シナリオ詳細
カルネと鉄帝温泉浴衣オル
オープニング
●温泉旅行へようこそ
ゆけむり、という言葉には魅力が詰まっている。
夕方頃に少しだけ冷たい空気の中、石床を歩いてゆけば見えるその湯気は、ごつごつとした岩で囲まれた露天風呂のものだ。
そっとつま先から浸かれば、その熱さがわかるだろう。
ゆっくりと、そして肩まで浸かってみればじわじわと身体を暖める湯の熱が自らを包んでいく。
気付けば己のは湯気のなか。
鉄帝国の北にある山脈が、夕暮れの空に映えている。
はるか遠くを大きな鳥が羽ばたいて飛んでいくのを眺めながら、ため息をつくのだ。
ここは鉄帝。ゲルマ温泉街。
ゆけむりの里。
声勇ましく湯もみ板を振る和服の女たち。
『げるま』と趣深い文字のかかれた板は、足下の熱湯をかき混ぜるために振られていた。
地元に伝わる民謡を口ずさみ、ヨイトサノサのかけ声で規則正しくかき混ぜられていく湯。
源泉から吹き出しかなりの高熱をもつ湯を人が入浴できる程度の温度にまで下げるこの動作を湯もみといい、ゲルマ温泉街の名物として知られていた。
最近になって資金繰りが豊かになったらしいこの温泉街は、スポンサーの意向に沿う形で古くからある風流な景色や習慣をあえて残すスタイルがとられている。
坂道にそって川が流れ、川の両サイドには石畳と階段で舗装された道がのびる。それを更に挟むようにして向かい合う木造瓦屋根の街並は、温泉街につきもののお土産屋や喫茶店、ここに蕎麦屋や定食屋も並んでいるのがちょっとした特徴である。
坂を上っていけばメインとなる温泉宿があり、一目見て歴史あるつくりを味わえることだろう。
昔ながらの天然温泉がわくこの宿は、主に和室タイプの客室で構成されており予約すれば宴会場を使うこともできるという。
夕方は街の食べ物屋でご飯をたべて夜はお風呂に浸かり和室に布団を敷いて眠るなんていうコンパクトな旅行も楽しめるのが、この温泉街のスタイルだ。
「やあ、君も温泉旅行に来たのかい?」
温泉街の坂道。カルネ (p3n000010)が振り返り、あなたに微笑みかけた。
白に青いストライプの入った浴衣姿で、少し長い髪を頭のかたっぽでヘアゴムをつかってまとめていた。ヘアゴムに、彼がいつも頭にくっつけている帽子に似たアクセサリーがついているようで、可愛らしく揺れている。
カルネがポケットから取り出して見せたのは、このゲルマ温泉街の優待チケットだった。
あなたがローレットで偶然貰ったものと同じチケットである。
なんと一泊二日の無料券。期限もあるので使わないのも勿体ないと、カルネはここを訪れていたらしい。
「よかったら、一緒に遊ぼうよ。ここの温泉は気持ちいいって評判だよ」
そういって笑い、カルネは坂道を歩き出す。
- カルネと鉄帝温泉浴衣オル完了
- GM名黒筆墨汁
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2022年04月26日 22時05分
- 参加人数30/30人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 30 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(30人)
サポートNPC一覧(1人)
リプレイ
●湯煙はご飯を三倍美味しくする
風情豊かな温泉街。ついたら最初に何をするかは人によって異なれど、『希う魔道士』ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)はひとつ決めていた。
「わーい鉄帝温泉だー! お腹空いたし何か食べよう!」
中央に川の流れる石段の坂道。両サイドに並んでいるのは無数の店。どれも瓦屋根で統一された風景はそれ自体見応えがあるが、やはりおなかに美味しいものを入れた方がもっとよかろう。
ヨゾラは早速温泉饅頭と書かれた店に入り、畳敷きのベンチにこしかけた。出てきた温泉饅頭を……かじる。
「おいしーい!」
そんな彼の前を通り過ぎた者がいた。ぬいぐるみやビスクドールを抱えた『諦めぬ心』イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)である。
「浴衣で温泉街の探索だなんて、ワクワクしちゃう!
……もー、風邪なんか引かないってば、オフィーリア!
