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シナリオ詳細

<マジ卍文化祭2020>学園の中心から、叫ぶ

完了

参加者 : 23 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

オープニング


 再現性東京2010。
 誰かが作り上げた日常。誰かが守ってきた日常。
 そこには、許されざるヨルがはびこることもあるけれども……。
 イレギュラーズの活躍によって、希望ヶ浜においては、やはり、なつかしいような日常が今も続いていて。
「学校祭」などという行事が行われているのであった。


 というわけで、希望ヶ浜学園は大いににぎわっている。
「若者は元気だな……」
 無名偲・無意式は校長室の窓から、生徒たちのにぎやかさを他人事のように眺めている。
「先輩ーーーー! 好きだーーーーー!」
 今、行われているのは、一世一代の告白大会。
 そう、それは学園祭の出し物のひとつとして……、衆人環境の中、様々な主張を屋上から叫ぶという催しである。
「先生!!! あのショートパンツはいかがなものかとおもいます!!!!!!!!! 授業に集中できません!!!!」
「田中、借りた漫画返せよ!!!」
「コンピューター部、部員募集中ですーーーー!!!」
「誰でもいいから付き合いたい!!!」
「借りた本はきちんとご返却ください!!」
「保健のエロい先生!!!!!!」
「野球部の〇〇くん、大好きです……!」
 なにやら地方の風習が奇妙に混ざり合ったような奇習といえば奇習なのか。
 学食のメニュー復刻を祈るものや、先生たちに日頃の感謝を込めて叫ぶもの。ただ叫びたいもの、さまざまである。
 挙句の果てには。
「鳥人間コンテスト、出場1番、飛びますーーー!」
 粗末な作り物で空に挑み、瓦解する手作りの飛行機があったり。
 実にフリーダムだ。
「マジ卍祭り、いいと思うんだがな」
 無名偲に叫ぶような元気はないので、ただぽつりとつぶやいた。
「マジ卍祭り……いいと思うんだがな」
 二回言った。

 窓の外には熱気あふれる若者たち。
 さあ、彼らは何を叫ぶのだろうか。

GMコメント

●目標
 楽しみましょう。

●状況
 希望ヶ浜学園の屋上にて、校庭に向かって叫ぶイベントです。
 叫んだり、ド派手な格好でド派手に飛び降りてみたりしましょう。

●できること
 主な行動の例です。

【1】叫ぶ
 好きなことを叫びましょう。心のままに!
 ヒューヒュー言われるでしょう。

【2】モブからの告白
 基本的に、生徒たちはイレギュラーズたちが気になって気になって仕方ありません。
 告白されることもあるでしょう。モブが告白してきたものとしてプレイングをかけてかまいません。
 急に名前が呼ばれたらびっくりしちゃうね!
「お友達になってください!」「いつもありがとう!」レベルから、「結婚してください!!!」レベルの熱愛を受けていたり様々です。
 返答してあげましょう。
 もちろんごめんなさいしてもそんなに空気が悪くなったりはしません。

※PC同士の恋愛的なことについては、相互プレイング推奨です。
 決定的な返答はだいたい濁されます!

【3】飛ぶ・飛び降りる
 遠くまで飛ぶことをモットーとして手作りのグライダーなどで飛び降りる一派が確認されています。下にはマットが敷いてありますので、安全です。
 飛距離を目指すもよし。かっこよく飛び降りるもよし。
 ド派手に決めましょう。

【4】眺める・野次る・その他
 やれやれ、青春だねえ、と喧騒を眺めながらこっそり告白するのもまた青春ではありませんか?

●その他
【ペア・グループ参加】
 どなたかとペアで参加する場合は相手の名前とIDを記載してください。できればフルネーム+IDがあるとマッチングがスムーズになります。宛先間違えたらたいへんだ!

