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シナリオ詳細

<Phantom Night2020>あいことばを口にして

完了

参加者 : 22 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 それは世界に降り注ぐ魔法。望む姿へ誰もが変化するPhantom Night(ファントムナイト)の夜。
 今宵の『あなた』は『あなた』でなく。
 今宵の『わたし』は『わたし』でない。
 じゃあ何したって良いでしょう? なんて考えは気をつけて。度の過ぎた悪さをするとこのひと時は終わってしまう。あっという間に『わたし』へ戻ってしまうから。
「Trick or Treat!!」
「お菓子をちょうだい!」
 そんな風に声をかけてくる人がいたなら、お菓子を渡してあげて。そうじゃないと悪戯されてしまうから。度が過ぎなければ悪戯だって許されるの。

 そんな夜も──今宵まで。



「やあ」
 そう声をかけられたイレギュラーズは振り返り──あれ、と首を傾げた。そこにいるのは聞き覚えのある声で、されど見かけぬ姿だったから。
「忘れたの? まだPhantom Nightだよ」
 呆れたように肩を竦めた『Blue Rose』シャルル(p3n000032)は普段纏わせた蔓薔薇を消し、雪の精霊姿になっていた。肌も瞳も、普段より透き通るように白い。
 Phantom Nightとは10月31日の夜から3日間に渡って行われる収穫祭の名であり、各々が『望む姿』に変えられる時間でもある。
「最後の夜でしょ。だから皆を誘おうかと思って」
 良かったらおいでよ、とシャルルは手にしていた羊皮紙をイレギュラーズへ見せる。どうやら百鬼夜行として街を練り歩くイベントのようだ。ジャック=オ=ランタンの形をしたブローチをつけ、お菓子をもらったり渡したりするらしい。ブローチは分かりやすいように胸元で統一だが、合わない服装の者もいるだろうからとネックレス状のアクセサリーも用意されているそうだ。これは参加者の希望で選べばよい。勿論ブローチやネックレスを付けていない者にはtrickもtreatもしてはならないが、この夜につけていない者などそうそういないだろう。中には雑踏ひしめく街の中でかくれんぼのようなことをする者もいると言う。
「ボクは百鬼夜行のほうに参加するつもり。もし会ったらよろしくね」
 街は最後の夜ということもあってすっかりお祭り騒ぎ。このシーズンに合わせた雑貨も売っていることだろう。お菓子を持って待っていても良いだろうし、シャルルと共に百鬼夜行へ参加して街を練り歩くのも良い。
 別のイレギュラーズを見つけて自身と分かれようとしたシャルルはああそうだ、と肩越しに振り返る。
「Trick or Treat。お菓子は忘れずに──ね」
 そう告げて。彼女らしからぬ、悪戯っぽい表情で笑みを浮かべたのだった。

 さあ、11月3日の夜。『あなた』はどう過ごす?

GMコメント

●百鬼夜行
 街を練り歩いてトリックオアトリート! と言う側です。オレンジ色のジャック=オ=ランタンアクセサリーを渡されます。(ブローチorネックレス)
 百鬼夜行は大所帯のグループがひとつありますが、友人と複数人のみのグループで練り歩く者も多いようです。紫色のジャック=オ=ランタンを身に着けた姿を見つけたら合言葉を口にしましょう!

●菓子渡し
 オレンジ色のジャック=オ=ランタンを身に着けた人から合言葉を口にされたらお菓子を渡す側です。渡さなくても良いです。悪戯されても良いのなら。紫色のジャック=オ=ランタンアクセサリーを渡されます。(ブローチorネックレス)
 菓子自体は企画をした自治体から配られていますので、もし足りなくなればイベント本部へ行けば貰えるでしょう。『自分で食べてもらいに行こう』なんて思わずに。魔法が解けてしまうかもしれません。