ほら、ちゃんと羽織も着てきてるでしょう?」
ぬいぐるみと会話をしながら、身体を揺らして羽織のすそをふってみせる。
「今日の夕ご飯は……あっ、川魚の串焼きの食べ歩きだって! 地ビールも一緒に売ってる!」
目をキラキラさせるイーハトーヴが、びくりと抱えたぬいぐるみたちを見た。
「飲みすぎないように気を付けるから、ねっ?」
ビールや温泉卵を買って、あとで部屋でゆっくり食べよう。みんなで景色でも眺めながら。
そんな楽しげな雰囲気を横目に、『奇剣』雷霧(p3p010562)は飲食店へと入っていく。
色々な香りに誘われてふらふらしてみたが、最後に行き着いたのはソースの香りだった。
「おっ、何やええ匂いがするなぁ?
お好み焼き……噂に聞いた事はあったけど、実際に見たのは初めてやな
ふーん、生地を鉄板で焼くんやね。面白そうやん
……よっしゃ! ここに決めたで!」
入ってみると、鉄板の上で自分で焼くタイプの店だったようだ。
席について注文をして、出てきたそれらを(隣の席を見たりしながら)焼いていく。
「おお……」
できあがったそれにソースと青海苔、更には鰹節までのせてから、切り分けて口に入れてみる。
「……あかん、これ絶対食い過ぎるやつや」
ヘラで切り分けながら、雷霧は二枚目を注文していた。
「ヴァリューシャ! 早く早く! 鉄帝には珍しい食べ物がたくさんあるよ!」
「マリィ、あまり走ると転んでしまいましてよ!」
「ふふ! ありがとう! でも転ぶような歳じゃないよっ♪」
『祈りの先』ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤ(p3p001837)と『雷光殲姫』マリア・レイシス(p3p006685)が温泉街の坂道を走っている。いや、走っているのはマリアだけだが。
「再現性東京や豊穣にありそうな食べ物が多いね!何食べようか?
お蕎麦やうどんもいいし、定食屋さんの丼ものもいいなぁ」
「そうですわねえ。あっ、私、天ぷら食べたいですわ! あと温泉卵!」
びっと指さしたヴァレーリヤにマリアが『いいね!』といいながらがま口(とらぁ柄)を取り出した。
「きっと蕎麦焼酎もありますわよ。ここは正に天国ですわねー」
「ふふ! 私がお酌してあげるっ! たくさん飲んでね」
マリアは幸せをかみしめるような顔でのれんを潜る。そして実際、今日は幸せをかみしめまくることになるのだ。
●湯煙
鉄帝といえばおなじみの魔法少女コンビをご存じだろうか。
『魔法騎士』セララ(p3p000273)と『空の守護者』ハイデマリー・フォン・ヴァイセンブルク(p3p000497)である。
「しかし、こんな温泉街だったか?」
ハイデマリーはタオルを胸に当て、ぴたぴたと石の上を歩く。
湯気のたつ露天風呂に浸かる……のは後回しで、まずは木の椅子に座って水道の蛇口をひねった。
「ねぇねぇマリー、せっかくだから交代でお互いの体を洗おうよ。髪とか背中とか。ね?」
横で同じようにしていたセララが木桶にお湯をためながらそんなことを言う。
何気なくOKすると、セララは早速ハイデマリーの髪を洗い始めた。
「マリーの髪は金髪のサラサラでとっても綺麗だね」
洗い終えて交代ね! と言われハイデマリーはセララの髪に指を通した。
(姉達に囲まれてるとされる側の方が多いから少し新鮮でありますな……)
「…………」
温泉に肩まで浸かる『食べ歩き仲間』龔・巳華(p3p010363)。
その隣では『月華美人』香 月華(p3p010546)もまた肩まで浸かり、二人の前にはお盆に載ったトックリとオチョコがながれてくる。
「これがやりたかった」
前後に三点リーダーがつくような独特なテンポでそう呟く巳華。
「今までは体が貧弱過ぎて外でこの様にお湯につかるなど出来ませんでしたが……。
嗚呼! なんて素敵な一時なんでしょう! これは、病みつきになってしまいそう……ふにゃあああ」
いる? とトックリを掲げられるが月華は首を振り、これだけで充分しあわせーという顔をした。
「月華とも……いつかは、飲みたい……」
「フフフ……しかし……体がすごくポカポカして頭がぐわんぐわん……コフ」
湯の縁にくたーんと倒れる月華。巳華は慌てて彼女を抱えて飛び出した。