  • <マジ卍文化祭2020>学園の中心から、叫ぶ完了
  • GM名布川
  • 種別イベント
  • 難易度VERYEASY
  • 冒険終了日時2020年10月12日 22時10分
  • 参加人数23/∞人
  • 相談7日
  • 参加費50RC

参加者 : 23 人

冒険が終了しました! リプレイ結果をご覧ください。

参加者一覧(23人)

月原・亮(p3n000006)
壱閃
リリファ・ローレンツ(p3n000042)
永遠の0・ナイチチンゲール
ヨタカ・アストラルノヴァ(p3p000155)
楔断ちし者
オデット・ソレーユ・クリスタリア(p3p000282)
鏡花の矛
フェスタ・カーニバル(p3p000545)
エブリデイ・フェスティバル
ティア・マヤ・ラグレン(p3p000593)
穢翼の死神
東雲・リヒト・斑鳩(p3p001144)
胡乱な渡り鳥
ゴリョウ・クートン(p3p002081)
黒豚系オーク
イグナート・エゴロヴィチ・レスキン(p3p002377)
黒撃
仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)
陰陽式
新道 風牙(p3p005012)
よをつむぐもの
ミルヴィ=カーソン(p3p005047)
剣閃飛鳥
グリモー・アール(p3p006591)
This is a book
フラン・ヴィラネル(p3p006816)
ノームの愛娘
ルチア・アフラニア・水月(p3p006865)
鏡花の癒し
アンジュ・サルディーネ(p3p006960)
海軍士官候補生
ネリ(p3p007055)
妖怪・白うねり
メイ=ルゥ(p3p007582)
シティガール
ハルア・フィーン(p3p007983)
おもひで
ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル(p3p008017)
薄明を見る者
フィナ=フォルトゥナ(p3p008257)
鉛筆転がしの
フラーゴラ・トラモント(p3p008825)
星月を掬うひと
溝隠 瑠璃(p3p009137)
ラド・バウD級闘士

リプレイ

●To be or not to be
「せっかくだし、普段の学校ではできないことしたいよな」
「普段できないことかあ……」
 風牙はふとハルアを見た。
「なあハルア、お前飛べるんだよな? じゃあ、オレと一緒に飛んでくれねえ?」
「おおっ?」
「ほら、今ちょうど屋上イベントやってるし、そこ行こうぜ!」
「そんな楽しいことしてるんだ? 行こー!」

「いくぜハルア!」
「YES! ウィーキャンフラーイ! ……あっ」
「大丈夫! オレの幻影で適当に人工の羽つけて飛んでる風に見せるから!」
「ありがと、めっちゃかっこいいのよろしく!」
 二人でなら、空を飛ぶことにためらいはない。
「風だーーーー! って、あれ!?」
「風牙なんでびっくり?」
「なんでオレ、ハルアに抱っこされてんの?」
「まかせよ!」
「ちょ うわ ハルア力強い!? その細っこい体のどこにそんなパワーが!? やめろって! この格好はちょっと恥ずかしい! やめ」
「風牙のスピードとかかなわないからおたがいさまっ♪」
「うわああああ!!!!!」
 加速すれば、ハルアの前髪が揺れて、額の小さな宝石が柔らかな光を零す。
 慌てる風牙がおかしくて、もっと強く抱きかかえる。もうずいぶん学校も遠く、きっとみんなには見えてないかもしれない。
 ハルアは、風牙の詳しいことを何も知らない。性別も、難しいことも。でも、確かなのは、今この瞬間が、とびっきりのきらきらな時間であるということ!
 抱っこの後は仲良く手を繋ぎ、ふわりと降り立った。顔を見合わせて、やっぱり笑う。

(んむ、良い風だ)
 パラグライダーを装着し、屋上に立つ汰磨羈の姿。
 ねこみみが風を受け止めている。
「相当に昔から、ちょくちょくと思っていたことがある。ああ。何故に、人はこうも飛びたがり、そして落ちたがるのか。いやまぁ、スリルがあるからなのは分かっているがな!」
 熱気と青春。
 乗らないという選択肢はない。
「仙狸厄狩 汰磨羈、全力でいかせてもらう!」
 視線を猫のようにかがめてぐんと瞬発力を溜め、クラウチングスタート。助走をつけてから、くるくると、側転・バク転・捻って前宙からの猛ダッシュ!
 踏み込み、ジャンプ!
 空中三回転を決めて、空中へと舞う猫武者娘。風をとらえてパラグライダーを展開する。
「んー……飛びながら落ちていく。何とも気持ちが良いものだ」