●フィールド
 幻想にあるひとつの街です。ファントムナイト最後の夜に沸き立っています。
 この季節らしい雑貨を売っている店も多く、不思議なフードやドリンクもありそうです。百鬼夜行を気にせずショッピングやデートも良いでしょう。その場合はジャック=オ=ランタンアクセサリーを身につけないことになります。
 中央の広場にはイベント本部が立てられており、不足したお菓子の補充や参加賞となるアクセサリーの配布を行っています。1度配られたものは交換することが出来ませんのでご注意ください。

●NPC
 当方のNPCはブラウ以外、お呼び頂ければ登場する可能性があります。

●イベントシナリオ注意事項
 本シナリオはイベントシナリオです。軽めの描写となりますこと、全員の描写をお約束できない事をご了承ください。
 同行者は1行目に記載ください。またアドリブの可否に関してはNGの場合のみ記載ください。基本アドリブが入ります。

●ご挨拶
 愁です。最後の夜、皆様はいかがお過ごしですか?
 魔法が解けるその時まで楽しんでいきましょう!
 それではどうぞ、よろしくお願い致します。

  • <Phantom Night2020>あいことばを口にして完了
  • GM名
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年11月21日 22時20分
  • 参加人数22/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 22 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(22人)

ポテト=アークライト(p3p000294)
優心の恩寵
リゲル=アークライト(p3p000442)
白獅子剛剣
善と悪を敷く 天鍵の 女王(p3p000665)
レジーナ・カームバンクル
シュバルツ=リッケンハルト(p3p000837)
死を齎す黒刃
ヨゾラ・エアツェール・ヴァッペン(p3p000916)
【星空の友達】/不完全な願望器
マルク・シリング(p3p001309)
軍師
ポシェティケト・フルートゥフル(p3p001802)
白いわたがし
ミニュイ・ラ・シュエット(p3p002537)
救いの翼
十夜 蜻蛉(p3p002599)
暁月夜
アーリア・スピリッツ(p3p004400)
キールで乾杯
炎堂 焔(p3p004727)
炎の御子
アシュレイ・バロウズ(p3p006890)
Fragile
イーハトーヴ・アーケイディアン(p3p006934)
キラキラを守って
メルトリリス(p3p007295)
神殺しの聖女
フレイ・イング・ラーセン(p3p007598)
ラヴ イズ ……(p3p007812)
おやすみなさい
リンディス=クァドラータ(p3p007979)
ただの人のように
コユキア ボタン(p3p008105)
雪だるま
メル=オ=メロウ(p3p008181)
Merrow
マギー・クレスト(p3p008373)
マジカルプリンス☆マギー
シガー・アッシュグレイ(p3p008560)
紫煙揺らし
希紗良(p3p008628)
鬼菱ノ姫

サポートNPC一覧(2人)

シャルル(p3n000032)
Blue Rose
フレイムタン(p3n000086)
焔の因子

リプレイ


 トリックオアトリート。それは今宵までの合言葉。
 アシュレイはシュガーに抱きかかえられ――まるでさかさまになってしまったよう――お菓子をもらったり、悪戯したり。ブローチはシュガーの胸元だ。
「あら……ないの?」
 どうやら目の前の子は菓子がなかったらしい。そう、と呟いたアシュレイは小首を傾げてその子を見た。ないなら悪戯(トリック)しなければ。さて、何がいいだろう?
(普段やらない格好はこっ恥ずかしいな……)
 自らの仮装を見下ろしなんとも言えぬ顔のフレイははしゃいだ声に顔を上げる。マギーは狼女のようだ。
「わぁ、仮装とってもお似合いです!」
「マギーもな」
 もふもふの耳尻尾をつけたマギーは楽しそうにがおー! とポーズを作り、フレイへ行こうと促す――が、その前にと立ち止まって振り返った。
「Trick or Treatです! ふふ、悪戯の準備もバッチリですよ!」
 悪戯させてもらえると見込んでの行動。けれどもフレイは準備よろしく菓子をマギーへ渡す。
(折角似合いそうなリボンを選んできたのですが……)
 次の機会を狙おう。などと思っていたマギーは彼からも同じ言葉が返ってきて顔を上げる
「菓子がないなら、吸血鬼らしく血でもいただこうか?」
「えっ」
 冗談だ、と間髪入れず返ってくる言葉。なんだかマギーばかり振り回されているみたい。せめてものお返しと言わんばかりに、マギーはフレイの手を引いて走り出した。
 賑やかな大通りを外れ、アーリアは紫カボチャのネックレスを揺らしながら歩く。一時の姿とはいえ、怖がらせてしまうかもしれないから。
「みぃつけた」
「っ!?」
「こんばんは、オレンジ色のジャック=オ=ランタンさん」
 優しい声音に、されどその見てくれはやはり怖がらせてしまうようで。けれど自らのネックレスを指差すと元より泣きそうだった――迷っていたのだろうか――子供の目が瞬いた。
「とりっくおあとりーと……?」
「ふふ、よく言えました」
 優しく頭を撫でて、菓子を渡して。通りはあちらよと道を示す。そうして遠ざかる子供の背中を見送り、アーリアはまた裏通りを練り歩くのだった。

