューもある。
 そして何より……幻の食材「星砂糖」を使った、空中にフワフワと浮かぶわたあめの「雲わたあめ」や同じく空中に浮かぶ一口サイズの七色虹な「浮遊虹」、食べれば口の中でパチパチ小さな粒が弾けるポップキャンディ。
 更には星砂糖に特殊な加工を施し材料を加えて星の形に固めれば、空中に浮かぶ輝く小さな星のクッキー「輝星クッキー」の出来上がりである。
 勿論、ドリンクも様々だ。水は勿論、清涼飲料に炭酸飲料、コーヒーに紅茶、お酒類も完備している。
 その中には幻の茶葉「蒸気紅茶」もあるといい、蓋を開ければ「ポー!」という軽やかな音をポットで奏でるだろう。
「ひとまず派手になり過ぎない範囲ではあるが、揃えてみた。楽しんでいくといい」
 派手になり過ぎない範囲……であるかは分からないが、きっと楽しい日になるだろうことは間違いない……!

GMコメント

と、いうわけでPhantom Nightのお祭りをガストロリッターが彩ります。
本会場では楽しくお菓子やジュース、お酒を楽しむ形となります。
というわけで、難しいことはございません。

●プレイングの書式
一行目:【ソロ】か【グループ】か
二行目:【一緒に参加する方の名前とID】、あるいは【グループタグ】
三行目:本文

このような感じでご記載くだされば、はぐれる事は無いと思われます。

お菓子や飲み物などはガストロリッターの皆さんが適宜補充してくれるので、なくなることはありません。
空飛ぶお菓子たちは飛んで捕まえてもいいですが、専用の網も貸してくれます。虫取りに使うようなやつです。
この網も食感の軽い飴細工ですので、食べられるらしいです。

それでは、皆様……トリックオアトリート!

●情報精度
 このシナリオの情報精度はAです。
 想定外の事態は絶対に起こりません。

●特殊ドロップ『闘争の誉れ』
 当シナリオでは参加者全員にアイテム『闘争の誉れ』がドロップします。
 闘争信望は特定の勢力ギルドに所属していると使用でき、該当勢力の『勢力傾向』に影響を与える事が出来ます。
 https://rev1.reversion.jp/page/tetteidouran

  • <Phantom Night2022>アーカーシュハロウィン<総軍鏖殺>完了
  • GM名天野ハザマ
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2022年11月10日 22時05分
  • 参加人数32/32人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 32 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(32人)

ギルオス・ホリス(p3n000016)
マイヤ・セニア(p3n000285)
レビカナンの精霊
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)
灰雪に舞う翼
ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)
黄昏夢廸
イーリン・ジョーンズ(p3p000854)
流星の少女
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
ジェック・アーロン(p3p004755)
冠位狙撃者
天之空・ミーナ(p3p005003)
貴女達の為に
エッダ・フロールリジ(p3p006270)
フロイライン・ファウスト
ジョージ・キングマン(p3p007332)
絶海
ルクト・ナード(p3p007354)
蒼空の眼
胡桃・ツァンフオ(p3p008299)
ファイアフォックス
キャナル・リルガール(p3p008601)
EAMD職員
ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)
人間賛歌
祝音・猫乃見・来探(p3p009413)
祈光のシュネー
イズマ・トーティス(p3p009471)
青き鋼の音色
郷田 京(p3p009529)
ハイテンションガール
セチア・リリー・スノードロップ(p3p009573)
約束の果てへ
コータ・ヤワン(p3p009732)
鍛えた体と技で
ニャンタル・ポルタ(p3p010190)
ナチュラルボーン食いしん坊!
ユーフォニー(p3p010323)
竜域の娘
アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)
ライブキッチン
メイ・カヴァッツァ(p3p010703)
ひだまりのまもりびと
三鬼 昴(p3p010722)
修羅の如く
フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)
お嬢様(鉄帝)
社家宮・望(p3p010773)
牛乳プリンは罪の味
弥多々良 つづら(p3p010846)
鳴動する幼大山
御刀 麗華(p3p010882)