「むむ、これが都会ですか」
「わぁ、みんなすっごく叫んでますね!」
 きょろきょろするメイと、ぱあっと表情を輝かせるフィナ。
「こんな高い所からジャンプしていいなんて、そうそうない機会なのですよ!」
「あの声に負けないように、めいっぱいフライング! しましょう! あなたは何を使うんですか?」
「フフフ……」
 メイはくるりと背中の羊のおんぶぬいぐるみバッグを向ける。
「わあ!」
「都会のお祭りはとても寛容なのですよ。メイのロケッ都会羊さんの真価を発揮できる機会がやってきたのですよ!」
「わたしはこの立て看板をパラシュートみたいにして飛び降りますよ!」
「看板です!?」
「ベースジャンプっていうらしいですね! 昨日試したら5割くらいでうまく着地できたので、きっと大丈夫です! それにこれくらいの高さなら、わたしは落ちてもぜんぜん大丈夫ですし!」
「!?」
「子供の頃、20mぐらい山を滑落したこともありますけど、その時も割と無傷でしたし!」
「!?!?」
 都会とは、恐ろしいものだ。
「ではでは!
4番! フィナ!! 飛びます!!!
とう!」
 ためらいなくフィナは飛ぶ。
 助走をつけてスラスターに点火するメイ。ロケットのようにびゅんと飛んでいった。
「ヤッホーーイ、楽しいのですよー♪」
 べきっとフィナの看板にひびが入る。
「あれ、フィナさん、落ちてないです!?」
 勝率、五割。

●叫べ! 思いのままに!
「あたしこういうの練達TVで見たことある!」
 フランはぐっと拳を握った。
「6人のいけめんが屋上で見守ってて、なんかいい感じに盛り上がったら「〇〇~!」って名前呼んでいい感じの音楽と一緒に駆け寄るんだよね」
「ムフムフムフムフ↑~いけめん、つまり吾輩であ~るな」
 千年を超える時を経て自我を持った魔導書、グリモー。
「これはな~んと素晴らしいイベントであ~るか。これほどの女子が吾輩に対し恋情を抱き愛の告白をしようとはであ~る」
 ため息をつくようにはらりとページが捲れた。
「勿論、古代の叡智を湛える類稀な魔導書たる吾輩が人々に畏怖され敬愛されるは当然であ~るがそれを恋心まで進めてしまうとは……う~む吾輩の何と罪深きことであ~るか。
さあ遠慮はいらないであ~る、今すぐにでもAから始めてBCと共に階段を昇って行こうではないであ~るか」

「やっほーーーーー!!!!! みんなーーーーー!!!!!」
 アンジュの元気な声が、会場いっぱいに響き渡る。
「今日はーーーーー!!!!!
何の日かーーーー!!!!!!
知ってますかーーーーー!!!!!!」
 耳に手を当てるジェスチャー。
「マジ卍の日~?」
「違いますーーーーーー!
今日はーーーーーー!!!!!!
いわしの日でーーーーす!!!!!」
 1月84日はいわしの日。オーバーフローしていわしの日。365日いわしの日。
「そんな今日だからーーーーー!!!!!!!
みんなに言いたいことがありまーーーーす!!!!!!!」
 すううううと息を吸い込み、大空に向かって、一言。
「いわしを食べるなーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」
(どうやったら消えるんだろう……)
 フランはいわ死兆を押さえた。