夜景の見える露天風呂。縁に腰掛け、『黒花の希望』天之空・ミーナ(p3p005003)はぼうっと空を見上げていた。
「ほら見て、ミーナ。夜空綺麗だよ」
隣では『白騎士』レイリー=シュタイン(p3p007270)が身を乗り出し、景色を指さしている。
どれどれ? と『傍らへ共に』アイリス・アニェラ・クラリッサ(p3p002159)も身を乗り出して目を細めた。
フッと笑って振り返るミーナ。確かにゲルマ温泉の夜景は独特な美しさがある。ぼんやりとオレンジ色の灯りが点々としていて、温泉ならではの香りがする。
「ああ、綺麗だが。夜空よりも綺麗なのがここにあるぜ?」
「?」
首をかしげるレイリー。なにがとは言わないミーナ。
「あ、もう、きゃあ。どこ触ってるの、いえ、舐めてるのよアイリス!」
などとやっているとアイリスがレイリーにじゃれつきはじめた。だいぶ激しめに。
レイリーは沈みかけた酒を死守し、ミーナをびしっと指さした。
「ほ、ほらアイリス、お酒あげるから、ミーナにもやって!」
「ん〜? 私はお酒飲まないからじゃあミーナに〜」
「って、おいアイリスッ!? ひゅあぁっ!? も、もう、後で覚えてろよ!」
「大丈夫、ちゃんと夜も付き合ってあげるから」
レイリーはくすくすと笑い、再び夜景に目をやった。
一方こちらは男湯。
『冬隣』アーマデル・アル・アマル(p3p008599)がゆっくり浸かっていたが、誰かの気配に振り返った。
いや、誰かではない。よく知った気配だ。
「はっ、弾正!?」
そこに立っていたのは『残秋』冬越 弾正(p3p007105)だった。
タオルを肩にかけ、長い後ろ髪を胸にまで垂らしている。
その肢体はあんまりにもあんまりであった。
バッと鼻から下を手で覆うアーマデル。
「弾正、そんなあられもない……」
「君だっていい身体をしているだろう? その傷跡は、色々な痛みを耐え抜いてきた証だ。恋人として誇らしい」
アーマデルは顔をそらし、その横にちゃぷんと弾正の片足が浸かった。
今日はのぼせそうだ。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛、やっぱり温泉は良いもんだなぁ」
湯船に肩まで浸かって至福の声を上げる『帰ってきた放浪者』バクルド・アルティア・ホルスウィング(p3p001219)。
「ここ暫くはアダマンアントだの深緑の大迷宮だので戦闘三昧だったから余計に沁みるぜ」
「全くだ。『こっち』に来るまでは馴染みの銭湯くらいしか入れなかったからな」
ンー? と振り返ってみると、身体を綺麗に洗った『侠骨の拳』亘理 義弘(p3p000398)がざぷんと湯に浸かるところだった。
背にはなんとも堂々とした刺青が掘られ、良い色をさしている。
「風呂に嫌われることでもあるのか?」
「そういうわけじゃねえんだが……ま、『あっち』の話だ」
二人は顔を見合わせ、そして次に言うべきことを察して頷き合った。
「風呂ときたら酒だよな」
「ビールだな。冷たいやつだ!」
おっさんたちが酒にテンションをあげている一方、『灰雪に舞う翼』アクセル・ソート・エクシル(p3p000649)と『影が薄い』空木 姫太(p3p010593)はまったり湯船に浸かっている。
「露天風呂までの道や街並みもレトロで面白いし、羽休めにはいい感じ。……骨休めだっけ?」
「フフフ、やっぱり俺ってどこに行ってもモブなのね……
いや! 折角異世界転移なんて小説みたいな事になったんだ!ここでモブから脱却せねば! その為にも……女湯を覗こう」
謎の決意を固める姫太。そっと湯から上がり、柵に手をかける。
どういう気遣いか透視やその他の能力をキャンセルする防壁が柵にははられていた。
「えぇ……」
ならばと柵をなんとか乗り越えようとよじのぼってみると……。
「??」
お風呂用の大きなあひるさんを胸に抱えた『おかえりを言う為に』ニル(p3p009185)と目が合った。
「…………」
「…………」
互いに沈黙。
「こっちのお風呂にも、入ります?」
「いや……」
あとから振り返ると、ニルがいたのは『不明湯』であった。なんか男湯女湯の間にあるらしい。