リプレイ

●ハッピーハロウィン
「この魔王城に来るのも、中庭やらでデカい鶏を調理したのも懐かしいですわね。盛大に破壊した城壁とかもハロウィンっぽくなってますわ」
「アーカーシュは探索とか魔王城防衛で関わったことあるけど、あの頃とは随分と状況が変わっちゃったなぁ。いつもいつも「お気楽に探索!」とはいかない、か。ともあれ、今日は「お気楽なお祭り」だ。楽しむぞ!」
 謎のコンバイン(網タイツ)がしんみりしている。怖い。違った、『自称・豪農お嬢様』フロラ・イーリス・ハスクヴァーナ(p3p010730)である。
 ちなみに一緒にいるのは『鍛えた体と技で』コータ・ヤワン(p3p009732)。こっちは自前というか素である。
 此処はアーカーシュ、エピトゥシ城。今日この日はパーティー会場である。
 だからまあ、フロラが足の生えたコンバインになっていても何もおかしくはない。
「さて、しんみりするのも終わりですわ! 手ぶらで来るのもらしくないですし、せっかくなので「ガチ経験乳ピザ」を持ってきましたわ! そう、わたくしのアーカーシュ決戦潜入で戦況を変えた(と言い張っている)ピザが待望の商品化! という訳でテーブルの隅っこにこっそり置いておきますわ。美味しく食べてもらえれば嬉しいな……っと」
「うお? お菓子が飛んでる!? ええと、捕まえて食べろってことだよ、な? それじゃ、網を借りて……意外とすばしっこい感じだけどどうなんだろうなー」
「あ、ズルいですわ! それでは、わたくしも空飛ぶお菓子捕獲に加わりますわ! あ、怪しいコンバインではありませんわ! 怖がらないでくださいまし!」
 ドタドタとコータを追って走っていくフロラは怖いモノ以外の何物でもないが、今日に限っては怖くない。というわけで……早速一品増えたが、パーティーである。だからこそ『レビカナンの精霊』マイヤ・セニア(p3n000285)と『ドラネコ配達便の恩返し』ユーフォニー(p3p010323)も楽しそうにしていた。
「マイヤさんお久しぶりです! アーカーシュのハロウィンもかなり盛り上がるんですね……! ドラネコさんたちやムシャムシャくんもずっと今日を楽しみにしてはしゃいでいて♪」
「ユーフォニーお久しぶりね! 私はこのアーカーシュに住んでいるけれど、こんなの初めて! しかも、島の外のお菓子を持って来てるんでしょ!? わくわくが止まらないわ! 楽しみね!」
「ほら、ユーフォニー! お菓子を捕まえに行きましょ。でも、いっぱいあって迷うわね。全部頂きましょう!」
「私も……迷うので全種類制覇を目指しますっ」
 そうして雲わたあめを目指して走っていく2人は、とても楽しそうだ。
「ようこそ、アーカーシュのハロウィンへ!」
 そして『浮遊島の大使』マルク・シリング(p3p001309)は独立島アーカーシュのメンバーとして、ハロウィンのホスト役に回っていた。
 あえてホスト役に回るあたりは、マルクの責任感やアーカーシュのメンバーとしての自負等々……まあ、性格だろう。
(とはいえ、ホスト側の主役は、沢山のお菓子を出してくれているガストロリッターの皆さんだけどね。食べ物を生み出せるギフトを持つイレギュラーズが生産力の改善に寄与したという話を聞くけれど、ガストロリッターにもそれぐらいの潜在能力があるかもしれない)
 まあ、その辺りに関しては不明だ。何しろああやって複数いるとすぐに誰が誰だかわからなくなる集団なのだ。
「トリック・オア・トリート! お勧めはトリートの方かな……ん?」
「はてエーデルガルトとは誰のことなりや。自分は通りすがりの野良メイド。大佐などではなかりけり。ありおりはべりいまそかり」
 カボチャ頭の『フロイライン・ファウスト』エッダ・フロールリジ(p3p006270)はマルクに「違う」と言いながら酒のコーナーへと歩いていく。
「ま、まあいいか……」
 マルクは自分が淹れた蒸気紅茶をどういう理屈でかエッダが飲んでいるのを見て……エッダはカボチャ頭のままクルリと振り返る。
「どうやって飲んでるのかって? 細かいこと気にするなよ、ハゲるぞ」
「ハゲないよ!?」
「分からんでありますよー?」
 そんなことを言いながら高速バックステップで去っていくエッダを見送り、戻ってきたフロラへと微笑みかける。