「ゴリョウさーーーん!!! 肉まん美味しいですーーーー!!!」
 食堂のメニューへの愛の告白。
「ぶははっ、こっちこそ何時も美味しく食ってくれてありがとよー! どんどん注文してくれーー! 食ってくれる奴が居てこそだからなーーーー!」
「お肉ーーーー大好きでーーーすーーーー!」
「漬物苦手だったけどーーーー! ゴリョウさんのなら大丈夫ですーーーー!」
「毎日ーーーお味噌汁をーーー! 作ってくださいーーー!」
 モテモテだ。
 食べ盛りの体育会系の男子生徒の栄養素はゴリョウによって賄われているのだ。
 お米中心、和食でボリュームのあるゴリョウの料理は学生に大人気。ゴリョウのいる日がカレンダーに書き込まれているという噂もあるとかないとか。
「ぶはは、それだけ褒められちゃあなーーーー」
 つい食券を弾んでしまったりなどして。
(あの人は……いないかあ……)
 ……謎の清掃員に懸想している女子生徒がいるのは内緒だ。

「次は俺だな」
「おっ、おっ、先輩、まさか……!(こ、ここここ告白とか!?)」
 フランはいつにない雰囲気を感じ、aPhoneでBGMを用意する。
「オレはタスクがしょうもないことを言ってリリファがキレる方に100G賭けるよ」
 イグナーツも飛び降りついでに見に来た。
(あたしだったら何叫ぶかなー、リリファ先輩よりあたしの方があるぞー! かな。先輩は角度とか言ってたけどね、ふふん)
「三年三組! 月原タスクー!
今日はリリファ・ローレンツに言いたい事があります!」
「なーーーにーーーー!?」
 ちょっとドキドキするリリファ。
(ふ、ふふん。あんな所から何を言うつもりなんでしょうね。流石にちょっと緊張しますね!)
(緊張? 勿論する! けど、折角の機会だ! ひよのにも何か言ってこいって言われた!)
 もじもじとした甘酸っぱい時間。
「いつも貧乳だとか乳がないとか色気がねえとかお前のこと馬鹿にして悪かったって思ってる!」
「……ちょっと! 乳がないとかそういうのを大声で……!!」
「俺、きちんのリリファの事! みてる! ちゃんと、お前の良いとこ知ってるよ!」
「……っ!」
「亮~~~!!」
「だけどさ! これだけは言っておかなきゃいけないと思ったんだ!」
 何と返事をしよう。
(私も月原さんの良い所は知ってますよ! えっとですね――あ、とりあえず月原さんの発言をまってから……)
「やっぱりー! お前ー! 俺が知る中で一番貧乳だぁぁぁぁ!!!!!」

「はっ? ころす」

 リリファルゴンが、ものすごい勢いで屋上へと移動していく。
「あんにゃろめ!! 頭から噛みついてやります!」
「わーーー放送コードが!」
「上等ですよ!! ムキャムキャ、ムキャキャ――!!」
「とりあえず逃げるぜ! あのムキャムキャが来る前に!」
「よし、飛び降りるならここだな! タスクもイッショにどう? 下に行ってリリファと対決しようぜ!」
「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ、いや、イグナートと一緒に行ったらワンチャン……ああああーーーこんなところで死んでたまるか! タレントに抱きしめられて感動を茶の間に届ける役割が俺にはっ」
 イグナートは勇ましく屋上から飛び降りスーパーヒーロー着地を決める。
 狙ったように爆発音。
 見上げると、タスクの姿はない。
 散ったか。
 イグナートはヒザを抱えて、保健室に向かうことにする。

●それもまた青春の形
「恋って激しいものなのね」
 血痕の飛び散った屋上、ネリがモップをかけていた。一通り綺麗になったところで、クリームソーダを片手に席に着く。恋というのは、まだわからない。
「ところでマジ卍って何かしら? 何語なのかしら?」

(戦いの気配!)
 様子を見に来た瑠璃。しかし、現場検証の跡しかない。がっかりしていると……。
「瑠璃ちゃーーーーん!!! だ、大好きです!」
「へっ? 今僕告白された?」
「付き合ってくださいー!」
 相手は同級生の原田君? といったか。挨拶も交わすし世間話もするクラスメイトの友達だ。
「……好意は勿論嬉しいよ? だけど……一つ確認していい?」
「はい!」
「原田君、僕よりも強い人かな? 僕ね、家の方針で「伴侶は僕よりも強い人」って決められていてね」
「え?」
「だから、今度僕と勝負しよう! その時に僕を倒せたらその時はお付き合いしよう!」
「おーっと、ここで挑戦状だーーーー!」
「た、体育祭とかかな!?」
「……いやあ、ここでも挑戦者が出て来てくれて嬉しいな♪ どんな死闘(たたかい)出来るのかな♪」
「脈あり! 脈ありですかね!?」
 脈が止まらないように祈ろう。