「まあ」
 青色鹿になったポシェティケトは目の前の存在に目を丸くした。大切な人だもの、すぐ彼女だってわかるけれど。
 ふわふわで真っ白な毛並みに、籠をツノヘかけた――そう、仔鹿姿なのだ。
「とってもとっても可愛いわ」
「ポシェティケトさんみたいでしょう?」
 彼女のようになりたかったのだろうか。微笑ましくそれを聞いたポシェティケトは、ラヴへ合言葉を呟いた。……が。
「あっ……」
 しまったと声を上げるラヴ。すっかり全部配り切ってしまったのだ。
「まあ。じゃあ悪戯しちゃいましょう」
「わっ、きゃっ……?」
 ぱちっと目の前で星が弾ける。瞬くたびにぱちぱちと。驚きはすぐに歓声へと変わって、その反応にはポシェティケトも大満足だ。
「賑やかねぇ」
 夜は必ず明けるもの。けれどこれなら次の夜を待つ間も寂しくないだろう。最も、夜はまだまだこれから。まずは2人でお菓子を食べに行こうか。
 希紗良はあっちをきょろきょろ、こっちをきょろきょろ。気になるものはあまりにも多すぎて。
「何か食べたい物とかあるかな?」
「むむ……」
 シガーの問いに考えてしまう。どれも気になるけれど、甘いもの――なんて言ったら笑われるだろうか?
 しかしその様子を見たシガーは偶然も偶然、甘いものはどうかと提案する。本当に偶然なのかどうかは、さておいて。
「これは?」
「チュロスだよ。食べながら色々見て回ろうか」
 一先ずとシガーが購入したのはチュロス。けれど希紗良に『食べ歩き』という概念まだない。
「ほら……結構食べながら歩いてる人も居るでしょ?」
「郷に入れば、でありますね。……ならば」
 穿った見方もよろしくない。ここは異文化に挑戦だ。心を決めてかぶりついた希紗良は目を丸くし、もぐもぐと咀嚼しながらシガーを見上げる。その瞳にシガーは笑みを浮かべた。
「他にも美味しい物は色々あるからね」
 一晩では回りきれないけれども、それならばまた来れば良い。美味しいものの数々は魔法ではないのだから。
(俺は一体何になりたいんだろう)
 最後の夜を誰が楽しむ中、シュバルツは1人その街並みを眺めていた。
「――だーれだっ!」
「ようアリス」
 すぐに看破されても気にした風もなく笑うメルトリリス。抱きついたその身は姉が来ていたドレスを纏っていた。彼もその服にはすぐ気付いたらしい。
「ハートの女王か。まぁ、女王ってよりはお姫様だが。
 そうだ、アリスはどんな悪戯をするんだ?」
「うーん、悪戯……秒で考えますね! えとえと」