「良かったら、ご飯も食べていく? お勧めはエリザベスアンガス正純の塩焼き、お土産には缶詰もあるよ」
「あら!」
「あ、フロラさんか。声で分かったけど、その姿も『らしい』ね」
「褒められてますわよね!?」
 そんな中、『キールで乾杯』アーリア・スピリッツ(p3p004400)はすでに吞んでいた。というか出来上がっていた。
「アーカーシュにとっては、外との交流が復活して初めてのファントムナイト! ファントムナイトはなりたいものになれる魔法がかかるけれど、アーカーシュにも影響はあるのね! どちらにせよ今日の私は魔女! というわけで……合言葉は⁉」
「トリック・オア・アルコールであります!」
 突撃してきたエッダに、アーリアはフッと笑う。
「トリック・オア・トリート!」って言われたらお菓子を差し出してあげるつもりだった。
 こうしてアーカーシュが平和でいる生活を守れるように、がんばらないと、と。そう思っていた。
「お酒とおつまみくださいなー! トリック・オア・アルコールよぉー!」
「一連の事件で自分、少々シリアスに寄りまくっているのでここらでちょいとふざけておくのであります。フォースのバランスを保つのであります。ウェーイ! ギルオスウェーイ! パンツor酒!! 逃げるんじゃねえでありますよ!!」
「ぐわー⁉」
 おっと、通りすがりの『陽気な歌が世界を回す』ヤツェク・ブルーフラワー(p3p009093)が捕まっている。
 自分と同じソロキャン△な人に絡もうと思ったら、たまたまエッダの前にヤツェクがいたらしい。
「おめーら最近人がちょっとマジメだからって油断してたでありましょう!」
 さて、そんなわけで絡まれたヤツェクではあったが……なんとか抜け出すと適当な場所に陣取る。
「いきなり酷い目にはあったが……トリック・オア・トリート!! 空とぶ菓子とは面白いもんを考えるもんだ。ま、甘いもんは嫌いじゃないからな。有難くいただくとしよう。走り回っているおれ達にも休息は必要なわけだし。さて演奏を一つ。奇妙で愉快で楽しい化け物たちの組曲を。宴にゃ音楽が必要だし、な」
 ギターの調子を確かめ、ヤツェクは帽子の鍔をクイと上げる。
「飛び交う魔女に、走る小鬼。妖精が笑い、幽霊が踊る。ハロウィンは元々冬の始まりを告げる祭りだ。だったら、せめてこの冬が愉快なものであるよう願いを込めて明るいもんにしよう。今の鉄帝には、屈託ない喜びが足りないからな。さあ、宴の始まりだ」
 そうしてヤツェクの演奏が響く中、『牛乳プリンは罪の味』社家宮・望(p3p010773)は幻のお菓子や紅茶に舌鼓を打ちつつ、ギフト「MilkyWayプディング」を使って牛乳プリンを作っていた。
 素敵なイベントを用意してくれたガストロリッター達にも、お菓子でデコレーションしたプリンを振る舞おうというのだ。
「えっと、す、素敵な機会、あ、ありがとうございます……! 俺、すごく、楽しいです……!」
「ああ、そう言ってもらえるとやった甲斐があるというものだ。今後も楽しんでほしい」
 ガストロリッターは望にそう答え、また忙しげに何処かへ去っていく。そして……そのプリンをパクリと食べて、即座に別のお菓子も口に入れたのは『鳴動する幼大山』弥多々良 つづら(p3p010846)だ。キョンシー服……着ているつづら自身「やりすぎ」と思うような……とにかくキョンシー服姿だ。隣を歩くのは御刀 麗華(p3p010882)。こちらは翼と悪魔の角を生やした露出度高いサキュバス衣装だ。「団長に強制されて仕方なく」らしいが、偶然一緒になった割には結構似合いのコンビである。
「ふっふっふっふ〜〜ん♪ うったっげ〜、うったっげ〜♪ 洋菓子のっ、うったっげ〜〜♪ ……っは、い、いかん。つい年甲斐もなく飛び跳ねてはしゃいでしもうた。あのバカお師め、仮装とか言ってまーたこんなもの送り付けて来おって……とか言いつつ着る吾も吾だが……」
 しかしまあ、着ていれば意外に慣れるものではある。
「だがしかし、鬼であるなら出されたものはべろりと平らげねばな!」
「ふむ、お菓子食べ放題だと聞いてやってきたが…逆に色々あり過ぎてどれから手に付けたらいいか悩んでしまうな。とりあえずアレだ。可愛いものを優先しよう!そうしよう!!」
