シナリオ詳細
<マジ卍文化祭2020>祝、学園祭! 体験VRダンジョン!!
オープニング
●一日VR体験ダンジョン!
希望ヶ浜学園ダンジョン部も、学園で行なわれる文化祭に催し物を提供することになった。
「お前たちももダンジョン部なのだから、やはり部活を通じた普段の活動を広報くらいするといい」
無名偲・無意式校長は、ダンジョン部にそのように通達した。
まだまだ活動内容も定まっていないというのに、無茶振りも甚だしい。
「学園の施設を使って、一日ダンジョンなんか楽しそうだな。評判がよかったら、ボーナスで特別活動費も考えてやるぞ」
そんな呟きを残して去っていった。
校長が去った後、ダンジョン部では活動内容の発表の場としていろいろな相談がなされた。
ダンジョン実習の場にしている鏡の迷宮は、さすがに使用を見合わせることになった。
学園内ならともかく、学園外から参加する一般人がやってきたら、安全面の問題があり本物のダンジョンに入れるわけにはいかないのだ。
そこで、である――。
VRゴーグルを使ってのヴァーチャルダンジョン体験を売りにするという意見が上がった。
VRゴーグルは高価だが、夜妖と対峙する生徒を育成する機関だけあってそれなりに数を用意できたようだ。
これを使用すれば、安全にダンジョンを楽しめるだろう。
●ダンジョンでおもてなし!
「じゃあ、ダンジョン部の催しは“仮想ダンジョン”でいくってことでいいのね」
音呂木・ひよのが意見をまとめた。
仮想ダンジョン――。
複数のVRゴーグルを用意して、コンピュータでダンジョンを用意する。
こうすれば、安全に、楽しくダンジョンを探索が体験できる。
「実際の部活動だと、あなたたちが探索するわけだけど、今回はダンジョンを用意する側になるわ」
つまりは、ダンジョン部での活動を体験してもらうため、仮想のダンジョンを構築するだけではなく、モンスター役やトラップ設置、ダンジョン内ショップを経営するなど、迎え入れる側になるというわけだ。
「戦闘になっても、実際にダメージを受けることはないわ。ヴァーチャル昨日の性能はいいから、再現度は高いわよ」
ひよのの説明を受けて、実際にVRゴーグルを漬けてみると、リアルなダンジョンが広がっている。
リアルと言っても、あえてリアリティを再現しすぎて心的ショックを受けないようあえてディフォルメされている点もある。
「ダンジョンエディットもできるから、どういうダンジョンにするかはお任せするわ」
これなら、こちら側でダンジョンを構築し、楽しんでもらえるだろう。
「ダンジョン内で仮想出店なんか作っても面白いかもしれないわね」
というわけで、ダンジョン部の出し物は決まったのであった。
- <マジ卍文化祭2020>祝、学園祭! 体験VRダンジョン!!完了
- GM名解谷アキラ
- 種別イベント
- 難易度VERYEASY
- 冒険終了日時2020年10月09日 22時30分
- 参加人数12/∞人
- 相談7日
- 参加費50RC
参加者 : 12 人
冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。
参加者一覧(12人)
リプレイ
●ダンジョンに訪れし者たち
希望ヶ浜学園マジ卍祭、開催である!!
学園の生徒たちも、学園外からの入場客たちも、日頃学び活動する生徒たちが披露するさまざまな催し物を楽しみにやって来る。
焼きそばやたこ焼きを売る出店もあれば、演劇なども催させる。
そしてダンジョン部では、VRダンジョンが用意されている。
VR(Virtual Reality)――すなわち仮想現実である。
この日のために、部室にはVRゴーグルが用意されている。
「へえ、VRダンジョンねー」
「ちょっとタクヤー、楽しそうじゃない?」
「アイコ、こういうのに興味あんの?」
「だってー、楽しそうじゃない」
タクヤとアイコというなんか軽いノリの学生カップルがダンジョン部の出し物に興味を示した。
「ようこそ、ダンジョン部へ!」
部員が迎えると、さっそくVRゴーグルが配られる。
これを装着したら、現実空間にいながらにして仮想現実のダンジョンを楽しめるということだ。
仮想世界で攻撃を受けても、リアルな体験はできるが負傷することはない。
さっそく、ふたりはゴーグルを装着する。
すると、中世ヨーロッパ風ファンタジーの光景が広がっている。
タクヤとアイコも、戦士と僧侶のアバターをまとっている。
そしてダンジョンに進んでいく。
「お願いなのだわ……助けて欲しいの! 私の街を救うために、このダンジョンの奥にある秘宝が必要なのだわ……!」
ダンジョンの入口に、翼を生やした華蓮・ナーサリー・瑞稀が運命の乙女っぽく佇んでいた。