 メルトリリスは焦る。だって『菓子がなければ悪戯』なんて不正義じゃないか。どうしようか。噛み付く? 痛そう。もっと何か別の――。
「あっあっ、よしかんがえた! トリックオアトリート!」
「ないぜ」
「ええ!? ならしゃがんでください!」
 疑問も持たずしゃがんだシュバルツの口にちゅむ。メルトリリスとて勢いである。はわ、と呟いた彼女は火がついたかのように真っ赤になった。
「はわ、は、はわわ」
「……そういえば、護衛の騎士はいないのか? 店もまだまだ開いてるだろうし、付き合ってやるよ」
「あ、うん、えと、行く、はわわわ」
 なんでもない風に見えるシュバルツと、動揺の収まらないメルトリリス。この状態は暫く続きそうだ。
「トリックオアトリート!」
 焔の言葉にフレイムタンは慣れたように――もう何人かには配っていたのだろう――彼女へお菓子を出す。焔も言われたからお返しを。
「その格好……フランケンシュタイン、だっけ?」
「ああ。触ってみるか?」
 頭のネジへ向けれる視線にフレイムタンが屈むと、焔がそっと触ってくる。そんな彼女は炎の精霊だろうか?
「もっと炎が上手く使えるようになったらな、って思ってたせいかな? 似合う?」
 くるりと回れば踊り子のような衣装がふわりと舞う。フレイムタンは小さく「綺麗だな」と呟いた。
 見たことのある――けれど見たことのない姿にマルクとリンディスは立ち止まる。片や魔法使い、片やヴァンパイアだ。
「かわいいヴァンパイアだね」
「マルクさんこそ素敵な魔法使いさんに」
 彼女の言葉にそうかな、とマルクは首を傾げる。いつもとあまり変わらないように思っていたけれど、他人から見るとそうでもないのかも。
 そんな彼らは対照的で。思ったよりも沢山の菓子をゲットしたリンディスが視線を向ければ、
「え、トリック?」
 菓子(トリート)より悪戯(トリック)をする羽目になっているマルクがいる。もふもふを目の前にすれば、そちらの方がご褒美のように感じられるかもしれない。マルクはしきりに首を傾げているけれど。
(後でお菓子は分けましょうか)
 代わりに自分ももふもふさせてもらえたら、などと思いつつリンディスはマルクへ声をかける。
「ちょっとルール違反ですけれど……トリック・オア・トリート!」
 目を丸くするマルク。けれどほんの少しばかり悪戯っぽい笑みを浮かべる。そう、沢山菓子をもらっている彼女へのささやかな反撃だ。
「イタズラの方が良いって言ったら?」
「そうですね。『お揃いハートの刑』にしましょうか」
 こうして2人の頬にはお揃いのハートマーク。……これも悪戯には程遠いかもしれない。