「ようし、最近流行っとるとかいう"かぬれ"を山ほど持ってこーい! ガストロ大食い大会の始まりだー! がぶっ」
 カヌレ。中はしっとり、外はカリカリ。そんな素晴らしい焼き菓子の1つだ。当然、ガストロリッターたちが焼いたソレが安物であるはずもなく。
「えっ、美味しい……! ほほーお……! す、すまぬ。そちらのかなっぺも頂いても宜しいか! ハムッ、ガツガツ……ウマーイ! 良いなあ、こういう宴も中々趣深い!」
「嗚呼! 「雲わたあめ」や「浮遊虹」、「輝星クッキー」……どれも可愛すぎて食べられない!!! くっ! 何たること!! まさかこんな罠を仕掛けてくるなんて……卑怯な!」
 何とも楽しそうだが、そうやって食べる者もいれば、当然作る者も出てくるわけで……『ナチュラルボーン食いしん坊!』ニャンタル・ポルタ(p3p010190)も、そのうちの1人だった。
「我、食べるのは好きじゃが…一方的過ぎるのもな。なんで、ガストロリッター達に甘味を作ろうかと思っとるぞ!」
 ということらしく、材料も持ち込んできている。キッチンも設置されているので、ニャンタルの前に障害は何もない。
 むしろライブ感すら溢れている。
「我が作るのは『おはぎ』じゃ! 我の生まれの物でもあるでな! ……いや、此処にもあるのかも知れんが……今んとこ我の耳には入っとらんしの。
大丈夫じゃろ! 先ず、小豆は厳選した粒の大きいものを! ここへきび砂糖と、少しの塩で味を締めるぞ! もち米と上質な米にもほんのちょっぴりの塩を入れて餡子との一体感を出すんじゃ。感触はハンゴロシかの。それを熱々のうちに1つに纏めて…コロンと。少し小振りにしたからの、その鎧の隙間からでも食べられるじゃろ? どうじゃ、どうじゃ? 美味いじゃろう? 我の婆さん直伝じゃからの! ムフフ♪」
 そしてその隣で『天空の勇者』ジェック・アーロン(p3p004755)もお菓子を作っていた。
「彼等が作ってくれたお菓子と飴細工の網で、何かできないかな……例えば、網の形をいじって、カボチャっぽく。素手じゃなくてビニール手袋とかそういうの使うのも忘れずに。カボチャ型にした網に、雲わたあめや浮遊虹、輝星クッキーをデコレーションして
浮遊虹の口、輝星クッキーの目、雲わたあめは周りにもこもことくっ付けて……お菓子でできたジャックオランタンの出来上がり!」
「わー!」
「すごーい!」
 見ていたレリッカ村の子供達ともジェックは一緒に作り始める。しばらくは謀殺されるだろうがこんな風に、楽しみ方は人それぞれ。たとえば『ライブキッチン』アルフィオーネ・エクリプス・ブランエトワル(p3p010486)も『人をダメにするベッドルーム』にありったけのお菓子とドリンクを持ち込んで、これ以上ないぐらいにグータラしていた。
「毎日毎日毎日……みんなのお世話してるんだから、たまにはこれぐらいしてもいいわよね?ねっ?」
 誤って、ウイスキーボンボンを食べて酔ってしまい、少々タガが外れているようだが……寝間着に着替え、完璧にだらけている。
 チョコレートとアイスクリームをチョコドリンクにして飲んでいるその姿もまた、アルフィオーネ流の楽しみ方と言えるだろう。
『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)もまた、『白雷の貴人』アッシュ・クラウ・ラースを会場へと招き案内していた。
 関係としては知り合いの知り合いだが、共通の知り合いのためにおいしい土産話を持って帰るのを目的としているのだ。
「前にアーカーシュでの依頼人にもなってたけど、食べることに関する熱意がすごいねガストロリッター。道を究めるのを頑張ってほしいな。それはともかくお菓子ー!甘いのもしょっぱいのも、ひとつずつ味見をして制覇を目指すよ! ひとつずつ……ううん、一口ずつでもお腹の隙間が足りないくらいの種類がありそうだね」
 2人の手には、雲わたあめ用の網がある。
「雲わたあめを網でとる……覇竜での甘雲を取る依頼を思い出すね。浮かんでるお菓子は楽しいし、見た感じで輝星クッキーがお気に入り。星モチーフだしね。あとは……実利的な話になると飲み物はお腹を満たすけど……蒸気紅茶が気になるから飲んでおこうかな」
