＜覇竜侵食＞鎧の勇士と共にあれ

オープニング

●アダマンアントの襲撃
　地上へと進出したアダマンアントによる襲撃は激しさを増すばかり……かに思えた。
　だがここ数日、その頻度は確かに減っていた。
　当然だろう。大きな動きはイレギュラーズが動き、片っ端から潰している。
　上位種にして戦闘種であるアダマンアントナイトの撃破も含めれば、大戦果であると言っていい。
　それでも、アダマンアントによる狩りは今日も続いていた。
　狙っている相手は……一言で言うなら巨大なカブトムシだった。
　大きさは全長４ｍ。緑色の煌く装甲を持っており、その角も非常に恰好が良い。
　その角でアダマンアントを掬い上げれば、まるで高度な投げを受けたかのようにアダマンアントが飛んでいく。
　それだけではない。角から放つ電撃はアダマンアントそのものを寄せ付けず、数で劣るカブトムシは互角に戦いを進めている。
　まあ、それも当然だろう。
　カブトムシの名前はアトラスグレートカブト。
　かの巨人アトラスの如き力を持つという意味で名付けられた巨大カブトムシモンスターであり、実際にアトラスを投げ飛ばしたこともあるという。
　その外骨格も生半可な攻撃は寄せ付けず、パワーも凄まじい。
　ある意味でアダマンアントに非常に似ているタイプのモンスターとも言えるが……そんな２つのモンスターは今だ御激突を開始している。
　アダマンアントの狙いはアトラスグレートカブトそのものなのだろうが……数で勝るアダマンアントであれば、それを成すのも然程時間はかからないだろう。

●アトラスグレートカブトを守れ
「地上でアダマンアントどもが確認された。どうにも今回の狙いはアトラスグレートカブトのようじゃの」
　アトラスグレートカブト。
　縄張り意識が非常に強く、デザストルの巨木などを住み家にしているモンスターだ。
　主食は樹液であり、そういう意味では亜竜種にとっては比較的無害、なのだが。
　その縄張り意識の強さから近づく者には容赦のない性格でも知られている。
　幸いにも、果物や樹液ゼリーなどを捧げることで見逃して貰えるようだが……まあ、そういう意味では比較的対処法の確立されたモンスターではある。
　何しろ、貢物さえすればアトラスグレートカブトの縄張りという「安全」な場所を通れるのだ。
　旅路の守護者、などと仇名をつけられる程度には亜竜種の生活に馴染んですらいる。
　そんなアトラスグレートカブトの縄張りに今、アダマンアントたちが侵入し争っているのだ。
　確認された限りではアダマンアントの数は１０。
　いくらアトラスグレートカブトが力で勝ると言えど、数の差は如何ともしがたい。
　放置すれば、アトラスグレートカブトはアダマンアントに狩られてしまうだろう。
　そしてそれがもたらすのは「安全」の喪失だけではなく、アダマンアントの軍勢の強化だ。
　そればかりは防がねばならず……だからこそ今、迅速なアトラスグレートカブトの救出が求められている。
「……とはいえ、お主等自身がアトラスグレートカブトと衝突してはどうしようもないからの。しっかり準備して行くんじゃぞ」