「シャルル嬢!」
「ん……あ、イーハトーヴ?」
 狼は嬉しそうに「正解!」と零す。強い狼の姿らしい。少しは守れるものが増えるかもしれない――ささやかで真摯な願いの具現だ。
「それに、ほら! とってももふもふなんだ!」
「本当。温かそう……あ、ならボクが触ったら吃驚するかも」
 いつもよりさらに色素の薄い姿は雪の精を願ったが故らしい。指先までひやりと冷たいそうだ。
「大変、温めなくちゃ! あ、でも溶けちゃうかな?」
「流石にないと思うけど……まあ、今夜が終われば元通りだよ」
 それなら今宵を楽しまなくちゃとイーハトーヴはシャルルを促した。時間には限りがあるのだ。
 キラキラな夜に、沢山のお菓子を集めよう。
 蜻蛉とボタンは手を繋いで、ゆっくりと店を見て回る。今宵までのお祭り騒ぎとあって、露店も売り切る勢いだ。
「その猫耳、とっても可愛らし」
「ふふ。蜻蛉さんと並びたかったんです」
 猫耳の彼女とお揃いになるように、猫耳型のティアラを。それを見る蜻蛉の目は暖かい。しかもお揃いの白雪だから、冷たい手だって気にせず繋げるのだ。
「あれ食べる? あっちのも――」
 だからだろうか、蜻蛉もはしゃいでしまって。ボタンも楽しいからそんなこと、全く気にならないのだけれど。
「そや、記念に何か買わへん?」
「記念ですか?」
「お互いにプレゼント、なんてね?」
 今宵、お揃いで街へ繰り出した記念に。蜻蛉がそう言って手に取ったのは、魔女帽子を被った黒猫のストラップだ。対してボタンは雪の結晶を模したガラス細工の簪を。
「ふふ。宝物がまた増えました」
「うちも。おおきに、大事にするわね」
 宝物を胸に――2人は微笑みあった。
「お菓子をくれないと悪戯しちゃうよ……♪」
 海の悪魔『メロウ』ことメルはカボチャバケツに満たされた蜂蜜へ菓子をつけながら、また新たな菓子をねだりに行く。ちょっと縁日みたいで楽しい。メルはお化けっぽいコートの人物はトリックオアトリート。
「はーい、可愛いにゃんこからお菓子だよー!」
 フード下の猫耳がぴょこりと揺れる。ヨゾラは飴やチョコ、クッキーなどのお菓子を詰めた籠をメルへと差し出した。全部を網羅してみたいメルだけど我慢して、一口チョコを摘まみ上げる。
 と、こ、ろ、で。ヨゾラの唇がそう動いて。
「Trick or Treat、お菓子をちょうだい……にゃあ!」
「そうだなあ、それじゃあこの蜂蜜飴をどうぞ……♪」
 2人は菓子を交換こ。お互いもらったものを手にしてふふりと笑う。
「ねえ、何もなかったらどうしてたの?」
 ヨゾラの問いかけにメルは蜂蜜酒を取り出す。これを飲んでもらうつもりだったけれど――人によってはこれもまたトリートかもしれない。
「トリックオアトリート!」
 そう唱えられるたびにミニュイはその口へ飴やらチョコやらを放り込む。給餌でもしている気分だ――などと思っていれば、また1人。
「ミニュ、お菓子をくれてもいたずらしちゃうぞ!」
 もふもふなヴォーパルバニーとなったレジーナが「がおー!」と威嚇のポーズ。
「合言葉が違うけど」
「細かいことはいいのだわ! お菓子ちょーだい!」
 しかしここで菓子を渡そうともいたずらをやめる気はないらしい。菓子だけでは足りないということか。
 考えるそぶりを見せたミニュイはレジーナの口にぽいと飴を放り込む。それを嬉しそうにレジーナが堪能する間に――。
「ひゃっ!? ミ、ミニュ! くすぐったいのだわ!」
「くすぐったくしてるんだよ」
 自身の羽でふわふわとレジーナの体をくすぐるミニュイ。おかしい、レジーナは決して『されたい』訳ではなかったはずなのに!
「お菓子をくれなきゃ悪戯するにゃ!」
 尻尾を揺らしてそう告げる猫さん――ポテト。彼女を肩に乗せたリゲルは籠に菓子を入れてもらう。
「普段と違う目線はどうだ?」
「面白いし、見る物が大きく見えて凄いな!」
 いつもより耳元で聞こえる妻の声が弾んでいて、リゲルはそうかと相貌を崩す。
「トリックオアトリート!」
「お菓子をくれなきゃ肉球ぱんちにゃ!」
 そのパンチは悪戯というかご褒美では――そんなツッコミは入れない。妻が楽しそうだから良いのだ。
 2人の呼びかけに、紫ブローチを告げた人々からの菓子が籠を埋めていく。それに目を輝かせるポテトは籠の方へ身を乗り出した。
「落ちないようにな?」
「ああ!」
 青いリボンを揺らし、器用にバランスを取るポテト。そういえば、彼女が『もらう』立場になるのは珍しいかもしれない。
「リゲル、あーん」
 ポテトは菓子をひとつリゲルへと。リゲルからもお返しに食べさせてもらい、2人はふふふと笑い合う。
 2人で食べる菓子はこんなに美味しいから。来年もまたこうして楽しもう。

成否

成功

MVP

なし

状態異常

なし

あとがき

 お疲れ様でした、イレギュラーズ。
 またのご縁がありますように。

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