「「「ブレンダ先生に言いたいことがあります!」」」
 数人の男子生徒たち。
(確か高等部だったか? 体育の授業で受け持ったな)
「授業中のジャージ姿ありがとうございます!!!」
「黒のパンツスーツも好きです!」
「すすす、スケバンの格好をしてたって聞いたんですけど!」
「「「いつも色々とありがとうございます!!!」」」
 青春というか欲望というか……。
 叫んだ生徒が、女生徒から凄い目で見られている。
 麗しいながら、恋愛沙汰には疎いブレンダ先生であった。
「何のことかはわからんが感謝されるのは嬉しいな。こちらとしても教え甲斐があるというものだ……」

「あっ、あのっ、えっと、ミルヴィせ、せせんせい!」
 一方で、自らの色気を武器と心得るミルヴィは、顔を真っ赤にした男子生徒を見るだけで、何を言わんとするかは分かってしまう。
(むむーん告白かー……)
 可愛いものではあるのだけれど、付き合うというわけにもいかない。
(アイドルやってるせーか吟遊詩人やってる頃より口説かれる回数増えたけど、なーんか結婚してくれー的なのが多いんだよネ)
 これもお仕事と割り切り、至上の笑みを浮かべるのだった。
「1列に! 1列に並んでください! 一人30秒までです」
 ミルヴィに陥落された人間は数多い。
 もはや屋上は握手会場と化していた。ミルヴィはニコニコ顔で列を捌いていく。ぎゅ、っと手を握手をされると耳まで真っ赤にする男子生徒。初心だ。
「ふふっ、アタシをこんなに好いてくれるンだー、ありがと♪」
「あわわ」
 流し目でオーバーキル。
「あ、あの!」
 強引に手を伸ばしてくる生徒の手を軽くひねる。
「えっと、アタシが恋人にしたいのは私を愛してくれるのは勿論だけど。容姿強さ関係なく男っぽい包容力がねー……だから、えっちな事ばっかり言う奴はお断り!」
「お、俺、紳士になります!」
「いい子だねっ♪」
 どんなに控えめな服を着ていてもその抜群のスタイルが隠せていない……。
 びば、清楚力っ♪

「す、好きです……」
(あっ……)
 ヨタカに向かって、勇気を振り絞る生徒。
 にぎやかさにひかれてやってきただけだったのだけれど、まさか告白されるなんて思ってもみなかった。
 集まる先生、生徒達の眼差し。
 ドキドキと心臓の音が聞こえそうな程に告白した女子生徒の視線が絡む。
(ええ……唯見に来ただけだったのにまさかこんな事になろうとは……)
 どう断ろうかと考え、菫色のループタイを握りしめる。
 ……特別はたった一人。恋を捧げてくれるあなたへ。
 だから、普段は出さない大声で答えよう。

「皆に、言いたいことがあるー!!」
\なぁーにー/
「俺ー! 既婚者で、大切な人がいるからー!! 気持ちだけ受け取るよーありがとうー!!!」
 あちこちで悲鳴が上がるが、納得したようなため息もちらほら。悲しませてしまうがこればっかりは仕方がない。
(彼女の青春は玉砕したかもしれない……しかし、まだまだ未来があるんだ。落ち込まず先へ進んで欲しい)