参加者 : 10 人

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参加者一覧（10人）

リプレイ

●鎧の勇士の元へ急げ
「今回はカブト虫！　爬虫類に哺乳類に昆虫まで完備の覇竜領域だよ！　やったね！」
「……先人は言った。”デカい動物、それは男子永遠の憧れなのだ”と。しかもそれが男児の憧れカブトムシであるならば、その『スゲエ度』は留まるところを知らない。ましてやそれが覇竜の民の安全に資しているとなれば、これは断じてアリの餌にしてよいものではない。仲良くなれたら良いんだが」
　テンション高い『業壊掌』イグナート・エゴロヴィチ・レスキン（p3p002377）と真顔の『特異運命座標』エーレン・キリエ（p3p009844）が互いに手を打ち合わせる。
　カブトムシは男の子の憧れなので仕方ない。男の子大好きベスト３に常時ランクインする虫だ。
　しかもアトラスグレートカブトは全長４ｍの緑色のカブトムシ。
　高級感あふれる光沢のある、男の子の浪漫を詰め込んだようなカブトムシなのだ。
　そして、そんなカブトムシ……アトラスグレートカブトを襲っているのは亜竜集落イルナークを滅ぼしたアダマンアントの群れだ。
「アトラスグレートカブト、か……」
『黒狼』ベネディクト＝レベンディス＝マナガルム（p3p008160）もそう呟くが、アダマンアントを撃退するにはそのアトラスグレートカブトとの共闘は必須だ。
　だからこそベネディクトは亜竜も奪い合う巨大林檎「亜竜の星」を調達してきていた。
「あれがあればアトラスグレートカブトとの戦いをせずとも済むかも知れない、どうかお願い出来ないだろうか」と真摯に交渉し譲ってもらったソレは今、タイニーワイバーンで運搬中だ。
　ちなみにエーレンとイグナートもアトラスグレートカブトに普段捧げていた果物を聞き、いくつか買って運んでいる。
　イグナートは他にもカブトと上手くやる方法が無いか聞いておきたい、と聞き込みをしていたのだが……結局のところ、食べ物が一番いいらしい。
　その目的地は地図の指し示す場所……アトラスグレートカブトの縄張りである、巨大な木の下だ。
　そこでアダマンアントとアトラスグレートカブトが争っているはずであり、エーレンたちはそこへと急いでいる最中なのだ。
「アダマンアントの次の標的はカブトムシ……え、カブトムシ？　幼虫でなく成虫？　少なくとも成虫はそんなに美味しくないと聞きますけど、アイツら本当に食べる気なのです？　いやよく考えるとアイツら自身も蟻ですけど。蟻も蟻で酸味があるだけで美味しくはなかったはず」
　幼虫なら美味しいのかはさておいて、『めいど・あ・ふぁいあ』クーア・ミューゼル（p3p003529）はそう疑問符を浮かべる。
「動植物の見境なしか、そのうち土まで食べるんじゃないの？」
『天才になれなかった女』イーリン・ジョーンズ（p3p000854）はそんなことを言うが……実のところ本来アダマンアントは掘った土から栄養を吸収できる比較的平和な生物らしいので、正解だったりする。さておいて。
「ふぅ……彼らが知恵を付ける前に、ケリをつける。知性ある獣ほど厄介なものはないからね」
「お”お”うっ♥　イーリンがキャットを慕ってくれるとは大大行事大事業！　お助け料はちゅー1発でオッケェーイだワン！　うっ、愛がおも”いっ♥」
　フルーツと樹液をたっぷり仕入れて運んでいたヘイリンがイーリンに蹴られているが……やはりさておこう。
「しかしまあ、こりもしねえでまた他のやつを襲撃してるのか」
　今回の事件の初期から関わっている『竜撃』ルカ・ガンビーノ（p3p007268）が、そう溜息をつく。