「これ、おねーさんNPCってこと?」
「アイテムとかあげられないんですけど、クエストを発行してるのだわ」
「はーん、なるほどね」
ダンジョン探索のチェックを済ますと、戦士タクヤと僧侶アイコはさらに進んでいく。
暗い回廊を、カンテラの明かりで進んでいく。
「うおっ……!?」
突然、戦士タクヤが飛び退いた。
さっそくのトラップだ、銃声が響き、弾丸の雨霰の洗礼である。
「大丈夫、タクヤー?」
「なんとかなー。こんなトラップもあるのかよ」
他にも地雷や飛び出す障壁なども仕掛けられている。
『遠慮なしに、とはいかないっすけどしっかり用意してやるっすー!』
そううそぶいたリサ・ディーラングが仕掛けたものだ。
「…………」
そのときである。
ガチャンガチャンとダンジョンをさまようフルプレートアーマーが現われた。
中身はブレンダ・スカーレット・アレクサンデルである。
問答無用で遭遇モンスターとして剣を振るう。
同時に、リサが配置したミニロボットの大群も出現した。
「おお、モンスター遭遇戦だな!」
●さらに奥へ
「ふう……。結構本格的だったなー」
「ほんとねー。でも、面白かったしー」
戦闘はなんとか切り抜けた戦士タクヤと僧侶アイコであった。
さらに探索を続けていく。
「へいらっしゃい!」
ダンジョンの先に、屋台がある。
ヴァーチャルと言えど、じゅううう~っとソースが焦げる音が聞こえてくる。匂いまで漂ってくるのは、ゴーグルの外で実際に焼きそばを焼いて再現している。
仮想ダンジョン内にランダムで出現する仮想出店こと『VRゴリョウ亭』である。
オークのゴリョウが店主を務め、回復やデバフを付与してくれる。
「ふむ。学園祭の出し物としては、中々に本格的だな」
仙狸厄狩 汰磨羈は、タクヤとアイコと同じく冒険者としてこのVRダンジョンに挑むのだ。
そのふたりと並んで食べお終わると、さっそく声をかけた。
「この先、御主たちふたりでいくのか? 私は事前準備も十分すませてあるから、パーティに入れてもらおう」
「まあ、そういうならいいか」
「いんじゃない?」
そんなわけで、汰磨羈は仲間になった。
「これがダンジョン……すごい……」
そこにもうひとり、葬屠もやってきた。
きょろきょろと仮想のダンジョンを見回している。
「それに……軽い……体も……」
仮想現実なので、疲れないしダメージも受けない。
「おお、御主も一緒にパーティに加わらないか?」
少女型のグリムアザーズである葬屠に汰磨羈が声を掛け、パーティに誘う。
これで、4人パーティである。
「さて、どうしよう……?」
その一方で、那須 与一は迷っていた。
客に楽しんでもらうという趣旨はわかっているのだが、妖精郷に至るためにの迷宮にしか行ったことがない。
そこで、ひらめいた。日本の若者たちにもウケるダンジョンを用意すればいい、と。
「月光……蝶でござる!」
与一のダンジョンエリアは宇宙空間で満たし、光の蝶が舞っている。
「きれいねー」
「だよなー」
スマホで画像として収めると、タクヤとアイコは恋人たちとして盛り上がり、次に進んだ。
すると、大きな扉が彼らの前に立ち塞がった。
扉は固く閉ざされ、霊鳥と聖獣の像がこちらを睨むように待ち構えている。
「ええと……『天地の瞳交わる時、道は開かれる』だってさー」
「アイコ知ってるー、これリドルってやつだよね」
「マジかよ、やるじゃんアイコ」
「だから、目と目を合わせるようにこれを向かい合わせてって……」
それで、扉は重々しい音を立てて開いた。
リドルを用意した雨紅も、片隅で僧侶アイコの解答にひとり頷いてる。
やはり、リドルは解かれてこそだ。
「フハハハ! よく来た、挑戦者よ! 僕はこのコロシアムの王者“瑠璃蝶”!」
扉を開けると、迷宮内の闘技場となっていた。
そこで待ち受けていたのは、溝隠 瑠璃である。
VRダンジョンについてはよくわかっていないが、闘技場に待ち受けるラスボスの雰囲気で待ち受けていたのだ。気分は、ラド・バウ闘士である。
「……はじめまして……食べる……? お菓子……」
「食べる!」
葬屠が差し出したお菓子を、瑠璃は速攻で食べた。
ヴァーチャルだが、何故か味を感じるのである。
「やーらーれーたー! では、先に進むがいいぞ」
そうアナウンスすると、一行は先に進んだ。
するとどうだろう? その一帯は、ビルが立ち並ぶスーパーシティが広がっているではないか。
「すげー、こういうの見たことあるわー。サンドボックスゲーってやつ?」
「作るの意外に大変なんでしょ?」
などと言い合う、タクヤとアイコを戦闘に進んでいく。
ビルのひとつひとつをエディットしたようで、結構手間がかかっているようだ。
「ヒィ――!!」