 ポッポー! と音のなる蒸気紅茶は実に楽しげだが、『青き鋼の音色』イズマ・トーティス(p3p009471)も丁度楽しんでいた。
「本当にポーッて鳴るんだな、美味しいタイミングを逃さずに淹れられそうだ。いただきます!」
 何処となく鉄帝をも思わせるお茶だが、味はとても爽やかだ。ついでに宙を流れていた雲わたあめもヒョイと捕まえれば、思わず笑顔になってしまう。
「お、取れた。はは、流石に逃げたりはしないか。安心した」
 そんなイズマの仮装は魔法使い。ちなみに『ガストロリッター』アヴェル・ノウマン(p3n000244)を見つけてなりたい格好はないのか聞いてみたが「特にない」と何とも「らしい」反応も返ってきている。
「何ということでしょう。魔王城がこんなにステキなパーティ会場に、なの。今日は甘いものの気分かしら〜? 楽しみなの。わたあめ〜」
 雲わたあめはなんとも人気で『ファイアフォックス』胡桃・ツァンフオ(p3p008299)も追いかけていたが……アヴェルを見つけると、胡桃は早速声をかける。
「騎士さんもお元気かしら〜? アーカーシュの探索とかとか働き詰めっぽいけれども、ハメも外さず真面目なの。まぁ、今日のわたしも普段とそこまで違いがあるわけでもないのだけれども〜」
 そこまで言うと、胡桃はアヴェルの背後へと回る。
「そ・れ・と・も其方はもっと「あだると」な方が好みかの?」
 そこまで言って……胡桃はアヴェルがフルフェイスの兜でも分かるくらいスンッとしていることに気付く。
「おおう……スンッとしてるのよ」
「羽目を外すという言葉は俺たちには基本的には無いからな」
 神職よりストイックな連中だが、まあある意味でイメージ通りではあるだろう。
「ガストロリッター=サン今回もありがとう! とゆーわけでハロウィーン楽しませて貰おうかなっと。いやね、各地の遺跡調査だの発掘物の解析だので最近とんと忙しかったからネ! 今日はだーいぶ久々のオフだー!」
「ぐあー! 口の中でパチパチ弾けるじゃん!」
 『EAMD職員』キャナル・リルガール(p3p008601)とEAMD職員『知勇兼備の女豹』アリディア・オルタニスも全力でお菓子をコンプリートするべく頑張っている。
「トリック・オア・トリート! で、これって酒もある? 飲んでもオッケー? カンパーイ!!」
 『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)もお酒のあるテーブルで乾杯を始めるが、時折ジェットパックで飛びあがりながら空飛ぶ菓子を捕まえていく姿は、なんとも特徴的だ。
「食べた後は運動してカロリーを消費しなきゃね! この後は狩りでも行こうか!!」
 その言葉にアーリアやエッダが聞こえないフリをしているが……酒の飲み方も色々だ。
 『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ(p3p000854)などは、かなり上品に飲む方だろう。
「甘いものをザーバ派の砦に持って帰ったら、皆喜ぶかなぁとか思っちゃう辺り、私も毒されてるわよねぇ」
 言いながらも会場を動き回るガストロリッターのうちの1人を呼び止める。
「別に他意はないのよ、シンプルに尊敬しているわ。誰かをこうして喜ばせる。喜ばせることができるから持っていきたいなんて思わせるのは、あなた達の技量でしょう? 私もお菓子は作れるけど、それで人を喜ばせる自信もあるけど。だから余計に敬意を払うのよ……ありがとう、こういう景色を見せてくれて」
「気にする必要はない。これもまた、我らなりの打算だ」
「それでも、よ……ブランデーとかあるわよね。ちょっと飲んでも良い? あ、これも勉強、勉強だから」
 そう、今日この日この場に居るのは様々な人間だ。
「ふふふっアーカーシュに来るのは今回が初めてだ。噂には聞いていたのだがすごいな。ファントムナイト仕様というせいもあるのだろう。城を、魔王城もこうも変えてしま空飛ぶお菓子!」
 浮遊虹を追いかけていくのは『黄昏夢廸』ランドウェラ=ロード=ロウス(p3p000788)。