　亜竜集落イルナークの壊滅から始まった今回の事件は分かっているだけで１０件以上。
　それだけの数を派遣できるアダマンアントの勢力の大きさは驚愕するしかない。
「今のところは全部防げてるはずだが……だからってこのまま手をこまねいてても事態は解決しねえよな。どっかで反撃に出て叩き潰してやるぜ」
　そう、今のところアダマンアントの企みは発覚しているものに関しては全て叩き潰すことが出来ている。
　これはアダマンアントの勢力の強化を防ぐ為の有効な戦略だ。
「アダマンアント達はあちこちに出没して忙しないですね。ですが、そろそろ数も減ってきたでしょうか？」
『黒狼の従者』リュティス・ベルンシュタイン（p3p007926）の言葉も、それを前提にしたものだ。
　少なくとも戦闘種であるアダマンアントナイトを含む、５０以上のアダマンアントを葬っている。
　これはかなりの戦果であるはずだし、今回の作戦に成功すれば更に戦力を削ることが出来る。
「ここで食料を調達されてしまうと今までの努力が水の泡……油断せずに参りましょう」
（事前に用意した樹液のゼリー……試行錯誤して作ってみましたが、気に入って頂けるでしょうか？）
　そう、リュティスはアトラスグレートカブトが樹液ゼリーを食べると聞いて、事前に用意してきていたのだ。
　どうせなら喜んで貰える物を作りたいと思いますので努力致しましょう、従者としてのプライドをかけて。
　そう言って挑んだリュティスの樹液ゼリー作りは、これ以上ないくらいに本格的なものだった。
　まず最初にアトラスグレートカブトの好物の果実を調べてそれをベースにする。
　材料はゼラチン、黒砂糖、果実のジュースを用意。
　果実のジュースを入れ煮詰めた後、砂糖を適量入れる。
　その後にゼラチンを少しずつ入れながらよくかき混ぜて……最後に容器に流し込んで固めたら完成である。
　恐らくは普段亜竜種たちが用意しているものよりも立派なものに仕上がった樹液ゼリーは、かなりの自信作だ。
「アレだな」
　そうして歩いていると、目的の木……そして戦いが見えてくる。
「流石はデザストル。夏でもないのに、元気なカブトムシが大暴れときた――とはいえ、流石にあの群れが相手では厳しいようだな」
　確か報告ではアダマンアントの数は１０。どうやら１匹減って９になっているのが『陰陽式』仙狸厄狩 汰磨羈（p3p002831）には見えていた。
「アリだー！」
『宝食姫』ユウェル・ベルク（p3p010361）も思わずそう叫んでしまう。
「さて、今回の仕事は、アトラスグレートカブトを狙うアダマンアントを排除する事だ……さながら怪獣大決戦といった様相だが、アリどもにカブトを食わせるわけにはいかねえな。カブトムシが戦う姿を見るのは、ある意味男の子の夢だからよ」
「ほんともうどこでもいるね！　このアリさんたちは。今度はカブトムシを襲うだなんて見境無しなんだから！　カブトさんがいなくなると安全な道が減っちゃうんだからぜーったい止める！」
「では、今日も張り切って大蟻駆除に励むとしようか？」
『侠骨の拳』亘理 義弘（p3p000398）にユウェルと汰磨羈も、そう頷いて。
「すぐにでも割り込む必要があるな。俺達にやれるだけの全てを為すとしよう」
「まあ虫であれなんであれ、今回の護衛対象はひとにとって共存の余地が充分にある個体らしいのは幸い。サクっと片付けて皆様の平穏を護るのです！」
「そんじゃ、一気にぶっ壊してやるとしようぜ！」
　ベネディクトにクーアとルカも頷き……イーリンが「始めましょう」と戦いの始まりを告げる。
「神がそれを望まれる」