スッと引っ込んだ姫太に手を振ってから、ニルは湯から上がって冷蔵庫を開いた。
買っておいたコーヒー牛乳の瓶を取り出す。
「温泉といえば!なのでしょう? 腰に手を当ててぐい! ……っと飲むのがマナーだって、聞いたのです」
「かわったマナーなのですね」
たまたま居合わせていた『星読み』セス・サーム(p3p010326)が、椅子に座って鏡に向かって手入れをしている所だった。濡れた髪を乾かし、うなじのところでゆるく団子状にしてからバレッタでとめる。
「こちらの景観は希望ヶ浜学園で耳にしたことがあるような気もしますが……それにしても機器を傷めずに入れる温泉とは珍しい。外装の埃や汚れも清められました」
寒冷期には有益な場所ですね。生き物が訪れたがるわけです。などと言いながら椅子から立ち、ニルにならってコーヒー牛乳を手に取る。
そういえば飲めないんだった……などと思いながら。
不明湯、という言葉の不思議さには勿論意味がある。
(自分の性を明かせば、皆と一緒に楽しめるんだろうけど、身体を見られるのは、抵抗があるから……もう少し。大人になったら、勇気もでるかな)
そんな風に考えた『深き森の冒険者』玖・瑞希(p3p010409)は、不明湯へと入ってその意味を理解した。
一見何の変哲も無い露天風呂の格好をしているが、不自然に濃くなった湯気と光が合わさり自分の身体を部分的に隠蔽しているのだ。
密着するのでもない限りは性別がわかることはないだろう。タオルを持ち込めば瑞希の抱く心配事も消え去るというものだ。
「ワイバーンが飛ばない空は、本当に静かだね……」
湯に浸かりながらそんな事を思っていると、隣の個室でからからと戸の開く音がした。
『suminA mynonA』観音打 至東(p3p008495)が隣の個室へ入ったのだろう。すたすたと湯に浸かり、悲鳴のように声をあげる。
「温冷交代浴がメイド業の疲れに効くゥ~」
ゲルマ温泉はタトゥーでどうにかなるような湯ではないらしいが(ロボやゲル状でもいいくらいなので)、普通に女湯に入ってもよかったのだろうが……至東的の価値観なり倫理観なりが一人にさせたのである。
「昔はそれこそ家族風呂で、獅子郎どのと二人……まだ思い出の中で死んでてくださいネ獅子郎どの」
目を瞑り、思い出を遠い空の向こうへと追いやった。
(『おんせん』ってなんですか? 生まれて初めてです、どんなのか分からない……。
温かいお湯? 家のお風呂と、どう違うのでしょうか?)
『ファイヤーブレス』スフィア(p3p010417)はそんなことを思いながら、『温泉にはこう入りましょう』と書かれた大きなプレートを眺めていた。
様々な文化形態に配慮して分かりやすい図を交えて解説されたそれは、スフィアが理解を得るに充分だったらしい。
「冷静に考えてみると、私ってばこういう温泉施設に来るの超久しぶりじゃありません? 最後いつだったかな……。
あぁー……癒える。心も体も癒える癒える……」
解説通りに露天風呂へとやってきたスフィアが見たのは、湯に浸かりとろけきった『こそどろ』エマ(p3p000257)だった。
エマはよっしゃ身体を整えるぞとばかりに湯からあがると、そのまま水風呂へGO。冷えたら休んで、今度はまた湯に。
これを繰り返して身体を整えるというなんか高度なことをやっていた。
「水風呂ってなんであるのかわかりませんでしたけど、こうやって使うんですねぇ。えひひひ……」
「えぇ、やはり温泉というものは良いですね。
日頃の疲れを癒す至福の時間…明日への活力をリチャージする空間……」
『アーリオ・オーリオ』アンジェリカ・フォン・ヴァレンタイン(p3p010347)が腰まで湯に浸かり、耐熱アクリルでできたらしい頑丈なワイングラスのうえでワインをゆっくりとゆらしていた。赤ワインである。
薄いガラス製のほうが香りや温度を適切に楽しめるのだろうが、ここは気分重視である。
「素敵な時間ですね、これは……」
そこへやってきたのは『ゆめうさぎ』冬兎 スク(p3p010042)と『木漏れ日のフルール』リディア・ヴァイス・フォーマルハウト(p3p003581)。
「これが温泉……体に良い自然由来のお風呂くらいの知識しかありませんでしたが、開放感がすごいですね!