「アヴェル殿! アヴェル殿! 作り方を教えてくれないか?! 誰に教われば良い?! お菓子よりレシピを欲しているとか気のせいだ。七色(浮遊虹)おいしい」
「レシピならやるが、大事なのは材料だな」
「材料かあ……!」
 幻の食材、星砂糖。見つけるのにはそれなりの苦労が必要そうだ。だからこそ……パーティー会場に来た子供たちのため、『蒼空の眼』ルクト・ナード(p3p007354)は装甲を外して、フィルムスーツの上から包帯を雑多に巻いたミイラ女風の姿で子供たちと歩いていた。
「……ほら、行くぞ皆。届かない物があったら私に言うといい。取ってあげよう。む。トリックオアトリート、か? ……ふふ、仕方ないコだな。すぐ用意しようか」
 そう、飛んでいるお菓子を捕まえるのは難しいが……そうではない者も、いる。たとえば『木漏れ日の優しさ』オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)だ。
 飛行して手で捕まえずにそのままぱくりといくその姿は、まさに飛べる者の特権だ。
「お行儀悪い? いいのよ妖精なんだから。でもせっかくだからいくらか捕まえておいて後で知り合った精霊たちに配りに行こうかしら? こういった催しだもの、アーカーシュの住人全員に楽しんで欲しいわよね」
 そういう意味では『祈光のシュネー』祝音・猫乃見・来探(p3p009413)も、ファトラ・ミローノヴナ・エミーリヤへのお土産のお菓子を持って帰るべく吟味していた。
「結構ふわふわしてるね、面白い……待ってー!」
 網を持って走る祝音の視線の先では、ガストロリッターたちが新しい雲わたあめや浮遊虹を放しているのが見える。どうやらなくなることもなさそうだし、そうとなればどれだけ捕まえられるのかは祝音次第だ。
「お菓子もシチューも美味しいね。みゃー」
 平和への、そして友への願いを秘めながら祝音は走って。同じように『秩序の警守』セチア・リリー・スノードロップ(p3p009573)、そして『【星空の友達】/不完全な願望器』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)もリューエン・ヴァルムボーデンも網を持って走っている。
「『浮遊虹』に『輝星クッキー』……見つけたわ!」
「星砂糖の雲わたあめに浮遊虹、ポップキャンディに輝星クッキー……! いいなぁ、お菓子の虹と星空だ! 捕まえるよ!」
「1個は食べてみたいよねぇ、まてーまてー!」
 そしてセチアたちの網が一撃で2つを捕まえれば、手の中で虹や星がキラキラ輝く。
「素材である星砂糖そのものも気になるし、小さな虹や空に浮かぶ星を捕まえて食べられるだなんて御伽噺みたいで素敵よね!」
 そうしてサクッと食べてみれば……浮遊虹は口の中で味が七色に変わっていき、輝星クッキーは食感も軽く優しい甘さがセチアの口の中に広がっていくのだ。
「飲み物は、ジュースやお酒も心惹かれるけど幻の茶葉、蒸気紅茶……1杯だけでも飲んでみたいな。きっと星砂糖のお菓子に合う気がする!」
 机の上でポーッと音を鳴らす蒸気紅茶は勿論飲み放題、お菓子との相性も抜群だ。
 そんな様子を見ながら、『紅矢の守護者』天之空・ミーナ(p3p005003)はゆったりとしていた。
 勿論苦労している人がいるなら助けるが……今のところミーナが手伝うのが必要な人は居ない。
「ん? あー、私はいいんだよ。そんなはしゃぐ歳でもないしな」
 そんなことを言いながら、お菓子や料理をモグモグと。
「色々と面倒事が起きちまったとこなんだが……ま、そんなときだからこそ。まつりを楽しむ余裕は必要なのかもしれないな」
 そんなミーナの独り言を聞きながら、『筋肉こそ至高』三鬼 昴(p3p010722)もそれこそが礼儀と食べまくる。
「好き嫌いはないからな。お菓子も食事もおつまみも飲み物も全てを食べ尽くすつもりでガンガン食うぞ! もちろんしっかりと味わってな」
 胃の限界が来れば丁寧な筋トレで消費してまた食べる、まさに無限機関の如き昴を邪魔する者はいない。今の昴はさながらそういうアトラクションだ。