●アトラスグレートカブトとの共闘
「やるよイーリン、ベネディクト！」
「ええ！」
「ああ！」
　イグナートが叫び、３人は三手に分かれる。
　まずはカブトにまとわりついているアリを引き離す。そういう作戦だ。
　イグナートとベネディクトの名乗り口上、イーリンの紫苑の魔眼・懺溜が発動する。
　アダマンアントを引き寄せて、木がダメージを受けて倒れない様にする為に引き離していく。
　それは戦いの「後」をも見越した大事な作戦だ。
　アダマンアントを倒しても、木が倒れてアトラスグレートカブトが此処を離れてしまっては意味がないからだ。
　だからこそ、クーアは木のある辺りに保護結界を張っていた。
「鳴神抜刀流、霧江詠蓮だ。お前たちを野放しにはしない。狩らせてもらうぞ」
　サザンクロスを構えたエーレンの鳴神抜刀流・太刀之事始【一閃】が放たれて。
「汰磨羈！　まとめてやっちゃって！」
「纏めてやれとは欲張りだな、イーリン。まぁ、私も同意見だが！」
　花劉圏・斬撃烈破『舞刃白桜』を放つ汰磨羈は、より多くの敵を巻き込める射線で放ち、その後に離脱するヒット&アウェイ戦法に出ている。
「とにかく片っ端からぶん殴る……！」
　そうして３人に引き寄せられてきたアダマンアントを狙い、義弘のギガクラッシュが放たれる。
「チッ、硬ぇな！　それならそれでやりようはあるがよ！」
　硬さが自慢のアダマンアントは、やはり強い。だが分かっていれば事前に対策は幾らでも出来るのだ。
（カブトがこちらを狙い始める前に、数を減らすように注意しねえとな。カブトから攻撃されても手を出すわけにはいかねえし、まとめて雷でドカンとやられるのも笑えねえからな）
　そう、アトラスグレートカブトには範囲攻撃と思われる技……アトラスサンダーがある。
　イーリンもその範囲を見極め、天眼の魔女たる力と「ギフト」であるインスピレーションでカブトの攻撃優先対象を分析し、カブトの邪魔にならない立ち回りを意識し、カブトの敵対心を下げるよう意識していくつもりだった。
　だからこそ散開していたし……クーア曰く「カブトがそこまでこちらに気を遣うとも思えませんし、そもそも気を遣わせるのも悪いですし」というような理由もあった。
　何しろ相手は虫だ。他のモンスターの時のように高度な知能を期待するのは少し難しいのもある。
　そしてアトラスグレートカブトは突然の乱入者に然程驚いた様子を……虫なので「そういう感じ」というレベルではあるが、然程驚いた様子を見せずにその角に稲妻を帯電させる。
　ズドンっと。激しい音をたてて放たれた稲妻はその前方にいるアダマンアントを焦がし、黒い煙のようなものをあげさせる。
「アレはアトラスサンダー！　不用意に距離を取るとソコを狩って来るんだ！」
　待ってましたとばかりのイグナートの声援が飛ぶが「待っていた」のは皆同じだった。
「そこなのです！」
　そして傷ついたアダマンアントを狙い、クーアの黒顎魔王が叩き込まれる。
「足を止めての戦いも、足を使った高速戦闘も、いずれも獣たるねこ（私）の特権。変幻自在の焔の暴威、お魅せするのです！」
　そして弱ったアダマンアントがねらい目であることは、ルカも経験上よく分かっている。
　とはいえ、基本的にはルカはアトラスグレートカブトを狙うアダマンアントを処理する心づもりではあった。
（アトラスグレートカブトを守るって意味でも、隙を見せてるって意味でも叩く意味が大きい相手だからな）
　そしてその動きは、アトラスグレートカブトにも充分以上に伝わっていることはなんとなく感じていた。
　だからこそ、ルカも弱ったアダマンアントへと攻勢に出る。
「頭数を減らしゃあアトラスグレートカブトも楽になるってもんだ」
　放つのは猪鹿蝶。バラバラにしてやる心意気だった。
「地上はテメェラの好きにはさせねえぞ！！」
　そしてアトラスグレートカブトの直接支援をしているのはルカだけではない。
　リュティスも幻想福音により、傷ついたアトラスグレートカブトの傷を癒していた。
　この戦いはアトラスグレートカブトが倒れたら負けと言っていい。
　だからこそ、確実と思える安全圏までリュティスは癒すつもりだった。
「ただ受けるだけだとは思わない事だ。黒狼の牙は狙った獲物は逃がさん！」
