PandoraPartyProject
アリアドネ
運命は縺れた糸。
酷く、悲惨なまでに絡み合い。
取り付く島もない位に頑なで、涙が出る位には面倒だった。
――例えば。
遥かな過去で男が役割を投げ出さなかったならばどうだっただろう?
天空の鳥籠で囀る事も出来ない女は産まれ得なかったのだろう。
――例えば。
雪の降る街で男と女が合わなかったならばどうだっただろう?
彼女はきっと希望も愛も知らなかったに違いない。
――例えば。
孤高の聖女が初めて弱音を漏らした時、彼に抱きしめる事が出来たなら。
原罪に咽ぶその男は愚かにも、破滅的にも遂行した終焉への道のりを修正し得たかも知れない。
数限りなく交差した運命と可能性とそれが齎す結末は無限の星霜に降り積もり、何時しか永久に溶けない雪になる。
しんしん、しんしんと――
始まりの感情さえ胡乱で。
それを見下ろす神託の少女のその目は曇る事すらも無く。
滅びを求む者、未来(さき)を望む者――永遠に交わらぬかに思えた両陣営の決戦に結果ばかりを押し付ける。
『想いある機械』は願いを紡ぎ、悪態を吐き合う敵同士は不思議な程に通じ合った。
――覚悟してろよ。絶対にオマエを下に降ろしてやるんだからな!
原罪を義兄と嘯いた彼の想いは奇しくも色褪せて擦り切れたかつての少年に同じく。
小さな胸を痛ませる事よりも最後の項(ページ)にピリオドを打ち込む事を信じた物語の娘は前だけを見た筈だ。
鮮烈に。ああ、鮮烈に。
何処までも真っ直ぐな少女の刃が虚無を貫く――
――どうやら、完敗してしまったみたいだ。
皮肉屋の笑みにそう返した原罪の深い嘆息は影の城での『魔種との戦い』の終わりを告げるものだった――
※<終焉のクロニクル>Pandora Party Projectが進行しています!
※魔種との決戦が終結しました!
※各国首脳が集結し、一時的に因縁と思惑を捨て、ローレットと共に決戦に臨む事で一致しました!
※幻想各地にダンジョンが発見されたようです。
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