奇声とともに、全身タイツ戦闘員が出現する。
どうやら、ここは現代ヒーローダンジョンエリアのようだ。無意味にバク転し、パーティをぐるぐる取り囲んでいる。
「ガオー、メイゴンなのですよ!」
そして見よ! 怪獣のぬいぐるみに身を包んだメイまでもが行く手を阻む。
顔が怪獣の口のところからで出でくるタイプで、楽しそうに暴れている。
「あの……お菓子……」
「やーらーれーたー……のです!」
怪獣メイゴンも、葬屠のお菓子の前に一発で沈んだので、先に進む。
「でもよー、あれが最後のメイゴンには思えねえよなー」
「そうね。わたしたち人類が田舎を省みることなく思い上がれば、第二第三のメイゴンが現われるのよねー」
……どうだろう? お菓子を持ってくてばすぐにでも現われるんじゃないかと思う汰磨羈であったが、とりあえず胸に秘めることにした。
そしてやってきたのは、海洋エリアだ。
これもエディットできる。
「よく来たわね! この海域に来た以上、身ぐるみと金と水と女を置いていって貰うわよ!」
「さあ、Step on it!! かかってきなさい勇者よ!」
そこに海賊船とともに現わわれたのは、イーリンとウィズィの女海賊コンビである。
はぐれ悪魔超人コンビも裸足で逃げ出す極悪美女コンビだ。もぴったりで、手までつないでいる。
「ダンジョン部部長として、盛り上げるわよ!」
ちなみに部長というのは、ウィズィの自己申告である。
他にも、ダンジョン部にはキャプテンや主将、総裁、ダンジョンマスターとか、さまざまな役職があり、自由に名乗れるらしい。
「イーリン! 共に往こう!」
「共に行こう……悪くないわ」
イーリンが言うなり、髪から燐光を放って同時攻撃を仕掛けてくる。
しかも、二体同時に倒さないと復活して
「やっべ!? 海賊が襲ってきたぜー! つか、女置いていけねーし」
「タクヤー……きゅん! もう返り討ちにししちゃってよー!」
通常なら、こういう軽いノリのカップルに負けるはずがない二人であるが、ここはVR空間である。
一般人であっても、戦闘能力は強化されているのだ。
「おらぁぁぁぁぁっ!」
「さっすがタクヤぁー!」
ぶん回したタクヤの素人スラッシュは、剣を適当に振り回すとコンボになるという仕様である。
ふたり同時にやられてしまう極悪女海賊コンビであるが、その散り際に笑顔を浮かべていた。
「イーリン……貴女と一緒なら……」
ウィズィの言葉に笑みを浮べるイーリン。 手をたずさえて、ふたりは海へと消えていった。
戦闘で敗北するも、バカップル度では負けていないというアピールであった。
※ ※ ※
「いやー、面白かったっすー」
「もう、タクヤってばダンジョンの中でもかっこよかったよ♪」
「フッ、俺の愛はヴァーチャルじゃねえぜ?」
VRダンジョン体験は、好評のようであった。
学園祭のお化け屋敷とかで出し物関係なく、なんとなく愛を深めてふたりの世界に入ってしまう学生カップルがたまにいるが、そんな感じだ。
最後に、ふたりはアンケートを提出してダンジョン部を後にした。
「またのお越しをお待ちしてまーす!」
ダンジョン部の部員たちが挨拶をして送り出す。
さあ、次はどんな冒険者が挑戦するだろうか?
成否
成功
MVP
なし
状態異常
なし
あとがき
マジ卍祭、ダンジョン部の出し物はこんな感じとなりました。
これからも安全で楽しいダンジョンを楽しもうと、いろいろな冒険者が挑戦してきます。
今後とも、部活動で廃と隣り合わせの青春を謳歌してくださいませ。
それではまたの機会にお会いしましょう。
GMコメント
■このシナリオについて
皆さんこんちわ、解谷アキラです。
暑い夏が終わったと思ったら、急速に涼しくなって文化芸術食欲の秋となりました。
そこでダンジョン部では、ダンジョン活動を出し物にすることが決定したのです。
ダンジョン探索を安全に体験してもらおうということで、ヴァーチャルダンジョンでおもてなしします。
・VRゴーグル
性能はよく、実際にダンジョンを探索している気分を味わえます。VR空間では、ダンジョン探索側は一般人でも戦闘できるくらいには調整されています。
・ダンジョン部側
ダンジョン部では、ダンジョンのエディット、モンスター(VRで自由にアバターを選択可)、トラップの設置などで迎え撃ちます。あくまでもダンジョン探索者を迎え撃つ側になります。
もしくはNPCとして助言をしたりアイテム販売などをしてもよいでしょう。
それでは、ダンジョン部でダンジョンライフを楽しんでください。
●情報精度
このシナリオの情報精度はAです。
想定外の事態は絶対に起こりません。
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