危機感というか少し無防備なところがちょっとだけ不安ですが……」
「温泉には文化が出るものですからね」
リディアが鉄帝は雪の深い山も多いらしいですから、と言って遠い山脈を指さした。てっぺんに雪のかかった山脈は、きっと真夏でも冬の風がふくのだろう。
「温泉好きな魔法少女として今後、訪れた温泉の情報をまとめた『魔法少女湯けむり紀行』みたいなミニ情報誌みたいなものを作ってみるのもいいかもしれません」
「そんなにいろんな温泉があるんですか?」
「深緑には霊樹に沸いた温泉で森林浴との合わせ技ができたりしますよ」
どうですあなたも温泉と一緒に魔法少女を、などと急に進めてくるリディアである。
『ラド・バウC級闘士』シャルロッテ・ナックル(p3p009744)はそんな湯へと浸かり、フウと息をついた。
「こういう大勢でお風呂に入るのは初めてですし、楽しみで胸が爆発しそうですわー! ふんすふんす!」
訂正しよう。息をついたっていうかもう大興奮だった。
もう温泉らしいことは全部やっとこうとばかりに、温泉マナーをここぞとばかりに守りながら温泉卵を熱の高い場所に突っ込み食べまくる。温泉の香りも相まって無限に食べられる気がした。
「カルネさんと入れないのが残念ですが……あとでお裾分けしましょう」
話題にあがったカルネはどうしているのかというと。
「『だぼく、きりきず、ひろう、ないぞう、きんにく』……」
『拵え鋼』リュカシス・ドーグドーグ・サリーシュガー(p3p000371)はなるほど筋肉かと自分の腕をぺちんと叩いてから湯へと向かった。
テーマパークかってくらいいろんな湯があるらしいのであれこれ入ってみたら、なんだか体力も整った気がする。
「これがおそらくトトノウというヤツ……!」
と、次に入ろうとした湯には丁度『一般人』三國・誠司(p3p008563)とカルネが入るところだった。
「背中流すよカルネくん!」
「ありがとう誠司、お願い。えへへ……ちょっと恥ずかしいね」
頬を赤らめるカルネ。誠司は今日一番のシリアスフェイルでタオルを手にした。
「球体関節とかちょっとよ汚れ溜まりそうなところとか入念にやるよ任せてほしい自信あります」
「すごい早口」
カルネの肌つやはよく、赤子のように赤みがさしている。例えるなら人間大のビスクドールだ。
触った感触もぷにぷにとしていて、陶器のつやをもった人肌といった風情である。
「そういやカルネくんの身体って海とかそういうので塩害とかあったりするの?」
「なったことはないなあ。鉄製のものを置いておくとさびたりするのにね。この世界のルールって不思議だよね」
「二人とも、一緒に入りましょう!」
そこへリュカシスが手を振り、隣の椅子に腰掛けた。
振り向けば山々。
青い空と山脈が描く青と白のコントラストは美しく、一時ながら世俗を忘れさせた。
明日もまた頑張ろう。そう思えるくらいには。
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
おかえりなさい
GMコメント
こちらは温泉街での観光シナリオです
たまの休日、温泉にはいったり遊んだりしてくつろぎましょう。
■■■プレイング書式■■■
迷子防止のため、プレイングには以下の書式を守るようにしてください。
・一行目:パートタグ
・二行目:グループタグ(または空白行)
・三行目:実際のプレイング内容
書式が守られていない場合はお友達とはぐれたり、やろうとしたことをやり損ねたりすることがあります。くれぐれもご注意ください。
■■■グループタグ■■■
一緒に行動するPCがひとりでもいる場合は【仲良しコンビ】といった具合に二行目にグループタグをつけて共有してください。
この際他のタグと被らないように、相談掲示板で「【○○】というグループで行動します」とコールしておくとよいでしょう。
うっかり被った場合は……恐らく判定時に気づくとは思うのですが、できるだけ被らないようにしてください。
また、グループタグを複数またぐ行動はできません。どこか一つだけにしましょう。
膨大なプレイングを【】タグで一旦自動整理していますので、今回同行者の名前とIDだけを指定していた場合、かえってはぐれやすくなってしまうかもしれませんのでご注意ください。
■■■パートタグ■■■
シナリオ内には様々なお楽しみがあります。
ですが描写されるシーンはそのなかの一つに限られますので、どのシーンを描写してほしいかをこのパートタグを使って示してください。
(なので、パートタグから外れた部分のプレイングは描写されないことがあります。ご注意ください)
【お食事処】
温泉街には蕎麦屋や定食屋といった日本風(?)の食べ物屋さんが並んでいます。
特にどのお店と決めずに食べたいものをプレイングに書いてみると、いいお店が見つかるかも知れませんね。
団体で宴会場を使いたいかたはグループタグを一緒にご利用ください。
【温泉】
温泉街といえばやっぱり温泉。話題の露天風呂に浸かって楽しみましょう。
ここの温泉は水と土の精霊の加護を受けているとかで、どんな形状のかたでもちゃんと温泉を楽しむことが出来ます。
具体的にはけむくじゃらさんが浸かっても毛が浮いたりしないし、身体がゲル状でも溶けたりしないし、一見温泉に浸かったらさびそうな身体でも全然平気だったりします。ふしぎですね。
あと男湯女湯不明湯にわかれています。不明湯は個室タイプなので安心して入れそうですね。
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