●いろいろな思い
「東雲さんやっぱり恥ずかしいよ……。え? フラーさんなら大丈夫……?」
「ダイジョウブダイジョウブ。ホラ、丁度いい機会だし思いの丈をさけんでみたらいいじゃないかウン」
 ぽん、とフラーゴラの背を押す斑鳩。
「どうしてそこでニヤニヤしてるの……! また面白がってるでしょ……むぅ……」
 実際面白がっている。
「ホラホラ、お先にどうぞフラーさん。ああ、もちろん私だって何かしら言うさ。信用できないかい?」
 促されて進むフラーゴラ。
「アトさんデートしてーーー!」
 きゃああああああ、とあたりが盛り上がる。
「この間デートがなくなっちゃった時本当に悲しかったんだからーー!
結婚してって言いたいけどー! 今は先にデートしたいーー!」
「あとクローク知らない?って言った時に「知らない」って嘘吐いてごめんねーー! 盗った犯人ワタシだよーー!」
 衝撃の真実!
 ひゅう、と口笛を吹く斑鳩。
「いいねぇ、青春ってのは。本当に面白いよねぇ……」
 いつのまにか物陰に隠れ、叫んでいるのを聞いてニヤニヤとする斑鳩であった。

「あんな所から大声で叫んで、恥ずかしくないのかしら……それも青春なのかしらね」
 ルチアは最初こそ見ていただけだが、勝手がわかってきてからはサンドイッチ片手に合いの手を入れてみたりして。
 しかし、ステージに立ったルチアを見て思わずむせそうになった。
(何やってるのよあの子)
「はいはーい、オデット・ソレーユ・クリスタリアは言いたいことがあるわ!」
 半眼になりながら、相手が誰なのか目で追うことはない。興味ないし、なんてことはないけど。しかし指名されたのは……。
「それはねー……ルチア! あなたは私の一番の親友ってことよ!!!!」
 オデットは、ルチアの赤髪を探して指を突きつける。
 わあ、と沸いて人込みが割れた。
「は、はあ?」
 オデットはひるまない。なぜならばそれは紛れもない本心だから。
「この私が親友だっていってるんだもの、嫌なんて言わせないわよ? また遊びに行きましょ!」
「恥ずかしいわよバカっ!」
 耳まで真っ赤にして逃げるルチア。
 ネリはクラッカーを鳴らしてみる。
 サプライズ、してやったり。割れんばかりの拍手が鳴り響いていた。

「いちねーん! よんくみーー!
ふぇすた かーにばるー!」
 拍手の中に進み出るフェスタ。
「今日はー! ティア・マヤ・ラグレンさんに、言いたい事がありまーすっ!」
「なーーにーー?」
 ティアはにこにこそれを見守る。
 フェスタはすーぅっと深呼吸して、緊張した面持ちで、叫ぶ。
「ティアさん! だい、すきっ、でーーーーすっ!!!!」
 わああああ!
「私はっ! ずっと、みんなの事が好きで、大切でっ!
恋愛の好きとかっ、よくっ、わからなくてっ!
今も……っ! まだ、自信が、ないけどっ!」
(ふふ、可愛いなぁ)
 なんてまっすぐなんだろう。ティアも少し頬を赤らめてしまう。
「でもっ! でもーっ!
ティアさんといる時間が大切で! 大好きで!
ずっと一緒にいたいって! おもってまーーーすっ!」
 最後の方は感情のままに鼻声で、目はうるんでいる。
 叫び終わった時、飛んできたティアが目の前にいた。目じりをぬぐい、くるむようにぎゅっと抱きしめた。
「ありがとう、フェスタ。私も大好きだよ」
 ちょっとだけ目を合わせて、微笑みあって、そのまま。
(キスしても良いんだけど、それは2人きりの時にしたいから今はとっておこうかな)

「さてさて吾輩に恋をした女子の番はまだであ~るか」
 イベントは終わり、グリモーがかたずけられていく。
「なに吾輩は知っているであ~る焦らすのもいい女の条件であ~るとつまりこれはそうであ~るな……むむちょっと待つであ~る何故撤収準備が始まっているであ~るか吾輩を好いた女子はどこ」

成否

成功

MVP

なし

状態異常

月原・亮(p3n000006)[重傷]
壱閃
フィナ=フォルトゥナ(p3p008257)[重傷]
鉛筆転がしの

あとがき

叫んでるとーーーー!!
文字数がーーーーーー!!
足りませんっ!!!!!!!
学校祭、おたのしみいただkゲホッゲホッツでしょうか!
GMは終始いろいろとにやにやしておりました。
ありがとうございましたーーーー!!

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