　ベネディクトも黒狼竜牙を放ち、アダマンアントの動きを制し、仲間達の援護も同時にするべく動いて。
「アリさんたちと戦いももう慣れたもんね！　ズバズバ斬っていくよ！　わたしの竜爪をくらえー！」
　ヒット＆アウェイを心掛けながら壱式・竜爪をユウェルが放つ。
「いっつも言ってるでしょ！　アリさんたちの好きにはさせないんだから！」
「そろそろコイツの斬りやすい場所も分かって来たカンジがするね！　疾ッ！」
　イグナートの鋼覇斬城閃が放たれ、アトラスグレートカブトが角で相手を掬い上げ天高くぶん投げる「覇竜投げ」を放つ。
「で、出たぁぁぁぁぁ！！アトラスグレートカブト必殺の覇竜投げだぁぁぁ！！」
「よし！　勝手にだが連携させて貰うぜ！」
　ルカが叫び、雷切（真）を放つ。
「その体勢じゃあロクに防御も出来ねえだろ！」
　その一閃は武装に拠らず、切れ味無双の如し。その看板に相応しい一撃が弱り切ったアダマンアントを両断して。
　やがて最後の一匹を義弘が倒すと……アダマンアントは全滅し、残った死骸をアトラスグレートカブトが邪魔そうに遠くへ角で投げていく。
　まあ、実際邪魔なのだろう。それを邪魔しないように見守り……終わった頃を見計らい、まずはエーレンが声をかける。
「アトラスグレートカブトよ、騒ぎに巻き込んでしまって申し訳ない。果物を多めに持ってきたので、どうか怒りを鎮めてほしい」
　当然、言葉が通じるとは思わない。
　だが伝わらずとも、態度で分かる誠意というものは、ある。
「……それと、こうした人間の加工したものはお気に召すだろうか」
　事前に入手しておいた果物と一緒にアクセサリとして携行してきたみっくすコンポートもエーレンはアトラスグレートカブトにカブトに献上する。
　カブトムシの餌に肝要なのは水分と糖分なので気に入ってくれる……という希望的観測によるものだ。
「おかーさんも果物あげとけば心配ないって言ってたけど……というわけで持ってきました葡萄さん！　戦いの衝撃でつぶれてないよね？　大丈夫？」
　ユウェルはそんな心配になることを言いながら、そのブドウをそっと差し出す。
「お邪魔しちゃってごめんね。いっぱい貢物を持ってきたからゆっくり食べて！」
　そして義弘が取り出したのは妖精印の林檎だ。
「蜜たっぷりでうまいらしいぞ」
　言いながら近くにおいて僅かに離れて。
（しかしかっこいいな、カブトムシ）
　どうやら義弘の中の男の子も刺激したらしい。ちょっと目がキラッとしている。
　イーリンの指示を受けてヘイリンも樹液と果物を並べていく。
「ところでイーリン。あの、お前のそっくりさんは一体なんなんだ？　いや、なんというかこう……ノリがな、凄いなと思ってな？　うん、中々に面白可笑しい知人だ。大丈夫、笑ってないぞ」
　汰磨羈の当然すぎる疑問にイーリンは笑顔で返して。後でもう１回聞いてみようなどと思いながら汰磨羈はイグナートと共に果物や樹液ゼリーを並べていく。
「激戦のねぎらいも兼ねて、どうぞお召し上がりください」
　クーアも果物を並べ、ルカも用意した樹液ゼリーを置く。
「お前さんは強いな。旅路の守護者の名に恥じねえ。これからもここは任せるぜ」
「ええ、力強い戦いっぷりでしたからね」
　リュティスも特製の樹液ゼリーを置けば、アトラスグレートカブトがピクリと反応する。
「我々は戦う心算は無い、その証としてこれを収めて欲しい」
　ベネディクトも「亜竜の星」を置いて。そうすると……アトラスグレートカブトはまず最初にリュティスの樹液ゼリーを食べ出し、ベネディクトの亜竜の星を、そして他の樹液ゼリーや果物も食べ始める。
　その様子をエーレンや義弘達が特に興味深そうに見ていたが……全て食べ尽くすと、アトラスグレートカブトは興味を失くしたかのように木の上へと登っていく。
「わざわざ戦うことはないもんね。静かに暮らしてたカブトさんの邪魔しちゃったのはわたしたちだし……これからもみんなの旅路を護ってほしいな！　一緒に戦ってくれて頼もしかったよ。またねー！」
　ユウェルの声に、アトラスグレートカブトは答えない。
　けれど……きっとこれからも、戦う事は無いだろう。
　なんとなくだが、そんな気がしていたのだった。

成否

成功

ＭＶＰ

状態異常

なし

あとがき

見事アダマンアントを撃破しました！
おつかれさまでした！