 だからこそ、『ひだまりのまもりびと』メイ(p3p010703)も『絶海』ジョージ・キングマン(p3p007332)も空中散歩を楽しんでいた。
 メイは「ぺんぎんさんの着ぐるみ」にジェットパック、ジョージはやはりペンギンの仮装。ペンギン合わせである。
「いくですよー! 目的は空中のお菓子なのですよ!」
「あぁ。君は元気の塊だな」
「あれが雲わたあめで、あれが浮遊虹ですかね……。おじさま、どれから食べるです?」
「あちらは輝星クッキーに、ポップキャンディーか。俺は、まずはクッキーだな」
 空を飛ぶお菓子を捕まえるには、やはり空を飛べばいいということか……選び放題だ。
「は。メイばっかりきゃっきゃ楽しんでる気がぴゃぁぁぁぁぁ!? ねこさん! ここ空中なのにどうして居るですか!! メイから離れないでくださいね!?」
「あぁ、そういえば。その子は君の頭にずっとくっついていたな」
 メイのギフト「ねこさんはいつもそばに 」が発動したせいでメイに猫がくっついているが……それもまた「ふわふわ美味しい時間」の良いスパイスだ。
「うん。これは美味いな。たしかにふわふわだ」
 たまには、こういう時間もいい物だな……と、ジョージはそうひとりごちる。
「そうだ。リトルレディ、トリック・オア・トリート?」
 定番の問いかけと共にジョージは、メイのその小さな口にポップキャンディーを放り投げる。
「お口の中がぱちぱちするです!」
 そんな幸せな2人の近くを歩いていくのは、ギルオス・ホリス(p3n000016)と『ハイテンションガール』郷田 京(p3p009529)だ。
「なんかさっき呼ばれてなかった?」
「ああ、アレは……酔っ払いだから」
 聞こえてくる「ギルオスウェーイ」をスルーしながら、ギルオスは微笑む。
「飲み物もお菓子もお料理も飛んでるなんて、パラダイスね! ハロウィンばんざーい!!」
「色々あるものだね!
マカロンにチョコレートにケーキに、おぉナッツとか海鮮とかもあるんだね。京はどれを食べたい? 一緒に食べようじゃないか」
「そうね、一緒にたっっっっっくさん食べるわよー、あっはっはー! 欲しいものがあったら言ってね、ギルオスさん! 飛んでいって、すぐに取ってきてあげるから!」
「ふふっ。取って来てくれるだなんて、京は優しいな」
 答えるギルオスの頭上をふよふよと飛んでいくのは、雲わたあめ。
「浮かぶだなんて、どういう原理で……珍しいモノもあるものだね」
 言った側から京が取ってきて渡せば、ギルオスはそれを半分にして2人で食べる。
「たのしいねー、たのしいねー、お酒も飲んじゃおー、あっはっはー! あ、酔っちゃったらギルオスさん、お膝貸してよね〜?」
「あっ。そういえばお酒を飲める様になったんだったか――」
 そう今更ながらに気付きながら、ギルオスは京を見て……笑っている自分に気付く。
「あぁ本当に自然に、笑えた気がする」
「どうしたのー?」
 楽しそうな京に、ギルオスはなんでもないと笑って。
 精霊雑草ムシャムシャくんがその辺にいるのを見ながら、ユーフォニーとマイヤは仲良く座って雲わたあめを分けっこしていた。
「そういえばレビカナンってどういう街なんですか? よく考えたら私、マイヤさんが守ってきた街のことあんまり知らなかったなあって……えへへ、マイヤさんのことも街のことも、もっと知れたら嬉しいです」
「そうね、レビカナンは美しい街だった。白い石柱が並んで綺麗な水が流れていたわ。人々は穏やかで優しい人ばかりだった……そんな街が大好きだったわ。だから、こうして徐々にでも息を吹き返しているのがうれしいの。ありがとう、ユーフォニー」
「こちらこそ!」
 ユーフォニーもマイヤに笑顔で応え……そうして、優しい時間が流れていく。
 アーカーシュでの初めての時間、かつてのような笑顔。
 それはもしかすると、いつか来たる素晴らしい未来を暗示しているのかもしれなかった。

成否

成功

MVP

ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器

状態異常

なし

あとがき

今年のハロウィン、皆様は楽しめましたか?

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